JPH10169603A - アクチュエータ制御装置 - Google Patents

アクチュエータ制御装置

Info

Publication number
JPH10169603A
JPH10169603A JP35231896A JP35231896A JPH10169603A JP H10169603 A JPH10169603 A JP H10169603A JP 35231896 A JP35231896 A JP 35231896A JP 35231896 A JP35231896 A JP 35231896A JP H10169603 A JPH10169603 A JP H10169603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
deviation
spool
valve
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35231896A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sato
博 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP35231896A priority Critical patent/JPH10169603A/ja
Publication of JPH10169603A publication Critical patent/JPH10169603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Servomotors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲温度や製造誤差によって制御弁機構に生
じる戻り位置のずれを自動的に補正できるようにする。 【解決手段】 油圧シリンダ3はスプール弁6を介して
油圧源1からの圧油が給排されると共に、ロッド3Cが
摺動変位する。また、スプール弁6のスプール13は電
磁アクチュエータ16によって摺動変位され、電磁アク
チュエータ16は比例演算回路、積分演算回路、補償演
算回路等からなるコントローラ17によって制御され
る。そして、コントローラ17には目標値設定器26と
ロッド3Cの位置を検出する位置検出センサ27とが接
続され、コントローラ17は、目標値設定器26からの
目標値と位置検出センサ27からの検出値とが一致する
ように油圧シリンダ3をフィードバック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の
吸気バルブ、排気バルブの開閉タイミングを可変に制御
するバルブタイミング制御装置等に用いて好適なアクチ
ュエータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の運転状態
に応じて吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミング
を可変に制御するようにしたバルブタイミング制御装置
は、例えば特開平6−2516号公報等によって知られ
ている。
【0003】この種のバルブタイミング制御装置には、
油圧ポンプ等の液圧源から給排される液圧によって駆動
される油圧シリンダ等のアクチュエータと、該アクチュ
エータと前記液圧源との間に配設され、常時は弁体を一
定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前記液圧源か
らの液圧をアクチュエータに給排するときには前記弁体
を中立位置から摺動変位させるスプール弁等の制御弁機
構と、前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁
機構の弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手
段とからなるアクチュエータ制御装置が設けられてい
る。
【0004】そして、該アクチュエータ制御装置は、制
御弁機構によりアクチュエータを作動させると共に、ア
クチュエータによってバルブタイミング制御装置を駆動
させ、エンジンの吸気バルブや排気バルブの開閉タイミ
ングを可変に制御している。
【0005】ここで、アクチュエータ制御装置は、アク
チュエータを作動させるための目標値と現在のアクチュ
エータの作動状態に応じた検出値との偏差を用いること
によってフィードバック制御を行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
よるアクチュエータ制御装置では、前記制御弁の弁体を
駆動させる比例ソレノイド等の電磁アクチュエータが長
時間の稼動等で加熱されたときに、電磁アクチュエータ
のコイル部に熱抵抗が生じるため、入力電流に対する弁
体の変位が徐々に小さくなることがある。
【0007】このため、従来技術ではアクチュエータを
作動状態から停止状態にすべく、制御弁機構の弁体を中
立位置に復帰させるときに、弁体の戻り位置(中立位
置)にずれが生じると、次なる駆動時には制御信号に対
する弁体の摺動変位量が変化し、アクチュエータに給排
される液圧量も変化する。これにより、アクチュエータ
を目標とする位置まで正確に安定して駆動するのが難し
くなり、検出値と目標値との間には定常偏差が生じるこ
とになり、アクチュエータを適切に制御できないという
問題がある。
【0008】また、弁体等の製造誤差によっても弁体の
戻り位置に例えば不感帯の範囲でずれが生じることがあ
り、正確な制御が要求されるエンジン等のバルブタイミ
ング制御にアクチュエータ制御装置を使用した場合に
は、最適なバルブタイミングによってエンジンを駆動す
ることが難しくなるという問題がある。
【0009】そこで、特開平6−299813号公報に
記載のアクチュエータ制御装置では、アクチュエータに
生じる定常偏差から戻り位置のずれを学習する構成が開
示されている。しかし、この場合にはアクチュエータに
生じる機械的なガタツキや誤差等によって検出値が変動
し、定常偏差の算出が難しくなることがあり、信頼性の
高い学習値を得ることができないという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はアクチュエータが停止状態とな
るときに弁体を一定の戻り位置に保持でき、アクチュエ
ータを目標値に確実に収束できるようにしたアクチュエ
ータ制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、液圧源から給排される液圧によって駆
動制御されるアクチュエータと、該アクチュエータと前
記液圧源との間に配設され、常時は弁体を一定幅の不感
帯をもって中立位置に保持し、前記液圧源からの液圧を
アクチュエータに給排するときには前記弁体を中立位置
から摺動変位させる制御弁機構と、前記アクチュエータ
を作動させるため、該制御弁機構の弁体を制御信号に応
じて摺動変位させる弁制御手段とからなるアクチュエー
タ制御装置に適用される。
【0012】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記弁制御手段は、前記アクチュエータを作動
させるための目標値を設定する目標値設定手段と、前記
アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手段と、
前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段によ
