JP3873829B2 - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の変更によって機関バルブの開閉時期を可変とするバルブタイミング可変機構と、機関バルブのバルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構とを併用して機関バルブのバルブ特性を制御するバルブ特性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバルブ特性制御装置としては、例えば特開2001―263015号公報に記載のものがある。このバルブ制御装置は、バルブリフト量可変機構及びバルブタイミング可変機構として以下の構成を有している。
【0003】
まずバルブリフト量可変機構は、カムシャフトに連結されたカムによる入力部の押圧に応じて揺動される揺動カムに間接的に機関バルブを駆動する仲介駆動機構を備えている。この仲介駆動機構は、カムシャフトとは異なる軸として軸支されるコントロールシャフトのスライド操作に応じて上記入力部と揺動カムとの相対位相が変更される構造となっている。そして、この変更される入力部と揺動カムとの位相差に応じて、上記カムシャフトに連結されたカムのカムノーズに対する揺動カムの揺動量、すなわち機関バルブの開弁量(リフト量)が連続的に可変とされる。
【0004】
また、上記バルブタイミング可変機構は、クランクシャフトと一体的に回転可能に連結された第1の回転体とカムシャフトと一体的に回転可能に連結された第2の回転体とを相対回転させるアクチュエータを備えている。そして、このアクチュエータによってそれら第1の回転体と第2の回転体との相対的な回転位相が連続的に可変とされることで、機関バルブの開閉時期(バルブタイミング)が連続的に可変とされる。
【0005】
このように、バルブリフト量可変機構とバルブタイミング可変機構とでは、同じ機関バルブに対して互いに異なる動弁特性を付与することができることから、これら各機構を併用することで、機関バルブのバルブ特性制御にかかる自由度を大幅に拡大することができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に上記カムシャフトに設けられたカムが機関バルブを開閉する際にこのカム自身に加わる反作用は機関バルブのバルブリフト量に依存する。このため、カムシャフトに設けられたカムが機関バルブを開閉する際にカムシャフトに加わる反作用(カムフリクショントルク)も、同機関バルブのバルブリフト量に依存することとなる。
【0007】
そして、上記従来のバルブ特性制御装置の場合、このカムフリクショントルクは、上記バルブタイミング可変機構によるクランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を目標とする位相に収束させるための制御にも影響を及ぼすようになる。
【0008】
特に、バルブリフト量が可変制御されている過渡状態においては、上記カムフリクショントルクの変動が大きいため、バルブタイミング可変機構によるこうした位相制御に及ぼす影響も無視できないものとなる。すなわち、例えば車両の急減速時等、バルブリフト量が高リフト量から低リフト量へ変更される際には、カムフリクショントルクが急に小さくなるため、上記位相のフィードバック制御に際してオーバーシュートが生じるおそれがある。
【0009】
なお、上記構成を有する制御装置に限らず、機関バルブのバルブリフト量及びバルブタイミングを可変とすることのできる装置にあっては、その都度のバルブリフト量に起因してバルブタイミングの制御に支障をきたすようになるこうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関バルブのバルブリフト量制御及びバルブタイミング制御の併用に際し、バルブリフト量にかかわらずより的確なバルブタイミング制御の実行を可能とすることのできるバルブ特性制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の変更によって機関バルブの開閉時期を可変とするバルブタイミング可変機構と、同機関バルブのバルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構とを併用して前記機関バルブのバルブ特性を制御するバルブ特性制御装置において、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を遅角側へフィードバック制御するとき、該フィードバック制御にかかる操作量を前記バルブリフト量が大きいほど小さく設定する制御手段を備えることをその要旨とする。
【0017】
クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を遅角側へ制御する際には、カムフリクショントルクに沿って制御をすることになる。そして、このカムフリクショントルクは、バルブリフト量が大きいほど大きくなる。
【0018】
この点、上記構成では、相対回転位相を遅角側へフィードバック制御する際には、該フィードバック制御にかかる操作量をバルブリフト量が大きいほど小さく設定する。これにより、バルブリフト量が大きいほど小さな駆動力にてバルブタイミング可変機構を駆動することができる。したがって、カムフリクショントルクがバルブリフト量によって変化したとしても、相対回転位相の遅角側への制御を好適に行うことができるようになる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を進角側へフィードバック制御するとき、該フィードバック制御にかかる操作量を前記バルブリフト量が大きいほど大きく設定することをその要旨とする。
クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を進角側へ制御する際には、カムフリクショントルクに逆らう制御をすることになる。そして、このカムフリクショントルクは、バルブリフト量が大きいほど大きくなる。
この点、上記構成では、相対回転位相を進角側へフィードバック制御する際には、該フィードバック制御にかかる操作量をバルブリフト量が大きいほど大きく設定する。これにより、バルブリフト量が大きいほど大きな駆動力にてバルブタイミング可変機構を駆動することができる。したがって、カムフリクショントルクがバルブリフト量によって変化したとしても、相対回転位相の進角側への制御を好適に行うことができるようになる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相が目標とする位相近傍となったとき、その相対回転位相を保持する保持力を前記バルブリフト量が大きいほど大きく設定することをその要旨とする。
【0020】
カムフリクショントルクは、バルブリフト量が大きいほど大きくなる。
この点、上記構成では、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が目標とする位相近傍となったときにその位相を保持する保持力をバルブリフト量が大きいほど大きく設定する。このため、カムフリクショントルクがバルブリフト量によって変化したとしても、上記相対回転位相を保持する制御を好適に行うことができるようになる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記バルブタイミング可変機構は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変更するバルブタイミング可変アクチュエータと、該アクチュエータに流体圧を供給する流体圧供給手段とを備え、該流体圧供給手段から供給される流体圧によって前記相対回転位相を変更するものであって、前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相が目標とする位相近傍となったとき、その相対回転位相が保持されるように、前記バルブリフト量に応じた所要の制御値にて前記流体圧供給手段による供給流体圧を制御する保持制御手段と、前記相対回転位相が継続されるとき、該継続される相対回転位相と前記目標とする相対回転位相とを比較して前記保持制御手段による制御値を評価し、その評価に基づいて当該バルブリフト量に対応した前記保持制御手段の制御値を学習補正するための学習制御を行う学習制御手段とを備えて構成されることをその要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、保持制御手段による制御値を評価し、これを学習更新するようにしたことで、流体圧供給手段の出力特性に公差や経時変化等が含まれる場合であっても、上記制御値として常に適切な値を得ることができるようになる。また、こうして適切な制御値に絶えず学習更新されることで、保持制御に速やかに移行可能ともなる。
