JPH10167408A - 物品の払出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】走行台車の移動並びに物品取出装置の昇降動作
に追随でき、物品取出装置から搬送コンベアへの物品の
払出し作業をアイドルタイムを生じさせることなく行う
ことのできるようにする。 【解決手段】棚に沿って走行及び昇降し、棚の任意の位
置から物品を取り出す物品取出装置に取り付けられる物
品の払出し装置であって、一端側が物品取出装置の物品
排出端側に回動自在に取り付けられ、他端側が搬送コン
ベアに対して移動自在且つ回動自在に取り付けられた払
出しコンベアから成る。また本発明の物品の払出し装置
は、一端側が物品取出装置の物品排出端側に回動自在に
取り付けられ、他端側が搬送コンベアの物品搬入端側に
回動自在に取り付けられた払出しコンベアを有し、該払
出しコンベアの物品が搬送されない領域の途中には、物
品を搬送する領域の長さを伸縮するための長さ調節機構
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動化され
た倉庫等において、物品取出装置によって棚から自動的
に取り出された物品を、トラックヤード等へ搬送する搬
送コンベアへ自動的に払い出すことのできる物品の払出
し装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、自動化された倉庫等においては、
床面上に敷設されたレール上を走行する走行台車に物品
の取出装置を搭載し、目的とする棚の位置へ走行台車を
走行させた後、取出装置を昇降させて所望の物品を取り
出すようにしている。そして、トラックヤード等への搬
送コンベアへ取り出した物品を移載するため、物品を移
載可能なレベルまで取出装置を下降させ、然る後にプッ
シャー等によって取出装置の物品を搬送コンベアへ払出
すようにしている。これは、走行台車の移動及び取出装
置の昇降に随伴する払出し装置の構成ができないからで
あり、取出装置から搬送コンベアへの移載には、その都
度取出装置を下降させる工程が必要であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、棚から取
り出した物品を搬送コンベアへ移載する際には、取出装
置の下降工程が不可欠であり、特に多数の物品を棚から
取り出す場合には、極めて非能率的であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、走行台車の
移動並びに物品取出装置の昇降動作に追随でき、物品取
出装置から搬送コンベアへの物品の払出し作業をアイド
ルタイムを生じさせることなく行うことのできる物品の
払出し装置を提供せんとするものである。

【０００５】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した請求項１の手段は、棚に沿って走行及び昇降
し、棚の任意の位置から物品を取り出す物品取出装置に
取り付けられる物品の払出し装置であって、一端側が物
品取出装置の物品排出端側に回動自在に取り付けられ、
他端側が搬送コンベアに対して移動自在且つ回動自在に
取り付けられた払出しコンベアを有することを特徴とす
る物品の払出し装置である。

【０００６】また本発明が採用した請求項２の手段は、
棚に沿って走行及び昇降し、棚の任意の位置から物品を
取り出す物品取出装置に取り付けられる物品の払出し装
置であって、一端側が物品取出装置の物品排出端側に回
動自在に取り付けられ、他端側が搬送コンベアの物品搬
入端側に回動自在に取り付けられた払出しコンベアを有
し、該払出しコンベアの物品の搬送に使用しない領域の
途中には、物品の搬送に使用する領域の長さを伸縮する
ための長さ調節機構が設けられていることを特徴とする
物品の払出し装置である。

【０００７】更に、本発明が採用した請求項３の手段
は、払出しコンベアの移動速度を、搬送コンベアによる
物品の搬送速度よりも遅くしたことを特徴とする前記請
求項１又は２に記載の物品の払出し装置である。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示
す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りであ
る。図１及び図２は、請求項１に記載の発明の一実施の
形態に係る払出し装置１を示す背面図である。同図に示
す如く、この払出し装置１は、自動倉庫の棚（ラック）
２に沿って床面上に敷設されたレール３を有し、該レー
ル３上に走行台車４が前進、後退自在に架設されてい
る。走行台車４には、前記棚２から所定の物品をピッキ
ングして取り出すための物品取出装置５が昇降自在に取
り付けられている。また自動倉庫の棚２の両サイドに面
するレール３と同方向位置には、トラックヤード等へ取
り出した物品を搬出するための搬送コンベア６及び７が
配設されている。

