JP3758328B2 - 可変動弁装置 - Google Patents

可変動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3758328B2
JP3758328B2 JP22952297A JP22952297A JP3758328B2 JP 3758328 B2 JP3758328 B2 JP 3758328B2 JP 22952297 A JP22952297 A JP 22952297A JP 22952297 A JP22952297 A JP 22952297A JP 3758328 B2 JP3758328 B2 JP 3758328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
valve
value
learning
camshaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22952297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1162641A (ja
Inventor
雅彦 久保
司郎 熊谷
英夫 中井
哲男 茶本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP22952297A priority Critical patent/JP3758328B2/ja
Publication of JPH1162641A publication Critical patent/JPH1162641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3758328B2 publication Critical patent/JP3758328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁を機関の運転状態に応じたタイミングで開閉制御する可変動弁装置に関し、特に、入力回転の回転速度を一回転中で増減しながら出力しうる不等速継手を利用した、可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
往復動式内燃機関(以下、エンジンという)には、吸気弁や排気弁(以下、これらを総称して機関弁又は単にバルブともいう)がそなえられるが、このようなバルブは、カムの形状や回転位相に応じたバルブリフト状態で駆動されるので、バルブの開閉タイミング及び開放期間(バルブを開放している期間をクランクの回転角度の単位で示した量)も、カムの形状や回転位相に応じることになる。
【0003】
ところで、エンジンにそなえられた吸気弁や排気弁の場合には、エンジンの負荷状態や速度状態に応じて最適な開閉タイミングや開放期間が異なる。そこで、このようなバルブの開閉タイミングや開放期間を変更できるようにした、所謂可変バルブタイミング装置(可変動弁装置)が各種提案されている。
例えば、カムとカムシャフトとの間に、偏心機構を用いた不等速継手を介装し、カムシャフト側回転軸に対してカム側回転軸を偏心した位置に設定することで、カムシャフトが1回転する間にカムをカムシャフトの回転速度に対して増減又は位相変化させうるようにして、偏心機構におけるかかるカム側回転軸の偏心状態(即ち、カム側回転軸の軸心軸位置)を調整することで、バルブの開閉タイミング及び開放期間を調整できるようにした技術も開発されている。
【0004】
このような不等速継手を利用した可変動弁装置では、カムシャフト側回転軸とカム側回転軸との間に、カムシャフト側回転軸に対してカム側回転軸を所定の偏心状態に保持する部材(軸支部材)が必要になる。このため、カムシャフトの外周に不等速継手及び軸支部材を配設し、この軸支部材によってカムシャフト側回転軸に対してカム側回転軸を所定の偏心状態に保持するようにしている。
【0005】
これらの不等速継手及び軸支部材は、カムシャフトの回転位相に対してカムローブの回転位相を調整する位相調整機構として機能するものであり、バルブの開閉タイミングや開放期間を調整するためには、この位相調整機構を構成する軸支部材の位置を変更してカムシャフト側回転軸に対するカム側回転軸の偏心状態(一般には、偏心軸心の位置)を変更する必要がある。
【0006】
このため、軸支部材を一定の範囲で回転又は揺動するアクチュエータを配設し、このアクチュエータによってカムシャフト側回転軸に対するカム側回転軸の偏心状態を変更して、バルブの開閉タイミングや開放期間を調整するようにしている。
このような不等速継手を用いた技術は、例えば特公昭47−20654号,特開平3−168309号,特開平4−183905号,特開平6−10630号等にて提案されている。
【0007】
また、バルブ開放期間は一定で、バルブの開閉タイミングのみを変更する可変動弁機構としては、実開昭61−21808号公報や特開平7−238806号公報に提案された技術がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような不等速継手を利用した内燃機関の可変動弁装置では、バルブの開閉タイミングや開放期間を最適なものとするためには、エンジンの負荷状態や速度状態に応じてカムシャフト側回転軸に対するカム側回転軸の偏心状態を正確に調整する必要がある。
【0009】
しかし、エンジンの負荷状態や速度状態に応じた最適なバルブの開閉タイミングや開放期間が得られるようにカムシャフトとカムローブとの間の回転位相差を目標となる回転位相差に正確に制御しても、製作誤差等がある場合には実際の回転位相差は異なるものとなってしまい、カムシャフト側回転軸に対するカム側回転軸の偏心状態を正確な位置に調整することができない場合がある。
【0010】
この場合、実際の回転位相差を反映した学習制御を行なうことが考えられる。このような学習制御を行なう技術としては、例えば、特開平8−74530号公報に開示された技術がある。
このような学習制御は、わざわざ学習制御だけのためにエンジンを作動させるのではなく、エンジンの通常運転時に可変動弁装置本来の作動に支障なく行なえることが最も望ましい。
【0011】
しかしながら、エンジン運転時には、可変動弁装置が適宜作動する(即ち、バルブタイミングの調整を行なう)ので、学習制御はこのようなバルブタイミングを変更する状況を除いて行なわなくてはならない。
ところで、高出力を狙ったエンジンにおいては、バルブタイミングの調整が重要になるのは、一般にエンジンの高速回転時であり、このため、エンジン回転数が高い領域(即ち、所定回転数以上の領域)において、エンジン回転数に応じてカムシャフトとカムローブとの間の回転位相差を微調整してバルブタイミングの調整を行ない、エンジン回転数が低い領域(即ち、所定回転数以下の領域)では、バルブタイミングを低速側に固定してバルブタイミングにかかる制御頻度を低減させるようにしたものが考えられている。
【0012】
この場合、エンジンの高回転時には可変機構の作動状態が多いことにより学習機会が非常に少なく、また、誤学習のおそれもある。もちろん、エンジンの高速回転時に、学習機会を確保し、誤学習を防止するために、エンジン回転数を一定に保ち、カムシャフトとカムローブとの間の回転位相差の調整が必要ないような状態にして学習を行なうことも考えられるが、実際にはエンジン回転数を一定に保つことは難しく、現実的ではない。
【0013】
また、上述のアクチュエータとして、例えばベーン式の油圧アクチュエータを用いることが考えられるが、このベーン式の油圧アクチュエータでは、その構造上、特有の学習制御を行なう必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、可変動弁装置において、学習機会を確実に確保し、誤学習を防止できるようにして高精度の弁特性を得られるようにした、可変動弁装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の可変動弁装置では、学習手段が制御弁の中立位置を目標値が一定値に設定された所定回転域でのみ学習を行ない、少なくとも回転数に基づいて設定され、所定回転域で一定値に設定されている目標値及び学習手段による学習によって算出された学習値に基づいて、制御手段が制御値を設定しアクチュエータに出力する。これにより、油室及び油室を区画するベーン部材を有するアクチュエータの油室に制御弁を通じてオイルを供給することでベーン部材を回転駆動させて、カムシャフトとカムローブとの間に介装された位相調整機構を駆動することにより、内燃機関の運転状態に応じて、内燃機関のクランク軸からの回転力により回転駆動されるカムシャフトに対して、カムシャフトに相対回転可能にカムローブが設けられ、吸気弁又は排気弁を駆動するカム部を有するカムローブの回転位相差を変化させる。
【0015】
この場合、学習を行なうよう設定された所定回転域は、5000rpm以下であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図16は本発明の一実施形態にかかる可変動弁装置を示すものである。
[可変動弁装置を構成する可変動弁機構の説明]
本実施形態にかかる内燃機関は、レシプロ式の内燃機関であり、また、この実施形態にかかる可変動弁機構は、気筒上方に設置された吸気弁又は排気弁(これらを総称して、機関弁又は単にバルブという)を駆動するようにそなえられている。
【0017】
図2,図3は本可変動弁機構の要部を示す斜視図,断面図であり、図2,図3に示すように、シリンダヘッド1には、図示しない吸気ポート又は排気ポートを開閉すべくバルブ(弁部材)2が装備されており、このバルブ2のステム端部2Aには、バルブ2を閉鎖側に付勢する図示しないバルブスプリングが設置されている。
【0018】
さらに、バルブ2のステム端部2Aには、ロッカアーム8が当接しており、このロッカアーム8にカム6が当接している。そして、カム6の凸部(カム山部分)6Aによってバルブスプリングの付勢力に抗するようにしてバルブ2が開方向へ駆動される。本可変動弁機構は、このようなカム6を回動させるためにそなえられている。
【0019】
本可変動弁機構は、図2,図3に示すように、ベルト(タイミングベルト)41とプーリ42とを介してエンジンのクランク軸(図示略)に連動して回転駆動されるカムシャフト(第1回転軸部材)11と、このカムシャフト11の外周に設けられたカムローブ(第2回転軸部材)12とをそなえ、カム(カム部)6はこのカムローブ12の外周に突設されている。なお、このカムローブ12の外周はシリンダヘッド1側の軸受部7によって回転自在に軸支されている。
【0020】
