JP4186535B2 - 多気筒内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒内燃機関の制御装置に関し、特にアクチュエータによりシャフトをその軸方向に変位させることで各気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備える多気筒内燃機関に採用されてその出力特性を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記タイプの可変動弁機構としては、例えば特開2001―263015号公報に記載のものがある。この可変動弁機構は、カムシャフトに設けられたカムによる入力部の押圧に応じて揺動される揺動カムにて間接的に機関バルブを駆動する仲介駆動機構を備えている。この仲介駆動機構は、カムシャフトとは異なる軸として軸支されるコントロールシャフトのスライド操作に応じて上記入力部と揺動カムとの相対位相が変更される構造となっている。そして、この変更される入力部と揺動カムとの位相差に応じて、上記カムシャフトに連結されたカムのカムノーズに対する揺動カムの揺動量、すなわち機関バルブの開弁量(リフト量)が連続的に可変とされる。
【0003】
こうした可変動弁機構によれば、アクチュエータにより一本のシャフトをその軸方向に連続的に変位させることで機関バルブのバルブ特性(リフト量)を連続的に可変とすることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記可変動弁機構にあっては、機関の暖機状態に応じて上記コントロールシャフトが熱膨張の影響を受け、その軸長が変化する傾向にある。このため、この可変動弁機構が多気筒内燃機関に採用される場合には、該コントロールシャフトの軸長の変化に起因して、各気筒間でバルブ特性にばらつきが生じることとなる。そして、このように各気筒間でバルブ特性にばらつきが生じる場合、多気筒内燃機関としての気筒間でのトルク特性や排気ガス特性等、その出力特性自体のばらつきが無視できないものとなる。
【0005】
なお、上記仲介駆動機構を有する可変動弁機構に限らず、シャフトをその軸方向に変位させることで各気筒の機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備える多気筒内燃機関にあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シャフトをその軸方向に変位させることで各気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性を可変とする機構を備えた多気筒内燃機関にあって、シャフト長の変化に起因する各気筒間での出力特性のばらつきを好適に抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1記載の発明は、複数の気筒にまたがり気筒配列方向に沿う態様で配置されるシャフトについて、これをアクチュエータにより軸方向に変位させることで複数の気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性であるバルブリフト量またはバルブ作用角を可変とする可変動弁機構を備える多気筒内燃機関において、その出力特性である排気ガス特性または出力トルクの制御にかかる出力特性操作量を操作する多気筒内燃機関の制御装置であって、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いを監視し、この熱膨張度合いの違いに応じて前記出力特性操作量を気筒毎に各別に設定する制御手段を備えることを要旨としている。
【0008】
上記構成では、出力特性(排気ガス特性または出力トルク)の制御にかかる操作量が、監視するシャフトの熱膨張度合いに応じて複数の気筒の各気筒毎に各別に設定される。このため、シャフトの熱膨張度合いによってバルブ特性(バルブリフト量またはバルブ作用角)に生じる各気筒間でのばらつきを抑制するように上記制御にかかる操作量を各気筒毎に各別に設定することができる。これにより、シャフト長の変化に起因する各気筒間での出力特性のばらつきを好適に抑制することができるようになる。
【0009】
なお、上記制御手段を、出力特性の制御にかかる操作量についてその基本となるベース値を算出する手段と、監視する熱膨張度合いに応じて複数の気筒の各気筒毎に各別に上記ベース値を補正する手段とを備えて構成するようにしてもよい。
【0010】
このようにベース値を補正して操作量を設定することで、熱膨張度合いに基づいて(他のパラメータとともに)操作量を直接算出する場合と比較して、その算出処理にかかるデータ量等を低減することができる。
【0011】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合の違いに起因して生じる各気筒間での出力特性の差について、これを小さくする態様で前記気筒毎の出力特性操作量を設定することを要旨としている。
【0012】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いとして、前記シャフトにおいて一の気筒に対応する一の部位の熱膨張度合いと前記シャフトにおいて他の気筒に対応する他の部位の熱膨張度合いとの違いを監視し、前記一の部位の熱膨張度合いと前記他の部位の熱膨張度合いとが互いに異なるとき、前記気筒毎の出力特性操作量の設定として、前記一の気筒及び前記他の気筒の出力特性操作量を各別に設定することを要旨としている。
【0013】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、互いに異なる前記シャフトの熱膨張状態をそれぞれ第1熱膨張状態及び第2熱膨張状態とし、前記シャフトにおいて一の気筒に対応する一の部位について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該一の部位の熱膨張度合いの違いを第1の熱膨張度合いとし、前記シャフトにおいて他の気筒に対応する他の部位について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該他の部位の熱膨張度合いの違いを第2の熱膨張度合いとして、これら第1の熱膨張度合い及び第2の熱膨張度合いの違いを前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いとして監視することを要旨としている。
【0014】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、前記シャフトにおいて各気筒に対応する部位に設けられた複数の係止体について、この係止体と気筒との位置関係を前記アクチュエータによる前記シャフトの移動を通じて変更することにより各気筒のバルブリフト量またはバルブ作用角を変更するものであり、前記制御手段は、前記一の部位に設けられた係止体とこれに対応する気筒との位置関係について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該位置関係の違いを前記第1の熱膨張度合いとし、前記他の部位に設けられた係止体とこれに対応する気筒との位置関係について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該位置関係の違いを第2の熱膨張度合いとして、これら第1の熱膨張度合い及び第2の熱膨張度合いの違いを前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いとして監視することを要旨としている。
