JP3344916B2 - アクチュエータ制御装置 - Google Patents

アクチュエータ制御装置

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JP3344916B2
JP3344916B2 JP4146797A JP4146797A JP3344916B2 JP 3344916 B2 JP3344916 B2 JP 3344916B2 JP 4146797 A JP4146797 A JP 4146797A JP 4146797 A JP4146797 A JP 4146797A JP 3344916 B2 JP3344916 B2 JP 3344916B2
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  • Servomotors (AREA)
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  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の
吸気バルブ、排気バルブの開閉タイミングを可変に制御
するバルブタイミング制御装置等に好適に用いられるア
クチュエータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の運転状態
に応じて吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミング
を可変に制御するようにしたバルブタイミング制御装置
は、例えば特開平6−2516号公報等によって知られ
ている。
【0003】この種のバルブタイミング制御装置には、
油圧ポンプ等の液圧源から給排される液圧によって駆動
される油圧シリンダ等のアクチュエータと、該アクチュ
エータと前記液圧源との間に配設され、常時は弁体を一
定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前記液圧源か
らの液圧をアクチュエータに給排するときには前記弁体
を中立位置から摺動変位させるスプール弁等の制御弁機
構と、前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁
機構の弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手
段とからなるアクチュエータ制御装置が設けられてい
る。
【0004】そして、該アクチュエータ制御装置は、制
御弁機構によりアクチュエータを作動させると共に、ア
クチュエータによってバルブタイミング制御装置を駆動
させ、エンジンの吸気バルブや排気バルブの開閉タイミ
ングを可変に制御している。
【0005】ここで、アクチュエータ制御装置は、アク
チュエータを作動させるための目標値と現在のアクチュ
エータの作動状態に応じた検出値との偏差を用いること
によってフィードバック制御を行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
よるアクチュエータ制御装置では、前記制御弁の弁体を
駆動させる比例ソレノイド等の電磁アクチュエータが長
時間の稼動等で加熱されたときに、電磁アクチュエータ
のコイル部に熱抵抗が生じるため、入力電流に対する弁
体の変位が徐々に小さくなることがある。
【0007】このため、従来技術ではアクチュエータを
作動状態から停止状態にすべく、制御弁機構の弁体を中
立位置に復帰させるときに、弁体の戻り位置(中立位
置)にずれが生じると、次なる駆動時には制御信号に対
する弁体の摺動変位量が変化し、アクチュエータに給排
される液体の流量も変化する。これにより、アクチュエ
ータを目標とする位置まで正確に安定して駆動すること
が難しくなり、検出値と目標値との間には定常偏差が生
じることになり、アクチュエータを適切に制御できない
という問題がある。
【0008】また、弁体等の製造誤差によっても弁体の
戻り位置に例えば不感帯の範囲でずれが生じることがあ
り、正確な制御が要求されるエンジン等のバルブタイミ
ング制御にアクチュエータ制御装置を使用した場合に
は、最適なバルブタイミングによってエンジンを駆動す
ることが難しくなるという問題がある。
【0009】そこで、特開平6−299813号公報に
記載のアクチュエータ制御装置では、アクチュエータに
生じる定常偏差から戻り位置のずれを学習する構成が開
示されている。しかし、この場合にはアクチュエータに
生じる機械的なガタツキや誤差等によって検出値が変動
し、定常偏差の算出が難しくなることがあり、信頼性の
高い学習値を得ることができないという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はアクチュエータを目標とする位
置まで速やかに移動させて停止でき、アクチュエータの
作動を安定させることができると共に、フィードバック
制御の信頼性や安定性を向上できるようにしたアクチュ
エータ制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、液圧源から給排される液圧によって駆
動制御され、前記液圧源から液圧が給排されることによ
りロッドを進退させるシリンダ装置からなるアクチュエ
ータと、該アクチュエータと前記液圧源との間に配設さ
れ、常時は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保
持し、前記液圧源からアクチュエータに液圧を給排する
ときには前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁
機構と、前記アクチュエータを作動させるため、該制御
弁機構の弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御
手段とからなるアクチュエータ制御装置に適用される。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】そして、請求項の発明が採用する構成の
特徴は、内燃機関のバルブタイミングを可変に制御する
ため前記アクチュエータによって駆動され、前記内燃機
関のクランクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位
相差を生じさせる回転位相可変手段を備え、前記弁制御
手段は、前記内燃機関のバルブタイミングが前記内燃機
関の運転状態に対応したタイミングとなるように、前記
アクチュエータを作動させるための目標値を設定する目
標値設定手段と、前記クランクシャフトとカムシャフト
との位相差から前記アクチュエータの作動状態を検出す
る作動検出手段と、前記目標値設定手段による目標値と
該作動検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演
算手段と、該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算
を行う比例演算手段と、前記偏差演算手段からの偏差に
対する積分演算を行う積分演算手段と、前記制御弁機構
の不感帯補償を行うため、前記偏差演算手段による偏差
に対して前記不感帯分を補償演算する補償演算手段と、
前記目標値設定手段による目標値に基づいて過渡状態の
判別を行い、前記目標値が変更されたときには予め決め
られた過渡時間の間を過渡状態と判定し、これ以外のと
きには非過渡状態にあると判定する過渡状態判定手段
と、該過渡状態判定手段により非過渡状態にあると判定
したときには、前記比例演算手段、積分演算手段および
補償演算手段によるそれぞれの演算値に基づいて前記制
御弁機構に出力すべき制御信号を設定し、過渡状態と判
定したときには前記過渡時間の間だけ前記比例演算手段
および補償演算手段によるそれぞれの演算値から制御信
号を設定する出力信号設定手段とから構成し、前記過渡
状態判定手段の過渡時間は、前記シリンダ装置のロッド
が最縮小位置と最大伸長位置との間をストロークすると
きの時間に基づいて設定したことにある。
【0016】このように構成することにより、目標値設
定手段は内燃機関の運転状態に対応したバルブタイミン
グとなる目標値を出力でき、作動検出手段はクランクシ
ャフトとカムシャフトとの位相差からアクチュエータの
作動状態に応じた検出値を出力することができる。そし
て、目標値設定手段による目標値と作動検出手段による
検出値との偏差に応じてアクチュエータをフィードバッ
ク制御するため、比例演算手段ではアクチュエータに供
給する液体の流量を前記偏差に比例した値として演算
し、積分演算手段ではアクチュエータに供給する液体の
流量を前記偏差の積分値に対応した値として演算できる
と共に、補償演算手段では前記偏差が正の値と負の値と
に切換わるときに不感帯の幅に対応した変位量分だけ弁
体を摺動変位させるための演算値を算出することができ
る。
【0017】また、過渡状態判定手段では目標値が変更
されたときの過渡状態を判別することにより、過渡状態
のときには出力信号設定手段によって前記比例演算手段
と補償演算手段との演算値に基づいた制御信号を設定で
き、アクチュエータを目標とする位置へと速やかに移動
させることができると共に、非過渡状態のときには出力
信号設定手段によって比例演算手段、積分演算手段およ
び補償演算手段によるそれぞれの演算値に基づいた制御
信号を設定でき、アクチュエータを目標とする位置で速
やか停止できる。
【0018】
【0019】また過渡状態判定手段の過渡時間は、シ
リンダ装置のロッドが最縮小位置と最大伸長位置との間
をストロークするときの時間に基づいて設定したから、
アクチュエータが目標とする位置まで移動するときに要
する時間は、ロッドが最縮小位置と最大伸長位置との間
を最大ストロークするときの時間にほぼ等しくなるとい
うシリンダ装置の動作特性を利用して過渡状態を判別で
き、最大ストロークの時間からシリンダ装置のロッドが
目標とする位置付近に達するまでの過渡時間を導き出す
ことができる。
【0020】また、請求項の発明では、液圧源から給
排される液圧によって駆動制御されるアクチュエータ
と、該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、
常時は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持
し、前記液圧源からアクチュエータに液圧を給排すると
きには前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機
構と、前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁
機構の弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手
段とからなるアクチュエータ制御装置において、内燃機
関のバルブタイミングを可変に制御するため前記アクチ
ュエータによって駆動され、前記内燃機関のクランクシ
ャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を生じさせ
る回転位相可変手段を備え、前記弁制御手段は、前記内
燃機関のバルブタイミングが前記内燃機関の運転状態に
対応したタイミングとなるように、前記アクチュエータ
を作動させるための目標値を設定する目標値設定手段
と、前記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差か
ら前記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手
段と、前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手
段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該
偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例演
算手段と、前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演
算を行う積分演算手段と、前記制御弁機構の不感帯補償
を行うため、前記偏差演算手段による偏差に対して前記
不感帯分を補償演算する補償演算手段と、前記目標値設
定手段による目標値に基づいて過渡状態の判別を行い、
前記目標値が変更されたときには予め決められた過渡時
間の間を過渡状態と判定し、これ以外のときには非過渡
状態にあると判定する過渡状態判定手段と、該過渡状態
判定手段により非過渡状態にあると判定したときには、
前記比例演算手段、積分演算手段および補償演算手段に
よるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁機構に出力
すべき制御信号を設定し、過渡状態と判定したときには
前記過渡時間の間だけ前記比例演算手段および補償演算
手段によるそれぞれの演算値から制御信号を設定する出
力信号設定手段とから構成し、前記過渡状態判定手段の
過渡時間は、前記目標値設定手段による目標値の変化量
と前記偏差演算手段からの偏差とに基づいて可変に設定
することを特徴としている。
【0021】上記構成によれば、アクチュエータが目標
値付近に達するまでの過渡時間を目標値の変化量と偏差
とに基づいて可変に設定することができ、液圧源から吐
出される液体の吐出量や液体の粘性が変化し、アクチュ
エータが目標とする位置まで移動するときに要する時間
が変化したときでも、これに応じて過渡時間を変化させ
ることができる。
【0022】さらに、請求項の発明では、液圧源から
給排される液圧によって駆動制御されるアクチュエータ
と、該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、
常時は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持
し、前記液圧源からアクチュエータに液圧を給排すると
きには前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機
構と、前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁
機構の弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手
段とからなるアクチュエータ制御装置において、内燃機
関のバルブタイミングを可変に制御するため前記アクチ
ュエータによって駆動され、前記内燃機関のクランクシ
ャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を生じさせ
る回転位相可変手段を備え、前記弁制御手段は、前記内
燃機関のバルブタイミングが前記内燃機関の運転状態に
対応したタイミングとなるように、前記アクチュエータ
を作動させるための目標値を設定する目標値設定手段
と、前記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差か
ら前記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手
段と、前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手
段による検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、該
偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例演
算手段と、前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演
算を行う積分演算手段と、前記制御弁機構の不感帯補償
を行うため、前記偏差演算手段による偏差に対して前記
不感帯分を補償演算する補償演算手段と、前記目標値設
定手段による目標値に基づいて過渡状態の判別を行い、
前記目標値が変更されたときには予め決められた過渡時
間の間を過渡状態と判定し、これ以外のときには非過渡
状態にあると判定する過渡状態判定手段と、該過渡状態
判定手段により非過渡状態にあると判定したときには、
前記比例演算手段、積分演算手段および補償演算手段に
よるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁機構に出力
すべき制御信号を設定し、過渡状態と判定したときには
前記過渡時間の間だけ前記比例演算手段および補償演算
手段によるそれぞれの演算値から制御信号を設定する出
力信号設定手段とから構成し、前記過渡状態判定手段の
過渡時間は、少なくとも前記液圧源から供給される液体
の温度と該液圧源を駆動するエンジンの回転数とに基づ
いて可変に設定することを特徴としている。
【0023】上記構成によれば、液体の温度変化によっ
て液体の粘性が変化する場合やエンジンの回転数の変化
によって液圧源から吐出される液体の吐出量が変化した
場合でも、これらの変化に応じてアクチュエータが目標
値付近に達するまでの過渡時間を可変に設定することが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0025】ここで、図1ないし図7は本発明の第1の
実施例によるアクチュエータ制御装置としての油圧シリ
ンダの駆動制御装置を例に挙げて示している。
【0026】図において、1はタンク2と共に液圧源と
しての油圧源を構成する油圧ポンプ、3は該油圧ポンプ
1に配管4A,4Bを介して接続されたアクチュエータ
としての油圧シリンダで、該油圧シリンダ3は、シリン
ダ3Aと、該シリンダ3A内に摺動可能に設けられたピ
ストン3Bと、一端側が該ピストン3Bに固着され、他
端側がシリンダ3A外に突出したロッド3Cとから構成
されている。そして、油圧シリンダ3は、ピストン3B
によって画成された2つの油室3D,3Eに管路4A,
4Bを介して圧油が給排されることにより、ロッド3C
を矢示A,B方向に伸縮させるものである。
【0027】5は制御弁機構としての制御弁装置、6は
該制御弁装置5の本体部を構成するスプール弁で、該ス
プール弁6は略筒状の弁ケーシング7を有し、該弁ケー
シング7の内周側には後述のスプール13が摺動可能に
挿嵌されるスプール摺動穴7Aが形成されている。ま
た、弁ケーシング7にはスプール摺動穴7Aの軸方向に
離間してポンプポート8、タンクポート9および一対の
流出入ポート10,11が設けられ、弁ケーシング7の
一端側端部には、ドレンポート12が設けられている。
【0028】ここで、ポンプポート8は油圧ポンプ1に
接続され、タンクポート9はタンク2に接続されてい
る。そして、流出入ポート10は油圧シリンダ3の給排
口3Fに接続され、流出入ポート11は油圧シリンダ3
の給排口3Gに接続されている。また、流出入ポート1
0,11は、例えば図2に示すように長方形をなす矩形
ポートとして形成され、ドレンポート12はタンク2に
接続されている。
【0029】13は弁ケーシング7のスプール摺動穴7
A内に変位可能に設けられた弁体としてのスプールであ
り、該スプール13には、2個のランド13A,13B
が設けられ、ランド13Aは流出入ポート10を開,閉
すると共に、ランド13Bは流出入ポート11を開,閉
するものである。そして、該スプール13は後述する電
磁アクチュエータ16によりコントロールユニット17
から出力されるPWM信号のデューティ比に比例して矢
示C,D方向に摺動変位される。また、スプール13の
一端側と弁ケーシング7との間には、ドレンポート12
に連通するばね室14が形成され、該ばね室14内に
は、スプール13を矢示D方向に常時付勢するばね15
が設けられている。
【0030】ここで、スプール13が中立位置にあると
きは、スプール13のランド13Aは図2に示す如く流
出入ポート10を完全に閉塞すると共に、ランド13B
は流出入ポート11を完全に閉塞する。そして、スプー
ル13はランド13A,13Bの幅寸法が、流出入ポー
ト10,11よりも一定寸法δだけ大きく形成され、ポ
ート閉塞時の安定性を確保するようになっている。この
ため、スプール13のランド13A,13Bと弁ケーシ
ング7の流出入ポート10,11との間には、スプール
13を中立位置で僅かに摺動変位させても、流出入ポー
ト10,11が開口しない一定幅の不感帯(寸法δに対
応)が形成されている。
【0031】16はスプール13を駆動変位させるスプ
ール駆動手段としての電磁アクチュエータを示し、該電
磁アクチュエータ16は電磁比例ソレノイドまたはリニ
ア型のステッピングモータ等からなり、弁ケーシング7
の他端側に取付けられたケース16Aと、該ケース16
A内に設けられたコイル部16Bと、該コイル部16B
の内周側に変位可能に設けられた駆動ロッド16Cとか
ら構成されている。
【0032】そして、制御弁装置5は弁ケーシング7、
スプール13および電磁アクチュエータ16等からな
り、油圧シリンダ3に給排すべき圧油の流量と方向とを
可変に制御する。即ち、制御弁装置5は電磁アクチュエ
ータ16によってスプール13を弁ケーシング7のスプ
ール摺動穴7A内で摺動変位させ、流出入ポート10,
11を連通、遮断させることにより、ポンプポート8を
介した油圧ポンプ1からの圧油を油圧シリンダ3に供給
すると共に、油圧シリンダ3内の圧油をタンクポート9
やドレンポート12を介してタンク2側に排出させるも
のである。
【0033】17は電磁アクチュエータ16の制御を行
