JPH10170778A - 光ケーブル - Google Patents

光ケーブル

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JPH10170778A
JPH10170778A JP8326692A JP32669296A JPH10170778A JP H10170778 A JPH10170778 A JP H10170778A JP 8326692 A JP8326692 A JP 8326692A JP 32669296 A JP32669296 A JP 32669296A JP H10170778 A JPH10170778 A JP H10170778A
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pipe
optical fiber
optical cable
filling member
optical
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Application number
JP8326692A
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English (en)
Inventor
Wataru Katsurajima
渉 桂島
Yoshiyuki Suetsugu
義行 末次
Junichi Ota
順一 太田
Akito Makiyama
明人 牧山
Hideyuki Iwata
秀行 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ケーブルからの光ファイバ心線の取り出し
性が良好である光ケーブルを提供する。 【解決手段】 複数本の光ファイバ心線4がバンドル紐
5で粗巻きされて束ねられた光ファイバユニット6がパ
イプ1内に収納された光ケーブルであって、常温で固体
の材料を用いた充填部材3が、光ファイバユニット6と
パイプ1の内面との間に配置されたものである。充填部
材3は、パイプ1の内面と少なくとも部分的に溶着によ
り接着しているものである。パイプ1の樹脂内には抗張
力体2が埋め込まれている。充填部材3は、光ファイバ
心線4がパイプ1の内面とは直接接触しないように光フ
ァイバ心線4をパイプ1の略中央に支持している。ま
た、充填部材3は、パイプ1の内面と部分的にくっつき
一体化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバユニッ
ト等の複数の光ファイバ心線がパイプ内に収納された光
ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバユニットがパイプ内に収納さ
れた光ケーブルとして、光ファイバユニットだけが収納
されたものや、収納部に液体状の防水混和物を注入した
ものが知られている。
【0003】収納部に光ファイバユニットだけが収納さ
れた光ケーブルは、例えば、光ユニットが中心に位置し
その外周上に導体撚線層を有する光ファイバ複合架空地
線(OPGW)の光ユニット部として用いられ、ステン
レス管の中に、光ファイバユニットが長さ方向に適度な
余長を持たせてルースに収納されている。しかし、光ケ
ーブルの全長にわたり均一な余長を与えて製造したとし
ても、外力や温度変動によって光ファイバユニットが移
動し、余長が長さ方向に遍在する場合があり、余長が大
きくなりすぎた箇所では、光ファイバ心線がたるみ、局
部的な光ファイバの曲げにより伝送損失が増加してしま
う。
【0004】図4は、従来の光ケーブルの一例の断面構
造図である。図中、1はパイプ、4は光ファイバ心線、
5はバンドル紐、6は光ファイバユニット、21は防水
混和物、22は抗張力体、23はシースである。この従
来技術は、海外で広く製造されているルースチューブ型
の光ケーブルであり、パイプ1の中空部分の中央に1ま
たは複数本の光ファイバユニット6が収納されるととも
に、空き部分に防水混和物21が充填されたものであ
る。
【0005】複数本の光ファイバ心線4がバンドル紐5
で粗巻きされて束ねられ、1つの光ファイバユニット6
を構成する。防水混和物21はジェリーとも呼ばれ、粘
性を持った液状物質で、吸水性を有し、光ケーブルの端
末などから一時的に水が入り光ケーブル内を水が侵入し
て行く、いわゆる走水を防止する。パイプ1の外周には
抗張力体22が縦添えされ、その上をシース23が覆っ
ている。この光ケーブルは、光ファイバユニット6の周
囲に防水混和物21を圧入しながらパイプ成型すること
によって製造される。一般にパイプ1としてはポリブチ
レンテレフタレート(PBT)などが使用されている。
【0006】上述した防水混和物21は、防水目的以外
にも、光ファイバユニット6の長手方向への移動抑制や
パイプ成型時の下支えとして機能する。しかし、防水混
和物21は液状で温度によって粘度が変化しかつ流動体
