JPH10168597A - 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10168597A
JPH10168597A JP32838296A JP32838296A JPH10168597A JP H10168597 A JPH10168597 A JP H10168597A JP 32838296 A JP32838296 A JP 32838296A JP 32838296 A JP32838296 A JP 32838296A JP H10168597 A JPH10168597 A JP H10168597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous layer
antibacterial agent
pores
alumite
anodized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32838296A
Other languages
English (en)
Inventor
Keitaro Yamaguchi
恵太郎 山口
Hisao Tanigawa
久男 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP32838296A priority Critical patent/JPH10168597A/ja
Publication of JPH10168597A publication Critical patent/JPH10168597A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 (1)空孔の平均径は17〜30nmで
ある陽極酸化皮膜の多孔質層に抗菌剤を含浸させてなる
抗菌性に優れたアルマイト材。(2)アルミニウムまた
はアルミニウム合金材を陽極酸化処理して多孔質層を有
する陽極酸化皮膜を形成したのち、大気雰囲気中、温
度:100〜350℃、10〜120分保持の条件でベ
ーキング処理を行うことにより陽極酸化皮膜の多孔質層
の空孔に含まれる陽極酸化処理液を除去し、ついで陽極
酸化皮膜の多孔質層の空孔に抗菌剤を含浸させる抗菌性
に優れたアルマイト材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗菌性に優れた
アルマイト材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軽量性や外観の面からアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金材が病院の壁材や電気製品の
外筐などに使用されている。これらアルミニウムまたは
アルミニウム合金材は、耐食性を高めるために陽極酸化
処理を行ってアルミニウムまたはアルミニウム合金材の
表面に多孔質層を有する陽極酸化皮膜を形成し、ついで
封孔処理を行って多孔質層の空孔の封孔を行っている。
【0003】この従来の陽極酸化処理で使用する電解液
は、10〜20%硫酸水溶液、2〜4%蓚酸水溶液、5
〜10%クロム酸水溶液、9〜15%硼酸酸水溶液など
が知られているが、工業的には10〜20%硫酸水溶液
が主に使用されており、陽極酸化処理の電解液として1
0〜20%硫酸水溶液を使用した場合の陽極酸化処理条
件は、電解温度:20〜30℃、電流密度:1〜2A/
dm2 、電圧:10〜20V、処理時間:10〜60分
で行われることも知られている。
【0004】これら条件で陽極酸化処理して得られた陽
極酸化皮膜の厚さは、通常、平均厚さで5〜30μmで
あるが、この陽極酸化皮膜は多孔質層およびバリヤー層
からなり、アルミニウムまたはアルミニウム合金材に接
して厚さ:8〜28nmのバリヤー層が形成されてお
り、その外面に空孔を有する多孔質層が形成されてい
る。この多孔質層に形成されている空孔は、通常、平均
径が12〜16nmの範囲内にあると言われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、食中毒の集団発
生などの問題から抗菌性に優れた建材が求められている
がアルマイト材は抗菌性が無く、抗菌性に優れたアルマ
イト材が求められている。抗菌性建材は、通常、建材の
表面に抗菌剤を塗布して製造されるが、通常のアルマイ
ト材は封孔処理が施されているために抗菌剤を塗布して
含浸させることは困難である。さらに、陽極酸化処理し
て封孔処理しない陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔には陽
極酸化処理で使用した陽極酸化処理液が含まれていると
ころから、封孔処理しないアルマイト材に直接抗菌剤を
塗布すると、空孔内の陽極酸化処理液の硫酸イオンが含
浸した抗菌剤と反応し、抗菌剤が分解して十分な抗菌性
に優れたアルマイト材は得られない。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる課題を解決すべく研究を行った結果、通常の条件
で陽極酸化処理し封孔処理しないアルマイト材を大気雰
囲気中、温度:100〜350℃、10〜120分保持
の条件でベーキング処理を行うことにより陽極酸化皮膜
の多孔質層の空孔に含まれる水分を除去し、ついで陽極
酸化皮膜の多孔質層の空孔に抗菌剤を含浸させると抗菌
性に優れたアルマイト材を得ることができる、という研
究結果が得られたのである。
【0007】この発明は、かかる研究結果に基づいて成
されたものであって、(1)陽極酸化皮膜の多孔質層の
空孔に抗菌剤を含浸させてなる抗菌性に優れたアルマイ
ト材、(2)アルミニウムまたはアルミニウム合金材を
通常の条件で陽極酸化処理して多孔質層を有する陽極酸
化皮膜を形成したのち、大気雰囲気中、温度:100〜
350℃、10〜120分保持の条件でベーキング処理
を行うことにより陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔に含ま
れる水分を除去し、ついで陽極酸化皮膜の多孔質層の空
孔に抗菌剤を含浸させる抗菌性に優れたアルマイト材の
製造方法、に特徴を有するものである。
【0008】この発明の陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔
に抗菌剤を含浸させてなる抗菌性に優れたアルマイト材
は、まず、アルミニウムまたはアルミニウム合金材を用
意し、このアルミニウムまたはアルミニウム合金材を、
従来と同じ陽極酸化処理液:10〜20%の硫酸水溶
液、液温:18〜30℃、電圧:15〜20V、電流密
度:1〜2A/dm2 、処理時間:10〜60分の条件
で陽極酸化処理して従来と同じ多孔質層を有する陽極酸