【0023】
しかも、この学習更新される制御値は、バルブリフト量に対応して各別に設けられるために、バルブリフト量毎にそれぞれ相対回転位相を保持する制御値をそれぞれ絶えず適切な値に更新することができるようになる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記制御手段は、前記保持制御手段の制御により前記相対回転位相が変化して前記目標とする相対回転位相との偏差が所定値よりも大きくなるとき、前記学習制御手段において学習されている値を変更する手段を更に備えることをその要旨とする。
【0025】
上記構成によれば、保持制御手段の制御により相対回転位相が変化してその相対回転位相と前記目標とする位相との偏差が所定値よりも大きくなったときに、学習制御手段によって前記学習されている値を変更することで、不適切な学習値を迅速に修正することができるようになる。
【0026】
請求項6記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の変更によって機関バルブの開閉時期を可変とするバルブタイミング可変機構と、同機関バルブのバルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構とを併用して前記機関バルブのバルブ特性を制御するバルブ特性制御装置において、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を遅角側へフィードバック制御する際のフィードバックゲインを前記機関バルブの前記バルブリフト量が大きいほど小さく設定する前記制御手段を備えることをその要旨とする。
【0027】
上記構成では、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を目標とする位相にフィードバック制御する際のフィードバックゲインが機関バルブのバルブリフト量が大きいほど小さく設定される。これにより、バルブリフト量が大きいほど小さな駆動力にてバルブタイミング可変機構を駆動することができる。したがって、カムフリクショントルクがバルブリフト量によって変化したとしても、相対回転位相の遅角側への制御を好適に行うことができるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置の第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1に、本実施形態にかかるバルブ特性制御装置の全体構成を示す。
同図1に示されるように、内燃機関10は、4つの気筒11を備える4気筒のガソリンエンジンとして構成されている。そして、これら気筒11上は、シリンダヘッド12に覆われている。そして、シリンダヘッド12上には、吸気バルブを駆動する吸気カム13aの設けられた吸気カムシャフト13と排気バルブを駆動する排気カムの設けられた排気カムシャフト14とが備えられている。そして、これら吸気カムシャフト13と排気カムシャフト14とは、内燃機関10の出力軸としてのクランクシャフト15と駆動連結されている。
【0030】
また、内燃機関10には、バルブリフト量可変機構とバルブタイミング可変機構との2つの可変動弁機構が備えられている。ここでバルブリフト量可変機構は、仲介駆動機構20や、リフト量可変アクチュエータ30、同リフト量可変アクチュエータ30を駆動する第1オイルコントロールバルブOCV1を備えて構成されるものである。一方、バルブタイミング可変機構は、バルブタイミング可変アクチュエータ40や、同バルブタイミング可変アクチュエータ40を油圧駆動する第2オイルコントロールバルブOCV2を備えて構成されるものである。
【0031】
一方、電子制御装置(図中、ECU)50は、内燃機関10の各箇所の状態を検出するセンサの検出値を取り込んで、同内燃機関10を制御するものである。このセンサとしては、クランクシャフト15の回転角度を検出するクランク角センサ51や、内燃機関10の吸入空気量を検出するエアフローメータ52、内燃機関10の冷却水温を検出する水温センサ53、吸気カムシャフト13の回転角度を検出するカム角センサ54等がある。
【0032】
次に、上記バルブリフト量可変機構について説明する。
図2(a)は、バルブリフト量可変機構の備える仲介駆動機構20の構成を示す斜視図である。
【0033】
この仲介駆動機構20は、中央に設けられた入力部21、左に設けられた第1揺動カム22及び右に設けられた第2揺動カム23を備えている。これら入力部21のハウジング21h及び揺動カム22,23の各ハウジング22h,23hはそれぞれ外径が同じ円柱状をなしている。ちなみに、この図2(a)では、ここでは、入力部21及び第1揺動カム22及び第2揺動カム23を軸位置にて水平に切断して上部半分を取り除き、内部を示している。
【0034】
ここで、入力部21のハウジング21hの内部には、その軸方向に空間が形成され、この空間の内周面には軸方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン21sが形成されている。また外周面からは2つのアーム21a,21bが平行に突出して形成されている。これらアーム21a,21bの先端には、アーム21a,21b間にシャフト21tが掛け渡されている。このシャフト21tはハウジング21hの軸方向と平行であり、ローラ21rが回転可能に取り付けられている。
【0035】
また、第1揺動カム22のハウジング22hの内部には、その軸方向に空間が形成され、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン22sが形成されている。そして、第1揺動カム22の外周面からは略三角形状のノーズ22nが突出して形成されている。
【0036】
一方、第2揺動カム23のハウジング23hの内部には、その軸方向に空間が形成され、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン23sが形成されている。そして、第2揺動カム23の外周面からは略三角形状のノーズ23nが突出して形成されている。
【0037】
これら第1揺動カム22及び第2揺動カム23は、入力部21の両端から各端面を同軸上で接触させるように配置されている。そして、入力部21及び第1揺動カム22及び第2揺動カム23から構成される内部空間には、スライダギア24が配置されている。
【0038】
ここでスライダギア24は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン24aが形成されている。そして、この入力用ヘリカルスプライン24aの左側端部には小径部24bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン24cが形成されている。また、入力用ヘリカルスプライン24aの右側端部には小径部24dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン24eが形成されている。
