JPH10166504A - フッ素ゴムと金属との一体成形品の製造方法 - Google Patents

フッ素ゴムと金属との一体成形品の製造方法

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JPH10166504A
JPH10166504A JP8332035A JP33203596A JPH10166504A JP H10166504 A JPH10166504 A JP H10166504A JP 8332035 A JP8332035 A JP 8332035A JP 33203596 A JP33203596 A JP 33203596A JP H10166504 A JPH10166504 A JP H10166504A
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fluororubber
molding
metal
oxide
composition
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JP8332035A
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Inventor
Yasuhisa Osawa
康久 大沢
Masaaki Matsumura
正章 松村
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コスト高、金属面への異物等の付着による接
着不良、品質管理の困難さ、耐熱温度の低さ、分解しや
すいことなど多くの欠点を有しているプライマー;耐熱
温度が低く、硬化時間が長いため寸法精度に問題がある
などの欠点を有しているエポキシ接着剤などを用いるこ
となく、フッ素ゴムと金属との一体成形ができること。 【解決方法】 フッ素ゴム100 重量部及び金属酸化物5
〜500 重量部、架橋剤0.5 〜10重量部からなるフッ素ゴ
ム組成物を金属と一体成形する際、加熱架橋、成形温度
では接着せず、加熱架橋、成形後にこれを超える温度で
加熱処理することによりフッ素ゴムと金属とを接着させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属への接着性を有
するフッ素ゴム組成物を用いたフッ素ゴムと金属との一
体成形品の製造方法に関するものであり、その成形品は
具体的には防振ゴム、ガスケット、バルブ部品、ダイヤ
フラム、シール部品、衝撃吸収性ゴム部品、種々の耐薬
品保護部品などのフッ素ゴムと金属との一体成形品とし
て有用なものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素ゴムは耐熱性、耐薬品性、機械的
強度などに優れたエラストマーとして自動車及び機械産
業を中心に広い分野で工業的に使用されている。しかし
フッ素ゴムそのものには接着性が無いためこれを金属に
接着する際にはフッ素ゴム用プライマーを金属面に塗布
して一体成形するのがこれまでの一般的方法であり、こ
の際安定な接着性を得るために、プライマーの選定およ
び金属の前処理、プライマーの塗布などの工程が必要
で、このように工程が多岐にわたるので、フッ素ゴムそ
のものが高価であるのに加え、各工程にかかるコストを
合計するとかなりのコスト高になる。さらに工程が長く
なるため、油、離型剤、ごみ、異物などが金属接着面に
付着して接着不良となることがあったり、また大部分の
プライマーが湿度に敏感なため、梅雨時などには接着性
が不安定になるなどの品質管理上の問題点も多く抱えて
いる。
【0003】またフッ素ゴム用プライマーの主成分はア
ミノシランであることが多いため、塗布後のプライマー
層はシラン系化合物の欠点をそのまま有している。即ち
シラン系化合物の耐熱温度は一般的には 250℃以下であ
るが、上記フッ素ゴムと金属との一体成形品をとくに耐
熱性が要求される部分に使用した場合、短時間で 250℃
以上の温度になることがあり、このような場合には、プ
ライマーが劣化して徐々に接着力が低下する。また上記
成形品をスチーム、アルカリ溶剤などと共存させる用途
においては、プライマーが分解して、接着性が失われゴ
ムが金属から剥離し易くなる。
【0004】他の接着方法としてフッ素ゴム成形品をエ
ポキシ接着剤により金属に接着させる方法もあるが、エ
ポキシ接着剤の耐熱性はせいぜい 160℃くらいであるた
め、これ以上の耐熱性を必要とする用途には全く使用で
きず、またエポキシ接着剤の硬化時間が比較的長いた
め、硬化中にゴムと金属との位置ずれが発生して、寸法
精度に問題を起こすことがあった。またフッ素ゴム成形
品の製造時に用いられる離型剤により接着不良を起こす
などの問題点を抱えており、このエポキシ接着剤が工業
的に使用されている例は少ない。またフッ素ゴムに上記
のプライマーの接着成分であるアミノシランやエポキシ
接着剤を配合して混練りする方法も提案されているがこ
れを採用すると、接着剤成分や接着剤がフッ素ゴムと反