【0015】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、内燃機関の暖機状態を通じて把握される前記シャフトの暖機状態に基づいて、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いを監視することを要旨としている。
【0016】
シャフトはそれ自身の暖機状態に応じて熱膨張する。そして、このシャフトの暖機状態は、当該機関の暖機態様を通じて把握することができる。この点、上記発明によれば、当該機関の暖機態様に基づいて、シャフトの熱膨張度合いを的確且つ簡易に監視することができるようになる。
【0017】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、前記出力特性操作量として燃料噴射量及び点火時期の少なくとも一方を操作するものであり、この操作量を前記熱膨張度合いの違いに応じて気筒毎に各別に設定するものであることを要旨としている。
【0018】
上記発明によれば、上記出力特性としての当該機関の出力トルクや排気ガス特性等の各気筒間でのばらつきを好適に抑制することができるようになる。すなわち、出力トルクのばらつきは、例えば点火時期を監視するシャフトの熱膨張度合いに応じて各気筒毎に各別に設定することで好適に抑制することができる。また、排気ガス特性のばらつきは、例えば燃料噴射量を監視するシャフトの熱膨張度合いに応じて各気筒毎に各別に設定することで好適に抑制することができる。
【0021】
(8)請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いに起因して生じる各気筒間でのバルブリフト量またはバルブ作用角のずれ量が所定の暖機状態において最小となるものであり、前記制御手段は、内燃機関の暖機状態が前記所定の暖機状態以外のときに前記熱膨張度合いの違いの監視に基づく気筒毎の出力特性操作量の設定を行うものであることを要旨としている。
【0022】
上記構成では、当該機関の所定の暖機状態においてバルブ特性の各気筒間で生じるばらつきが最小となるように設定されている。このため、所定の暖機状態においては、シャフトの熱膨張度合いにより各気筒のバルブ特性にばらつきが生じるという問題を、何ら特別な制御によることなく機械的に抑制又は回避することができる。
【0023】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、前記所定の暖機状態からのバルブリフト量またはバルブ作用角のずれ量が前記アクチュエータに近い気筒ほど小さくなるものであることを要旨としている。
【0024】
上記構成では、所定の暖機状態からのバルブ特性のずれ量がアクチュエータに近い側ほど低減されるように設定される。このため、バルブ特性の制御に際して、当該機関の任意の運転状態においてアクチュエータに最も近接した機関バルブを基準とすることができ、ひいては、バルブ特性の制御にかかる処理の簡易化やアクチュエータの小型化を図ることができるようになる。
【0025】
すなわち、任意の運転状態においてアクチュエータに最も近接した機関バルブを基準とする場合、シャフトのうちアクチュエータ近傍の変位量を検出することによりバルブ特性を把握すると、その制御にかかる処理が簡易化される。そして、シャフトのうちアクチュエータ近傍の変位量を検出する場合には、この検出手段のゼロ点補正を簡易に行うことが可能となる。したがって、シャフトの熱膨張度合いによる当該機関の完全暖機状態と冷間時とのバルブ特性のずれ量がアクチュエータ側ほど低減されるように設定することで、バルブ特性の制御にかかる処理の簡易化が可能となる。なお、この効果は、当該可変動弁機構がシャフトその軸方向に連続的に変位させることで、複数の気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性を連続的に可変とするものであるときに、いっそう好適に奏されることとなる。
【0026】
また、バルブ特性の制御に際して、当該機関の任意の運転状態においてアクチュエータに最も近接した機関バルブを基準とすることができる場合、アクチュエータによるシャフトの変位量を、この最も近接した機関バルブのバルブ特性を可変とするための変位量に限定することができる。このため、アクチュエータの小型化を図ることができる。
【0027】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記制御手段は、内燃機関の完全暖機状態を前記所定の暖機状態として、内燃機関の暖機状態が完全暖機状態となる以前に前記熱膨張度合いの違いの監視に基づく気筒毎の出力特性操作量の設定を行うものであることを要旨としている。
【0028】
上記構成によれば、内燃機関の通常運転時である完全暖機状態において、シャフトの熱膨張度合いにより各気筒のバルブ特性にばらつきが生じるという問題を、抑制又は回避することができる。
【0029】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、内燃機関の完全暖機状態と冷間状態との間におけるバルブリフト量またはバルブ作用角のずれ量が前記アクチュエータに近い気筒ほど小さくなるものであることを要旨としている。
【0030】
上記構成では、当該機関の完全暖機状態と冷間時とのバルブ特性のずれ量がアクチュエータに近い側ほど低減されるように設定される。このため、バルブ特性の制御に際して、当該機関の任意の運転状態においてアクチュエータに最も近接した機関バルブを基準とすることができ、ひいては、バルブ特性の制御にかかる処理の簡易化やアクチュエータの小型化を図ることができるようになる。
【0031】
すなわち、任意の運転状態においてアクチュエータに最も近接した機関バルブを基準とする場合、シャフトのうちアクチュエータ近傍の変位量を検出することによりバルブ特性を把握すると、その制御にかかる処理が簡易化される。そして、シャフトのうちアクチュエータ近傍の変位量を検出する場合には、この検出手段のゼロ点補正を簡易に行うことが可能となる。したがって、シャフトの熱膨張度合いによる当該機関の完全暖機状態と冷間時とのバルブ特性のずれ量がアクチュエータ側ほど低減されるように設定することで、バルブ特性の制御にかかる処理の簡易化が可能となる。なお、この効果は、当該可変動弁機構がシャフトその軸方向に連続的に変位させることで、複数の気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性を連続的に可変とするものであるときに、いっそう好適に奏されることとなる。
【0032】
また、バルブ特性の制御に際して、当該機関の任意の運転状態においてアクチュエータに最も近接した機関バルブを基準とすることができる場合、アクチュエータによるシャフトの変位量を、この最も近接した機関バルブのバルブ特性を可変とするための変位量に限定することができる。このため、アクチュエータの小型化を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる多気筒内燃機関の制御装置をバルブリフト量可変機構を備える多気筒内燃機関の制御装置に適用した一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図1に、本実施形態にかかるバルブ特性制御装置の全体構成を示す。