【0039】
図示するごとく、スライダギア24の内で、入力用ヘリカルスプライン24aは入力部21内部のヘリカルスプライン21sに噛み合わされている。また第1出力用ヘリカルスプライン24cは第1揺動カム22内部のヘリカルスプライン22sに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン24eは第2揺動カム23内部のヘリカルスプライン23sに噛み合わされている。
【0040】
スライダギア24の内部には中心軸方向に貫通孔24fが形成されている。そして一方の小径部24dには貫通孔24fを外周面に開放するための長孔24gが形成されている。この長孔24gは周方向に長く形成されている。
【0041】
このスライダギア24の貫通孔24f内には図2(a)にその一部を示すように支持パイプ26が周方向に摺動可能に配置されている。この支持パイプ26は、先の図1に示したごとく、すべての仲介駆動機構20に共通の1本が設けられている。
【0042】
更に、支持パイプ26内には、軸方向に摺動可能にコントロールシャフト27が貫通している。このコントロールシャフト27も支持パイプ26と同様にすべての仲介駆動機構20に共通の1本が設けられている。
【0043】
コントロールシャフト27には、図2(b)に示すように、各仲介駆動機構20毎に係止ピン27aが突出している。そして、この係止ピン27aは支持パイプ26に形成されている軸方向の長孔26aを貫通して形成されている。ここで、コントロールシャフト27の係止ピン27aは、支持パイプ26の軸方向の長孔26aを貫通すると共に、図2(a)に示すようにスライダギア24に形成された周方向の長孔24g内にも先端が挿入されている。
【0044】
そして、支持パイプ26に形成された軸方向の長孔26aにより、コントロールシャフト27の係止ピン27aは、支持パイプ26がシリンダヘッド12に対して固定されていても、軸方向に移動することでスライダギア24を軸方向に移動させることができる。更に、スライダギア24自体は、周方向の長孔24gにて係止ピン27aに係止していることにより、係止ピン27aにて軸方向の位置は決定されるが軸周りについては揺動可能となっている。
【0045】
このように構成された各仲介駆動機構20は、先の図1に示したごとく、その端部側にてシリンダヘッド12に形成された立壁部16,17に挟まれて、軸周りには揺動可能であるが軸方向に移動するのが阻止されている。この立壁部16,17には、孔が形成され支持パイプ26を貫通させ固定している。したがって支持パイプ26はシリンダヘッド12に対しては固定されて軸方向に移動したり回転したりすることはない。
【0046】
また、支持パイプ26内のコントロールシャフト27は支持パイプ26内を軸方向に摺動可能に貫通し、一端側にてリフト量可変アクチュエータ30に連結されている。このリフト量可変アクチュエータ30によりコントロールシャフト27の軸方向の変位が調整可能とされている。
【0047】
図3に、このリフト量可変アクチュエータ30及び第1オイルコントロールバルブOCV1の構成を示す。
図3に示すように、このリフト量可変アクチュエータ30は、円筒状のシリンダチューブ31と、同シリンダチューブ31内に設けられ、上記コントロールシャフト27に連結されたピストン32とを備えて構成されている。このピストン32は、シリンダチューブの内部空間を第1圧力室33及び第2圧力室34に区画する。そして、第1圧力室33及び第2圧力室34は、それぞれ第1給排通路36及び第2給排通路37を介して第1オイルコントロールバルブOCV1と接続されている。なお、この第1オイルコントロールバルブOCV1は、後述する第2オイルコントロールバルブOCV2とその構成が同じであるため、便宜上その説明を割愛する。
【0048】
この第1オイルコントロールバルブOCV1によって第1圧力室33や第2圧力室34に選択的に作動油を供給することで、ピストン32を変位させることができ、これによりコントロールシャフト27もその軸方向に変位することとなる。そして、このようにコントロールシャフト27を軸方向に変位させることで、吸気バルブのバルブリフト量を可変制御することが可能となる。以下、これについて説明する。
【0049】
図4に、上記仲介駆動機構20及びその周辺部の側面の構成を示す。図4(a)に示すように、吸気カムシャフト13に設けられた吸気カム13aは仲介駆動機構20の入力部21と接触して配置されている。そして、仲介駆動機構20の第2揺動カム23は、ロッカーアーム1に回転可能に取り付けられたローラ1aと接触している。また、吸気バルブ2は、ロッカーアーム1によって押し下げられる位置に配置されている。なお、ここでは第2揺動カム23のみを示しているが、第1揺動カム22についてもここでは図示しない別の吸気バルブに対応して同様な態様にて設けられている。以下、この明細書においては、吸気バルブ2の開閉動作を第2揺動カム23から駆動力を得る吸気バルブを例として説明する。
【0050】
この図4は、リフト量可変アクチュエータ30のピストン32を先の図2(a)に示したF方向へ最大限移動させた場合の仲介駆動機構20の状態を示している。
【0051】
ここで、図4(a)では、吸気カム13aのベース円部分(ノーズ13bを除いた部分)が、仲介駆動機構20における入力部21のローラ21rに接触している。このとき、第2揺動カム23のノーズ23nはロッカーアーム1のローラ1aには接触しておらず、ノーズ23nに隣接したベース円部分が接触している。このため、吸気バルブ2はスプリング3による閉弁側への付勢力によって閉弁状態にある。
【0052】
吸気カムシャフト13が回転して吸気カム13aのノーズ13bが入力部21のローラ21rを押し下げると、仲介駆動機構20内では入力部21からスライダギア24を介して第2揺動カム23に揺動が伝達されて、第2揺動カム23はノーズ23nを押し下げるように揺動する。これによりノーズ23nに設けられた湾曲状のカム面23eが直ちにロッカーアーム1のローラ1aに接触して、図4(b)に示すごとく、カム面23eの全範囲を使用してロッカーアーム1のローラ1aを押し下げる。これにより、ロッカーアーム1は基端部1c側を中心に揺動し、ロッカーアーム1の先端部1dは大きく吸気バルブ2のステムエンド2aを押し下げる。こうして吸気バルブ2は最大のリフト量にて駆動される。
【0053】
図5はリフト量可変アクチュエータ30のピストン32を図4の状態から先の図2(a)に示すR方向へ少し移動させた場合の仲介駆動機構20の状態を示している。
【0054】
図5(a)では吸気カム13aのベース円部分が、仲介駆動機構20における入力部21のローラ21rに接触している。このとき、第2揺動カム23のノーズ23nはロッカーアーム1のローラ1aには接触しておらず、このため、吸気バルブ2はスプリング3による閉弁側への付勢力によって閉弁状態にある。しかもこのとき、第2揺動カム23はローラ1aと、図4の場合に比較して少しノーズ23nから離れたベース円部分が接触している。これは仲介駆動機構20内でスライダギア24が少しR方向に移動したため、入力部21のローラ21rと第2揺動カム23のノーズ23nとの位相が小さくなったためである。
【0055】
吸気カムシャフト13が回転して吸気カム13aのノーズ13bが入力部21のローラ21rを押し下げると、仲介駆動機構20内では入力部21からスライダギア24を介して第2揺動カム23に揺動が伝達されて、第2揺動カム23はノーズ23nを押し下げるように揺動する。
【0056】