応してフッ素ゴム組成物自体に接着性を付与することが
できないし、フッ素ゴムと容易に反応するのでフッ素ゴ
ム組成物の保存安定性にも問題があり、この方法も実用
的ではない。
【0005】フッ素ゴムとしてプロピレン−4フッ化エ
チレン共重合体を用い、これとパーオキサイド系架橋剤
の配合物に特定の接着剤を添加することにより接着性を
付与する方法が提案されている(特開昭52-141843 号公
報参照)。しかしこの方法はフッ素ゴムの種類及び架橋
剤が限定されており、フッ素ゴムとして最も広く用いら
れているフッ化ビニリデン系ゴムのポリオール、アミン
架橋系に関して接着性を付与させる方法は提示されてお
らず、また下記に述べるように成形時に発生する問題点
に対する配慮がなされていない。
【0006】成形時の問題点として、フッ素ゴム組成物
に接着性を付与することに仮に成功したとしても、フッ
素ゴムを金属に接着させる成形方法はほとんどが金型を
用いる一体成形法であり、成形品の金型からの離型が困
難となっている。フッ素ゴムはそもそも離型性に劣るゴ
ムであるため、離型性を向上させる方法の検討が多くな
されてきたが、フッ素ゴム組成物に接着性を付与させる
と当然ながら金型からの離型性がさらに悪化し、成形後
の金型からの取出しが不可能となる。接着性を付与しよ
うとする場合、これと相反する特性である金型離型性を
も考慮しなければ、その方法の工業的利用は不可能であ
る。通常のフッ素ゴムの成形には、作業性を向上させる
目的で離型剤を使用するが、これを多量に使用すると成
形品表面に離型剤の流れ模様が現れたり、金型の汚れが
ひどくなる。このような場合は成形作業を中断して、改
めて金型洗浄を行わなければならなくなる。従ってその
使用量はなるべく少量にするのが望ましい。また自己接
着性組成物の成形の場合は金型からの取出しを容易にす
るため大量の離型剤を使用しなければならないので、上
記の理由から工業的に連続製造工程を採用するのは極め
て困難である。従って従来よりフッ素ゴムと金属との接
着に関しては、フッ素ゴムそのものに接着性を付与する
方法、即ちフッ素ゴム組成物に接着剤を添加する方法は
少なくプライマーを用いた接着方法が一般的となってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の課題を
簡単にまとめる。プライマーを使用する場合は工程が多
いことによるコスト高、工程の多さに起因する金属面へ
の異物等の付着による接着不良、プライマーの品質管理
の困難さ、プライマーの大部分を占めるアミノシランが
耐熱温度が低いこと、分解しやすいことなどの欠点を多
く有していることなどが課題である。エポキシ接着剤を
用いる場合は耐熱温度が低いこと、硬化時間が長いため
寸法精度に問題があること、この場合は離型剤を必要と
するがこれにより接着不良を起こすことなどの問題があ
る。またフッ素ゴムとこれらアミノシランやエポキシ接
着剤とを混合・混練りする方法は、これらが互いに反応
してしまうので、ゴム組成物の保存安定性に問題があっ
た。またプロピレン−4フッ化エチレン共重合体とパー
オキサイド系架橋剤との配合物に特定の接着剤を添加し
て接着性を付与する方法もあるが、この場合はゴム、架
橋剤が特定のものに限定されているので一般的ではな
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこれら従来の問
題点を解決するもので、架橋可能なフッ素ゴム組成物に
金属酸化物を配合することにより、加熱架橋成形直後の
接着性は強くなく、加熱架橋成形後の、架橋温度を超え
る温度による加熱処理により金属と強固に接着させるこ
とのできるフッ素ゴムと金属との一体成形品の製造方法
に関するものである。即ちフッ素ゴム 100重量部及び金
属酸化物5〜 500重量部、架橋剤0.5 〜10重量部からな
るフッ素ゴム組成物を金属と一体成形する際、加熱架
橋、成形温度では接着せず、加熱架橋、成形後にこれを
超える温度で加熱処理することによりフッ素ゴムと金属
とを接着させることを特徴とするフッ素ゴムと金属との
一体成形品の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる接着可能なフ
ッ素ゴム組成物の成分はフッ素ゴム、金属酸化物及び架
橋剤である。本発明に用いられるフッ素ゴムは高度にフ
ッ素化された弾性共重合体で、これにはビニリデンフル
オライド、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエ
チレン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレ
ン、ビニルフルオライド、パーフルオロ(メチルビニル
エーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)
などの1種または2種以上の弾性共重合体が例示される
が、これらの中ではビニリデンフルオライド−ヘキサフ