る検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該偏差演
算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例演算手段
と、前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演算を行
う積分演算手段と、前記制御弁機構の不感帯補償を行う
ため、前記偏差演算手段による偏差に対して前記不感帯
分の補償演算を行う補償演算手段と、前記比例演算手
段、積分演算手段および補償演算手段によるそれぞれの
演算値に基づいて前記制御弁機構に出力すべき制御信号
を設定する出力信号設定手段とから構成したことにあ
る。
【0013】上記構成により、目標値設定手段による目
標値と作動検出手段による検出値との偏差に応じてアク
チュエータをフィードバック制御することができる。ま
た、比例演算手段によって偏差に比例してアクチュエー
タに供給する液圧量を制御する演算結果を算出し、積分
演算手段によって偏差の積分値に対応してアクチュエー
タに供給する液圧量を制御する演算結果を算出すると共
に、補償演算手段によって偏差が正の値から負の値に切
換わるときに不感帯の幅に対応して弁体を移動させる演
算結果を算出することができる。
【0014】そして、出力信号設定手段によって比例演
算手段、積分演算手段および補償演算手段によるそれぞ
れの演算結果に基づき制御弁に出力するパルス信号等の
制御信号を設定し、偏差が減少するようにアクチュエー
タを制御することができる。
【0015】また、請求項2の発明が採用する構成の特
徴は、内燃機関のバルブタイミングを可変に制御するた
め前記アクチュエータによって駆動され、前記内燃機関
のクランクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位相
差を生じさせる回転位相可変手段を備え、前記弁制御手
段は、前記内燃機関のバルブタイミングが前記内燃機関
の運転状態に対応したタイミングとなるように、前記ア
クチュエータを作動させるための目標値を設定する目標
値設定手段と、前記クランクシャフトとカムシャフトと
の位相差から前記アクチュエータの作動状態を検出する
作動検出手段と、前記目標値設定手段による目標値と該
作動検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演算
手段と、該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を
行う比例演算手段と、前記偏差演算手段からの偏差に対
する積分演算を行う積分演算手段と、前記制御弁機構の
不感帯補償を行うため、前記偏差演算手段による偏差に
対して前記不感帯分の補償演算を行う補償演算手段と、
前記比例演算手段、積分演算手段および補償演算手段に
よるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁機構に出力
すべき制御信号を設定する出力信号設定手段とからなる
構成としている。
【0016】このように構成することにより、目標値設
定手段は内燃機関の運転状態に対応したバルブタイミン
グとなる目標値を出力でき、作動検出手段はクランクシ
ャフトとカムシャフトとの位相差からアクチュエータの
作動状態に応じた検出値を出力することができる。そし
て、目標値設定手段による目標値と作動検出手段による
検出値との偏差に応じてアクチュエータをフィードバッ
ク制御することができる。また、比例演算手段によって
偏差に比例してアクチュエータに供給する液圧量を制御
する演算結果を算出し、積分演算手段によって偏差の積
分値に対応してアクチュエータに供給する液圧量を制御
する演算結果を算出すると共に、補償演算手段によって
偏差が正の値から負の値に切換わるときに不感帯の幅に
対応して弁体を移動させる演算結果を算出することがで
きる。
【0017】そして、出力信号設定手段によって比例演
算手段、積分演算手段および補償演算手段によるそれぞ
れの演算結果に基づき制御弁に出力するパルス信号等の
制御信号を設定し、偏差が減少するようにアクチュエー
タを制御することができ、内燃機関を運転状態に対応し
たバルブタイミングで駆動させることができる。
【0018】また、請求項3の発明では、前記出力信号
設定手段は、少なくとも前記比例演算手段、積分演算手
段および補償演算手段によるそれぞれの演算値を加算す
る加算手段と、該加算手段による加算結果に基づいて前
記制御弁機構に出力すべき制御信号の変換演算を行う変
換演算手段とから構成している。
【0019】このように構成することにより、加算手段
によって比例演算手段、積分演算手段および補償演算手
段によるそれぞれの演算結果を加算し、変換演算手段は
加算演算手段の加算結果に基づき制御弁に出力すべきパ
ルス信号等の制御信号を出力することができる。
【0020】さらに、請求項4の発明では、前記制御弁
機構は、スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸
方向に離間して前記液圧源に接続されるポンプポート、
タンクポートと前記アクチュエータに接続される一対の
流出入ポートとが形成された弁ケーシングと、該弁ケー
シングのスプール摺動穴内に挿嵌され該スプール摺動穴
内を摺動変位することにより前記ポンプポート、タンク
ポートを一対の流出入ポートに連通、遮断させるスプー
ルと、前記弁ケーシングに設けられ該スプールを前記ス
プール摺動穴内で摺動変位させるスプール駆動手段とか
らなるスプール弁型の制御弁装置によって構成してい
る。
【0021】上記構成によれば、スプール駆動手段によ
ってスプールを弁ケーシングのスプール摺動穴内で摺動
変位させ、一対の流出入ポートを連通、遮断させること
により、ポンプポートを介して液圧源からの液圧をアク
チュエータに供給できると共に、タンクポートを介して
アクチュエータ内の液圧をタンク側に排出することがで
き、アクチュエータに給排される液圧量を制御すること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0023】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施例によるアクチュエータ制御装置としての油圧シリ
ンダの駆動制御装置を例に挙げて示している。
【0024】図において、1はタンク2と共に液圧源と
しての油圧源を構成する油圧ポンプ、3は該油圧ポンプ
1に配管4A,4Bを介して接続されたアクチュエータ
としての油圧シリンダで、該油圧シリンダ3は、シリン
ダ3Aと、該シリンダ3A内に摺動可能に設けられたピ
ストン3Bと、一端側が該ピストン3Bに固着され、他
端側がシリンダ3A外に突出したロッド3Cとから構成
されている。そして、油圧シリンダ3は、ピストン3B
によって画成された2つの油室3D,3Eに管路4A,
4Bを介して圧油が供給されることにより、ロッド3C
を矢示A,B方向に伸縮させるものである。
【0025】5は制御弁機構としての制御弁装置、6は
該制御弁装置6の本体部を構成するスプール弁で、該ス
プール弁6は略筒状の弁ケーシング7を有し、該弁ケー
シング7の内周側には後述のスプール13が摺動可能に
挿嵌されるスプール摺動穴7Aが形成されている。ま
た、弁ケーシング7にはスプール摺動穴7Aの軸方向に
離間してポンプポート8、タンクポート9および一対の