同図1に示されるように、内燃機関10は、4つの気筒11を備える4気筒のガソリンエンジンとして構成されている。この内燃機関10には、図2に示されるように、その各気筒11に新気(空気)を供給する吸気通路3が接続されている。詳しくは、この吸気通路3には、燃料の噴射量を制御する燃料噴射弁4が備えられており、これにより、吸気通路3内で空気と上記燃料噴射弁4から吐出される燃料との混合気が各気筒11に供給されることとなる。そして、これら各気筒11に供給された混合気は、点火プラグ5により着火され、燃焼に供されることとなる。そして、この燃焼によって生成される排気ガス(燃焼に供された混合気)は、内燃機関10に接続されている排気通路6に排出される。また、この排気通路6の下流には、3元触媒の内蔵された触媒コンバータ7が接続されている。
【0035】
更に、この内燃機関10には、冷却通路8が接続されており、これから内燃機関10に冷却水が供給される。そして、この冷却通路8には、内燃機関10の機関出力によって駆動されるウォータポンプWPが設けられおり、このウォータポンプWPによって冷却水は内燃機関10を循環する。また、この冷却通路8には、冷却水温が所定の温度以上となると内燃機関10及びラジエータ9間での冷却水の流通を許容する弁を機械的に開弁するサーモスタットTVが設けられている。そして、これにより、内燃機関10を循環する冷却水のうち、同内燃機関10を冷却するラジエータ9を循環する循環量が機械的に制御される。
【0036】
上記気筒11上は、先の図1に示すように、シリンダヘッド12に覆われている。そして、シリンダヘッド12上には、吸気バルブを駆動する吸気カム13aの設けられた吸気カムシャフト13と排気バルブを駆動する排気カムの設けられた排気カムシャフト14とが備えられている。そして、これら吸気カムシャフト13と排気カムシャフト14とは、内燃機関10の出力軸としてのクランクシャフト15と駆動連結されている。
【0037】
また、内燃機関10には、バルブリフト量可変機構が備えられている。このバルブリフト量可変機構は、仲介駆動機構20や、リフト量可変アクチュエータ30、同リフト量可変アクチュエータ30を駆動するオイルコントロールバルブOCVを備えて構成されるものである。
【0038】
一方、電子制御装置(図中、ECU)50は、内燃機関10の各箇所の状態を検出するセンサの検出値を取り込んで、上記燃料噴射弁4や点火プラグ5等、同内燃機関10の各箇所を制御するものである。このセンサとしては、内燃機関10の回転速度を検出する回転速度センサ51や、内燃機関10の吸入空気量を検出するエアフローメータ52、内燃機関10の冷却水温を検出する水温センサ53等がある。
【0039】
次に、上記バルブリフト量可変機構について説明する。
図3(a)は、バルブリフト量可変機構の備える仲介駆動機構20の構成を示す斜視図である。
【0040】
この仲介駆動機構20は、中央に設けられた入力部21、左に設けられた第1揺動カム22(出力部)及び右に設けられた第2揺動カム23(出力部)を備えている。これら入力部21のハウジング21h及び揺動カム22,23の各ハウジング22h,23hはそれぞれ外径が同じ円柱状をなしている。ちなみに、この図3(a)では、ここでは、入力部21及び第1揺動カム22及び第2揺動カム23を軸位置にて水平に切断して上部半分を取り除き、内部を示している。
【0041】
ここで、入力部21のハウジング21hの内部には、その軸方向に空間が形成され、この空間の内周面には軸方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン21sが形成されている。また外周面からは2つのアーム21a,21bが平行に突出して形成されている。これらアーム21a,21bの先端には、アーム21a,21b間にシャフト21tが掛け渡されている。このシャフト21tはハウジング21hの軸方向と平行であり、ローラ21rが回転可能に取り付けられている。
【0042】
また、第1揺動カム22のハウジング22hの内部には、その軸方向に空間が形成され、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン22sが形成されている。そして、第1揺動カム22の外周面からは略三角形状のノーズ22nが突出して形成されている。
【0043】
一方、第2揺動カム23のハウジング23hの内部には、その軸方向に空間が形成され、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン23sが形成されている。そして、第2揺動カム23の外周面からは略三角形状のノーズ23nが突出して形成されている。
【0044】
これら第1揺動カム22及び第2揺動カム23は、入力部21の両端から各端面を同軸上で接触させるように配置されている。そして、入力部21及び第1揺動カム22及び第2揺動カム23から構成される内部空間には、スライダギア24が配置されている。
【0045】
ここでスライダギア24は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン24aが形成されている。そして、この入力用ヘリカルスプライン24aの左側端部には小径部24bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン24cが形成されている。また、入力用ヘリカルスプライン24aの右側端部には小径部24dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン24eが形成されている。
【0046】
図示するごとく、スライダギア24の内で、入力用ヘリカルスプライン24aは入力部21内部のヘリカルスプライン21sに噛み合わされている。また第1出力用ヘリカルスプライン24cは第1揺動カム22内部のヘリカルスプライン22sに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン24eは第2揺動カム23内部のヘリカルスプライン23sに噛み合わされている。
【0047】
スライダギア24の内部には中心軸方向に貫通孔24fが形成されている。そして一方の小径部24dには貫通孔24fを外周面に開放するための長孔24gが形成されている。この長孔24gは周方向に長く形成されている。
【0048】
このスライダギア24の貫通孔24f内には図3(a)にその一部を示すように支持パイプ26が周方向に摺動可能に配置されている。この支持パイプ26は、先の図1に示したごとく、すべての仲介駆動機構20に共通の1本が設けられている。
【0049】
更に、支持パイプ26内には、軸方向に摺動可能にコントロールシャフト(シャフト)27が貫通している。このコントロールシャフト27も支持パイプ26と同様にすべての仲介駆動機構20に共通の1本が設けられている。
【0050】
コントロールシャフト27には、図3(b)に示すように、各仲介駆動機構20毎に係止ピン27aが突出している。そして、この係止ピン27aは支持パイプ26に形成されている軸方向の長孔26aを貫通して形成されている。ここで、コントロールシャフト27の係止ピン27aは、支持パイプ26の軸方向の長孔26aを貫通すると共に、図3(a)に示すようにスライダギア24に形成された周方向の長孔24g内にも先端が挿入されている。
【0051】
そして、支持パイプ26に形成された軸方向の長孔26aにより、コントロールシャフト27の係止ピン27aは、支持パイプ26がシリンダヘッド12に対して固定されていても、軸方向に移動することでスライダギア24を軸方向に移動させることができる。更に、スライダギア24自体は、周方向の長孔24gにて係止ピン27aに係止していることにより、係止ピン27aにて軸方向の位置は決定されるが軸周りについては揺動可能となっている。
