JP2009523889A - 複合ポリマー - Google Patents
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Abstract
本開示は、一般に輸送車両のための車体パネルを成形するために使用される強化複合樹脂配合物に関する。本開示は、特に、これらだけに限定されないが、車体パネルを製造するために使用され、中空ガラス微小球を使用しないで1.6グラム/立方センチメートル未満の密度および優れた表面平滑性を有する、低密度熱硬化性複合モールディングコンパウンドに関する。
Description
本発明は、一般にポリマー低密度複合材料からクラスAの表面品質を有する化粧車体パネルを調製することに関する。
以下に提供する情報は、本発明の先行技術であると認めるものではないが、読者の理解を助けるために単に提供する。
エネルギーコストの継続的な上昇に伴い、輸送業界は、車両の重量の軽減、および燃料経済性の向上を強く望んでいる。このより軽い車両部品を製造する必要性により、低密度の金属およびポリマーの使用に門戸が開かれてきた。高分子材料は、それらの軽量性、複雑な形状への成形能、すなわち部品の圧密および設計の融通性、耐食性、強度、ならびに耐損傷性に起因して、車両の鋼製部品に取って代わり、現在広く使用されている。特に、熱硬化性複合材料は、構造(内装)および化粧(外装)車体パネルの製造に広く使用されている。自動車業界は、外装車体パネルの表面外観に対し非常に厳しい要求を課している。望ましい滑面は、一般に「クラスA」の表面と呼ばれる。レーザー光反射画像分析装置(LORIA)で測定される表面品質(SQ)は、3種の測定値:アシュランドインデックス(Ashland Index)(AI)、像の鮮鋭性(DOI)、およびオレンジピール(OP)(ミカン肌)により決定される。クラスAの表面品質を有するSMCは、典型的には、AI<80、DOI≧70(目盛り0〜100)、およびOP≧7.0(目盛り0〜10)で規定される。
殆どすべての熱硬化性ポリマーは、硬化すると体積基準で収縮を示す。繊維強化ポリマー熱硬化性複合材料(FRP)では、強化用繊維の周囲で樹脂が収縮するときに強化用繊維が山と谷をひき起こすため、収縮が非常にでこぼこのある表面をもたらす。様々な方法が、熱硬化性複合材料がクラスAの表面に対する厳しい表面平滑性の要件を満たすことを助けるために用いられており、これらの用途で典型的に使用される金属部品の平滑性に適合するかまたはこれを超える複合材料の配合を可能にする。
硬化収縮を減少させ、表面平滑性を改良するのに用いられる一般的な方法は、例えば炭酸カルシウム(CaCO3)などの大量の無機充填剤を複合材料の配合に組み込むことである。典型的には、配合物の充填剤含有量は、体積基準で樹脂の含有量にほぼ等しいであろう。すなわち、単に収縮を受ける高分子材料が著しく少ないという理由で、充填剤の添加は、組成物全体の硬化収縮率を低下させる。
産業界で燃費効率を改良する圧力が高まるのに伴って、メーカーは車両の重量を軽減するためにますます熱心に研究している。FRPは、低い比重を有するため殆どの競合材料に優る利点を有するが、高密度の無機充填剤および繊維強化材、典型的にはガラスが、必要以上に部品が重くなる原因となる。殆どの無機充填剤および繊維強化材は、ポリマー熱硬化性樹脂と比較して高密度である。例えば、炭酸カルシウムおよびガラス繊維(最も一般的に使用される充填剤および強化材)はいずれも、約2.7g/ccの密度を有する。硬化不飽和ポリエステルなどの典型的な硬化熱硬化性樹脂は約1.2g/ccの密度であるが、充填剤およびガラス繊維が、FRP車体パネルの密度を約1.9g/ccに高める。FRPの他の望ましい特性を維持すると同時に、これらの部品の密度を15〜25%低下させることにより、車両の著しい軽量化がもたらされ得る。
産業界は、クラスAの表面品質を有する部品を生産する低密度複合モールディングコンパウンドの必要性を表明してきた。いくつかの供給業者は、重い無機充填剤の一部を中空ガラス微小球に置換することにより部品密度を低下させることを試みてきた。この技術は表面品質の大幅な低下なしに密度を著しく低下させる一方で、この方法で製造された成形化粧パネルは、現在の高密度モールディングコンパウンドが有する機械的特性およびマトリックスの靭性において、産業界には受け入れ難い大幅な低下を示す。さらに状況を悪化させることに、ガラス微小球を用いることにより「ペイントポッピング」による不良部品の数が増加するのに対し、多くの新たに導入される高密度システムでは、前述の不良部品が著しく低減された部品が生産されている。
部品密度を低下させる一方でクラスAの表面品質および他の望ましい特性を維持することは、ますます困難なようであるが、下記の開示は、微小球なしで、表面品質、機械特性、マトリックスの靭性または耐「ペイントポップ」性を殆どまたは全く損失しないで、密度が15〜25%低下した外装成形部品を達成することができることを示している。
米国特許第4853777号
本発明は、クラスAの表面品質および約1.6グラム/立方センチメートル以下の密度を有する強固で強靭な低密度成形複合材料部品を、ガラス微小球を使用しないで提供することにより、先行技術で満たされていない要求に対応する。これらの特性は、標準的な充填剤類(例えば、ナノクレイ、珪藻土、雲母、珪灰石(CaSiO3)、カオリン粘土、黒鉛、粉砕炭素繊維、セルロースベースの充填剤、および類似の材料など)を劇的に低下させた量で配合した成形繊維強化複合材料を使用することによってもたらされる。
