JPH10168771A - ワイヤロープ製造装置及びワイヤロープ製造方法 - Google Patents

ワイヤロープ製造装置及びワイヤロープ製造方法

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JPH10168771A
JPH10168771A JP31952496A JP31952496A JPH10168771A JP H10168771 A JPH10168771 A JP H10168771A JP 31952496 A JP31952496 A JP 31952496A JP 31952496 A JP31952496 A JP 31952496A JP H10168771 A JPH10168771 A JP H10168771A
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Takenobu Honda
武信 本田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、芯綱と子縄との撚り合わせ状態を
効果的に均一化し、芯綱と子縄とをしっかりと接触させ
ることを目的とするものである。 【解決手段】 撚り合わせ状態を均一化する屈曲ローラ
10の上流の第1のボイス11では芯綱1及び子縄2を
単に案内して束ね、屈曲ローラ10の下流の第2のボイ
ス16でワイヤロープ3全体の断面形状を整えるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばエレベー
タやクレーン等に使用されるワイヤロープを製造するた
めのワイヤロープ製造装置及びワイヤロープ製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エレベータ等においては、芯綱と
複数本の子縄とを撚り合わせたワイヤロープが使用され
ているが、この種のワイヤロープを製造する場合、各子
縄の緩み等による撚り合わせの不均一を取り除く必要が
ある。また、ワイヤロープの使用初期においては、かご
等の重量により初期伸びが発生するため、切り詰め工事
による再調整が必要となる。このような初期伸びを早期
に収束させるため、ワイヤロープの製造時に予備張力を
印加している。
【0003】図3はJISG3525で規定された一般
的なワイヤロープの断面図である。図において、1は芯
綱、2は芯綱1の外周に撚り合わせられている複数本の
子縄であり、これらの子縄2は、芯線2a、この芯線2
aの外周に配設されている複数本の内層素線2b、これ
らの内層素線2bの外周に配設されている複数本の外層
素線2c、及び内層素線2bと外層素線2cとの間に配
設されている複数本のフィラー線2dを有している。3
は芯綱1と複数本の子縄2とを有するワイヤロープであ
る。
【0004】次に、図4は従来のワイヤロープ製造装置
の一例を示す構成図である。図において、4は芯綱1と
子縄2とを撚り合わせる撚り合わせ手段としての回転
筒、5は回転筒4の一端部に設けられ、芯綱1が巻回さ
れている芯綱リール、6は回転筒4に設けられ、子縄2
が巻回されている複数個の子縄リール、7は回転筒4か
ら送出されたワイヤロープ3の断面形状を所定の形状
(所定の直径を有する均一な真円)に成形する超硬質の
ボイス、8はボイス7を通過したワイヤロープ3が巻き
掛けられ、ワイヤロープ3に張力を与える案内車、9は
完成したワイヤロープ3を巻き取る巻取ドラムである。
【0005】上記のようなワイヤロープ製造装置では、
ワイヤロープ3は、回転筒4の回転によりボイス7を介
して撚り上げられ、さらに案内車8を介して巻取ドラム
9に巻き取られるが、このままではワイヤロープ3の撚
り合わせ状態が均一でなく、使用中に著しく伸びたりす
る恐れがある。
【0006】これに対し、図5は例えば特開平7−14
5579号公報に示された従来のワイヤロープ製造装置
を示す構成図である。図において、10はボイス7と案
内車8との間に配列された複数個の屈曲ローラである。
【0007】図5の装置では、ボイス7を通過したワイ
ヤロープ3に屈曲ローラ10が圧接することにより、ワ
イヤロープ3の内部の緩みが取り除かれ、各子縄2の撚
り合わせ状態が均一化される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のワイヤロープ製造装置においては、屈曲ローラ