上述したごとく、図5(a)の状態ではロッカーアーム1のローラ1aはノーズ23nから離れたベース円部分が接触している。このため、第2揺動カム23が揺動しても、しばらくはロッカーアーム1のローラ1aはノーズ23nに設けられた湾曲状のカム面23eに接触することなくベース円部分に接触した状態を継続する。その後、湾曲状のカム面23eがローラ1aに接触して、図5(b)に示すごとくロッカーアーム1のローラ1aを押し下げる。これにより、ロッカーアーム1は基端部1cを中心に揺動する。しかし、ロッカーアーム1のローラ1aが当初、ノーズ23nから離れている分、カム面23eの使用範囲は少なくなってロッカーアーム1の揺動角度は小さくなり、ロッカーアーム1の先端部1dによるステムエンド2aの押し下げ量、すなわちリフト量は少なくなる。こうして吸気バルブ2は最大量よりも小さいリフト量にて駆動される。
【0057】
なお、このリフト量の変化は、先の図1に示すリフト量センサ55によって検出される。このリフト量センサ55は、コントロールシャフト27の変位量に基づきリフト量を検出するセンサである。
【0058】
次に、上記バルブタイミング可変機構について説明する。
図6に、上記バルブタイミング可変アクチュエータ40と上記第2オイルコントロールバルブOCV2との構成を示す。同図6に示すように、バルブタイミング可変アクチュエータ40は、上記クランクシャフト15と一体的に回転するハウジング41を備えている。そして、このハウジング41は、その内周面に複数の突部42を備えている。また、バルブタイミング可変アクチュエータ40は、上記吸気カムシャフト13と一体的に回転する内部ロータ43を備えている。この内部ロータ43はその外周面に複数のベーン44を備えている。そして、これらハウジング41と内部ロータ43とは、互いに同一の回転軸を有する。
【0059】
上記ハウジング41の内周面と内部ロータ43の外周面とで囲われる空間は、上記突部42及びベーン44によって、第1圧力室45と第2圧力室46とに区画されている。そして、これら各第1圧力室45及び第2圧力室46に作動油を供給するとともに、その作動油の油圧を制御することで、ハウジング41に対する内部ロータ43の相対回転位相の制御が可能となる。
【0060】
上記第1圧力室45と第2圧力室46とは、それぞれ第1給排通路45s及び第2給排通路46sに接続されており、これら第1給排通路45s及び第2給排通路46sは、第2オイルコントロールバルブOCV2を介して供給通路47及び排出通路48が接続されている。ここで、供給通路47はクランクシャフト15の回転に伴って駆動されるオイルポンプPを介してオイルパン49に接続されており、排出通路48はオイルパン49に直接接続されている。
【0061】
第2オイルコントロールバルブOCV2はケーシング60を備え、ケーシング60には、第1給排ポート61a、第2給排ポート61b、第1排出ポート62a、第2排出ポート62b及び供給ポート63が設けられている。第1給排ポート61aには第1給排通路45sが接続され、第2給排ポート61bには第2給排通路46sが接続されている。更に、供給ポート63には供給通路47が接続され、第1排出ポート62a及び第2排出ポート62bには排出通路48が接続されている。また、ケーシング60内には、4つの弁部64bを有してコイルスプリング65及び電磁ソレノイド66によりそれぞれ逆の方向に付勢されるスプール64が設けられている。
【0062】
このような構成の第2オイルコントロールバルブOCV2において、電磁ソレノイド66の消磁状態では、スプール64がコイルスプリング65の弾性力によりケーシング60の電磁ソレノイド66側に配置される。これにより、第1給排ポート61aと第1排出ポート62aとが連通し、第2給排ポート61bと供給ポート63とが連通する。この状態では、オイルパン49内の作動油が供給ポート63、第2オイルコントロールバルブOCV2及び第2給排通路46sを介して、第2圧力室46へ供給される。また、第1圧力室45内にあった作動油が第1給排通路45s、第2オイルコントロールバルブOCV2及び排出通路48を介してオイルパン49内へ戻される。その結果、内部ロータ43は、ハウジング41に対して遅角側へ移動する。
【0063】
一方、電磁ソレノイド66が励磁されたときには、スプール64がコイルスプリング65の付勢力に抗してケーシング60のコイルスプリング65側に配置されて、第2給排ポート61bが第2排出ポート62bと連通し、第1給排ポート61aが供給ポート63と連通する。この状態では、オイルパン49内の作動油が供給通路47、第2オイルコントロールバルブOCV2及び第1給排通路45sを介して第1圧力室45へ供給される。また、第2圧力室46内にあった作動油が第2給排通路46s、第2オイルコントロールバルブOCV2及び排出通路48を介してオイルパン49内に戻される。その結果、内部ロータ43は、ハウジング41に対して進角側へ移動する。
【0064】
なお、上記電子制御装置50では、第2オイルコントロールバルブOCV2の電磁ソレノイド66に印加する駆動電圧の(パルスの)デューティ比を可変とするデューティ制御を行う。この駆動電圧のデューティ比を可変とすることで、電磁ソレノイド66に流れる電流量を可変とすることができる。すなわち、デューティ比が大きいほど電磁ソレノイド66に流れる実際の電流量が大きくなる。そして、このように実際の電流量が大きくなると、スプール64をコイルスプリング65側に変位させる力が大きくなる。このため、デューティ比を大きくするほど、第1圧力室45への作動油の供給が促進されることとなる。
【0065】
ここで、本実施形態にかかるバルブタイミング可変機構の制御について更に説明する。
本実施形態では、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト13の相対回転位相を、内燃機関10の運転状態に応じて決定される目標とする位相にフィードバック制御する。更に、本実施形態では、このフィードバック制御をする際し、上記リフト量センサ55によって検出される吸気バルブのバルブリフト量(実リフト量VL)に応じてそのフィードバック制御態様を変更する。すなわち、吸気カム13aによる吸気バルブの駆動に起因して吸気カムシャフト13に加わる反作用(カムフリクショントルク)が実リフト量VLによって変化することを考慮してフィードバック制御を行う。これにより実リフト量VLの値に応じてそれぞれ適切なフィードバック制御を行うことを可能とする。
【0066】
ここで、図7を用いて本実施形態にかかるバルブタイミング制御手順について説明する。図7は、本実施形態にかかるバルブタイミング制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、先の図1に示した電子制御装置50において所定周期毎に繰り返し実行される。
【0067】
この一連の処理においては、まずステップ100において、クランク角センサ51の検出値に基づくエンジン回転速度、エアフローメータ52の検出値に基づく負荷Q、水温センサ53に基づくエンジン水温THW、実位相VT、上記実リフト量VLを読み込む。
【0068】
ここで、実位相VTは、上記クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト13の実際の相対回転位相の検出値であり、吸気バルブの実際の開弁タイミングに相当する量である。この実位相VTは、上記クランク角センサ51及びカム角センサ54の検出値に基づいて電子制御装置50内で算出される。
【0069】
次に、ステップ110において、上記クランク角センサ51によって検出される内燃機関10の回転速度NEとエアフローメータ52によって検出される負荷Qとしての吸入空気量とによって上記目標とする位相(目標位相AVT:所望とする吸気バルブの開弁タイミングに相当)を算出する。
【0070】
そして、ステップ120では、上記目標位相AVTと実位相VTとの偏差(AVT―VT)の絶対値が所定値αより小さいか否かを判断する。この所定値αは、上記実位相VTを目標位相AVTに収束させるフィードバック制御を行うべきか、あるいは現在の実位相VTを保持する保持制御を行うべきかを判断するためのものである。
【0071】
そして、このステップ120によって、上記目標位相AVTと実位相VTとの偏差(AVT―VT)の絶対値が所定値α以上であると判断されると、続くステップ130〜150では、同偏差に基づくフィードバック制御にかかる演算処理を実行する。
