JPH10168752A - ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 - Google Patents
ポリビニルアルコール系繊維の製造方法Info
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- JPH10168752A JPH10168752A JP32504196A JP32504196A JPH10168752A JP H10168752 A JPH10168752 A JP H10168752A JP 32504196 A JP32504196 A JP 32504196A JP 32504196 A JP32504196 A JP 32504196A JP H10168752 A JPH10168752 A JP H10168752A
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- pva
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B16/00—Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
- C04B16/04—Macromolecular compounds
- C04B16/06—Macromolecular compounds fibrous
- C04B16/0616—Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- C04B16/0641—Polyvinylalcohols; Polyvinylacetates
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- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐湿熱性及び強度の高いポリビニルアルコ
ール系繊維の工程上及び経済的に優れた製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系ポリマ−と、界
面活性剤1〜20重量%/ポリビニルアルコール系ポリ
マ−を含む紡糸原液を紡糸後乾熱延伸し、得られた糸篠
を炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒド化物及び/または
そのアセタ−ル化物を1〜80g/リットル、酸触媒を
0.02〜1規定含む水溶液に含浸してポリビニルアル
コール系ポリマ−に分子間架橋を形成せしめるポリビニ
ルアルコール系繊維の製造方法。
ール系繊維の工程上及び経済的に優れた製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系ポリマ−と、界
面活性剤1〜20重量%/ポリビニルアルコール系ポリ
マ−を含む紡糸原液を紡糸後乾熱延伸し、得られた糸篠
を炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒド化物及び/または
そのアセタ−ル化物を1〜80g/リットル、酸触媒を
0.02〜1規定含む水溶液に含浸してポリビニルアル
コール系ポリマ−に分子間架橋を形成せしめるポリビニ
ルアルコール系繊維の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱水性に優れた
ポリビニルアルコール系繊維(PVA系繊維)を低コス
トで製造する方法、特にオートクレーブ養生処理を行う
セメント製品の補強用繊維(FRC)として有用なPV
A系繊維の効率的な製造方法に関する。
ポリビニルアルコール系繊維(PVA系繊維)を低コス
トで製造する方法、特にオートクレーブ養生処理を行う
セメント製品の補強用繊維(FRC)として有用なPV
A系繊維の効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PVA系繊維は汎用繊維の中でも高強力
高弾性であるため、様々な分野(特に産業資材分野)で
広く使用されている。なかでもセメントとの接着性及び
耐アルカリ性が良好であるためFRC分野での石綿代替
素材として急速にその需要が伸びている。PVA系繊維
は耐湿熱性(耐熱水性)が低く通常約130℃程度の熱
水に溶解するため、主に自然養生用セメント成型体の補
強材として使用されているが、オ−トクレ−ブ養生に適
用可能なPVA系繊維が強く望まれている。
高弾性であるため、様々な分野(特に産業資材分野)で
広く使用されている。なかでもセメントとの接着性及び
耐アルカリ性が良好であるためFRC分野での石綿代替
素材として急速にその需要が伸びている。PVA系繊維
は耐湿熱性(耐熱水性)が低く通常約130℃程度の熱
水に溶解するため、主に自然養生用セメント成型体の補
強材として使用されているが、オ−トクレ−ブ養生に適
用可能なPVA系繊維が強く望まれている。
【0003】これまで、PVA系繊維の耐湿熱性を改良
しようとする様々な試みがなされており、例えば特公昭
30−7360号公報や特公昭36−14565号公報
には、PVAの水酸基同志をホルマリンによって架橋処
理(ホルマ−ル化)することが記載されているが、この
方法では高温オ−トクレ−ブ養生に供し得るほどの耐湿
熱性は得られない。また特開昭63−120107号公
報には、高強力PVA系繊維をホルマ−ル化することが
記載されているが、ホルマ−ル化度が5〜15モル%と
低く、PVA系繊維の非晶領域の極一部がホルマ−ル化
されているにすぎないため、オ−トクレ−ブ養生処理に
供し得るほどの十分な耐湿熱性は得られない。
しようとする様々な試みがなされており、例えば特公昭
30−7360号公報や特公昭36−14565号公報
には、PVAの水酸基同志をホルマリンによって架橋処
理(ホルマ−ル化)することが記載されているが、この
方法では高温オ−トクレ−ブ養生に供し得るほどの耐湿
熱性は得られない。また特開昭63−120107号公
報には、高強力PVA系繊維をホルマ−ル化することが
記載されているが、ホルマ−ル化度が5〜15モル%と
低く、PVA系繊維の非晶領域の極一部がホルマ−ル化
されているにすぎないため、オ−トクレ−ブ養生処理に
供し得るほどの十分な耐湿熱性は得られない。
【0004】また、分子間架橋を生じやすいジアルデヒ
ド又はそのアセタール化物を用いて架橋構造を形成させ
る方法も検討されている。たとえば特公昭29−614
5号公報や特公昭32−5819号公報などには、ジア
ルデヒド化合物と反応触媒である酸の混合浴で後処理す
る方法が開示されているが、かかる技術では高強度繊維
はえられなかった。たとえば、紡糸後湿潤状態にある繊
維に架橋構造を形成させた場合、後に延伸を施すと繊維
構造が破壊されて強度等の諸性能が著しく低下する。ま
た、衣料用の強度の低いPVA系繊維は繊維構造がルー
ズで結晶化度が低いため、容易にジアルデヒド化合物が
繊維中心部に浸透するものの、高度に延伸された繊維の
ように強度の高い繊維は、分子が高度に配向結晶化して
いるため繊維中心部にジアルデヒドが浸透しにくく、表
面部分にしか架橋構造が形成されない。
ド又はそのアセタール化物を用いて架橋構造を形成させ
る方法も検討されている。たとえば特公昭29−614
5号公報や特公昭32−5819号公報などには、ジア
ルデヒド化合物と反応触媒である酸の混合浴で後処理す
る方法が開示されているが、かかる技術では高強度繊維
はえられなかった。たとえば、紡糸後湿潤状態にある繊
維に架橋構造を形成させた場合、後に延伸を施すと繊維
構造が破壊されて強度等の諸性能が著しく低下する。ま
た、衣料用の強度の低いPVA系繊維は繊維構造がルー
ズで結晶化度が低いため、容易にジアルデヒド化合物が
繊維中心部に浸透するものの、高度に延伸された繊維の
ように強度の高い繊維は、分子が高度に配向結晶化して
いるため繊維中心部にジアルデヒドが浸透しにくく、表
面部分にしか架橋構造が形成されない。
【0005】ジアルデヒド化物を用いれば、分子間架橋
を選択的に形成させることができるが、ジアルデヒド化
物は一般にモノアルデヒド化物に比較してPVA系繊維
の膨脹作用が弱いため、短時間に繊維内部まで侵入して
十分にかる適度な濃度で、さらに均一な分布状態を形成
しにくく、繊維表面領域でのみ架橋構造をとりやすい。
従って、ゲル弾性率は比較的高い値が得られるものの、
繊維内部に十分架橋構造が形成されていないために溶出
率が大きく、結局耐湿熱性に優れた繊維は得られない。
特にPVA系繊維をFRCとして用いる場合、一般にカ
ットファイバーとしてセメント中へ混入され、そのカッ
ト面は直接セメント成分とアルカリを含む蒸気に晒され
ることとなるため、架橋構造が形成されていない断面中
央部より膨潤ないし溶解が起こり補強材としての効果が
十分得られない。従って、繊維の表面部分のみを架橋さ
せてもFRC用繊維としての耐湿熱性は向上しないので
ある。
を選択的に形成させることができるが、ジアルデヒド化
物は一般にモノアルデヒド化物に比較してPVA系繊維
の膨脹作用が弱いため、短時間に繊維内部まで侵入して
十分にかる適度な濃度で、さらに均一な分布状態を形成