10により子縄2の撚り合わせ状態が一時的に均一化さ
れるものの、屈曲ローラ10通過時に吸収される緩みの
ため、芯綱1と子縄2との接触状態が変化し、ボイス7
で成形された断面形状が崩され、ワイヤロープ3の伸び
が大きくなったり、特定の子縄2が浮いて振動が発生し
たりして、ワイヤロープ3の寿命が短くなるという問題
点があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、芯綱と子縄と
の撚り合わせ状態の均一化を図ることができるワイヤロ
ープ製造装置及びワイヤロープ製造方法を得ることを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るワ
イヤロープ製造装置は、芯綱と複数本の子縄とを撚り合
わせる撚り合わせ手段と、この撚り合わせ手段の下流に
設けられ、芯綱及び子縄を束ねる第1のボイスと、この
第1のボイスの下流に設けられ、芯綱及び子縄の撚り合
わせ状態を均一化する均一化手段と、この均一化手段の
下流に設けられ、ワイヤロープ全体の断面形状を所定の
形状にする第2のボイスとを備えたものである。
【0011】請求項2の発明に係るワイヤロープ製造装
置は、均一化手段と第2のボイスとの間に設けられ、ワ
イヤロープに予備張力を与える予備張力手段を備えたも
のである。
【0012】請求項3の発明に係るワイヤロープ製造装
置は、第1のボイスのワイヤロープとの接触部が、ワイ
ヤロープの外層素線硬度の約1/3の硬度の材料で構成
されているものである。
【0013】請求項4の発明に係るワイヤロープ製造装
置は、第1のボイスのワイヤロープとの接触部が、焼準
された炭素鋼で構成されているものである。
【0014】請求項5の発明に係るワイヤロープ製造装
置は、第1のボイスのワイヤロープとの接触部が、樹脂
状の弾性体で構成されているものである。
【0015】請求項6の発明に係るワイヤロープ製造方
法は、芯綱と複数本の子縄とを第1のボイスで束ねつつ
撚り合わせる工程、芯綱と子縄との撚り合わせ状態を均
一化する工程、及び第2のボイスによりワイヤロープ全
体の断面形状を所定の形状にする工程を含むものであ
る。
【0016】請求項7の発明に係るワイヤロープ製造方
法は、第2のボイスを通過するワイヤロープの張力を切
断荷重の5〜10%とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。図1はこの発明の実施の形態の一例
によるワイヤロープ製造装置の要部を示す構成図であ
る。11は図5に示したものと同様の回転筒4から送出
された芯綱1及び子縄2を束ねる第1のボイスであり、
この第1のボイス11は、回転筒4と協動して芯綱1と
子縄2とを撚り合わせる。また、第1のボイス11に
は、図2に示すようにワイヤロープ3を通過させる孔1
1aが設けられている。この孔11aは、各子縄2を案
内して束ねる程度の拘束力しか与えない大きさに設定さ
れている。つまり、ワイヤロープ3の断面形状を積極的
に成形する従来のボイス7よりも大きな径を有してい
る。
【0018】また、第1のボイス11のワイヤロープ3
との接触部11b、即ち孔11bの壁部は、ワイヤロー
プ3の表面の硬度、即ち外層素線2c(図3)の硬度の
約1/3の硬度の材料で構成するのが好ましい。このよ
うな材料としては、例えば焼準された炭素鋼、硬質ナイ
ロン、ポリエチレン等が挙げられる。
【0019】10は第1のボイス11の下流に設けら
れ、ワイヤロープ3に圧接することにより各子縄2の撚
り合わせ状態を均一化する均一化手段としての複数個の
屈曲ローラであり、これらの屈曲ローラ10は、垂直方
向のみならず水平方向にも設けられている。12は屈曲
ローラ10の下流に設けられ、ワイヤロープ3に予備張
力を印加する予備張力手段であり、この予備張力手段1
2は、ワイヤロープ3が複数回往復して巻き掛けられ回
転駆動される一対の予備張力ドラム13,14と、これ
らの予備張力ドラム13,14を互いに離間する方向へ
駆動する油圧式のジャッキ15とを有している。
【0020】16は予備張力手段12の下流に設けら
れ、ワイヤロープ3の断面形状を所定の形状(所定の直
径を有する均一な真円)に成形する超硬質の第2のボイ
ス、9は第2のボイス16で成形されたワイヤロープ3
を巻き取る巻取ドラムである。
【0021】なお、この例では省略したが、図5と同様
