JPH10168041A - 4,6−ジアミノレゾルシン類の製造法 - Google Patents

4,6−ジアミノレゾルシン類の製造法

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JPH10168041A
JPH10168041A JP27581797A JP27581797A JPH10168041A JP H10168041 A JPH10168041 A JP H10168041A JP 27581797 A JP27581797 A JP 27581797A JP 27581797 A JP27581797 A JP 27581797A JP H10168041 A JPH10168041 A JP H10168041A
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formula
reaction
acid
compound
dioxime
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JP27581797A
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Junji Kawachi
淳二 河内
Hirotomo Matsubara
宏知 松原
Yoshinori Nakahara
良典 中原
Yutaka Watanabe
裕 渡辺
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Daiwa Kasei Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Kasei Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニトロ化合物やハロゲン化合物を経ることな
く、しかも置換基の導入に際して高い位置選択性を有し
かつ高収率で目的物を得ることのできる4,6−ジアミ
ノレゾルシン類の工業的に有利な製造法を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 レゾルシンをアシル化することによりジ
アシル化物を得る工程A、そのジアシル化物からフリー
ス転位反応により4,6−ジアシルレゾルシンを得る工
程B、その4,6−ジアシルレゾルシンをオキシム化し
てジオキシムを得る工程C、そのジオキシムからベック
マン転位反応により4,6−ジアシルアミノレゾルシン
を得る工程D、その4,6−ジアシルアミノレゾルシン
から加水分解反応により4,6−ジアミノレゾルシンま
たはその塩を得る工程Eからなる。工程Dおよび工程E
が、本発明の必須の工程を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリベンゾビスオ
キサゾールの原料となる4,6−ジアミノレゾルシン類
を工業的に有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリベンゾビスオキサゾールは、耐熱
性、耐薬品性、強度、弾性率などの性質がすぐれている
樹脂であって、4,6−ジアミノレゾルシンまたはその
塩を原料モノマーとして用いることにより製造される。
従来、4,6−ジアミノレゾルシンまたはその塩の製造
法として、次のような方法が知られている。
【0003】第1の方法は、レゾルシンジアセテートを
ニトロ化し、ついで還元して、4,6−ジアミノレゾル
シンを得る方法である。たとえば、「Macromolecules,
14,909 (1981)」を参照。この反応は下記の式(a) で示
される。
【0004】
【化7】
【0005】第2の方法は、1,3−ジハロベンゼンま
たは1,2,3−トリハロベンゼンをニトロ化して、
1,3−ジハロ−4,6−ジニトロベンゼンおよび1,
2,3−トリハロ−4,6−ジニトロベンゼンを得、つ
いでアルカリによる加水分解、そして還元を経て、4,
6−ジアミノレゾルシンを得る方法である。たとえば、
特開平1−238561号公報を参照。この反応は典型
的には下記の式(b) で示される。Xはハロゲンである。
【0006】
【化8】
【0007】第2の方法の改良として、特開平7−31
6102号公報には、1,3−ジハロ−4,6−ジニト
ロベンゼンから、まず3−置換−4,6−ジニトロフェ
ノールを得、ついでこれを加水分解して4,6−ジニト
ロレゾルシンを得る方法が示されている。この4,6−
ジニトロレゾルシンを還元すれば、4,6−ジアミノレ
ゾルシンを得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】4,6−ジアミノレゾ
ルシンを得るための上記第1の方法は、ニトロ化で生成
したモノ、ジまたはトリ−ニトロ体から、目的物である