流出入ポート10,11が設けられ、弁ケーシング7の
一端側端部には、ドレンポート12が設けられている。
【0026】ここで、ポンプポート8は油圧ポンプ1に
接続され、タンクポート9はタンク2に接続されてい
る。そして、流出入ポート10は油圧シリンダ3の給排
口3Fに接続され、流出入ポート11は油圧シリンダ3
の給排口3Gに接続されている。また、流出入ポート1
0,11は、例えば図2に示すように長方形をなす矩形
ポートとして形成され、ドレンポート12はタンク2に
接続されている。
【0027】13は弁ケーシング7のスプール摺動穴7
A内に変位可能に設けられた弁体としてのスプールであ
り、該スプール13には、2個のランド13A,13B
が設けられ、ランド13Aは流出入ポート10を開,閉
すると共に、ランド13Bは流出入ポート11を開,閉
するものである。そして、該スプール13は後述する電
磁アクチュエータ16によりコントローラ17から出力
されるPWM信号のデューティ比に比例して矢示C,D
方向に摺動変位される。また、スプール弁6の一端側と
弁ケーシング7との間には、ドレンポート12に連通す
るばね室14が形成され、該ばね室14内には、スプー
ル13を矢示D方向に常時付勢するばね15が設けられ
ている。
【0028】ここで、スプール13が中立位置にあると
きは、スプール13のランド13Aは図2に示す如く流
出入ポート10を完全に閉塞すると共に、ランド13B
は流出入ポート11を完全に閉塞する。そして、スプー
ル13はランド13A,13Bの幅寸法が、流出入ポー
ト10,11よりも一定寸法δだけ大きく形成され、ポ
ート閉塞時の安定性を確保するようになっている。この
ため、スプール13のランド13A,13Bと弁ケーシ
ング7の流出入ポート10,11との間には、スプール
13を中立位置で僅かに摺動変位させても、流出入ポー
ト10,11が開口しない一定幅の不感帯(寸法δに対
応)が形成されている。
【0029】16はスプール13を駆動させるスプール
駆動手段としての電磁アクチュエータを示し、該電磁ア
クチュエータ16は電磁比例ソレノイドまたはリニア型
のステッピングモータ等からなり、弁ケーシング7の他
端側に取付けられたケース16Aと、該ケース16A内
に設けられたコイル部16Bと、該コイル部16Bの内
周側に変位可能に設けられた駆動ロッド16Cとから構
成されている。
【0030】そして、制御弁装置5は弁ケーシング7、
スプール13および電磁アクチュエータ16等からな
り、油圧シリンダ3に給排される圧油を制御する。これ
により、制御弁装置5は電磁アクチュエータ16によっ
てスプール13を弁ケーシング7のスプール摺動穴7A
内で摺動変位させ、流出入ポート10,11を連通、遮
断させることにより、ポンプポート8を介して油圧ポン
プ1からの圧油を油圧シリンダ3に供給できると共に、
タンクポート9やドレンポート12を介して油圧シリン
ダ3内の圧油をタンク2側に排出でき、油圧シリンダ3
に給排される圧油を制御することができる。
【0031】17は電磁アクチュエータ16の制御を行
う弁制御手段としてのコントローラを示し、該コントロ
ーラ17は、例えばマイクロコンピュータ等により構成
され、該コントローラ17にはROM、RAM等からな
る記憶部17Aが設けられている。
【0032】そして、該コントローラ17内には、後述
する偏差演算回路18、比例演算回路19、積分演算回
路20、補償演算回路21、中立位置設定回路22およ
び出力信号設定回路23が設けられている。また、コン
トローラ17の記憶部17Aには、図4に示すようなス
プール制御プログラムが格納されると共に、比例演算の
ゲインとなる定数Kp 、積分演算のゲインとなる定数K
i および前記不感帯の補償演算に用いる定数Kb 等が予
め格納されている。また、該コントローラ17の入力側
には、後述する目標値設定器26と位置検出センサ27
が接続され、出力側はスプール弁6の電磁アクチュエー
タ16に接続されている。
【0033】ここで、定数Kb は前記不感帯の一定寸法
δに対応した数値であり、補償演算回路21は、定数K
b に対応した信号を出力することによって不感帯を補償
することができる。また、各定数Kp ,Ki は実験によ
って得られる数値であり、定数Kp は定数Ki に比べて
非常に大きくほぼ定数Ki の1000倍程度の値となっ
ている。
【0034】18は偏差演算手段としての偏差演算回路
で、該偏差演算回路18は目標値設定器26からの目標
値rと位置検出センサ27からの検出値yとの偏差eを
演算する。19は比例演算手段としての比例演算回路
で、該比例演算回路19は偏差演算回路18から出力さ
れる偏差eに比例する比例演算値u1 を出力する。
【0035】20は積分演算手段としての積分演算回路
で、該積分演算回路20は偏差eを積分し、偏差eの積
分値に対応した積分演算値u2 を出力する。21は補償
演算手段としての補償演算回路21で、該補償演算回路
21は偏差eに対して前記不感帯分の補償演算を行う補
償演算値u3 を出力する。
【0036】22はスプール13の中立位置を設定する
中立位置設定回路で、該中立位置設定回路22はスプー
ル13を中立位置に保持するために、例えば50%のデ
ューティ比に対応した一定の中立位置設定値u4 を常時
出力する。
【0037】23は出力信号設定手段としての出力信号
設定回路を示し、該出力信号設定回路23は加算演算手
段としての加算演算回路24と変換演算手段としてのP
WM変換回路25とから構成される。そして、加算演算
回路24は比例演算値u1 、積分演算値u2 、補償演算
値u3 および中立位置設定値u4 を加算した加算演算値
uを変換演算手段としてのPWM変換回路25に出力
し、PWM変換回路25は加算演算回路24から出力さ
れる加算演算値uに基づきパルス幅変調信号(PWM信
号)のデューティ比を決定し、このデューティ比に対応
して変換された制御信号としてのPWM信号を制御弁装
置5の電磁アクチュエータ16に向けて出力する。
【0038】26はコントローラ17に対して目標値r
を出力する目標値設定手段としての目標値設定器であ
り、該目標値設定器26の具体例としては、油圧シリン
ダ制御装置全体を制御するための指令装置を含む制御装
置、または手動式の目標値設定装置等である。ここで、
目標値rは、油圧シリンダ3のロッド3Cを移動させる
目標位置に対応した数値であり、ロッド3Cを矢示B方
向に最縮小させるときに例えば零となり、ロッド3Cを
矢示A方向に最伸長させるときに最大値となる。
【0039】27は油圧シリンダ3の作動状態を検出す
る作動検出手段としての位置検出センサを示し、該位置
検出センサ27はロッド3Cの現在位置を検出し、この
現在位置に対応した検出値yをコントローラ17に出力
するものである。ここで、検出値yは、ロッド3Cが目
標値rに達したときに目標値rに対応した値となるもの
であり、ロッド3Cが矢示B方向に最縮小したときに例
えば零となり、ロッド3Cが矢示A方向に最伸長したと
きに最大値となる。
【0040】本実施例による油圧シリンダの駆動制御装
置は上述の如き構成を有するもので、次に図4を参照し
てコントローラ17によるスプール弁制御処理について
説明する。
【0041】まず、ステップ1では、目標値設定器26
から出力される目標値rと位置検出センサ27から出力
される検出値yを読込むと共に、中立位置設定回路22
から出力される中立位置設定値u4 を読込む。そして、
ステップ2では、偏差演算回路18によって目標値rと
検出値yとの偏差e(e=r−y)を算出する。