の案内車8を設けてもよい。また、予備張力ドラム1
3,14の外周面には、ワイヤロープ3が係合する複数
の溝を設けてもよい。
【0022】次に、動作について説明する。回転筒4か
ら送出され第1のボイス11を介して撚り合わせられた
ワイヤロープ3は、複数個の屈曲ローラ10により垂直
及び水平方向へ屈曲される。これにより、撚り合わせ時
に生じた各子縄2の緩みが第1のボイス11側に帰還さ
れ、ワイヤロープ3の撚り合わせ状態が均一化される。
このとき、第1のボイス11の孔11aの径は、ワイヤ
ロープ3の仕上がり径を超える径に設定されているた
め、各子縄2と芯綱1との当たりが弱く、屈曲ローラ1
0で生じる緩みの帰還作用が十分に行われる。
【0023】この後、ワイヤロープ3は、予備張力ドラ
ム13,14間に複数回往復して巻き掛けられ、ここ
で、初期伸びの減少及び早期収束を図るためワイヤロー
プ3の切断荷重の半分程度の予備張力Taが印加され
る。このとき、ジャッキ15は、ワイヤロープ3に対し
て一定の予備張力を印加するのではなく、振動的に予備
張力Taを印加する。
【0024】そして、第2のボイス16によりワイヤロ
ープ3が所定の断面形状に成形され、巻取ドラム9に巻
き取られる。第2のボイス16に設けられたワイヤロー
プ3の通過孔(図示せず)の大きさは、JISで規定さ
れたワイヤロープ3の径とするか、又はそれよりもある
程度小さくする場合もある。また、第2のボイス16を
通過するワイヤロープ3の張力は、実使用されるときの
張力、例えばエレベータ用のものであれば切断荷重の5
〜10%程度に設定されるのが好ましい。
【0025】このような製造装置及び製造方法によれ
ば、撚り合わせ状態が均一で、しかも伸びが少ない特性
のワイヤロープ3が完成するが、特に芯綱1と子縄2と
がしっかりと接触した状態が得られ、実使用で外力が作
用した場合でも、特定の子縄が浮いて振動したり断線し
たりするのが防止され、ワイヤロープ3全体としても長
寿命化する。また、このワイヤロープ3をエレベータに
適用することにより、低振動で乗り心地が良く、しかも
保守費用が安価なエレベータを提供することができる。
【0026】さらに、この例ではボイスの段数を1段増
やしているため、ワイヤロープ3の表面が摩耗する恐れ
があるが、第1のボイス11のワイヤロープ3との接触
部11bの材料を外層素線2cの硬度の約1/3の硬度
の材料で構成したので、ワイヤロープ3の表面の摩耗、
損傷が防止される。
【0027】なお、上記の例では予備張力手段12を設
けたが、ワイヤロープ3の初期伸びが問題にならない場
合には、予備張力手段12を省略してもよい。また、芯
綱1に対する子縄2の本数や配置は、図3のものに限定
されるものではない。さらに、撚り合わせ手段及び均一
化手段は、それぞれ回転筒4及び屈曲ローラ10に限定
されるものではない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
ワイヤロープ製造装置は、均一化手段の上流の第1のボ
イスでは芯綱及び子縄を単に案内して束ね、均一化手段
の下流の第2のボイスでワイヤロープ全体の断面形状を
整えるようにしたので、芯綱と子縄との撚り合わせ状態
を効果的に均一化することができ、かつ芯綱と子縄とが
しっかりと接触した状態が得られ、実使用で外力が作用
した場合でも、特定の子縄が浮いて振動したり断線した
りするのが防止され、ワイヤロープ全体としての長寿命
化を図ることもできる。
【0029】請求項2の発明のワイヤロープ製造装置
は、均一化手段と第2のボイスとの間に予備張力手段を
設けたので、初期伸びを減少させるとともに早期収束さ
せることができる。
【0030】請求項3の発明のワイヤロープ製造装置
は、第1のボイスのワイヤロープとの接触部を、ワイヤ
ロープの外層素線硬度の約1/3の硬度の材料で構成し
たので、第1のボイスでのワイヤロープの摩耗及び損傷
を防止することができる。
【0031】請求項4の発明のワイヤロープ製造装置
は、第1のボイスのワイヤロープとの接触部を、焼準さ
れた炭素鋼で構成したので、第1のボイスでのワイヤロ
ープの摩耗及び損傷を防止することができる。
【0032】請求項5の発明のワイヤロープ製造装置
は、第1のボイスのワイヤロープとの接触部を、樹脂状
の弾性体で構成したので、第1のボイスでのワイヤロー
プの摩耗及び損傷を防止することができる。
【0033】請求項6の発明のワイヤロープ製造方法
