JPH10171265A - 画像形成装置とその中間転写体ベルトの製造方法 - Google Patents
画像形成装置とその中間転写体ベルトの製造方法Info
- Publication number
- JPH10171265A JPH10171265A JP8328862A JP32886296A JPH10171265A JP H10171265 A JPH10171265 A JP H10171265A JP 8328862 A JP8328862 A JP 8328862A JP 32886296 A JP32886296 A JP 32886296A JP H10171265 A JPH10171265 A JP H10171265A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- image
- intermediate transfer
- transfer belt
- image forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Color Electrophotography (AREA)
Abstract
さく、しかも一次転写部において像担持体との接触圧に
追随して変形し、かつ表面に粘着性のない中間転写体ベ
ルトを備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 本発明の画像形成装置は、像担持体1,
現像装置3,一次転写器4および中間転写体ベルト6
と、中間転写体ベルト6上の未定着トナー像を記録媒体
Pに二次転写および定着する熱ロール9とを備えてい
る。中間転写体ベルト6は、ポリイミド樹脂等の樹脂材
料および導電剤を構成成分とするヤング率35000k
g/cm2 以上の基材と、フッ素系ゴムまたはシリコーン
ゴム等の弾性材料で構成された中間層と、フッ素系樹脂
等の表面エネルギーの小さい材料を構成成分とする表面
層との3層構造からなる。各層の厚みは、基材が50μ
m以上、中間層がトナー平均粒径の3倍以上、表面層が
5μm以下であることがそれぞれ好ましい。
Description
レーザプリンター,ファクシミリ,これらの複合OA機
器等の電子写真方式を利用した画像形成装置に関する。
より具体的には、像担持体に形成されたトナー像を一旦
中間転写体ベルトに一次転写した後、これを用紙等の記
録媒体に転写定着して再生画像を得るようにした転写定
着方式の画像形成装置およびその中間転写体ベルトの製
造方法に関する。
は、無機または有機光導電性材料で構成された感光体か
らなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変
調したレーザ光等で静電潜像を形成した後、帯電したト
ナーにより静電潜像を現像して可視化されたトナー像と
する。そして、このトナー像を直接あるいは中間転写体
を介して、用紙等の記録媒体に転写することにより所要
の再生画像を得る。像担持体上に形成されたトナー像を
中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像
を記録媒体に二次転写する方式を採用した画像形成装置
は、例えば特開昭62−206567号公報等に開示さ
れている。また、中間転写体ベルト上のトナー像を熱ロ
ールにより二次転写と同時に定着処理を行う転写定着方
式の画像形成装置も、広く知られている。上記熱ロール
を備えた画像形成装置に用いられるベルトの材質として
は、ステンレス鋼板,ポリイミド樹脂,ポリエステル樹
脂等の耐熱性基体と、シリコーン系やフッ素系ゴム等の
耐熱性転写層を有するベルト材料(特開昭58−854
69号公報)、ポリアミド繊維織布とその上にシリコー
ンゴムをコーティングした転写層を有するベルト材料
(特開昭62−263270号公報)、熱可塑性樹脂お
よび熱硬化性樹脂の基体と、シリコーンゴムまたはフッ
素ゴムのゴム状の転写層からなる3層構成のベルト材料
(特公平1−34375号公報)、プラスチックをベー
スとし、その上にフッ素樹脂等をコーティングして表面
を非粘着性としたベルト材料(特開平5−204255
号公報)などが知られている。
ムの転写層を有するベルトは、ゴム材料自体に粘着性が
あるため、ベルト駆動時に感光体等との接触によってベ
ルト駆動に負荷変動が発生するので、ベルトの位置ズレ
が生じる。そのため、多色のトナーがベルトに担持され
る際に位置ズレが生じ、高品質の画像を安定して得るこ
とができない等の問題がある。また、フッ素樹脂でコー
ティングされたエンドレスベルトは、ベルト表面に弾性
がないため、電界を作用させてトナー像を静電的に転写
する一次転写部において、感光体ドラム等との接触圧に
よる厚さ方向の変形が殆どない。例えば、一次転写器と
してバイアスロールを用いた場合は、ベルトの変形が小
さいので、ロールの押圧力による荷重が集中する。その
ためトナーが凝集して、ライン画像が中抜けするホロー
キャラクタと称する画質欠陥を発生するという問題があ
る。さらに、フッ素樹脂コーティングのエンドレスベル
トのベースとして、耐熱性のある柔軟なプラスチック材
料を用いた場合には、上述のゴム材料を表面層として用
いた場合と同様に、駆動時の応力に対するベルトの変形
が大きく、高品質の画像が安定して得られない。
ブラックを分散させたシームレスベルトが、例えば特開
昭63−311263号公報に提案されている。しかし
ながら、上記ポリイミド樹脂を基材として用いた場合、
該ポリイミド樹脂は機械特性に優れているため、上述の
エンドレスベルトと同様に、一次転写部での接触圧によ
る変形が小さいため、やはり画質欠陥を発生させる等の
問題がある。3層構成の中間転写体として、例えばアル
ミニウム製の金属基体を厚み0.75mmのウレタンゴ
ム層で被覆し、更にフッ素樹脂表面層をコートした中間
転写体ドラムを用い、二次転写ロールから転写電圧を印
加して、中間転写体上のトナー像を記録媒体に静電的に
二次転写する画像形成装置が公知である。しかし、転写
定着方式の画像形成装置においては、ドラム基体に金属
材料を用いると、二次転写部に作用させた熱が一次転写
部に影響を与えるため、転写定着方式の画像形成装置に
適用することはできない。しかも、中間転写体ドラムに
おいては、一般に弾性層の厚みは0.5〜1.0mmの範
囲にあり、これを中間転写体ベルトに適用した場合、上
述のように、駆動時の応力に対するベルトの変形が非常
に大きくなるという問題もある。
を柔軟な高分子材料または転写層を粘着性のあるゴム材
料で構成したベルト材料は、駆動時の応力に対するベル
トの変形が大きくまた粘着性があるので、高品質の転写
画像が安定して得られないという問題がある。更には、
表面層をフッ素樹脂で構成したベルト材料や、機械特性
に優れたポリイミド樹脂を基材とするベルト材料は、ベ
ルト表面に弾性がないので、一次転写部においてトナー
像が凝集するため、画質欠陥を発生させるという問題が
ある。そこで、本発明の目的は、上述の問題点を解決し
ようとするものであって、駆動時の応力に対するベルト
の変形が小さく、しかも一次転写部において像担持体と
の接触圧に追随して変形し、かつ表面に粘着性のない中