しにくく、繊維表面領域でのみ架橋構造をとりやすい。
従って、ゲル弾性率は比較的高い値が得られるものの、
繊維内部に十分架橋構造が形成されていないために溶出
率が大きく、結局耐湿熱性に優れた繊維は得られない。
特にPVA系繊維をFRCとして用いる場合、一般にカ
ットファイバーとしてセメント中へ混入され、そのカッ
ト面は直接セメント成分とアルカリを含む蒸気に晒され
ることとなるため、架橋構造が形成されていない断面中
央部より膨潤ないし溶解が起こり補強材としての効果が
十分得られない。従って、繊維の表面部分のみを架橋さ
せてもFRC用繊維としての耐湿熱性は向上しないので
ある。
【0006】以上のことから、また特開平5−1636
09号公報には、紡糸工程において原糸が湿潤状態の段
階でジアルデヒド化物を含浸付与し、乾燥後、高倍率に
乾熱延伸して捲き取った後、酸処理によって繊維内部に
架橋構造を発現させる方法が記載されている。芳香族系
のジアルデヒド化物を付与した場合は、芳香族であるこ
とからジアルデヒド化物が湿潤原糸内部に含浸し難く、
かつ乾熱延伸後の原糸の強度に比して酸処理後すなわち
架橋発現後の繊維強度が低下しやすいという問題があ
る。以上のように、紡糸工程途中にて湿潤状態の内部ま
で短時間でジアルデヒド化物を含浸しなければならない
ため、分子量の大きくない、すなわち炭素数6以下のジ
アルデヒド化物が有利であった。しかしながら、このよ
うな低分子ジアルデヒド化物は、引き続く乾燥、乾熱延
伸工程で原糸より揮発しやすく、特に繊維表面に存在す
るジアルデヒド化物が減少する問題がある。以上のこと
から、乾燥処理後もジアルデヒド化物が繊維にを十分残
存するように、通過させる浴中のジアルデヒド化物濃度
をできるだけ高くする必要があり、また酸処理浴の酸濃
度を高くしていたため経済的に問題があった。
09号公報には、紡糸工程において原糸が湿潤状態の段
階でジアルデヒド化物を含浸付与し、乾燥後、高倍率に
乾熱延伸して捲き取った後、酸処理によって繊維内部に
架橋構造を発現させる方法が記載されている。芳香族系
のジアルデヒド化物を付与した場合は、芳香族であるこ
とからジアルデヒド化物が湿潤原糸内部に含浸し難く、
かつ乾熱延伸後の原糸の強度に比して酸処理後すなわち
架橋発現後の繊維強度が低下しやすいという問題があ
る。以上のように、紡糸工程途中にて湿潤状態の内部ま
で短時間でジアルデヒド化物を含浸しなければならない
ため、分子量の大きくない、すなわち炭素数6以下のジ
アルデヒド化物が有利であった。しかしながら、このよ
うな低分子ジアルデヒド化物は、引き続く乾燥、乾熱延
伸工程で原糸より揮発しやすく、特に繊維表面に存在す
るジアルデヒド化物が減少する問題がある。以上のこと
から、乾燥処理後もジアルデヒド化物が繊維にを十分残
存するように、通過させる浴中のジアルデヒド化物濃度
をできるだけ高くする必要があり、また酸処理浴の酸濃
度を高くしていたため経済的に問題があった。
【0007】さらに特開平5−263311号公報で
は、上記の特開平5−163609号公報に記載のジア
ルデヒド化物からなる水溶液中へ熱延伸したPVA系繊
維を浸漬させて繊維内部までこれらのアルデヒド化物を
浸透させ、その後モノアルデヒド化物と酸の混合液中で
架橋反応を起こさせることで、繊維内部まで架橋処理さ
れた耐湿熱性に優れたPVA系繊維が得られることが開
示されている。確かにこの方法を用いると繊維内部まで
架橋構造が形成されやすいが、耐湿熱性を付与するため
に必要なPVA系分子間の架橋構造を主に発現させるジ
アルデヒド化物と、同じPVA系分子内で水酸基の封鎖
を行うモノアルデヒド化物が混在するため、分子間の架
橋密度があるレベルで頭打ちになると考えられる。よっ
て高度な分子間架橋に到達できず繊維の耐湿熱性のレベ
ルも向上させにくくなる。またジアルデヒド化物とモノ
アルデヒド化物が繊維内部で混在すると、PVA系ポリ
マ−の水酸基とアセタ−ル反応する速度がそれぞれ異な
るため、アセタ−ル化処理する浴の温度や各剤の濃度な
どの条件設定を厳密に行なう必要があり、工程性等の点
からも改善が望まれていた。
は、上記の特開平5−163609号公報に記載のジア
ルデヒド化物からなる水溶液中へ熱延伸したPVA系繊
維を浸漬させて繊維内部までこれらのアルデヒド化物を
浸透させ、その後モノアルデヒド化物と酸の混合液中で
架橋反応を起こさせることで、繊維内部まで架橋処理さ
れた耐湿熱性に優れたPVA系繊維が得られることが開
示されている。確かにこの方法を用いると繊維内部まで
架橋構造が形成されやすいが、耐湿熱性を付与するため
に必要なPVA系分子間の架橋構造を主に発現させるジ
アルデヒド化物と、同じPVA系分子内で水酸基の封鎖
を行うモノアルデヒド化物が混在するため、分子間の架
橋密度があるレベルで頭打ちになると考えられる。よっ
て高度な分子間架橋に到達できず繊維の耐湿熱性のレベ
ルも向上させにくくなる。またジアルデヒド化物とモノ
アルデヒド化物が繊維内部で混在すると、PVA系ポリ
マ−の水酸基とアセタ−ル反応する速度がそれぞれ異な
るため、アセタ−ル化処理する浴の温度や各剤の濃度な
どの条件設定を厳密に行なう必要があり、工程性等の点
からも改善が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、繊維内
部まで分子間架橋が形成されかつ強力の高いPVA系繊
維を工程上及び経済上からも効率的に製造することは困
難であり、結局、PVA系ポリマ−の分子量を増大させ
てポリマ−そのものの熱安定性を高める、及び繊維化の
時点でポリマ−を高度に配向させることで繊維の融点を
向上させるなどの手法で耐熱性を持たせ、そして上記の
方法で架橋処理することで実用的な耐湿熱性を有する繊
維を得ていた。従って汎用的な分子量(粘度平均重合度
が約500〜2500)を有するポリマ−を原材料とし
たPVA系繊維では、特に十分な耐湿熱性が得られにく
い問題があった。本発明の目的は、以上の問題を解決
し、強度及び耐湿熱性に優れたPVA系繊維、特に14
0℃以上のオ−トクレ−ブ養生処理に耐え得る湿熱特性
を有するPVA系繊維の効率的かつ経済的な製造方法を
提供することにある。
部まで分子間架橋が形成されかつ強力の高いPVA系繊
維を工程上及び経済上からも効率的に製造することは困
難であり、結局、PVA系ポリマ−の分子量を増大させ
てポリマ−そのものの熱安定性を高める、及び繊維化の
時点でポリマ−を高度に配向させることで繊維の融点を
向上させるなどの手法で耐熱性を持たせ、そして上記の
方法で架橋処理することで実用的な耐湿熱性を有する繊
維を得ていた。従って汎用的な分子量(粘度平均重合度
が約500〜2500)を有するポリマ−を原材料とし
たPVA系繊維では、特に十分な耐湿熱性が得られにく
い問題があった。本発明の目的は、以上の問題を解決
し、強度及び耐湿熱性に優れたPVA系繊維、特に14
0℃以上のオ−トクレ−ブ養生処理に耐え得る湿熱特性
を有するPVA系繊維の効率的かつ経済的な製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリビニルア
ルコール系ポリマ−と、界面活性剤1〜20重量%/ポ
リビニルアルコール系ポリマ−を含む紡糸原液を紡糸後
乾熱延伸し、得られた糸篠を炭素数3〜5の脂肪族ジア
ルデヒド化物及び/またはそのアセタ−ル化物を1〜8
0g/リットル、酸触媒を0.02〜1規定含む水溶液
に含浸してポリビニルアルコール系ポリマ−に分子間架
橋を形成せしめるポリビニルアルコール系繊維の製造方
法に関する。
ルコール系ポリマ−と、界面活性剤1〜20重量%/ポ
リビニルアルコール系ポリマ−を含む紡糸原液を紡糸後
乾熱延伸し、得られた糸篠を炭素数3〜5の脂肪族ジア
ルデヒド化物及び/またはそのアセタ−ル化物を1〜8
0g/リットル、酸触媒を0.02〜1規定含む水溶液
に含浸してポリビニルアルコール系ポリマ−に分子間架
橋を形成せしめるポリビニルアルコール系繊維の製造方
法に関する。
【0010】
【発明の具体的な態様】架橋構造のないPVA系繊維に
おいて、水はPVAの良溶媒であり、高温で多湿の環境
下では高度に配向したPVA系繊維であっても140℃
以上で完全に溶解する。しかしながら、PVA系繊維の
分子間が架橋によって連結されると、分子間の架橋点で
繊維内の分子配向や結晶が固定化され、高温多湿下での
水の攻撃に耐えることが可能となり、耐湿熱性が向上す
る。よって、PVA系繊維内の分子間架橋を何等かの方
法で付与することが必要である。
おいて、水はPVAの良溶媒であり、高温で多湿の環境
下では高度に配向したPVA系繊維であっても140℃
以上で完全に溶解する。しかしながら、PVA系繊維の
分子間が架橋によって連結されると、分子間の架橋点で
繊維内の分子配向や結晶が固定化され、高温多湿下での
水の攻撃に耐えることが可能となり、耐湿熱性が向上す
る。よって、PVA系繊維内の分子間架橋を何等かの方
法で付与することが必要である。
【0011】しかしながら、特開平5−163609号
公報に記載されているように、乾燥延伸までのいずれか
のPVA系繊維の製造工程において、ジアルデヒド又は
そのアセタール化物を付与した場合には、繊維の中心部
にまで確実に該物質を浸透させることができるものの、