また、カムシャフト11はこのカムローブ12を介して軸受部7に支持されるが、カムシャフト11の端部は、同一軸心線上に結合された端部部材43を介してシリンダヘッド1の軸受部1Aに軸支されている。前述のプーリ42は、このような端部部材43に装備されているので、このプーリ42を装備した端部部材43を、入力部と称することができる。
【0021】
なお、軸受部7は、図3に示すように、二つ割れ構造になっており、シリンダヘッド1に形成された軸受下半部7Aと、この軸受下半部7Aに上方から接合される軸受キャップ7Bと、軸受下半部7Aに軸受キャップ7Bを結合する図示しないボルトとから構成される。
そして、カムシャフト11とカムローブ12との間に不等速継手13が設けられている。
【0022】
なお、本可変動弁機構は、多気筒エンジンに適しており、多気筒エンジンに適用した場合には、各気筒毎に、カムローブ12及び不等速継手13を設けるようにする。ここでは、一例として本可変動弁機構を直列4気筒エンジンに適用した場合を説明する。
この不等速継手13は、カムシャフト11の外周に回動可能に支持されたコントロールディスク(軸支部材)14と、このコントロールディスク14に一体的に設けられた偏心部(軸支部)15と、この偏心部15の外周に設けられた係合ディスク(中間回転部材)16と、係合ディスク16に接続されたカムシャフト側スライダ(第1接続部材)17及びカムローブ側スライダ(第2接続部材)18とをそなえている。なお、係合ディスク16は、ハーモニックリングともいう。
【0023】
偏心部15は、図2に示すように、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 から偏心した位置に回転中心O2 を有しており、係合ディスク16はこの偏心部15の中心(第2回転中心軸線)O2 の回りに回転するようになっている。
カムシャフト側スライダ17及びカムローブ側スライダ18は、図2に示すように、それぞれその先端にスライダ本体部21,22をそなえ、それぞれ基端側にドライブピン部23,24をそなえている。
【0024】
そして、係合ディスク16の一面には、図3に示すように、半径方向(ラジアル方向)に、カムシャフト側スライダ17のスライダ本体部21が摺動自在に嵌合したスライダ用溝16Aと、カムローブ側スライダ18のスライダ本体部22が摺動自在に嵌合したスライダ用溝16Bとが形成されている。ここでは、2つのスライダ用溝16A,16Bが互いに180°だけカムシャフト中心に対してずれた位置にあってカムローブ12とカムシャフト11とが回転位相差を得られるように同一直径上に配置されている。
【0025】
また、カムシャフト11にはドライブアーム19が設けられ、カムローブ12にはアーム部20が設けられ、ドライブアーム19には、カムシャフト側スライダ17のドライブピン部23が回転自在に嵌入する穴部19Aが設けられ、アーム部20には、カムローブ側スライダ18のドライブピン部24が回転自在に嵌入する穴部20Aが設けられている。
【0026】
なお、ドライブアーム19は、カムローブ12とコントロールディスク14との間のアーム部20を除く空間に、カムシャフト11から半径方向(ラジアル方向)に突出するように設けられ、ロックピン25によりカムシャフト11と一体回転するように結合されている。一方、アーム部20はカムローブ12の端部を、係合ディスク16の一側面に近接する位置まで半径方向(ラジアル方向)及び軸方向へ突出させるように一体形成されている。
【0027】
また、本機構では、図3に示すように、係合ディスク(中間回転部材)16の一側面16Cは、カムローブ12のアーム部(取付部)20に対向しているが、特に、カムローブ12のアーム部20の端面(フランジ部)20Aは、係合ディスク(中間回転部材)16の一側面に当接している。このアーム部20の両端面20Aは、図3,図5に示すように、アーム部20にそなえられたスライダ用溝(第2溝部)16Bと略90°又はこれ以上の位相差の部分まで延設され、この延設部は、軸心からできるだけ外方へ配置されている。そして、係合ディスク16の一側面は、この延長されたアーム部端面(フランジ部)20Aにも当接するようになっており、こうして係合ディスク16がカムローブ12側に当接することになり、係合ディスク16の軸振れ方向の傾斜(倒れ)が防止されるようになっている。
【0028】
さらに、カムローブ12の後端には、ウェーブドワッシャ46が装備されており、アーム部端面20Aの係合ディスク16の一側面への当接力を増大して、係合ディスク16の倒れ防止荷重を十分に確保できるようになっている。
また、係合ディスク16とカムローブ12とは前述のようにその偏心に応じて微小な位相ずれを生じながら回転するため、係合ディスク16とアーム部端面20Aとの当接部分は微小に摺動することになるが、この部分へは潤滑油(エンジンオイル)を供給されるため滑らかな摺動が行なわれるようになっている。
【0029】
更に、本実施形態では、図3,図4に示すように、係合ディスク16と偏心部15との摺動部、即ち、偏心部15の外周面と係合ディスク16の内周面との間に、前述のベアリング37が介装されている。ここでは、よりコンパクトに介装しうるニードルベアリングが用いられているが、ベアリング37はこのニードルベアリングに限定されず、種々のベアリングを用いることができる。
【0030】
このような係合ディスク16と偏心部15との摺動部を「単なる滑り軸受け」とした場合、流体潤滑となりにくい時、特に、機関の始動時に、係合ディスク16と偏心部15とのフリクションが大きくなるが、このベアリング37を装備することにより、係合ディスク16と偏心部15とのフリクションが大幅に低減されて、係合ディスク16を通じた回転力の伝達や、位相調整をより円滑に行なるようになり、機関の始動性も良好なものにできるようになっている。
【0031】
逆に言えば、始動や偏心位置調整にかかるスタータやアクチュエータの負荷を低減できるため、これらのスタータやアクチュエータとしてより低容量で小型のものを採用しうるようになる。
なお、本実施形態では、偏心部15とカムシャフト11との摺動部は、滑り軸受け(ジャーナル軸受け)47としているが、ニードルベアリングのようなベアリングを、偏心部15とカムシャフト11との摺動部の間に設置して、ベアリングを、係合ディスク16と偏心部15との摺動部と偏心部15とカムシャフト11との摺動部との間の両方に設置するようにしてもよい。
【0032】
しかし、両方の摺動部のベアリングを介装するとシステムの大型化や搭載性の低下を招くので、この点が問題ならば、いずれか一方の摺動部にかかるベアリングを介装することになる。この場合には、カムシャフト11と偏心部15との間の径よりも、より径の大きい係合ディスク16と偏心部15との間に設置した方が、ベアリングをより効果的に発揮することができて好ましい。
【0033】
また、図3中の符号7E,11A,11Bは各摺動部へ潤滑油(エンジンオイル)を供給する油穴である。
〔不等速機構の作動原理の説明〕
ところで、スライダ本体部21と溝16Aとの間では、図4に示すように、スライダ本体部21の外側平面21B,21Cと溝16Aの内壁平面28A,28Bとの間で、溝16Bとスライダ本体部22との間では、溝16Bの内壁平面28C,28Dとスライダ本体部22の外側平面22B,22Cとの間で、それぞれ回転力の伝達が行なわれる。
【0034】
このように回転を伝達する際に、係合ディスク16が偏心していることにより、係合ディスク16はカムシャフト11に対して先行したり遅延したりすることを繰り返し、また、カムローブ12は係合ディスク16に対して先行したり遅延したりすることを繰り返しながら、カムローブ12がカムシャフト11とは不等速で回転するようになっている。
〔不等速機構の作動特性の説明〕
このようなカムシャフト11側の回転速度特性に対して、カムローブ12側の回転位相特性(即ち、カムローブ12側がカムシャフト11側よりも進むか遅れるかといった特性)については、図5の中段に記載したグラフ内の曲線PA1,PA2に示すようになる。
【0035】
つまり、図5(a1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11,カムローブ12の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して上方に偏心しているもの(高速上方偏心)とする。そして、回転中心O1 ,O2 の上方にスライダ溝16A及びカムシャフト側スライダ17が位置し、回転中心O1 ,O2 の下方にスライダ溝16B及びカムローブ側スライダ18が位置した状態を基準(カムシャフト回転角度が0)とすると、カムローブ12側の位相特性は、図5の曲線PA1に示すようになる。
【0036】
図5の曲線PA1に示すように、図5(a1)に示すようなカムシャフト回転角度が0のときには、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる。
この後のカムシャフト11の回転角度に応じたカムローブ12側の回転位相特性、即ち、カムシャフト11側の回転位相に対するカムローブ12側の回転位相の進みや遅れの特性は、カムシャフト11側の回転速度に対するカムローブ12側の回転速度を積分した積分値に相当する。
【0037】
したがって、図5の曲線PA1に示すように、カムシャフト11が0°から90°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に先行してその進み角度が次第に増大するが、カムシャフト11が90°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も先行して〔図5(a2)参照〕、この後、カムシャフト11が90°から180°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に先行してはいるがその進み角度は次第に減少して、カムシャフト11が180°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図5(a3)参照〕。
【0038】
さらに、カムシャフト11が180°から270°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側から遅れてその遅れ角度が次第に増大するが、カムシャフト11が270°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も遅れて〔図5(a4)参照〕、その後、カムシャフト11が270°から360°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に遅れてはいるがその遅れ角度は次第に減少して、カムシャフト11が360°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図5(a5)参照〕。