間転写体ベルトを備えた画像形成装置および該中間転写
体ベルトの製造方法を提供することにある。さらに、本
発明の目的は、一次転写器としてバイアスロールを用い
た場合でも、その押圧力によりトナー像が凝集すること
のない画像形成装置を提供することにある。
を解消すべく鋭意研究・検討を重ねてきたところ、機械
特性に優れた樹脂材料を基材とし、非粘着性の材料を表
面層として、基材と表面層の間に、像担持体との接触圧
やバイアスロールの押圧力に追随して変形する弾性材料
を介在させた3層構造のベルト材料を実現することによ
って、上述の目的が達成されることを見出し、本発明を
なすに到ったものである。すなわち、本発明の画像形成
装置は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像担持
体と、像担持体に形成された静電潜像をトナーによりト
ナー像として可視化する現像装置と、像担持体上に担持
されたトナー像を一次転写する一次転写器と、一次転写
されたトナー像を担持する中間転写体ベルトと、中間転
写体ベルト上の未定着トナー像を記録媒体に二次転写お
よび定着する熱ロールとを備え、上記中間転写体ベルト
は、樹脂材料および導電剤を構成成分とするヤング率が
35000kg/cm2 以上の基材と、弾性材料で構成
された中間層と、水の濡れ性で表示した場合の水滴との
接触角が90°以上の表面エネルギーの小さい材料を構
成成分とする表面層との3層構造のベルト材料からなる
ことを特徴とする。また、本発明の画像形成装置用中間
転写体ベルトの製造方法は、樹脂材料および導電剤を構
成成分とするヤング率が35000kg/cm2 以上の
基材上に、フッ素系高分子材料を含有する塗布液をコー
ティングした後、250℃以上に加熱して、フッ素系ゴ
ム材料で構成された中間層とフッ素系樹脂材料で構成さ
れた表面層とを形成することを特徴とする。
図1は主要構成部材を備えた画像形成装置における中間
転写体ベルトの配置関係の概要を示す説明図である。図
1において、感光体ドラムからなる像担持体1の周面に
は、その回転方向に沿って順次、帯電器2、現像装置
3、一次転写器4、クリーニング装置5等が配置されて
いる。また、中間転写体ベルト6は、ベルト搬送ロール
7a,7b,7cおよびバックアップロール8に張架さ
れている。この中間転写体ベルト6は、像担持体1表面
に適当な接触圧で当接しながら矢印方向に移動し、像担
持体1とこれに対向して配置された一次転写器4との間
を通過する際に、転写器4によって一次転写された未定
着トナー像を担持する。中間転写体ベルト6を介して、
上記バックアップロール8およびベルト搬送ロール7a
と対向する位置に、それぞれ熱ロール9およびベルトク
リーナ10が配置され、バックアップロール8は中間転
写体ベルト6を裏面から支持する。熱ロール9にはヒー
タ9aが装着されていて、一次転写が完了した未定着ト
ナー像を担持した中間転写体ベルト6がロール8,9間
の二次転写定着部を通過する際に、例えば用紙P等の記
録媒体(以下用紙Pで代表する)に二次転写定着され
る。
のコロナ転写器、バイアスロール、転写ブレードなどが
用いられる。一次転写器4には1〜4kVの電圧が印加
され、像担持体1と一次転写器4との間に発生する電界
の作用により、像担持体1に担持されたトナー像が中間
転写体ベルト6に一次転写される。前記熱ロール9を支
持するバックアップロール8は、金属あるいは単層また
は多層構造の弾性体から構成される。例えば、単層構造
の場合は、シリコーンゴム等の耐熱性の良好なゴム材料
で構成される。2層構造の場合は、単層の場合のゴム材
料を下層として、その外周面に例えばフッ素系樹脂を被
覆したロールから構成される。フッ素系樹脂としては、
テトラフルオロエチレン(TFE),フッ化ビニリデン
(VDF)等の重合体、エチレン−TFE共重合体(E
TFE),TFE−ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)共重合体(FEP),TFE−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられ
る。
像担持体1に担持されたトナー像が中間転写体ベルト6
上に一次転写される間は転写体ベルト6から離間してお
り、転写体ベルト6に担持されたトナー像を用紙Pに転
写定着する時は、転写体ベルト6に圧接してこれをバッ
クアップロール8に押圧するように構成される。上記熱
ロール9は、その材質が耐熱性の良好なものであれば、
特に限定されるものではない。例えば、シリコーンゴム
等のゴムロールや、このゴムロールをコア層として、そ
の外周面に例えば前記フッ素系樹脂等の耐熱性および離
型性の良好な材料を被覆したコーティング層から構成さ
れる。熱ロール9には、例えば酸化マグネシウム,シリ
カ,アルミナ,窒化硼素,炭化珪素,酸化亜鉛等の熱伝
導性の良好な微粉末を分散させておくことが好ましい。
熱ロール9の外径は一般に25〜30mmの範囲にあ
り、また2層構造の場合のコア層の厚みは2〜4mmの
範囲、コーティング層の膜厚は10〜30μmの範囲に
あることが好ましい。熱ロール9の硬度は一般にJIS
A で30〜50°の範囲にあるものが用いられる。中
間転写体ベルト6更には用紙Pを介してバックアップロ
ール8に押圧される熱ロール9は、その押圧力が8〜1
2kgの範囲、そのニッブ幅が2.5〜3.5mmの範囲
にあることが好ましい。前記ヒータ9aとしては、ハロ
ゲンランプ,赤外線ランプ,シーズヒータ等の熱源が用
いられ、使用するトナーによるもが、定着処理時には通
常150〜200℃の範囲に発熱温度が制御される。
としては、図2に示すように、樹脂材料および導電剤を
構成成分とする機械特性に優れたフィルム状の基材6a
と、弾性材料で構成された中間層6bと、表面エネルギ
ーの小さい材料を構成成分とする表面層6cとの3層構
造からなるベルト材料が用いられる。基材6aを構成す
る樹脂材料としては、熱硬化性ポリイミドや熱可塑性ポ
リエーテルスルホン等が挙げられる。これらの樹脂は、
ポリカーボネート(PC)やPVDF等の従来の熱可塑
性樹脂と比較して、駆動時のベルトの変形が小さいとい
う特長がある。また、導電剤としては、カーボンブラッ
ク、グラファイト、更には酸化錫,酸化亜鉛,酸化アン
チモン,酸化インジウム,チタン酸カリウム,酸化アン
チモン−酸化錫複合酸化物(ATO),酸化インジウム
−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物が
挙げられる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム,ケイ
酸マグネシウム,炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被
覆したものでもよい。好ましく用いられる金属酸化物と
しては、三井金属(株)製の平均粒子径が0.1μmの錫
系複合酸化物(製品名:UF),0.3μmの亜鉛系酸
化物(パストランType−II),平均粒子径が0.4μm
の硫酸バリウム表面に錫系酸化物を被覆したもの(パス
トランType−IV)、0.2μmのATO,0.2μmの