4,6−ジニトロレゾルシンを分離精製しなければなら
ず、収率も低いという問題点がある。また副生成物であ
るトリニトロ体は、爆発性があるので取り扱いの点で危
険がある。
【0009】4,6−ジアミノレゾルシンを得るための
上記第2の方法は、比較的高い位置選択性で4,6位に
ニトロ基を導入することができるものの、4,6−ジニ
トロレゾルシンがアルカリ条件下で不安定であり、また
概してアルカリによる加水分解反応は低収率である。第
2の方法の改良法にあたる特開平7−316102号公
報の方法も、操作が煩雑であるという問題点がある。
【0010】このように、ニトロ化合物やハロゲン化合
物を中間物とする従来の方法は、ニトロ化の位置選択
性、毒性、危険性、アルカリ加水分解反応における厳し
い反応条件、アミノ基と水酸基の位置の選択性などの点
において、工業的製造法としては種々の問題点がある。
【0011】本発明は、このような背景下において、ニ
トロ化合物やハロゲン化合物を経ることなく、しかも置
換基の導入に際して高い位置選択性を有しかつ高収率で
目的物を得ることのできる4,6−ジアミノレゾルシン
類の工業的に有利な製造法を提供することを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の4,6−ジアミ
ノレゾルシン類の製造法は、下記の式(4)
【化9】 (Rはアルキル基またはフェニル基)で示されるジオキ
シムから、ベックマン転位反応により下記の式(5)
【化10】 (Rは上記と同じ)で示される4,6−ジアシルアミノ
レゾルシンを得、ついでこの4,6−ジアシルアミノレ
ゾルシンから加水分解反応により下記の式(6)
【化11】 で示される4,6−ジアミノレゾルシンまたはその塩を
得ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】〈工程A〜E〉本発明により4,6−ジア
ミノレゾルシンまたはその塩を得る工程は、 ・工程A:レゾルシンをアシル化することによりジアシ
ル化物を得る工程、 ・工程B:そのジアシル化物からフリース転位反応によ
り4,6−ジアシルレゾルシンを得る工程、 ・工程C:その4,6−ジアシルレゾルシンをオキシム
化してジオキシムを得る工程、 ・工程D:そのジオキシムからベックマン転位反応によ
り4,6−ジアシルアミノレゾルシンを得る工程、 ・工程E:その4,6−ジアシルアミノレゾルシンから
加水分解反応により4,6−ジアミノレゾルシンまたは
その塩を得る工程、からなる。
【0015】このうち工程Dおよび工程Eが、本発明の
必須の工程を構成する。工程Aないし工程Cは、工程D
で用いるジオキシムを得る代表的な工程である。以下、
理解が容易となるように、各工程を工程Aから順に説明
する。
【0016】〈工程A〉工程Aは、下記の式(1)
【化12】 で示されるレゾルシンをアシル化することにより、下記
の式(2)
【化13】 (Rはアルキル基またはフェニル基)で示されるジアシ
ル化物を得る工程である。Rがアルキル基であるとき
は、炭素数1〜3のアルキル基、殊にメチル基が好まし
い。
【0017】アシル化は、好ましくは炭素数1〜3のカ
ルボン酸の無水物あるいは塩化物、塩化ベンゾイルなど
のアシル化剤を用いて行われる。工業的に特に好ましい
アシル化剤は無水酢酸である。
【0018】レゾルシン1モルに対するアシル化剤(殊
に無水酢酸)の使用量は、2〜5モル程度あるいはそれ
以上とする。好ましい範囲は2〜 2.5モルである。
【0019】アシル化剤として酸無水物を用いたとき
は、副生する酸が溶媒を兼ねることになるので別途溶媒
を用いる必要はないが、反応時に粘度が高くなるとき
は、相当する酸を前もって添加しておくか、反応に影響
のない有機溶媒を適当量使用することができる。酸塩化
物を用いる場合は、さらに脱塩酸剤として、ピリジン、
トリエチルアミンのような塩基を共存させて反応させ
る。
【0020】反応温度は、たとえば、20〜80℃程
度、好ましくは30〜70℃程度が適当である。
【0021】〈工程B〉工程Bは、そのジアシル化物か
らフリース転位反応により下記の式(3)
【化14】 (Rは上記と同じ)で示される4,6−ジアシルレゾル
シンを得る工程である。
【0022】この反応は、工程Aに引き続いてあるいは
工程Aと同時に行うことができる。いずれにせよ、工程
Aのジアシル化物を単離することなく、工程Aおよび工
程Bの反応をワンポットで行うのが有利である。
【0023】工程Bのフリース転位反応は、塩化亜鉛、
塩化アルミニウム、塩化鉄のようなルイス酸触媒の存在
下に行う。ジアシル化物(またはレゾルシン)1モルに
対するルイス酸触媒の使用量は、2〜5モル程度、好ま
しくは2〜 2.5モルの範囲から選択するのが通常であ
る。この反応により、2つのアシル基を高い位置選択性
で4,6−位に転位させることができる。