乾燥延伸後に酸処理を行って架橋構造を発現させるとP
VAの結晶構造が破壊されて強度が低下する。従って、
乾燥延伸工程で高度に延伸したとしても、結果的に得ら
れる繊維の強度に限界がある。さらに、延伸乾燥工程で
繊維表面に存在するジアルデヒド化物等が揮発するた
め、結果的に繊維表面では十分に架橋構造が形成され
ず、しかも架橋剤及び酸を多量に使用する必要があるの
で経済的ではなかった。また従来行われている方法、す
なわちホルマリンによるPVA分子内の水酸基封鎖は、
同一分子内の水酸基間での反応であるため、耐湿熱性と
関連の大きい分子間架橋とは技術的に異なり、ホルマリ
ンによるアセタ−ル化では耐湿熱性を大幅に改善するこ
とはできない。
公報に記載されているように、乾燥延伸までのいずれか
のPVA系繊維の製造工程において、ジアルデヒド又は
そのアセタール化物を付与した場合には、繊維の中心部
にまで確実に該物質を浸透させることができるものの、
乾燥延伸後に酸処理を行って架橋構造を発現させるとP
VAの結晶構造が破壊されて強度が低下する。従って、
乾燥延伸工程で高度に延伸したとしても、結果的に得ら
れる繊維の強度に限界がある。さらに、延伸乾燥工程で
繊維表面に存在するジアルデヒド化物等が揮発するた
め、結果的に繊維表面では十分に架橋構造が形成され
ず、しかも架橋剤及び酸を多量に使用する必要があるの
で経済的ではなかった。また従来行われている方法、す
なわちホルマリンによるPVA分子内の水酸基封鎖は、
同一分子内の水酸基間での反応であるため、耐湿熱性と
関連の大きい分子間架橋とは技術的に異なり、ホルマリ
ンによるアセタ−ル化では耐湿熱性を大幅に改善するこ
とはできない。
【0012】本発明は、従来は架橋剤が中央部まで浸透
しにくいとされてきた乾熱延伸後のPVA系繊維に架橋
剤を付与して架橋構造を形成させるPVA系繊維の製造
方法を提供するものであり、特種な方法を採用すること
により繊維中央部まで架橋構造を形成させ得ると同時に
経済的にも優れた方法を提供するものである。
しにくいとされてきた乾熱延伸後のPVA系繊維に架橋
剤を付与して架橋構造を形成させるPVA系繊維の製造
方法を提供するものであり、特種な方法を採用すること
により繊維中央部まで架橋構造を形成させ得ると同時に
経済的にも優れた方法を提供するものである。
【0013】以下に本発明の方法を具体的に説明する。
本発明で使用されるPVA系ポリマ−は繊維化可能なも
のであれば特に限定されないが、架橋処理していない段
階での繊維の耐湿熱性が高いほど耐湿熱性に優れた繊維
が得られるため、その点ではPVA系ポリマ−の重合度
が高い方が好ましい。具体的には重合度1000〜30
000、特に1500〜8000のものが好ましい。し
かしながら、本発明の特徴は、重合度が低いPVAを用
いた場合でも耐湿熱性に優れた繊維が得られること、経
済的に極めて有利な方法であることにあるから、その点
からは重合度3500以下、特に重合度1000〜30
00のPVA系ポリマ−を使用するのが好ましい。また
ケン化度は、98モル%以上、特に99.5モル%以上
とするのが好ましい。
本発明で使用されるPVA系ポリマ−は繊維化可能なも
のであれば特に限定されないが、架橋処理していない段
階での繊維の耐湿熱性が高いほど耐湿熱性に優れた繊維
が得られるため、その点ではPVA系ポリマ−の重合度
が高い方が好ましい。具体的には重合度1000〜30
000、特に1500〜8000のものが好ましい。し
かしながら、本発明の特徴は、重合度が低いPVAを用
いた場合でも耐湿熱性に優れた繊維が得られること、経
済的に極めて有利な方法であることにあるから、その点
からは重合度3500以下、特に重合度1000〜30
00のPVA系ポリマ−を使用するのが好ましい。また
ケン化度は、98モル%以上、特に99.5モル%以上
とするのが好ましい。
【0014】また他のユニットにより変性されたPVA
系ポリマ−を使用してもよく、この場合、変性の程度は
PVA系ポリマ−の主鎖分子の約20モル%以下とする
のが好ましい。変性モノマ−としては、エチレン、イタ
コン酸、アクリル酸、無水マレイン酸とその開環物、ア
リ−ルスルホン酸、ピバリン酸ビニルの如き脂肪酸ビニ
ルエステル、ビニルピロリドンや上記のイオン性基の一
部又は全量中和物などの変性ユニットより変性したもの
が挙げられる。
系ポリマ−を使用してもよく、この場合、変性の程度は
PVA系ポリマ−の主鎖分子の約20モル%以下とする
のが好ましい。変性モノマ−としては、エチレン、イタ
コン酸、アクリル酸、無水マレイン酸とその開環物、ア
リ−ルスルホン酸、ピバリン酸ビニルの如き脂肪酸ビニ
ルエステル、ビニルピロリドンや上記のイオン性基の一
部又は全量中和物などの変性ユニットより変性したもの
が挙げられる。
【0015】PVA系合成繊維の紡糸方式としては特に
限定されないが、公知の湿式紡糸や乾式紡糸、さらに紡
糸ノズルと凝固浴中の間に空気又は不活性ガス雰囲気の
ギャップを有する乾湿式紡糸(含むゲル紡糸)が採用で
きる。繊維に架橋処理を施すと耐湿熱性は高まる反面、
繊維強度は低下する。たとえば10g/d程度の強度を
有する繊維を架橋処理すると、繊維強度は1〜5g/d
程度低下する。以上のことから、乾熱延伸後の繊維強度
が10g/d以上、さらに15g/d以上となる方法が
好ましい。なお乾熱延伸後の繊維の初期弾性率は200
g/d以上、さらに300g/d以上であるのが好まし
い。架橋剤浸透性及び繊維強度の点からは、破断延伸倍
率の90〜95%の延伸倍率で乾熱延伸を行うのが好ま
しい。
限定されないが、公知の湿式紡糸や乾式紡糸、さらに紡
糸ノズルと凝固浴中の間に空気又は不活性ガス雰囲気の
ギャップを有する乾湿式紡糸(含むゲル紡糸)が採用で
きる。繊維に架橋処理を施すと耐湿熱性は高まる反面、
繊維強度は低下する。たとえば10g/d程度の強度を
有する繊維を架橋処理すると、繊維強度は1〜5g/d
程度低下する。以上のことから、乾熱延伸後の繊維強度
が10g/d以上、さらに15g/d以上となる方法が
好ましい。なお乾熱延伸後の繊維の初期弾性率は200
g/d以上、さらに300g/d以上であるのが好まし
い。架橋剤浸透性及び繊維強度の点からは、破断延伸倍
率の90〜95%の延伸倍率で乾熱延伸を行うのが好ま
しい。
【0016】具体的な方法としては、(1)硼酸やその
塩を0.5〜5重量%/PVA程度、Phコントロ−ル
用の酸を加えたものをPVA紡糸原液とし、比較的高温
のアルカリ性凝固浴へ湿式紡糸して、中和、水洗、湿熱
延伸、乾燥、乾熱延伸及び収縮処理の各工程を通過させ
る方法、(2)グリセリン、エチレングリコ−ル、トリ
エチレングリコ−ル等の多価アルコ−ル類や、ジメチル
スルホキシドやジメチルホルムアミドなどの有機溶剤
や、これら1種以上の有機溶媒に水等を添加したものに
PVAを添加したものを紡糸原液とし、メタノールなど
の凝固浴へ紡糸して、乾燥、延伸、収縮処理させる方法
などが採用できるが特にその方法は限定されない。
塩を0.5〜5重量%/PVA程度、Phコントロ−ル
用の酸を加えたものをPVA紡糸原液とし、比較的高温
のアルカリ性凝固浴へ湿式紡糸して、中和、水洗、湿熱
延伸、乾燥、乾熱延伸及び収縮処理の各工程を通過させ
る方法、(2)グリセリン、エチレングリコ−ル、トリ
エチレングリコ−ル等の多価アルコ−ル類や、ジメチル
スルホキシドやジメチルホルムアミドなどの有機溶剤
や、これら1種以上の有機溶媒に水等を添加したものに
PVAを添加したものを紡糸原液とし、メタノールなど
の凝固浴へ紡糸して、乾燥、延伸、収縮処理させる方法
などが採用できるが特にその方法は限定されない。
【0017】さらに具体的に製造例を説明すると、たと
えば粘度平均重合度1500〜2500程度のPVAポ
リマ−の完全ケン化物を溶解した紡糸原液(PVA濃度
16重量%程度)を、脱水能を有する飽和芒硝浴中(4
0℃)に湿式紡糸し、常法にしたがってロ−ラ延伸後に
湿熱延伸し、乾燥させた後全延伸倍率が7〜10倍とな
るように230℃の延伸炉中で乾熱延伸し、次いで23
5℃の収縮炉で約5〜10%の収縮処理を行なえば、所
望のPVA延伸糸を得ることができる。この方法(3)
は前述の硼酸添加による高強度PVA系繊維の製造法が
見出だされる前から一般的に行なわれている方法である
が、このように製造工程がシンプルで使用薬剤が少な
く、かつ生産性が高いため製造コスト的にも有利な方法
から得られるPVA系繊維を用いても本発明の目的を達
成できる。
えば粘度平均重合度1500〜2500程度のPVAポ
リマ−の完全ケン化物を溶解した紡糸原液(PVA濃度
16重量%程度)を、脱水能を有する飽和芒硝浴中(4
0℃)に湿式紡糸し、常法にしたがってロ−ラ延伸後に
湿熱延伸し、乾燥させた後全延伸倍率が7〜10倍とな
るように230℃の延伸炉中で乾熱延伸し、次いで23
5℃の収縮炉で約5〜10%の収縮処理を行なえば、所
望のPVA延伸糸を得ることができる。この方法(3)
は前述の硼酸添加による高強度PVA系繊維の製造法が
見出だされる前から一般的に行なわれている方法である
が、このように製造工程がシンプルで使用薬剤が少な
く、かつ生産性が高いため製造コスト的にも有利な方法