【0042】次に、ステップ3では、記憶部17Aから
定数Kp を読出すと共に、比例演算回路19によって定
数Kp と偏差eとの積である比例演算値u1 (u1 =K
p ×e)を算出する。
【0043】また、ステップ4では、記憶部17Aから
定数Ki を読出すと共に、偏差eの時間積分による値と
定数Ki とを掛けることにより積分演算値u2 (u2 =
Ki×∫edt)を算出する。
【0044】次に、ステップ5では、偏差eが零(e=
0)であるか否かを判定し、「YES」と判定したとき
には、油圧シリンダ3のロッド3Cは目標とする位置に
達しているから、ステップ9に移って不感帯を補償する
補償演算値u3 を零(u3 =0)に設定し、スプール1
3を中立位置に戻すように後述するステップ10,11
の処理を行う。
【0045】また、ステップ5で「NO」と判定したと
きには、ステップ6に移って偏差eが正の値(e>0)
であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには
油圧シリンダ3のロッド3Cは目標とする位置よりも矢
示B方向に縮小し過ぎているから、ステップ7に移って
補償演算値u3 をKb (u3 =Kb )に設定する。そし
て、ステップ10,11の処理により、スプール13は
一定寸法δだけ矢示C方向に摺動変位し、油圧ポンプ1
からの圧油は油圧シリンダ3の油室3D内に供給され
る。
【0046】一方、ステップ6で「NO」と判定したと
きには、偏差eは負の値(e<0)となって油圧シリン
ダ3のロッド3Cは目標とする位置よりも矢示A方向に
伸長し過ぎているから、ステップ8に移って補償演算値
u3 を−Kb (u3 =−Kb)に設定する。そして、ス
テップ10,11の処理により、スプール13は一定寸
法δだけ矢示D方向に摺動変位し、油圧ポンプ1からの
圧油は油圧シリンダ3の油室3E内に供給される。
【0047】次に、ステップ10では、比例演算値u1
、積分演算値u2 、補償演算値u3および中立位置設定
値u4 の加算演算を行いPWM信号のデューティ比に対
応した加算演算値u(u=u1 +u2 +u3 +u4 )を
算出する。
【0048】次に、ステップ11では加算演算値uをこ
れに対応したデューティ比のPWM信号に変換し、この
PWM信号を電磁アクチュエータ16に出力して、スプ
ール13を摺動変位させる。これにより、油圧シリンダ
3に供給される圧油が制御され、ロッド3Cは偏差eを
減少させる方向に摺動変位する。
【0049】ここで、比例演算回路19、積分演算回路
20および補償演算回路21の動作について図5および
図6を参照しつつ詳述する。
【0050】図5中に実線で示す特性線28は、理想的
な場合におけるPWM信号のデューティ比と流出入ポー
ト10,11の開度との関係を示している。なお、図5
中の特性線図では、スプール13が中立位置から矢示C
方向に移動したときの流出入ポート10,11を開口さ
せたときに、流出入ポート10,11の開度を正の値で
表し、スプール13が中立位置から矢示C方向に移動し
たときの流出入ポート10,11の開度を負の値として
表している。
【0051】そして、PWM信号のデューティ比が50
%のときには、スプール13は流出入ポート10,11
を完全に閉塞する中立位置にあり、流出入ポート10,
11の開度は百分率として0%となる。また、PWM信
号のデューティ比が50%から(50+Δ1 )%の間
は、スプール13は中立位置から矢示C方向に一定寸法
δ内で移動するため、流出入ポート10,11の開度は
0%に保持される。さらに、PWM信号のデューティ比
が50%から(50−Δ1 )%の間は、スプール13は
中立位置から矢示D方向に一定寸法δ内で移動するた
め、流出入ポート10,11の開度は0%に保持され
る。
【0052】また、PWM信号のデューティ比が100
%程度のときには、流出入ポート10,11の開度は1
00%となり、スプール13が矢示C方向に最大移動す
ることにより、流出入ポート10,11は油圧シリンダ
3を最伸長させるように最大開度となる。一方、PWM
信号のデューティ比が0%程度のときには、流出入ポー
ト10,11の開度は−100%となり、スプール13
は矢示D方向に最大移動することにより、流出入ポート
10,11は油圧シリンダ3を最縮小させるように最大
開度となる。
【0053】しかし、実際のスプール弁6ではスプール
13の製造誤差やばね15の経時変化等によって、PW
M信号のデューティ比を50%としたときにもスプール
13が一定の戻り位置(中立位置)に復帰しないことが
ある。また、電磁アクチュエータ16内のコイル部16
は長時間の作動で発熱すると共に、エンジンからの熱伝
導等によって熱抵抗が生じることがあり、この場合でも
スプール弁6の戻り位置がずれることがある。
【0054】このように戻り位置がずれたスプール弁6
では、PWM信号のデューティ比と、流出入ポート1
0,11の開度との関係は、例えば図5中に点線で示す
特性線29のように表わされる。このとき、コントロー
ラ17から出力されるPWM信号のデューティ比に対し
て流出入ポート10,11の開度が変化し、油室3D内
には圧油の供給量が過少となり、油室3Eには圧油の供
給量が過大となる。これにより、油圧シリンダ3のロッ
ド3Cは本来の停止位置に対して矢示B方向に位置ずれ
することになる。
【0055】図6は、スプール弁6の戻り位置に図5中
の特性線29のようなずれが生じた場合のロッド3Cの
位置、比例演算値u1 、積分演算値u2 、補償演算値u
3 と時間との関係を示している。ここで、目標値rは図
6中に一点鎖線で示す特性線30のように一定値に切換
え設定された場合を例に挙げて述べる。
【0056】このとき、図6中に点線で示す特性線31
は前記定数Ki を0とした場合、即ち積分演算回路20
を設けない場合の検出値yと時間との関係を示してい
る。この場合、油圧シリンダ3のロッド3Cは矢示A方
向への移動量が過小となり、矢示B方向への移動量が過
大となるため、油圧シリンダ3のロッド3Cは目標値r
よりも矢示B方向にずれた位置で保持され、目標値rと
の間に定常偏差e1 が生じてしまう。すなわち、定常偏
差e1 は戻り位置のずれ分による制御偏差である。
【0057】これに対し、前記定数Ki を零よりも僅か
に大きく(Ki >0)するようにすると、積分演算回路
20から定常偏差e1 を減少させる方向の積分演算値u
2 が出力され、検出値yは図6中に二点鎖線で示す特性
線31′に沿って目標値rに収束する傾向となる。
【0058】そこで、前記定数Ki を定数Kp の100
0分の1程度の値に設定することにより、検出値yは、
図6中に実線で示す特性線32のように時間に対して変
化する。これは、以下に述べる作用によるものである。
【0059】まず、目標値rがステップ状に変化した直
後には、比例演算値u1 は特性線33のように偏差e
(e=r−y)に対応して大きな値となる。一方、積分
演算値u2 は特性線34に示すように、偏差eが生じて
からの経過時間が短く、積分演算用のゲインとなる定数
Ki が比例演算用のゲインとなる定数Kp よりも非常に
小さいためほぼ零(u2 ≒0)となる。また、補償演算
値u3 は特性線35のように偏差eが正の値(e>0)
であるため、不感帯の一定寸法δに対応した定数Kp と
なる。
【0060】これにより、スプール13は、補償演算値
u3 に応じて矢示C方向に一定寸法δだけ摺動変位する
と共に、偏差eに対応した比例演算値u1 に応じて矢示
C方向に摺動変位する。そして、ロッド3Cは矢示A方