う弁制御手段としてのコントロールユニットを示し、該
コントロールユニット17は、例えばマイクロコンピュ
ータ等により構成され、該コントロールユニット17に
はROM、RAM等からなる記憶部17Aが設けられて
いる。
【0034】そして、該コントロールユニット17内に
は、後述する偏差演算回路18、比例演算回路19、積
分演算回路20、補償演算回路21、中立位置設定回路
22、過渡状態判定回路23および出力信号設定回路2
4が設けられている。また、コントロールユニット17
の記憶部17Aには、図4に示すようなスプール弁制御
処理用のプログラムが格納されると共に、比例演算の利
得となる定数Kp 、積分演算に用いる後述の定数K0 、
前記不感帯の補償演算に用いる定数Kb および過渡フラ
グF等が予め格納されている。また、該コントロールユ
ニット17の入力側には、後述する目標値設定器28と
位置検出センサ29が接続され、出力側はスプール弁6
の電磁アクチュエータ16に接続されている。
【0035】ここで、定数Kb は前記不感帯の一定寸法
δに対応した数値であり、補償演算回路21は、定数K
b に対応した信号を出力することによって不感帯補償を
行うことができる。また、各定数Kp ,K0 は実験によ
って得られる数値であり、例えば定数Kp は定数K0 の
1000倍程度の値となっている。さらに、過渡フラグ
Fは後述の過渡状態判定回路23により過渡状態と判定
したときに1(F=1)に設定され、過渡状態判定回路
23により非過渡状態と判定したときには零(F=0)
に設定されるものである。
【0036】18は偏差演算手段としての偏差演算回路
で、該偏差演算回路18は目標値設定器28からの目標
値rと位置検出センサ29からの検出値yとの偏差eを
演算する。19は比例演算手段としての比例演算回路
で、該比例演算回路19は偏差演算回路18から出力さ
れる偏差eに比例する比例演算値u1 を出力する。
【0037】20は積分演算手段としての積分演算回路
で、該積分演算回路20は偏差eを積分し、偏差eの積
分値に対応した積分演算値u2 を出力する。21は補償
演算手段としての補償演算回路21で、該補償演算回路
21は偏差eに対して前記不感帯分の補償演算を行う補
償演算値u3 を出力する。
【0038】22はスプール13の中立位置を設定する
中立位置設定回路で、該中立位置設定回路22はスプー
ル13を中立位置に保持するために、例えば50%のデ
ューティ比に対応した一定の中立位置設定値u4 を常時
出力する。
【0039】23は目標値設定器28による目標値rに
基づいて過渡状態を判別を行う過渡状態判定手段として
の過渡状態判定回路で、該過渡状態判定回路23は目標
値rが変更されたときから予め決められた過渡時間T0
の間を過渡状態と判定し、これ以外のときには非過渡状
態にあると判定する。
【0040】ここで、油圧シリンダ3のロッド3Cが最
縮小位置と最大伸長位置との間を最大ストローク量をも
って変位するときの時間は、ロッド3Cが目標とする位
置へと小さなストローク量をもって変位するときの時間
とほぼ等しくなることが知られている。このため、過渡
状態判定回路23では、過渡時間T0 を前記最大ストロ
ークに要する時間に基づき一定時間(例えば200〜4
00ms程度)として設定しているものである。
【0041】24は出力信号設定手段としての出力信号
設定回路を示し、該出力信号設定回路24は積分利得調
整回路25、加算演算回路26およびPWM変換回路2
7から構成される。そして、積分利得調整回路25は過
渡状態判定回路23により非過渡状態と判定したときに
は積分演算の利得となる係数Ki をK0 (Ki =K0)
に設定し、過渡状態と判定したときには積分演算の利得
となる係数Ki を零(Ki =0)に設定する。
【0042】これにより、加算演算回路26は過渡状態
判定回路23により非過渡状態と判定したときには比例
演算値u1 、積分演算値u2 、補償演算値u3 および中
立位置設定値u4 を加算した加算演算値uを出力し、過
渡状態と判定したときには比例演算値u1 、補償演算値
u3 および中立位置設定値u4 を加算した加算演算値u
を出力する。
【0043】そして、PWM変換回路27は加算演算回
路26から出力される加算演算値uに基づきパルス幅変
調信号(PWM信号)のデューティ比を決定し、このデ
ューティ比に対応して変換された制御信号としてのPW
M信号を制御弁装置5の電磁アクチュエータ16に向け
て出力する。
【0044】28はコントロールユニット17に対して
目標値rを出力する目標値設定手段としての目標値設定
器であり、該目標値設定器28の具体例としては、油圧
シリンダ制御装置全体を制御するための指令装置を含む
制御装置、または手動式の目標値設定装置等である。こ
こで、目標値rは、油圧シリンダ3のロッド3Cを移動
させる目標位置に対応した数値であり、ロッド3Cを矢
示B方向に最縮小させるときに例えば零となり、ロッド
3Cを矢示A方向に最大伸長させるときに最大値とな
る。
【0045】29は油圧シリンダ3の作動状態を検出す
る作動検出手段としての位置検出センサを示し、該位置
検出センサ29はロッド3Cの現在位置を検出し、この
現在位置に対応した検出値yをコントロールユニット1
7に出力するものである。ここで、検出値yは、ロッド
3Cが目標値rに達したときに目標値rに対応した値と
なるものであり、ロッド3Cが矢示B方向に最縮小した
ときに例えば零となり、ロッド3Cが矢示A方向に最大
伸長したときに最大値となる。
【0046】本実施例による油圧シリンダ3の駆動制御
装置は上述の如き構成を有するもので、次に図4を参照
してコントロールユニット17によるスプール弁制御処
理について説明する。
【0047】まず、ステップ1では、目標値設定器28
から出力される目標値rと位置検出センサ29から出力
される検出値yを読込むと共に、中立位置設定回路22
から出力される中立位置設定値u4 を読込む。そして、
ステップ2では、偏差演算回路18によって目標値rと
検出値yとの偏差e(e=r−y)を算出する。
【0048】次に、ステップ3では、記憶部17Aから
定数Kp を読出すと共に、比例演算回路19によって定
数Kp と偏差eとの積である比例演算値u1 (u1 =K
p ×e)を算出する。
【0049】次に、ステップ4では、目標値rに基づい
て過渡状態の判別を行い、非過渡状態と判定したときに
は積分演算の利得となる係数Ki をK0 (Ki =K0 )
に設定し、過渡状態と判定したときには係数Ki を零
(Ki =0)に設定する。
【0050】また、ステップ5では、偏差eの時間積分
による値と係数Ki とを掛けることにより積分演算値u
2 (u2 =Ki ×∫edt)を算出する。
【0051】次に、ステップ6では、偏差eが零(e=
0)であるか否かを判定し、「YES」と判定したとき
には、油圧シリンダ3のロッド3Cは目標とする位置に
達しているから、ステップ10に移って不感帯を補償す
る補償演算値u3 を零(u3=0)に設定し、スプール
13を中立位置に戻すように後述するステップ11,1
2の処理を行う。
【0052】また、ステップ6で「NO」と判定したと
きには、ステップ7に移って偏差eが正の値(e>0)
であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには
油圧シリンダ3のロッド3Cは目標とする位置よりも矢
示B方向に縮小し過ぎているから、ステップ8に移って
補償演算値u3 をKb (u3 =Kb )に設定する。そし
て、ステップ11,12の処理により、スプール13は
一定寸法δを越えて矢示C方向に摺動変位し、油圧ポン
プ1からの圧油は油圧シリンダ3の油室3D内に供給さ
れる。
【0053】一方、ステップ7で「NO」と判定したと
きには、偏差eは負の値(e<0)となって油圧シリン
ダ3のロッド3Cは目標とする位置よりも矢示A方向に
伸長し過ぎているから、ステップ9に移って補償演算値
u3 を−Kb (u3 =−Kb)に設定する。そして、ス
テップ11,12の処理により、スプール13は一定寸
法δを越えて矢示D方向に摺動変位し、油圧ポンプ1か
らの圧油は油圧シリンダ3の油室3E内に供給される。
【0054】次に、ステップ11では、比例演算値u1
、積分演算値u2 、補償演算値u3および中立位置設定
値u4 の加算演算を行い、PWM信号のデューティ比に
対応した加算演算値u(u=u1 +u2 +u3 +u4 )
を算出する。
【0055】そして、ステップ12では加算演算値uを
これに対応したデューティ比のPWM信号に変換し、こ
のPWM信号を電磁アクチュエータ16に出力して、ス
プール13を摺動変位させる。これにより、油圧シリン
ダ3に供給される圧油が制御され、ロッド3Cは偏差e
を減少させる方向に摺動変位する。
【0056】次に、目標値rに基づいて過渡状態を判別
する過渡状態判定処理について図5を参照しつつ説明す
る。
【0057】まず、ステップ21ではステップ1におい
て読込んだ現在の目標値rと予め記憶部17Aに格納さ
れた前回の目標値としての初期値r0 とが一致(r=r
0 )しているか否かを判定し、「NO」と判定したとき
には、目標値rが変更されているから、ステップ22に
移って過渡状態であることを示す過渡フラグFを1(F
=1)に設定する。そして、ステップ23では過渡時間
T0 が経過したか否かを判定するためのタイマTを零
(T=0)とし、ステップ24では積分演算の利得とな
る係数Ki を零(Ki =0)とすると共に、ステップ2
5では初期値r0を現在の目標値rに更新し、ステップ
31でリターンする。
【0058】一方、ステップ21で「YES」と判定し
たときには、ステップ26に移って過渡フラグFが1
(F=1)であるか否かを判定し、ステップ26で「N
O」と判定したときには非過渡状態であるから、ステッ
プ31に移ってリターンする。
【0059】また、ステップ26で「YES」と判定し
たときには過渡状態であるから、ステップ27に移って
タイマTが過渡時間T0 以下(T≦T0 )か否かを判定
し、目標値rが変更されてから過渡時間T0 が経過した
か否かを判別する。
【0060】そして、ステップ27で「YES」と判定
したときには、目標値rが変更されてから過渡時間T0
には達していないから、ステップ28に移って積分演算
の利得となる係数Ki を零(Ki =0)に固定すると共
に、ステップ31に移ってリターンする。
【0061】一方、ステップ27で「NO」と判定した
ときには、目標値rが変更されてから過渡時間T0 を経
過しているから、ステップ29に移って過渡フラグFを
零(F=0)に設定すると共に、ステップ30に移って
積分演算の利得となる係数Ki をK0 (Ki =K0 )に