【0072】
ちなみに、本実施形態では、上記バルブタイミング可変アクチュエータ40を第2オイルコントロールバルブOCV2に対するデューティ制御にて駆動する際、PD制御にてデューティ比をフィードバック制御するようにしている。詳しくは、このPD制御は、基本的には、デューティ比DVTを、保持デューティ比DVTHと、PD制御の比例項DVTP及び微分項DVTDを用いて以下のように設定することで行う。
DVT=DVTH+DVTP+DVTD
なお、この式において、保持デューティ比DVTHは、上記バルブタイミング可変アクチュエータ40においてクランクシャフト15と吸気カムシャフト13との相対回転位相を保持するデューティ比であり、正の値を有する。これに対して、上記比例項DVTP及び微分項DVTDは正の値及び負の値のいずれをも取り得る。
【0073】
まず、ステップ130では、デューティ比DVTの比例項DVTPを算出する。ここでは、まず上記回転速度NEと上記偏差(AVT―VT)とから例えばマップ演算にて比例項のベース値DVTPBを算出する。このベース値DVTPBは、上記偏差(AVT―VT)が正であれば正の値となり、また上記偏差(AVT―VT)が負の値を取れば負の値となる。また、エンジン水温THWに基づく(正の値を有する)補正係数KVPTHWを算出する。更に、上記偏差(AVT―VT)と上記実リフト量VLとに基づいて(正の値を有する)補正係数KVPVLを算出する。そして、ベース値DVTPBに補正係数KVPTHW及び補正係数KVPVLを乗算することで、比例項DVTPを算出する。
【0074】
上記補正係数KVDVLは、上記偏差(AVT―VT)が正であるか負であるかに応じて、比例項DVTPが図8に示す2通りの値のいずれかになるように設定される。すなわち、上記偏差(AVT―VT)が正である場合には、進角側への制御を行う場合であり、図8(a)に示すように実リフト量VLが大きいほど比例項DVTPは大きな値に設定される。これに対し、上記偏差(AVT―VT)が負である場合には、遅角側への制御を行う場合であり、図8(b)に示すように実リフト量VLが大きいほど比例項DVTPは小さな値に設定される。
【0075】
これは、補正係数KVDVLを、実リフト量VLが大きいほど大きな値となるマップによって設定することによって実現することができる。なお、この際、このマップは、上記偏差(AVT―VT)が正であるか負であるかに応じて、2つの各別のマップとしてもよく、また、上記偏差(AVT―VT)の正負にかかわらず、同一のマップとして与えてもよい。
【0076】
これにより、デューティ比DVTは、相対回転位相を進角側へ制御する際には実リフト量VLが大きいほど大きく、また、相対回転位相を遅角側へ制御する際には実リフト量VLが大きいほど小さく設定されることとなる。このような設定をするのは、以下の理由による。
【0077】
リフト量が大きいときには、図9(a)にケース1として第2揺動カム23について例示するように、第2揺動カム23がロッカーアーム1を押し下げる際の、ノーズ23nとローラ1aとの当節位置と揺動カム23の回転軸との距離の最大値Xは大きなものとなる。これに対し、このケース1よりもリフト量が小さいときには、図9(b)にケース2として示すように、第2揺動カム23がロッカーアーム1を押し下げる際の、ノーズ23nとローラ1aとの当節位置と揺動カム23の回転軸との距離の最大値xは上記最大値Xと比べて小さなものとなる。このため吸気カム13aによって吸気バルブ2を駆動する際、吸気カムシャフト13に加わる反作用(トルク)の最大値は、リフト量が大きいほど大きくなる。
【0078】
また、図9(c)に示すように、吸気カム13aによって吸気バルブを駆動する際の同吸気バルブの開弁期間は(吸気カムシャフト13の回転角度を単位とすると)、リフト量が大きいほど長くなる。このため、吸気カム13aによる吸気バルブの駆動に起因して吸気カムシャフト13に加わる反作用(トルク)について、吸気カムシャフト13が一回転する期間にわたって積分した値は、リフト量が大きいほど大きくなる。
【0079】
したがって、吸気カム13aによる吸気バルブの駆動に起因して吸気カムシャフト13に加わる反作用(反力)について、吸気カムシャフト13が所定回回転する間で平均した量であるカムフリクショントルクは、リフト量が大きいほど大きくなる。
【0080】
そして、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの相対回転位相を進角側へ制御する際には、カムフリクショントルクに逆う制御をすることとなるため、バルブリフト量が大きいほどバルブタイミング可変アクチュエータ40の駆動力として大きな駆動力が要求される。
【0081】
また、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの相対回転位相を遅角側へ制御する際には、カムフリクショントルクに沿って制御をすることとなるため、バルブリフト量が大きいほどバルブタイミング可変アクチュエータ40の駆動力として小さな駆動力が要求される。
【0082】
上記補正係数KVDVLの設定は、こうした実情に鑑みてなされたものである。
次に、ステップ140では、デューティ比DVTの微分項DVTDを算出する。ここでは、まず上記回転速度NEと上記偏差(AVT―VT)の微分値とから例えばマップ演算にて微分項のベース値DVTDBを算出する。このベース値DVTDBは、上記偏差(AVT―VT)の微分値が正であれば正の値となり、また上記偏差(AVT―VT)の微分値が負の値を取れば負の値となる。また、エンジン水温THWに基づく(正の値を有する)補正係数KVDTHWを算出する。更に、上記偏差(AVT―VT)と上記実リフト量VLとに基づいて(正の値を有する)補正係数KVDVLを算出する。そして、ベース値DVTDBに補正係数KVDTHW及び補正係数KVDVLを乗算することで、微分項DVTDを算出する。
【0083】
上記補正係数KVDVLには、例えば、所望の収束速度で実位相VTを目標位相AVTへと収束させることのできる値を実リフト量VLの値に応じて設定する。また、この設定に際しては、所望の収束速度で実位相VTを目標位相AVTへと収束させる制御が進角側への制御か遅角側への制御かを参照する。
【0084】
そして、ステップ150では、上記ステップ130で求めた比例項DVTPと微分項DVTDと予め設定されている保持デューティ比DVTH(VL)とを加算してデューティ比DVTを算出する。ここで、保持デューティ比DVTHは、実リフト量VLが大きいほど大きな値を有するマップ値として与えられる。これは、上述したようにカムフリクショントルクは、バルブリフト量が大きいほど大きくなることに起因する。
【0085】
こうしてステップ150でデューティ比DVTを算出すると、ステップ160にて第2オイルコントロールバルブOCV2を制御し、この処理を一旦終了する。なお、上記ステップ120において上記偏差(AVT−VT)の絶対値が所定値αより小さいと判断されたときには、ステップ170に移行する。そしてこのステップ170においては、デューティ比DVTを実リフト量VLに応じた保持デューティ比DVTH(VL)に設定し、ステップ160に移行する。
【0086】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト13の相対回転位相を、内燃機関10の運転状態に応じて決定される目標とする位相にフィードバック制御するに際して、実リフト量VLに応じてそのフィードバック制御態様を変更した。これにより、カムフリクショントルクが実リフト量VLによって変化することを考慮してフィードバック制御を行うことができるようになる。
【0087】
(2)クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの相対回転位相を進角側へ制御する際には、実リフト量VLが大きいほどデューティ比DVTの比例項DVTPが大きくなるように設定した。これにより、カムフリクショントルクに逆って行われる上記相対回転位相の進角側への制御を好適に行うことができる。
【0088】
(3)クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの相対回転位相を遅角側へ制御する際には、実リフト量VLが大きいほどデューティ比DVTの比例項DVTPが小さくなるように設定した。これにより、カムフリクショントルクに沿って行われる上記相対回転位相の遅角側への制御を好適に行うことができる。
【0089】
(4)デューティ比DVTの微分項DVTDを、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの相対回転位相の遅角側への制御か進角側への制御かに応じて、また実リフト量VLに応じて変更した。これにより、実リフト量VLに応じてカムフリクショントルクが変化することの考慮された適切な微分項にてフィードバック制御を行うことができる。
【0090】
(5)保持デューティ比DVTHを、実リフト量VLが大きいほど大きな値に設定した。これにより、実リフト量VLの大きさによって変化するカムフリクショントルクに対応した適切な保持力にて保持制御を行うことができるようになる。
【0091】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置の第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0092】
上記第1の実施形態では、保持デューティ比DVTH(VL)を、実リフト量VLが大きいほど大きな値に設定されたマップ値として与えた。これに対し、本実施形態では、実位相VTがある状態を継続するとき、実位相VTと目標位相AVTとを比較して保持デューティ比DVTH(VL)を評価し、その評価に基づいてこれを修正する学習制御を行う。
【0093】
図10は、本実施形態にかかるバルブタイミング制御の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、先の図1に示した電子制御装置50において所定周期毎に繰り返し実行される。
【0094】
この一連の処理においても、先の図7のステップ100〜120にそれぞれ対応してステップ200〜220の処理を行う。そして、このステップ220によって、上記目標位相AVTと実位相VTとの偏差(AVT―VT)の絶対値が所定値α以上であると判断されると、ステップ230に移行する。
【0095】
このステップ230では、保持制御フラグがオンであり且つ実リフト量VLが一定であったか否かを、すなわち、この図10に示す所定周期毎の処理における前回の制御(そして、現在進行中の制御)が保持制御であり且つ実リフト量VLが前回から現在までに変化しなかったか否かを判断する。そしてここで、保持制御フラグがオンであり且つ実リフト量VLが一定であると判断されることは、前回の制御から現在まで同一の保持デューティ学習値GDVTH(VL)にて保持制御がなされていたにもかかわらず、上記偏差(AVT−VT)が所定値α以上となったことを意味する。したがって、この場合、ステップ240にてこの保持デューティ学習値GDVTH(VL)を補正する処理を行う。
【0096】
このステップ240は、この図10に示す所定周期毎の処理における今回の処理において保持デューティ学習値GDVTH(VL)を変更する学習制御を行うステップである。ここでは、実位相VTと目標位相AVTとの偏差に基づいて、前回の保持制御に用いられていた保持デューティ学習値GDVTH(VL)を変更する。すなわち、実位相VTが目標位相AVTよりも小さい場合には、現在の保持デューティ学習値GDVTH(VL)は保持制御に十分な値でないことから、これに所定値bを加算して保持デューティ学習値GDVTH(VL)を更新する。一方、実位相VTが目標位相AVTよりも大きい場合には、現在の保持デューティ学習値GDVTH(VL)は保持制御に適切な値に対して過剰であることから、これから所定値bを減算して保持デューティ学習値GDVTH(VL)を更新する。
【0097】
そして、ステップ240の処理の終了後や、ステップ230にて保持制御フラグがオフであるか実リフト量VLが一定でないと判断されたときには、ステップ250にて保持制御フラグをオフとする。
【0098】
更に、ステップ260では、実リフト量VLが変化しないという条件下、実位相VT及びデューティ比DVTが所定時間一定であるか否かを判断する。この判断は、実位相VTが目標位相AVTに収束しないにかかわらず、実位相VT及びデューティ比DVTがある値に収束したか否かを判断するものである。
【0099】
そして、ステップ260において、実リフト量VLが変化しないという条件下、実位相VT及びデューティ比DVTが所定時間一定であると判断されたときには、ステップ270において、現在のデューティ比DVTを保持デューティ学習値GDVTH(VL)に更新する。すなわち、現在のデューティ比DVTによって実位相VTが所定時間一定となったのであるから、これは現在の実リフト量VLにおける保持制御に適切なデューティ比であると判断できるため、このように更新する。
【0100】
そして、ステップ270の処理の終了後や、ステップ260において実リフト量VLや実位相VT、デューティ比DVTが変化したと判断されたときには、ステップ280に移行する。このステップ280では、先の図7のステップ130〜150に準じた態様にてデューティ比DVTを算出する。
【0101】
そして、ステップ280にてデューティ比DVTが算出されると、ステップ290では、このデューティ比DVTにて第2オイルコントロールバルブOCV2を制御し、この処理を一旦終了する。
【0102】
なお、上記ステップ220にて上記偏差(AVT―VT)の絶対値が所定値αよりも小さいと判断されると、ステップ300において、現在の実リフト量VLに対応した保持デューティ学習値GDVTH(VL)をデューティ比DVTとして設定する。そして、ステップ310で保持制御フラグをオンし、ステップ290に移行する。
【0103】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(6)実リフト量VLが変化しないという条件下、実位相VT及びデューティ比DVTが所定時間一定であると判断されたときに、現在のデューティ比DVTを保持デューティ学習値GDVTH(VL)に更新した。これにより、第2オイルコントロールバルブOCV2の出力特性に公差や経時変化が含まる場合等であっても、上記保持デューティ学習値GDVTH(VL)として常に適切な値を得ることができるようになる。また、こうして適切な保持デューティ学習値GDVTH(VL)に絶えず学習更新されることで、保持制御への速やかな移行も可能となる。しかも、この学習更新される保持デューティ学習値GDVTH(VL)は、実リフト量VLに対応して各別に設けられるために、リフト量VL毎にそれぞれ相対回転位相を保持する保持デューティ学習値GDVTH(VL)をそれぞれ絶えず適切な値に更新することができるようになる。
【0104】
(7)実位相VTと目標位相AVTとの偏差が所定値α以上であって、保持制御フラグがオンであり且つ実リフト量VLが一定であるときに、この保持デューティ学習値GDVTH(VL)を補正する処理を行った。これにより、不適切な保持デューティ学習値GDVTH(VL)を迅速に修正することができるようになる。
【0105】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・デューティ比DVTの比例項DVTPの設定態様としては、上記実施形態に例示したものに限らず、実リフト量VLの値を考慮しつつ微分項DVTDとの兼ね合いで適宜調整して設定してもよい。また、デューティ比のフィードバック制御は、PD制御に限らない。例えば比例制御(P制御)のみでもよく、また、PID制御としてもよい。更に、古典制御に限らず、現代制御であってもよい。これらの場合であっても、フィードバックゲインをバルブリフト量に応じて可変設定することは有効である。なお、この際、複数のフィードバックゲインを含む場合には、その少なくとも1つのフィードバックゲインにバルブリフト量を反映させればよい。
【0106】
・また、バルブリフト量に基づきデューティ制御のフィードバックゲインを変更するものに限らない。要は、進角制御に際しては、バルブリフト量が大きいほどデューティ比が大きくなるように、また、遅角制御に際しては、バルブリフト量が大きいほどデューティ比が小さくなるようにすればよい。
【0107】
・実位相VTと目標位相AVTとの偏差が所定値α以上であって、保持制御フラグがオンであり且つ実リフト量VLが一定であるときに行う保持デューティ学習値GDVTH(VL)の補正処理は、上記ステップ240に示したものに限らない。要は、実位相VTが目標位相AVTよりも小さい場合には、保持デューティ学習値GDVTH(VL)を増大させ、また、実位相VTが目標位相AVTよりも大きい場合には、保持デューティ学習値GDVTH(VL)を減少させるようにすればよい。
【0108】
・実位相VTと目標位相AVTとの偏差が所定値α以上であって、保持制御フラグがオンであり且つVLが一定であるときに行う保持デューティ学習値GDVTH(VL)の補正処理は、次のように変更してもよい。すなわちここでの所定値αとフィードバック制御を行うか否かの判断に用いる所定値とを各別に設定してもよい。
【0109】
・上記第2の実施形態では、実リフト量VLが変化しないという条件下、実位相VT及びデューティ比DVTが所定時間一定であると判断されたときに、現在のデューティ比DVTを保持デューティ学習値GDVTH(VL)に更新したがこれに限らない。例えば、実リフト量VLの変化の有無にかかわらず、実位相VT及びデューティ比DVTが所定時間一定であると判断されたときに、この更新を行ってもよい。
【0110】
・例えば保持制御時にバルブタイミング可変アクチュエータ40から作動油が漏れることがないなら、保持制御にかかるデューティ比をバルブリフト量に応じて可変としなくてもよい。すなわち、この場合、コイルスプリング65の力に抗して、弁部64bによって第1給排ポート61a及び第2給排ポート61bがふさがれる位置にスプール64を保持させることのできるデューティ比に設定すればよい。
【0111】
・上記バルブタイミング可変アクチュエータ40の構成としては、先の図6に示すものに限らない。例えば、吸気カムシャフトと一体的に回転可能に連結された回転体を、クランクシャフトと一体的に回転可能に連結された回転体に外挿する構成であってもよい。
【0112】
・バルブタイミング可変アクチュエータに作動油を供給する電磁駆動式のバルブとしては、先の図6に示した第2オイルコントロールバルブに限らない。更に、バルブタイミング可変アクチュエータに作動油を供給する手段の代わりに、適宜の流体圧を供給する流体圧供給手段を用いて同アクチュエータを駆動してもよい。
【0113】
・また、バルブタイミング可変機構としては、上記各実施形態及びそれらの変形例に記載のものに限らず、例えば電動式のものであってもよい。いずれにせよ、クランクシャフトに対するカムシャフトの実際の相対回転位相を目標とする位相にフィードバック制御する際、吸気バルブのバルブリフト量に応じてそのフィードバック制御態様を変更することは有効である。
【0114】
・バルブタイミング可変機構によってバルブタイミングが制御される機関バルブとしては、吸気バルブに限らず、排気バルブであっても、そのバルブリフト量を可変とするリフト量可変アクチュエータを併せ用いる場合には、バルブリフト量に応じてフィードバック制御態様を変更することは有効である。
【0115】
・バルブリフト量可変機構としては、上記実施形態に記載のものに限らない。例えば、特開2000−87769号公報に記載のように、カムプロフィールがカム軸方向に連続的に変化する3次元カムが設けられたカムシャフトを有し、同カムシャフトのカム軸方向への変位位置に応じて機関バルブのバルブリフト量を可変とするものであってもよい。また、このリフト量可変機構としては、必ずしもリフト量を連続的に可変とするものでなくてもよい。
【0116】
・その他、内燃機関の気筒数や各気筒の機関バルブの数等は適宜変更してよい。
なお、上記各実施形態及びその変形例から把握できる技術思想としては以下のものがある。
【0117】
(イ)請求項7記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記制御手段は、前記フィードバックゲインとして前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相と前記目標とする位相との偏差に対応した比例ゲインを含んでおり、前記相対回転位相を進角側へフィードバック制御する際には、前記バルブリフト量が大きいほど前記比例ゲインを大きく設定することを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0118】
(ロ)請求項7又は上記(イ)記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記制御手段は、前記フィードバックゲインとして前記カムシャフトの相対回転回転位相と前記目標とする位相との偏差に対応した比例ゲインを含んでおり、前記相対回転位相を遅角側へフィードバック制御する際には、前記バルブリフト量が大きいほど前記比例ゲインを小さく設定することを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0119】
(ハ)請求項7又は上記(イ)又は(ロ)記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブタイミング可変機構は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変更するバルブタイミング可変アクチュエータと、該アクチュエータに流体圧を供給する流体圧供給手段とを備え、該流体圧供給手段から供給される流体圧によって前記相対回転位相を変更するものであって、前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相が目標とする位相近傍となったとき、その相対回転位相が保持されるように、前記バルブリフト量に応じた所要の制御値にて前記流体圧供給手段による供給流体圧を制御する保持制御手段と、前記相対回転位相が継続されるとき、該継続される相対回転位相と前記目標とする相対回転位相位相とを比較して前記保持制御手段の制御値を評価し、その評価に基づいて前記保持制御手段の制御値を前記バルブリフト量に応じて各別に学習補正するための学習制御を行う学習制御手段とを備えて構成されることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0120】
(ニ)請求項1〜4又は請求項7のいずれかに記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブタイミング可変機構は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変更するバルブタイミング可変アクチュエータと、該アクチュエータに流体圧を供給する流体圧供給手段とを備え、該流体圧供給手段から供給される流体圧によって前記相対回転位相を変更するものであることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0121】
(ホ)請求項5または6又は上記(ニ)又は(ハ)記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブタイミング可変アクチュエータは、前記クランクシャフトと一体的に回転可能に連結された第1の回転体と、該第1の回転体と同一の回転軸を有すると共に前記カムシャフトと一体的に回転可能に連結された前記第2の回転体とを備え、且つこれら第1及び第2の回転体のいずれか一方を他方の外周に外挿すると共に前記一方の回転体の内周と前記他方の回転体の外周とによって区画される空間をこれら2つの回転体の少なくとも一方に連結された受圧部材によって区画するものであり、前記流体圧供給手段は、前記受圧部材によって区画された各空間に適宜の流体圧を供給するものであることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【0122】
(ヘ)上記(ホ)記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記流体圧供給手段は、電磁駆動式のバルブを備えるとともに、この電磁駆動式のバルブに印加する駆動電圧のデューティ比を制御することで、前記受圧部材によって区画された各空間に供給する流体圧を調整するものであることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置の第1の実施形態の全体構成を示す図。
【図2】同実施形態のバルブリフト量可変機構の備える仲介駆動機構の構成を示す斜視図。
【図3】同実施形態のバルブリフト量可変機構の構成を示す断面図。
【図4】同実施形態のバルブリフト量可変機構による吸気バルブの駆動態様を示す側面図。
【図5】同実施形態のバルブリフト量可変機構による吸気バルブの駆動態様を示す側面図。
【図6】同実施形態のバルブタイミング可変機構の構成を示す図。
【図7】同実施形態のバルブタイミング可変機構の制御にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図8】上記処理におけるフィードバック制御の比例項の設定態様を示す図。
【図9】バルブリフト量とカムフリクショントルクとの関係を説明する図。
【図10】本発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置の第2の実施形態の制御にかかる処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…ロッカーアーム、1a…ローラ、1c…基端部、1d…先端部、2…吸気バルブ、2a…ステムエンド、10…内燃機関、11…気筒、12…シリンダヘッド、13…吸気カムシャフト、13a…吸気カム,13b…ノーズ、14…排気カムシャフト、15…クランクシャフト、16、17…立壁部、20…仲介駆動機構、21…入力部、21a、21b…アーム、21r…ローラ、21h…ハウジング、21s…ヘリカルスプライン、21t…シャフト、22…第1揺動カム、22h…ハウジング、22n…ノーズ、22s…ヘリカルスプライン、23…第2揺動カム、23e…カム面、23h…ハウジング、23n…ノーズ、23s…ヘリカルスプライン、24…スライダギア、24a…入力用ヘリカルスプライン、24b…小径部、24c…第1出力用ヘリカルスプライン、24d…小径部、24e…第2出力用ヘリカルスプライン、24f…貫通孔、24g…長孔、26…支持パイプ、26a…長孔、27…コントロールシャフト、27a…係止ピン、30…リフト量可変アクチュエータ、31…シリンダチューブ、32…ピストン、33…第1圧力室、34…第2圧力室、36…第1給排通路、37…第2給排通路、40…バルブタイミング可変アクチュエータ、41…ハウジング、42…突部、43…内部ロータ、44…ベーン、45…第1圧力室、45s…第1給排通路、46…第2圧力室、46s…第2給排通路、47…供給通路、48…排出通路、49…オイルパン、50…電子制御装置、60…ケーシング、61a…第1給排通路、61b…第2給排通路、62a…第1排出通路、62b…第2排出通路、63…供給ポート、64…スプール、64b…弁部、65…コイルスプリング、66…電磁ソレノイド。
Claims (6)
- 内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の変更によって機関バルブの開閉時期を可変とするバルブタイミング可変機構と、同機関バルブのバルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構とを併用して前記機関バルブのバルブ特性を制御するバルブ特性制御装置において、
前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を遅角側へフィードバック制御するとき、該フィードバック制御にかかる操作量を前記バルブリフト量が大きいほど小さく設定する制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を進角側へフィードバック制御するとき、該フィードバック制御にかかる操作量を前記バルブリフト量が大きいほど大きく設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相が目標とする位相近傍となったとき、その相対回転位相を保持する保持力を前記バルブリフト量が大きいほど大きく設定する
請求項1又は2記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項3に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記バルブタイミング可変機構は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変更するバルブタイミング可変アクチュエータと、該アクチュエータに流体圧を供給する流体圧供給手段とを備え、該流体圧供給手段から供給される流体圧によって前記相対回転位相を変更するものであって、
前記制御手段は、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相が目標とする位相近傍となったとき、その相対回転位相が保持されるように、前記バルブリフト量に応じた所要の制御値にて前記流体圧供給手段による供給流体圧を制御する保持制御手段と、前記相対回転位相が継続されるとき、該継続される相対回転位相と前記目標とする相対回転位相とを比較して前記保持制御手段による制御値を評価し、その評価に基づいて当該バルブリフト量に対応した前記保持制御手段の制御値を学習補正するための学習制御を行う学習制御手段とを備えて構成される
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項4記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記制御手段は、前記保持制御手段の制御により前記相対回転位相が変化して前記目標とする相対回転位相との偏差が所定値よりも大きくなるとき、前記学習制御手段において学習されている値を変更する手段を更に備える
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の変更によって機関バルブの開閉時期を可変とするバルブタイミング可変機構と、同機関バルブのバルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構とを併用して前記機関バルブのバルブ特性を制御するバルブ特性制御装置において、
前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を遅角側へフィードバック制御する際のフィードバックゲインを前記機関バルブの前記バルブリフト量が大きいほど小さく設定する前記制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
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