向に伸長し、油圧シリンダ3の油室3D内には油圧ポン
プ1からの圧油が供給される。
【0061】次に、ロッド3Cが目標とする位置よりも
矢示A方向に伸長し、検出値yが目標値rよりも大きく
なった場合、比例演算値u1 は偏差e(e=r−y)に
対応して負の値(e<0)となる。また、補償演算値u
3 は偏差eが負の値であるため、不感帯の一定寸法δに
対応した定数−Kp となる。
【0062】これにより、スプール13は、補償演算値
u3 に応じて矢示D方向に一定寸法δだけ摺動変位する
と共に、偏差eに対応した比例演算値u1 に応じて矢示
D方向に摺動変位する。そして、ロッド3Cは矢示B方
向に縮小し、油圧シリンダ3の油室3E内には油圧ポン
プ1からの圧油が供給される。
【0063】このような動作を繰返している間に、積分
演算値u2 は徐々に大きな値となる。そして、積分演算
値u2 は、特性線31のように定常偏差e1 が生じる場
合には、定常偏差e1 を減少させるように一定値u20に
収束する。すなわち、積分演算回路20は戻り位置のず
れに応じた定数(一定値u20)を出力することになる。
このようにして、偏差eがほぼ零(e=0)となり、ロ
ッド3Cは目標値rに収束する。
【0064】かくして、本実施例によれば、スプール弁
6を制御するコントローラ17内に比例演算回路19、
積分演算回路20、補償演算回路21を設けたから、積
分演算回路20によってスプール弁6に生じる戻り位置
のずれを補償することができ、比例演算回路19によっ
て偏差eに対応してスプール13を摺動変位させると共
に、補償演算回路21によってスプール弁6の不感帯を
補償することができる。
【0065】また、コントローラ17内には出力信号設
定回路23を設け、該出力信号設定回路23を加算演算
回路24とPWM変換回路25とから構成したから、加
算演算回路24は比例演算回路19、積分演算回路2
0、補償演算回路21からの演算値を加算でき、PWM
変換回路25はこの加算値に対応したPWM信号を電磁
アクチュエータ16に出力することができ、電磁アクチ
ュエータ16は油圧シリンダ3のロッド3Cが目標とす
る位置で停止すべく、スプール弁6のスプール13を摺
動変位させることができる。
【0066】そして、スプール弁6によって油圧シリン
ダ3に圧油を給排し、ロッド3Cの伸縮を制御する構成
としたから、スプール弁6に経時変化や製造公差が生じ
た場合でも、ロッド3Cの伸縮位置を目標値rに確実に
収束させることができる。
【0067】また、積分演算のゲインとなる定数Ki を
比例演算のゲインとなる定数Kp よりも非常に小さくし
たから、応答速度や応答精度等を損なうことなくスプー
ル弁6を制御することができ、油圧シリンダ3のロッド
3Cを高速かつ正確に制御することができる。
【0068】さらに、比例演算回路19、積分演算回路
20、補償演算回路21を電子回路等で構成する場合に
は、簡単な回路構成によって実現することができ、コス
トを低減することができる。
【0069】次に、図7ないし図11は本発明の第2の
実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施例の特徴は、アクチュエータ制
御装置を内燃機関としての自動車用エンジンのバルブタ
イミング制御装置に適用したことにある。
【0070】図中、41は内燃機関のエンジン本体(図
示せず)に設けられた出力軸としてのクランクシャフト
を示し、該クランクシャフト41には小径プーリ41A
が設けられると共に、該小径プーリ41Aにはタイミン
グベルト42が巻回されている。そして、タイミングベ
ルト42はドライブシャフト43の大径プーリ43Aに
も巻回され、クランクシャフト41が2回転する間にド
ライブシャフト43が1回転する構成となっている。ま
た、クランクシャフト41には、その回転位相αを検出
するために後述のクランク角センサ53が設けられてい
る。
【0071】44はエンジンの各気筒に設けられた吸気
バルブ(図示せず)を開,閉させるためのカムシャフト
で、該カムシャフト44は後述の偏心ディスク49等を
介してドライブシャフト43に連結され、ドライブシャ
フト43と共に前記エンジン本体側に中心O1 −O1 周
囲で回転可能に設けられている。そして、カムシャフト
44はドライブシャフト43と共にクランクシャフト4
1により回転駆動され、その回転位相βが各気筒の吸気
行程に応じて定まる所定の回転位相となったときに、カ
ム44A,44A,…によって前記各吸気バルブをそれ
ぞれ開,閉させる。
【0072】45はドライブシャフト43を偏心ディス
ク49に連結する連結アームで、該連結アーム45はド
ライブシャフト43の他端側に設けられ、ドライブシャ
フト43と一体的に回転する。また、連結アーム45に
は径方向に延びる係合溝45Aが形成され、該係合溝4
5Aには偏心ディスク49の係合ピン49Aが係合され
ている。
【0073】46はカムシャフト44の一端側に設けら
れた他の連結アームで該連結アーム46には径方向に延
びる係合溝46Aが形成され、該係合溝46Aには偏心
ディスク49の係合ピン49Bが係合されている。
【0074】47は前記各吸気バルブの開,閉タイミン
グを変化させる回転位相可変手段としての偏心機構を示
し、該偏心機構47は後述のディスクホルダ48、偏心
ディスク49およびコントロールシャフト50と、前記
第1の実施例で述べたような油圧シリンダ3等のリニア
型のアクチュエータ52とから構成されている。
【0075】そして、偏心機構47は偏心ディスク49
の中心O2 −O2 をカムシャフト44の中心O1 −O1
に対して偏心量εだけ偏心させることにより、該カムシ
ャフト44の回転位相βを図10に示す如く、クランク
シャフト41の回転位相αに対して相対変化させ、これ
らの回転位相α,βの間に後述の数1による位相差Φを
生じさせる。
【0076】48は偏心ディスク49が回転可能に収容
されるディスクホルダで、該ディスクホルダ48は図8
に示す如く、一端側がエンジン本体側に固定ピン48A
を介して揺動可能に取付けられた環状部48Bと、該環
状部48Bの他端側に一体形成された一対の係合爪48
C,48Cとから構成されている。
【0077】49はドライブディスク42をカムシャフ
ト44に連結する偏心ディスクを示し、該偏心ディスク
49は一側面に突出形成された係合ピン49Aと、他側
面に突出形成された係合ピン49Bとを有し、該係合ピ
ン49A,49Bは図9に示すように偏心ディスク49
の中心O2 −O2 を挟んで互いに径方向で対向する位置
に配設されている。
【0078】また、偏心ディスク49はディスクホルダ
48の環状部48B内に中心O2 −O2 の周囲で回転可
能となるように収容され、係合ピン49A,49Bが連
結アーム45,46の係合溝45A,46A内に摺動可
能に係合されている。これにより、ドライブシャフト4
3とカムシャフト44とは、連結アーム45,46およ
び偏心ディスク49を介して互いに連結され、この状態
で偏心ディスク49は連結アーム45,46の間でカム
シャフト44(ドライブシャフト43)の径方向に相対
変位可能となっている。
【0079】50は偏心ディスク49を偏心させるため
のコントロールシャフトで、該コントロールシャフト5
0はエンジン本体側に軸線O3 −O3 を中心として回転
可能に設けられ、コントロールシャフト50の一端側に
は円形のカム50Aが偏心して設けられている。そし
て、カム50Aはディスクホルダ48の各係合爪48C
間に摺動可能に配設され、コントロールシャフト50は