から得られるPVA系繊維を用いても本発明の目的を達
成できる。
【0018】かかる方法(3)で得られる繊維の断面
は、スキン−コアの2層構造を有しており、また高度に
延伸されないために分子の配向度や結晶化度は前述の硼
酸添加による高強度PVA系繊維より相当低くなってい
る。このため、本発明に係わる架橋処理を施すと、架橋
剤が繊維内部まで侵入して架橋構造を形成し、同じPV
Aを用いた硼酸添加PVAと同程度以上の耐湿熱性に優
れた繊維が得られる。
は、スキン−コアの2層構造を有しており、また高度に
延伸されないために分子の配向度や結晶化度は前述の硼
酸添加による高強度PVA系繊維より相当低くなってい
る。このため、本発明に係わる架橋処理を施すと、架橋
剤が繊維内部まで侵入して架橋構造を形成し、同じPV
Aを用いた硼酸添加PVAと同程度以上の耐湿熱性に優
れた繊維が得られる。
【0019】本発明においては、紡糸原液に一種または
二種以上の界面活性剤をPVAに対して1〜20重量%
添加することが必要である。すなわち、本発明では、乾
熱延伸後の配向結晶化の進行したPVA系繊維に架橋剤
を付与するために界面活性剤を紡糸原液に添加して、架
橋剤の浸透を促進する必要がある。また界面活性剤が含
まれることによって延伸性も高まるため好ましい。界面
活性剤としてはアニオン系、カチオン系、両性系、ノニ
オン系のいかなるものでもよいが、なかでもPVA系ポ
リマ−の紡糸性や延伸性を阻害せず、逆に延伸性を顕著
に向上させるノニオン系のものが特に好ましい。ノニオ
ン系の界面活性剤として好適な例は、高級アルコ−ルエ
チレンオキサイド付加物、アルキルフェノ−ルエチレン
オキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、
多価アルコ−ル脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加
物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物のポ
リエチレングリコ−ル型と、グリセロ−ルの脂肪酸エス
テル、多価アルコ−ルのアルキルエ−テル等の多価アル
コ−ル型等が挙げられる。
二種以上の界面活性剤をPVAに対して1〜20重量%
添加することが必要である。すなわち、本発明では、乾
熱延伸後の配向結晶化の進行したPVA系繊維に架橋剤
を付与するために界面活性剤を紡糸原液に添加して、架
橋剤の浸透を促進する必要がある。また界面活性剤が含
まれることによって延伸性も高まるため好ましい。界面
活性剤としてはアニオン系、カチオン系、両性系、ノニ
オン系のいかなるものでもよいが、なかでもPVA系ポ
リマ−の紡糸性や延伸性を阻害せず、逆に延伸性を顕著
に向上させるノニオン系のものが特に好ましい。ノニオ
ン系の界面活性剤として好適な例は、高級アルコ−ルエ
チレンオキサイド付加物、アルキルフェノ−ルエチレン
オキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、
多価アルコ−ル脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加
物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物のポ
リエチレングリコ−ル型と、グリセロ−ルの脂肪酸エス
テル、多価アルコ−ルのアルキルエ−テル等の多価アル
コ−ル型等が挙げられる。
【0020】界面活性剤を紡糸原液中に添加した場合、
PVA系水溶液に溶解せずに層分離を起こして溶解しな
いものもあるが、この場合には撹拌を行うことで粒子径
が100μm以下、好ましくは20μm以下にすること
が可能であれば界面活性剤としては問題ない。紡糸原液
をノズルへ供給するまで界面活性剤がこの粒子径を保つ
ように、ミキサ−や振動装置によって撹拌すればよい。
一方、100μm以下の粒子径に細粒化でき、かつノズ
ルまでその粒子径を維持できない場合には、何らかの分
散剤を添加してディスパ−ジョン化してもよい。界面活
性剤の添加量は、PVA系ポリマ−に対して0.1〜2
0重量%以下が好ましく、紡糸・延伸性の工程通過性の
面、さらに架橋剤のPVA系繊維中への侵入のしやす
さ、架橋反応後の繊維の強度保持性の点から10重量%
以下、特に3〜7重量%とするのが好ましい。
PVA系水溶液に溶解せずに層分離を起こして溶解しな
いものもあるが、この場合には撹拌を行うことで粒子径
が100μm以下、好ましくは20μm以下にすること
が可能であれば界面活性剤としては問題ない。紡糸原液
をノズルへ供給するまで界面活性剤がこの粒子径を保つ
ように、ミキサ−や振動装置によって撹拌すればよい。
一方、100μm以下の粒子径に細粒化でき、かつノズ
ルまでその粒子径を維持できない場合には、何らかの分
散剤を添加してディスパ−ジョン化してもよい。界面活
性剤の添加量は、PVA系ポリマ−に対して0.1〜2
0重量%以下が好ましく、紡糸・延伸性の工程通過性の
面、さらに架橋剤のPVA系繊維中への侵入のしやす
さ、架橋反応後の繊維の強度保持性の点から10重量%
以下、特に3〜7重量%とするのが好ましい。
【0021】乾熱延伸を施された繊維(場合によっては
さらに熱処理等の処理が施された繊維)に、架橋処理を
行って耐湿熱性を高める。架橋剤としては、繊維内部に
含浸可能であり、さらにPVA系分子鎖中の水酸基と酸
触媒のもとにアセタ−ル化反応による化学結合を作り、
架橋剤の片末端と他方の末端が別々のPVA系ポリマ−
の分子鎖と結合することで各PVA系分子間架橋構造を
形成させるものを使用する。そのため、架橋剤には少な
くとも2以上のアルデヒド基が必要であり、かつ膨潤し
たPVA系繊維内部に容易に侵入可能な大きさを持つ化
合物を用いる。
さらに熱処理等の処理が施された繊維)に、架橋処理を
行って耐湿熱性を高める。架橋剤としては、繊維内部に
含浸可能であり、さらにPVA系分子鎖中の水酸基と酸
触媒のもとにアセタ−ル化反応による化学結合を作り、
架橋剤の片末端と他方の末端が別々のPVA系ポリマ−
の分子鎖と結合することで各PVA系分子間架橋構造を
形成させるものを使用する。そのため、架橋剤には少な
くとも2以上のアルデヒド基が必要であり、かつ膨潤し
たPVA系繊維内部に容易に侵入可能な大きさを持つ化
合物を用いる。
【0022】本発明で使用する架橋剤は、繊維内部に侵
入する必要があることから水溶性である必要があり、ま
た分子サイズ上から、炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒ
ド化合物及び/又はそのアセタ−ル化物を使用する。炭
素数6以上の場合、炭素数が増加することによって水へ
の溶解性が低くなるとともに、繊維内部への浸透性も低
下していくため、繊維内部における架橋密度を高めるこ
とはできず、その結果、所望のゲル弾性率及び溶出率を
有する繊維は得られない。
入する必要があることから水溶性である必要があり、ま
た分子サイズ上から、炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒ
ド化合物及び/又はそのアセタ−ル化物を使用する。炭
素数6以上の場合、炭素数が増加することによって水へ
の溶解性が低くなるとともに、繊維内部への浸透性も低
下していくため、繊維内部における架橋密度を高めるこ
とはできず、その結果、所望のゲル弾性率及び溶出率を
有する繊維は得られない。
【0023】本発明で使用できる架橋剤としては、グリ
オキザ−ル、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒ
ド、グルタ−ルアルデヒドなどの脂肪族ジアルデヒド化
合物やそのアセタ−ル化物が挙げられ、これらを2種以
上併用して用いても良い。またこれらの内マロンジアル
デヒドのように、酸と共存しない場合であっても反応性
が高く重合してしまう化合物については、これをアルコ
ールでアセタール化し、アセタール化物として用いるこ
とができ、たとえば、マロンジアルデヒドをメタノール
でアセタール化したテトラメトキシプロパンであって、
酸が共存しない場合に安定化でき、酸が共存するとジア
ルデヒドに戻ってPVAと反応しうるものとなる。架橋
剤としては特にグルタ−ルアルデヒドが好ましい。
オキザ−ル、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒ
ド、グルタ−ルアルデヒドなどの脂肪族ジアルデヒド化
合物やそのアセタ−ル化物が挙げられ、これらを2種以
上併用して用いても良い。またこれらの内マロンジアル
デヒドのように、酸と共存しない場合であっても反応性
が高く重合してしまう化合物については、これをアルコ
ールでアセタール化し、アセタール化物として用いるこ
とができ、たとえば、マロンジアルデヒドをメタノール
でアセタール化したテトラメトキシプロパンであって、
酸が共存しない場合に安定化でき、酸が共存するとジア
ルデヒドに戻ってPVAと反応しうるものとなる。架橋
剤としては特にグルタ−ルアルデヒドが好ましい。
【0024】さらにこれら架橋剤を繊維に付与する際
に、架橋剤の浸透を促進するためにPVA系繊維に対し