であるので、力がかかり続けると光ファイバユニット6
が径方向へと移動してしまう。そのため、製造時の温度
や製造速度によっては、光ファイバユニット6の位置
が、パイプ1の中央からずれて製造され、パイプ1内の
光ファイバ心線4の余長が変化してしまう。
【0007】また、流動体の防水混和物21が充填され
ていると、光ケーブルの端末から光ファイバユニットを
取り出す際に、防水混和物を取り除く作業が煩雑であ
る。中間後分岐をするには、敷設された光ケーブルの中
間部で所定長にわたってパイプを除去し光ファイバユニ
ットを取り出す必要があるが、防水混和物を所定長だけ
除去することはさらに困難である。
【0008】図5は、従来の光ケーブルの他の一例の断
面構造図である。図中、図4と同様な部分には同じ符号
を付して説明を省略する。31はシース、32はクッシ
ョン部材、33は光ファイバ心線、34は抗張力体であ
る。この従来技術は、シース31の中空部分に8本の光
ファイバ心線33が抗張力体34の周囲に配置されて収
容されるとともに、光ファイバ心線33の周囲にクッシ
ョン部材32が充填されたものである。クッション部材
32としては、一般にポリプロピレン(PP)ヤーンが
使用される。光ファイバ心線33とシース31の内面と
の間隙はわずかであり、この間隙部分のクッション部材
32の厚みは薄い。したがって、光ファイバ心線33の
径方向の移動は、本質的に発生しないため、この点での
問題はない。
【0009】しかし、この構造は、光ファイバ心線33
として直径0.9mmφのシリコンナイロン被覆心線な
ど、比較的耐側圧特性に優れた心線を使用した場合に
は、簡易で有効な構造である。しかし、直径0.25m
mφの光ファイバ心線,肉厚が0.4mm未満のテープ
状光ファイバ心線など、比較的耐側圧性が弱い光ファイ
バ心線では、マイクロベンドによる損失増加が発生しや
すく、このような構造は採用できない。
【0010】ちなみに、このクッション部材32は、耐
側圧特性の改善というよりも、シース31の押し出し成
型の際の光ファイバ心線33の保護や、光ファイバ心線
33とシース31との摩擦を低減して光ケーブル内での
光ファイバ心線33の移動を助けるなどの働きが主眼で
ある。
【0011】最近では、メインの光ケーブルとして0.
25mm心線を使用したものが汎用されている。そのた
め、接続時の整合性をとるために、引き落としケーブル
などの小心の光ケーブルにおいても、直径0.25mm
φの光ファイバ心線を使用したものが望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、光ケーブルからの光ファイ
バ心線の取り出し性が良好であるとともに、製造時にお
ける光ファイバ心線の余長の制御が容易な光ケーブルを
提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、少なくとも1本の光ファイバ心線がパイプ内
に収納された光ケーブルにおいて、充填部材を有し、該
充填部材は、常温で固体の材料を用いたものであり、前
記光ファイバ心線と前記パイプの内面との間に長手方向
に連続的または間欠的に配置され、前記内面と接触し少
なくとも部分的に接着していることを特徴とするもので
ある。
【0014】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の光ケーブルにおいて、前記充填部材は、前記
光ファイバ心線の少なくとも一部分に接触し前記複数本
の光ファイバ心線を前記パイプの略中央に支持すること
を特徴とするものである。
【0015】請求項3に記載の発明においては、請求項
1または2に記載の光ケーブルにおいて、前記パイプ
は、少なくとも前記内面にプラスチック材料を用いたも
のであり、前記充填部材は、プラスチックヤーンであ
り、前記充填部材と前記内面とが溶着によって接着して
いることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光ケーブルの第
1の実施の形態の断面構造図である。図中、図4と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。2は抗張
力体、3は充填部材である。この実施の形態は、複数本
の光ファイバ心線4がバンドル紐5で粗巻きされて束ね
られた光ファイバユニット6がパイプ1内に収納された
光ケーブルであって、常温で固体の材料を用いた充填部
材3が、光ファイバユニット6とパイプ1の内面との間
に配置されたものである。加えて、充填部材3は、パイ
プ1の内面と少なくとも部分的に溶着により接着されて
いるものである。パイプ1の樹脂内には抗張力体2が1
80°対向した位置に埋め込まれている。
【0017】充填部材3は、光ファイバ心線4の少なく
とも一部分に、直接におよびバンドル紐5を介して接触
し、光ファイバ心線4がパイプ1の内面とは直接接触し
ないように光ファイバ心線4をパイプ1の略中央に支持
している。充填部材3は、光ファイバユニット6および