設定し、ステップ31に移ってリターンする。
【0062】ここで、比例演算回路19、積分演算回路
20、補償演算回路21、過渡状態判定回路23および
出力信号設定回路24の動作について図6および図7を
参照しつつ詳述する。
【0063】図6中に実線で示す特性線30は、理想的
な場合におけるPWM信号のデューティ比と流出入ポー
ト10,11の開度との関係を示している。なお、図6
の特性線図では、スプール13が中立位置から矢示C方
向に移動して流出入ポート10,11を開口させたとき
に、流出入ポート10,11の開度を正の値で表し、ス
プール13が中立位置から矢示D方向に移動したときの
流出入ポート10,11の開度を負の値として表してい
る。
【0064】そして、PWM信号のデューティ比が50
%のときには、スプール13は流出入ポート10,11
を完全に閉塞する中立位置にあり、流出入ポート10,
11の開度は百分率として0%となる。また、PWM信
号のデューティ比が50%から(50+Δ1 )%の間
は、スプール13は中立位置から矢示C方向に一定寸法
δ内で移動するため、流出入ポート10,11の開度は
0%に保持される。さらに、PWM信号のデューティ比
が50%から(50−Δ1 )%の間は、スプール13は
中立位置から矢示D方向に一定寸法δ内で移動するた
め、流出入ポート10,11の開度は0%に保持され
る。
【0065】また、PWM信号のデューティ比が100
%程度のときには、流出入ポート10,11の開度は1
00%となり、スプール13が矢示C方向に最大移動す
ることにより、流出入ポート10,11は油圧シリンダ
3を最大伸長させるように最大開度となる。一方、PW
M信号のデューティ比が0%程度のときには、流出入ポ
ート10,11の開度は−100%となり、スプール1
3は矢示D方向に最大移動することにより、流出入ポー
ト10,11は油圧シリンダ3を最縮小させるように最
大開度となる。
【0066】しかし、実際のスプール弁6ではスプール
13の製造誤差やばね15の経時変化等によって、PW
M信号のデューティ比を50%としたときにもスプール
13が一定の戻り位置(中立位置)に復帰しないことが
ある。また、電磁アクチュエータ16内のコイル部16
Bは長時間の作動で発熱すると共に、エンジンからの熱
伝導等によって熱抵抗が生じることがあり、この場合で
もスプール弁6の戻り位置に復帰しないことがあり、図
6中に点線で示す特性線31のように戻り位置のずれΔ
2 が生じることがある。
【0067】このため、本実施例では偏差eに対する積
分演算を行う積分演算回路20を設け、戻り位置のずれ
Δ2 を補償する演算値を出力している。これによって、
ロッド3Cは目標とする位置である本来の停止位置で確
実に停止させることができ、本来の停止位置から位置ず
れした状態で停止するのを防止している。
【0068】次に、図7はロッド3Cの位置、比例演算
値u1 、積分演算値u2 、補償演算値u3 と時間との関
係を示している。ここで、目標値rは図7中に一点鎖線
で示す特性線32のように一定値に変更されたものとす
る。
【0069】このとき、積分演算の利得となる係数Ki
を常時K0 (Ki =K0 )に設定した場合を比較例とし
て示す。この場合、検出値yは図7中に点線で示す特性
線33のように時間に対して変化する。これは、以下に
述べる作用によるものである。
【0070】まず、目標値rが初期値r0 からステップ
状に変化した直後には、比例演算値u1 は特性線34の
ように偏差e(e=r−y)に対応して大きな値とな
る。また、積分演算値u2 は特性線35に示すように、
偏差eに対応して短時間で大きな値となる。そして、補
償演算値u3 は特性線36のように偏差eが正の値(e
>0)であるため、不感帯の一定寸法δに対応した定数
Kb となる。
【0071】これにより、スプール13は、補償演算値
u3 に応じて矢示C方向に一定寸法δだけ摺動変位する
と共に、偏差eに対応した比例演算値u1 に応じて矢示
C方向に摺動変位する。そして、ロッド3Cは矢示A方
向に伸長し、油圧シリンダ3の油室3D内には油圧ポン
プ1からの圧油が供給される。
【0072】そして、目標値rが変更されてから一定時
間τ以上経過すると積分演算値u2の影響によって、ロ
ッド3Cが目標とする位置よりも矢示A方向に過大に伸
長し、検出値yが目標値rよりも大きくなってオーバー
シュートが発生する。このとき、比例演算値u1 は偏差
e(e=r−y)に対応して負の値(e<0)となり、
補償演算値u3 は偏差eが負の値であるため、不感帯の
一定寸法δに対応した定数(−Kb )となると共に、積
分演算値u2 は徐々に減少する。
【0073】これにより、スプール13は、補償演算値
u3 に応じて矢示D方向に一定寸法δだけ摺動変位する
と共に、偏差eに対応した比例演算値u1 に応じて矢示
D方向に摺動変位する。そして、ロッド3Cは矢示B方
向に縮小し、油圧シリンダ3の油室3E内には油圧ポン
プ1からの圧油が供給される。
【0074】このような動作を繰返している間に、積分
演算値u2 は定常偏差を減少させるように一定値u20に
収束する。即ち、積分演算回路20は図6中の戻り位置
のずれΔ2 に応じた定数(一定値u20)を出力すること
になる。このようにして、偏差eがほぼ零(e=0)と
なり、ロッド3Cは目標値rに収束する。
【0075】前記比較例では、過渡状態においても積分
演算を行うために積分演算値u2 が一定値u20よりも増
大し、オーバーシュートが発生する。このため、ロッド
3Cの目標値rへの収束が遅れる傾向にある。
【0076】これに対し、本実施例では過渡状態判定回
路23によって目標値rが変更されてから予め設定され
た過渡時間T0 を過渡状態と判定するから、この間は積
分演算の利得となる係数Ki を零(Ki =0)に設定す
る。これにより積分演算値u2 は特性線37に示すよう
に過渡時間T0 だけ零(u2 =0)となる。
【0077】そして、過渡時間T0 の間は、比例演算値
u1 は特性線38のように偏差eに対応して大きな値と
なり、補償演算値u3 は特性線39のように偏差eが正
の値(e>0)であるため、不感帯の一定寸法δに対応
した定数Kb となる。これにより、スプール13が矢示
C方向に摺動変位すると共に、ロッド3Cは矢示A方向
に伸長し、検出値yは特性線40に示す如く目標値rに
徐々に近付く。
【0078】そして、目標値rが変更されてから予め設
定された過渡時間T0 を経過したときには、積分利得調
整回路25により積分演算の利得となる係数Ki を定数
K0(Ki =K0 )に設定する。このとき、検出値yは
目標値rに近い値となって偏差eが小さい値となるか
ら、比例演算値u1 と積分演算値u2 とは共に小さな値
となる。このため、検出値yにはオーバーシュートが発
生せず、ロッド3Cは目標値rのストローク位置を越え
て矢示A方向に行き過ぎることはなく、目標値rのスト
ローク位置で速やかに停止させることができ、ロッド3
Cを目標値rに相当するストローク位置に向けてより高
い応答性をもって収束させることができる。また、油圧
シリンダ3の作動を安定させることができると共に、フ
ィードバック制御の信頼性や安定性を向上させることが
できる。
【0079】かくして、本実施例によれば、スプール弁
6を制御するコントロールユニット17内に比例演算回
路19、積分演算回路20、補償演算回路21および過
渡状態判定回路23を設けたから、積分演算回路20に
よってスプール弁6に生じる戻り位置のずれΔ2 を補償
でき、比例演算回路19によって偏差eに対応してスプ
ール13を摺動変位させ、補償演算回路21によってス
プール弁6の不感帯補償を行うことができると共に、過
渡状態判定回路23によって過渡状態か非過渡状態かを
判定することができる。
【0080】また、コントロールユニット17内には過
渡状態判定回路23の判別結果に基づいたPWM信号を
電磁アクチュエータ16に出力する出力信号設定回路2
4を設けたから、過渡状態のときには比例演算値u1 と
積分演算値u2 とに基づいたPWM信号を電磁アクチュ
エータ16に出力し、油圧シリンダ3のロッド3Cを目
標とする位置へと速やかに移動させることができると共
に、非過渡状態のときには比例演算値u1 、積分演算値
u2 および補償演算値u3 に基づいたPWM信号を電磁
アクチュエータ16に出力し、ロッド3Cを目標とする
位置で速やかに停止できる。
【0081】そして、過渡状態判定回路23と出力信号
設定回路24とによってオーバーシュートの発生を良好
に防止でき、油圧シリンダ3のロッド3Cを目標値rに
相当するストローク位置に向けて高い応答性をもって収
束させることができると共に、油圧シリンダ3の作動を
安定させることができ、フィードバック制御の信頼性や
安定性を向上できる。
【0082】さらに、過渡状態判定回路23の過渡時間
T0 を油圧シリンダ3のロッド3Cが最縮小位置から最
大伸長位置との間をストロークするときの時間に基づい
て一定の時間に設定したから、油圧シリンダ3のロッド
3Cが目標とする位置まで進退するときに要する時間
は、ロッド3Cが最縮小位置と最大伸長位置との間を最
大ストロークするときの時間にほぼ等しくなるという油
圧シリンダ3の動作特性を利用して過渡状態を判別でき
る。
【0083】そして、油圧シリンダ3のロッド3Cが目
標値r付近に達するまでの間を確実に過渡状態であると
判定し、偏差eが確実に小さい値となったときに非過渡
状態であると判定でき、積分演算値u2 が定常偏差に対
応した一定値u20よりも大きな値になるのを防止し、オ
ーバーシュートの発生を良好に防止できる。
【0084】次に、図8ないし図10は本発明の第2の
実施例を示し、本実施例の特徴は、目標値の変化量と偏
差とに基づいて過渡状態判定回路の過渡時間を可変に設
定することにある。なお、本実施例では前記第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0085】図中、41はコントロールユニット17内
に設けられた過渡状態判定手段としての過渡状態判定回
路で、該過渡状態判定回路41は目標値設定器28によ
る目標値rに基づいて過渡状態の判別を行う。また、該
過渡状態判定回路41はその入力側に目標値設定器28
と偏差演算回路18とが接続され、目標値rと偏差eと
が入力される。そして、過渡状態判定回路41は目標値
rが変更されたときには目標値rの変化量Δrと偏差e
の絶対値とを比較し、偏差eの絶対値が変化量Δrの例
えば10%より大きな値となる間を過渡時間T1 として
設定している。
【0086】次に、過渡状態判定回路41による目標値
rに基づいた過渡状態判定処理について図9を参照しつ
つ説明する。
【0087】まず、ステップ41では現在の目標値rと
予め記憶部17Aに格納された前回の目標値としての初