て膨潤作用を有する助剤を併用してもよい。たとえばホ
ルムアルデヒド類のように処理条件によってPVA分子
と水から反応するものを使用してもよい。ホルムアルデ
ヒドを助剤として使用する場合、酸触媒の濃度が高くな
るにしたがってPVAの水酸基とにアセタ−ル化反応が
増加し、一般に知られているPVA系のホルマ−ル化と
おなじ結果がおこりPVA同一分子内で水酸基の封鎖反
応がおこる。この場合、ジアルデヒドによる架橋反応を
阻害する場合もあるため、助剤の併用を避けるか、また
は助剤の濃度を低くするのがよい。架橋処理浴における
炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒド化合物及び/又はそ
のアセタ−ル化物は1〜80g/リットル、特に2〜2
0g/リットルとするのが好ましい。本発明において
は、乾熱延伸後の繊維に架橋剤を付与するため、架橋剤
が高温で揮発しにくく、少量の架橋剤を使用すれば目的
が達成できるため、経済的にも優れている。
に、架橋剤の浸透を促進するためにPVA系繊維に対し
て膨潤作用を有する助剤を併用してもよい。たとえばホ
ルムアルデヒド類のように処理条件によってPVA分子
と水から反応するものを使用してもよい。ホルムアルデ
ヒドを助剤として使用する場合、酸触媒の濃度が高くな
るにしたがってPVAの水酸基とにアセタ−ル化反応が
増加し、一般に知られているPVA系のホルマ−ル化と
おなじ結果がおこりPVA同一分子内で水酸基の封鎖反
応がおこる。この場合、ジアルデヒドによる架橋反応を
阻害する場合もあるため、助剤の併用を避けるか、また
は助剤の濃度を低くするのがよい。架橋処理浴における
炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒド化合物及び/又はそ
のアセタ−ル化物は1〜80g/リットル、特に2〜2
0g/リットルとするのが好ましい。本発明において
は、乾熱延伸後の繊維に架橋剤を付与するため、架橋剤
が高温で揮発しにくく、少量の架橋剤を使用すれば目的
が達成できるため、経済的にも優れている。
【0025】本発明で使用する酸は、脂肪族ジアルデヒ
ドとPVAがアセタ−ル化反応をおこす触媒能を有して
いれば良いが、処理浴のpHが2以下、好ましくは1以
下でアセタ−ル化反応が進行するため、そのようなpH
となるように酸を添加するのが好ましい。しかしなが
ら、過剰の酸触媒が浴中に存在すると繊維や架橋剤自身
が損傷し、また急激に架橋反応が進行するとすぐに繊維
表面に多数の架橋構造が形成されるために繊維内部に架
橋剤及び酸が浸透しにくくなり、繊維内部に架橋構造が
十分形成されにくくなる。従って、得られる繊維の耐湿
熱性は不十分となるのみでなく、経済的にも好ましくな
い。以上のことから、酸濃度は0.02〜1規定、特に
0.05〜0.2規定とするのが好ましい。酸としては
硫酸、塩酸、硝酸、シュウ酸、マレイン酸等が挙げられ
るが硫酸がより好ましい。
ドとPVAがアセタ−ル化反応をおこす触媒能を有して
いれば良いが、処理浴のpHが2以下、好ましくは1以
下でアセタ−ル化反応が進行するため、そのようなpH
となるように酸を添加するのが好ましい。しかしなが
ら、過剰の酸触媒が浴中に存在すると繊維や架橋剤自身
が損傷し、また急激に架橋反応が進行するとすぐに繊維
表面に多数の架橋構造が形成されるために繊維内部に架
橋剤及び酸が浸透しにくくなり、繊維内部に架橋構造が
十分形成されにくくなる。従って、得られる繊維の耐湿
熱性は不十分となるのみでなく、経済的にも好ましくな
い。以上のことから、酸濃度は0.02〜1規定、特に
0.05〜0.2規定とするのが好ましい。酸としては
硫酸、塩酸、硝酸、シュウ酸、マレイン酸等が挙げられ
るが硫酸がより好ましい。
【0026】PVA系繊維の架橋処理は、上記の架橋剤
と酸触媒を諸定量入れて調整し、繊維量に対して浴比
1:3以上、さらに1:5以上、特に1:30以上の処
理浴量を準備するのが好ましい。浴の温度や処理時間
は、PVA系繊維内部に架橋剤及び酸触媒が十分にかつ
すばやく浸透するように設定する必要がある。そのた
め、浴温度は30℃以上、好ましくは50℃以上で処理
するのが好ましい。架橋剤がグルタ−ルアルデヒドの場
合、処理浴温度が40℃以上では温度の上昇と比例して
グルタ−ルアルデヒドの浴中の安定性が低下するので、
処理浴温度は低い方が好ましいものの、反応性も低下す
ることから、60〜80℃とするのがより好ましい。処
理時間は処理浴によって異なるが20〜120分程度、
特に30〜50分程度とするのが好ましい。
と酸触媒を諸定量入れて調整し、繊維量に対して浴比
1:3以上、さらに1:5以上、特に1:30以上の処
理浴量を準備するのが好ましい。浴の温度や処理時間
は、PVA系繊維内部に架橋剤及び酸触媒が十分にかつ
すばやく浸透するように設定する必要がある。そのた
め、浴温度は30℃以上、好ましくは50℃以上で処理
するのが好ましい。架橋剤がグルタ−ルアルデヒドの場
合、処理浴温度が40℃以上では温度の上昇と比例して
グルタ−ルアルデヒドの浴中の安定性が低下するので、
処理浴温度は低い方が好ましいものの、反応性も低下す
ることから、60〜80℃とするのがより好ましい。処
理時間は処理浴によって異なるが20〜120分程度、
特に30〜50分程度とするのが好ましい。
【0027】なお繊維中の架橋度が十分得られ、繊維の
膨潤が起こり過ぎる場合は、繊維の膨潤抑制剤として浴
中に芒硝等の脱水能を有する物質を用いることができ
る。本発明においては、紡糸原液中に界面活性剤を添加
して紡糸しているため、繊維が膨潤したり、結晶の一部
が溶解したり、非晶領域の配向が適度に乱されているた
め、架橋剤は繊維内部に侵入することができ、さらに処
理浴中の酸濃度及び架橋剤濃度が低く架橋反応が穏やか
に進行するため、繊維表面のみでなく繊維内部まで十分
に架橋構造を形成させることができる。
膨潤が起こり過ぎる場合は、繊維の膨潤抑制剤として浴
中に芒硝等の脱水能を有する物質を用いることができ
る。本発明においては、紡糸原液中に界面活性剤を添加
して紡糸しているため、繊維が膨潤したり、結晶の一部
が溶解したり、非晶領域の配向が適度に乱されているた
め、架橋剤は繊維内部に侵入することができ、さらに処
理浴中の酸濃度及び架橋剤濃度が低く架橋反応が穏やか
に進行するため、繊維表面のみでなく繊維内部まで十分
に架橋構造を形成させることができる。
【0028】本発明により得られる繊維の強度は5g/
d以上、さらに7g/d以上、特に10g/d以上であ
るのが好ましい。繊維強度が5g/d以上の場合、多く
の用途に問題なく使用することができ、たとえば補強材
として使用するとたわみ性(スレ−ト板の曲げ強度測定
時における切断伸度)が向上し釘打ち時の破損を防止す
ることができる。強度が7g/d以上の場合にはより優
れた効果が得られ、特に補強材として使用するとセメン
ト成型体等のマトリックスの強度を高めることができ
る。
d以上、さらに7g/d以上、特に10g/d以上であ
るのが好ましい。繊維強度が5g/d以上の場合、多く
の用途に問題なく使用することができ、たとえば補強材
として使用するとたわみ性(スレ−ト板の曲げ強度測定
時における切断伸度)が向上し釘打ち時の破損を防止す
ることができる。強度が7g/d以上の場合にはより優
れた効果が得られ、特に補強材として使用するとセメン
ト成型体等のマトリックスの強度を高めることができ
る。
【0029】本発明により得られる繊維のゲル弾性率は
10×10-3g/cm・dr以上、さらに13×10-3
g/cm・dr以上であるのが好ましく、溶出率は40
%以下、さらに30%以下であるのが好ましい。
10×10-3g/cm・dr以上、さらに13×10-3
g/cm・dr以上であるのが好ましく、溶出率は40
%以下、さらに30%以下であるのが好ましい。
【0030】なお本発明にいうゲル弾性率とは、その架
橋度合を数値化したものであって、その値が大きい程、
より多くの架橋が導入されていることになる。ゲル弾性
率の測定法については後述するが、概要を述べると、塩
化亜鉛水溶液は強力なPVAの溶剤であるため簡単にP
VA系合成繊維を溶かすことができる。ところが、PV
A分子間が何等かの結合によって架橋されていると、塩
化亜鉛水溶液でPVAの非晶部及び結晶部は溶解する
が、PVA分子間の架橋ネットワ−クが存在するため、
繊維全体としては溶解することなく収縮しながらゲル状
になる。このゲル状物の両端に引張応力を作用させる
と、その応力に対応して伸長するが、この伸張挙動はフ
ックの法則に従い、バネ定数に相当する弾性項が本発明
で規定するゲル弾性率を示す。
橋度合を数値化したものであって、その値が大きい程、
より多くの架橋が導入されていることになる。ゲル弾性
率の測定法については後述するが、概要を述べると、塩
化亜鉛水溶液は強力なPVAの溶剤であるため簡単にP
VA系合成繊維を溶かすことができる。ところが、PV
A分子間が何等かの結合によって架橋されていると、塩
化亜鉛水溶液でPVAの非晶部及び結晶部は溶解する
が、PVA分子間の架橋ネットワ−クが存在するため、
繊維全体としては溶解することなく収縮しながらゲル状
になる。このゲル状物の両端に引張応力を作用させる