光ファイバ心線4とは接触しているだけでくっついては
いない。充填部材3は、光ケーブルの長手方向に連続的
に挿入して密に充填されたものであるが、間欠的に挿入
して間欠的に充填されたものでもよい。また、充填部材
3は、パイプ1の内面と部分的にくっつき一体化されて
いるが、長手方向に間欠的にくっつくように接着されて
いてもよい。
【0018】充填部材3としては、例えば、ポリプロピ
レン(PP)ヤーンやポリエチレンテレフタレート(P
ET)ヤーンなどのプラスチック製の繊維状の介在物を
用いることができるが、プラスチック製でなくてもよ
い。また、ヤーンである必要もなく、糸状、紐状の物質
でもよい。このように、充填部材3は、常温で固体の物
質であればよく、例えば、ゼリー状やゼラチン状の物
質、あるいは、ゴム状の物質でもよい。
【0019】充填部材3として常温で固体の材料を用い
ることにより、製造時に光ファイバユニット6および光
ファイバ心線5が径方向へ移動する量をコントロールし
やすくなる。例えば、ポリプロピレン(PP)ヤーンな
どの介在物、ゼリー状やゼラチン状、あるいはゴム状の
固体では、破壊されるほどの大きな力が印加されない限
り、適度な力ではクッション層として働き、かつ、所定
の力に対する変形量を見積ることができるので、製造速
度や製造時の環境温度が変化しても、製造時に光ファイ
バユニット6を中央位置に安定して維持することが容易
である。その結果、製造速度や製造時の環境温度に依存
しない安定した余長が得られる。
【0020】また、光ファイバ心線4が概ねパイプ1の
中央に位置することにより、光ファイバ心線4は、パイ
プ1の内面からの側圧を受けにくくなる。したがって、
比較的耐側圧性に弱い、直径0.25mmφの光ファイ
バ心線,0.4mm以下の薄肉のテープ状光ファイバ心
線など、比較的低い側圧でもマイクロベンドによる損失
増加が発生するような心線を用いることが可能になる。
【0021】パイプ1として、例えば、少なくとも内面
が熱可塑性のプラスチック材料であるものを用い、パイ
プ充填部材3としてポリプロピレン(PP)ヤーンなど
の熱可塑性のプラスチック材料を用いると、製造条件を
整えることによって、パイプ成型時に押し出されたポリ
エチレンなどのパイプ材料の熱で、充填部材3とパイプ
1の内面のプラスチック材料との接触部の少なくとも一
部分を溶着して接着させることができ、充填部材3とパ
イプ1とが長手方向に少なくとも部分的にくっつき一体
化する。その結果、パイプカッターでパイプ1を輪切り
にするなどしてパイプ1を除去する際に、一緒に、パイ
プ1と一体化された充填部材3を除去することができ、
光ファイバユニット6および光ファイバ心線4の取り出
し性が良好となる。
【0022】充填部材3とパイプ1とを一体化すること
で、光ファイバ心線4の心線引き抜き力は、充填部材3
と光ファイバ心線4との摩擦力によってコントロールさ
れる。したがって、光ファイバ心線4がパイプ1内で長
手方向に移動することを抑制しようとした場合の制御要
因を、この摩擦力のみに限定でき、製造装置の設計が容
易になる。例えば、パイプ1内の光ファイバ心線4の余
長を設計値通りに制御することが容易になる。
【0023】上述した光ケーブルの製造方法について説
明する。複数本の光ファイバ心線4を所定の張力をかけ
てサプライしながらバンドル紐5を粗巻きして束ね、光
ファイバユニット6を製造する。引き続き、この光ファ
イバユニット6の製造と同一工程で、充填部材3として
複数本のプラスチック製のヤーンを縦添えし、糸で粗巻
きして中心コア部分を製造し、張力をかけてプラスチッ
クボビンに卷き取る。
【0024】次に、2本の抗張力体2に張力をかけてサ
プライしながら、2本の抗張力体2の間に前工程で作成
した中心コア部分を添え、パイプ1の樹脂内に抗張力体
2が埋められるように押し出しながらパイプ1を成形す
る。また、充填部材3として使用するプラスチック製の
ヤーンは、パイプ成型時に押し出されたパイプ成形材料
の熱でパイプ1の内面との接触部が溶着するようにし
て、部分的にパイプ1と一体化するようにした。なお、
中心コア部分の製造段階とパイプ押し出し工程とをタン
デムで同時進行できる場合には、糸で粗巻きする必要も
プラスチックボビンに巻き取る必要もない。
【0025】パイプ成形材料としては、低密度ポリエチ
レン(LDPE)以外にも、高密度ポリエチレン(HD
PE)中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン一般、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)が好適である。
また、脱水処理を適切に行なえばナイロン(Ny)の適
用も可能である。また、これらよりも材料が軟らかいの
で耐圧特性では劣るが、難燃性を重視する場合には、塩
化ビニル(PVC)や難燃ポリエチレンを使用すること
ができる。また、押し出し直後に電子線照射を行なうこ
とで架橋を形成し、熱収縮などを抑制することも可能で