連結アーム50Bを介してアクチュエータ52に連結さ
れている。
【0080】51はコントロールシャフト50をアクチ
ュエータ52のロッド52Aに連結する連結アームで、
該連結アーム51はコントロールシャフト50の他端側
に設けられ、コントロールシャフト50と一体的に回転
する。また、連結アーム51には径方向に延びる係合溝
51Aが形成され、該係合溝51Aにはロッド52Aの
係合ピン52Bが係合されている。
【0081】52はコントロールシャフト50を回動さ
せるリニア型のアクチュエータを示し、該アクチュエー
タ52は、例えば前記第1の実施例で述べた油圧シリン
ダ3等によって構成されている。そして、アクチュエー
タ52には前記第1の実施例で述べたスプール弁6等を
介して圧油が給排され、これによってロッド52Aを矢
示E方向に進退させる。
【0082】また、ロッド52Aには係合ピン52Bが
突出して設けられ、該係合ピン52Bは連結アーム51
の係合溝51A内に摺動可能に係合されている。そし
て、前記コントロールシャフト50は、アクチュエータ
52のロッド52Aが矢示E方向に摺動変位することに
よって回動されると共に、コントロールシャフト50は
カム50Aを介してディスクホルダ48を偏心ディスク
49と共に固定ピン48Aを中心にして矢示F方向に揺
動させる。
【0083】53はカム位置センサ54と共に作動検出
手段を構成するクランク角センサを示し、該クランク角
センサ53はクランクシャフト41の回転位相αが所定
の回転位相となったときにこれを検出し、図11に示す
ように基準信号S1 を出力する。
【0084】54はカムシャフト44側に設けられたカ
ム位置センサで、該カム位置センサ54はカムシャフト
44の回転位相βが所定の回転位相となったときにこれ
を検出し、図11に示すように基準信号S2 を出力す
る。
【0085】ここで、クランク角センサ53とカム位置
センサ54とはカムシャフト44が1回転する間に1回
だけ基準信号S1 ,S2 を出力するように構成されてい
る。そして、偏心機構47によりクランクシャフト41
とカムシャフト44との間に位相差Φが生じると、カム
位置センサ54に基準信号S1 が図11中にS2 ′とし
て示す如く、クランク角センサ53の基準信号S1 に同
期した位置から位相差Φ分だけ相対変位することによ
り、基準信号S1 ,S2 ′の間の時間Tとエンジン回転
数Nに基づいて位相差Φを
【0086】
【数1】Φ=k×T×N として、検出する(但し、kは定数)。
【0087】一方、クランク角センサ53とカム位置セ
ンサ54とは、前記第1の実施例で述べたコントローラ
17と同様のコントローラ(図示せず)に接続されてい
る。そして、コントローラでは基準信号S1 ,S2 ′の
間の時間Tを計時することにより数1の式に基づいて位
相差Φを検出し、この検出値に基づいてコントロールシ
ャフト50の回動角τ(図9参照)を算出する。
【0088】また、コントローラにはエンジンの回転数
N等により最適なバルブタイミングを算出する目標値設
定手段としての目標値設定器(図示せず)が接続され、
該目標値設定器は最適なバルブタイミングに対応したコ
ントロールシャフト50の回動角を目標値としてコント
ローラに出力する。これにより、コントローラは、目標
値設定器から出力される目標値に、コントロールシャフ
ト50の回動角τとが一致するようにアクチュエータ5
2を作動させ、コントロールシャフト50の回動角τを
フィードバック制御する。
【0089】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、アクチュエータ52
によってバルブタイミングを可変に制御する構成とした
から、周囲温度の変化等によってアクチュエータ52の
戻り位置または中立位置にずれが生じた場合でもバルブ
タイミングを安定して制御することができ、エンジンの
運転状態に対応した最適な状態でエンジンを駆動するこ
とができると共に、適切な吸気や排気が行われ、エンジ
ンの運転性能が向上できる。
【0090】なお、前記各実施例では、スプール13を
比例ソレノイド等の電磁アクチュエータ16によって摺
動変位させるものとしたが、本発明はこれに限らす、比
例ソレノイドに代わってリニア型のステッピングモータ
を用いてもよい。
【0091】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、アクチュエータに圧油を給排する制御弁機構を弁
制御手段によって制御すると共に、該弁制御手段に比例
演算手段、積分演算手段、補償演算手段を設ける構成と
したから、積分演算手段によって制御弁機構に生じる弁
体の中立位置のずれを補償することができ、比例演算手
段よって偏差に対応して弁体を摺動変位させると共に、
補償演算手段によって弁体の不感帯を補償することがで
きる。
【0092】また、弁制御手段には出力信号設定手段を
設けたから、比例演算手段、積分演算手段、補償演算手
段からの演算値に基づいて制御弁機構に出力すべき制御
信号を設定でき、制御弁機構の弁体を制御信号に応じて
摺動変位させることができると共に、アクチュエータを
目標とする位置で停止させることができる。
【0093】そして、弁体によってアクチュエータに圧
油を給排する構成としたから、制御弁機構等に経時変化
や製造公差が生じた場合でも、アクチュエータを目標値
に確実に収束させることができる。
【0094】また、請求項2の発明によれば、アクチュ
エータによってバルブタイミングを可変に制御する構成
としたから、周囲の温度変化等によってアクチュエータ
の中立位置にずれが生じた場合でもバルブタイミングを
正確に制御することができ、エンジンの運転状態に対応
した最適な状態でエンジンを駆動することができると共
に、適切な吸気や排気が行われ、エンジンの運転性能が
向上できる。
【0095】さらに、請求項3の発明によれば、出力信
号設定手段を加算演算手段、変換演算手段とから構成し
たから、加算演算手段は比例演算手段、積分演算手段、
補償演算手段からの演算値を加算し、変換演算手段は加
算演算手段の加算結果に基づいて制御弁機構に出力すべ
き制御信号を変換演算でき、制御弁機構の弁体を制御信
号に応じて摺動変位させることができると共に、アクチ
ュエータを目標とする位置で停止させることができる。
【0096】また、請求項4の発明によれば、制御弁機
構を弁ハウジング、スプールおよびスプール駆動手段等
からなるスプール弁型の制御弁装置によって構成し、ア
クチュエータに給排される圧油をスプール弁によって制
御する構成としたから、スプール駆動手段によってスプ
ールを弁ケーシング内で摺動変位させ、弁ケーシングの
流出入ポートを連通、遮断でき、弁ケーシングのポンプ
ポートを介して油圧源からの圧油をアクチュエータに供
給できると共に、タンクポートを介してアクチュエータ
内の圧油を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による油圧シリンダ、制
御弁装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中のスプール弁の要部を矢示II−II方向か
らみた拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いるコントローラ等
を示すブロック図である。
【図4】スプール弁制御処理を示す流れ図である。
【図5】コントローラから出力されるPWM信号のデュ
ーティ比と流出入ポートの開度との関係を示す特性線図
である。