と、その応力に対応して伸長するが、この伸張挙動はフ
ックの法則に従い、バネ定数に相当する弾性項が本発明
で規定するゲル弾性率を示す。
【0031】また本発明にいう溶出率とは、これも後に
詳述するが、繊維を6mmにカットし160℃の人工セ
メント液に浸漬したときの繊維の重量減少率であり、架
橋がどの程度導入されているかを示す指標である。本発
明の方法によれば、架橋の発現は繊維表面から内部へと
進行すると考えられるため、その意味では架橋の程度が
繊維断面方向に、その程度導入されているかの指標とも
なりえる。本発明者等の経験によれば、溶出率が40%
以下でなければ140℃以上のオートクレーブ養生処理
に耐えられず、160℃以上のオ−トクレ−ブ養生処理
に耐えて補強効果を発揮するには溶出率30%以下にす
る必要がある。
詳述するが、繊維を6mmにカットし160℃の人工セ
メント液に浸漬したときの繊維の重量減少率であり、架
橋がどの程度導入されているかを示す指標である。本発
明の方法によれば、架橋の発現は繊維表面から内部へと
進行すると考えられるため、その意味では架橋の程度が
繊維断面方向に、その程度導入されているかの指標とも
なりえる。本発明者等の経験によれば、溶出率が40%
以下でなければ140℃以上のオートクレーブ養生処理
に耐えられず、160℃以上のオ−トクレ−ブ養生処理
に耐えて補強効果を発揮するには溶出率30%以下にす
る必要がある。
【0032】なお、一般に湿式紡糸で得られたPVA系
繊維の場合、繊維の断面方向に程度の差があり、スキン
・コア構造が存在すると考えられるため、繊維表面のス
キン層は、コア層に比べて配向度や結晶化度が高く耐薬
品性が高いと考えられる。よって高温湿潤下においてP
VA系カット繊維の溶解は、その切断部、すなわちコア
層から進行するものであり、カット長さが異なれば溶出
率が異なる。本発明においては、カット長6mmにて測
定するが、6mm長での溶出率が40%の繊維はカット
長3mmにすると溶出率50%程度になる。前述のゲル
弾性率は、架橋の度合を指し示すものであるが、繊維中
に架橋の均一性を必ずしも反映するものではない。従っ
てゲル弾性率は140℃のオートクレーブ養生処理に耐
えるためのいわば必要条件であるのに対し、溶出率は十
分条件であり、両者を同時に満足することが必要であ
る。
繊維の場合、繊維の断面方向に程度の差があり、スキン
・コア構造が存在すると考えられるため、繊維表面のス
キン層は、コア層に比べて配向度や結晶化度が高く耐薬
品性が高いと考えられる。よって高温湿潤下においてP
VA系カット繊維の溶解は、その切断部、すなわちコア
層から進行するものであり、カット長さが異なれば溶出
率が異なる。本発明においては、カット長6mmにて測
定するが、6mm長での溶出率が40%の繊維はカット
長3mmにすると溶出率50%程度になる。前述のゲル
弾性率は、架橋の度合を指し示すものであるが、繊維中
に架橋の均一性を必ずしも反映するものではない。従っ
てゲル弾性率は140℃のオートクレーブ養生処理に耐
えるためのいわば必要条件であるのに対し、溶出率は十
分条件であり、両者を同時に満足することが必要であ
る。
【0033】なお、本発明により得られるPVA系繊維
はあらゆる用途に使用することができるが、特に耐湿熱
性が要求される用途には優れた性能を示す。特にオート
クレーブ養生処理を施す水硬性硬化体の補強材として有
効である。オ−トクレ−ブ処理を施す目的は、セメント
製品の寸法安定化である。140℃以上で養生すれば大
幅に寸法安定性が向上するものの、これはビーカースケ
ールの小さな試験片での結果であって、実際に工業的に
生産されるスケールの製品、特に長尺物においてはこの
程度の養生条件ではその効果が不十分であり、より実用
的な養生温度としては160℃以上が好ましい。また実
施例で示したオ−トクレ−ブ養生処理後の繊維強度は5
g/d以上、特に10g/d以上であるのが好ましく、
養生前の繊維強度の70%以上、特に80%以上の繊維
強度を示すものが好ましい。
はあらゆる用途に使用することができるが、特に耐湿熱
性が要求される用途には優れた性能を示す。特にオート
クレーブ養生処理を施す水硬性硬化体の補強材として有
効である。オ−トクレ−ブ処理を施す目的は、セメント
製品の寸法安定化である。140℃以上で養生すれば大
幅に寸法安定性が向上するものの、これはビーカースケ
ールの小さな試験片での結果であって、実際に工業的に
生産されるスケールの製品、特に長尺物においてはこの
程度の養生条件ではその効果が不十分であり、より実用
的な養生温度としては160℃以上が好ましい。また実
施例で示したオ−トクレ−ブ養生処理後の繊維強度は5
g/d以上、特に10g/d以上であるのが好ましく、
養生前の繊維強度の70%以上、特に80%以上の繊維
強度を示すものが好ましい。
【0034】本発明において、架橋処理される繊維の形
態は長繊維でも単繊維であってもよい。長繊維の場合、
連続処理を実施する際には長繊維の集合体でであるト
ウ、太さとしては特に制約はないが、10万〜1000
万デニ−ル程度であり、均一な架橋処理の条件を制御可
能なら生産効率上有用で、かつ製造コストの低下にも大
きく寄与できる。また、石綿代替用の補強繊維の場合、
2〜15mm程度のカット長で用いられることが多く、
よってカットファイバ−に架橋処理を施しても構わな
い。この場合、繊維横断面も露出されて架橋剤が浸透し
やすく、架橋構造も十分形成されるために好ましい。
態は長繊維でも単繊維であってもよい。長繊維の場合、
連続処理を実施する際には長繊維の集合体でであるト
ウ、太さとしては特に制約はないが、10万〜1000
万デニ−ル程度であり、均一な架橋処理の条件を制御可
能なら生産効率上有用で、かつ製造コストの低下にも大
きく寄与できる。また、石綿代替用の補強繊維の場合、
2〜15mm程度のカット長で用いられることが多く、
よってカットファイバ−に架橋処理を施しても構わな
い。この場合、繊維横断面も露出されて架橋剤が浸透し
やすく、架橋構造も十分形成されるために好ましい。
【0035】以上のように、本発明は、強度及び耐湿熱
性に優れたPVA系繊維を工程上及び経済的に効率的に
製造する方法を提供するものであり、得られる繊維は衣
料用及び産業資材用等のあらゆる分野に使用できる。特
にFRC用に好適であり、なかでもオ−トクレ−ブ用水
硬性硬化体の補強材として極めて優れた効果が得られ
る。
性に優れたPVA系繊維を工程上及び経済的に効率的に
製造する方法を提供するものであり、得られる繊維は衣
料用及び産業資材用等のあらゆる分野に使用できる。特
にFRC用に好適であり、なかでもオ−トクレ−ブ用水
硬性硬化体の補強材として極めて優れた効果が得られ
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例を以て本発明を説明するが本発
明は実施例により何等限定されるものではない。
明は実施例により何等限定されるものではない。
【0037】[粘度平均重合度]JIS K−6726
に準じ、30℃におけるPVA系ポリマ−の希釈水溶液
のある濃度cにおける比粘度(ηsp)を5点測定し、下
記式より極限粘度[η]及び重合度Pを算出する。 [η]=lim(c→0)/c P =([η]×104 /8.29)1.613 なお、試料の未架橋延伸繊維を1〜10g/リットルの
濃度になるように140℃以上の水にて加温溶解させる
が、試料が完全に溶解せずゲル状物が少量発生した場合
は、そのゲル状物を目合5μmのガラスフィルタ−で濾
過してその濾過水溶液の粘度を測定した。なお、その時
の水溶液濃度は、残渣のゲルの重量を試料重量から引い
た補正値を用いて算出した。
に準じ、30℃におけるPVA系ポリマ−の希釈水溶液
のある濃度cにおける比粘度(ηsp)を5点測定し、下
記式より極限粘度[η]及び重合度Pを算出する。 [η]=lim(c→0)/c P =([η]×104 /8.29)1.613 なお、試料の未架橋延伸繊維を1〜10g/リットルの
濃度になるように140℃以上の水にて加温溶解させる
が、試料が完全に溶解せずゲル状物が少量発生した場合
は、そのゲル状物を目合5μmのガラスフィルタ−で濾
過してその濾過水溶液の粘度を測定した。なお、その時
の水溶液濃度は、残渣のゲルの重量を試料重量から引い
た補正値を用いて算出した。
【0038】[強度 g/d]予め湿度調整された単繊
維を試料長10cmになるように台紙に貼り、25℃×
60%RHで12時間以上放置し、次いで引張試験機
(インストロン1122)にて、JIS l−1015
に準じて測定し、測定回数n≧10の平均値で示す。な
お単繊維のデニ−ル(dr)は1/20g/dr荷重下
で90cm長にカットし、重量法によりn≧10の平均
値で示す。デニ−ル測定後の単繊維を用いて引張試験を
行い、そのデニ−ルと対応させて1本づつの強度を算出
する。また、繊維長が短くて試料長10cmを取ること
ができない場合には、最大長さを試験長として上記測定
条件に従って測定した。
維を試料長10cmになるように台紙に貼り、25℃×
60%RHで12時間以上放置し、次いで引張試験機
(インストロン1122)にて、JIS l−1015
に準じて測定し、測定回数n≧10の平均値で示す。な