は、芯綱と複数本の子縄とを第1のボイスで束ねつつ撚
り合わせた後、芯綱と子縄との撚り合わせ状態を均一化
し、さらにこの後第2のボイスによりワイヤロープ全体
の断面形状を所定の形状にするようにしたので、芯綱と
子縄との撚り合わせ状態を効果的に均一化することがで
き、かつ芯綱と子縄とがしっかりと接触した状態が得ら
れ、実使用で外力が作用した場合でも、特定の子縄が浮
いて振動したり断線したりするのが防止され、ワイヤロ
ープ全体としての長寿命化を図ることもできる。
【0034】請求項7の発明のワイヤロープ製造方法
は、第2のボイスを通過するワイヤロープの張力を切断
荷重の5〜10%としたので、実使用での断面形状の変
化を防止して、ワイヤロープの長寿命化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態の一例によるワイヤロ
ープ製造装置の要部を示す構成図である。
【図2】 図1の第1のボイスの断面図である。
【図3】 一般的なワイヤロープの一例を示す断面図で
ある。
【図4】 従来のワイヤロープ製造装置の一例を示す構
成図である。
【図5】 従来のワイヤロープ製造装置の他の例を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 芯綱、2 子縄、3 ワイヤロープ、4 回転筒
(撚り合わせ手段)、10 屈曲ローラ(均一化手
段)、11 第1のボイス、11b 接触部、12予備
張力手段、16 第2のボイス。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯綱と複数本の子縄とを撚り合わせる撚
    り合わせ手段と、 この撚り合わせ手段の下流に設けられ、上記芯綱及び上
    記子縄を束ねる第1のボイスと、 この第1のボイスの下流に設けられ、上記芯綱及び上記
    子縄の撚り合わせ状態を均一化する均一化手段と、 この均一化手段の下流に設けられ、ワイヤロープ全体の
    断面形状を所定の形状にする第2のボイスとを備えてい
    ることを特徴とするワイヤロープ製造装置。
  2. 【請求項2】 均一化手段と第2のボイスとの間に設け
    られ、ワイヤロープに予備張力を与える予備張力手段を
    備えていることを特徴とする請求項1記載のワイヤロー
    プ製造装置。
  3. 【請求項3】 第1のボイスのワイヤロープとの接触部
    が、上記ワイヤロープの外層素線硬度の約1/3の硬度
    の材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のワイヤロープ製造装置。
  4. 【請求項4】 第1のボイスのワイヤロープとの接触部
    が、焼準された炭素鋼で構成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のワイヤロ
    ープ製造装置。
  5. 【請求項5】 第1のボイスのワイヤロープとの接触部
    が、樹脂状の弾性体で構成されていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のワイヤロー
    プ製造装置。
  6. 【請求項6】 芯綱と複数本の子縄とを第1のボイスで
    束ねつつ撚り合わせる工程、上記芯綱と上記子縄との撚
    り合わせ状態を均一化する工程、及び第2のボイスによ
    り上記ワイヤロープ全体の断面形状を所定の形状にする
    工程を含むことを特徴とするワイヤロープ製造方法。
  7. 【請求項7】 第2のボイスを通過するワイヤロープの
    張力を切断荷重の5〜10%とすることを特徴とする請
    求項6記載のワイヤロープ製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106216569A (zh) * 2016-08-09 2016-12-14 江苏兴达钢帘线股份有限公司 一种单丝变形机床及变形单丝的制作方法

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CN106216569A (zh) * 2016-08-09 2016-12-14 江苏兴达钢帘线股份有限公司 一种单丝变形机床及变形单丝的制作方法

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