ルオロプロペン二元弾性共重合体、ビニリデンフルオラ
イド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペ
ン三元弾性重合体が好ましい。
【0010】本発明における金属酸化物は組成物の成形
品の金属への接着性を付与するための重要成分であり、
具体的には酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸
化カドミウム、酸化錫、酸化クロム、酸化マンガン、酸
化銅、酸化ニッケル、酸化インジウム、酸化銀、酸化ク
ロム、酸化コバルトや受酸剤として使用し得る酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛、酸化
バリウムなどであり、好ましいものは酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化亜鉛であり、特に酸化チタン、酸化
アルミニウムが好ましい。これらを2種類以上併用して
も差し支えなく、その合計の添加量は5重量部未満だと
接着性付与効果が少なくなり、500 重量部を超えると混
練り作業が困難である上、ゴム弾性が失われたり発泡し
やすくなるなどの弊害が多くなるので、好ましい添加量
はフッ素ゴム 100重量部に対して5〜 500重量部であ
り、さらに好ましくは10〜 300重量部である。ただし後
述する通常受酸剤として用いられる金属酸化物のみを用
いる場合は30〜500 重量部が好ましい。
【0011】本発明における架橋剤としてはアミン系架
橋剤、ポリオール系架橋剤、パーオキサイド系架橋剤が
例示される。アミン架橋系架橋剤は少なくともジアミン
以上のアミンが用いられ、さらにこれをアミンの反応性
を調整するためカルバメイト化合物やシェフ塩基化合物
に誘導させたものも含まれ、具体的にはヘキサメチレン
ジアミンカルバメイト、N,N’−ジシンナミリデン−
1,6−ヘキサメチレンジアミンなどが好適で、その添
加量はフッ素ゴム 100重量部に対して0.5 〜10重量部、
好ましくは2〜5重量部である。アミン架橋系では受酸
剤を用いることが好ましく受酸剤としては金属酸化物が
一般的であり、上記の金属酸化物で受酸効果のあるもの
を使用する場合は特に受酸剤として添加する必要はな
く、受酸効果を有する金属酸化物としては酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等が好ましく、その添
加量はフッ素ゴム 100重量部に対して1〜30重量部、好
ましくは2〜20重量部である。
【0012】ポリオール架橋系架橋剤としては1分子中
に少なくとも2つ以上の水酸基を有するヒドロキシ芳香
族化合物及び含フッ素脂肪族化合物が好適で、特に好ま
しいものとしてはビスフェノールA、ビスフェノール
B、ビスフェノールAF、ヒドロキノン等が挙げられ、
その添加量はフッ素ゴム 100重量部に対して 0.5〜10重
量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0013】ポリオール架橋系では触媒及び受酸剤を用
いることが好ましい。ポリオール架橋系における触媒と
してはオニウム塩またはイミニウム塩が使用可能で、好
ましいものはベンジルトリフェニルホスホニウムクロラ
イドおよびブロマイド、ビスベンジルフェニルホスフィ
ンイミニウムクロライドであり、その添加量はフッ素ゴ
ム 100重量部に対して 0.1〜5重量部、好ましくは 0.2
〜3重量部である。また、受酸剤としてはアミン架橋系
の場合と同様である。
【0014】パーオキサイド架橋系架橋剤としては1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサ
イド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンなどが好ましく、その配合量
はフッ素ゴム 100重量部に対して 0.5〜10重量部、好ま
しくは1〜3重量部である。パーオキサイド架橋系では
架橋助剤を用いることが好ましく、架橋助剤としては多
アリル化合物が一般的であり具体例としてはトリアリル
シアヌネート、トリアリルイソシアヌネートなどであ
り、フッ素ゴム 100重量部に対して 0.5〜5重量部、好
ましくは1〜3重量部である。
【0015】本発明におけるフッ素ゴム組成物には、公
知の充填剤、着色剤、可塑剤、滑剤、加工助剤などを添
加することは任意である。充填剤としてはカーボンブラ
ック、シリカ、クレイ、炭酸カルシウム、ポリテトラフ
ルオロエチレン粉末などが例示されるが、補強性の点か
らカーボンブラック及びシリカが好適であり、補強性と
分散性を向上させる目的でシラン系やチタネート系の表
面処理剤でこれらを処理したものを用いても良い。また
その他の添加剤に関しては接着性に悪影響を与えない物
であれば任意に配合することができる。
【0016】各成分の混練りはこれらを完全に分散させ
ることが望ましいので従来から使用されているゴム用2