お単繊維のデニ−ル(dr)は1/20g/dr荷重下
で90cm長にカットし、重量法によりn≧10の平均
値で示す。デニ−ル測定後の単繊維を用いて引張試験を
行い、そのデニ−ルと対応させて1本づつの強度を算出
する。また、繊維長が短くて試料長10cmを取ること
ができない場合には、最大長さを試験長として上記測定
条件に従って測定した。
【0039】なお、試料が数mmにカットされている場
合は、予め温度調整された単繊維を試料長1mmになる
ように台紙に貼り、25℃×60%RHで12時間以上
放置し、次いで引張試験機(インストロン1122)に
て、引張速度0.5mm/分にて破断強度を測定し、測
定回数n≧20の平均値で示す。試料のデニ−ルは、上
記の重量法によって既知となった繊維を対照として、各
試料の断面をカミソリの刃で切断し、光学顕微鏡によっ
て約500倍以上に拡大して写真にとり、デニ−ル既知
の対照繊維の断面積との面積比で試料のデニ−ルを算出
する。
合は、予め温度調整された単繊維を試料長1mmになる
ように台紙に貼り、25℃×60%RHで12時間以上
放置し、次いで引張試験機(インストロン1122)に
て、引張速度0.5mm/分にて破断強度を測定し、測
定回数n≧20の平均値で示す。試料のデニ−ルは、上
記の重量法によって既知となった繊維を対照として、各
試料の断面をカミソリの刃で切断し、光学顕微鏡によっ
て約500倍以上に拡大して写真にとり、デニ−ル既知
の対照繊維の断面積との面積比で試料のデニ−ルを算出
する。
【0040】[ゲル弾性率(ゲルE) ×10-3g/c
m・dr]1000〜2000デニールのマルチフィラ
メントヤーンを20cmの長さになるように上端を固定
して吊り下げ下端に5gの荷重をかける。この試料を5
0℃の恒温状態に保った50重量%濃度の塩化亜鉛水溶
液中に浸漬させると、試料ヤ−ンの収縮が発生するの
で、その収縮が完全に止まるまで待ち、その後塩化亜鉛
水溶液中で試料長Acmを測定する。次に試料に吊す荷
重を5gから30gへ変更して、同様に塩化亜鉛水溶液
中での収縮長Bcmを測定して、次式にてゲル弾性率を
算出する。なお比重8の荷重おもりを使用し、試料の収
縮長AとBはそれぞれ0.1mmオ−ダ−まで読み取る
こととする。式中Dは塩化亜鉛水溶液に浸漬前の試料の
デニ−ルである。
m・dr]1000〜2000デニールのマルチフィラ
メントヤーンを20cmの長さになるように上端を固定
して吊り下げ下端に5gの荷重をかける。この試料を5
0℃の恒温状態に保った50重量%濃度の塩化亜鉛水溶
液中に浸漬させると、試料ヤ−ンの収縮が発生するの
で、その収縮が完全に止まるまで待ち、その後塩化亜鉛
水溶液中で試料長Acmを測定する。次に試料に吊す荷
重を5gから30gへ変更して、同様に塩化亜鉛水溶液
中での収縮長Bcmを測定して、次式にてゲル弾性率を
算出する。なお比重8の荷重おもりを使用し、試料の収
縮長AとBはそれぞれ0.1mmオ−ダ−まで読み取る
こととする。式中Dは塩化亜鉛水溶液に浸漬前の試料の
デニ−ルである。
【0041】ゲルE(g/cm・dr)=(30−5)
/((B−A)×D) また試料が数mmにカットされている場合には、まず単
繊維の上端を固定し、試料が2mmになるように下端へ
重さW1mgの荷重をかけ、上記方法により塩化亜鉛水
溶液中での収縮させた試料長Fvmをよみとる。次いで
別の試料に動揺にして重さW2mg(W1<W2)の荷
重をかけ、同じく塩化亜鉛水溶液中での収縮長Gcmを
よみとり、ゲル弾性率を算出する。 ゲルE=(W1−W2)×10-5/((G−F)×D)
/((B−A)×D) また試料が数mmにカットされている場合には、まず単
繊維の上端を固定し、試料が2mmになるように下端へ
重さW1mgの荷重をかけ、上記方法により塩化亜鉛水
溶液中での収縮させた試料長Fvmをよみとる。次いで
別の試料に動揺にして重さW2mg(W1<W2)の荷
重をかけ、同じく塩化亜鉛水溶液中での収縮長Gcmを
よみとり、ゲル弾性率を算出する。 ゲルE=(W1−W2)×10-5/((G−F)×D)
【0042】[溶出率 %]水酸化カリウム3.5g/
リットル、水酸化ナトリウム0.9g/リットル、水酸
化カルシウム0.4g/リットルの水溶液からなる人工
セメント液を準備し、また6mmにカットした繊維を約
0.5g秤量(Agとする)した。次いで肉厚4.5m
mのステンレス製オートクレーブに100ccの人工セ
メント液と秤量した約0.5gのカット繊維を入れて密
閉し、160℃に保たれたオイルバスに浸漬して2時間
加熱処理した。その後オイルバスから引上げ室温まで冷
却し、オ−トクレ−ブ容器から繊維残渣を濾紙で濾過し
た後、乾燥させて残渣重量を秤量(Bgとする)し、溶
出率=(A−B)/A×100により算出した。
リットル、水酸化ナトリウム0.9g/リットル、水酸
化カルシウム0.4g/リットルの水溶液からなる人工
セメント液を準備し、また6mmにカットした繊維を約
0.5g秤量(Agとする)した。次いで肉厚4.5m
mのステンレス製オートクレーブに100ccの人工セ
メント液と秤量した約0.5gのカット繊維を入れて密
閉し、160℃に保たれたオイルバスに浸漬して2時間
加熱処理した。その後オイルバスから引上げ室温まで冷
却し、オ−トクレ−ブ容器から繊維残渣を濾紙で濾過し
た後、乾燥させて残渣重量を秤量(Bgとする)し、溶
出率=(A−B)/A×100により算出した。
【0043】[スレートの曲げ強度 kg/cm2 ]P
VA系繊維を6mmの長さに切断し,ハチェックマシン
で該繊維2重量部、パルプ3重量部、シリカ38重量
部、セメント57重量部の配合で湿式抄造した後、50
℃で20時間の1次養生を行い、その後160℃で15
時間のオ−トクレ−ブ養生処理を実施してスレ−ト板を
作成した。そしてJIS K−7911に準じて3日間
水中にスレ−ト板を浸漬した後、濡れた状態で曲げ強度
を測定した。
VA系繊維を6mmの長さに切断し,ハチェックマシン
で該繊維2重量部、パルプ3重量部、シリカ38重量
部、セメント57重量部の配合で湿式抄造した後、50
℃で20時間の1次養生を行い、その後160℃で15
時間のオ−トクレ−ブ養生処理を実施してスレ−ト板を
作成した。そしてJIS K−7911に準じて3日間
水中にスレ−ト板を浸漬した後、濡れた状態で曲げ強度
を測定した。
【0044】[オ−トクレ−ブ養生後の繊維強度 g/
d]オ−トクレ−ブ養生後のスレ−ト板を5%の塩酸水
溶液中(室温)に浸漬し、毎日軽くスレ−ト板をほぐし
てセメント部位を崩していき、毎日塩酸水溶液を新しく
取り替える。この作業を6日間繰り返して行い、その後
60メッシュの金属フィルタ−で綿状物を分離して水中
で2日間洗浄を行い、次に100℃の乾燥器で1日間乾
燥させる。得られた綿状物中には補強繊維とパルプが混
在するので、顕微鏡下で補強繊維のみを取り出し、強度
測定を行う。
d]オ−トクレ−ブ養生後のスレ−ト板を5%の塩酸水
溶液中(室温)に浸漬し、毎日軽くスレ−ト板をほぐし
てセメント部位を崩していき、毎日塩酸水溶液を新しく
取り替える。この作業を6日間繰り返して行い、その後
60メッシュの金属フィルタ−で綿状物を分離して水中
で2日間洗浄を行い、次に100℃の乾燥器で1日間乾
燥させる。得られた綿状物中には補強繊維とパルプが混
在するので、顕微鏡下で補強繊維のみを取り出し、強度
測定を行う。
【0045】[実施例1〜3]粘度平均重合度が170
0(実施例1)、2400(実施例2)、4000(実
施例3)でケン化度が99.5%のPVAを、それぞれ
濃度15重量%、14重量%、11重量%となるように
水に溶解し、さらに硼酸1.8重量%/PVA、酢酸
0.1重量%/PVA,ノニルフェノ−ルエチレンオキ
サイド40モル付加物を5重量%添加して紡糸原液を調
製した。該紡糸原液を水酸化ナトリウム12g/リット
ル、芒硝350g/リットルを含む水溶液からなる凝固
浴(70℃)へ湿式紡糸し、常法に従ってローラー延
伸、中和、湿熱延伸、水洗後、以降の工程通過性を高め
るために少量の油剤付与を行って乾燥した。次いで23
0℃に保った延伸炉中で全延伸倍率がそれぞれ21倍、
23倍、25倍となるよう乾熱延伸を行ってまきとり、
1800dr/1000fのPVA系フィラメント繊維
を得た。
0(実施例1)、2400(実施例2)、4000(実
施例3)でケン化度が99.5%のPVAを、それぞれ
濃度15重量%、14重量%、11重量%となるように
水に溶解し、さらに硼酸1.8重量%/PVA、酢酸
0.1重量%/PVA,ノニルフェノ−ルエチレンオキ
サイド40モル付加物を5重量%添加して紡糸原液を調
製した。該紡糸原液を水酸化ナトリウム12g/リット
ル、芒硝350g/リットルを含む水溶液からなる凝固
浴(70℃)へ湿式紡糸し、常法に従ってローラー延
伸、中和、湿熱延伸、水洗後、以降の工程通過性を高め
るために少量の油剤付与を行って乾燥した。次いで23
0℃に保った延伸炉中で全延伸倍率がそれぞれ21倍、
23倍、25倍となるよう乾熱延伸を行ってまきとり、
1800dr/1000fのPVA系フィラメント繊維
を得た。
【0046】得られた繊維の強度は15.3g/dr
(実施例1)、17.9g/dr(実施例2)、19.