期値r0 とが一致(r=r0 )しているか否かを判定
し、「NO」と判定したときには、目標値rが変更され
ているから、ステップ42に移って過渡状態であること
を示す過渡フラグFを1(F=1)に設定する。そし
て、ステップ43では積分演算の利得となる係数Ki を
零(Ki =0)とし、ステップ44では目標値rと初期
値r0 との差の絶対値( |r0 −r| )を演算し、変化
量Δr(Δr= |r0 −r| )とする。そしてステップ
45では初期値r0を現在の目標値rに更新し、ステッ
プ51でリターンする。
【0088】一方、ステップ41で「YES」と判定し
たときには、ステップ46に移って過渡フラグFが1
(F=1)であるか否かを判定し、ステップ46で「N
O」と判定したときには、非過渡状態であるからステッ
プ51に移ってリターンする。
【0089】また、ステップ46で「YES」と判定し
たときには過渡状態であるから、ステップ47に移って
偏差eの絶対値( |e| )が変化量Δrの10%以下か
否かを判定する。
【0090】そして、ステップ47で「NO」と判定し
たときには、ロッド3Cは目標値r付近まで変位してお
らず、目標値rが変更されてから過渡時間T1 が経過し
ていないから、ステップ48に移って積分演算の利得と
なる係数Ki を零(Ki =0)に設定すると共に、ステ
ップ51に移ってリターンする。
【0091】一方、ステップ47で「YES」と判定し
たときには、ロッド3Cは目標値r付近まで変位し、目
標値rが変更されてから過渡時間T1 を経過しているか
ら、ステップ49に移って過渡フラグFを零(F=0)
に設定すると共に、ステップ50に移って積分演算の利
得となる係数Ki をK0 (Ki =K0 )に設定し、ステ
ップ51に移ってリターンする。
【0092】ここで、比例演算回路19、積分演算回路
20、補償演算回路21、過渡状態判定回路23および
出力信号設定回路24の動作について図10を参照しつ
つ詳述する。
【0093】まず、目標値rが特性線42に示すように
初期値r0 からステップ状に変化した直後には、偏差e
(e=r−y)はほぼ変化量Δrに等しい値となるた
め、過渡状態判定回路41は過渡状態であると判定し、
積分演算の利得となる係数Kiを零(Ki =0)に設定
する。これにより積分演算値u2 は特性線43に示すよ
うに零(u2 =0)となる。
【0094】このとき、比例演算値u1 は特性線44の
ように偏差eに対応して大きな値となり、補償演算値u
3 は特性線45のように偏差eが正の値(e>0)であ
るため、不感帯の一定寸法δに対応した定数Kb とな
る。これにより、スプール13が矢示C方向に摺動変位
すると共に、ロッド3Cは矢示A方向に伸長し、検出値
yは特性線46に示す如く目標値rに徐々に近付く。
【0095】そして、ロッド3Cの摺動変位によって検
出値yが目標値rに近付き、偏差eの絶対値( |e| )
が変化量Δrの10%以下となると、過渡状態判定回路
41は過渡時間T1 が経過したものとして、非過渡状態
にあると判定する。これにより、積分利得調整回路25
は積分演算の利得となる係数Ki をK0 (Ki =K0)
に設定する。このとき、検出値yは目標値rに近い値と
なり、偏差eは小さい値となっているから、比例演算値
u1 と積分演算値u2 とは共に小さな値となる。このた
め、検出値yにはオーバーシュートが発生せず、ロッド
3Cのストローク位置は目標値rを越えて矢示A方向に
行き過ぎることはなく、目標値rに相当するストローク
位置へとロッド3Cを早期に近付けることができ、ロッ
ド3Cを目標値rのストローク位置で速やかに収束(停
止)させることができる。
【0096】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、目標値rの変化量Δ
rと偏差eとに基づき過渡時間T1 を可変に設定する構
成としたから、油圧シリンダ3のロッド3Cが目標値r
付近に達するまでの時間を過渡状態であると判定するこ
とができる。そして、油圧シリンダ3に給排される圧油
の吐出量や粘性等によってロッド3Cが目標値rまで移
動するときに要する時間が変化したときでも、これに応
じて過渡時間T1 を変化させることができ、ロッド3C
をより速やかに目標となるストローク位置まで移動して
停止させることができる。
【0097】次に、図11ないし図14は本発明の第3
の実施例を示し、本実施例の特徴は、油圧ポンプを駆動
するエンジンの回転数と油圧シリンダに給排される圧油
の温度とに基づいて過渡状態判定回路の過渡時間を可変
に設定することにある。なお、本実施例では前記第1の
実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0098】図中、51は油圧ポンプ1を駆動するエン
ジン(図示せず)の回転数Nを検出する回転数検出器
で、該回転数検出器51はエンジンの回転数Nに対応し
た信号を後述の過渡状態判定回路53に向けて出力す
る。
【0099】52は油圧ポンプ1から油圧シリンダ3に
供給される圧油の油温tを検出する油温検出器を示し、
該油温検出器52は油温tに対応した信号を後述の過渡
状態判定回路53に向けて出力する。
【0100】53はコントロールユニット17に設けら
れた過渡状態判定手段としての過渡状態判定回路で、該
過渡状態判定回路53は入力側に目標値設定器28、回
転数検出器51および油温検出器52が接続され、目標
値設定器28による目標値rに基づいて過渡状態の判別
を行う。
【0101】また、コントロールユニット17の記憶部
17Aには図13に示す過渡時間マップ54が予め記憶
され、過渡状態判定回路53は過渡時間マップ54から
回転数Nと油温tとに基づいて過渡時間Tijを設定す
る。
【0102】ここで、図13に示す過渡時間マップ54
は、縦軸側の回転数N1 ,N2 ,…,N5 がそれぞれ1
000,2000,…,5000rpm程度のエンジン
の回転数Nに該当し、横軸側の油温t1 ,t2 ,…,t
5 はそれぞれ、例えば−30,0,…,120℃程度の
油温tに該当する。そして、過渡時間Tijはこれらの回
転数N1 ,N2 ,…,N5 および油温t1 ,t2 ,…,
t5 によって割り当てられた過渡時間T11,T12,…,
T54,T55からなり、これらのうち、いずれか一の過渡
時間Tijがエンジンの回転数Nや油温tに応じて選択さ
れる。
【0103】また、油圧ポンプ1はエンジンにより回転
駆動され、エンジンの回転数Nが増大するのに応じて圧
油の吐出量が増大する。そして、油圧ポンプ1から吐出
される圧油の吐出量が増大するのに応じてロッド3Cの
応答速度は速くなり、吐出量が減少するのに応じて遅く
なるから、前記過渡時間Tijは圧油の吐出量に対応する
エンジンの回転数Nが高いときに短い時間に設定され、
回転数Nが低いときにはより長い時間に設定される。
【0104】さらに、ロッド3Cの応答速度は、油圧ポ
ンプ1から供給される圧油の粘性が低いときに速く、高
くなるに応じて遅くなり、この粘性は油温tに応じて変
化するから、前記過渡時間Tijは油温tが、例えば−3
0℃から40℃まで上昇するに応じてより短い時間に設
定される。なお、油温tが40℃よりも高い温度(例え
ば80℃,120℃等の温度)になったときにはロッド
3Cの応答速度が僅かに低下することがあるので、油温
tが40℃を越えるときには過渡時間Tijを少し長い時
間に設定する。
【0105】次に、過渡状態判定回路53による目標値
rに基づいた過渡状態判定処理について図12を参照し
つつ説明する。
【0106】まず、ステップ61では回転数検出器51
から回転数Nを読込むと共に、油温検出器52から油温
tを読込む。そして、ステップ62では記憶部17A内
に格納された過渡時間マップ54から回転数Nと油温t
とに対応した過渡時間Tijを選択し、ステップ63に移
る。
【0107】次に、ステップ63では現在の目標値rと
予め記憶部17Aに格納された前回の目標値としての初
期値r0 とが一致(r=r0 )しているか否かを判定
し、「NO」と判定したときには、目標値rが変更され
ているから、ステップ64に移って過渡状態であること
を示す過渡フラグFを1(F=1)に設定する。そし
て、ステップ65では過渡時間T0 が経過したか否かを
判定するためのタイマTを零(T=0)とし、ステップ
66では積分演算の利得となる係数Ki を零(Ki=
0)とすると共に、ステップ67では初期値r0 を現在
の目標値rに更新し、ステップ73でリターンする。
【0108】一方、ステップ63で「YES」と判定し
たときには、ステップ68に移って過渡フラグFが1
(F=1)であるか否かを判定し、ステップ68で「N
O」と判定したときには、非過渡状態であるからステッ
プ73に移ってリターンする。
【0109】また、ステップ68で「YES」と判定し
たときには過渡状態であるから、ステップ69に移って
タイマTが過渡時間Tij以下(T≦Tij)か否かを判定
し、目標値rが変更されてから過渡時間Tijが経過した
か否かを判別する。
【0110】そして、ステップ69で「YES」と判定
したときには、目標値rが変更されてから過渡時間Tij
を経過していないから、ステップ70に移って積分演算
の利得となる係数Ki を零(Ki =0)に固定すると共
に、ステップ73に移ってリターンする。
【0111】一方、ステップ69で「NO」と判定した
ときには、目標値rが変更されてから過渡時間Tijを経
過しているから、ステップ71に移って過渡フラグFを
零(F=0)に設定し、ステップ72に移って積分演算
の利得となる係数Ki をK0(Ki =K0 )に設定する
と共に、ステップ73に移ってリターンする。
【0112】ここで、比例演算回路19、積分演算回路
20、補償演算回路21、過渡状態判定回路53および
出力信号設定回路24の動作について図14を参照しつ
つ詳述する。
【0113】例えば、エンジンが回転数N1 で駆動し、
圧油の温度が油温t1 であるときには、油圧シリンダ3
の反応速度は遅くなる。このとき、目標値rが特性線5
5に示すように初期値r0 からステップ状に変化したす
ると、検出値yは特性線56に示すように目標値rに向
って変化する。
【0114】ここで、過渡状態判定回路23は目標値r
が変更されてから過渡時間T11の間を過渡状態と判定す
るから、この間は積分演算の利得となる係数Ki を零
(Ki=0)に設定する。これにより積分演算値u2 は
特性線57に示すように過渡時間T11だけ零(u2 =
0)となる。
【0115】このとき、比例演算値u1 は特性線58の
ように偏差eに対応して大きな値となり、補償演算値u
3 は特性線59のように偏差eが正の値(e>0)であ
るため、不感帯の一定寸法δに対応した定数Kb とな