【0039】
ここで、カムシャフト11が180°の位置で、バルブリフトが最大となるように、カム6に対するバルブ2の位置を設定すると、バルブのリフトカーブは、図5の曲線VL1に示すようになる。なお、図8中の曲線VL0は、カムローブ12側がカムシャフト11側に対して偏心していないでカムローブ12側がカムシャフト11側と常に等しい位相角度となる場合のバルブのリフトカーブ特性(リフトカーブベース)を示すものである。
【0040】
曲線VL1に示すリフトカーブ特性では、バルブの開放タイミング(開放開始時期)ST1はリフトカーブベースの開放タイミングST0よりも早くなり、バルブの閉鎖タイミング(開放終了時期)ET1はリフトカーブベースの閉鎖タイミングET0よりも遅くなる。バルブの開放タイミングST1がリフトカーブベースよりも早まるのは、バルブが開放を開始する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が進んでいるためであり、バルブの閉鎖タイミングET1がリフトカーブベースよりも遅くなるのは、バルブが開放を終了する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が遅れているためである。
【0041】
一方、図5(b1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11,カムローブ12の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して下方に偏心(低速下方偏心)していて、回転中心O1 ,O2 の上方にスライダ溝16A及びカムシャフト側スライダ17が位置し、回転中心O1 ,O2 の下方にスライダ溝16B及びカムローブ側スライダ18が位置した状態を基準(カムシャフト回転角度が0)とすると、カムローブ12側の位相特性は、図5の曲線PA2に示すようになる。
【0042】
つまり、図5の曲線PA2に示すように、図5(a1)に示すようなカムシャフト回転角度が0のときには、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となり、この後は、カムシャフト11が0°から90°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側から遅れてその遅れ角度が次第に増大するが、カムシャフト11が90°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も遅れて〔図5(b2)参照〕、この後、カムシャフト11が90°から180°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側から遅れてはいるがその遅れ角度は次第に減少して、カムシャフト11が180°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図5(b3)参照〕。
【0043】
さらに、カムシャフト11が180°から270°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側に先行してその進み角度が次第に増大するが、カムシャフト11が270°となった時点でカムローブ12側はカムシャフト11側よりも最も進んで〔図5(b4)参照〕、その後、カムシャフト11が270°から360°へと回動する際には、カムローブ12側がカムシャフト11側より先行してはいるがその進み角度は次第に減少して、カムシャフト11が360°になった時点で、カムローブ12側はカムシャフト11側と等しい位相角度となる〔図5(b5)参照〕。
【0044】
このように、図5の曲線PA2に示すような回転位相特性でカムローブ12が回転する場合には、バルブのリフトカーブは、図5の曲線VL2に示すようになる。
この曲線VL2に示すリフトカーブ特性では、バルブの開放タイミング(開放開始時期)ST2はリフトカーブベースの開放タイミングST0よりも遅くなり、バルブの閉鎖タイミング(開放終了時期)ET2はリフトカーブベースの閉鎖タイミングET0よりも早くなる。
【0045】
このようにバルブの開放タイミングST2がリフトカーブベースよりも遅くなるのは、バルブが開放を開始する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が遅れているためである。また、バルブの閉鎖タイミングET2がリフトカーブベースよりも早くなるのは、バルブが開放を終了する領域では、カムローブ12側はカムシャフト11側よりも回転位相角度が進んでいるためである。
【0046】
このように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 、即ち、係合ディスク16の偏心位置に応じて、バルブのリフトカーブ特性を変更することができるのである。バルブの開放タイミングが早く閉鎖タイミングが遅い場合には、バルブ開放期間が長くなり、機関の高速回転時に適し、バルブの開放タイミングが遅く閉鎖タイミングが速い場合には、バルブ開放期間が短くなり、機関の低速回転時に適している。
【0047】
このため、図5(a1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 がカムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して上方(バルブリフトトップを与える回転位相方向と逆方向)にあれば、バルブ開放期間が最も長くなるため、高速用偏心となり、図5(b1)に示すように、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して下方(バルブリフトトップを与える回転位相方向)にあれば、バルブ開放期間が最も短くなるため、低速用偏心となる。
【0048】
そして、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 が図5(a1)に示す位置と図5(b1)に示す位置との中間的な位置にある場合には、その位置に応じたバルブ特性(バルブの開放タイミングや閉鎖タイミング)でバルブ2を駆動することになる。
つまり、第2回転中心軸線O2 を図5(a1)に示す上方偏心位置から下方位置へずらしていくと、バルブ特性は、曲線VL1で示すリフトカーブ特性(高速用特性)から曲線VL0で示すリフトカーブベース特性へと近づいて、第2回転中心軸線O2 が第1回転中心軸線O1 とほぼ等しい高さになる(上下方向への偏差がなくなる)と、バルブ特性はほぼリフトカーブベース特性に近いものになる。さらに、第2回転中心軸線O2 を図5(b1)に示す下方偏心位置へ向けてずらしていくと、バルブ特性は、曲線VL0で示すリフトカーブベース特性から曲線VL2で示すリフトカーブ特性(低速用特性)へと近づく。
【0049】
したがって、例えば機関の回転数(回転速度)等の機関の運転状態に応じて、第2回転中心軸線O2 の位置を連続的又は段階的に調整すれば、機関の運転状態に常に適した特性でバルブ2を駆動させることができる。
[可変動弁機構の偏心位置調整機構の説明]
係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 を位置調整するためには、係合ディスク16を偏心状態に支持する偏心部15を回転させればよいので、本機構には、偏心部15を有するコントロールディスク14を回転させて偏心部15の偏心位置を調整する偏心位置調整機構30が設けられている。
【0050】
この偏心位置調整機構30は、図2,図3に示すように、コントロールディスク14の外周に形成された偏心制御ギヤ31と、この偏心制御ギヤ31と噛合するコントロールギヤ35をそなえカムシャフト11と平行に設置されたギヤ軸(コントロールシャフト)32と、このコントロールシャフト32を回転駆動するためのアクチュエータ33とをそなえて構成されており、ECU34を通じて作動を制御するようになっている。なお、偏心制御ギヤ31及びギヤ軸32は、機関回転数(機関運転状態)に応じてカムシャフト11に対するカムローブ12の回転位相差を変化させるものであるため位相調整機構という。
【0051】
つまり、図2に示すように、ECU34に、エンジン回転数センサ(図示略)からの検出情報(エンジン回転数情報),スロットルポジションセンサからの検出情報(TPS情報),エアフローセンサ(図示略)からの検出情報(AFS情報)等が入力されるようになっており、偏心位置調整機構30におけるモータの制御は、これらの情報に基づいて、エンジンの回転速度や負荷状態に応じて行なうようになっている。
【0052】
そして、例えばエンジンの高速時や高負荷時には、図5中の曲線VL1のようなバルブリフト特性になるようにコントロールディスク14の回転位相を調整して、バルブの開放期間を長期間にするように制御する。また、エンジンの低速時や低負荷時には、図5中の曲線VL2のようなバルブリフト特性になるようにコントロールディスク14の回転位相を調整して、バルブの開放期間を短期間にするように制御する。一般には、エンジンの回転や負荷に応じて、図5中の曲線VL1と曲線VL2との中間的なバルブリフト特性になるようにコントロールディスク14の回転位相を調整する。
【0053】
ところで、コントロールシャフト32にそなえられたコントロールギヤ35は、2つのギヤ35A,35Bからなるシザースギヤであって、一方のギヤ35Aはコントロールシャフト32に固定されているが、他方のギヤ35Bはコントロールシャフト32に対して回転可能に装備されている。つまり、ギヤ35Bは、ギヤ35Aに当接するように配設されており、コントロールシャフト32の外周に固定されるジャーナル36との間に装備されたねじりスプリング38によって、回転方向への付勢力を受けるように設置され、両ギヤ35A,35Bによって、コントロールディスク14側の偏心制御ギヤ31とコントロールギヤ35とがガタつくことなく噛合するようになっている。
【0054】
なお、偏心位置調整機構30の設置にあたっては、既に設置されているカムシャフト11外周のコントロールディスク14側の偏心制御ギヤ31に対して、両ギヤ35A,35Bを噛合させた上で、ジャーナル36をコントロールシャフト32に対して回転させながら軸方向所定位置に配置することで、ギヤ35Bに軸方向付勢力及び回転方向付勢力を与えておいてから、ジャーナル36を回り止めピン36Aによりコントロールシャフト32と一体回転するように固定する。
【0055】