【0052】
このように構成された各仲介駆動機構20は、先の図1に示したごとく、その端部側にてシリンダヘッド12に形成された立壁部16,17に挟まれて、軸周りには揺動可能であるが軸方向に移動するのが阻止されている。この立壁部16,17には、孔が形成され支持パイプ26を貫通させ固定している。したがって支持パイプ26はシリンダヘッド12に対しては固定されて軸方向に移動したり回転したりすることはない。
【0053】
また、支持パイプ26内のコントロールシャフト27は支持パイプ26内を軸方向に摺動可能に貫通し、一端側にてリフト量可変アクチュエータ30に連結されている。このリフト量可変アクチュエータ30によりコントロールシャフト27の軸方向の変位が調整可能とされている。
【0054】
図4に、このリフト量可変アクチュエータ30及びオイルコントロールバルブOCVの構成を示す。
図4に示すように、このリフト量可変アクチュエータ30は、円筒状のシリンダチューブ31と、同シリンダチューブ31内に設けられ、上記コントロールシャフト27に連結されたピストン32とを備えて構成されている。このピストン32は、シリンダチューブの内部空間を第1圧力室33及び第2圧力室34に区画する。そして、第1圧力室33及び第2圧力室34は、それぞれ第1給排通路36及び第2給排通路37を介してオイルコントロールバルブOCVと接続されている。
【0055】
このオイルコントロールバルブOCVによって第1圧力室33や第2圧力室34に選択的に作動油を供給することで、ピストン32を変位させることができ、これによりコントロールシャフト27もその軸方向に変位することとなる。そして、このようにコントロールシャフト27を軸方向に変位させることで、吸気バルブのバルブリフト量を可変制御することが可能となる。
【0056】
また、上記バルブリフト量は、本実施形態では、リフト量センサ54によってこのコントロールシャフト27の軸方向の変位量を検出することで把握するようにしている。そして、このリフト量センサ54の検出値については、コントロールシャフト27が図4のR方向に最大限変位された状態、換言すれば、リフト量可変アクチュエータ30のピストン32を第2圧力室34側に最も変位させた状態をゼロ点(基準点)として、逐次ゼロ点補正を行うようにする。このゼロ点補正とは、リフト量可変アクチュエータ30のピストン32を第2圧力室34側に最も変位させた状態におけるリフト量センサ54の検出値によって、上記電子制御装置50内でゼロ点として認識するリフト量センサ54の検出値を逐次更新する処理のことをいう。これは、リフト量センサ54の特性が変化することなどに鑑みてなされるものであり、このようにゼロ点補正をすることでコントロールシャフト27の変位にかかる検出の精度の向上を図る。
【0057】
なお、こうしたゼロ点補正を簡易に行うべく、本実施形態では、図4に示すように、コントロールシャフト27のリフト量可変アクチュエータ30近傍についての軸線方向への変位位置をリフト量センサ54によって検出するようにしている。すなわち、コントロールシャフト27のリフト量可変アクチュエータ30近傍の変位を検出することで、コントロールシャフト27の膨張度合いなどの影響を極力排除することができるため、同膨張度合いを考慮するなどの余分な処理をすることなくゼロ点補正を行うことができるようになる。
【0058】
次に、上記コントロールシャフト27を変位させることで行われるバルブリフト量の可変制御態様について説明する。
図5に、上記仲介駆動機構20及びその周辺部の側面の構成を示す。図5(a)に示すように、吸気カムシャフト13に設けられた吸気カム13aは仲介駆動機構20の入力部21と接触して配置されている。そして、仲介駆動機構20の第2揺動カム23は、ロッカーアーム1に回転可能に取り付けられたローラ1aと接触している。また、吸気バルブ2は、ロッカーアーム1によって押し下げられる位置に配置されている。なお、ここでは第2揺動カム23のみを示しているが、第1揺動カム22についてもここでは図示しない別の吸気バルブに対応して同様な態様にて設けられている。以下、この明細書においては、吸気バルブ2の開閉動作を第2揺動カム23から駆動力を得る吸気バルブを例として説明する。
【0059】
この図5は、リフト量可変アクチュエータ30のピストン32を先の図3(a)に示したF方向へ最大限移動させた場合の仲介駆動機構20の状態を示している。
【0060】
ここで、図5(a)では、吸気カム13aのベース円部分(ノーズ13bを除いた部分)が、仲介駆動機構20における入力部21のローラ21rに接触している。このとき、第2揺動カム23のノーズ23nはロッカーアーム1のローラ1aには接触しておらず、ノーズ23nに隣接したベース円部分が接触している。このため、吸気バルブ2はスプリング2bによる閉弁側への付勢力によって閉弁状態にある。
【0061】
吸気カムシャフト13が回転して吸気カム13aのノーズ13bが入力部21のローラ21rを押し下げると、仲介駆動機構20内では入力部21からスライダギア24を介して第2揺動カム23に揺動が伝達されて、第2揺動カム23はノーズ23nを押し下げるように揺動する。これによりノーズ23nに設けられた湾曲状のカム面23eが直ちにロッカーアーム1のローラ1aに接触して、図5(b)に示すごとく、カム面23eの全範囲を使用してロッカーアーム1のローラ1aを押し下げる。これにより、ロッカーアーム1は基端部1c側を中心に揺動し、ロッカーアーム1の先端部1dは大きく吸気バルブ2のステムエンド2aを押し下げる。こうして吸気バルブ2は最大のリフト量にて駆動される。
【0062】
図6はリフト量可変アクチュエータ30のピストン32を図5の状態から先の図3(a)に示すR方向へ少し移動させた場合の仲介駆動機構20の状態を示している。
【0063】
図6(a)では吸気カム13aのベース円部分が、仲介駆動機構20における入力部21のローラ21rに接触している。このとき、第2揺動カム23のノーズ23nはロッカーアーム1のローラ1aには接触しておらず、このため、吸気バルブ2はスプリング2bによる閉弁側への付勢力によって閉弁状態にある。しかもこのとき、第2揺動カム23はローラ1aと、図5の場合に比較して少しノーズ23nから離れたベース円部分が接触している。これは仲介駆動機構20内でスライダギア24が少しR方向に移動したため、入力部21のローラ21rと第2揺動カム23のノーズ23nとの位相が小さくなったためである。
【0064】
吸気カムシャフト13が回転して吸気カム13aのノーズ13bが入力部21のローラ21rを押し下げると、仲介駆動機構20内では入力部21からスライダギア24を介して第2揺動カム23に揺動が伝達されて、第2揺動カム23はノーズ23nを押し下げるように揺動する。
【0065】
上述したごとく、図6(a)の状態ではロッカーアーム1のローラ1aはノーズ23nから離れたベース円部分が接触している。このため、第2揺動カム23が揺動しても、しばらくはロッカーアーム1のローラ1aはノーズ23nに設けられた湾曲状のカム面23eに接触することなくベース円部分に接触した状態を継続する。その後、湾曲状のカム面23eがローラ1aに接触して、図6(b)に示すごとくロッカーアーム1のローラ1aを押し下げる。これにより、ロッカーアーム1は基端部1cを中心に揺動する。しかし、ロッカーアーム1のローラ1aが当初、ノーズ23nから離れている分、カム面23eの使用範囲は少なくなってロッカーアーム1の揺動角度は小さくなり、ロッカーアーム1の先端部1dによるステムエンド2aの押し下げ量、すなわちリフト量は少なくなる。こうして吸気バルブ2は最大量よりも小さいリフト量にて駆動される。