【図6】検出値、比例演算値、積分演算値および補償演
算値の変化特性を示す特性線図である。
【図7】本発明の第2の実施例によるクランクシャフ
ト、カムシャフト等を示す一部破断の正面図である。
【図8】本発明の第2の実施例によるクランクシャフ
ト、アクチュエータ等を示す斜視図である。
【図9】偏心ディスクをコントロールシャフト等と共に
示す図7中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。
【図10】クランクシャフト、カムシャフト、クランク
角センサおよびカム位置センサ等を示す図7中の矢示X
−X方向からみた側面図である。
【図11】クランク角センサおよびカム位置センサから
出力される基準信号を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ 2 タンク 3 油圧シリンダ(アクチュエータ) 5 制御弁装置(制御弁機構) 7 弁ケーシング 7A スプール摺動穴 8 ポンプポート 9 タンクポート 10,11 流出入ポート 12 ドレンポート 13 スプール(弁体) 16 電磁アクチュエータ(スプール駆動手段) 17 コントローラ(弁制御手段) 18 偏差演算回路(偏差演算手段) 19 比例演算回路(比例演算手段) 20 積分演算回路(積分演算手段) 21 補償演算回路(補償演算手段) 23 出力信号設定回路(出力信号設定手段) 24 加算演算回路(加算手段) 25 PWM変換回路(変換演算手段) 26 目標値設定器(目標値設定手段) 27 位置検出センサ(作動検出手段) 41 クランクシャフト 44 カムシャフト 47 偏心機構(回転位相可変手段) 53 クランク角センサ 54 カム位置センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧源から給排される液圧によって駆動
    制御されるアクチュエータと、 該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、常時
    は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前
    記液圧源からの液圧をアクチュエータに給排するときに
    は前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機構
    と、 前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁機構の
    弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手段とか
    らなるアクチュエータ制御装置において、 前記弁制御手段は、前記アクチュエータを作動させるた
    めの目標値を設定する目標値設定手段と、 前記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手段
    と、 前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段によ
    る検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、 該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例
    演算手段と、 前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演算を行う積
    分演算手段と、 前記制御弁機構の不感帯補償を行うため、前記偏差演算
    手段による偏差に対して前記不感帯分の補償演算を行う
    補償演算手段と、 前記比例演算手段、積分演算手段および補償演算手段に
    よるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁機構に出力
    すべき制御信号を設定する出力信号設定手段とから構成
    したことを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  2. 【請求項2】 液圧源から給排される液圧によって駆動
    制御されるアクチュエータと、 該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、常時
    は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前
    記液圧源からの液圧をアクチュエータに給排するときに
    は前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機構
    と、 前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁機構の
    弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手段とか
    らなるアクチュエータ制御装置において、 内燃機関のバルブタイミングを可変に制御するため前記
    アクチュエータによって駆動され、前記内燃機関のクラ
    ンクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を生
    じさせる回転位相可変手段を備え、 前記弁制御手段は、前記内燃機関のバルブタイミングが
    前記内燃機関の運転状態に対応したタイミングとなるよ
    うに、前記アクチュエータを作動させるための目標値を
    設定する目標値設定手段と、 前記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差から前
    記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手段
    と、 前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段によ
    る検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、 該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例
    演算手段と、 前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演算を行う積
    分演算手段と、 前記制御弁機構の不感帯補償を行うため、前記偏差演算
    手段による偏差に対して前記不感帯分の補償演算を行う
    補償演算手段と、 前記比例演算手段、積分演算手段および補償演算手段に
    よるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁機構に出力
    すべき制御信号を設定する出力信号設定手段とから構成
    したことを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記出力信号設定手段は、少なくとも前
    記比例演算手段、積分演算手段および補償演算手段によ
    るそれぞれの演算値を加算する加算手段と、該加算手段
    による加算結果に基づいて前記制御弁機構に出力すべき
    制御信号の変換演算を行う変換演算手段とから構成して