本ロール、ニーダ、加圧ニーダ、バンバリーミキサーな
どを用いて各配合法に応じた作業を行えば良い。
【0017】本発明においてフッ素ゴムに接着させる金
属はフッ素ゴムの加熱架橋成形後に接着を強固にする目
的で加熱架橋温度を超える温度で加熱処理を行うので、
耐熱性を有する金属が好ましく、ステンレス、アルミニ
ウム、鉄、ニッケルなどが接着可能で、さらに耐熱性樹
脂やセラミックの表面にこれら金属をメッキや蒸着によ
り膜形成したものであっても差し支えない。これらの金
属は表面に付着物がないことが好ましいので、アセト
ン、酢酸エチル、メタノール、トルエン、トリクロロエ
タン、フロン系化合物などの溶剤で予め洗浄することに
より接着性をより安定化することができる。
【0018】本発明における成形装置は従来より使用さ
れているゴム用加工機が使用可能で、ゴム用プレスによ
る金型成形が望ましいが、カレンダーや押出しの一体成
形でHAVやスチーム架橋による成形法なども使用可能
であり、プライマー塗布装置などの特殊な装置の使用を
省いて加工することができる。本発明における金型成形
においては、金型からの取り出しを容易にするため離型
剤を用いてもよいが、多量に使用すると離型剤がゴム材
料の流れとともに接着界面に付着して接着力を低下させ
ることがあるので、少量の使用が望ましい。本発明にお
けるフッ素ゴム組成物は金型での加熱架橋成形時には金
型にそれほど強く接着していないため、金型からの離
型、取り出しは容易であるが、金型表面にニッケル−テ
フロンメッキなど施せば離型が更に容易になる。
【0019】従来の方法においてプライマーを使用する
場合は、成形後にプライマーが流れることがあって、バ
リ取りや仕上げなどの後加工が困難となるが、本発明に
おける組成物を用いた成形では、金型成形直後には成形
品と金型とはさほど強く接着していないため、成形後に
不要なバリ取りや仕上げなどの後加工を容易に行うこと
ができる。
【0020】本発明において接着力を強固にするための
加熱処理温度は加熱架橋成形温度以下では効果がないた
め、加熱架橋成形温度を超える温度で処理することが重
要であり、従ってフッ素ゴムの物性を安定させるための
ポストキュアーを兼ねることができる。通常のフッ素ゴ
ム成形温度は 150〜 180℃であるから、この温度を超え
る温度であれば接着性は付与されるが、加熱架橋成形後
の接着を安定にするためには 200℃以上で4時間以上、
特に200 〜300 ℃で10〜50時間の加熱処理が好ましく、
これより温度が低くなったり処理時間が短くなったりす
ると加熱架橋成形後の接着が不安定になる。最適条件は
230℃24時間である。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。 (配合材料)実施例で使用した配合材料は下記のとおり
である。 ・アミン架橋系フッ素ゴム(住友スリーエム社製商品
名、FC2145) ・ポリオール架橋系フッ素ゴム(住友スリーエム社製商
品名、FC3009) ・パーオキサイド架橋系フッ素ゴム(ダイキン社製商品
名、G801) ・アミン架橋剤(ダイキン社製商品名、V−3) ・酸化マグネシウム(協和化学社製商品名、キョーマグ
#30) ・酸化マグネシウム(協和化学社製商品名、キョーマグ
#150) ・ポリオール架橋剤 ビスフェノールA ・水酸化カルシウム(近江化学工業社製商品名、カルデ
ィック#2000) ・MTカーボンブラック(ハーバー社製商品名、MTカ
ーボン) ・パーオキサイド架橋剤(信越化学工業社製商品名、C
−8A) ・パーオキサイド架橋助剤(日本化成社製商品名、タイ
ク) ・酸化チタン(日本アエロジル社製商品名、P25) ・酸化アルミニウム(昭和電工社製商品名、AL−2
4) ・酸化亜鉛(三井金属鉱業社製商品名、亜鉛華1号)
【0022】(評価方法) ・物性試験はJISゴム試験法K6301に準じて行っ
た。 ・接着性試験はステンレス(SUS304)及びアルミ
ニウムテストピースをアセトン中に1時間浸漬して脱脂
をおこなったものについて、下記成形条件で一体成形を
行ったサンプルを 180。ピール試験により引き剥がし
て、接着力を測定し、金属面のゴム付着量を観察し破壊
状態を確認した。 (加熱成形条件) ・加熱架橋成形条件: 170℃,15分; ・加熱架橋成形後の加熱処理条件:230 ℃,24時間 (接着状態評価の基準)以下の基準で評価した。 ◎…完全な凝集破壊であり、ゴムを金属から剥離させた
後、金属全面にゴムが付着している状態。 ○…接着力は強いが部分的に凝集破壊状態であり、凝集
破壊部分が50%以上の状態。 △…強密着状態であり、凝集破壊部分が50%未満の状
態。 ×…密着程度で凝集破壊部分がないか、または全く接着
していない状態。
【0023】(実施例1〜8及び比較例1〜2)ポリオ
ール、アミン及びパーオキサイドの各架橋系フッ素ゴム
組成物に接着性を付与させるために金属酸化物として酸
化チタンまたは酸化アルミニウムを添加した表1〜3に
示す様な配合のものを実施例とし、また受酸剤として酸