る。これにより、スプール13が矢示C方向に摺動変位
すると共に、ロッド3Cは矢示A方向に伸長し、検出値
yは目標値rに徐々に近付く。
【0116】そして、目標値rが変更されてから過渡時
間T11を経過したときには、積分利得調整回路25によ
り積分演算の利得となる係数Ki を定数K0 (Ki =K
0 )に設定する。このとき、検出値yは目標値rに近い
値となり偏差eが小さい値となるから、比例演算値u1
と積分演算値u2 とは共に小さな値となる。このため、
検出値yにはオーバーシュートが発生せず、ロッド3C
は目標値rのストローク位置を越えて矢示A方向に行き
過ぎることはなく、目標値rのストローク位置で速やか
に停止させることができ、ロッド3Cを目標値rに相当
するストローク位置に向けて高い応答性をもって収束さ
せることができる。
【0117】一方、圧油の油温t1 の状態で、エンジン
が回転数N1 に比べて高速の回転数N2 で駆動したとき
には、油圧シリンダ3の反応速度は回転数N1 のときに
比べて速くなる。このとき、目標値rが特性線55に示
すように初期値r0 からステップ状に変化したすると、
検出値yは特性線60に示すように目標値rに向って変
化する。
【0118】ここで、過渡状態判定回路23は目標値r
が変更されてから過渡時間T12の間を過渡状態と判定す
るから、この間は積分演算の利得となる係数Ki を零
(Ki=0)に設定する。これにより積分演算値u2 は
特性線61に示すように過渡時間T12だけ零(u2 =
0)となる。
【0119】このとき、比例演算値u1 は特性線62の
ように偏差eに対応して大きな値となり、補償演算値u
3 は特性線63のように偏差eが正の値(e>0)であ
るため、不感帯の一定寸法δに対応した定数Kb とな
る。これにより、スプール13が矢示C方向に摺動変位
すると共に、ロッド3Cは矢示A方向に伸長し、検出値
yは目標値rに徐々に近付く。
【0120】そして、目標値rが変更されてから過渡時
間T11よりも短い過渡時間T12を経過したときには、積
分利得調整回路25は積分演算の利得となる係数Ki を
K0(Ki =K0 )に設定する。このとき、検出値yは
目標値rに近い値となり偏差eが小さい値となるから、
比例演算値u1 と積分演算値u2 とは共に小さな値とな
る。このため、検出値yにはオーバーシュートが発生せ
ず、ロッド3Cを目標値rに収束させることができ、油
圧シリンダ3の応答速度に応じてロッド3Cを目標値r
に相当するストローク位置に向けて高い応答性をもって
収束させることができる。
【0121】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、エンジンの回転数N
と圧油の油温tとに基づき過渡時間Tijを可変に設定す
る構成としたから、エンジンの回転数Nの変化によって
油圧ポンプ1から吐出される圧油の吐出量が変化する場
合や、圧油の油温tの変化によって圧油の粘性が変化す
る場合に、これらの変化によってロッド3Cが目標とす
る位置に移動するまでに要する時間が変化したときで
も、これに応じて過渡時間Tijを可変に設定でき、ロッ
ド3Cをより速やかに目標となるストローク位置まで移
動して停止させることができる。
【0122】次に、図15ないし図19は本発明の第4
の実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。しかし、本実施例の特徴は、アクチュエータ
制御装置を内燃機関としての自動車用エンジンのバルブ
タイミング制御装置に適用したことにある。
【0123】図中、71は内燃機関のエンジン本体(図
示せず)に設けられた出力軸としてのクランクシャフト
を示し、該クランクシャフト71には小径プーリ71A
が設けられると共に、該小径プーリ71Aにはタイミン
グベルト72が巻回されている。そして、タイミングベ
ルト72はドライブシャフト73の大径プーリ73Aに
も巻回され、クランクシャフト71が2回転する間にド
ライブシャフト73が1回転する構成となっている。ま
た、クランクシャフト71には、その回転位相αを検出
するために後述のクランク角センサ83が設けられてい
る。
【0124】74はエンジンの各気筒に設けられた吸気
バルブ(図示せず)を開,閉させるためのカムシャフト
で、該カムシャフト74は後述の偏心ディスク79等を
介してドライブシャフト73に連結され、ドライブシャ
フト73と共に前記エンジン本体側に中心O1 −O1 周
囲で回転可能に設けられている。そして、カムシャフト
74はドライブシャフト73と共にクランクシャフト7
1により回転駆動され、その回転位相βが各気筒の吸気
行程に応じて定まる所定の回転位相となったときに、カ
ム74A,74A,…によって前記各吸気バルブをそれ
ぞれ開,閉させる。
【0125】75はドライブシャフト73を偏心ディス
ク79に連結する連結アームで、該連結アーム75はド
ライブシャフト73の他端側に設けられ、ドライブシャ
フト73と一体的に回転する。また、連結アーム75に
は径方向に延びる係合溝75Aが形成され、該係合溝7
5Aには偏心ディスク79の係合ピン79Aが係合され
ている。
【0126】76はカムシャフト74の一端側に設けら
れた他の連結アームで該連結アーム76には径方向に延
びる係合溝76Aが形成され、該係合溝76Aには偏心
ディスク79の係合ピン79Bが係合されている。
【0127】77は前記各吸気バルブの開,閉タイミン
グを変化させる回転位相可変手段としての偏心機構を示
し、該偏心機構77は後述のディスクホルダ78、偏心
ディスク79およびコントロールシャフト80と、前記
第1の実施例で述べたような油圧シリンダ3等のリニア
型のアクチュエータ82とから構成されている。
【0128】そして、偏心機構77は偏心ディスク79
の中心O2 −O2 をカムシャフト74の中心O1 −O1
に対して偏心量εだけ偏心させることにより、該カムシ
ャフト74の回転位相βを図18に示す如く、クランク
シャフト71の回転位相αに対して相対変化させ、これ
らの回転位相α,βの間に後述の数1による位相差Φを
生じさせる。
【0129】78は偏心ディスク79が回転可能に収容
されるディスクホルダで、該ディスクホルダ78は図1
6に示す如く、一端側がエンジン本体側に固定ピン78
Aを介して揺動可能に取付けられた環状部78Bと、該
環状部78Bの他端側に一体形成された一対の係合爪7
8C,78Cとから構成されている。
【0130】79はドライブディスク72をカムシャフ
ト74に連結する偏心ディスクを示し、該偏心ディスク
79は一側面に突出形成された係合ピン79Aと、他側
面に突出形成された係合ピン79Bとを有し、該係合ピ
ン79A,79Bは図17に示すように偏心ディスク7
9の中心O2 −O2 を挟んで互いに径方向で対向する位
置に配設されている。
【0131】また、偏心ディスク79はディスクホルダ
78の環状部78B内に中心O2 −O2 の周囲で回転可
能となるように収容され、係合ピン79A,79Bが連
結アーム75,76の係合溝75A,76A内に摺動可
能に係合されている。これにより、ドライブシャフト7
3とカムシャフト74とは、連結アーム75,76およ
び偏心ディスク79を介して互いに連結され、この状態
で偏心ディスク79は連結アーム75,76の間でカム
シャフト74(ドライブシャフト73)の径方向に相対
変位可能となっている。
【0132】80は偏心ディスク79を偏心させるため
のコントロールシャフトで、該コントロールシャフト8
0はエンジン本体側に軸線O3 −O3 を中心として回転
可能に設けられ、コントロールシャフト80の一端側に
は円形のカム80Aが偏心して設けられている。そし
て、カム80Aはディスクホルダ78の各係合爪78C
間に摺動可能に配設され、コントロールシャフト80は
連結アーム81を介してアクチュエータ82に連結され
ている。
【0133】81はコントロールシャフト80をアクチ
ュエータ82のロッド82Aに連結する連結アームで、
該連結アーム81はコントロールシャフト80の他端側
に設けられ、コントロールシャフト80と一体的に回転
する。また、連結アーム81には径方向に延びる係合溝
81Aが形成され、該係合溝81Aにはロッド82Aの
係合ピン82Bが係合されている。
【0134】82はコントロールシャフト80を回動さ
せるリニア型のアクチュエータを示し、該アクチュエー
タ82は、例えば前記第1,第2または第3の実施例で
述べた油圧シリンダ3等によって構成されている。そし
て、アクチュエータ82にはスプール弁6等を介して圧
油が給排され、これによってロッド82Aを矢示E方向
に進退させる。
【0135】また、ロッド82Aには係合ピン82Bが
突出して設けられ、該係合ピン82Bは連結アーム81
の係合溝81A内に摺動可能に係合されている。そし
て、前記コントロールシャフト80は、アクチュエータ
82のロッド82Aが矢示E方向に摺動変位することに
よって回動されると共に、コントロールシャフト80は
カム80Aを介してディスクホルダ78を偏心ディスク
79と共に固定ピン78Aを中心にして矢示F方向に揺
動させる。
【0136】83はカム位置センサ84と共に作動検出
手段を構成するクランク角センサを示し、該クランク角
センサ83はクランクシャフト71の回転位相αが所定
の回転位相となったときにこれを検出し、図19に示す
ように基準信号S1 を出力する。
【0137】84はカムシャフト74側に設けられたカ
ム位置センサで、該カム位置センサ84はカムシャフト
74の回転位相βが所定の回転位相となったときにこれ
を検出し、図19に示すように基準信号S2 を出力す
る。
【0138】ここで、クランク角センサ83とカム位置
センサ84とはカムシャフト74が1回転する間に1回
だけ基準信号S1 ,S2 を出力するように構成されてい
る。そして、偏心機構77によりクランクシャフト71
とカムシャフト74との間に位相差Φが生じると、カム
位置センサ84に基準信号S1 が図19中にS2 ′とし
て示す如く、クランク角センサ83の基準信号S1 に同
期した位置から位相差Φ分だけ相対変位することによ
り、基準信号S1 ,S2 ′の間の時間ΔTとエンジン回
転数Nに基づいて位相差Φを
【0139】
【数1】Φ=k×ΔT×N として、検出する(但し、kは定数)。
【0140】一方、クランク角センサ83とカム位置セ
ンサ84とは、前記第1の実施例で述べたコントロール
ユニット17と同様のコントロールユニット(図示せ
ず)に接続されている。そして、コントロールユニット
では基準信号S1 ,S2 ′間の時間ΔTを計時すること
により数1の式に基づいて位相差Φを検出し、この検出
値に基づいてコントロールシャフト80の回動角θ(図
17参照)を算出する。
【0141】また、コントロールユニットにはエンジン