【0066】
次に、上記コントロールシャフト27の熱膨張を考慮した本実施形態の可変動弁機構の設定について図7に基づいて説明する。
本実施形態においては、コントロールシャフト27の変位によって定まる各気筒11の各吸気バルブ2の各リフト量が、完全暖機状態において互いに等しくなるように設定されている。ここで、「完全暖機状態」とは、内燃機関10を流通する冷却水の温度が所定の温度領域となることである。詳しくは、この所定の温度領域とは、先の図2に示したサーモスタットTVが機械的に開弁され、このサーモスタットTVの開弁量の変化によって冷却水温が調整される温度領域のことである。
【0067】
更に、本実施形態では、図7に示すように、コントロールシャフト27の熱膨張度合いによる当該機関の完全暖機状態と冷間時とのリフト量のずれ量がリフト量可変アクチュエータ30に近い側ほど低減されるように設定する。すなわち、本実施形態では、コントロールシャフト27が冷間時(図7(b))に収縮したとき、各気筒11に対応する係止ピン27aの完全暖機状態(図7(a))に対するずれ量が、リフト量可変アクチュエータ30に近い側ほど低減されるように設定する。これにより、図7(c)にコントロールシャフト27を先の図3に示したF方向へ最大限変位させた場合について模式的に示すように、各気筒11の吸気バルブ2のリフト量は、リフト量可変アクチュエータ30から離れるほど減少することとなる。
【0068】
こうした設定にすることで、リフト量の制御に際して、当該機関の任意の運転状態においてリフト量可変アクチュエータ30に最も近接した吸気バルブ2を基準とすることが容易となり、これにより、リフト量の制御にかかる処理の簡易化やアクチュエータの小型化を図る。
【0069】
すなわち、任意の運転状態においてリフト量可変アクチュエータ30に最も近接した吸気バルブ2を基準とする場合、コントロールシャフト27のうちリフト量可変アクチュエータ30近傍の変位量を検出することによりリフト量を把握すると、その制御にかかる処理が簡易化される。そして、上述したように、コントロールシャフト27のうちリフト量可変アクチュエータ30近傍の変位量を検出する場合には、ゼロ点補正を簡易に行うことが可能となる。したがって、コントロールシャフト27の熱膨張度合いによる当該機関の完全暖機状態と冷間時とのリフト量のずれ量がリフト量可変アクチュエータ30側ほど低減されるように設定することで、リフト量の制御にかかる処理の簡易化が可能となる。
【0070】
また、任意の運転状態においてリフト量可変アクチュエータ30に最も近接した吸気バルブ2を基準とする場合、同リフト量可変アクチュエータ30によるコントロールシャフト27の変位量を、この最も近接した吸気バルブ2のリフト量を可変とするための変位量にほぼ限定することができる。すなわち、先の図4に示した第1圧力室33と第2圧力室34とのピストン32の変位方向の距離の和を、この最も近接した吸気バルブ2のリフト量を可変とするための変位量にほぼ限定することができる。すなわち、ピストン32を図4のR方向に最大限変位させたときにこの吸気バルブ2が最小リフト量となるようにするとともに、同ピストン32を図4のF方向に最大限変位させたときにこの吸気バルブ2が最大リフト量となるようにすることができる。これに対し、これ以外の気筒11に対応した吸気バルブ2を基準とする場合、冷間時におけるこの吸気バルブ2が最小リフト量に制御されるときに、ピストン32は、暖機に伴うコントロールシャフト27の膨張量だけ図4のF方向に更に変位可能に設定されることとなる。
【0071】
ここで、こうした設定の下に行われる本実施形態の内燃機関10の出力特性の制御態様について説明する。
本実施形態では、内燃機関10の出力トルクと、同内燃機関10の排気ガス特性とを上記出力特性として、これを制御する。そして、この際、当該機関の暖機状態に基づきコントロールシャフト27の熱膨張度合いを監視し、この監視する熱膨張度合いに応じて上記制御にかかる操作量を各気筒11毎に各別に設定する。これにより、コントロールシャフト27の熱膨張度合いによりリフト量に各気筒11間でばらつきが生じることに起因して各気筒11間で生じる出力特性のばらつきの低減を図る。
【0072】
以下、これについて、図8〜図10を用いて更に説明する。
図8は、上記出力特性としての排気ガス特性を、上記操作量としての燃料噴射量によって制御する処理にかかるフローチャートである。この処理は、上記電子制御装置50において、所定の周期毎に繰り返し実行される。
【0073】
この一連の処理においては、まず、ステップ100において、上記回転速度センサ51によって検出される回転速度NEと上記エアフローメータ52によって検出される吸入空気量(負荷Q)、更に上記水温センサ53によって検出される冷却水温THWを読み込む。次に、ステップ110において、上記回転速度NE及び負荷Qに基づいて燃料噴射量のベース値を算出する。
【0074】
こうして燃料噴射量のベース値が算出されると、ステップ120において、冷却水温THWに基づき、気筒11のリフト量のばらつきに起因した排気ガス特性のばらつきを考慮して燃料噴射量のベース値を各気筒毎に補正する。
【0075】
ここで、冷却水温THWは、本実施形態において、当該機関の暖機状態の指標となるパラメータである。そして、この冷却水温THWを通じて把握される当該機関の暖機状態に基づいて、コントロールシャフト27の熱膨張度合いを監視することができる。このため、冷却水温THWに基づいて、コントロールシャフト27の熱膨張度合いにより各気筒11のリフト量に生じるばらつきを把握することができる。
【0076】
このコントロールシャフト27の熱膨張度合いにより各気筒11のリフト量に生じるばらつきは、各気筒11の排気ガス特性のばらつきの原因となる。すなわち、リフト量が各気筒11間で異なることで、各気筒11間で吸入空気量にばらつきが生じる。そして、こうして吸入空気量にばらつきの生じた各気筒11間に対して、全て同一の燃料量の燃料を噴射するようにすると、各気筒11間の空燃比にばらつきが生じることとなる。そして、この空燃比のばらつきが排気ガス特性(各気筒11において燃焼に供された混合気の特性)のばらつきを引き起こす。
【0077】
ちなみに、先の図2に示した触媒コンバータ7に内蔵された三元触媒は、その空燃比が理論空燃比に近似する混合気を燃焼させたときの排気ガスに対して、その浄化作用がもっとも優れたものとなる。このため、気筒11間で空燃比にばらつきが生じると、これら各気筒11によってはそこで燃焼に供される混合気の空燃比は理論空燃比に対してずれたものとなる。そして、このずれた空燃比にて燃焼に供された混合気(排気ガス)に対しては、上記触媒コンバータ7に内蔵される三元触媒の浄化作用は劣ったものとなる。
【0078】
したがって、このステップ120では、各気筒11間での空燃比のばらつきを補償すべく、噴射燃料量のベース値を各気筒11毎に各別に補正する。詳しくは、本実施形態では、冷間時においては、上記リフト量可変アクチュエータ30から離間した気筒11ほど、リフト量が小となり吸入空気量が少なくなることを考慮して、同リフト量可変アクチュエータ30から離間した気筒11ほど、噴射燃料量を低減する。また、この低減度合いは、当該機関の完全暖機状態に対するリフト量のずれ量は暖機の程度の低いほど大きいことを考慮して、冷却水温THWが低いほど大きくする。
【0079】
こうして燃料噴射量のベース値が補正されると、ステップ130において、各気筒11毎に補正された燃料噴射量にて先の図2に示した燃料噴射弁4を通じた燃料噴射操作を行い、この一連の処理を一旦終了する。