ITO等が挙げられる。これらの導電剤は2種以上併用
することができる。上記導電性金属酸化物は、基材を構
成する樹脂との相溶性を向上させるために、シラン系カ
ップリング剤で表面処理したものが好適である。また、
基材の表面抵抗率は1010〜1015Ω/□の範囲にある
ことが好ましい。
動)によるベルトの伸び・縮み(変位量)は、ベルト材
料のヤング率に逆比例することが知られている。すなわ
ち、ベルト材料のヤング率とベルト駆動時の負荷変動に
よるベルトの変位量との関係は、下記の式(1)で表すこ
とができる。 Δl = α・P・l/(t・w・E) (1) Δl:ベルトの変位量(μm) α:係数 P:負荷(N) l:2本のテンションロール間のベルトの長さ(mm) t:ベルトの厚さ(mm) w:ベルト幅(mm) E:ベルト材料のヤング率(N/mm2) 従来のPC,PVDF等の熱可塑性樹脂材料は、カーボ
ンブラックを分散したときのヤング率が24000kg/c
m2以下である。これに対して、本発明においては、基
材のヤング率を35000kg/cm2以上と大きくした。そ
のため、ベルト駆動時の外乱によるベルトの伸び・縮み
が少なく、中間層を介在させることによって高品質の転
写画像が得られる。ベルト駆動時の外乱によるベルトの
変位量を少なくして、良質の転写画像を得るためには、
基材の厚みは50μm以上あることが好ましい。なお、
基材が厚くなりすぎると、ベルト表面の変形が大きくな
り、カラー画像を形成する場合、多重トナー像の位置が
ずれて色ズレが発生するようになるので、基材の厚みは
50〜150μm、特に70〜100μmの範囲にある
ことが好ましい。
体ベルト6の接触圧、特に一次転写器4としてバイアス
ロールを用いたときの押圧力による応力の集中を回避す
るために、弾性材料で構成される。この弾性材料は、特
に限定されるものではなく、任意のゴム材料を用いるこ
とができる。その具体例としては、イソプレンゴム,ク
ロロプレンゴム,ブチルゴム,エピクロルヒドリン系ゴ
ム,ノルボルネンゴム,フッ素系ゴム,シリコーンゴ
ム,ウレタンゴム,アクリルゴム,EPDM,SBR,
NBR,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム
等が挙げられる。中間層は、転写定着時に中間転写体ベ
ルトが熱ロールにより押圧されるので、フッ素系ゴム,
シリコーンゴム等の耐熱性のある弾性材料が好ましく用
いられる。フッ素系ゴムとしては、PTFE,PVD
F,PHFP,ポリクロロトリフルオロエチレン,PF
A,ETFE,FEP,PFA−FEP共重合体等が挙
げられる。また、シリコーンゴムとしては、硬度(JI
S A)20〜60°の1液タイプのRTV(室温硬
化:room temperature vulcanizing)型が好ましく用い
られる。
ためには、中間層の厚みはトナー平均粒径の3倍以上あ
ることが好ましい。ここに、トナー平均粒径とはその体
積平均粒径を意味し、通常4〜13μmの範囲にあるト
ナーが使用される。一例として、体積平均粒径7μmの
トナーを使用した場合、中間層の厚みは21μm以上で
あることが好適となる。また、弾性材料が厚くなりすぎ
ると、テンションロール(7a〜7c,8)部位でのベル
ト表面とベルト裏面の変形量の差異が大きくなるので、
中間層の厚みは一般に80μm以下に設定される。より
好ましい厚みの範囲を示すと30〜65μmである。
の水滴との接触角が90°以上の材料で構成される。
「水の濡れ性」とは、表面層を構成する材料を試験片と
して用い、この試験片平面と水滴との接触角を尺度とし
て表示される。試験片表面に水滴をおくと、試験片の表
面張力γs ,液体/試験片間の界面張力γi ,液体の表
面張力γl が釣り合って、図3に示すように、ある一定
の形を形成する。この時、液滴が小さく重力の影響を無
視できれば、ヤング(Young )の式(2)が成り立つ。 γs = γi + γlcosθ (2) そして、本発明における「表面エネルギーの小さい材
料」とは、上記接触角θが90°以上の材料を意味す
る。
る弾性材料として例示したゴム材料と同様の耐熱性に優
れたフッ素系樹脂、これらのアミド変性樹脂や、ウレタ
ン変性樹脂などが挙げられる。これらの材料は、表面エ
ネルギーが小さいので、非粘着性でベルト表面へトナー
が付着し難いという特性を有する。したがって、ベルト
材料から用紙への転写および定着が良好であるため、オ
フセット等が発生するようなことがなく、良質の画像を
得ることができる。表面層の膜厚は、中間層の弾性を損
なわないよう5μm以下であることが好ましい。その下
限値は、中間層を構成する弾性材料によるベルト表面の
粘着性を防止できればよく、通常1μm程度である。
は、一般に70〜200μmの範囲にあり、100〜1
50μmの範囲にあることが好適である。厚みが200
μmを越えると、中間層の場合と同様の理由により、テ
ンションロール部位でのベルト表面とベルト裏面の変形
量の差異が大きくなり、転写ズレを生じるようになる。
静電転写法でトナー像を中間転写体ベルトに一次転写す
るには、中間転写体ベルトが所定の表面抵抗率を有して
いることが重要である。表面抵抗率が低すぎると、中間
転写体ベルトと像担持体との間に過大な電流が流れるこ
とから、一旦は中間転写体ベルトに転写されたトナー像
が像担持体に戻ってしまう、いわゆるリトランスファー
現象が発生してしまう。一方、表面抵抗率が高すぎる
と、トナー像の転写時に中間転写体ベルトが著しく帯電
することから、中間転写体ベルトが像担持体と離間する
際に剥離放電が発生し、中間転写体ベルトに転写された
トナー像が剥離放電に伴って飛散してしまう。これらの
現象を回避するためには、中間転写体ベルトの表面抵抗
率は1011〜1015Ω/□の範囲にあることが適当であ
る。特に、1012〜1014Ω/□の範囲にあることが好
ましい。中間転写体ベルトの表面抵抗率は、必要に応じ
て、基材だけでなく中間層および表面層の一方または双
方に導電剤を分散させることにより調整することができ
る。
て製造される。まずカーボンブラック等の導電剤を分散
させた樹脂材料をフィルム状に成形して基材を形成す
る。例えば、樹脂材料がポリエーテルスルホン等の機械
特性に優れた熱可塑性樹脂である場合は、導電剤を配合
した樹脂材料を通常の射出成形,押出成形,圧縮成形等
により基材を形成することができる。また、樹脂材料が
熱硬化性樹脂、例えばポリイミド樹脂の場合は、一般に
テトラカルボン酸二無水物とジアミンまたはジイソシア
ネートとの縮重合により形成される。前者のジアミン法
の場合は、合成されるポリアミド酸の有機極性溶媒中に
導電剤を添加し、ミキサーで充分に混合して製膜原液を
調製する。後者のジイソシアネート法の場合は、合成さ
れるポリイミドの溶液またはその粉末を有機極性溶媒に
再溶解した後、導電剤を添加して製膜原液を調製する。
いずれの方法においても、フィルム成形前に予め製膜原
液をフィルタに通して、二次凝集して粗大化した導電剤
や異物を除去することが望ましい。また、導電剤を予め
ポリマー原料に添加しておいてもよい。フィルムの成形
法は、遠心成形法等の回転式成形法でも、あるいは金属
シート上で成形するキャスティング法のいずれでもよ