の回転数N等により最適なバルブタイミングを算出する
目標値設定手段としての目標値設定器(図示せず)が接
続され、該目標値設定器は最適なバルブタイミングに対
応したコントロールシャフト80の回動角を目標値とし
てコントロールユニットに出力する。これにより、コン
トロールユニットは、目標値設定器から出力される目標
値に、コントロールシャフト80の回動角θとが一致す
るようにアクチュエータ82を作動させ、コントロール
シャフト80の回動角θをフィードバック制御する。
【0142】本実施例によるアクチュエータ制御装置は
上述の如き構成を有するもので、次に、該アクチュエー
タ制御装置を適用した自動車用エンジンのバルブタイミ
ング制御装置の作動について説明する。
【0143】まず、エンジンによりクランクシャフト7
1が回転駆動されると、この回転駆動力はタイミングベ
ルト72を介してドライブシャフト73に伝達され、連
結アーム75と偏心ディスク79はディスクホルダ78
内で図17中の矢示G方向に回転し、この回転駆動力は
偏心ディスク79の係合ピン79Bと連結アーム76と
を介してカムシャフト74に伝達されると共に、カムシ
ャフト74はその回転位相βが所定の回転位相となった
ときに前記各吸気バルブを開,閉させる。
【0144】そして、吸気バルブの開閉タイミングを変
えるときには、目標値設定器(図示せず)から最適なバ
ルブタイミングに対応したコントロールシャフト80の
回動角を目標値としてコントロールユニットに出力す
る。これにより、コントロールユニットは、目標値設定
器から出力される目標値にコントロールシャフト80の
回動角θが一致するように、図16に示す如くアクチュ
エータ82の矢示E方向にロッド82Aを進退させる。
このとき、ロッド82Aに連結アーム81等を介して係
合するコントロールシャフト80は矢示F方向に回動
し、図17に示す如く偏心ディスク79が連結アーム7
5,76間でカムシャフト74の径方向に相対変位する
と共に、その中心O2 −O2 がカムシャフト74の中心
O1 −O1 から偏心量εだけ偏心する。
【0145】この結果、カムシャフト74の回転位相β
とクランクシャフト71の回転位相αとの間には位相差
Φが生じ、カムシャフト74により開閉される吸気バル
ブの開閉タイミングが位相差Φに応じて変化するから、
この位相差Φを所望の値に変えることによって、吸気バ
ルブの開閉タイミングを適切に制御できる。
【0146】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、アクチュエータ82
によってバルブタイミングを可変に制御する構成とした
から、周囲温度の変化等によってアクチュエータ82の
戻り位置または中立位置にずれが生じた場合でもバルブ
タイミングを安定して制御することができる。また、ア
クチュエータ82をより速やかに目標となる位置まで移
動させて停止することができ、クランクシャフト71と
カムシャフト74との間に生じる位相差Φを高い応答性
をもって制御でき、エンジンの運転状態に対応した最適
な状態でエンジンを駆動することができると共に、適切
な吸気や排気が行われ、エンジンの運転性能が向上でき
る。
【0147】なお、前記各実施例では、スプール13を
比例ソレノイド等の電磁アクチュエータ16によって摺
動変位させるものとしたが、本発明はこれに限らす、比
例ソレノイドに代わってリニア型のステッピングモータ
を用いてもよい。
【0148】また、前記第3実施例では、エンジンの回
転数Nと油温tとに対応する過渡時間Tijを選択するも
のとしたが、例えば線形補間等の手法を用いることによ
ってエンジンの回転数Nと油温tとから過渡時間を算出
する構成としてもよい。
【0149】さらに、前記第3の実施例では、エンジン
の回転数Nと油温tとに基づき過渡時間Tijを設定する
ものとしたが、本発明はこれに限らずエンジンの回転数
Nの代わりにアクチュエータに給排される液圧の圧力を
用いても良く、油温の代わりにエンジンを冷却する冷却
水の水温を用いてもよい。
【0150】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、制御弁機構を制御する弁制御手段に比例演算手
段、積分演算手段、補償演算手段および過渡状態判定手
段を設けたから、比例演算手段によって偏差に比例して
アクチュエータに供給する液体の流量を演算し、積分演
算手段によって制御弁機構に生じる戻り位置のずれを補
償でき、補償演算手段によって偏差が正の値と負の値と
に切換わるときに不感帯の幅に対応して弁体を摺動変位
させる演算値を算出できる。
【0151】また、過渡状態判定手段で過渡状態と判定
したときには比例演算手段と補償演算手段との演算値に
基づいた制御信号を設定することにより、オーバーシュ
ートの発生を良好に防止でき、アクチュエータを目標と
する位置まで速やかに移動できると共に、非過渡状態の
ときには比例演算手段、積分演算手段および補償演算手
段の演算値に基づいて制御信号を設定することにより、
アクチュエータを目標とする位置で速やか停止できる。
【0152】従って、アクチュエータを目標とする位置
に向けて高い応答性をもって移動させて停止することが
でき、アクチュエータの作動を安定させることができ、
フィードバック制御の信頼性や安定性を向上できると共
に、制御弁機構等に経時変化や製造公差が生じた場合で
も、アクチュエータを目標値に確実に収束させることが
できる。
【0153】また、請求項の発明によれば、アクチュ
エータによってバルブタイミングを可変に制御する構成
としたから、周囲の温度変化等によってアクチュエータ
の中立位置にずれが生じた場合でもバルブタイミングを
正確に制御することができると共に、クランクシャフト
とカムシャフトとの位相差を高い応答性をもって制御す
ることができる。そして、エンジンの運転状態に対応し
た最適な状態でエンジンを駆動することができ、適切な
吸気や排気が行われ、エンジンの運転性能が向上でき
る。
【0154】さらに、請求項の発明によれば、過渡状
態判定手段の過渡時間をシリンダ装置のロッドが最縮小
位置から最大伸長位置との間をストロークするときの時
間に基づいて設定する構成としたから、シリンダ装置の
ロッドが目標とする位置付近に達するまでの間を過渡状
態と判定し、偏差が小さい値となったときにはこれを非
過渡状態として判別でき、積分演算手段による演算値が
戻り位置のずれに対応した値よりも大きな値なるのを
防止し、オーバーシュートの発生を良好に防止できる。
【0155】また、請求項の発明によれば、過渡状態
判定回路の過渡時間を目標値設定手段による目標値の変
化量と偏差演算手段からの偏差とに基づき可変に設定し
たから、アクチュエータが目標とする位置付近に達する
までの時間を過渡時間に設定でき、アクチュエータに給
排される液体の吐出量や粘性等によってアクチュエータ
が目標とする位置まで移動するときに要する時間が変化
しても、これに対応した過渡時間を設定でき、アクチュ
エータをより速やかに目標となるストローク位置まで安
定して移動させつつ、停止させることができる。
【0156】また、請求項の発明によれば、液圧源か
ら供給される液体の温度と液圧源を駆動するエンジンの
回転数とに基づき過渡時間を可変に設定する構成とした
から、エンジンの回転数変化で液圧源から吐出される液
体の吐出量が変化したり、液体の温度変化で液体の粘性
が変化することにより、アクチュエータが目標とする位
置へと移動するのに要する時間が変化したときでも、こ
れに応じて過渡時間を可変に設定でき、アクチュエータ
をより速やかに目標となるストローク位置まで移動して
停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるアクチュエータ制
御装置の油圧シリンダおよび制御弁装置等を示す縦断面
図である。
【図2】弁ケーシングのポートとランドとの関係を示す
図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】図1中に示すコントロールユニット等の制御ブ
ロック図である。
【図4】コントロールユニットによるスプール弁制御処
理を示す流れ図である。
【図5】図4中の過渡状態判定処理を示す流れ図であ
る。
【図6】コントロールユニットから出力されるPWM信
号のデューティ比と流出入ポートの開度との関係を示す
特性線図である。
【図7】油圧シリンダをストロークさせるときの検出
値、比例演算値、積分演算値および補償演算値の変化特
性を示す特性線図である。
【図8】本発明の第2の実施例によるアクチュエータ制
御装置に用いるコントロールユニット等の制御ブロック
図である。
【図9】図8中のコントロールユニットによる過渡状態
判定処理を示す流れ図である。
【図10】油圧シリンダをストロークさせるときの検出
値、比例演算値、積分演算値および補償演算値の変化特
性を示す特性線図である。
【図11】本発明の第3の実施例によるアクチュエータ
制御装置に用いるコントロールユニット等の制御ブロッ
ク図である。
【図12】図11中のコントロールユニットによる過渡
状態判定処理を示す流れ図である。
【図13】図11中のコントロールユニットの記憶部に
格納した過渡時間マップを示す説明図である。
【図14】油圧シリンダをストロークさせるときの検出
値、比例演算値、積分演算値および補償演算値の変化特
性を示す特性線図である。
【図15】本発明の第4の実施例によるエンジンのバル
ブタイミング制御装置に設けるクランクシャフトおよび
カムシャフト等を示す一部破断の正面図である。
【図16】図15中のクランクシャフトおよびディスク
ホルダ等をアクチュエータと共に示す斜視図である。
【図17】偏心ディスクをコントロールシャフト等と共
に示す図15中の矢示XVII−XVII方向からみた断面図で
ある。
【図18】クランクシャフト、カムシャフト、クランク
角センサおよびカム位置センサ等を示す図15中の矢示
XVIII−XVIII 方向からみた断面図である。
【図19】クランク角センサおよびカム位置センサから
出力される基準信号を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ 2 タンク 3 油圧シリンダ(アクチュエータ) 3C ロッド 5 制御弁装置(制御弁機構) 13 スプール(弁体) 16 電磁アクチュエータ(スプール駆動手段) 17 コントロールユニット(弁制御手段) 18 偏差演算回路(偏差演算手段) 19 比例演算回路(比例演算手段) 20 積分演算回路(積分演算手段) 21 補償演算回路(補償演算手段) 23,41,53 過渡状態判定回路(過渡状態判定手