また、本可変動弁機構を4気筒エンジンに適用した場合には、各気筒毎にカムローブ12及び不等速継手13を設けるようにすることになるが、ここでは、各気筒に、吸気弁駆動用の可変動弁機構と、排気弁駆動用の可変動弁機構とをそなえている。つまり、図6に示すように、吸気弁用カムシャフト11INと排気弁用カムシャフト11EXとをそなえ、吸気弁用カムシャフト11INにおいても排気弁用カムシャフト11EXにおいても、それぞれ各気筒毎にカムローブ12及び不等速継手13がそなえられる。
【0056】
そして、偏心位置調整機構30は、吸気弁用カムシャフト11INに各気筒毎に装備されたコントロールディスク14側の偏心制御ギヤ31と、排気弁用カムシャフト11EXにやはり各気筒毎に装備されたコントロールディスク14側の偏心制御ギヤ31と、吸気弁用カムシャフト11INに隣接した吸気弁側コントロールシャフト32と、排気弁用カムシャフト11EXに隣接した排気弁側コントロールシャフト32と、これらの各コントロールシャフト32において各気筒毎に設置されて各偏心制御ギヤ31と噛合するコントロールギヤ35及びジャーナル36及びスプリング38とをそなえている。
【0057】
一方、アクチュエータ33はスプロケット(端部部材)43と反対側端部の図示しないシリンダヘッド側部分に1つだけそなえられ、ここでは、排気弁用カムシャフト11EXの軸端部にアクチュエータ33がそなえられる。
このアクチュエータ33は、ジョイント33Aを介して排気弁側ドライブギヤ機構39Aに接続されており、アクチュエータ33の駆動力は、排気弁側ドライブギヤ機構39Aから排気弁側コントロールシャフト32に伝達され、排気弁用カムシャフト11EXの各偏心制御ギヤ31の回転駆動が行なわれるようになっている。
【0058】
この一方、排気弁側ドライブギヤ機構39Aはインタメディエイトギヤ機構40を介して吸気弁側ドライブギヤ機構39Bに接続されており、アクチュエータ33の駆動力は、排気弁側ドライブギヤ機構39A,インタメディエイトギヤ機構40,吸気弁側ドライブギヤ機構39Bを経て吸気弁側コントロールシャフト32に伝達され、吸気弁用カムシャフト11INの各偏心制御ギヤ31の回転駆動が行なわれるようになっている。
【0059】
したがって、図7に示すように、排気弁側(図中EX参照)では、アクチュエータ33の駆動力は、ドライブギヤ機構39A,排気弁側コントロールシャフト32及び各コントロールギヤ35を介して各偏心制御ギヤ31に伝達され、吸気弁側(図中IN参照)では、アクチュエータ33の駆動力は、ドライブギヤ機構39A,インタメディエイトギヤ機構40,ドライブギヤ機構39B,吸気弁側コントロールシャフト32及び各コントロールギヤ35を介して各偏心制御ギヤ31に伝達されるようになっている。
【0060】
なお、図6に示すように、各ドライブギヤ機構39A,39Bは、いずれも、軸39aに固定された固定ギヤ39b及び固定ギヤ39bとの間にスプリング39cを介して装備された可動ギヤ39dの2枚のギヤからなるシザースギヤ39eと、コントロールシャフト32の端部に固定されたギヤ39fとから構成される。シザースギヤ39eでは、可動ギヤ39dがスプリング39cにより回転方向に付勢された状態で、固定ギヤ39bと共にギヤ39fと噛合しており、ドライブギヤ機構39A,39Bにガタが生じないようになっている。
【0061】
また、インタメディエイトギヤ機構40は、互いに噛合する3つのギヤ40a,40b,40cからなり、排気弁側ドライブギヤ機構39Aの軸39aの回転を同方向に同速度で吸気弁側ドライブギヤ機構39Bの軸39aに伝達するようになっている。
さらに、各ドライブギヤ機構39A,39Bのシザースギヤ39e(即ち、ギヤ39b,39d)は各偏心制御ギヤ31と等しい歯数に設定され、各ドライブギヤ機構39A,39Bのギヤ39fは各コントロールギヤ35と等しい歯数に設定されており、アクチュエータ軸の回転角度と偏心制御ギヤ31の回転角度とが等しくなるように設定されている。
[偏心位置調整機構を構成するアクチュエータの説明]
ここで、アクチュエータ33について説明すると、このアクチュエータ33は、例えば図8に示すように、オイルコントロールバルブ50を有する油圧供給手段51とアクチュエータ本体52とをそなえて構成される。
【0062】
アクチュエータ本体52は、いわゆる油圧式アクチュエータであって、ベーン(ベーン部材)55を油圧によりその軸線回りに往復回転させるようになっている。つまり、アクチュエータ本体52は、図8に示すように、ハウジング53と、排気弁側ドライブギヤ機構39Aの軸39aにジョイント機構(オルダムジョイント)を介して連結される軸部(コントロールシャフト)54と、この軸部(出力軸部)54の軸線から半径方向に延びるベーン55と、このベーン55により区画された第1油室56A及び第2油室56Bとをそなえている。
また、ハウジング53内の上部には、オイルコントロールバルブ50のスプール弁(制御弁)57が収容され、このスプール弁57は、圧縮状態のスプリング58により付勢されており、オイルコントロールバルブ50のコイル部分59からの電磁力を受けるとスプリング58の付勢力に抗してスプール弁57が所望の位置に調整されるようになっている。
【0063】
スプール弁57は、第1油室56A及び第2油室56Bへそれぞれ連通した油路60A,60Bと、エンジンオイル供給系61からの作動油入口(オイル入口,作動油供給口)62と、シリンダヘッド1内に作動油を排出するドレン63A,63Bとの間に設けられている。
スプール弁57が図8に示すような中立位置のときには、油路60A,60Bが閉鎖されて両油室56A,56Bの油圧は給排されないため、ベーン55が固定状態となる。また、このようなアクチュエータ33の低速側及び高速側のいずれにもオイルが流れないスプール弁57の中立位置は固定位置ともいう。
【0064】
この中立位置からスプール弁57が図8中の左方向に移動すると、第1油室56Aに通じる油路60Aとオイル入口62とが連通し(油路60Aが開口)、第2油室56Bに通じる油路60Bとドレン63Bとが連通して、第1油室56A内へ作動油が供給され第2油室56B内の作動油が排出されるため、ベーン55は図8中の右方向(反時計回り)へ回動する。
【0065】
逆に、中立位置からスプール弁57が図8中の右方向に移動すると、第1油室56Aに通じる油路60Aとドレン63Bとが連通し、第2油室56Bに通じる油路60Bとオイル入口62とが連通して(油路60Bが開口)、第1油室56A内の作動油が排出され第2油室56B内へ作動油が供給されるため、ベーン55は図8中の左方向(時計回り)へ回動する。
【0066】
このように、スプール弁57の位置に応じて、ベーン55を左右いずれかに回動させたり固定させたりすることができる。
この場合、ベーン55の回転位相角に応じてコントロールディスク14の回転位相角、即ち係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 の位置が決まるが、ここでは、ベーン55が図8中の最も右方へ回転した位置(図中に位相角0°と示す)になったら係合ディスク16が低速用偏心状態となり、ベーン55が図8中の最も左方へ回転した位置(図中に位相角180°と示す)になったら係合ディスク16が高速用偏心状態となるように設定されている。
【0067】
つまり、ベーン55が低速用偏心位置(ベーン位相角0°)になったら係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 の位置は、図5(b1)〜(b5)に示すように、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して下方(バルブリフトトップを与える回転位相方向)となって、低速用偏心状態となる。
【0068】
また、ベーン55が高速用偏心位置(ベーン位相角180°)になったら係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 の位置は、図5(a1)〜(a5)に示すように、カムシャフト11の回転中心(第1回転中心軸線)O1 に対して上方(バルブリフトトップを与える回転位相方向と逆方向)となって、高速用偏心状態となる。
【0069】
そして、ベーン55は、エンジンの回転速度等に応じて低速用偏心位置(ベーン位相角0°)から高速用偏心位置(ベーン位相角180°)までの間で位相調整されるようになっている。
[ベーンの位相角制御]
このベーン55の位相角制御は、ポジションフィードバック制御により行なわれる。
【0070】
このため、アクチュエータ33には、図9に示すように、オイルコントロールバルブ50のベーン55(図示せず)の位置(回転位相)を検出するポジションセンサ70が設けられており、このポジションセンサ70により検出されるベーン55の実際のポジション(実ポジション)Pr はECU34に入力されるようになっている。また、ECU34には、エンジン回転数Neも入力されるようになっている。
【0071】
そして、ECU34では、エンジン回転数Ne等に基づいて目標値設定手段81により設定される目標ポジション(目標値)PP と実ポジションPr とに基づいてオイルコントロールバルブ50の駆動デューティ値(駆動DUTY)が算出され、この駆動デューティ値に応じてオイルコントロールバルブ制御を行なうようになっている。
【0072】
ここで、図10は駆動デューティ値とスプール弁57のストロークとの関係を示す図である。
図10中、実線Aで示すように、ECU34からの制御信号としての駆動デューティ値がb0 %〜b1 %のときはストロークが0mm〜a1 mmの範囲になり、第1油路60Aが開口するようになっている。
【0073】
また、駆動デューティ値がb1 %〜b3 %のときはストロークがa1 mm〜a3 mmの範囲になり、第1油路60A及び第2油路60Bのいずれも閉鎖するようになっている。このうち、駆動デューティ値がb2 %程度のときはスプール弁57のストロークがa2 mmとなるように調整され、この位置がスプール弁57の中立位置となる。この場合の駆動デューティ値は固定デューティ値と等しい値となる。
【0074】
なお、ストロークがa1 mm〜a3 mmの範囲では第1油路60A及び第2油路60Bのいずれも閉鎖され、ストロークがこの範囲であるときはベーン55の位置が固定保持されるため、この範囲を固定幅といい、この範囲における駆動デューティ値を固定デューティ幅(固定DUTY幅)という。
また、駆動デューティ値がb3 %〜b4 %のときはストロークがa3 mm〜a4 mmの範囲になり、第2油路60Bが開口するようになっている。
〔オイルコントロールバルブ制御(OCV制御)の説明〕
本実施形態のオイルコントロールバルブ制御は、図9に示すように、ECU34によりオイルコントロールバルブ50の駆動デューティ値を算出し、この駆動デューティ値に対応する電流をアクチュエータ33のオイルコントロールバルブ50のコイル部分59に供給することにより行なわれる。