い。これらの成形法では、製膜原液をスリットダイから
円筒金型または金属シート状無端ベルト上に流延する。
成形されるフィルムの厚みは、主として製膜原液のポリ
マー濃度と押出量,導電剤の配合量や、円筒金型の回転
速度(前者)または液膜の引取速度(後者)によって調
整される。
成を抑制するには、製膜原液の乾燥温度を段階的に昇温
させることが望ましい。例えば、製膜原液のポリマーが
ポリアミド酸の場合には、円筒金型またはベルト上の流
延膜をまず120℃の温度で2時間程度加熱し、上記極
性溶媒を蒸発させて半硬化状態の自己支持性フィルムを
得る。次いで、フィルムを120〜350℃で30〜1
50分程度加熱して、溶媒をほぼ完全に蒸発させる。こ
の工程は、120℃から350℃に一挙に昇温させるの
ではなく、適当な温度幅で段階的にあるいは連続的に徐
々に昇温させながら行われる。その後、420〜450
℃で20〜30分加熱し、ポリアミド酸を脱水縮合させ
ることにより、ポリイミド樹脂に導電剤が分散した基材
が形成される。製膜原液のポリマーがポリイミドの場合
には、上記脱水縮合工程を省略すればよい。乾燥工程に
おいて溶媒が蒸発して自己支持性フィルムが形成された
時点から上記縮合工程終了後の任意の段階で、形成され
るフィルムに延伸加工を施すことが好ましい。
される。この中間層は、例えば浸漬塗布法,エアスプレ
ーコーティング法等により液状の前記ゴム材料を基材表
面に塗布し、ゴム材料を硬化させることにより形成され
る。ゴム材料としては、室温で硬化する1液タイプのR
TV型シリコーンゴムが好ましく用いられる。中間層上
には更に表面エネルギーの小さい材料からなる表面層が
被覆される。この表面層は、上記中間層と同様の方法に
より形成される。なお、中間層や表面層の形成に際して
は、必要に応じてプライマー処理を施してもよい。中間
層および表面層の好ましい形成法としては、フッ素系ゴ
ム材料が前記フッ素系樹脂材料で変性された水エマルジ
ョンを基材上に塗布した後、250〜300℃で10〜
30分間加熱する方法が挙げられる。この方法によれ
ば、膜厚1〜2μmの表面層と厚み20〜80μmの中
間層を同時に形成することができる。フッ素系高分子材
料の塗膜層表面に樹脂層が形成され、かつその内部側に
ゴム材料層が形成されるのは、フッ素系樹脂の表面エネ
ルギーが非常に小さいため、樹脂材料とゴム材料が相分
離することに起因する。その傾向は加熱温度が高い程著
しい。一方、基材および中間層の劣化をできるだけ抑制
するためには、より低温で硬化させることが好ましく、
表面層と中間層の形成は上記温度範囲で実施される。フ
ッ素系高分子材料としては、融点が300℃以下のFE
P(mp:275℃),ETFE(mp:270℃)等
が好適である。基材が回転式成形法で形成される場合
は、以上のようにして形成されたベルト材料を適当な幅
に切削し、またキャスティング法の場合は適当な長さと
幅に切削後シート端部を接着剤で接合すれば、本発明の
中間転写体ベルトが製造される。
1発明の画像形成装置の作用は、下記に示すようなもの
である。画像情報に応じて像担持体1に形成された静電
潜像は、現像装置3内のトナーにより現像され、未定着
トナー像として可視化される。このトナー像は、像担持
体1に担持されたまま一次転写部において、一次転写器
4により中間転写体ベルト6に転写される。多色画像を
転写する場合は、現像装置3内に収容されたトナーの各
色毎に一次転写を繰り返す。像担持体1から中間転写体
ベルト6上へのトナー像の一次転写が終了して、所望の
色相のトナー像を担持した中間転写体ベルト6が二次転
写定着部に移動してくると、これと同期して用紙Pが二
次転写定着部に搬送される。用紙Pは、バックアップロ
ール8と熱ロール9との間の圧接力および熱ロール9か
らの熱を受けながら二次転写定着部を通過する際に、転
写体ベルト6に担持されていたトナー像が中間転写体ベ
ルト6表面から用紙Pに二次転写されると同時に、定着
処理される。
体ベルト6が3層構造のベルト材料からなり、樹脂材料
および導電剤で構成された下層の基材6aはヤング率が
35000kg/cm2以上であり、中間層6bは弾性材料で
構成され、表面層6cは表面エネルギーの小さい材料で
構成される。請求項1発明によれば、従来のカーボンブ
ラックを分散したPCやPVDF等と比較して、基材6
aのヤング率が高いので、駆動時の応力に対するベルト
の変形が小さくなる。また、中間層6bの弾性により、
一次転写部における接触圧を軽減することができる。特
に、一次転写器としてバイアスローラを用いた場合に
は、その押圧力の集中を抑えることができる。そのた
め、ライン画像が中抜けするホローキャラクタの画質欠
陥が発生するという問題がなくなる。しかも、表面エネ
ルギーの小さい材料で構成された表面層6cは非粘着性
であるため、用紙Pへのトナー像の二次転写定着が容易
になり、高品質の転写画像を得ることが可能となる。
a,中間層6bおよび表面層6cの厚みを所定の値に限
定したことにより、良質の転写画像を得ることができ
る。すなわち、基材6aの厚みを50μm以上としたこ
とにより、ベルト駆動時の外乱によるベルトの変位量を
少なくなる。また、中間層6bの厚みをトナー平均粒径
の3倍以上としたことにより、弾性層としての機能を発
揮することができるので、ホローキャラクタが発生する
ようなことがない。さらに、表面層6cの膜厚を5μm
以下としたことにより、上記中間層6bが有する弾性を
損なうこともない。請求項3,4発明の画像形成装置
は、基材6aをカーボンブラックまたは導電性金属酸化
物分散のポリイミド樹脂材料で、中間層6bをフッ素系
ゴム材料で、および表面層6cをフッ素系樹脂材料で構
成したものである。請求項3,4発明によれば、上記導
電剤分散のポリイミド樹脂材料は、ヤング率が 62000k
g/cm2 程度と高く、ベルト基材6aとしての機械特
性を満足することができる。また、適量の導電剤をポリ
イミド樹脂中に分散させて、中間転写体ベルト6の表面
抵抗率を1011〜1015Ω/□の範囲で所定の値に設定
することにより、トナー像の一次転写が円滑に行われ
る。しかも、例えば前記接触角θが100°以上とフッ
素系樹脂は表面エネルギーが小さく、かつ離型性が良好
なので、二次転写定着時に中間転写体ベルト6上のトナ
ー像がオフセットを発生することなく用紙Pへ円滑に移
行する。さらに、同一のフッ素系ゴム材料を用いて、中
間層6bと表面層6cとを同時に形成することが可能で
ある。
項3,4発明における中間層6bをシリコーンゴム材料
で構成したものである。シリコーンゴム材料として、例
えば1液タイプのRTV型を用いると、中間層6bを簡
単に形成することが可能である。請求項7発明の画像形
成装置用中間転写体ベルトの製造方法は、ヤング率が3
5000kg/cm2 以上の樹脂材料で構成された基材
6a上に、フッ素系高分子材料を塗布し、250℃以上
に加熱して、フッ素系ゴム材料の中間層6bとフッ素系
樹脂材料の表面層6cとを形成するものである。請求項
7発明によれば、加熱時に塗膜層表面が樹脂材料に内部
がゴム材料に硬化されるので、同一の高分子材料を用い
て単一の塗布工程と加熱工程により、中間層6bと表面
層6cの2層を同時に形成することができる。