【0080】
一方、図9は、上記出力特性としての出力トルクを、上記操作量としての点火時期によって制御する処理にかかるフローチャートである。この処理は、上記電子制御装置50において、所定の周期毎に繰り返し実行される。
【0081】
この一連の処理においても先の図8のステップ100同様、まず、ステップ200において、上記回転速度NE、上記吸入空気量(負荷Q)、上記冷却水温THWを読み込む。次に、ステップ210において、上記回転速度NE及び負荷Qに基づいて点火時期のベース値を算出する。
【0082】
こうして点火時期が算出されると、ステップ220において、冷却水温THWに基づき、気筒11間のリフト量のばらつき及び上記燃料噴射量の各気筒毎の補正に起因した出力トルクのばらつきを考慮して点火時期のベース値を各気筒11毎に補正する。
【0083】
ここで、冷却水温THWは、先の図7に示したステップ120同様、当該機関の暖機状態の指標となるパラメータであり、これから、コントロールシャフト27の熱膨張度合いに起因して各気筒11間のリフト量に生じるばらつきを把握することができる。
【0084】
このコントロールシャフト27の熱膨張度合いにより各気筒11間のリフト量に生じるばらつきは、各気筒11間での吸入空気量にばらつきが生じる原因となる。そして、こうして吸入空気量にばらつきの生じた各気筒11間に対して、全て同一の点火時期にて点火制御を行うようにすると、各気筒11の出力トルクにばらつきが生じることとなる。更に、本実施形態では、先の図7に示した処理によって燃料噴射量が各気筒毎に補正されているために、出力トルクにばらつきが生じる。
【0085】
これらを原因とする出力トルクのばらつきによって、リフト量可変アクチュエータ30から離間した気筒11ほど、出力トルクが小さくなる。そこで、本実施形態では、リフト量可変アクチュエータ30から離間した気筒11ほど、点火時期を進角させることで、出力トルクの低減を補償する。更に、この進角させる度合いは、当該機関の完全暖機状態に対するリフト量のずれ量は暖機の程度の低いほど大きいことを考慮して、冷却水温THWが低いほど大きなものとする。図10に、本実施形態において用いる点火時期の補正値を定めたマップを例示する。このマップにおいて、マイナス符号は、内燃機関10のピストン上死点からのクランクシャフト15の角度として示される点火時期がその進角側にあることを意味する。
【0086】
こうして点火時期のベース値が補正されると、ステップ230において、先の図2に示した点火プラグ5を通じてこの補正された点火時期にて点火操作がなされる。
【0087】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)当該機関の暖機状態に基づき監視されるコントロールシャフト27の熱膨張度合いに応じて上記制御にかかる操作量を各気筒11毎に各別に設定した。これにより、コントロールシャフト27の熱膨張度合いにより各気筒11のリフト量にばらつきが生じることに起因して各気筒11の出力特性に生じるばらつきの低減を図ることができるようになる。
【0088】
(2)上記制御にかかる操作量を設定するに際し、そのベース値に対してコントロールシャフト27の熱膨張度合いに応じて各気筒11毎に各別に補正するようにした。これにより、コントロールシャフト27の熱膨張度合いに応じて(他のパラメータとともに多次元マップ等を用いて)操作量を直接算出する場合と比較して、その算出処理にかかるデータ量を低減することができる。
【0089】
(3)コントロールシャフト27の熱膨張度合いに起因した各気筒11の空燃比のばらつきを補償すべく、噴射燃料量のベース値を各気筒11毎に各別に補正した。これにより、各気筒11において燃焼に供された混合気の特性を触媒コンバータ7による浄化作用が最も優れたものとなる特性とすることができる。
【0090】
(4)冷却水温THWに基づき、気筒11のリフト量のばらつき及び上記燃料噴射量の各気筒毎の補正に起因した出力トルクのばらつきを考慮して点火時期のベース値を各気筒11毎に補正した。これにより、出力トルクのばらつきを抑制することができる。
【0091】
(5)各気筒11の各吸気バルブ2の各リフト量が、完全暖機状態において互いに等しくなるように設定した。これにより、完全暖機状態の内燃機関10の制御に際し、コントロールシャフト27の熱膨張度合いに起因した各気筒11のリフト量のばらつきを回避することができるようになる。
【0092】
(6)コントロールシャフト27の熱膨張度合いによる当該機関の完全暖機状態と冷間時とのリフト量のずれ量がリフト量可変アクチュエータ30に近い側ほど低減されるように設定した。これにより、リフト量の制御に際して、当該機関の任意の運転状態においてリフト量可変アクチュエータ30に最も近接した吸気バルブ2を基準とすることが容易となり、これにより、リフト量の制御にかかる処理の簡易化やアクチュエータの小型化を図ることができるようになる。
【0093】
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・当該機関の暖機状態を示すパラメータとしては、内燃機関10を循環する冷却水の温度に限らない。
【0094】
・当該機関の暖機状態によらず、コントロールシャフト27の熱膨張度合いを直接監視して各操作量を各気筒毎に各別に補正するようにしてもよい。この熱膨張度合いの直接的な監視は、例えばコントロールシャフトとは熱膨張度合いの異なる部材をコントロールシャフトに局所的に一体化させこれらの熱膨張率の違いに起因してこの部材に加わる応力を検出する手段等、同熱膨張度合いを検出する手段を通じて行えばよい。
【0095】
・燃料噴射量の制御については、先の図8に例示するものに限らない。通常、燃料噴射量の制御に際しては、空燃比を所望の空燃比(例えば理論空燃比)とすべくフィードバック制御がなされている。こうした場合であれ、このフィードバック制御によって制御されている燃料噴射量(ベース値)に対し、コントロールシャフト27の熱膨張度合いに応じた燃料噴射量の補正を各気筒毎に各別に行うことは有効である。
【0096】
・当該機関の暖機状態に応じた(コントロールシャフト27の熱膨張度合いに応じた)燃料噴射量の補正を各気筒毎に行わなくとも、これに基づいて点火時期を補正することで出力トルクのばらつきを抑制することはできる。
【0097】
・点火時期による出力トルクの補正は、出力トルクの小さくなる気筒ほど進角側へ制御するものに限らず、出力トルクの大きくなる気筒ほど遅角側へ制御するようにしてもよい。
【0098】
・当該機関の暖機状態に応じた(コントロールシャフト27の熱膨張度合いに応じた)点火時期の補正を各気筒毎に行わなくとも、これに基づいて燃料噴射量を補正することで排気ガス特性のばらつきを抑制することはできる。
【0099】
・排気ガス特性のばらつきの補正のための上記燃料噴射量の各気筒毎の補正は、各気筒11において燃焼に供される混合気の特性を理論空燃比にあわせるものに限らず、例えば所定の空燃比に合わせるものであってもよい。
【0100】
・コントロールシャフト27の熱膨張度合いにより各気筒11のリフト量にばらつきが生じることに起因した出力特性のばらつきを補正する操作量としては、上記点火時期や燃料噴射量に限らない。
【0101】
・コントロールシャフト27の熱膨張度合いにより各気筒11のリフト量にばらつきが生じることに起因して各気筒11間でばらつきの生じる出力特性としては、排気ガスや出力トルクに限らない。これ以外の場合であれ、適宜の操作量を各気筒毎に各別に補正することで、この出力特性のばらつきを補正することができるようになる。