【0075】
ここで、図11はオイルコントロールバルブの駆動デューティ値の算出に関するオイルコントロールバルブ制御(OCV制御)の制御系を示す図である。
図11に示すように、ECU34には、スプール弁57を中立位置に固定する制御信号としての固定デューティ値を設定する機能(固定デューティ値設定手段)80と、アクチュエータ33のベーン55の目標ポジションPP を設定する機能(目標値設定手段)81と、オイルコントロールバルブ50の制御デューティ値を算出してアクチュエータ33のオイルコントロールバルブ50のコイル部分59に出力する制御手段83とが備えられている。
【0076】
ここで、固定デューティ値設定手段80は、バッテリセンサ73により検出されるバッテリ電圧Vbを読み込み、マップにより、固定デューティ値を設定するものである。
目標値設定手段81は、エンジン回転数センサ72により検出されるエンジン回転数Ne及び圧力センサ71により検出されるインマニ圧(インテークマニホールド内の圧力)Pbを読み込み、これらの値Ne,Pbに基づきマップにより、アクチュエータ33のベーン55の目標ポジションPP をオイルコントロールバルブ50の駆動デューティ値に相当する値として設定するものである。なお、ベーン55の目標ポジションPP は、カムシャフト11とカムローブ12との回転位相差の目標値を意味する。
【0077】
制御手段83は、目標値設定手段81により設定された目標ポジションPP とポジションセンサ70により検出される実ポジションPr との偏差ΔP(=PP −Pr )に応じて設定される補正値(比例係数,積分係数,微分係数)に基づいてオイルコントロールバルブ50の制御値としての駆動デューティ値(駆動DUTY)を設定し、アクチュエータ33のオイルコントロールバルブ50のコイル部分59への供給電流を制御するものである。
【0078】
なお、実ポジションPr は、カムシャフト11とカムローブ12との回転位相差に相当する値であるため、ポジションセンサ70は実位相差検出手段という。また、制御手段83による駆動デューティ値の設定は、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPが不感帯内(所定範囲内)にない時(ΔP>|a|)に行なわれるようになっている。
【0079】
このため、制御手段83には、比例補正手段83A,積分補正手段83B及び微分補正手段83Cを備え、さらに、それぞれの補正手段により算出された補正値を加算する演算部83Dと、固定デューティ値設定手段80により設定される固定デューティ値に補正値を加算する演算部83Eとを備えて構成される。
そして、比例補正手段83A,積分補正手段83B及び微分補正手段83Cにより算出されたそれぞれの補正値は演算部83Dで加算され、さらに、この演算部83Dで加算された補正値は演算部83Eで固定デューティ値に加算されて制御デューティ値が算出される。
【0080】
このうち、比例補正手段83Aは、フィードバック比例制御(F/B比例制御)における比例係数Kpとしての正方向デューティ値,負方向デューティ値を算出するものである。この比例補正手段83Aでは、正方向デューティ値,負方向デューティ値Kpを、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPの方向(PP ,Pr のいずれが大きいか)及び大きさに応じて算出するようになっている。
【0081】
積分補正手段83Bは、フィードバック積分制御(F/B積分制御)における積分係数Kiを所定時間毎に算出するものである。
この積分補正手段83Bでは、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPの方向に応じて積分ゲインGiを算出し、この積分ゲインGiを所定時間毎に加算又は減算することにより、積分係数Ki〔=Σf(I)〕を次式(1)により算出するものである。つまり、積分補正手段83Bでは、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPの方向が、正の時には積分ゲインGiを加算し、負の時には積分ゲインGiを減算することにより積分係数Kiを算出するようになっている。
【0082】
Ki=ΣGi ・・・(1)
但し、積分係数Kiは、以下の条件が成立した時に0にリセットされる。
▲1▼ エンスト
また、積分係数Kiは、以下の条件が成立した時にはホールドされる。
▲1▼ 目標ポジションPP ≧所定値(例えば、4.5V)
▲2▼ 目標ポジションPP ≦所定値(例えば、0.5V)
これは、製作誤差を考慮しない場合のアクチュエータの可動範囲がポジションセンサの読みで0.5V〜4.5Vであり、可動範囲外に目標ポジションPP が設定された場合に実ポジションを変更させないために積分係数Kiをホールドさせている。
微分補正手段83Cは、フィードバック微分制御(F/B微分制御)における微分係数Kdを算出するものである。この微分補正手段83Cでは、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPが不感帯内(所定範囲内)にない時(ΔP>|a|)に、所定時間毎に前回の駆動デューティ値と今回の駆動デューティ値との変化量dP/dtに応じて微分係数Kdを算出するようになっている。
【0083】
但し、前回と今回とで、偏差ΔPが不感帯内から不感帯外に変化するような場合には、直前(前回)の不感帯内にある時の駆動デューティ値と今回の駆動デューティ値との変化量dP/dtに応じて微分係数Kdを算出するようになっている。
また、比例補正手段83A,積分補正手段83B及び微分補正手段83Cにより算出された補正値に基づく駆動デューティ値の算出は、目標ポジションPP の変化量dPP /dtが所定変化量b以上の場合(dPP /dt≧b)は行なわないようにしている。
【0084】
このため、制御手段83にはスイッチS3が備えられており、目標ポジションPP の変化量dPP /dtが所定変化量b以上の場合(dPP /dt≧b)はポジションP5に切り換わり、目標ポジションPP の変化量dPP /dtが所定変化量b未満の場合(dPP /dt<b)はポジションP6に切り換わるようになっている。
〈学習制御〉
本実施形態にかかるアクチュエータ33では、ポジションフィードバック制御によりベーン55の位相角制御が行なわれるが、オイルコントロールバルブ50のスプール弁57やスプリング58の製作誤差等によりスプール弁57の中立位置がずれてしまい、このようなずれが生じていると、ベーン55の目標ポジションPP と実ポジションPr とを正確に一致させることができず、正確な位相角制御が行なえないことが考えられる。
【0085】
このようなスプール弁57やスプリング58の製作誤差がある場合は、図10中、破線B,Cで示すように、駆動デューティ値とスプール弁57のストロークとの関係にばらつきが生じてしまうことになる。つまり、実線Aで示す駆動デューティ値と同じ値であったとしても、スプール弁57のストロークが多くなったり、少なくなったりしてしまい、スプール弁57のストロークを正確に調整することができず、ベーン55の正確な位相角制御が行なえないことになる。
【0086】
このため、このような製作誤差等によりスプール弁57の中立位置がずれている場合であっても正確な位相角制御を行なえるように、ECU34には、図11に示すように、スプール弁57の中立位置を学習し、これを学習値として算出する機能(学習手段)82が備えられている。
この学習手段82は、後述する学習値更新条件が成立した場合に、所定時間毎の偏差ΔPの方向により検出される積分係数Kiの変曲点Kitを平均化した平均値に基づいてリアルタイム学習値KLRNRを算出し、さらに、このリアルタイム学習値KLRNRに基づいてロングタイム学習値KLRNLを算出するものである。なお、学習値の算出方法については後述する。
【0087】
また、上述した制御手段83では、学習手段82により算出される学習値としてのロングタイム学習値KLRNLに基づいて制御デューティ値を算出するようになっており、この制御デューティ値をアクチュエータ33のオイルコントロールバルブ50のコイル部分59の電流制御に反映させるようになっている。つまり、制御手段83では、固定デューティ値設定手段80により設定される固定デューティ値を、学習手段82により算出されるロングタイム学習値KLRNLによって補正することにより制御デューティ値を算出するようになっている。
(学習値更新条件)
本実施形態では、学習値更新条件が成立した場合に学習値の更新を行なうようにしている。このため、ECU34には、図11に示すように、学習値更新条件判定手段84が備えられており、学習値更新条件を判定するようになっている。
【0088】
この学習値更新条件判定手段84は、以下の全ての条件を満たしている場合に学習値更新条件が成立したと判定し、積分係数演算タイミング毎にリアルタイム学習値KLRNR及びロングタイム学習値KLRNLを更新するようになっている。
▲1▼ オイルコントロールバルブ制御におけるメインルーチン毎の目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b未満(dPP /dt<b)の状態が所定時間継続していること。
【0089】
ここで、目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b未満か否かを判定するのは、目標ポジション変化量dPP /dtが大きいと偏差ΔPが短時間で不感帯から外れやすいため、このような場合には誤学習を防止すべく学習値の更新を行なわないようにするためである。なお、この場合、固定デューティ値の補正は行なわれない。
【0090】
▲2▼ 偏差ΔPが不感帯内(所定範囲内:ΔP≦|a|)に所定時間滞留していること。
▲3▼ 目標ポジションPP が所定値c(例えば、0.5V)と所定値d(例えば、0.83V)との間にあること(c<PP <d)。なお、所定値cは例えばベーン55の位相角0°に相当し、所定値dは例えばベーン55の位相角15°に相当する。これは、ベーン55の目標ポジションPP が変動しないで学習機会が多く、かつ、安定した油圧が得られる所定のエンジン回転数Neの範囲内で学習を行なうようにするためである。
【0091】
本実施形態では、図1に示すように、エンジン回転数によって目標位相角を決定しており、0.5V〜0.83V(エンジン回転数で0〜4000rpm付近)で学習している。