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (画像形成装置)図4は本発明の画像形成装置として中
間転写体ベルトを備えたデジタルカラー複写機の全体図
である。なお、図1に示す画像形成装置の構成要素と同
様の機能を有するものには、図4にも同一の番号を付し
ている。図4において、プラテン11上に載置した原稿
(図示せず)の下面に沿って移動する原稿照明用ランプ
12から出射して、原稿で反射した光を移動ミラーユニ
ット13、レンズ14、固定ミラー15を介して画像読
取部のCCDに収束させる。CCDは、多数の光電変換
素子とブルー(B),グリーン(G),レッド(R)の3色の
フィルタにより、上記原稿画像を各色毎の電気信号に変
換する。この電気信号は画像処理回路16に入力され、
画像処理回路16は各色毎に入力された原稿画像読取信
号をデジタル信号に変換して記憶する画像メモリを有し
ている。
16の画像データを所定のタイミングで読み出して、光
ビーム書込装置18に出力する。光ビーム書込装置18
は、矢印A方向に回転する感光体ドラムからなる前記像
担持体1に前記各色に対応した静電潜像を書き込む。像
担持体1の周囲には、その表面を一様に帯電させる帯電
器2、像担持体1に書き込まれた静電潜像を各色のトナ
ー像に現像する現像ユニット(現像装置)3、各色のト
ナー像を前記中間転写体ベルト6に転写するバイアスロ
ール4、除電器およびクリーニングブレードを有するク
リーナユニット(クリーニング装置)5が配置されてい
る。上記現像ユニット3は、黒(K),イエロー(Y),マ
ゼンタ(M),シアン(C)の平均粒径7μmの各色トナー
を収容した現像器を有し、それぞれ各色のトナーで上記
静電潜像を現像して可視化する。上記中間転写体ベルト
6は、前記バックアップロール8およびベルト搬送ロー
ル7a,7b,7cに張架され、像担持体1表面に当接
しながらその接線方向に移動する。本実施例では、転写
体ベルト6を張架する各ロール(7,8)のうち、転写体
ベルト6が矢印B方向に移動するよう、ベルト搬送ロー
ル7aを駆動ロールとし、他のロール(7b,7c,8)
は従動ロールとして構成されている。また、転写体ベル
ト6の撓みを防止するために、搬送ロール7cをテンシ
ョンロールとしている。
アスロール4が配置され、転写体ベルト6を介してバイ
アスロール4が像担持体1表面に押圧する部位が一次転
写部となる。一方、未定着トナー像を担持する転写体ベ
ルト6の表面側には、バックアップロール8およびベル
ト搬送ロール7aに対向して、それぞれ前記ヒータ9a
を装着した熱ロール9およびベルトクリーナ10が配置
されている。転写体ベルト6を介してバックアップロー
ル8と熱ロール9とが対向する部位が二次転写定着部と
なる。また、バックアップロール8とベルト搬送ロール
7aとの間には、二次転写されたトナー像を担持する用
紙Pを転写体ベルト6から剥がす剥離爪19が配置され
ている。上記熱ロール9表面には、ポリウレタンで成形
されたクリーニングブレード20が常時当接していて、
二次転写定着時等で付着したトナー粒子や紙粉等の異物
が除去される。
給紙トレイ21が設けられ、その上方にピックアップロ
ーラ22が配置されている。このピックアップローラ2
2の下流側には、用紙Pの重送を防止する一対のフィー
ドロール23、用紙搬送ロール24、用紙Pを案内する
ガイド部材25およびレジロール26が順次配置されて
いる。前記二次転写定着部の下流側には、順次、定着画
像が形成された用紙Pを搬送する搬送ベルト27、用紙
Pを機外に排出する一対の排出ロール28、および排出
された用紙Pを載置する排紙トレイ29が配置されてい
る。
する像担持体1は、帯電器2により表面が一様に帯電さ
れ、光ビーム書込装置18により静電潜像が書き込まれ
る。像担持体1上の静電潜像は現像ユニット3により未
定着トナー像に現像される。このトナー像の形成は、最
初に第1色目のトナー像が形成され、以降像担持体1が
所定時間回転する毎に、第2色目から第4色目までのト
ナー像が形成される。本実施例では、K,Y,M,C色
のトナー像が順次形成されるようになっている。像担持
体1の表面は、前記トナー像が中間転写体ベルト1に転
写された後、クリーナユニット5のブレードによりクリ
ーニングされる。ここで、前記光書込制御装置17で
は、最初に第1色目のK色のデジタル信号を読出して光
ビーム書込装置18に出力する。この書込装置18は像
担持体1表面にK色に対応した静電潜像を書き込む。K
色に対応した静電潜像は現像ユニット3内の現像器Kに
よりK色の可視化されたトナー像に現像され、一次転写
部へ移動する。一次転写部において、中間転写体ベルト
6の裏面側に配置されたバイアスロール4からトナー像
にその帯電極性とは逆極性の電界を作用させることによ
り、一次転写部に到達したK色のトナー像を静電的に転
写体ベルト6に吸着させつつ、転写体ベルト6の矢印B
方向の移動で一次転写させる。
担持したまま像担持体1と同一周期で移動する。1色目
のKトナー像の転写が終了すると、転写体ベルト6にお
けるKトナー像の転写開始位置が一次転写部に到達する
迄に、光書込制御装置17からの出力によりブルー(B)
のフィルタで色分解された光像に対応する静電潜像の書
込が開始される。そして、Kトナー像を担持した転写体
ベルト6の上記転写開始位置が一次転写部に到達する
と、バイアスロール4によって2色目のYトナー像の転
写が行われる。続いて、グリーン(G),レッド(R)のフ
ィルタで色分解された光像に対応する静電潜像が現像器
M,Cにより可視化され、Mトナー像およびCトナー像
の転写が上記Yトナー像の転写と同様に行われる。この
ようして、各色に重ね合わされた多重トナー像が中間転
写体ベルト6上に形成される。この各色のトナー像が転
写体ベルト6上に一次転写されるまで、転写体ベルト6
の表面側に配置された前記熱ロール9,剥離爪19およ
びベルトクリーナ10は、転写体ベルト6から離間した
退避位置に保持されている。
は、ピックアップローラ22により所定のタイミングで
1枚ずつ取り出されて、一対のフィードロール23、用
紙搬送ロール24により給紙され、一対のレジロール2
6で一旦停止される。用紙Pは、その後中間転写体ベル
ト6上に転写された各色(K,Y,M,C)の多重トナ
ー像が二次転写定着部に移動してくるのと同期して、レ
ジロール26から二次転写定着部に搬送される。二次転
写定着部において、熱ロール9は中間転写体ベルト6を
介してバックアップロール8に圧接した状態にある。そ
して、搬送されてきた用紙Pは、ロール8,9間の圧接
搬送および転写体ベルト6の移動によって二次転写定着
部を通過する。この際、転写体ベルト6に吸着担持され
ていたトナー像が転写体ベルト6表面から用紙Pに二次
転写される。同時に、ヒータ9aを装着した熱ロール9
の加熱により、未定着トナー像が用紙Pに固定されて永
久画像に定着処理される。
きたが、単色画像を形成する場合は、中間転写体ベルト
6上に一次転写された例えばK色のトナー像が二次転写
定着部に移動してきた時、直ちにトナー像は用紙Pに転
写定着される。複数色の画像を形成する場合は、所望の