【0024】反応温度は、120〜180℃程度が適当
であり、140〜170℃が最適である。温度が余りに
低いときは反応時間が長くなり、温度が高すぎるときは
反応液が濃く着色するため短時間で反応を終了しなけれ
ばならず、その結果操作性に問題を生じる。
【0025】溶媒については、無溶媒でも反応は可能で
あるが、ニトロメタン、ニトロベンゼン、o−ジクロロ
ベンゼンなどのフリーデルクラフツ反応に用いるような
反応に影響のない溶媒を使用することができる。溶媒を
用いるときの溶媒量は、レゾルシンまたはジアシル化物
に対して重量で10倍程度まで、好ましくは3倍程度ま
でとするのが通常である。
【0026】反応後は系に水を添加し、ルイス酸、未反
応の無水物または酸塩化物を分解した後、貧溶媒で稀釈
し、結晶を析出させる。貧溶媒としては水も使用できる
が、水を使用したときは結晶が濃く着色し再結晶が必要
となるので、必ずしも適当とは言えない。最適の貧溶媒
はメタノールであるので、その使用が推奨される。メタ
ノールを添加した後、加熱還流し、結晶を成長させて固
液分離を行いやすくする。
【0027】〈工程C〉工程Cは、工程Bで得られた
4,6−ジアシルレゾルシンをオキシム化して、下記の
式(4)
【化15】 (Rは上記と同じ)で示されるジオキシムを得る工程で
ある。
【0028】4,6−ジアシルレゾルシンからジオキシ
ムへの変換は、常法に従ってほぼ定量的に行うことがで
きる。すなわち、4,6−ジアシルレゾルシンから約2
0倍までの量、好ましくは2〜10倍量の溶媒となる水
に、4,6−ジアシルレゾルシン1モルとヒドロキシル
アミン塩酸塩 1.5〜3モル(好ましくは 1.9〜 2.5モ
ル)を添加し、30〜70℃、好ましくは40〜60℃
の範囲でアルカリ水溶液を滴下する。アルカリ水溶液に
おけるアルカリとしては、アルカリ金属やアルカリ土類
金属の水酸化物または炭酸塩、たとえば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムなどが使用できる。アルカリ水溶液
の滴下終了後、原料がなくなったのを確認し、冷却す
る。もし必要なら、活性炭処理して着色の度合を小さく
することもできる。
【0029】冷却後は、0〜40℃、好ましくは15〜
30℃で酸を滴下する。酸としては、硫酸、塩酸などが
使用され、反応系内がpH7以下、好ましくはpH7〜
4になるように滴下を行う。滴下と同時に、ジオキシム
の細かな結晶が析出する。
【0030】〈工程D〉工程Dは、工程Cで得られたジ
オキシムから、ベックマン転位反応により下記の式(5)
【化16】 (Rは上記と同じ)で示される4,6−ジアシルアミノ
レゾルシンを得る工程である。
【0031】この反応は、プロトン酸またはルイス酸を
転位触媒として、ジオキシムを転位させる反応である。
転位触媒としては、ギ酸、硫酸、三フッ化ホウ素、ポリ
リン酸、ポリリン酸−無水酢酸などが使用される。ジオ
キシム1モルに対する転位触媒の使用量は、0.01〜10
0モル程度が適当である。
【0032】溶媒としては反応に影響のない有機溶媒を
用いることができるが、転位触媒を溶媒の役割を兼ねて
用いることもできる。
【0033】反応温度は、20〜150℃程度、好まし
くは60〜120℃程度とすることが多い。
【0034】反応後は、生成物1モルに対し1〜100
モル程度の水を加えて転位を完成させ、ろ過または濃縮
により4,6−ジアシルアミノレゾルシンを単離する。
ただし、そのような単離を行うことなく、この工程D
(式(4) から式(5) へのベックマン転位反応)と次に述
べる工程E(式(5) から式(6) への加水分解反応)をワ
ンポットで行うことが工業的には有利であり、この場合
には後述の抗酸化剤をこの工程Dの当初または途中で添
加することができる。
【0035】〈工程E〉工程Eは、工程Dで得た4,6
−ジアシルアミノレゾルシンから、加水分解反応により
下記の式(6)
【化17】 で示される4,6−ジアミノレゾルシンまたはその塩を
得る工程である。
【0036】この加水分解反応は、典型的には、工程D
の反応生成物(4,6−ジアシルアミノレゾルシン)1
モルに対し塩酸2〜10モルと塩化第一スズ等の抗酸化
剤0.01〜 0.5モルとを添加し、50〜120℃程度の温
度に加熱することにより容易に達成され、これにより
4,6−ジアミノレゾルシンまたはその塩を得ることが
できる。
【0037】4,6−ジアミノレゾルシンは、通常は二
塩酸塩の結晶として析出するので、必要に応じて常法に
より精製する。
【0038】〈作用〉本発明の製造法における工程をま
とめると、次の表1のようになる。
【0039】
【表1】 化合物(化学式) 工 程 反 応 レゾルシン(1) ↓ 工程A アシル化 ジアシル化物(2) ↓ 工程B フリース転位反応 4,6-ジアシルレゾルシン(3) ↓ 工程C オキシム化 ジオキシム(4) ↓ 工程D ベックマン転位反応 4,6-ジアシルアミノレゾルシン(5) ↓ 工程E 加水分解反応 4,6−ジアミノレゾルシン(塩)(6)
【0040】一連の反応は、副生成物を生じやすいニト
ロ化合物やハロゲン化合物を経るものではない。各工程
の反応においては置換基の導入に際し高い位置選択性を
有し、従って各工程における収率は高く(特に工程Cお
よび工程Eはほぼ定量的)、また工程Aと工程Bはワン
ポットで行うことができ、工程Dと工程Eもワンポット
で行うことができる。
【0041】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0042】実施例1 〈4,6−ジアセチルレゾルシンの合成/工程A,B〉
レゾルシン20.0g(0.1816モル)を無水酢酸 42.65g
(0.4178モル)に溶解し、塩化亜鉛 63.16g(0.4644モ
ル)を加えて加熱した。混合物を150〜160℃で3
時間加熱すると、4,6−ジアセチルレゾルシンの結晶
が析出した。冷却後、水25gを加え、残っている無水
酢酸を加水分解した後、メタノール40gを加え、結晶
を成長させるために30分間還流し、冷却後、固液分離
し、ついでメタノール168gで洗浄、乾燥した。これ
により、4,6−ジアセチルレゾルシン 26.03g(0.13
40モル)が得られた。収率は、レゾルシン基準で73.8%
であった。得られた4,6−ジアセチルレゾルシンの特
性値は次の通りであった。
【0043】・融点: 178〜180℃ ・IR (KBr, cm-1): 3700〜2200, 1660, 1640, 1590, 14
90, 1370, 1320, 1260 ・1H-NMR (270MHz, in d6-DMSO) : δ=2.65 (6H, s, C
H3×2)、6.37, 8.40 (1H×2, s, Aromatic-H×2), 12.7
(2H, br, OH) ・13C-NMR (68MHz, in d6-DMSO): δ=27.19, 103.34,
114.07, 137.32, 166.94, 202.59
【0044】〈ジオキシムの合成/工程C〉上記で得た
4,6−ジアセチルレゾルシン 23.55g(0.1212モ
ル)、水196g、48%苛性ソーダ 70.76gの混合物
に、ヒドロキシルアミン塩酸塩 20.11g(0.2910モル)
を加えた後、55℃で30分間反応させた。冷却後、活
性炭処理し、濃塩酸 91.12gを滴下し、析出したジオキ
シムの結晶を固液分離し、水で洗浄、乾燥し、ジオキシ
ム 26.22g(0.1169モル)を得た。収率は、4,6−ジ
アセチルレゾルシン基準で96.5%であった。得られたジ
オキシムの特性値は次の通りであった。
【0045】・IR (KBr, cm-1): 3600〜2000, 1625, 16
12, 1495, 1360, 1310, 1260, 1240 ・1H-NMR (270MHz, in d6-DMSO) : δ=2.28 (6H, s, C
H3×2)、6.34, 7.48 (1H×2, s, Aromatic-H×2), 11.3
(2H, s, NOH×2), 12.0 (2H, br, OH×2) ・13C-NMR (68MHz, in d6-DMSO): δ=10.86, 103.56,
111.63, 127.57, 157.14, 159.28
【0046】〈4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩の
合成/工程D,E〉上記で得たジオキシム5.12g(0.02
283 モル)とポリリン酸 27.53gの混合物を、90〜1
00℃で 1.5時間加熱した。冷却した後、塩化第一スズ
0.53g、水10g、濃塩酸15mlを加え、95℃で4時
間加熱したところ、4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸
塩の白色結晶が析出した。冷却後、固液分離し、濃塩
酸、ついでアセトンで洗浄後、乾燥し、4,6−ジアミ
ノレゾルシン二塩酸塩3.80g(0.01784 モル)を得た。
収率は、ジオキシム基準で78.1%であった。得られた
4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩の特性値は次の通
りであった。
【0047】・IR (KBr, cm-1): 3700〜2000, 1650, 16
35, 1570, 1550, 1505, 1490, 1370,1210 ・1H-NMR (400MHz, in D2O add SnCl2/HCl):δ=6.78,
7.45 (1H×2, s, Aromatic-H×2) ・13C-NMR (100MHz, in D2O add SnCl2/HCl): δ=106.
78, 112.50, 122.40, 154.20
【0048】実施例2 〈4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩の合成/工程
D,E〉実施例1の工程D,Eを次のように変えて実施
した。すなわち、ジオキシム1.06g(0.00473 モル)と
ギ酸10mlとの混合物を 1.5時間加熱して還流した。反
応後、減圧下にギ酸を留去した後、5重量%濃度の塩化
第一スズ水溶液2mlと濃塩酸3mlとを加え、70〜90
℃で1時間加熱したところ、結晶が析出した。冷却後、
固液分離し、濃塩酸、ついでアセトンで洗浄後、乾燥
し、結晶 0.648g(0.00304 モル)を得た。収率は、ジ
オキシム基準で64%であった。この結晶は、IR分析
結果から、4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩である
ことが確認できた。
【0049】実施例3 〈4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩の合成/工程
D,E〉実施例1の工程D,Eを次のように変えて実施
した。すなわち、ジオキシム0.43g(0.0019モル)と濃
硫酸3mlとの混合物を60〜80℃で 1.5時間加熱し
た。反応後、5重量%濃度の塩化第一スズ水溶液10ml
に反応液を滴下した後、濃塩酸5mlを加えて75〜80
℃で2時間加熱したところ、結晶が析出した。冷却後、
固液分離し、濃塩酸、ついでアセトンで洗浄後、乾燥
し、結晶0.22g(0.0010モル)を得た。収率は、ジオキ
シム基準で53%であった。この結晶は、IR分析結果
から、4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩であること
が確認できた。
【0050】実施例4 〈4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩の合成/工程
D,E〉実施例1の工程D,Eを次のように変えて実施
した。すなわち、ポリリン酸2.95g、無水酢酸19.29gお
よびジオキシム 10.01gの混合物を90〜100℃で約
3時間加熱した。冷却後、塩化第一スズ1.56g、水25
g、濃塩酸32gの溶液を添加し、さらに90〜110
℃で5時間加熱したところ、結晶が析出した。冷却後、
固液分離し、17.5%塩酸水溶液、ついでアセトンで洗浄
後、乾燥し、結晶5.61gを得た。収率は、ジオキシム基
準で59.3%であった。この結晶は、IR分析結果から、
4,6−ジアミノレゾルシン二塩酸塩であることが確認
できた。
【0051】
【発明の効果】本発明においては、ニトロ化合物やハロ
ゲン化合物を経ることなく、しかも置換基の導入に際し
て高い位置選択性を有しかつ高収率で、目的物である
4,6−ジアミノレゾルシン類が製造される。よって本
発明によれば、4,6−ジアミノレゾルシン類を工業的
に有利に製造することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(4) 【化1】 (Rはアルキル基またはフェニル基)で示されるジオキ
    シムから、ベックマン転位反応により下記の式(5) 【化2】 (Rは上記と同じ)で示される4,6−ジアシルアミノ
    レゾルシンを得、ついでこの4,6−ジアシルアミノレ
    ゾルシンから加水分解反応により下記の式(6) 【化3】 で示される4,6−ジアミノレゾルシンまたはその塩を
    得ることを特徴とする4,6−ジアミノレゾルシン類の
    製造法。
  2. 【請求項2】式(4) から式(5) へのベックマン転位反
    応、および式(5) から式(6) への加水分解反応を、ワン
    ポットで行うことを特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】式(4) から式(5) へのベックマン転位反応
    を、ギ酸、硫酸、ポリリン酸またはポリリン酸−無水酢
    酸中で行うことを特徴とする請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】式(5) から式(6) への加水分解反応を、塩
    酸により行うことを特徴とする請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】式(4) から式(5) を経ての式(6) への反
    応、または式(5) から式(6) への反応を、抗酸化剤の共
    存下に行うことを特徴とする請求項1または4記載の製
    造法。
  6. 【請求項6】抗酸化剤が塩化第一スズである請求項5記
    載の製造法。
  7. 【請求項7】式(4) のジオキシムを、下記の式(1) 【化4】 で示されるレゾルシンをアシル化することにより下記の
    式(2) 【化5】 (Rはアルキル基またはフェニル基)で示されるジアシ
    ル化物を得、ついでそのジアシル化物からフリース転位
    反応により下記の式(3) 【化6】 (Rは上記と同じ)で示される4,6−ジアシルレゾル
    シンを得、さらにその4,6−ジアシルレゾルシンをオ
    キシム化することにより得ることを特徴とする請求項1
    記載の製造法。
JP27581797A 1996-10-09 1997-10-08 4,6−ジアミノレゾルシン類の製造法 Pending JPH10168041A (ja)

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JP27581797A JPH10168041A (ja) 1996-10-09 1997-10-08 4,6−ジアミノレゾルシン類の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100565133B1 (ko) * 1998-09-28 2006-06-21 도요 보세키 가부시키가이샤 4,6-디아미노레조르시놀및그염을안정화시키는방법
US7094626B2 (en) 2001-09-28 2006-08-22 Epcos Ag Method for encapsulating an electrical component

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