【０００９】而して、これらの搬送コンベア６及び７
と、物品取出装置５の排出端側との間には、それぞれ払
出し装置１が取り付けられている。払出し装置１は、払
出しコンベア８を有し、その一端側９は物品取出装置５
の排出フレーム５ａに回動自在に固定されており、他端
側１０は搬送コンベア６及び７の物品の搬入側において
スライダー１１及びスライドレール１２を介してスライ
ド自在且つ回動自在に取り付けられている。尚、これら
のスライダー１１及びスライドレール１２は、搬送コン
ベア６及び７のそれぞれ両端側に設けられている。従っ
て、払出しコンベア８の他端側１０は、搬送コンベア６
及び７の上方をスライド自在に移動することになる。物
品取出装置５の排出フレーム５ａには、図２に示すよう
に、昇降自在で且つ正逆回転が自在な送り出しローラ１
３が取り付けられている。

【００１０】次に、このよう構成された払出し装置１の
動作態様を説明する。先ず、走行台車４が移動して目的
とする物品が保管されている場所へレール３上を高速で
走行する。そして、物品が段積みされている場所へ到達
すると、ここで走行台車４は停止し、待機する。このと
き、払出し装置１は、走行台車４の移動に伴って払出し
コンベア８の他端側１０がスライドレール１２上をスラ
イドし、これに追従する。

【００１１】然る後は、物品取出装置５が目的とする物
品の最も上位に位置する高さまで上昇する。この物品取
出装置５の上昇に伴い、払出し装置１の払出しコンベア
８の一端側９が排出フレーム５ａに伴って上昇するよう
になる。そのため、払出しコンベア８の他端側１０は、
スライドレール１２上を移動するスライダー１１によっ
て走行台車４側へ引き寄せられて移動するようになる。
すなわち、払出しコンベア８は、物品取出装置５の昇降
動作に伴って搬送コンベア６及び７の上方を移動し、払
出しコンベア８から搬送コンベア６及び７への物品Ｗの
受渡しを可能とするものである。なお、サイクルタイム
をより短縮するために、走行台車４の移動と物品取出装
置５の昇降を同時に行うようにしてもよい。

【００１２】次に、所定の高さ位置まで上昇した物品取
出装置５は、棚２から目的とする物品Ｗをピッキング
し、排出フレーム５ａへ移載する。排出フレーム５ａで
は、送り出しローラ１３が上昇して物品Ｗの下面に当接
し、正逆いずれかの方向へ回転することによって物品Ｗ
を図２の左又は右方向へ送り出すようになる。

【００１３】そして、送り出された物品Ｗは、払出しコ
ンベア８へ自動的に移載され、続いてこの払出しコンベ
ア８から搬送コンベア６又は７へ自動的に移載される。
すなわち、物品取出装置５を下降させることなく、ピッ
キングされた物品Ｗを搬送コンベア６又は７へ払い出す
ことができ、サイクルタイムを短縮することができるば
かりか、棚２の同じ位置又は近傍位置から複数の物品Ｗ
を連続的にピッキングすることが可能となる。搬送コン
ベア６又は７は、トラックヤード等へ連続しており、棚
２に保管されている物品Ｗを人手に頼ることなく、取り
出して払出しでき、トラックヤードまで自動的に搬送す
ることができる。

【００１４】なお、物品Ｗの払出しコンベア８における
移動速度と、搬送コンベア６及び７における物品Ｗの搬
送速度とは、搬送コンベア６及び７の搬送速度の方が払
出しコンベア８における移動速度よりも速くなるように
設定されている。これは、払い出された物品Ｗどうしが
搬送コンベア６及び７において、衝突しないようにする
ためのものである。

【００１５】図３は、請求項２に記載の発明の実施の形
態を示す払出し装置１４を示す背面図である。同図に示
す如く、この払出し装置１４は、一端側が物品取出装置
５の排出フレーム５ａに回動自在に取り付けられると共
に、他端側が搬送コンベア６及び７の物品搬入端側に回
動自在に取り付けられた払出しコンベア１５，１５を有
している。この払出しコンベア１５，１５は、物品Ｗが
搬送されない領域の途中において、物品Ｗを搬送する領
域の長さを伸縮するための長さ調節機構１６が設けられ
ている。

【００１６】長さ調節機構１６は、排出フレーム５ａに
回動自在に固定された二つのプーリ１７，１８を有し、
またプーリ１７及び１８と、他端側のプーリ１９との間
にはスライド自在なプーリ２０が配設されている。払出
しコンベア１５，１５は、これらのプーリ間に跨がって
張設されている。その他の構成は、前記図１に示す実施
の形態の場合と同じである。

【００１７】この払出し装置１４では、走行台車４の走
行動作及び物品取出装置５の昇降動作に伴って搬送コン
ベア６又は７の搬入端側と、排出フレーム５ａの排出端
側との間の距離が異なるようになるが、スライド自在な
プーリ２０が図３の左右方向へ移動することによってこ
れを吸収し、除去するようにしている。物品Ｗの払出し
動作及びこれによる効果は、前述した図１に示す実施の
形態の場合と同じである。また払出しコンベア１５にお
ける物品Ｗの移動速度と、搬送コンベア６及び７におけ
る物品Ｗの搬送速度との関係においても、この搬送速度
の方が大きくなるように設定されるものであることは、
図１の場合と同じである。

【００１８】

【実施例】次に、図４〜図８を参照して本発明の払出し
装置１を適用してなる具体的な実施例を説明する。図４
に示す如く、例えば自動化された倉庫の棚２に沿った床
面上には、レール３が敷設されており、走行台車４が前
進、後退可能なように懸架されている。この走行台車４
の台車フレームには、進行方向に対して前後二本のマス
ト２１及び２２がボルト連結等により取り付けられ、更
にこのマスト２１及び２２間に物品取出装置５が装着さ
れている。物品取出装置５は、物品Ｗのピッキング装置
２３と取り上げ装置２４とから成る。

【００１９】ピッキング装置２３は、伸縮自在な第一及
び第二のアーム２５，２６を有している。第二アーム２
６の先端側には、物品Ｗに対して昇降自在な押さえ手段
２７が取り付けられている。また同アーム２６の下面側
には、図６及び図７に示すように、チルトアーム２８が
スライド自在に取り付けられている。一方、取り上げ装
置２４は、図２に示す送り出しローラ１３と、Ｕ字状に
折れ曲がることのできる伸縮自在なローラーコンベア２
９と、これに連続して設けられ、先端側に向かうに連れ
て低くなるように傾斜したベルトコンベア３０との三つ
の搬送手段から成る。

【００２０】またマスト２１及び２２の上部側はフレー
ム３１によって連結されており、その前後側において、
天井レール３２に脱線防止機構３３を介して係合装着さ
れている。脱線防止機構３３は、例えば、天井レール３
２の両側面をローラ（図示せず）で挟持したものであ
る。

【００２１】次に、このように構成された実施例装置に
よる物品Ｗの取り出し動作を説明する。先ず、前述した
走行台車４の駆動機構によって目的とする物品Ｗが保管
されている場所へレール３上を高速で走行する。そし
て、物品Ｗが段積みされている場所へ到達すると、ここ
で走行台車１は停止し、待機する。このとき、払出し装
置１は、図１に示すように、走行台車４の移動に伴って
払出しコンベア８の他端側１０がスライドレール１２上
をスライドし、これに追従する。

【００２２】然る後は、図５に示すように、物品取出装
置５が最も上位に位置する物品Ｗに対応する高さまで上
昇し、同時に物品の取り上げ装置２４とピッキング装置
２３との間の間隔を物品Ｗに対応したものにする。この
ときも、払出しコンベア８の他端側１０は、物品取出装
置５の上昇動作に伴ってスライドレール１２上をスライ
ドし、これに追従する。次に、第一及び第二のアーム２
５及び２６と、ローラコンベア２９とが突出動作する。
続いて、先ず、第二アーム２６の先端側の押さえ手段３
４が下降動作し、取り出そうとする物品Ｗの背後にある
物品の上面側を押さえるようになる。

【００２３】次に、チルトアーム２８が図６の右方向へ
スライドすることによってその先端側が物品Ｗの側面上
部に当接する。そのため、当該物品Ｗがその背後側の上
縁部を中心にして傾動するようになり、物品Ｗの手前側
の下面が浮き上がって、下位の物品との間に隙間を形成
する。

【００２４】然る後は、物品取出装置５のベルトコンベ
ア３０が、図７に示すように、前記物品Ｗの前記隙間に
侵入する。続いて、第二アーム２６が退入動作（図７の
左側方向へ移動）し、図８に示すように、押さえ手段３
４を物品Ｗの上面側に移行させながらこれを押さえるよ
うにし、物品Ｗをローラコンベア２９へ搬送する。これ
により、物品Ｗは、ローラコンベア２９の終端側で排出
フレーム５ａへ移載される。そして、送り出しローラ１
３の回転駆動によって払出し装置１の払出しコンベア８
へ移載され、搬送コンベア６又は７へ移載される。更
に、物品Ｗは、搬送コンベア６又は７の終端側におい
て、トラック等への積み込みが行われる。

【００２５】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものではなく、適宜の変更が可能である。例え
ば、物品の払出し装置１は、走行台車４へ搭載された物
品取出装置５の両端側へ配設し、双方向のトラックヤー
ド等へ搬送出来る場合を説明したが、一方向のトラッヤ
ード等へ搬送するように物品取出装置５の片側にのみ設
ける構成であってもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
物品取出装置の排出端側と、搬送コンベアとの間に払出
しコンベアを配設し、物品取出装置の走行移動及び昇降
動作に対応して払出しコンベアの有効な搬送距離を伸縮
調節自在となしたから、物品取出装置を搬送コンベアと
同レベルまで下降させることなく、取り出した物品を搬
送コンベアへ払い出すことができる。従って、サイクル
タイムを短縮することができるだけでなく、複数の物品
を棚の位置又は近傍位置から物品取出装置を大きく移動
させることなく、連続的に取り出すことが可能となり、
多数の物品を極めて効率的に払い出すことが可能なシス
テムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の発明の実施の形態を示す払出し装置
の背面図である。

【図２】請求項１の発明に係る送り出しローラを示す一
部縦断面図である。

【図３】請求項２の発明の実施の形態を示す払出し装置
の背面図である。

【図４】本発明の一実施例を示す自動化倉庫における物
品の自動取出装置の概略斜視図でである。

【図５】本発明の一実施例を示す自動化倉庫における物
品の自動取出装置の待機状態を示す側面図である。

【図６】本発明の一実施例に係る自動化倉庫における物
品の押さえ工程を示す概略側面図である。

【図７】本発明の一実施例に係る自動化倉庫における物
品の取り上げ工程の最初を示す概略側面図である。

【図８】本発明の一実施例に係る自動化倉庫における物
品の取り上げ工程の中間状態を示す概略側面図である。

【符号の説明】

１…払出し装置 ２…棚（ラック） ３…レール ４…走行台車 ５…物品取出装置 ５ａ…排出フレー
ム ６，７…搬送コンベア ８…払出しコンベ
ア ９…払出しコンベアの一端側 １０…払出しコン
ベアの他端側 １１…スライダー １２…スライドレ
ール １３…送り出しローラ １４…払出し装置 １５…払出しコンベア １６…払出しコン
ベアの長さ調節機構 ２０…スライド自在なベルトプーリ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】棚に沿って走行及び昇降し、棚の任意の位
   置から物品を取り出す物品取出装置に取り付けられる物
   品の払出し装置であって、一端側が物品取出装置の物品
   排出端側に回動自在に取り付けられ、他端側が搬送コン
   ベアに対して移動自在且つ回動自在に取り付けられた払
   出しコンベアを有することを特徴とする物品の払出し装
   置。
2. 【請求項２】棚に沿って走行及び昇降し、棚の任意の位
   置から物品を取り出す物品取出装置に取り付けられる物
   品の払出し装置であって、一端側が物品取出装置の物品
   排出端側に回動自在に取り付けられ、他端側が搬送コン
   ベアの物品搬入端側に回動自在に取り付けられた払出し
   コンベアを有し、該払出しコンベアの物品の搬送に使用
   しない領域の途中には、物品の搬送に使用する領域の長
   さを伸縮するための長さ調節機構が設けられていること
   を特徴とする物品の払出し装置。
3. 【請求項３】払出しコンベアの移動速度を、搬送コンベ
   アによる物品の搬送速度よりも遅くしたことを特徴とす
   る前記請求項１又は２に記載の物品の払出し装置。