ある。このような処理が可能な材料としては、ポリオレ
フィン類が代表的であり、一例としては、架橋ポリエチ
レンがある。
【0026】熱履歴による収縮およびまたは膨張を問題
としない場合には、抗張力体2の挿入は不要である。ま
た、抗張力体2としては、低コストな鋼線が最も好適で
あるが、電磁誘導問題がある場合や、落雷の危険を回避
する必要がある場合には、ガラス繊維,アラミド繊維,
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(Poly
p−phenylene−2.6−benzobis
oxazole,PBO)などの高強度繊維をバインダ
ーで固めた繊維強化プラスチック(FRP)や液晶ポリ
マー(LCP)樹脂などがあげられる。コストは上昇す
るが、液晶ポリマー(LCP)繊維は長手方向に配向さ
せることで線膨張係数を負にすることができ、適切な設
計を行なうことでパイプ伸びを抑制する効果が大きい。
【0027】また、高強度繊維をバインダーで固めずそ
のまま縦添えして使用してもよい。この場合、パイプ1
の収縮を抑制することはできないが、収縮が問題となら
ない場合は、コストが低減できて好適である。また、こ
れらの抗張力体材料を複合して使用してもよい。
【0028】光ファイバユニットとしては、上述したよ
うな複数本の光ファイバ心線4をバンドル紐5で束ねた
ようなファイババンドルに限らず、例えば、図2を参照
して後述するような、複数心のテープ状光ファイバ心線
でもよい。またユニット数も1ユニットに限られない。
これらには通常、直径0.25mmφの標準サイズの光
ファイバ心線が使用される。また、1または複数本の光
ファイバ心線4をバンドル紐6を用いずに収納すること
も可能である。光ケーブルの構造としても、図1を参照
して例示した断面構造のものに限られない。
【0029】図2は、本発明の光ケーブルの第2の実施
の形態の断面構成図である。図中、図4,図1と同様な
部分には同じ符号を付して説明を省略する。11は鋼撚
線、12は抗張力体側外被、13はテープ状光ファイバ
心線である。この実施の形態は、抗張力体をパイプ1の
外部に配置した自己支持型の光ケーブルであって、光フ
ァイバユニットにテープ状光ファイバ心線13を用いた
もので、1または複数ユニットが収納されている。抗張
力体として用いる鋼撚線11を覆う抗張力体側外被12
が、パイプ1と首部を介して一体化されたもので、パイ
プ1と共通の材料により形成されている。光ファイバユ
ニットとしては、上述したように特定のものに限られ
ず、また、1本の光ファイバ心線だけが収納されていて
もよい。
【0030】
【実施例】図1に示した光ケーブルの具体例を示す。光
ファイバユニット6としては、0.25mmφ紫外線硬
化樹脂で着色被覆されたシングルモード(SM)型の光
ファイバ心線4を使用した。6本の光ファイバ心線4を
50gの張力でサプライしながらコットン糸のバンドル
紐5でピッチ160mm程度で粗巻きして束ねて、光フ
ァイバユニット6を作製した。光ファイバユニット6の
製造と同一工程で充填部材3として50kd(キロ・デ
ニール)のポリプロピレン(PP)ヤーンの6本を縦添
えし、2本のナイロン糸を同方向にピッチ20mm程度
で粗巻きして中心コア部分を作製し、これを胴径300
mmのプラスチックボビンに張力500gで卷き取っ
た。
【0031】次に、抗張力体2として1.2mmの2本
の鋼線をそれぞれ張力60kgでサプライしながら、2
本の鋼線の間に中心コア部分を添え、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)パイプ内に鋼線が埋められるように押し
出しながらパイプ成形し、光ケーブルを試作した。パイ
プ押し出し速度は、5,10,20,40m/分の4水
準とし、製造後に解体して光ファイバ心線4のパイプ1
の内部での余長を測定した。サンプル長は約10mであ
る。光ファイバ心線4の長さは、0.5mm単位で測定
したので、光ファイバ心線の余長は、0.005%単位
となる。
【0032】図3は、パイプの長さに対する光ファイバ
心線の余長率の測定結果を表わす線図である。測定はパ
イプ1の中の6本の光ファイバ心線4、心線番号1〜6
の長さを測定し、平均値も算出した。心線ごとのばらつ
きは最大で0.005%であり、線速を変えたときの平
均値のばらつきは最大でも0.003%であった。パイ
プ1の中に収納される光ファイバ心線4に要求される余
長の制御精度としては0.01%であれば十分であり、
上述した測定結果から、余長が十分に制御良くコントロ
ールされていた。
【0033】また、充填部材3として使用したポリプロ
ピレン(PP)ヤーンはパイプ成型時に押し出された低
密度ポリエチレンの熱でパイプ1の内面との接触部が溶
着することで部分的にパイプ1と一体化していた。これ
により、パイプカッターでパイプを輪切りしてパイプ1
を除去することでポリプロピレン(PP)ヤーンも一緒