段) 24 出力信号設定回路(出力信号設定手段) 25 積分利得調整回路 28 目標値設定器(目標値設定手段) 29 位置検出センサ(作動検出手段) 71 クランクシャフト 74 カムシャフト 77 偏心機構(回転位相可変手段) 82 アクチュエータ 83 クランク角センサ 84 カム位置センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G05B 11/36 G05B 11/36 M 11/42 11/42 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/00 F02D 41/00 F02D 45/00 G05B 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧源から給排される液圧によって駆動
    制御され、前記液圧源から液圧が給排されることにより
    ロッドを進退させるシリンダ装置からなるアクチュエー
    タと、 該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、常時
    は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前
    記液圧源からアクチュエータに液圧を給排するときには
    前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機構と、 前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁機構の
    弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手段とか
    らなるアクチュエータ制御装置において、内燃機関のバルブタイミングを可変に制御するため前記
    アクチュエータによって駆動され、前記内燃機関のクラ
    ンクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を生
    じさせる回転位相可変手段を備え、 前記弁制御手段は、前記内燃機関のバルブタイミングが
    前記内燃機関の運転状態に対応したタイミングとなるよ
    うに、前記アクチュエータを作動させるための目標値を
    設定する目標値設定手段と、前記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差から
    記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手段
    と、 前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段によ
    る検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、 該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例
    演算手段と、 前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演算を行う積
    分演算手段と、 前記制御弁機構の不感帯補償を行うため、前記偏差演算
    手段による偏差に対して前記不感帯分を補償演算する補
    償演算手段と、 前記目標値設定手段による目標値に基づいて過渡状態の
    判別を行い、前記目標値が変更されたときには予め決め
    られた過渡時間の間を過渡状態と判定し、これ以外のと
    きには非過渡状態にあると判定する過渡状態判定手段
    と、 該過渡状態判定手段により非過渡状態にあると判定した
    ときには、前記比例演算手段、積分演算手段および補償
    演算手段によるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁
    機構に出力すべき制御信号を設定し、過渡状態と判定し
    たときには前記過渡時間の間だけ前記比例演算手段およ
    び補償演算手段によるそれぞれの演算値から制御信号を
    設定する出力信号設定手段とから構成し 前記過渡状態判定手段の過渡時間は、前記シリンダ装置
    のロッドが最縮小位置と最大伸長位置との間をストロー
    クするときの時間に基づいて設定し たことを特徴とする
    アクチュエータ制御装置。
  2. 【請求項2】 液圧源から給排される液圧によって駆動
    制御されるアクチュエータと、 該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、常時
    は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前
    記液圧源からアクチュエータに液圧を給排するときには
    前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機構と、 前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁機構の
    弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手段とか
    らなるアクチュエータ制御装置において、 内燃機関のバルブタイミングを可変に制御するため前記
    アクチュエータによって駆動され、前記内燃機関のクラ
    ンクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を生
    じさせる回転位相可変手段を備え、 前記弁制御手段は、前記内燃機関のバルブタイミングが
    前記内燃機関の運転状態に対応したタイミングとなるよ
    うに、前記アクチュエータを作動させるための目標値を
    設定する目標値設定手段と、 前記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差から前
    記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手段
    と、 前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段によ
    る検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、 該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例
    演算手段と、 前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演算を行う積
    分演算手段と、 前記制御弁機構の不感帯補償を行うため、前記偏差演算
    手段による偏差に対して前記不感帯分を補償演算する補
    償演算手段と、 前記目標値設定手段による目標値に基づいて過渡状態の
    判別を行い、前記目標値が変更されたときには予め決め
    られた過渡時間の間を過渡状態と判定し、これ以外のと
    きには非過渡状態にあると判定する過渡状態判定手段
    と、 該過渡状態判定手段により非過渡状態にあると判定した
    ときには、前記比例演算手段、積分演算手段および補償
    演算手段によるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁
    機構に出力すべき制御信号を設定し、過渡状態と判定し
    たときには前記過渡時間の間だけ前記比例演算手段およ
    び補償演算手段によるそれぞれの演算値から制御信号を
    設定する出力信号設定手段とから構成し 前記過渡状態判定手段の過渡時間は、前記目標値設定手
    段による目標値の変化量と前記偏差演算手段からの偏差
    とに基づいて可変に設定し たことを特徴とするアクチュ
    エータ制御装置。
  3. 【請求項3】 液圧源から給排される液圧によって駆動
    制御されるアクチュエータと、 該アクチュエータと前記液圧源との間に配設され、常時
    は弁体を一定幅の不感帯をもって中立位置に保持し、前
    記液圧源からアクチュエータに液圧を給排するときには
    前記弁体を中立位置から摺動変位させる制御弁機構と、 前記アクチュエータを作動させるため、該制御弁機構の
    弁体を制御信号に応じて摺動変位させる弁制御手段とか
    らなるアクチュエータ制御装置において、 内燃機関のバルブタイミングを可変に制御するため前記
    アクチュエータによって駆動され、前記内燃機関のクラ
    ンクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を生
    じさせる回転位相可変手段を備え、 前記弁制御手段は、前記内燃機関のバルブタイミングが
    前記内燃機関の運転状態に対応したタイミングとなるよ
    うに、前記アクチュエータを作動させるための目標値を
    設定する目標値設定手段と、 前記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差から前
    記アクチュエータの作動状態を検出する作動検出手段
    と、 前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段によ
    る検出値との偏差を演算する偏差演算手段と、 該偏差演算手段からの偏差に対する比例演算を行う比例
    演算手段と、 前記偏差演算手段からの偏差に対する積分演算を行う積
    分演算手段と、 前記制御弁機構の不感帯補償を行うため、前記偏差演算
    手段による偏差に対して前記不感帯分を補償演算する補
    償演算手段と、 前記目標値設定手段による目標値に基づいて過渡状態の
    判別を行い、前記目標値が変更されたときには予め決め
    られた過渡時間の間を過渡状態と判定し、これ以外のと
    きには非過渡状態にあると判定する過渡状態判定手段
    と、 該過渡状態判定手段により非過渡状態にあると判定した
    ときには、前記比例演算手段、積分演算手段および補償
    演算手段によるそれぞれの演算値に基づいて前記制御弁
    機構に出力すべき制御信号を設定し、過渡状態と判定し
    たときには前記過渡時間の間だけ前記比例演算手段およ
    び補償演算手段によるそれぞれの演算値から制御信号を
    設定する出力信号設定手段とから構成し、 前記過渡状態判定手段の過渡時間は、少なくとも前記液
    圧源から供給される液体の温度と該液圧源を駆動するエ
    ンジンの回転数とに基づいて可変に設定したことを特徴
    とする アクチュエータ制御装置。
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