【0102】
・操作量を各気筒毎に補正する代わりに、当該機関の暖機状態等に応じて、(実際には適宜のパラメータを合わせ用いて)操作量を直接設定するようにしてもよい。これは、例えば当該機関の暖機状態を示すパラメータとそれ以外の適宜のパラメータとの多次元マップにて操作量が決定されるようにすればよい。
【0103】
・シャフトの熱膨張度合いを監視し、該監視するシャフトの熱膨張度合いに応じて出力特性の制御にかかる操作量を複数の気筒の前記各気筒毎に各別に設定する制御手段としては、上記電子制御装置50を備えて構成されるものに限らない。例えばこうした制御のみを行う専用のハードウェアにて構成してもよい。
【0104】
・各気筒11の各吸気バルブ2の各リフト量が互いに等しく設定される「完全暖機状態」については、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば、冷却水温を制御する適宜の手段を備える場合には、冷却水温がこの手段の制御目標となる温度領域(又は同領域内の所定の温度)となることを「完全暖機状態」とすることができる。
【0105】
・更に、各気筒11の各吸気バルブ2の各リフト量が互いに等しくなるのは、「完全暖機状態」に限らず、例えば冷間時等、当該機関の所定の暖機状態であってもよい。
【0106】
・上記実施形態では、コントロールシャフト27を先の図4に示したR方向に最大限変位させたときの同コントロールシャフト27の変位位置に基づき、ゼロ点を設定したが、F方向に最大限変位させたときでもよい。
【0107】
・例えばコントロールシャフト27の変位を常時精度よく検出することのできるハードウェアを用いるなら、コントロールシャフト27の熱膨張度合いによる当該機関の完全暖機状態と冷間時とのリフト量のずれ量がリフト量可変アクチュエータ30側ほど低減されるような設定としなくてもよい。この場合、例えば、コントロールシャフト27の中央部付近にゼロ点を設定し、この付近の吸気バルブを基準としてリフト量制御を行うようにしてもよい。これにより、各気筒間のリフト量のばらつきを低減することができる。
【0108】
更に、例えば、コントロールシャフト27の膨張度合いを考慮してゼロ点補正を行うなら、コントロールシャフト27の中央部付近にゼロ点を設定し、この付近の吸気バルブを基準としてリフト量制御を行うようにすることもできる。
【0109】
・可変動弁機構によってそのバルブ特性が可変とされるのは、吸気バルブに限らず、排気バルブであってもよい。
・リフト量を可変とする可変動弁機構としては、上記構成のものに限らない。また、リフト量の代わりに、バルブ作用角を可変とする可変動弁機構であってもよい。要は、アクチュエータによりシャフトをその軸方向に変位させることで複数の気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構であればよい。
【0110】
・また、気筒の数等、内燃機関の構成も適宜変更してよい。
なお、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術思想としては、以下のものがある。
【0111】
(イ)請求項7に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、当該機関の完全暖機状態に対する冷間時のバルブ特性のずれに起因して吸入空気量が減少するように設定されるものであって、且つ前記制御手段は、前記燃料噴射量を、前記吸入空気量の減少量に応じて前記各気筒毎に各別に減少させるとともに、前記点火時期を、前記吸入空気量の減少量及び前記燃料噴射量の減少量に応じて同各気筒毎に各別に進角側に設定することを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
【0112】
(ロ)請求項1〜11のいずれか一項又は上記(イ)に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるカムシャフトと、前記カムシャフトに設けられた回転カムと、前記カムシャフトとは異なる前記シャフトにて揺動可能に支持され、入力部と出力部とを有することで前記回転カムにより入力部が駆動されると出力部にて前記バルブを駆動する仲介駆動機構と、前記仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相を可変とする仲介位相差可変手段と、を備えたことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
【0113】
(ハ)上記(ロ)に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記出力部は揺動カムとして構成され、前記仲介位相差可変手段は揺動カムに形成されたノーズと入力部との相対位相を可変とすることを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
【0114】
(ニ)上記(ハ)に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記仲介位相差可変手段は、揺動カムに形成されたノーズと入力部との相対位相を可変とすることにより、前記回転カムによる入力部の駆動に連動して生じるノーズによる前記バルブのリフト量の大きさを調整可能とすることを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
【0115】
(ホ)上記(ハ)に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記仲介位相差可変手段は、揺動カムに形成されたノーズと入力部との相対位相を可変とすることにより、前記回転カムによる入力部の駆動に連動して生じるノーズによる前記バルブへの作用角を調整可能とすることを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
【0116】
(ヘ)請求項1〜11のいずれか一項又は上記(イ)に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、前記可変動弁機構は、カムプロフィールがカム軸方向に連続的に変化する3次元カムが設けられたカムシャフトを有し、同カムシャフトを前記シャフトとしてこのカム軸方向への変位位置に応じて機関バルブのバルブリフト量を可変とするものであることを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる多気筒内燃機関の制御装置の一実施形態の全体構成を示す平面図。
【図2】同実施形態の内燃機関の吸排気系を示す平面図。
【図3】同実施形態のバルブリフト量可変機構の備える仲介駆動機構の構成を示す斜視図。
【図4】同実施形態のバルブリフト量可変機構の構成を示す断面図。
【図5】同実施形態のバルブリフト量可変機構による吸気バルブの駆動態様を示す側面図。
【図6】同実施形態のバルブリフト量可変機構による吸気バルブの駆動態様を示す側面図。
【図7】同実施形態の可変動弁機構の設定を模式的に示す図。
【図8】同実施形態における燃料噴射量操作にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図9】同実施形態における点火時期操作にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図10】上記点火時期の補正に用いるマップを示す図。
【符号の説明】