このため、学習値更新条件判定手段84には、偏差ΔPが不感帯内(所定範囲内:ΔP≦|a|)であるか否かによってポジションP1とポジションP2とを切り換えるスイッチS1と、目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b未満(dPP /dt<b)であり、かつ、目標ポジションPP が所定値cと所定値dとの間(c<PP <d)であるか否かによってポジションP3とポジションP4とを切り換えるスイッチS2とが備えられている。
【0092】
そして、偏差ΔPが不感帯内である場合(ΔP≦|a|)は、スイッチS1がポジションP2側になり、また、目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b未満であり(dPP /dt<b)、かつ、目標ポジションPP が所定値cと所定値dとの間である場合(c<PP <d)は、スイッチS2がポジションP3側になり、学習値の更新が行なわれる。
【0093】
一方、偏差ΔPが不感帯内でない場合(ΔP>|a|)は、スイッチS1がポジションP1側になり、ベーン55のポジションフィードバック制御を行なうべく、制御手段83により補正値が算出される。また、目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b以上である場合(dPP /dt≧b)、又は、目標ポジションPP が所定値cと所定値dとの間でない場合(PP ≦c,PP ≧d)は、スイッチS2がポジションP4側になり、固定デューティ値の補正は行なわない。
(学習制御時のオイルコントロールバルブ制御)
このような学習値更新条件が成立した場合に学習制御を行なうことになるが、本実施形態では、リアルタイム学習値KLRNR及びロングタイム学習値KLRNLを算出するために、学習手段82では積分制御(I制御)を行なうようにしている。そして、積分制御による積分係数Kiの変曲点Kitを検出し、変曲点Kitにおける積分係数Kiを平均化することによりスプール弁57の中立位置を予想するようにしている。
【0094】
これは、積分制御のマルチサインカーブの中心がスプール弁57の中立位置とほぼ一致することを利用するものである。
そして、積分制御のマルチサインカーブの中心における積分係数Kiにより固定デューティ値を補正すれば、スプール弁57の中立位置のずれを補正することができ、正確な位相角制御を行なえるようになる。
【0095】
このため、学習手段82には、積分係数Kiを算出する積分補正部82Aが備えられており、この積分補正部82Aにより求められる積分ゲインGiを加算又は減算することにより、所定時間毎に積分係数Kiが算出されるようになっている。
また、学習手段82には、固定デューティ値を補正する補正値を算出する固定デューティ補正値算出部82Bが備えられており、算出された補正値を制御手段83に出力するようになっている。
【0096】
さらに、制御手段83には、固定デューティ補正値算出部82Bにより算出された補正値を加算する演算部83Fが備えられており、この演算部83Fで、固定デューティ値設定手段80により設定された固定デューティ値に学習手段82の固定デューティ補正値算出部82Bにより算出された補正値を加算することにより駆動デューティ値を算出するようになっている。
【0097】
そして、この駆動デューティ値(固定デューティ値+積分係数Ki)に応じた電流がオイルコントロールバルブ50のコイル部分59に供給され、スプール弁57のストロークが調整されてアクチュエータ33のベーン55の位相角が調整されるようになっている。
ここで、積分補正部82Aは、上述の制御手段80の積分補正手段80Bによる積分係数Kiの算出と同様に、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPの方向により積分ゲインGiを加算又は減算することにより、所定時間毎に積分係数Kiを算出するものである。つまり、積分補正部82Aは、偏差ΔPが正の時は積分ゲインGiを加算することにより、負の時は積分ゲインGiを減算することにより積分係数Kiを算出するようになっている。
【0098】
この場合、目標ポジションPP は、ベーン55が所定のポジション(例えば、10deg程度)になるように設定される。なお、目標ポジションPP の設定については後述する。
(学習制御範囲の設定)
学習制御を行なう学習制御範囲の設定について説明する。
【0099】
まず、アクチュエータ33のベーン55の位相角制御について説明すると、ベーン55の位相角制御は、例えば図12に示すように、エンジン回転数Neに応じて設定される目標位相角(目標値)に基づいて行なわれる。
ベーン55の目標位相角は、図12に示すように、所定のエンジン回転数(例えば、5000rpm)以下では0°に設定されており、所定のエンジン回転数(例えば、5000rpm)以上では、正確な位相角制御が必要になるため目標位相角がエンジン回転数に応じて変化するように設定されている。
【0100】
このようにエンジン回転数Neが所定のエンジン回転数(例えば、5000rpm)以上の高い範囲では、わずかにエンジン回転数Neが変化した場合であっても目標位相角が変更されるため、誤学習のおそれがあり、また、目標位相角が一定に保たれないと学習が行なえないため学習機会も少ない。
一方、エンジン回転数Neが低い状態では、油圧が高まらないため、アクチュエータのレスポンスが良くないため、学習を行なうには適していない。
【0101】
そこで、図1に示すように、目標位相角の変動しないで学習機会が多く、かつ、安定した油圧が得られる領域で学習が行なわれるようにすべく、所定のエンジン回転数Neの範囲内(所定回転域:例えば、3000rpm〜5000rpm)を学習範囲として設定している。このようにして設定された範囲内で学習を行なうことにより、学習機会を確実に確保し、誤学習を確実に防止でき、適正な学習を行なうことができることになる。
【0102】
また、この学習範囲内では、ベーン55の目標位相角が所定の位相角(一定値:例えば10deg程度)になるように、目標値設定手段81により目標ポジションPP を設定し、この目標ポジションPP になるように、学習手段82により学習値を算出するための積分制御を行なうようにしている。
(学習値の演算)
このようにしてアクチュエータ33のベーン55の位相角を調整しながら、学習値の演算を行なう。
【0103】
学習手段82は、図13のタイムチャートに示すように、所定の演算タイミング毎に演算される積分係数Kiの変曲点Kitによりリアルタイム学習値KLRNRとして算出し、このリアルタイム学習値KLRNRからロングタイム学習値KLRNLを算出し、このロングタイム学習値KLRNLを学習値として設定する。なお、ロングタイム学習値KLRNLはバッテリバックアップされる。
【0104】
まず、リアルタイム学習値KLRNRの演算について説明する。
リアルタイム学習値KLRNRは、積分係数Kiの変曲点Kitを検出し、この変曲点Kitにおける積分係数Kiを平均化して算出される。ここでは、リアルタイム学習値KLRNRは、図13のタイムチャートに示すように、学習値更新条件成立した状態で、積分係数Kiの変曲点Kitを検出する毎に、次式(2)により求めるようにしている。
【0105】
LRNR(n)=〔Ki(m−1)+Ki(m)〕/2 ・・・(2)
ここで、変曲点Kitは、偏差ΔPの方向をサンプリングし、この方向が変化した場合に検出されるようになっている。
なお、図13中、KLRNR(n)は今回のリアルタイム学習値、KLRNR(n−1)は前回のリアルタイム学習値をそれぞれ示している。また、Ki(m)は今回の変曲点における積分係数、Ki(m−1)は前回の変曲点における積分係数、Ki(m−2)は前々回の変曲点における積分係数をそれぞれ示している。また、リアルタイム学習値KLRNRは、イグニッションスイッチがオンになった時に初期設定(1.0)とされる。
【0106】
一方、学習更新条件不成立の場合は、リアルタイム学習値KLRNRは前回算出されたものにホールドされる。
次に、ロングタイム学習値KLRNLの演算について説明する。
ロングタイム学習値KLRNLは、図13に示すように、学習値更新条件成立した場合、リアルタイム学習値更新タイミング毎に、次式(3)により求められる。
【0107】
LRNL(n)=[〔count(n)−1〕*KLRNL(n−1)+KLRNR(n) ]/count(n)・・・(3)
但し、count(n)は今回のロングタイム学習値更新回数である。また、count(n)には、イグニッションスイッチをオンにした後、ロングタイム学習値更新毎に、前回のcount(n-1)に1が加算される(count(n)=count(n-1)+1)。
【0108】
また、ロングタイム学習値更新回数は所定回数(例えば、50回)でクリップされる(count(n)≦50)。これは、初期のバラツキを考慮してロングタイム学習値KLRNLを学習値としているが、ロングタイム学習値更新回数が所定回数以上になった場合、学習値はほぼ一定値に収束してくると考えられるためである。
なお、KLRNL(n) は今回のロングタイム学習値、KLRNL(n−1)は前回のロングタイム学習値をそれぞれ示している。
【0109】
また、ロングタイム学習値KLRNLはバッテリバックアップされる。また、count(n)は、イグニッションスイッチをオンにした時、初期設定(0)とされる。また、バックアップ電源投入直後、初期設定(1.0)とされる。
一方、学習更新条件不成立の場合は、ロングタイム学習値KLRNLは、ホールドされる。
【0110】
ここで、この学習値演算制御について、図14のフローチャートを参照しながら、さらに具体的に説明する。なお、この学習値演算制御は、積分係数演算タイミング毎に実行される。
まず、ステップB10では、学習値更新条件判定手段84により学習制御開始条件が成立しているか否かを判定する。つまり、学習値更新条件判定手段84は、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPが不感帯内(ΔP≦|a|)であるか否かを判定し、目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b未満(dPP /dt<b)か否かを判定し、さらに、目標ポジションPP が所定値cと所定値dとの間であるか否か(c<PP <d)を判定する。
【0111】
この判定の結果、学習制御開始条件が成立している場合、即ち、偏差ΔPが不感帯内であり、目標ポジション変化量dPP /dtが所定変化量b未満であり、かつ、目標ポジションPP が所定値cと所定値dとの間である場合は、ステップB20に進み、ポジションフィードバック制御を禁止し、学習手段81の積分補正部81A及び固定デューティ補正値算出部82Bにより補正値としての積分係数Kiを算出して積分制御を行なうとともに、学習手段81により、ステップB30〜ステップB60のリアルタイム学習値KLRNRの演算処理を実行する。