化マグネシウムを使用する以外は、金属酸化物を添加し
ないものを比較例としてその配合を同様に表1〜3に示
した。またこれらゴム組成物から得られた成形品の物性
とアルミニウム及びステンレスへの接着性を測定して表
4〜5に示した。その結果金型成形作業性は実施例と比
較例では大差なく、離型性も通常のゴム成形で用いられ
る金型離型剤(FC5158、住友スリーエム社製)の
使用により容易に取出しが可能であった。実施例では加
熱架橋成形直後の金属との接着性は強密着程度であった
ため、この時点でのバリ取り作業は十分可能であった
が、加熱架橋成形後の加熱処理終了時には強力な接着と
なり、ピール試験の結果では、凝集破壊が確認された。
なお表の配合比率は全て重量部である。
【0024】(実施例9)酸化チタン20部の代わりに酸
化亜鉛を20部とした以外は実施例1と同様な配合で、実
施例1、2に準じた加工条件でサンプルを作製したとこ
ろ実施例1、2と同様に比較例1に比べて強力な接着性
を有するフッ素ゴムとなり金型成形作業性にも何等問題
がなかった。 (比較例3)酸化チタンの添加量を2重量部とした以外
は実施例1と同様な配合で、実施例と同様な加工条件で
サンプルを作製したところ加熱架橋成形後の加熱処理終
了時の接着性は相当低くなり強密着程度の接着であっ
た。 (比較例4)酸化アルミニウムの添加量を20重量部から
1000重量部にした以外は実施例2の配合で混練りを行っ
たが、ロールに巻き付かず混練りが不可能になり作業が
継続できなくなった。
【0025】(比較例5)接着性付与のための金属酸化
物の代わりにフッ素ゴム成形品の金属への接着が可能で
あるエポキシ接着剤(日立化成ポリマー社商品名、ハイ
ボン3590)を5重量部添加した以外は実施例3と同
じ配合で加熱架橋成形した。エポキシ系接着剤は耐熱温
度が低いため加熱架橋成形後の 230℃の加熱処理は行わ
なかった。それ以外は実施例と同様な成形条件で実施し
たが、接着性を有する一体成形品とはならなかった。 (比較例6)接着性付与のための金属酸化物の代わりに
フッ素ゴム用プライマーの接着成分であるアミノエトキ
シシラン(信越化学工業商品名、KBE903)を10重
量部添加した以外は実施例4と同じ配合で組成物とし、
この組成物の混練りを行ったが、この際プライマーとフ
ッ素ゴムが反応してしまい、フッ素ゴムの一体成形品は
得られなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【発明の効果】本発明により以下の効果が得られる。 ・プライマーを用いること無く金属との一体成形が可能
である。 ・アミン、ポリオール、パーオキサイドのいずれの架橋
系でも自己接着性となる。 ・加熱架橋成形では接着性が低く、その後の加熱処理に
より強力に接着するから、金型に特別な処理をしなくて
も離型可能であり、且つ金属に付着したバリの除去が容
易である。 ・金属酸化物が安価なので成形品は低コストとなる。 ・耐熱、耐薬品性等は通常のフッ素ゴムと同等である。 ・組成が簡単であるため混練り作業が容易で工程が簡略
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29C 65/02 B29C 65/02 B29K 27:12 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴム 100重量部及び金属酸化物5
    〜 500重量部、架橋剤0.5 〜10重量部からなるフッ素ゴ
    ム組成物を金属と一体成形する際、加熱架橋、成形温度
    では接着せず加熱架橋、成形後にこれを超える温度で加
    熱処理することによりフッ素ゴムと金属とを接着させる
    ことを特徴とするフッ素ゴムと金属との一体成形品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 金属酸化物が酸化チタン、酸化アルミニ
    ウムであることを特徴とする請求項1記載のフッ素ゴム
    と金属との一体成形品の製造方法。
JP8332035A 1996-12-12 1996-12-12 フッ素ゴムと金属との一体成形品の製造方法 Pending JPH10166504A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003526713A (ja) * 2000-01-27 2003-09-09 カール・フロイデンベルク・カーゲー 水性エラストマーコーティング組成物及びこの組成物でコーティングされた物体
JP2019081191A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003526713A (ja) * 2000-01-27 2003-09-09 カール・フロイデンベルク・カーゲー 水性エラストマーコーティング組成物及びこの組成物でコーティングされた物体
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