1…ロッカーアーム、1a…ローラ、1c…基端部、1d…先端部、2…吸気バルブ、2a…ステムエンド、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、10…内燃機関、11…気筒、12…シリンダヘッド、13…吸気カムシャフト、13a…吸気カム,13b…ノーズ、14…排気カムシャフト、15…クランクシャフト、16、17…立壁部、20…仲介駆動機構、21…入力部、21a、21b…アーム、21r…ローラ、21h…ハウジング、21s…ヘリカルスプライン、21t…シャフト、22…第1揺動カム、22h…ハウジング、22n…ノーズ、22s…ヘリカルスプライン、23…第2揺動カム、23e…カム面、23h…ハウジング、23n…ノーズ、23s…ヘリカルスプライン、24…スライダギア、24a…入力用ヘリカルスプライン、24b…小径部、24c…第1出力用ヘリカルスプライン、24d…小径部、24e…第2出力用ヘリカルスプライン、24f…貫通孔、24g…長孔、26…支持パイプ、26a…長孔、27…コントロールシャフト、27a…係止ピン、30…リフト量可変アクチュエータ、31…シリンダチューブ、32…ピストン、33…第1圧力室、34…第2圧力室、36…第1給排通路、37…第2給排通路、50…電子制御装置。

Claims (11)

  1. 複数の気筒にまたがり気筒配列方向に沿う態様で配置されるシャフトについて、これをアクチュエータにより軸方向に変位させることで複数の気筒にそれぞれ設けられた機関バルブのバルブ特性であるバルブリフト量またはバルブ作用角を可変とする可変動弁機構を備える多気筒内燃機関において、その出力特性である排気ガス特性または出力トルクの制御にかかる出力特性操作量を操作する多気筒内燃機関の制御装置であって、
    前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いを監視し、この熱膨張度合いの違いに応じて前記出力特性操作量を気筒毎に各別に設定する制御手段を備える
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合の違いに起因して生じる各気筒間での出力特性の差について、これを小さくする態様で前記気筒毎の出力特性操作量を設定する
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いとして、前記シャフトにおいて一の気筒に対応する一の部位の熱膨張度合いと前記シャフトにおいて他の気筒に対応する他の部位の熱膨張度合いとの違いを監視し、前記一の部位の熱膨張度合いと前記他の部位の熱膨張度合いとが互いに異なるとき、前記気筒毎の出力特性操作量の設定として、前記一の気筒及び前記他の気筒の出力特性操作量を各別に設定する
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、互いに異なる前記シャフトの熱膨張状態をそれぞれ第1熱膨張状態及び第2熱膨張状態とし、前記シャフトにおいて一の気筒に対応する一の部位について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該一の部位の熱膨張度合いの違いを第1の熱膨張度合いとし、前記シャフトにおいて他の気筒に対応する他の部位について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該他の部位の熱膨張度合いの違いを第2の熱膨張度合いとして、これら第1の熱膨張度合い及び第2の熱膨張度合いの違いを前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いとして監視する
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  5. 請求項4に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記可変動弁機構は、前記シャフトにおいて各気筒に対応する部位に設けられた複数の係止体について、この係止体と気筒との位置関係を前記アクチュエータによる前記シャフトの移動を通じて変更することにより各気筒のバルブリフト量またはバルブ作用角を変更するものであり、
    前記制御手段は、前記一の部位に設けられた係止体とこれに対応する気筒との位置関係について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該位置関係の違いを前記第1の熱膨張度合いとし、前記他の部位に設けられた係止体とこれに対応する気筒との位置関係について、前記第1熱膨張状態と前記第2熱膨張状態との間における当該位置関係の違いを第2の熱膨張度合いとして、これら第1の熱膨張度合い及び第2の熱膨張度合いの違いを前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いとして監視する
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、内燃機関の暖機状態を通じて把握される前記シャフトの暖機状態に基づいて、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いを監視する
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、前記出力特性操作量として燃料噴射量及び点火時期の少なくとも一方を操作するものであり、この操作量を前記熱膨張度合いの違いに応じて気筒毎に各別に設定するものである
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記可変動弁機構は、前記シャフトにおいての各気筒に対応する部位の熱膨張度合いの違いに起因して生じる各気筒間でのバルブリフト量またはバルブ作用角のずれ量が所定の暖機状態において最小となるものであり、
    前記制御手段は、内燃機関の暖機状態が前記所定の暖機状態以外のときに前記熱膨張度合いの違いの監視に基づく気筒毎の出力特性操作量の設定を行うものである
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  9. 請求項8に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記可変動弁機構は、前記所定の暖機状態からのバルブリフト量またはバルブ作用角のずれ量が前記アクチュエータに近い気筒ほど小さくなるものである
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  10. 請求項8または9に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、内燃機関の完全暖機状態を前記所定の暖機状態として、内燃機関の暖機状態が完全暖機状態となる以前に前記熱膨張度合いの違いの監視に基づく気筒毎の出力特性操作量の設定を行うものである
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  11. 請求項10に記載の多気筒内燃機関の制御装置において、
    前記可変動弁機構は、内燃機関の完全暖機状態と冷間状態との間におけるバルブリフト量またはバルブ作用角のずれ量が前記アクチュエータに近い気筒ほど小さくなるものである
    ことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
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