2g/dr(実施例3)であった。続いて該繊維をそれ
ぞれカセ状にとり、グルタ−ルアルデヒド10g/リッ
トル、硫酸10g/リットル(0.2規定)を含む75
℃の水溶液中に浸漬し、緩やかに浴の撹拌を行いながら
30分間保持した後に取り出して水洗し、乾燥させた。
結果を表1に示す。
(実施例1)、17.9g/dr(実施例2)、19.
2g/dr(実施例3)であった。続いて該繊維をそれ
ぞれカセ状にとり、グルタ−ルアルデヒド10g/リッ
トル、硫酸10g/リットル(0.2規定)を含む75
℃の水溶液中に浸漬し、緩やかに浴の撹拌を行いながら
30分間保持した後に取り出して水洗し、乾燥させた。
結果を表1に示す。
【0047】[比較例1]実施例2で得られたPVA延
伸糸に架橋処理を行わなかった以外は実施例2と同様に
行った。スレ−ト板中に補強繊維が残存しておらず繊維
の耐湿熱性が不十分であった。結果を表1に示す。
伸糸に架橋処理を行わなかった以外は実施例2と同様に
行った。スレ−ト板中に補強繊維が残存しておらず繊維
の耐湿熱性が不十分であった。結果を表1に示す。
【0048】[比較例2]実施例2で得られたPVA延
伸糸をカセ状にとり、ホルムアルデヒド80g/リット
ル、硫酸80g/リットル(1.63規定)、芒硝10
0g/dリットルを含む75℃の水溶液中に浸漬させ、
緩やかに浴の撹拌を行いながら30℃間保持した後に取
り出して水洗・乾燥した。結果を表1に示す。
伸糸をカセ状にとり、ホルムアルデヒド80g/リット
ル、硫酸80g/リットル(1.63規定)、芒硝10
0g/dリットルを含む75℃の水溶液中に浸漬させ、
緩やかに浴の撹拌を行いながら30℃間保持した後に取
り出して水洗・乾燥した。結果を表1に示す。
【0049】[実施例4、実施例5]架橋反応の触媒と
して硫酸のかわりにシュウ酸15g/リットル(0.3
3規定 実施例4)、マレイン酸15g/リットル
(0.26規定 実施例5)を使用した以外は実施例2
と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例6]グルタ−ルアルデヒドの濃度を50g/リ
ットルとする以外は実施例2と同様に行った。結果を表
1に示す。 [比較例3]硫酸の濃度を150g/リットル(3.0
6規定)とする以外は実施例2と同様に行った。結果を
表1に示す。
して硫酸のかわりにシュウ酸15g/リットル(0.3
3規定 実施例4)、マレイン酸15g/リットル
(0.26規定 実施例5)を使用した以外は実施例2
と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例6]グルタ−ルアルデヒドの濃度を50g/リ
ットルとする以外は実施例2と同様に行った。結果を表
1に示す。 [比較例3]硫酸の濃度を150g/リットル(3.0
6規定)とする以外は実施例2と同様に行った。結果を
表1に示す。
【0050】[参考例]補強用繊維を用いない以外は実
施例1と同様にスレ−ト板を製造した(スレ−ト板の配
合はパルプを5重量部増やした以外は実施例1と同様に
した)。オ−トクレ−ブ養生後のスレ−トの曲げ強度は
150kg/cm2 であり、たわみは0.02%であっ
た。
施例1と同様にスレ−ト板を製造した(スレ−ト板の配
合はパルプを5重量部増やした以外は実施例1と同様に
した)。オ−トクレ−ブ養生後のスレ−トの曲げ強度は
150kg/cm2 であり、たわみは0.02%であっ
た。
【0051】[実施例7]粘度平均重合度1700のP
VAポリマ−(完ケン化物)を濃度16重量%となるよ
うに水に溶解して紡糸原液とし、脱水能を有する40℃
の飽和芒硝中に湿式紡糸し、常法に従ってロ−ラ−延伸
後湿熱延伸して乾燥し、全延伸倍率が8倍となるように
230℃の延伸炉中で乾熱延伸した後、約235℃の収
縮炉で約5%の収縮処理を行って1800dr/100
0fのヤ−ンを巻き取った。得られた繊維の強度は7.
3g/dであった。続いて該繊維をそれぞれカセ状にと
りグルタ−ルアルデヒド10g/リットル、硫酸10g
/リットル(0.2規定)を含む75℃の水溶液中に浸
漬させ、緩やかに浴の撹拌を行いながら30分間保持し
た後に取り出した水洗・乾燥した。オ−トクレ−ブ養生
後のスレ−ト板のたわみは0.04%であり、参考例の
スレ−ト板の2倍であった。
VAポリマ−(完ケン化物)を濃度16重量%となるよ
うに水に溶解して紡糸原液とし、脱水能を有する40℃
の飽和芒硝中に湿式紡糸し、常法に従ってロ−ラ−延伸
後湿熱延伸して乾燥し、全延伸倍率が8倍となるように
230℃の延伸炉中で乾熱延伸した後、約235℃の収
縮炉で約5%の収縮処理を行って1800dr/100
0fのヤ−ンを巻き取った。得られた繊維の強度は7.
3g/dであった。続いて該繊維をそれぞれカセ状にと
りグルタ−ルアルデヒド10g/リットル、硫酸10g
/リットル(0.2規定)を含む75℃の水溶液中に浸
漬させ、緩やかに浴の撹拌を行いながら30分間保持し
た後に取り出した水洗・乾燥した。オ−トクレ−ブ養生
後のスレ−ト板のたわみは0.04%であり、参考例の
スレ−ト板の2倍であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の方法で得られる繊維は、オート
クレーブ養生を行うFRC用繊維として好適であるばか
りか、その優れた強度、耐水性を生かして、従来耐水性
が不足するために不可能であった蒸気加硫が可能とな
り、ホースをはじめとするゴム資材分野への展開が容易
になるほか、ロープ、FRP、水産資材などの一般産業
資材として有用である。本発明によれば、かかる優れた
繊維を工程上及び経済的に優れた方法で製造できる。
クレーブ養生を行うFRC用繊維として好適であるばか
りか、その優れた強度、耐水性を生かして、従来耐水性
が不足するために不可能であった蒸気加硫が可能とな
り、ホースをはじめとするゴム資材分野への展開が容易
になるほか、ロープ、FRP、水産資材などの一般産業
資材として有用である。本発明によれば、かかる優れた
繊維を工程上及び経済的に優れた方法で製造できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系ポリマ−と、界
面活性剤1〜20重量%/ポリビニルアルコール系ポリ
マ−を含む紡糸原液を紡糸後乾熱延伸し、得られた糸篠
を炭素数3〜5の脂肪族ジアルデヒド化物及び/または
そのアセタ−ル化物を1〜80g/リットル、酸触媒を
0.02〜1規定含む水溶液に含浸してポリビニルアル
コール系ポリマ−に分子間架橋を形成せしめるポリビニ
ルアルコール系繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32504196A JPH10168752A (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32504196A JPH10168752A (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168752A true JPH10168752A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18172497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32504196A Pending JPH10168752A (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10168752A (ja) |
-
1996
- 1996-12-05 JP JP32504196A patent/JPH10168752A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040217 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |