JPH10166486A - 繊維強化樹脂成形品及びその製法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形品及びその製法

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JPH10166486A
JPH10166486A JP33006096A JP33006096A JPH10166486A JP H10166486 A JPH10166486 A JP H10166486A JP 33006096 A JP33006096 A JP 33006096A JP 33006096 A JP33006096 A JP 33006096A JP H10166486 A JPH10166486 A JP H10166486A
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fiber
layer
molded product
reinforced resin
layer material
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JP33006096A
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Hiroshi Sato
宏 佐藤
Kimito Tanaka
公人 田中
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Yamaha Living Tech Co Ltd
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Yamaha Living Tech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、耐衝撃性に優れるとともに、軽量化と
製造コスト低減を達成でき、しかも、高質感である繊維
強化樹脂成形品及びその製法を提供すること。 【解決手段】 強化繊維の繊維長が表面側よりも裏面側
において長いことを特徴とする繊維強化樹脂成形品であ
る。好ましくは、繊維強化樹脂成形品の表面側の層2は
強化繊維を含まない層若しくは繊維長2〜6.5mmの
強化繊維を含む層であり、前記表面側の層2の片面に繊
維長10〜30mmの強化繊維を含む層3が積層されて
いるものである。本発明の繊維強化樹脂成形品は圧縮成
形によって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス繊維等の強化
繊維で強化された熱硬化性樹脂の成形品である繊維強化
樹脂成形品及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浴槽、防水パン、壁パネルなどに
用いられる繊維強化樹脂成形品(以下、成形品と言うこ
とがある)は、例えば、シートモールディングコンパウ
ンド(以下SMCと略記する)を圧縮成形することによ
り製造されていた。SMCとは、不飽和ポリエステル樹
脂等の熱硬化性樹脂に開始剤、充填材などを混合したペ
ースト状の混合物を強化繊維に含浸し、両面をフィルム
で覆ってシート状とし、これを所定の温度に一定時間放
置し、化学反応によって増粘させ、粘着性のないシート
状物としたものである。そして従来は、強化繊維とし
て、例えば、6.5mm以下の長さに切断したガラス短
繊維或いは10〜30mmの長さに切断したガラス長繊
維が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ガラス短繊維を用
いた圧縮成形品は、表面光沢、表面平滑性、透明性、加
飾性等に優れるものの、耐衝撃性等の強度に劣り、ま
た、成形品の軽量化を図り難いといった欠点があった。
更に、成形品の製造コストも高いといった欠点があっ
た。一方、前記のガラス長繊維を用いた圧縮成形品は、
耐衝撃性等の強度に優れ、また、成形品の軽量化が図り
易く、製造コストが低いといった点では有利であった。
しかしながら、成形品の表面光沢、表面平滑性、透明
性、加飾性等に劣るという欠点があった。
【0004】従って、本発明は、耐衝撃性等の強度、表
面平滑性などに優れるとともに、軽量化と製造コスト低
減を達成でき、しかも、高質感の外観を有する繊維強化
樹脂成形品及びその製法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化樹脂成
形品は、熱硬化性樹脂と強化繊維とを含み、強化繊維の
繊維長が表面側よりも裏面側において長いことを特徴と
する。
【0006】また、繊維強化樹脂成形品は、好ましく
は、熱硬化性樹脂と繊維長2〜6.5mmの強化繊維と
を含む層の片面側に、熱硬化性樹脂と繊維長10〜30
mmの強化繊維とを含む層が形成されていることを特徴
とする。
【0007】また、繊維強化樹脂成形品は、好ましく
は、熱硬化性樹脂を含み強化繊維を実質的に含まない層
の片面側に、熱硬化性樹脂と繊維長10〜30mmの強
化繊維とを含む層が形成されていることを特徴とする。
【0008】本発明の繊維強化樹脂成形品の製法は、熱
硬化性樹脂を含み強化繊維を実質的に含まない成形材料
又は熱硬化性樹脂と繊維長2〜6.5mmの強化繊維と
を含む成形材料と、熱硬化性樹脂と繊維長10〜30m
mの強化繊維とを含む成形材料とを、成形型内に配し、
圧縮成形することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に理解しやすく
するため、実施の形態について説明する。かかる実施の
形態例は、本発明の一態様を示すものであり、この発明
を限定するものではない。本発明の範囲で任意に変更可
能である。本発明の繊維強化樹脂成形品は、熱硬化性樹
脂と強化繊維とから少なくとも構成されている繊維強化
樹脂成形品であって、前記強化繊維の繊維長が、前記成
形品の表面側よりも裏面側において長いことを特徴とす
る繊維強化樹脂成形品である。表面とは、繊維強化樹脂
成形品の製品としての使用面を意味する。
【0010】図1は、本発明の繊維強化樹脂成形品の一
実施形態例を示す断面図である。表面側よりも裏面側に
おいて強化繊維の繊維長を長くした繊維強化樹脂成形品
の形態として、例えば、次が挙げられる。好ましい第1
の例は、熱硬化性樹脂と繊維長2〜6.5mmの強化繊
維とを少なくとも含む層が表面側の層2として形成さ
れ、該表面側の層2の裏面側に、熱硬化性樹脂と繊維長
10〜30mmの強化繊維とを少なくとも含む層が裏面
側の層3として形成されている繊維強化樹脂成形品であ
る。好ましい他の例は、熱硬化性樹脂を少なくとも含み
強化繊維を実質的に含まない層が表面側の層2として形
成され、該表面側の層2の裏面側に、熱硬化性樹脂と繊
維長10〜30mmの強化繊維とを少なくとも含む層が
裏面側の層3として形成されている繊維強化樹脂成形品
である。裏面側の層3は、表面側の層2の裏面に直接積
層されていることが好ましい。また、強化繊維を実質的
に含まないとは、強化繊維の含有量が1重量%未満であ
ることを意味する。なお、図1には、表面側の層2、裏
面側の層3の各々の層は単一の層として示されている
が、表面側の層2、裏面側の層3の各々は2以上の層か
ら構成されてもよい。
【0011】前記の強化繊維は、熱硬化性樹脂を強化
(補強)するための繊維状の材料であって、その例はガ
ラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、アラミッド繊維
等の有機繊維である。なかでも、ガラス繊維を強化繊維
として用いると、耐衝撃強度、耐薬品性、耐久性等に優
れた成形品を得ることができる。
【0012】表面側の層2に強化繊維を含有させる場合
は、繊維長2〜6.5mmの強化繊維を用いることが好
ましい。そして、表面側の層2中の強化繊維の含有量は
0〜20重量%、好ましくは、1〜10重量%である。
含有量が少ないと、衝撃強度が改良されない、或いは、
成形時のクラック発生の原因となる。繊維長が2〜6.
5mmと短いので、成形品の表面の平滑性、光沢等は低
下し難いが、20重量%を超えると表面の平滑性、光沢
が低下し易い。
【0013】裏面側の層3には、繊維長10〜30mm
の強化繊維を含有させる。繊維長が10mm未満である
と強度、剛性、成形時のクラック等が改良され難いし、
30mmを超えると、表面側の層2の表面平滑性、成形
時の流動性、リブ部等への充填性等が低下し易い。そし
て、裏面側の層3中の強化繊維の含有率は15〜40重
量%、好ましくは、15〜30重量%である。このよう
に繊維長が長く含有量が高いと、裏面側の層3の厚みが
薄い場合でも成形品は耐衝撃性等の強度に優れる。
【0014】繊維長10〜30mmの強化繊維を含む層
3の厚みt1は、成形品の全厚み(トータル厚み)tの
10〜90%の厚みとすることが好ましい。繊維長10
〜30mmの強化繊維を含む層3の厚みが90%を超え
ると、表面側の層2を均一な層とすることが困難であ
る。10%未満であると、圧縮成形時に成形品にクラッ
クが生じ易いとともに耐衝撃性等が改良され難い。
【0015】前記の熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエ
ステル樹脂、或いは、エポキシアクリレート(ビニルエ
ステル樹脂)、ウレタンアクリレート樹脂等のアクリレ
ート樹脂(アクリル樹脂)等の熱硬化性の樹脂が挙げら
れる。不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等は容易
に熱硬化し、また、耐薬品性、耐久性に優れた成形品を
与えるので、熱硬化性樹脂として好ましい。熱硬化性樹
脂は開始剤(硬化剤)を用いて、通常、硬化される。熱
硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化促進剤、低収縮
剤、離型剤、紫外線吸収剤、増粘剤、染顔料、無機充填
剤、粒状加飾剤等の添加剤が添加される。粒状加飾剤の
例は、着色マイカ、透明マイカ、着色アルミフレーク、
ガラスフレーク等の無機系フレーク状物、着色樹脂フィ
ルム若しくは着色繊維の切断品等のリン片状加飾材料又
は天然石若しくは着色樹脂などの粉砕品である。無機充
填剤(フィラー)は、表面側の層2、裏面側の層3の各
層中に30重量%以上含ませることが好ましい。
【0016】不飽和ポリエステル樹脂として公知のもの
を用いることができる。不飽和ポリエステル樹脂とは、
例えば、エチレングリコール等のポリオールと、無水マ
レイン酸、フマール酸等の不飽和ポリカルボン酸と、ア
ジピン酸、オルソフタル酸等の飽和ポリカルボン酸とを
共縮合して得られた樹脂液に、スチレン、メチルメタク
リレート等のエチレン性二重結合を有するモノマーを添
加したものである。
【0017】不飽和ポリエステル樹脂等に添加される添
加剤として公知のものを用いることができ、例えば、開
始剤としてはTMPO、TMPBが、硬化促進剤として
はナフテン酸コバルト(6%液)が、低収縮剤としては
ポリスチレン、酢酸ビニル樹脂、メタクリル樹脂、飽和
ポリエステルが、内部離型剤としてはステアリン酸亜鉛
が、増粘剤としては酸化マグネシウムが、無機充填剤と
しては水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ガラス、
シリカ等であって粒径が数μ〜数十μの微粉体が、挙げ
られる。
【0018】本発明の繊維強化樹脂成形品は、熱硬化性
樹脂を含み、強化繊維を実質的に含まない成形材料或い
は熱硬化性樹脂と2〜6.5mmの繊維長の強化繊維と
を少なくとも含む成形材料(以下、表面層材ということ
がある)と、熱硬化性樹脂と10〜30mmの繊維長の
強化繊維とを少なくとも含む成形材料(以下、裏面層材
ということがある)とを成形型内に重ねて配し、或いは
表面層材と裏面層材とを予め積層したシート状物を成形
型に供給して成形型内に配し、これら成形材料を圧縮成
形して熱硬化性樹脂を硬化させることにより製造でき
る。表面層材により、成形品の表面側の層2を形成さ
せ、裏面層材により裏面側の層3を形成させる。ガラス
繊維を含む表面層材、裏面層材は、例えば、、強化繊維
と熱硬化性樹脂液、開始材、無機充填剤等とを混合して
ペースト状混合物とし、次いで、該混合物を強化繊維に
含浸或いは強化繊維と混合することによりシート状或い
はバルク状の成形材料として得ることができる。
【0019】本発明の繊維強化樹脂成形品は、例えば、
成形型内に前記の裏面層材を置き、該裏面層材の上に前
記の表面層材を重ねて置き、次いで型締めして圧縮成形
することにより裏面層材と表面層材とを熱硬化させて固
化させ接着させ、型内から成形品を取り出すことにより
製造できる。
【0020】本発明に係わる成形品は耐衝撃性等に優
れ、しかも、軽量、高質感であるので、キッチン及び浴
室等のカウンター等として好適に用いることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。以下の試験
例において、%、部は全て重量%、重量部を意味する。 ー試験例1〜5ー 成形品の構成と耐衝撃性等との関係を明らかにするため
に、表2に示すように、試験例1〜5の5種類の成形品
を製造した。そのために、表1に示す配合の表面層材
A、表面層材B、裏面層材Cをまず準備した。
【0022】表面層材Aの作製;繊維長1/8インチの
ガラス繊維を含む組成物である表面層材Aを次のように
して準備した。則ち、表1に示すように、水酸化アルミ
ニウム65%、低収縮剤5%、硬化剤(開始剤)0.3
%、増粘剤0.2%、離型剤1.0%及び着色剤(顔
料)1.5%を、不飽和ポリエステル樹脂液22%と混
合して攪拌することによりペースト状の混合物とし、該
混合物にガラス繊維(1/8インチの長さに切断したも
の)5%を混合することにより作製した。
【0023】表面層材Bの作製;水酸化アルミニウム6
5%の代わりに水酸化アルミニウム70%を用い、ガラ
ス繊維5%を用いなかった以外は、表面層材Aと同じよ
うにして、ガラス繊維を含まない表面層材Bを作製し
た。
【0024】裏面層材Cの作製;表1に示すように、炭
酸カルシウム40%、低収縮剤10%、硬化剤0.3
%、増粘剤0.2%、離型剤1.0%及び着色剤1.5
%を、不飽和ポリエステル樹脂液22%と混合し攪拌す
ることによりペースト状の混合物とし、該混合物をガラ
ス繊維(1インチ長さに切断したガラス繊維)25%に
含浸させて、シート状物とすることにより裏面層材Cを
作製した。
【0025】
【表1】
【0026】前記の表面層材A、表面層材B、裏面層材
Cを用いて、表2に示す試験例1〜5の成形品を圧縮成
形した。そのために、圧縮成形用の平板成形金型を準備
した。平板の圧縮成形条件は表2に示す通りであって、
上型(製品の使用面を成形するための型)の温度は14
0゜C、下型(製品の裏面を成形するための型)の温度
は130゜Cとし、加圧力(圧縮成形圧)は80kg/
cm2とし、加圧時間は成形品の厚み4〜8分とした。
なお、終了の型締め速度(2速)を30mm降下に付き
30秒とし、型締めを行った。その時の真空引きはー5
00mmHgの減圧で行った。また、成形品の裏面側の
層3、表面側の層2の各々の厚み、トータル厚みは、金
型間に置く、裏面層材C、表面層材A、表面層材Bの量
を変えることにより調整した。
【0027】試験例1〜5の成形品は、次のようにして
成形した。 試験例1の成形品;平板成形用金型の下型の上に裏面層
材Cを置き、該裏面層材Cの上に表面層材Aを重ねて置
き、次いで、上型を降下させて型締めし、前記成形条件
で圧縮成形して、裏面層材Cと表面層材Aとを熱硬化さ
せ接着させた。その結果、図1に示すように、裏面側の
層3が表面側の層2の片面に積層されている複層構造の
繊維強化樹脂成形品(トータル厚みは8mm)であっ
て、表面側の層2は不飽和ポリエステル樹脂の硬化物と
繊維長1/8インチのガラス繊維(3.18mmの長さ
に切断した繊維)とを含み、裏面側の層3は不飽和ポリ
エステル樹脂の硬化物と繊維長1インチ(25.4m
m)のガラス繊維とを含み、表面側の層2の厚み分率は
75%(6mm厚み)であり、裏面側の層3の厚み分率
は25%(2mm厚み)である繊維強化樹脂成形品(成
形品)が得られた。
【0028】試験例2の成形品; 金型間に置く、裏面
層材C、表面層材Aの量を半減した以外は、試験例1と
同様にして、複層構造の試験例2の成形品を成形した。
得られた成形品は厚みが4mmであり、表面側の層2の
厚みは3mmで、裏面側の層3の厚みは1mmであった
以外は試験例1と同様な構成であった。
【0029】試験例3の成形品;平板成形用金型の下型
の上に裏面層材Cを配し、該裏面層材Cの上に表面層材
Bを重ねて配し、次いで、上型を降下させて型締めし、
裏面層材Cと表面層材Bとを金型内で圧縮成形して裏面
層材Cと表面層材Bとを熱硬化させ接着させた。その結
果、図1に示すように、表面側の層2の片面に裏面側の
層3が積層されている複層構造の成形品(厚みは5m
m)であって、表面側の層2は不飽和ポリエステル樹脂
の硬化物を含むがガラス繊維を含まない層であり、裏面
側の層3は不飽和ポリエステル樹脂の硬化物と繊維長1
インチのガラス繊維とを含み、表面側の層2の厚み分率
は80%(4mm厚み)であり、裏面側の層3の厚み分
率は20%(1mm厚み)である成形品が得られた。
【0030】試験例4の成形品;下型の上に表面層材A
のみを置き、次いで、圧縮成形することにより得た。そ
の結果、不飽和ポリエステル樹脂の硬化物と繊維長1/
8インチのガラス繊維とを含む単一な層からなる単層構
造の成形品(厚みは4mm)であって、複層構造を有さ
ない成形品が得られた。
【0031】試験例5の成形品;下型の上に表面層材A
のみを置き、次いで、圧縮成形することにより得た。但
し、表面層材Aの量は試験例4の2倍量とした。 その
結果、成形品の厚みが8mmである以外は試験例4と同
じ単層構造の成形品が得られた。
【0032】試験例1〜5の成形品について落球衝撃強
度を測定した。 測定条件;重さ1kgの鋼球を、上型により成形された
面(表面側の層2の表面)上に高さを変えて落下させ、
落球高さと成形品の割れの発生の有無を測定した。成形
品の構成、圧縮成形条件とともに、落球衝撃強度の測定
結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】試験例1と試験例5の成形品の落球衝撃強
度を比較すると、成形品のトータル厚みはともに8mm
であるにもかかわらず、試験例1の成形品の場合は落球
高さ100cmの落球衝撃では割れは発生しなかった
が、試験例5の単層構造の成形品では落球高さ100c
mで割れが発生した。このことは繊維長1インチのガラ
ス繊維を含む裏面層材Cにより形成された層3(厚み2
mmで)が、試験例1の優れた耐衝撃強度に寄与したこ
とを示している。
【0035】試験例2と試験例4の成形品の落球衝撃強
度を比較すると、成形品のトータル厚みはともに4mm
であるにもかかわらず、試験例2の複層構造の成形品の
場合は80cmの落球衝撃では割れは発生しなかった
が、試験例4の単層構造の成形品では40cmで割れが
発生した。則ち、繊維長1インチのガラス繊維を含む裏
面層材Cにより形成された層3(厚み1mmで)は、試
験例2の優れた耐衝撃強度に寄与した。
【0036】試験例2(厚み4mmで重量1.8kg)
と試験例5(厚み8mmで重量3.6kg)の成形品の
落球衝撃強度を比較すると、試験例2と試験例5とは同
程度の落球衝撃強度を有していることが判る。則ち、強
度的には、試験例5の単層構造の成形品に比較して、試
験例2の複層構造の成形品は厚みが半分され軽量化され
た成形品であると言える。このことは、裏面層材Cによ
り形成された厚み1mmの層(1インチ長のガラス繊維
を含む)は、繊維長1/8インチのガラス繊維を含み厚
みが5mmの層に強度的には匹敵することを示してい
る。
【0037】試験例3の成形品(トータル厚みは5mm
で重量は2.25kg)は、試験例5(厚み8mmで重
量は3.6kg)と同程度の落球衝撃強度を有した。と
ころで、試験例3の複層構造の成形品の構成は、ガラス
繊維を含まない厚み4mmの層を表面側の層2とし、該
表面側の層2の裏面に、繊維長1インチのガラス繊維を
含む厚み1mmの層(該層中のガラス繊維の含有率は2
5%)を裏面側の層3として積層した構成である。以上
より、ガラス繊維を含まない層の裏面に、繊維長1イン
チのガラス繊維を含む層を積層すれば、繊維長1/8イ
ンチのガラス繊維を全体にわたって含む単層構造の成形
品(例えば、試験例5の成形品)よりも、成形品の厚み
を薄くでき軽量化できることが判る。
【0038】試験例3の成形品の表面層はガラス繊維を
含まない、ち密な層であったので、試験例5の成形品と
比較して、表面の平滑性に優れ、また外観においても高
質感のものが得られた。なお、ガラス繊維を含まない系
を表面層に使用したものは、補修性(後加工性)に優れ
る。一方、ガラス繊維を含む系を表面層に使用したもの
は、サンディングで最表面部を削り落とすとガラス繊維
が露出するので、表面に光沢を再び持たせることができ
ない。ところで、表面層材A、表面層材B、裏面層材C
のうちでは、裏面層材C(いわゆるSMC)が材料コス
トが最も低く、表面層材Aと表面層材B(ともにBM
C)はほぼ同等である。従って、試験例5と試験例3の
材料コストを比較すると、試験例3は裏面層材Cを用い
ているので、試験例5の場合よりも材料コストを低くす
ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の繊維強化樹
脂成形品は、耐衝撃性等の強度、表面平滑性等に優れる
とともに、軽量化と製造コストの低減を達成でき、しか
も、高質感である。また、本発明の製法によると、前記
の繊維強化樹脂成形品が容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる繊維強化樹脂成形品の模式的
断面図である。
【符号の説明】
1・・繊維強化樹脂成形品(成形品)、2・・表面側の
層、3・・裏面側の層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂と強化繊維とを含み、強化
    繊維の繊維長が表面側よりも裏面側において長いことを
    特徴とする繊維強化樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂と繊維長2〜6.5mmの
    強化繊維とを含む層の片面側に、熱硬化性樹脂と繊維長
    10〜30mmの強化繊維とを含む層が形成されている
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂を含み強化繊維を実質的に
    含まない層の片面側に、熱硬化性樹脂と繊維長10〜3
    0mmの強化繊維とを含む層が形成されていることを特
    徴とする繊維強化樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂を含み強化繊維を実質的に
    含まない成形材料又は熱硬化性樹脂と繊維長2〜6.5
    mmの強化繊維とを含む成形材料と、熱硬化性樹脂と繊
    維長10〜30mmの強化繊維とを含む成形材料とを、
    成形型内に配し、圧縮成形することを特徴とする繊維強
    化樹脂成形品の製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040006090A (ko) * 2002-07-09 2004-01-24 현대자동차주식회사 자동차의 로드휠용 열경화성 복합재료 수지 조성물과 이를이용한 로드휠의 제조방법
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