に除去することができた。
【0034】上述した説明では、充填部材3がパイプ1
の内面と少なくとも部分的に接着するように製造条件を
整えて製造した光ケーブルについて説明したが、充填部
材3がパイプ1の内面と単に接触するだけで接着しない
ように製造した場合でも、製造時に光ファイバユニット
6を中央位置に安定して維持することが従来技術に比べ
て容易であり、製造速度や製造時の環境温度に依存しな
い安定した余長が得られる。また、比較的耐側圧性が弱
い光ファイバ心線を用いることも可能となる。
【0035】上述した説明では、光ファイバ心線の余長
管理について説明したが、この余長管理は、パイプの長
さよりも収納された光ファイバ心線の方を所定の割合で
長くするものであるが、製造時においてこの余長を0に
したり、逆に負に制御することもできる。したがって、
余長の値は負の場合もあり、本明細書でいう余長は、パ
イプに対する光ファイバ心線の一種の歪みということが
できる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、充填部材を有し、この充填部
材は、常温で固体の材料を用いたものであり、光ファイ
バ心線とパイプの内面との間に長手方向に連続的または
間欠的に配置され、内面と接触し少なくとも部分的に接
着していることから、パイプ除去時に充填部材をパイプ
と一緒に除去できるので、光ファイバ心線の取り出し性
が良いという効果がある。また、光ファイバ心線の引き
抜き力は充填部材と光ファイバ心線との摩擦力によって
コントロールされるため、この光ケーブルの製造装置の
設計が容易になり、光ファイバ心線の余長が良好に制御
された光ケーブルが得られるという効果がある。
【0037】請求項2に記載の発明によれば、充填部材
は、光ファイバ心線の少なくとも一部分に接触し複数本
の光ファイバ心線をパイプの略中央に支持することか
ら、製造時に光ファイバユニットを中央位置に安定して
維持することが比較的容易であり、光ファイバ心線の余
長が製造速度や製造時の環境温度に依存しない安定した
光ケーブルが得られるという効果がある。比較的耐側圧
性が弱い光ファイバ心線を用いることも可能である。
【0038】請求項3に記載の発明によれば、パイプ
は、少なくとも内面にプラスチック材料を用いたもので
あり、充填部材は、プラスチックヤーンであり、充填部
材と内面とが溶着によって接着していることから、充填
部材とパイプの内面との接着を容易に実現することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ケーブルの第1の実施の形態の断面
構造図である。
【図2】本発明の光ケーブルの第2の実施の形態の断面
構成図である。
【図3】パイプの長さに対する光ファイバ心線の余長率
の測定結果を表わす線図である。
【図4】従来の光ケーブルの一例の断面構造図である。
【図5】従来の光ケーブルの他の一例の断面構造図であ
る。
【符号の説明】
1…パイプ、2,22,34…抗張力体、3…充填部
材、4,33…光ファイバ心線、5…バンドル紐、6…
光ファイバユニット、11…鋼撚線、12…抗張力体側
外被、13…テープ状光ファイバ心線、21…防水混和
物、23,31…シース、32…クッション部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 順一 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 牧山 明人 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 岩田 秀行 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の光ファイバ心線がパイ
    プ内に収納された光ケーブルにおいて、充填部材を有
    し、該充填部材は、常温で固体の材料を用いたものであ
    り、前記光ファイバ心線と前記パイプの内面との間に長
    手方向に連続的または間欠的に配置され、前記内面と接
    触し少なくとも部分的に接着していることを特徴とする
    光ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記充填部材は、前記光ファイバ心線の
    少なくとも一部分に接触し前記複数本の光ファイバ心線
    を前記パイプの略中央に支持することを特徴とする請求
    項1に記載の光ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記パイプは、少なくとも前記内面にプ
    ラスチック材料を用いたものであり、前記充填部材は、
    プラスチックヤーンであり、前記充填部材と前記内面と
    が溶着によって接着していることを特徴とする請求項1
    または2に記載の光ケーブル。
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