色相を選択して、それらの色に重ね合わされた多色トナ
ー像が二次転写定着部に移動してきた時、トナー像を用
紙Pに転写定着すればよい。この多色画像の転写定着の
場合は、各色のトナー像が一次転写部でズレることなく
正確に一致するよう、前述のとおり、像担持体1の回転
と中間転写体ベルト6の移動とを同期させている。上述
のようにして、トナー像が所望の色相に転写定着された
用紙Pは、剥離爪19の作動により剥離され、更に搬送
ベルト27に載置された後、一対の排紙ロール28によ
り排紙トレイ29に排出される。二次転写定着が完了す
ると、中間転写体ベルト6は、二次転写定着部の下流に
設けられたベルトクリーナ10によりクリーニングさ
れ、次の一次転写に備える。なお、本発明の画像形成装
置は、現像ユニット3に単色のトナーを収容したモノカ
ラー画像形成装置として使用することも可能である。
ラックをポリイミドワニス(N−メチルピロリドンを溶
媒とする耐熱皮膜用ポリイミドワニス;Uワニス−S:
宇部興産(株)製)に添加して、ミキサーで充分に混合し
た。得られた製膜原液を直径168mm,高さ500m
mのステンレススチール製円筒金型に注入し、120℃
の熱風で120分間乾燥させながら、遠心形成した。次
いで、半硬化状態で脱型した円筒状フィルムを鉄芯に被
せ、30分かけて120℃から350℃に昇温して溶媒
を蒸発させた後、更に450℃で20分間加熱して、ポ
リアミド酸を脱水縮合させる本硬化を行った。得られた
80μm厚のカーボンブラック分散ポリイミドフィルム
を320mm幅に切削して、表面抵抗率1012Ω/□の
シームレスベルト基材(6a)を形成した。なお、基材
(6a)の表面抵抗率の計測は、表面抵抗計(ハイレスタ
ーIPのHRプローブ:三菱油化(株)製)を用い、50
0Vの電圧を印加してから30秒後の電流値を読みとっ
て求めた。次に、上記ベルト基材(6a)表面に、FEP
系ゴム塗料(ダイエルラテックスGLS−213:ダイ
キン工業(株)製)をスプレー塗装で塗布した後、270
℃で20分間加熱してコート層を形成した。このコート
層は、表面に2μm厚のFEP樹脂が形成された表面層
(6c)と、50μm厚(トナー平均粒径の約7倍)のフ
ッ素ゴム層(6b)からなる。なお、表面層(6c)と水滴
との接触角θは105°であった。
トーレシリコーン(株)製)を用いて、実施例1において
得られたシームレスベルト基材(6a)表面に50μm厚
の中間層(6b)を形成した。さらに、FEP系樹脂塗料
(ND−4:ダイキン工業(株)製)をスプレー塗装で塗
布した後、270℃で20分間加熱して5μm厚の表面
層(6c)を形成した。この表面層(6c)と水滴との接触
角θは105°であった。
酸バリウム(前記パストランType−IV)をγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランで表面処理した導電剤(導電
性金属酸化物)を実施例1で用いたポリイミドワニスの
樹脂成分100重量部に対して37重量部添加して、ミ
キサーで充分に混合した。得られた製膜原液をステンレ
ススチール製シート上に厚さ200μmに均一に流延
し、120℃の雰囲気で120分乾燥させて、更に15
0℃で30分、200℃で30分、250℃で60分、
350℃で30分、420℃で30分と段階的に昇温し
て、厚み75μmのポリイミドシートを得た。シートの
表面抵抗率は1012Ω/□であった。得られたポリイミ
ドシートを長さ540mm,幅320mmに切削した
後、シートの一端部10mmにシラン変性ポリイミド樹
脂からなる耐熱性接着剤(UPA−8322;宇部興産
(株)製)を塗布し、両端部を重ね合わせて接合した。以
上のようにして形成されたシームレスベルト基材(6a)
上に、FEP系ゴム塗料(前記ダイエルラテックスGL
S−213)を実施例1と同様に塗布し、硬化して3層
構造の中間転写体ベルト(6)を製造した。 実施例4 基材(6a)として、実施例3において形成された導電性
金属酸化物分散のポリイミド製シームレスベルトを用い
た以外は、実施例2と同様にして3層構造の中間転写体
ベルト(6)を製造した。
の熱硬化性ポリイミド樹脂を中間転写体ベルト材料とし
て用いた。 比較例2 実施例1のベルト基材上にPFA含有塗布液をコーティ
ングした後、樹脂を硬化させて、mp300℃以上の耐
熱性フッ素樹脂からなる5μm厚の表面層を有する中間
転写体ベルトを製造した。 比較例3 実施例1のベルト基材上に実施例2と同様にしてシリコ
ーンゴムからなる60μm厚の弾性層を有する中間転写
体ベルトを製造した。 比較例4 前記FEP系ゴム塗料を実施例1のベルト基材表面に塗
布した後、230℃で20分間加熱して50μm厚のフ
ッ素ゴムからなる弾性層を有する中間転写体ベルトを製
造した。
の評価)実施例1〜4で製造された3層構造の中間転写
体ベルト材料において、80μm厚のカーボンブラック
分散ポリイミド樹脂、および75μm厚の導電性金属酸
化物分散ポリイミド樹脂からなる基材のヤング率(引張
弾性率)をJIS K 7127に準拠して計測した。す
なわち、25×250mmの短冊試験片を用い、引張速
度20mm/min で計測したところ、これらのポリイミ
ド樹脂のヤング率はいずれも62000kg/cm2 で
あった。また、実施例および比較例により製造された各
中間転写体ベルトを図4に示す前述の画像形成装置に装
着し、コピーテストを行って画質(ホローキャラクタ)
の状態を評価した。なお、画像形成装置の一次転写部材
および二次転写定着部材の具体的な構成は次のとおりで
ある。
84mmのPC被覆OPC感光体ドラムからなる。バイ
アスロール(4)として、直径12mmのSUS製芯金に
厚み4.5mmのシリコーンゴムを被覆した硬度(アス
カーC)35°のロールを用いた。像担持体(1)とバイ
アスロール(4)の間には2kVのバイアス電圧を印加
し、中間転写体ベルト(6)を介してバイアスロール(4)
をニッブ幅3.5mmで像担持体(1)に押圧させた。二
次転写定着部において、バックアップロール(8)として
外径28mmのSUS製金属ロールを用いた。熱ロール
(9)は、外径がバックアップロール(8)と同径であり、
直径22mmのSUS製芯金に酸化マグネシウムが分散
された厚み3mmのシリコーンゴムが被覆され、更に表
面が膜厚20μmのフッ素系樹脂(FEP)層で被覆さ
れた2層構造のロールからなる。その硬度はJIS A
で40°であり、10kgの荷重をかけて熱ロール(9)
をバックアップロール(8)にニップ幅3.0mmで押圧
させた。また、定着温度は180℃に制御した。
のトナーを載せ、ベルトを45°に傾斜させた状態で、
50Hzの振動を5秒間与えたときのトナーの移動距離
を計測して、ベルト表面の粘着性を評価した。この粘着
性テストにおいて、上記移動距離が50mm未満の場合
を粘着性「あり」と評価した。これらの評価結果をベル
ト材料と水滴の接触角θと併せて下記の表1に示す。な
お、画質の評価基準は下記のとおりである。 ◎ : ホローキャラクタの発生なし 〇 : ホローキャラクタの発生僅かにあり × : ホローキャラクタの発生あり
ヤング率62000kg/cm2の基材と前記接触角105°
の表面層と中間層として弾性層を介在させた3層構造か
らなり、ホローキャラクタおよび表面の粘着性はみられ
なかった。一方、実施例1の基材をベルト材料とする単
層の比較例1では、駆動時の応力に対するベルトの変形
が小さく、表面の粘着性はないものの、表面エネルギー
が大きいためトナーが用紙へ移行し難いだけでなく、ヤ
ング率が62000kg/cm2と大きいため、ホローキャラ
クタが発生した。フッ素樹脂を表面層とする比較例2で
も、表面層に粘着性はないものの、バイアスロールの押
圧力に追随してベルト材料が変形しないために、ホロー
キャラクタの発生がみられた。実施例1の基材表面にシ
リコーンゴム,フッ素ゴムを被覆した比較例3,4で
は、基材のヤング率が62000kg/cm2と大きいため、
駆動時の応力に対するベルトの変形が小さいものの、表
面が弾性層で構成されているので、ホローキャラクタの
発生僅かにありのレベルであった。しかし、表面にゴム
材料の粘着性があるため、ベルト駆動時に感光体ドラム
との接触によってベルト駆動に負荷変動が生じたので、
ベルト位置がズレ、多色のトナーをベルトに担持する際
に位置ズレが生じた。また、熱ロールのニップ圧を大き
くした場合には、ベルトの駆動が停止する等の問題も発
生した。
率が大きく、かつ中間層が弾性材料で構成されているの
で、駆動時の応力に対するベルトの変形が小さい。その
ため、像担持体との接触圧に追随して中間転写体ベルト
の厚みが変形するので、ホローキャラクタの発生による
画質欠陥の発生がない。したがって、一次転写器として
たとえバイアスロールを用いたとしても、一次転写部で
の応力の集中がないために、上記画質欠陥が発生するよ
うな恐れがない。また、表面層が表面エネルギーの小さ
い非粘着性の材料で構成されているため、ベルト駆動に
負荷変動が生じないだけでなく、中間転写体ベルト上の
トナー像部分が記録媒体へ二次転写されないという転写
不良の恐れがない。特に、表面層を離型性に優れたフッ
素系樹脂材料で構成した場合は、トナーオフセットが発
生するようなこともない。このように、本発明は高品質
の画像を得ることができる。さらに、本発明の中間転写
体ベルトの製造方法によれば、同一のフッ素系高分子材
料を用いて、中間層と表面層を同時に形成することがで
きる。
中間転写体ベルトの配置関係の概要を示す説明図であ
る。
略図である。
るための試験片表面と水滴との断面図である。
全体図である。
体、3…現像ユニット(現像装置)、4…一次転写器、
6…中間転写体ベルト、6a…基材、6b…中間層、6
c…表面層、9…熱ロール。
Claims (7)
- 【請求項1】 画像情報に応じた静電潜像が形成される
像担持体と、像担持体に形成された静電潜像をトナーに
よりトナー像として可視化する現像装置と、像担持体上
に担持されたトナー像を一次転写する一次転写器と、一
次転写されたトナー像を担持する中間転写体ベルトと、
中間転写体ベルト上の未定着トナー像を記録媒体に二次
転写および定着する熱ロールとを備え、上記中間転写体
ベルトは、樹脂材料および導電剤を構成成分とするヤン
グ率が35000kg/cm2以上の基材と、弾性材料
で構成された中間層と、水の濡れ性で表示した場合の水
滴との接触角が90°以上の表面エネルギーの小さい材
料を構成成分とする表面層との3層構造のベルト材料か
らなることを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項2】 前記基材の厚みが50μm以上であり、
中間層の厚みがトナー平均粒径の3倍以上であり、かつ
表面層の膜厚が5μm以下である請求項1記載の画像形
成装置。 - 【請求項3】 前記ベルト材料は、基材がカーボンブラ
ック分散のポリイミド樹脂材料で、中間層がフッ素系ゴ
ム材料で、および表面層がフッ素系樹脂材料でそれぞれ
構成された請求項1記載の画像形成装置。 - 【請求項4】 前記ベルト材料は、基材が導電性金属酸
化物分散のポリイミド樹脂材料で、中間層がフッ素系ゴ
ム材料で、および表面層がフッ素系樹脂材料でそれぞれ
構成された請求項1記載の画像形成装置。 - 【請求項5】 前記ベルト材料は、基材がカーボンブラ
ック分散のポリイミド樹脂材料で、中間層がシリコーン
ゴム材料で、および表面層がフッ素系樹脂材料でそれぞ
れ構成された請求項1記載の画像形成装置。 - 【請求項6】 前記ベルト材料は、基材が導電性金属酸
化物分散のポリイミド樹脂材料で、中間層がシリコーン
ゴム材料で、および表面層がフッ素系樹脂材料でそれぞ
れ構成された請求項1記載の画像形成装置。 - 【請求項7】 樹脂材料および導電剤を構成成分とする
ヤング率が35000kg/cm2 以上の基材上に、フ
ッ素系高分子材料を含有する塗布液をコーティングした
後、250℃以上に加熱して、フッ素系ゴム材料で構成
された中間層とフッ素系樹脂材料で構成された表面層と
を形成することを特徴とする請求項3または4記載の画
像形成装置に用いられる中間転写体ベルトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32886296A JP3613306B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32886296A JP3613306B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10171265A true JPH10171265A (ja) | 1998-06-26 |
JP3613306B2 JP3613306B2 (ja) | 2005-01-26 |
Family
ID=18214933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32886296A Expired - Fee Related JP3613306B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3613306B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1016940A1 (en) * | 1998-12-21 | 2000-07-05 | Xerox Corporation | Transfer/transfuse member comprising release agent and apparatus using it |
JP2005338793A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-12-08 | Ricoh Co Ltd | エンドレス状の電子写真画像形成用中間転写ベルト、該中間転写ベルトを有する画像形成装置、及び該中間転写ベルトを用いる画像形成方法 |
JP2007304288A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 中間転写体および中間転写体の製造方法 |
US8195075B2 (en) | 2006-09-11 | 2012-06-05 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing unit having a resin surface and image forming apparatus using the same |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP32886296A patent/JP3613306B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1016940A1 (en) * | 1998-12-21 | 2000-07-05 | Xerox Corporation | Transfer/transfuse member comprising release agent and apparatus using it |
JP2005338793A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-12-08 | Ricoh Co Ltd | エンドレス状の電子写真画像形成用中間転写ベルト、該中間転写ベルトを有する画像形成装置、及び該中間転写ベルトを用いる画像形成方法 |
JP4510685B2 (ja) * | 2004-04-26 | 2010-07-28 | 株式会社リコー | エンドレス状の電子写真画像形成用中間転写ベルト、該中間転写ベルトを有する画像形成装置、及び該中間転写ベルトを用いる画像形成方法 |
JP2007304288A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 中間転写体および中間転写体の製造方法 |
US8195075B2 (en) | 2006-09-11 | 2012-06-05 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing unit having a resin surface and image forming apparatus using the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3613306B2 (ja) | 2005-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3019781B2 (ja) | 画像形成装置および中間転写体ベルトとその製造方法 | |
JP3248455B2 (ja) | 画像形成装置と同装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法 | |
JPH1063115A (ja) | 画像形成装置およびその中間転写ベルトの製造方法 | |
JPH11231684A (ja) | 画像形成装置、中間転写体および定着用ベルト | |
JP3613306B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000330390A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH1097146A (ja) | 中間転写体、この中間転写体を用いた電子写真装置、および中間転写体の製造方法 | |
JP4197430B2 (ja) | 画像転写・定着用ベルト、これを用いた画像転写・定着装置及び電子写真装置 | |
JP2010191375A (ja) | 環状体、環状体張架装置および画像形成装置 | |
JP3552001B2 (ja) | 画像形成装置とそのバイアスロールおよび同ロールの製造方法 | |
JP5157190B2 (ja) | エンドレスベルト及び画像形成装置 | |
JP3893335B2 (ja) | 熱転写装置及び画像形成装置 | |
JPH11202648A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH1184913A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000010418A (ja) | 中間転写ベルト、その製造方法、および中間転写ベルトを備えた画像形成装置 | |
JP5245310B2 (ja) | 無端状ベルト、ベルト張架装置および画像形成装置 | |
JPH1130916A (ja) | 画像形成装置 | |
US12111590B2 (en) | Fixing device having reduced increase in rotational torque of second rotatable member providing an image with reduced unevenness in gloss to be formed and image forming apparatus using the same | |
JP4670415B2 (ja) | エンドレスベルト及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP3139342B2 (ja) | 画像形成装置およびそのバイアスロール | |
JPH11167290A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003005491A (ja) | 画像形成装置 | |
JP6079424B2 (ja) | 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置 | |
JP2000338788A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2000147918A (ja) | 中間転写体及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20040713 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041006 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041019 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071105 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081105 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091105 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101105 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111105 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121105 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121105 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |