JPH10167207A - チューブ成形装置と包装容器製造機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェブの成形性が向上したチューブ成形装置
または該チューブ成形装置を備えた包装容器製造機械を
提供すること。 【解決手段】 板状ウェブから管状ウェブを成形し、該
管状ウェブ内に内容物を充填パイプ８から充填するチュ
ーブ成形装置において、充填パイプ８の先端部に管状ウ
ェブＷの長手方向に直交する方向の断面形状とほぼ同一
形状の平面部を有する圧力蓋１１を設け、該圧力蓋１１
の外周側面に管状ウェブの長手方向に伸びる溝１１ａを
複数個設け、該溝１１ａを管状ウェブＷに予め設けられ
た折り曲げ線に対応させる。溝１１ａが管状ウェブＷの
各折り曲げ線に対応させてあるので、溝１１ａがウェブ
の各折り曲げ線に沿って、その内部圧力に方向性を持た
せることができるので、管状ウェブＷの枕状体Ｃへの成
形性が良くなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は包装容器製造機械に
関し、特に板状のウェブを管状のウェブとし、該管状の
ウェブ内に流動性食品などの内容物を充填するチューブ
成形装置と該チューブ成形装置を備えた包装容器製造機
械に関する。

【従来の技術】板状のウェブから流動性食などの内容物
が内部に充填される包装容器を製造する包装容器製造機
械には、図１に示すように機械本体（図示せず）に水平
方向に軸支された回転軸を有するガイドローラ１からベ
ンデングローラ２を経由して上段成形ローラ４、中段成
形ローラ５および下段成形ローラ６により板状ウェブＷ
を順次円筒状に変形しながら管状ウェブＷを成形し、そ
の後枕状の包装容器（以下、枕状体と言うことがあ
る。）Ｃにするチューブ成形装置が用いられている。チ
ューブ成形装置にはチューブ内に流動体状の内容物を充
填するための充填パイプ８が設けられていて、また、一
対の封止ジョー１０により管状ウェブの長手方向に直交
する方向の両側面を押し込みながら、ウェブＷの両側接
触部を、その長手方向に直交する方向に封止（以下、横
シールと言うことがある。）した後に、横シール部より
上方側の管状ウェブ内に充填パイプ８から所定量の流動
体状の内容物を充填し、内容物が充填された管状ウェブ
の上側も横シールして枕状体Ｃを得る。図５に示すよう
に管状ウェブＷ内に挿入された充填パイプ８の先端部に
管状ウェブＷの内径とほぼ同一径を有する圧力蓋２１が
取り付けられている。この圧力蓋２１は、充填パイプ８
から管状ウェブＷ内へ内容物を充填した後、管状ウェブ
Ｗを枕状体Ｃの形状にするために用いられるものであ
り、充填パイプ８の先端から管状ウェブＷ内に供給され
る内容物に供給圧力を与え、管状ウェブＷの外部からの
図示していない枕状体Ｃの成型フラップ（図４参照）の
形状に沿うように管状ウェブＷを変形させる。すなわ
ち、図５で示すように、充填パイプ８の先端部から内容
物を管状ウェブＷ内に供給すると、ウェブＷの底部は横
シールされているので、圧力蓋２１と横シールされてい
るウェブＷの底部との間は封止ジョー１０および後述の
成形フラップ１２（図４参照）の挟持により圧力蓋２１
の上部の管状ウェブＷ内にある内容物部分に比べて高圧
となる。そのため、管状ウェブＷから枕状体Ｃへの成形
性が良くなる。このとき、従来技術では図５に示すよう
に圧力蓋２１には該圧力蓋２１のフランジの下部から上
部への充填液の流れ（流体圧力の逃げ）は圧力蓋２１外
周部分と該フランジ断面に対して均等に振り分けられた
複数個の穴２１ａから行っていた。図６（ａ）は管状ウ
ェブに４箇所、予め設けられた折り目線を誇張して図示
した管状ウェブＷの横断面であり、図６（ｂ）には従来
の圧力蓋２１の平面図を示し、図６（ｃ）には従来の圧
力蓋２１を管状ウェブ内部に配置した場合のウェブ断面
から見た図を示す。そして、管状ウェブＷから得られた
枕状体Ｃの断面図を図６（ｄ）に示す。ここで、折り目
線１３は枕状体を形成し易くするためにウェブに予め設
けられたものであり、その折り目線１３に沿って折り曲
げられ、図６（ｄ）の断面形状の枕状体Ｃが得られる。

【発明が解決しようとする課題】前述したように、管状
ウェブＷから枕状体Ｃへの成形性は圧力蓋２１の下部の
ウェブ内部にある内容物の内部圧力に影響される。ま
た、その圧力の強弱のみがウェブ内部圧力の要因であっ
た。このウェブ内部圧力は、強すぎても弱すぎても良好
な成形性が得られない。すなわち、ウェブ内部圧力が強
すぎた場合、管状ウェブの弱い所（この場合のほとんど
は、縦シール部である）から内容物が破れて吹き出す。
また、ウェブ内部圧力が弱すぎた場合、成形不良になる
上に上方向へ充填液が逃げることによって充填量不足に
もつながる。前記成形不良により予め設けられた折り目
線１３の部分での折り曲げ成形が不十分となり、それ
は、その後の成形工程にも影響を与えることになる。そ
こで、本発明の課題はウェブの成形性が向上したチュー
ブ成形装置または該チューブ成形装置を備えた包装容器
製造機械を提供することである。また、本発明の課題は
ウェブ内部圧力に多少の変化があってもそれを吸収して
管状ウェブの成形性に影響を与えないチューブ成形装置
または該チューブ成形装置を備えた包装容器製造機械を
提供することである。

【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成によって解決される。すなわち、板状ウェブから管
状ウェブを成形し、該管状ウェブ内に内容物を充填パイ
プから充填するチューブ成形装置において、充填パイプ
の先端部に管状ウェブの長手方向に直交する方向の断面
形状とほぼ同一形状の平面部を有する圧力蓋を設け、該
圧力蓋の外周側面に管状ウェブの長手方向に伸びる溝を
複数個設け、該溝を管状ウェブに予め設けられた折り曲
げ線に対応させたチューブ成形装置である。圧力蓋の役
割は管状ウェブから枕状体の成形作用に必要不可欠なウ
ェブ内部に充填される内容物からの内部圧力を得るため
のものである。円形断面を有する管状ウェブ内に内容物
が充填された状態から矩形断面を有する枕状体を１個毎
に内容物を密封しながら成形するためには、ウェブの外
部からの成形に要する圧力によって伝播されるウェブ内
部の流体の静的な逆圧が得られることが必要である。図
１に示すような包装容器製造機械に適用されるチューブ
成形装置では瞬間的にウェブに内部圧力が加わる。も
し、圧力蓋がウェブの密封されるべき領域の上部に設置
されていなければ、最終的な枕状体形状に成形させるた
めに圧力蓋の下側１方向と側面４方向から外部圧力を加
えても、ウェブ内部に伝播される内部圧力は、上方へ逃
げることによって、所定の形状にウェブが成形されず、
特に各折り曲げ部の成形が不十分となりそれは、その後
の成形工程にも影響を与える。この内部圧力は、強すぎ
ても弱すぎても充分な効果が得られないことは図６で説
明した通りである。ところが、図２（ａ）に本発明の一
例である圧力蓋１１の平面図に示すように、圧力蓋１１
にはその外周側面に溝１１ａを複数個設けて、その溝１
１ａを図２（ｂ）に示すように管状ウェブＷの各折り曲
げ線１３（誇張して図示している。）に対応させてある
ので、また、折り曲り線１３があるため前記溝１１ａが
ウェブの各折り曲げ線１３に沿って、その内部圧力に方
向性を持たせることができ、溝１１ａ内の流体の上方へ
の流れが、狭い溝１１ａに沿って流れ込むような乱流に
変化し、その流れによって成形工程の前にウェブの予め
折り曲げ線１３沿いに変形させる予備折りする力として
作用する。そのため、管状ウェブＷの枕状体への成形性
が従来の圧力蓋２１の内部に穴２１ａを設ける場合に比
較して良くなる。また、多少のウェブ内部圧力が変化し
ても、前記溝１１ａが各折り曲げ線１３に沿って、その
内部圧力に方向性を持たせることができ、管状ウェブＷ
の枕状体Ｃへの成形性に影響を与えない。また、最終製
品である包装容器のサイズによって寸法的な制約が厳し
くなるため、圧力蓋１１の半径寸法は制約される範囲内
でできるだけ大きくしておいて、その代わりにフランジ
面に少なくとも一ケ所貫通穴を開けておくことで圧力の
バランスを保てるようにしても良い。また、本発明には
上記チューブ成形装置を備えた包装容器製造機械も含ま
れる。

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本実施例は図１で説明した包装容器製造機械のチューブ
成形装置と同一の構成からなり、図１の中で管状ウェブ
Ｗ内への内容物の充填パイプ８の先端部に設けられる圧
力蓋１１の平面図を図２に示す。また図３には本実施例
において枕状体Ｃの成形時の圧力蓋１１および管状ウェ
ブＷにかかる内部圧力などを図示したものであり、図４
には管状ウェブＷから枕状体Ｃへの成形時の成形装置の
作用の態様とウェブ内部における圧力蓋１１による内部
圧力の様子を示す図である。本実施例の圧力蓋１１の特
徴はその外側面に４箇所の溝１１ａが設けられ、その溝
１１ａを図２（ｂ）に示すように管状ウェブＷの各折り
曲げ線１３に対応させてあるので、多少のウェブ内部圧
力が変化しても、前記溝１１ａが各折り曲げ線１３に沿
って、その内部流体圧力に方向性を持たせ、また、その
部分に乱流を発生させ、その力を利用することによって
ウェブＷを成形し易くすることができる。図４に示すよ
うに、一対の封止ジョー１０、１０が管状ウェブＷの両
側から横断状に挟みつけてウェブを帯状にシールし、か
つシール幅の中間部を切断する。このとき、左右一対の
封止ジョー１０、１０にそれぞれ一体的に設けられてい
る成形フラップ１２が管状ウェブＷを、その両側から挟
みつける。成形フラップ１２の断面形状は図４（ｂ）に
示す図４（ａ）のＡ−Ａ線断面矢視図に示すような形状
をしているので、成形フラップ１２が管状ウェブＷを、
その両側から挟みつけると、図４（ｃ）の側面図または
図４（ｄ）のＡ−Ａ線断面矢視図に示すように、管状ウ
ェブＷは断面矩形に変形しようとする。このとき、充填
パイプ８の先端部に設けられた圧力蓋１１が内容物に作
用して、一対の封止ジョー１０、１０で封止されたウェ
ブＷの端部と圧力蓋１１で囲まれたウェブＷ内の内容物
（ロ）には封止ジョー１０および後述の成形フラップ１
２（図４参照）の挟持により圧力蓋１１より上側の管状
ウェブＷの内容物（イ）に比べて高い内部圧力が発生す
る。この内容物（ロ）の内部圧力が成形フラップ１２に
よるウェブ外部からの圧力に対抗することで最終的に管
状ウェブＷを枕状体Ｃの形状にすることができる。この
とき、圧力蓋１１の溝１１ａは図２（ｂ）に示すように
管状ウェブＷの各折り曲げ線１３に対応させてあるの
で、前記溝１１ａが各折り曲げ線１３に沿って、その内
部圧力に方向性を持たせることができるので、管状ウェ
ブＷの枕状体Ｃへの成形性が従来の圧力蓋１１の内部に
穴を設ける場合に比較して良くなる。また、多少のウェ
ブ内部圧力が変化しても、前記溝１１ａが各折り曲げ線
１３に沿って、その内部圧力に方向性を持たせることが
できるので、管状ウェブＷの枕状体Ｃへの成形性に影響
を与えない。また、図示していないが、圧力蓋１１の半
径寸法は制約される範囲内でできるだけ大きくしておい
て、その代わりにフランジ面に少なくとも一ケ所貫通穴
を開けておくことで圧力のバランスを保てるようにして
も良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明になる一実施例のチューブ成形装置の
斜視図である。

【図２】 図１の実施例のチューブ成形装置の充填パイ
プの先端部に設けられる圧力蓋の平面図（図２（ａ））
と管状ウェブ内に配置された圧力蓋の関係を示す図（図
２（ｂ））である。

【図３】 図１の実施例のチューブ成形装置において枕
状体の成形時の圧力蓋および管状ウェブにかかる内部圧
力などを図示したものである。

【図４】 図１の実施例のチューブ成形装置において、
管状ウェブから枕状体への成形時の成形機の作用の態様
とウェブ内部における圧力蓋により発生する内部圧力の
様子を示す図である。

【図５】 従来技術のチューブ成形装置において枕状体
の成形時の圧力蓋および管状ウェブにかかる内部圧力な
どを図示したものである。

【図６】 管状ウェブの断面形状（折り目線は拡大して
図示）（図６（ａ））と枕状体ウェブの断面形状（折り
目線は拡大して図示）（図６（ｄ））および従来技術の
チューブ成形装置の圧力蓋の平面図（図６（ｂ））と管
状ウェブ内に配置された圧力蓋の関係を示す図（図６
（ｃ））である。

【符号の説明】

１ ガイドローラ ２ ベンデング
ローラ ４ 上段成形ローラ ５ 中段成形ロ
ーラ ６ 下段成形ローラ ７ 縦シールヒ
ータノズル ８ 充填パイプ １０ 封止ジョ
ー １１ 圧力蓋 １１ａ 圧力蓋
の溝 １２ 成形フラップ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状ウェブから管状ウェブを成形し、該
   管状ウェブ内に内容物を充填パイプから充填するチュー
   ブ成形装置において、 充填パイプの先端部に管状ウェブの長手方向に直交する
   方向の断面形状とほぼ同一形状の平面部を有する圧力蓋
   を設け、該圧力蓋の外周側面に管状ウェブの長手方向に
   伸びる溝を複数個設け、該溝を管状ウェブに予め設けら
   れた折り曲げ線に対応させたことを特徴とするチューブ
   成形装置。
2. 【請求項２】 圧力蓋の平面部には一以上の貫通穴を設
   けることを特徴とする請求項１記載のチューブ成形装
   置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載のチューブ成形装
   置を備えたことを特徴とする包装容器製造機械。