【0112】
この学習手段81によるリアルタイム学習値KLRNRの演算は、まず、ステップB30で、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔPの方向(正方向か負方向か)をサンプリングしながら、ステップB40で所定時間毎に積分係数Kiを算出して更新する。
そして、ステップB50で、変曲点Kitを検出したか否かを判定し、変曲点Kitを検出した場合は、ステップB60に進み、リアルタイム学習値KLRNRを上述の式(2)により算出する。
【0113】
このようにしてリアルタイム学習値KLRNRを算出した後、学習手段82により、ステップB70,ステップB80のロングタイム学習値KLRNLの演算処理を実行する。
この学習手段82によるロングタイム学習値KLRNLの演算は、まず、ステップB70で、前回のロングタイム学習値更新回数count(n−1)に1を加算することにより今回のロングタイム学習値更新回数count(n)を算出してステップB80に進み、ロングタイム学習値KLRNLを上述の式(3)により算出する。
【0114】
そして、ステップB90で、ロングタイム学習値更新回数count(n)が所定回数(ここでは50回)であるか否かを判定し、所定回数(ここでは50回)である場合はステップB100に進み、ロングタイム学習値更新回数count(n)をクリップして、リターンする。
一方、ステップB90で、ロングタイム学習値更新回数count(n)が所定回数(ここでは50回)でないと判定された場合は、そのままリターンする。
【0115】
ところで、ステップB10で、学習値更新条件判定部84により学習制御開始条件が成立していないと判定された場合は、ステップB110に進み、リアルタイム学習値KLRNRをホールドし、さらにステップB120に進み、ロングタイム学習値KLRNLもホールドして、ステップB130に進む。
そして、ステップB130で、ホールドされたリアルタイム学習値KLRNR及びロングタイム学習値KLRNLに基づいて、制御手段83により補正値を設定してポジッションフィードバック制御を実行し、リターンする。
(スプール弁の駆動デューティ値の算出方法)
上述のように、ベーン55の位相角制御に際し、オイルコントロールバルブ50のスプール弁57のストロークはデューティ制御により調整される。つまり、ECU34により制御信号としての駆動デューティ値が算出され、スプール弁57のストロークは、この駆動デューティ値に対応する電流がオイルコントロールバルブ50のコイル部分59へ供給され、これにより、スプール弁57のストロークが調整されるようになっている。
【0116】
このデューティ制御における制御信号としての駆動デューティ値(駆動DUTY)の算出方法について、図15を参照しながら説明する。
図15に示すように、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔP(=PP −Pr )が0以上であり、かつ、不感帯内である場合、駆動デューティ値は、固定デューティ値(固定DUTY),学習値(ここではロングタイム学習値KLRNL),積分係数Kiとに基づいて、次式(4)により求められる。
【0117】
駆動DUTY=固定DUTY+学習値+Ki ・・・(4)
また、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔP(=PP −Pr )が0以上であり、かつ、不感帯外である場合、駆動デューティ値は、固定デューティ値,学習値,正方向デューティ値(正方向DUTY),積分係数Ki,微分係数Kdに基づいて、次式(5)により求められる。
【0118】
駆動DUTY=固定DUTY+学習値+正方向DUTY+Ki+Kd・・・(5)
また、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔP(=PP −Pr )が0未満であり、かつ、不感帯内である場合、駆動デューティ値は、固定デューティ値(固定DUTY),学習値,積分係数Kiとに基づいて、次式(6)により求められる。
【0119】
駆動DUTY=固定DUTY+学習値+Ki ・・・(6)
また、目標ポジションPP と実ポジションPr との偏差ΔP(=PP −Pr )が0未満であり、かつ、不感帯外である場合、駆動デューティ値は、固定デューティ値,学習値,負方向デューティ値(負方向DUTY),積分係数Ki,微分係数Kdに基づいて、次式(7)により求められる。
【0120】
駆動DUTY=固定DUTY+学習値−負方向DUTY+Ki−Kd・・・(7)
(オイルコントロールバルブ制御における制御動作の説明)
本実施形態にかかるオイルコントロールバルブの制御系は、上述のように構成されるため、例えば図16のフローチャートに示すように動作するようになっている。
【0121】
ここで、図16はオイルコントロールバルブ制御を示すフローチャートである。
まず、ステップA10では、ECU34の目標値設定手段34Aが、エンジンの運転状態、即ち、エンジン回転数センサ72からエンジン回転数Neを、圧力センサ71からインマニ圧(インテークマニホールド内の圧力)Pbをそれぞれ読み込み、ステップA20で、これらのエンジン回転数Ne,インマニ圧Pbから、マップにより、アクチュエータ33のベーン55の目標ポジションPP を読み込む。
【0122】
また、ステップA30で、ECU34が、アクチュエータ33に設けられたポジションセンサ70により検出されるベーン55の実ポジションPr を読み込む。
そして、ステップA40で、ECU34が、目標ポジションPP と実ポジションPr とから偏差ΔPを算出し、ステップA50に進む。
【0123】
ステップA50では、ECU34が、偏差ΔPが不感帯内であるか否かを判定し(ΔP≦|a|)、偏差ΔPが不感帯内でなく、目標ポジション変化量dPP /dtが不感帯内でない場合には、制御手段80により、偏差ΔPに応じた比例係数としての正方向デューティ又は負方向デューティ,積分係数Ki,微分係数Kdが算出され、これらにより固定デューティ値が補正されて駆動デューティ値が算出される。
【0124】
一方、偏差ΔPが不感帯内である場合は、学習手段81により、積分係数Kiが算出されるとともに、ロングタイム学習値KLRNLが更新され、ステップA60で、これらに基づいて固定デューディ値が補正されてオイルコントロールバルブ50の駆動デューティ値が算出され、ステップA70で、駆動デューティ値に応じた電流をオイルコントロールバルブ50のコイル部分59に供給され、オイルコントロールバルブ50が駆動される。
【0125】
本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構は、上述のように構成されているので、このような可変動弁機構をそなえた内燃機関では、偏心位置調整機構30を通じて、コントロールディスク14の回転位相を調整しながら、バルブの開度特性が制御される。
つまり、ECU34において、エンジン回転数情報,吸気量情報(AFS情報)等に基づき、エンジンの回転速度や負荷状態に応じたコントロールディスク14の回転位相を設定して、ポジションセンサ70の検出信号に基づいて、コントロールディスク14の実際の回転位相が設定された状態になるように、アクチュエータ33の作動制御を通じてコントロールディスク14を駆動する。
【0126】
そして、このECU34によるアクチュエータ33の作動制御を通じて、偏心部15を回動させて位相角度を調整し、係合ディスク16の回転中心(第2回転中心軸線)O2 を変位させながら、例えばエンジンの回転速度やエンジンの負荷が高くなるほど、図5の曲線VL1に近づけるようにしてバルブ開放期間を長くしていき、逆に、エンジンの回転速度やエンジンの負荷が低くなるほど、図5の曲線VL2に近づけるようにしてバルブ開放期間を短くしていく。
【0127】
このようにして、エンジンの運転状態に応じてコントロールディスク14の回転位相(位置)を制御しながら、エンジンの運転状態に適したバルブ駆動を行なえるようになる。特に、バルブの開弁角特性は、連続的に調整することができるので、常にエンジンの運転状態に最適の特性でバルブ駆動を行なえるようになるのである。
特に、本可変動弁機構では、学習手段81により、スプール弁57の中立位置を学習する学習制御が行なわれるため、オイルコントロールバルブ50,スプール弁57,スプリング58等の製作誤差がある場合であっても、スプール弁57のストローク制御が正確に行なわれる。
【0128】
したがって、本可変動弁装置によれば、低コストのベーン55を備えるアクチュエータ33を用いた場合でも、スプール弁57の中立位置のずれを学習しながら制御することで、オイルコントロールバルブ50,スプール弁57,スプリング58等の製作誤差等を補償しながら、ベーン55の正確な位相角制御を行なうことができ、これにより、高精度な弁特性を得ることができるという利点がある。
【0129】
また、簡素な制御でアクチュエータ33のベーン55を所定位置に保持するスプール弁57の中立位置に対応する正確な学習値を算出することができるという利点もある。
また、ベーン55の位相角制御がほとんど行なわれず、安定している時期に学習が行なわれるため、誤学習を防止できるという利点もある。
【0130】
なお、本実施形態の可変動弁装置では、学習手段81の積分補正部81Aにより積分制御を行ないながら、学習値を算出する学習制御を行なうようにしているが、学習値を算出する際の制御は積分制御に限られるものではない。
また、本実施形態の可変動弁装置では、まずリアルタイム学習値KLRNRを算出し、次いでリアルタイム学習値KLRNRに基づいてロングタイム学習値KLRNLを算出して、このロングタイム学習値KLRNLを学習値としているが、リアルタイム学習値KLRNRのみを算出して、このリアルタイム学習値KLRNRをそのまま学習値としてもよい。
【0131】
また、本実施形態の可変動弁装置では、ベーン55のポジションフィードバック制御をPID制御により行なうようにしているが、これに限られるものではなく、PI制御等であってもよい。
【0132】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の可変動弁装置によれば、可変動弁装置において、学習機会を確実に確保できるとともに誤学習を防止でき、これにより、安定したアクチュエータの駆動制御が可能となり、高精度な弁特性を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる可変動弁装置の位相角制御における学習範囲を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の要部縦断面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構における不等速継手を示す断面図 あり、図3のA−A矢視断面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の不等速機構についての作動特性を説明する特性図であり、(a1)〜(a5)は高速時の作動状態を示し、(b1)〜(b5)は低速時の作動状態を示す。