    なる請求項1または2に記載のアクチュエータ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御弁機構は、スプール摺動穴を有
    し該スプール摺動穴の軸方向に離間して前記液圧源に接
    続されるポンプポート、タンクポートと前記アクチュエ
    ータに接続される一対の流出入ポートとが形成された弁
    ケーシングと、該弁ケーシングのスプール摺動穴内に挿
    嵌され該スプール摺動穴内を摺動変位することにより前
    記ポンプポート、タンクポートを一対の流出入ポートに
    連通、遮断させるスプールと、前記弁ケーシングに設け
    られ該スプールを前記スプール摺動穴内で摺動変位させ
    るスプール駆動手段とからなるスプール弁型の制御弁機
    構によって構成してなる請求項1,2または3に記載の
    アクチュエータ制御装置。
JP35231896A 1996-12-12 1996-12-12 アクチュエータ制御装置 Pending JPH10169603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35231896A JPH10169603A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 アクチュエータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35231896A JPH10169603A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 アクチュエータ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10169603A true JPH10169603A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18423250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35231896A Pending JPH10169603A (ja) 1996-12-12 1996-12-12 アクチュエータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10169603A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010031716A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Kobe Steel Ltd 圧縮装置
US8225763B2 (en) 2007-01-19 2012-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydraulic actuator control device and hydraulic actuator control method
CN106762161A (zh) * 2016-12-09 2017-05-31 中国航空工业集团公司北京航空精密机械研究所 一种具有位移自检测功能的计量活门

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8225763B2 (en) 2007-01-19 2012-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydraulic actuator control device and hydraulic actuator control method
JP2010031716A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Kobe Steel Ltd 圧縮装置
CN106762161A (zh) * 2016-12-09 2017-05-31 中国航空工业集团公司北京航空精密机械研究所 一种具有位移自检测功能的计量活门
CN106762161B (zh) * 2016-12-09 2018-05-08 中国航空工业集团公司北京航空精密机械研究所 一种具有位移自检测功能的计量活门

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3068806B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US5562071A (en) Engine valve operation timing control apparatus
JP4639161B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP4708453B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP2570766Y2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR20030084642A (ko) 캠에 장착된 페이저의 위상각도를 제어하기 위해 중앙에장착된 스풀 밸브의 위치를 제어하기 위해 스풀 위치를피드백하는 가변력 솔레노이드
JP2001065371A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US8240279B2 (en) Engine valve control device
JP3344916B2 (ja) アクチュエータ制御装置
JPH10169603A (ja) アクチュエータ制御装置
JPH0436004A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3339573B2 (ja) スライディングモード制御システムの診断装置
JP3344922B2 (ja) アクチュエータ制御装置
JP2000230437A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3344921B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3344920B2 (ja) アクチュエータ制御装置
WO2006069156A1 (en) Variable cam timing (vct) system utilizing a set of variable structure optimal control methods
JP3299473B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JPH10238373A (ja) 調節部材の調整又は制御を行なうための方法及び装置
JPH1162640A (ja) 可変動弁装置
JP3873829B2 (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
JP2008255914A (ja) バルブタイミング調整装置及びバルブタイミング調整装置用の電子制御装置
JP3355262B2 (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JPH1162641A (ja) 可変動弁装置
JPH0726992A (ja) 内燃機関の弁動作タイミング調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040803