化皮膜を形成し、この陽極酸化処理したアルミニウムま
たはアルミニウム合金材を封孔処理せずに大気雰囲気
中、温度:100〜350℃、10〜120分保持の条
件でベーキング処理を行うことにより陽極酸化皮膜の多
孔質層の空孔に含まれる陽極酸化処理液を除去し、つい
で抗菌剤を塗布することにより陽極酸化皮膜の多孔質層
の空孔に抗菌剤を含浸させることにより製造することが
できる。
【0009】従って、アルミニウムまたはアルミニウム
合金材に前記従来と同じ条件の陽極酸化処理を施し、こ
の従来と同じ条件の陽極酸化処理を施したアルミニウム
またはアルミニウム合金材を封孔処理せずに大気雰囲気
中、温度:100〜350℃、10〜120分保持の条
件でベーキング処理を行い、ついで抗菌剤を塗布するこ
とによりこの発明の抗菌性に優れたアルマイト材を製造
することができるが、この発明の抗菌性に優れたアルマ
イト材は、抗菌剤を塗布することにより陽極酸化皮膜の
多孔質層の空孔に抗菌剤を含浸させる工程を必要とする
ところから、陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔の径は従来
よりも大きい方が抗菌剤を十分に含浸させることができ
るので一層好ましく、従来よりも大きい空孔の平均径:
17〜30nmを有する陽極酸化皮膜を形成する方が好
ましい。
【0010】従って、この発明は、(3)空孔の平均径
が17〜30nmを有する陽極酸化皮膜の多孔質層に抗
菌剤を含浸させてなる抗菌性に優れたアルマイト材、に
特徴を有するものである。
【0011】多孔質層の空孔の径を従来よりも大きくす
るには10〜20%の硫酸水溶液を陽極酸化処理液とし
て使用し、電解温度および電圧を通常よりも高めの電解
温度:21〜30℃、電解電圧:21〜25Vの条件で
行うことにより得られる。従って、この発明は、(4)
アルミニウムまたはアルミニウム合金材を陽極酸化処理
液:10〜20%の硫酸水溶液、液温:21〜30℃、
電圧:21〜25V、電流密度:1〜10A/dm2
処理時間:10〜60分の条件で陽極酸化処理し、この
陽極酸化処理したアルミニウムまたはアルミニウム合金
材を封孔処理せずに大気雰囲気中、温度:100〜35
0℃、10〜120分保持の条件でベーキング処理を行
い、ついで抗菌剤を塗布する抗菌性に優れたアルマイト
材の製造方法、に特徴を有するものである。
【0012】この発明の抗菌性に優れたアルマイト材お
よびその製造方法で使用する抗菌剤は、その種類を限定
する必要はないが、特に人体に対する有害性の低いもの
が好ましく、サイアベンダゾール、プレベントール4
A、バイナジンなどが特に好ましい。これら抗菌剤は、
いずれも水に解けにくいところから、アルコール、ベン
ゼン、MEK、メチレンクロライドなどの有機溶剤に溶
解させて塗布し、その後50〜80℃で乾燥させる。抗
菌剤の塗布は2〜3回繰り返し行うことが好ましい。
【0013】抗菌剤を陽極酸化皮膜を有するアルマイト
材の表面に塗布する前にベーキング処理を行って、陽極
酸化皮膜の多孔質層の空孔に含まれる水分および硫酸イ
オンを除去する必要があるが、ベーキング処理条件が温
度:100℃未満、処理時間:10分未満では水分およ
び硫酸イオンは十分に除去することができず、一方、ベ
ーキング処理条件が温度:350℃を越えて120分よ
りも長い時間保持すると、材料の軟化、変形やコストア
ップの問題が生じるので好ましくない。従って、ベーキ
ング処理は温度:100〜350℃、保持時間:10〜
120分(好ましくは温度:200〜250℃、保持時
間:10〜20分)の範囲に定めた。
【0014】
【発明の実施の形態】JIS 1050のアルミニウム
合金板を弱アルカリ性の脱脂剤で50℃、3分間の処理
を行ったのち、水洗を3分行い、ついで50℃の10%
NaOH水溶液に3分間浸漬することによりエッチング
処理し、さらに、水洗を3分行ったのち、15%硝酸水
溶液に3分間浸漬することにより中和処理を1分間行
い、ついで水洗を3分行うことにより前処理を行った。
【0015】この前処理したJIS 1050のアルミ
ニウム合金板を15%硫酸水溶液の陽極酸化処理液を用
い、表1に示される条件で陽極酸化処理することにより
表1に示される陽極酸化皮膜を有するアルマイトを作製
し、ついでこのアルマイトを封孔処理することなく表1
に示される条件でベーキング処理しまたはベーキング処
理せずに表1に示される抗菌剤を塗布しまたは塗布せず
に、本発明抗菌性アルマイト材(本発明アルマイト材と
いう)1〜7および比較抗菌性アルマイト材(比較アル
マイト材という)1〜2を作製した。
【0016】
【表1】
【0017】得られた本発明アルマイト材1〜7および
比較アルマイト材1〜2に大腸菌を塗布し、大腸菌塗布
直後、24時間経過後および48時間経過後のアルマイ
ト材1cm2 当たりの大腸菌の数を測定する抗菌性の評
価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】表1〜表2に示される結果から、本発明
アルマイト材1〜7は48時間経過後の単位面積当たり
の大腸菌の数は激減しており、抗菌性に優れたアルマイ
ト材を提供できることが分かる。しかし、抗菌剤を塗布
しない比較アルマイト材1は大腸菌の数は増加してお
り、ベーキング温度が低い比較アルマイト材2は抗菌性
を有するものの大腸菌の数は微減しており、十分な抗菌
性を有しないことが分かる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔に抗菌剤
    を含浸させてなることを特徴とする抗菌性に優れたアル
    マイト材。
  2. 【請求項2】 前記陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔の平
    均径は17〜30nmであることを特徴とする請求項1
    記載の抗菌性に優れたアルマイト材。
  3. 【請求項3】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材
    を陽極酸化処理して多孔質層を有する陽極酸化皮膜を形
    成したのち、大気雰囲気中、温度:100〜350℃、
    10〜120分保持の条件でベーキング処理を行うこと
    により陽極酸化皮膜の多孔質層の空孔に含まれる陽極酸
    化処理液を除去し、ついで陽極酸化皮膜の多孔質層の空
    孔に抗菌剤を含浸させることを特徴とする抗菌性に優れ
    たアルマイト材の製造方法。
JP32838296A 1996-12-09 1996-12-09 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法 Pending JPH10168597A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32838296A JPH10168597A (ja) 1996-12-09 1996-12-09 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32838296A JPH10168597A (ja) 1996-12-09 1996-12-09 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10168597A true JPH10168597A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18209629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32838296A Pending JPH10168597A (ja) 1996-12-09 1996-12-09 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10168597A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013155618A1 (en) * 2012-04-20 2013-10-24 9163-0384 Québec Inc. Anodized metal product with antimicrobial properties and method for producing the same
US8858775B2 (en) 2007-10-03 2014-10-14 Accentus Medical Limited Method of manufacturing metal with biocidal properties
US8945363B2 (en) 2002-04-16 2015-02-03 Accentus Medical Limited Method of making metal implants
US9011665B2 (en) 2004-03-13 2015-04-21 Accentus Medical Limited Metal implants

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8945363B2 (en) 2002-04-16 2015-02-03 Accentus Medical Limited Method of making metal implants
US9393349B2 (en) 2002-04-16 2016-07-19 Accentus Medical Limited Metal implants
US9011665B2 (en) 2004-03-13 2015-04-21 Accentus Medical Limited Metal implants
US8858775B2 (en) 2007-10-03 2014-10-14 Accentus Medical Limited Method of manufacturing metal with biocidal properties
WO2013155618A1 (en) * 2012-04-20 2013-10-24 9163-0384 Québec Inc. Anodized metal product with antimicrobial properties and method for producing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950032719A (ko) 시트형, 호일형 또는 스트립형 재료의 후처리방법, 이러한 재료를 포함하는 기판 및 오프셋 인쇄판에 사용하기 위한 이의 용도
JPH0231489B2 (ja)
WO2004083493A1 (en) Process for preparing a capacitor containing aluminum anode foil anodized in low water content glycerine-orthophosphate electrolyte after a pre-hydrating step
JPH10168597A (ja) 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法
JPH10168598A (ja) 抗菌性に優れたアルマイト材およびその製造方法
JPH11181596A (ja) 抗菌性陽極酸化処理アルミニウム
JP2002119856A (ja) Bet比表面積が高められたアルマイト触媒担体及びその製造方法
JPH0245908A (ja) アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法
JP3506826B2 (ja) アルミニウム材及びその製造方法
JP3553288B2 (ja) 耐食性および光輝性に優れた車両用ホイール
JPH1088390A (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法
JP3672506B2 (ja) アルミニウム合金の表面処理方法
JP3703944B2 (ja) 2ピース缶用の表面処理アルミニウム材及び2ピース缶用の表面処理アルミニウム材の製造方法
JP2000355795A (ja) アルミニウムおよびアルミニウム合金の表面処理方法
JPS5911678B2 (ja) 多孔質銅薄膜の製造法
JPS6217185A (ja) アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法
RU2238352C1 (ru) Способ получения покрытий
JPH08283990A (ja) アルミニウム材
JPH08225977A (ja) 電解用電極及びその製造方法
JP3933751B2 (ja) 開缶タブを備えた2ピース缶蓋材用の表面処理アルミニウム材の製造方法
US3112250A (en) Anodizing method and solutions
JPH11274008A (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
JPH08246190A (ja) 陽極酸化皮膜及びそれを形成させる方法
TWI575113B (zh) Methods of white coloring on the surface of metallic materials
JP2003293196A (ja) 電解用電極及びその製造方法