【図6】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の偏心位置調整の動力伝達経路を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構の偏心位置調整機構のアクチュエータを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のアクチュエータの制御装置を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のオイルコントロールバルブの固定デューティ値を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のアクチュエータの制御系を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のアクチュエータの位相角制御を説明するための図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のアクチュエータの制御における学習値の算出方法を説明するためのタイムチャートである。
【図14】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のオイルコントロールバルブ制御における学習値演算制御を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のアクチュエータの駆動デューティ値の算出方法を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施形態にかかる可変動弁機構のオイルコントロールバルブの駆動制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
33 アクチュエータ
34 ECU
50 オイルコントロールバルブ
55 ベーン
57 スプール弁(制御弁)
70 ポジションセンサ(実位相差検出手段)
71 圧力センサ
72 エンジン回転数センサ
73 バッテリセンサ
80 制御手段
80A 比例補正手段
80B 積分補正手段
80C 微分補正手段
81 学習手段
81A 積分補正部
82 目標値設定手段
82A 積分補正部
82B 固定デューティ補正値算出部
83 固定デューティ値設定手段
83A 比例補正手段
83B 積分補正手段
83C 微分補正手段
84 学習値更新条件判定手段

Claims (1)

  1. 内燃機関のクランク軸からの回転力により回転駆動されるカムシャフトと、
    吸気弁又は排気弁を駆動するカム部を有し該カムシャフトに相対回転可能に設けられたカムローブと、
    該カムシャフトと該カムローブとの間に介装され該内燃機関の運転状態に応じて該カムシャフトに対する該カムローブの回転位相差を変化させる位相調整機構と、
    油室及び該油室を区画するベーン部材を有し制御弁を通じて該油室にオイルを供給することで該ベーン部材を回転駆動させることで該位相調整機構を駆動するアクチュエータと、
    該制御弁の中立位置を学習する学習手段と、
    少なくとも回転数に基づいて設定された目標値及び該学習手段による学習によって算出された学習値により制御値を設定し該アクチュエータに出力する制御手段とを有し、
    該目標値は所定回転域で一定値に設定されており、該学習手段は該目標値が一定値に設定された該所定回転域でのみ学習を行なうことを特徴とする、可変動弁装置。
JP22952297A 1997-08-26 1997-08-26 可変動弁装置 Expired - Fee Related JP3758328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22952297A JP3758328B2 (ja) 1997-08-26 1997-08-26 可変動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22952297A JP3758328B2 (ja) 1997-08-26 1997-08-26 可変動弁装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1162641A JPH1162641A (ja) 1999-03-05
JP3758328B2 true JP3758328B2 (ja) 2006-03-22

Family

ID=16893495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22952297A Expired - Fee Related JP3758328B2 (ja) 1997-08-26 1997-08-26 可変動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3758328B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7739987B2 (en) 2008-03-28 2010-06-22 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Variable valve gear for an internal combustion engine

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4353249B2 (ja) * 2007-01-19 2009-10-28 トヨタ自動車株式会社 油圧アクチュエータ制御装置
JP4616295B2 (ja) * 2007-02-22 2011-01-19 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の可変式動弁機構
JP5598444B2 (ja) * 2011-08-08 2014-10-01 株式会社デンソー 電動バルブタイミング可変装置
JP2021139461A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 ナブテスコ株式会社 状態推定装置、制御弁、状態推定プログラム、および状態推定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7739987B2 (en) 2008-03-28 2010-06-22 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Variable valve gear for an internal combustion engine

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1162641A (ja) 1999-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4776447B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US6425357B2 (en) Variable valve drive mechanism and intake air amount control apparatus of internal combustion engine
US5992361A (en) Variable valve timing mechanism
JP3899576B2 (ja) 可変動弁機構及び可変動弁機構付き内燃機関
US6612274B2 (en) Variable valve control apparatus for internal combustion engine and method thereof
JP3757568B2 (ja) 可変動弁装置
JP3758328B2 (ja) 可変動弁装置
JP5290821B2 (ja) 車両用電動アクチュエータ機構の制御装置
JP4108386B2 (ja) エンジンの燃料噴射装置
JP2001280167A (ja) 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
JP4194445B2 (ja) 可変バルブリフト機構の制御装置
EP1306528B1 (en) Variable valve control apparatus for engine and method thereof
JP4484337B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4330939B2 (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP5695128B2 (ja) 車両用電動アクチュエータ機構の制御装置
JP4359672B2 (ja) 内燃機関の可変動弁制御装置
JP2001263105A (ja) 内燃機関の吸気弁駆動制御装置
JP3826993B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の油圧制御装置
JP2001254639A (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
JP5119180B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2005214168A (ja) 内燃機関の可変動弁制御装置
JP4188629B2 (ja) エンジンの吸気制御装置
JP5020339B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3832014B2 (ja) 可変動弁機構
JP2008223774A (ja) 可変バルブリフト機構の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051226

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140113

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees