JPH10167775A - 消石灰の製造方法 - Google Patents

消石灰の製造方法

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JPH10167775A
JPH10167775A JP33078296A JP33078296A JPH10167775A JP H10167775 A JPH10167775 A JP H10167775A JP 33078296 A JP33078296 A JP 33078296A JP 33078296 A JP33078296 A JP 33078296A JP H10167775 A JPH10167775 A JP H10167775A
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JP
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slurry
lime
slaked lime
digestion
weight
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JP33078296A
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Akira Oguri
陽 大栗
Takao Ariki
高夫 有木
Satoshi Taneda
聡 種田
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ARUAI SEKKAI KOGYO KK
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ARUAI SEKKAI KOGYO KK
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生石灰を原料とし、高比表面積の反応性に優
れた乾燥粉末消石灰を高収率に製造する。 【解決手段】 生石灰100重量部と消石灰濃度が1.
0〜40.0重量%のスラリー(必要に応じて0.1〜
5.0重量%の糖質及び/又は0.1〜5.0重量%の
珪酸塩及び/又は0.01〜2.0重量%の界面活性剤
を添加)60〜160重量部とを消化反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽度(低温、短時
間)に焼成された高活性の生石灰を原料とし、高比表面
積の反応性に優れた乾燥粉末消石灰を高収率に製造する
方法に関し、特に簡単(廉価)な装置を付加すること
で、現有設備を最大限に利用し、軽度に焼成された高活
性の生石灰を原料として、高比表面積の反応性に優れた
乾燥粉末消石灰を工業的有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に乾燥消石灰を製造する方
法は、生石灰に理論水量の2倍程度の水を添加して反応
させて乾燥消石灰を得る乾式消化法であり、消化のし易
さ、収率の良さなどの点で、強度(高温、長時間)に焼
成された比較的消化反応の遅い低活性の生石灰が原料と
して使用されている。
【0003】高比表面積の反応性に優れた微粉消石灰を
得るには、粒子が小さく、気孔容積の大きな、軽度に焼
成された高活性の生石灰を原料として使用すれば有利で
あるが、あまりにも消化反応が早いために、従来の製造
技術及び製造設備では収率が極端に悪く工業的に成立し
ない。
【0004】従って、粒子が大きく気孔容積の小さい、
強度に焼成された低活性の生石灰を原料とする従来の製
造方法によって得られる消石灰は、通常、最上級のもの
でも粒子径10μm前後、比表面積10〜15m2/g
程度のもので反応性に乏しいため、高反応性(平均粒子
径5μm程度、比表面積30m2/g以上程度)が要求
される市場、例えば、清掃工場における排ガス中の脱塩
素処理や、工場排水の高度中和処理などには、もはや適
応できない状況である。
【0005】そこで近年、上記市場の要望を満たすため
に、高反応性消石灰を製造する方法が技術開発されてい
る。即ち、軽度に焼成された高活性の生石灰を原料と
し、アルコール添加による方法(特公平6−8194公
報、特開平5−193997公報)がある。また、諸々
の有機化合物・無機化合物を添加して、消化反応させて
高反応性を有する微粒消石灰を製造する方法が開発され
ていると聞き及ぶが、いずれも設備費が膨大にかかるこ
と、ランニングコストが高いことなどから製造コストが
高くなりすぎるうえ、製造管理が複雑なため、製品の品
質に安定性がないという欠点がある。
【0006】本発明者らの先願発明(特願平8−273
119)によって、上記欠点のうち、(1)製造コスト
が高いこと、(2)製品の品質に安定性がないことの問
題は解決されるが、現有設備を容易にかつ有利に利用し
がたいという欠点をなお残している。
【0007】消化反応機構は複雑であり、いまだ未解明
の部分が多いが、生石灰の物性と消石灰の物性との関
係、消化方法が消石灰に与える影響等の研究報告が石灰
ハンドブック(日本石灰協会発行)に要約されている。
また、添加剤による影響は、Inorganic Materials, V
o1.2,No.258(1995)にも報告されてい
る。
【0008】生石灰を消化して消石灰を得る方法は、多
量の水で消化してぺースト状あるいはスラリー状の消石
灰を得る湿式消化法と、少量の水で消化して粉末状の消
石灰を得る乾式消化法に大別されるが、水量の多少によ
る明確な区分はない。液相反応に終始する湿式消化と、
大部分が蒸気相反応である乾式消化では、その消化反応
は完全に異なる機構でもって進行する。
【0009】湿式消化では、ます液相中でイオン結合に
よりCa(OH)2となり、過飽和溶液中から結晶が生
成する。結晶の成長度合いすなわち結晶の大きさは、液
相の初期過飽和度や反応過程の過飽和度、反応時間、又
は添加剤によって影響される。この過飽和度、殊に初期
過飽和度が大きいほど、反応時間が短いほど、消石灰は
微細粒子となる。
【0010】軽度(低温、短時間)に焼成された粒度の
細かい生石灰は結晶が小さく、気孔容積が大きく反応が
早いために、液相の過飽和度が急速に増大し、生成する
消石灰は気孔容積の大きな微細粒子となる。また、消化
水量を少なくするか、液相温度を上げるか、溶解度を下
げるような物質を添加することによっても過飽和度が増
大して微細粒子となる。加えて、湿式消化では、液相を
経て結晶が晶出するために、結晶面が比較的平均して成
長し、液相中では表面エネルギーによる凝結も少なく、
乾式消化のような凝結による粗大粒子の生成があまりみ
られない。
【0011】一方、乾式消化における反応機構の究明は
あまり進んでいない。本発明者らの実施テストにおいて
も、従来の乾式消化による製造方法に限っては、湿式消
化における如き条件選択による効果は見い出だせていな
い。
【0012】A. Backmanの研究報告〔Zement-Kalk-Gip
s,9(1973)〕によれば、乾式消化は位相化学的
であり、その消化反応は、つぎの4段階で進行するとさ
れる。 l)水の吸収 2)CaO・nH2Oの生成 3)CaO・nH2O→Ca(OH)2+H2O+15.
2KCal/mol 4)凝結(粒子の粗大化) 上記4段階の消化過程は、強度(高温、長時間)に焼成
された生石灰の実験的規模の消化反応においてのみ区分
されるものであり、工業的規模による多量の連続する消
化反応においては、4段階は極めて短時間の経過であ
り、しかも不均一に進行するために区分され得ない。
【0013】乾式消化では、強度に焼成された低活性の
生石灰の場合でも、急激な消化反応によって消化水はた
ちまち水蒸気となり、生石灰に水が均一に行きわたらず
に、未消化物や不完全消化物が粗粒として存在し、収率
低下や品質低下となる。湿式消化におけるような高活性
の細粒生石灰や高温消化による効果はなく、反対に、高
温水蒸気下の凝結の促進による粒子の粗大化、さらに急
激反応による収率や品質の低下をまねく結果となる。
【0014】ただし、乾式消化においても、軽度に焼成
された高活性の生石灰の特長を生かして高比表面積を有
する反応性に優れた乾燥粉末消石灰を得ることは、アル
コール添加の水溶液で生石灰を消化する方法(特公平6
−8194公報)、本発明者らの先願発明(特願平8−
273119)における糖質添加と湿式粉砕の方法のよ
うに、湿式消化的過程が組み込まれることによって可能
となった。しかし乍ら、なお現有設備を最大限有利に有
効利用し得ないという共通の欠点を残している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するものであり、軽度に焼成された高活性の生石灰を
原料とし、高比表面積の反応性に優れた乾燥粉末消石灰
を高収率に製造する方法、特に、簡単(廉価)な装置を
付加することで、軽度に焼成された高活性の生石灰を原
料として、現有設備を最大限に利用して高比表面積の反
応性に優れた乾燥粉末消石灰を工業的有利に製造する方
法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、石灰と水とか
らなる石灰スラリー(以下、単にスラリーという)と生
石灰を混合し、消化反応させることによって、特に軽度
に焼成された高活性の生石灰(以下、単に高活性生石灰
という)を原料とし、消化反応初期において湿式消化の
状態を出現させ、更に糖質を添加することで消化反応速
度を調節することによって、微細粒子の大きな気孔容積
を有する高比表面積の乾燥粉末消石灰、具体的には、例
えば、従来の方法で得られる消石灰に比して、平均粒子
径で1/2、比表面積2倍以上の反応性に優れた消石灰
が、スラリー設備を追加するだけで、現有設備を最大限
活かして高収率に工業的有利に製造できること、並び
に、更にこの際、スラリーに珪酸塩及び/又は界面活性
剤を添加すれば、収率および品質ともに更に向上するこ
と、並びに消石灰の流動性が良くなることも見出し、本
知見に基づいて本発明を完成させた。
【0017】即ち、本発明は、乾燥粉末消石灰を製造す
る方法において、まず生石灰(好ましくは、あらかじめ
篩分けたうちの粗粒生石灰)を多量の水で消化するか、
又は消石灰(好ましくは本発明によって製造した消石
灰)と水とを混合して、消石灰濃度が1.0〜40.0
重量%のスラリーを作成し、好ましくは、更にこのスラ
リーに、0.1〜5.0重量%の糖質及び/又は0.1
〜5.0重量%の珪酸塩及び/又は0.01〜2.0重
量%の界面活性剤を添加したものを消化水とし、生石灰
(好ましくは、あらかじめ篩分けたうちの細粒生石灰)
100重量部と消化水(スラリー)60〜160重量部
とを消化反応させることを特徴とする。
【0018】消化水(スラリー) スラリー作成用原料としては、生石灰又は消石灰いずれ
も使用可能であるが、生成される乾燥粉末消石灰の性状
をより向上させるためには、好ましくは、生石灰を多量
の水で湿式消化してスラリーを作成する。より好ましく
は、あらかじめ高活性生石灰を篩分けて、そのうちの粗
粒生石灰をスラリー作成用として用いる。一方の細粒生
石灰の方は、のちに消化用原料として使用する。高活性
生石灰としては、例えば、石灰石を1200℃以下、好
ましくは1100℃以下、特に800〜1000℃程度
で、通常は2時間程度、焼成して得られる生石灰を使用
することができる。
【0019】生石灰より生成して得るスラリーは、消石
灰と水とを混合して得るスラリーに比して、スラリー中
の粒子がより微細で、より分散した過飽和度の大きな消
化水となり、後の生石灰の消化反応を好適に導く。スラ
リー作成用原料として、消石灰を用いる場合は、本発明
により製造された微粒消石灰を使用することが望まし
い。
【0020】消化水として用いるスラリーの消石灰濃度
は、好ましくは1.0〜40.0重量%であるが、より
好ましくは5.0〜25.0重量%である。スラリーの
消石灰濃度が1.0重量%未満では、初期過飽和度が小
さすぎて、湿式消化の効果が減失する。一方、40.0
重量%を越えると、界面活性剤、糖質の流動助長効果が
あるとはいえ、粘度が高くなりすぎて設備的にスラリー
の移送が困難となる。
【0021】スラリー添加剤 本発明の乾燥粉末消石灰の製造方法においては、より好
ましい実施の形態としては、糖質及び/又は珪酸塩及び
/又は界面活性剤をスラリーに添加する。スラリーの作
成に生石灰を使用する場合には、後の生石灰とスラリー
との消化反応において、より効果を発揮させるために、
これらの添加剤はスラリー作成時の生石灰の消化反応が
完了したのちに、スラリーに添加されることが望まし
い。
【0022】本発明の消化反応過程の初期における湿式
消化状態は、湿式としては水量の少ない状態であり、か
つ、生石灰の活性が大幅に変動する場合など、湿式反応
が不安定となる。スラリーに、糖質、珪酸塩、界面活性
剤等の各種添加剤を添加することにより、消化反応を改
善することができる。
【0023】スラリーに0.1〜5.0重量%、より好
ましくは0.5〜2.0重量%の濃度範囲になるように
糖質を添加することにより、湿式消化時間の調整が可能
となり、湿式消化状態を安定化させるとともに、糖質自
体、結晶面に吸着し消石灰粒子の粗大化を防止する効果
を発揮する。糖質の濃度が0.1重量%未満ではいずれ
の効果も不充分で、5.0重量%を越えても効果に変化
がなくなるばかりか、かえって生成される消石灰の付着
水分が抜けにくくなる。糖質には、単糖類、二糖類、多
糖類があるが、本発明の目的からは二糖類に属するショ
糖が好適に選択される。
【0024】珪酸塩としては、スラリー中における消石
灰粒子の分散、液相での過飽和度の増大、生成消石灰粒
子の結粒防止、流動性向上の効果、更には価格面から水
ガラスが好適に使用される。好ましくはスラリーに0.
1〜5.0重量%、より好ましくは0.2〜3.0重量
%の濃度範囲で珪酸塩を添加する。珪酸塩の濃度が0.
1重量%未満では、上記の目的とする効果がうすく、殊
に反応過程における液相中での効果がなく、5.0重量
%濃度を越える場合は、むしろ消石灰粒子を凝結粗大化
させる傾向となる。
【0025】界面活性剤は、浸透剤、減水剤(流動化
剤)、分散剤として効果あるものが選択される。なかで
も、限られた短時間の湿式消化状態において、水の浸透
力を助長することを主目的に使用されるが、スラリー濃
度が高い場合などでは、減水効果も要求されるため、界
面活性剤は1種に限定されず、2種以上が使用される場
合がある。界面活性剤は、非イオン、アニオン及び両性
に属するものであればいずれも使用可能であるが、好適
には、浸透剤として、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ジアルキルスルホコハク酸塩が、減水剤・分散剤
としては、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩など
が例示される。
【0026】上記効果を充分発揮させるには、0.01
〜2.0重量%、より好ましくは0.05〜1.0重量
%の濃度範囲の界面活性剤をスラリーに添加することが
望ましい。スラリー中の界面活性剤の濃度が0.01重
量%未満では効果が著しく低下するか、または効果がな
くなる。界面活性剤の特性であるが、濃度が2.0重量
%を越えても効果は変わらないか、またはミセル限界濃
度を超えた場合には、所望する効果とは別なる効果があ
らわれる。
【0027】ただし、生石灰、ならびに糖質、珪酸塩、
界面活性剤および添加方法については、本発明の作用効
果を奏する範囲を超えない限り、上記の例示に限定され
るものではない。
【0028】生石灰(原料) スラリー作成にかかる湿式消化では、生石灰粒度の大小
は、生成されるスラリー性状にあまり影響を与えない
が、水量が少ない乾式消化となるスラリーと生石灰の消
化反応においては、生成される乾燥粉末消石灰の性状を
左右する。すなわち、生石灰粒度が小さいほど粒子の小
さい消石灰が生成される。好ましい実施の形態では、あ
らかじめ高活性生石灰を篩分けて、粗粒生石灰はスラリ
ー作成用の原料とし、消化用原料には細粒生石灰を使用
する。
【0029】ただし、本発明の製造方法においては、消
化反応過程の初期において湿式消化の反応機構を経過す
ること、また、生成消化物の分級装置を具備する現有設
備を活用できることなどから、消化原料としての生石灰
粒度は、3.0mm以下程度のものでも十分である。た
だ、生成消化物を分級せずに全量製品化しようとする場
合は、1.0mm以下の粒度の生石灰を使用することが
望ましい。
【0030】消化反応(乾式消化) 消化水として用いるスラリーは、通常、上記原料生石灰
100重量部に対して、60〜160重量部が好まし
く、より好ましくは80〜140重量部である。生石灰
100重量部に対するスラリー重量部が60重量部未満
では、もはや消化反応の初期において湿式消化の形態を
採り得ず、160重量部を越える場合には、生成物の乾
燥粉末化が阻害される。
【0031】
【作用】本発明は、生成された消石灰が、乾燥粉末であ
るという乾式消化でありながら、生石灰と消化水との混
合以前から、すでに消化水が過飽和状態のスラリーであ
るために、生石灰とスラリーが混合された瞬間から初期
過飽和度の大きな湿式消化の状態を出現させ得ることを
特微とする。消化反応の進行とともに段々とかつ短時間
に乾式消化の状態へと消化反応機構が変化する。その結
果、本発明は、BET比表面積が30〜45m2/g、
粒子径が2〜10μm、特に2〜8μmの範囲にある乾
燥粉末消石灰を製造するために好適である。
【0032】高活性生石灰は、反応速度が速くこの短時
間のうちにも湿式消化において大部分が反応するが、糖
質添加の遅延作用によって湿式状態の時間を調節するこ
とが可能となり、かつ界面活性剤の添加によって水の浸
透を良くし反応速度を上げ、限られた時間内で均一にか
つ高速に反応を終了させる効果をもち、珪酸塩は、石灰
との反応により生成する珪酸カルシウムが不溶性である
ために、液相の過飽和度を増大させて、消石灰粒子の微
粒化を促進させるのみならず、生成した乾燥粉末消石灰
の分散性、流動性を助長する効果がある。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に図面に従って詳細に説明す
る。図1は本発明による製造方法の一実施例における工
程の全体構成図である。本発明は、好ましくは以下のよ
うに実施される。
【0034】まず、受入タンク(1)に貯蔵された生石
灰は振動篩(2)によって粗粒と細粒に篩分けられて、
粗粒生石灰はスラリー用生石灰ホッパー(3)に、細粒
生石灰は消化用生石灰ホッパー(6)に、それぞれ貯蔵
される。
【0035】スラリー用生石灰ホッパー(3)に貯蔵さ
れた粗粒生石灰は、スラリー調整槽(4)に送られる。
スラリー調整槽(4)では、スラリー中の消石灰濃度
が、1.0〜40.0重量%、より好ましくは5.0〜
25.0重量%になるように清水と混合されて、湿式消
化反応しスラリーとなる。
【0036】更に、湿式消化反応が完全に終了したの
ち、このスラリーに、0.1〜5.0重量%より好まし
くは0.5〜2.0重量%の糖質、及び/または、0.
1〜5.0重量%より好ましくは0.1〜3.0重量%
の珪酸塩、及び/または、0.01〜2.0重量%より
好ましくは0.05〜1.0重量%の界面活性剤が添加
されて、最終スラリーとして調整される。この調整され
たスラリーは、スラリー貯蔵槽(5)に送られ、一旦貯
蔵される。
【0037】消化用生石灰ホッパー(6)に貯蔵されて
いた細粒生石灰と、スラリー貯蔵槽(5)に貯蔵されて
いた調整済のスラリーは、ともにスクリューフィーダー
(7)に送り込まれて、生石灰100重量部と、スラリ
ー60〜160重量部、より好ましくはスラリー80〜
140重量部の比率で混合される。スクリューフィーダ
ー(7)内では、湿式消化の状態で反応が進行する。す
なわち生石灰とスラリー中の水が直ちに懸濁状となって
消化反応を開始する。その後、徐々に昇温しながら懸濁
状のまま、次の消化機(8)に送り込まれる。
【0038】消化機(8)内では、攪拌されながら更に
消化反応を続け、昇温脱水しながら懸濁状から砂状硬化
物となり、最高温度に達したのち崩壊粉化して、最終は
付着水分の多い粗粒を含んだ消化物となって、次の熟成
機(9)に送られる。熟成機(9)内では、攪拌されな
がら、付着水分の調整と粗粒の粉化が進むのと並行し
て、放熱によって低温の乾燥粉末消石灰として排出され
る。
【0039】本発明によって製造される乾燥粉末消石灰
の性状は、生石灰の活性度とスクリューフィーダー
(7)および消化機(8)における湿式状態により大部
分決定される。即ち、生石灰とスラリーが混合されてか
ら砂状硬化物になるまでの時間(通常、30〜300秒
の範囲にある)と崩壊粉化時の最高温度(通常、100
〜110℃の範囲にある)に大きく左右される。湿式状
態を適正に維持するために、短期的には、生石灰とスラ
リーの混合比率の変更によって、長期的には、上記混合
比率の変更と、スラリーの消石灰濃度および糖質、珪酸
塩、界面活性剤の濃度変更によって調整される。
【0040】熟成機(9)から排出された乾燥粉末消石
灰は、分級機(10)によって篩分けられて、微細粒子
の消石灰は製品タンク1(12)に収納される。一方、
粗粒の消石灰は粉砕機(11)に送られて微粉砕された
後、製品タンク2(13)へ収納されるか、又は微細粒
子の消石灰と混合されて製品タンク1(12)に収納さ
れる場合がある。
【0041】
【実施例】以下に実施例及び比較例によって、本発明を
具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。
【0042】実施例1 軽度に焼成された、粒度5mm以下の生石灰を原料とし
た。まずこれを網目3.0mmの振動篩で篩分けて、粗
粒(粒度3.0〜5.0mm)生石灰をスラリー原料と
して、細粒(粒度3.0mm未満)生石灰は消化用原料
とした。次に、粗粒生石灰と清水を湿式消化したのち、
ショ糖、珪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルを添加してスラリーを作成した。スラリーの性
状は次のとおり。
【0043】消石灰濃度 20.0 重量% 添加剤濃度 ショ糖 1.4 重量% 珪酸ナトリウム 1.2 重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.08重量% 温度 72.0℃ 更についで、スクリューフィーダー内で、上記の細粒生
石灰100重量部と、上記スラリー108重量部を混合
し、湿式の状態で消化反応させ、次の消化機内で崩壊粉
化した消化物となし、熟成機内では粉化の更新と付着水
分の調整がなされて排出される。これを分級して150
μm未満の乾燥粉末消石灰を製品とした。収率は製品重
量を使用生石灰総重量で除して算出した数値とし、比表
面積はBET比表面積計により、また平均粒子径は、分
散媒として蒸留水を使用し、レーザー回析法により測定
した。その結果は表1に示すとおり、収率1.16、比
表面積42.1m2/g、平均粒子径4.8μmであっ
た。
【0044】実施例2 実施例1と同様の方法によって、消化用原料生石灰とス
ラリーを得た。ただし、スラリーの性状は次のとおりに
調整した。
【0045】消石灰濃度 5.0 重量% 添加剤濃度 ショ糖 1.0 重量% 珪酸ナトリウム 0.9 重量% ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム 0.08重量% 温度 33.0℃ その後も、細粒生石灰100重量部に対して、スラリー
81重量部を使用した以外、実施例1と全く同様の操作
によって製品を得た。その結果は表1に示すとおり、収
率1.10、比表面積36.3m2/g、平均粒子径
5.7μmであった。
【0046】実施例3 軽度に焼成された、粒度0.5mm以下の生石灰を、そ
のままスラリー用原料および消化用原料として使用し
た。この生石灰と清水を湿式消化したのち、ショ糖を添
加してスラリーを作成した。スラリーの性状は次のとお
り。
【0047】消石灰濃度 20.0重量% 添加剤濃度 ショ糖 1.8重量% 温度 76.0℃ その後は、上記生石灰100重量部に対して、スラリー
108重量部を使用して、実施例1と全く同様の操作に
よって製品を得た。その結果は表1に示すとおり、収率
1.20、比表面積34.6m2/g、平均粒子径6.
4μmであった。
【0048】比較例1 先願発明(特願平8−273119)の製造方法に基づ
いて実施した。すなわち、1.0重量%濃度のショ糖と
0.05重量%濃度のポリオキシエチレンアルキルエー
テルを含む水溶液を消化水として用い、軽度に焼成され
た粒度5.0mm以下の生石灰100重量部と、上記消
化水64重量部を混合機内で混合したのち、湿式粉砕機
で湿式粉砕して、固形分を150μm以下の微粒子とな
し、反応機内で消化反応させ、熟成機内で付着水分を調
整し、これを分級して150μm未満の乾燥粉末消石灰
を製品とした。その結果は表1に示すとおり、収率1.
32、比表面積36.1m2/g、平均粒子径5.1μ
mであった。
【0049】比較例2 従来からの製造方法に基づいて実施した。すなわち、消
化反応の速度を遅くするために強度に焼成された粒度
3.0mm以下の生石灰100重量部と、清水64重量
部を、消化機内で混合し消化反応させたのち、熟成機内
で熟成させて、これを分級して150μm未満の乾燥粉
末消石灰を製品とした。結果は表1に示すとおり、収率
0.98、比表面積13.3m2/g、平均粒子径1
2.6μmであった。
【0050】
【表1】 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 生石灰 活性度(ml)*1 159 157 174 156 58 粒度(mm) 篩分前 0−5 0−5 0−0.5 0−5 0−3 篩分後粗粒 3−5 3−5 − − − 篩分後細粒 0−3 0−3 − − − 消石灰(製品) 収率 1.16 1.10 1.20 1.32 0.98 比表面積(m2/g) 42.1 36.3 34.6 36.1 13.3 平均粒子径(μm) 4.8 5.7 6.4 5.1 12.6 *1:活性度は、40℃、1000ccの水に、生石灰25gを投入し、攪拌し ながら4規定塩酸で中和滴定し、1分後の滴定量をmlで示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造方法の一実施例における工程
の全体構成図である。
【符号の説明】
1.受入タンク(現有設備) 2.振動篩(新設) 3.スラリー用生石灰ホッパー(新設) 4.スラリー調整槽(新設) 5.スラリー貯蔵槽(新設) 6.消化用生石灰ホッパー(現有設備) 7.スクリューフィーダー(現有設備) 8.消化機(現有設備) 9.熟成機(現有設備) 10.分級機(現有設備) 11.粉砕機(現有設備) 12.製品タンク1(現有設備) 13.製品タンク2(現有設備) 14.集じん機(現有設備)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と石灰とからなる石灰スラリーを消化
    水として用い、この消化水と生石灰を消化反応させるこ
    とを特微とする乾燥粉末消石灰の製造方法。
  2. 【請求項2】 生石灰を多量の水に投入し、湿式消化さ
    せて得られた石灰スラリー又は消石灰と水を混合して得
    られた石灰スラリーを消化水として用いることを特徴と
    する請求項1に記載の乾燥粉末消石灰の製造方法。
  3. 【請求項3】 まず、生石灰を粗粒部と細粒部に篩分け
    し、次いでこの粗粒生石灰を多量の水で湿式消化させて
    石灰スラリーを生成し、この石灰スラリーと細粒生石灰
    を消化反応させることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の乾燥粉末消石灰の製造方法。
  4. 【請求項4】 消化水が1.0〜40.0重量%の消石
    灰を含む石灰スラリーであって、生石灰100重量部と
    消化水(石灰スラリー)60〜160重量部を消化反応
    させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の乾燥粉末消石灰の製造方法。
  5. 【請求項5】 消化水が、0.1〜5.0重量%の糖質
    を含む石灰スラリーであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の乾燥粉末消石灰の製造方法。
  6. 【請求項6】 消化水が、0.1〜5.0重量%の珪酸
    塩を含む石灰スラリーであることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の乾燥粉末消石灰の製造方法。
  7. 【請求項7】 消化水が、0.01〜2.0重量%の界
    面活性剤を含む石灰スラリーであることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の乾燥粉末消石灰の製造方
    法。
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