本発明の一態様は、金型と比較して約-0.02〜+0.15パーセントの平均線収縮率および「クラスA」の表面を有する低密度成形品を提供する。レーザー光反射画像分析装置(LORIA)で測定した表面品質(表面品質)は、3種の測定値:アシュランドインデックス(AI)、像の鮮鋭性(DOI)、およびオレンジピール(OP)により決定される。本発明の目的においては、AI<85、DOI≧70(目盛り0〜100)、およびOP≧7.0(目盛り0〜10)を有するとき、成形品はクラスAの表面品質を有すると定義する。
本発明の一態様は、1.6グラム/立方センチメートル未満の密度を有する強化複合材料パネルを提供する。さらなる態様によれば、パネルは充てんまたは中空ガラス微小球のどちらも含まない。
さらなる態様によれば、パネルは、強化材なしで平面パネルに成形した場合に常温の金型と比較して-0.1〜-0.2パーセントの平均線硬化収縮率を有する、熱硬化性モールディングコンパウンドから形成される。
なおさらなる態様によれば、パネルは、強化材を用いて平面パネルに成形した場合に常温の金型と比較して-0.02〜+0.15パーセントの平均線硬化収縮率を有する、熱硬化性モールディングコンパウンドから形成される。
なおさらなる態様によれば、パネルは、強化材を用いて、高度に研磨された金型でおよそ0.1インチ(2.54ミリメートル)厚の平面パネルに成形した場合に、レーザー光反射画像分析装置(LORIA)で測定して、アシュランドインデックス(AI)、像の鮮鋭性(DOI)、およびオレンジピール(OP)の値の値がそれぞれAI<85、DOI≧70(目盛り0〜100)、およびOP≧7.0(目盛り0〜10)であることにより定義される表面平滑性を有する、熱硬化性モールディングコンパウンドから形成される。
本発明のさらに他の態様および利点を、本発明を実施するのに最良であると考えられる形態を簡単に実証することにより本発明の好ましい実施形態を示して記載する、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。便宜上、本発明は、運搬用車両の強化複合材料車体パネルに関して記載する。しかし、本発明は、車体パネルにも運搬用車両にも限定されない。当然のことながら、本発明から逸脱することなく、本発明は他の異なる実施形態が可能であり、いくつかの詳細は種々の明らかな事項において修正が可能である。したがって、これらの説明は例示であり、制限的なものではないと見なされるべきである。
本発明は、添付の図面と関連して下記の詳細な説明を読むことで最も良く理解される。
しかし、添付の図面はこの発明の典型的な実施形態のみを説明するものであり、本発明には他の同等に効果的な実施形態の余地があるので、添付の図面が本発明の範囲を限定すると考えるべきではないことに留意すべきである。
熱硬化性ポリマーからの標準的な複合材料部品は、輸送業界において広く使用されている。典型的な前述の複合材料配合物は、高い量の高密度無機充填剤を含むことによって、すなわち有機樹脂100部当たり180部を超える量でCaCO3充填剤を含むことによって、配合物の硬化収縮を低下させている。繊維強化材と組み合わせたこれらの高い充填剤量では、約1.2グラム/立法センチメートル(g/cc)のポリマー成分の密度よりかなり高い密度、すなわち≧1.9グラム/立法センチメートル(g/cc)を有する成形複合材料パネルが製造されている。
現在、輸送業界ではクラスAの表面品質を有する強靱な低密度複合材料外装部品(比重1.6g/cc未満)に対して強い需要がある。しかし、業界の機械的および熱的要求に起因して、殆どの複合モールディングコンパウンドは、通常、硬化の間に著しい収縮を示す種々のポリマー熱硬化性樹脂から配合される。この「硬化収縮」は、樹脂が繊維強化材の周囲で収縮することに起因する非常に粗い表面を有する成形複合材料をもたらし得る。収縮を低下させるための現行の技術は、典型的には、炭酸カルシウムおよび粘土などの高密度な充填剤を大量に使用することを含み、良好な強度と滑らかな表面外観の両方を有する外装複合材料成形品が製造される。残念ながら、これらの配合物は、しばしば高密度の充填剤および繊維強化材を70重量パーセントより多い量で含み、密度≧1.9g/cm3を有する。
燃料価格の確実な上昇および「温室効果ガス」すなわち二酸化炭素(CO2)の発生を削減する必要性から、低密度複合材料部品の利用により軽量化された車両による改良されたエネルギー効率が非常に望まれる。しかし、通常は高密度なクラスAの複合材料に見られる高い強度、靭性(すなわち耐クラック性および耐「ペイントポップ」性)、または良好な表面外観が失われる場合には、前述の低密度部品で実現される軽量化は全く役に立たない。例えば、高密度充填剤の一部を中空ガラス微小球で置換することにより、表面品質を維持する一方で密度を著しく低下させることができることは、公知である。しかしながら、ガラス微小球は、複合材料の強度、靭性、および耐「ペイントポップ」性を低下させ、塗装欠陥の修復を不可能に近くするので、クラスAの化粧用途では受け入れられない。
熱硬化性複合材料成形品の機械的特性が、その繊維強化材の量および種類に極めて依存することも公知である。要求される強度および靭性を維持すると、繊維強化材の量および種類を調整するための自由度が殆ど残らないため、受け入れ可能な低密度化粧複合材料を配合することは、その望ましい特性を著しく変化させることなく、充填剤の量を劇的に低下させることに依存しているようである。低密度配合物の評価により、標準的なシステムで使用されるCaCO3の量を単純に低下させても、受け入れ可能な低密度クラスAの成形部品を生産することにはならないことが明らかになった。むしろ樹脂を完全に再配合し、CaCO3を高表面積充填剤のブレンドと置換することが、上述の目的を達成するために必要とされる。
表面品質を決定するための好ましい手法は、Huppにより開示されたレーザー光反射画像分析装置、すなわちLORIAの使用によるものであり(米国特許第4853777号)、その内容全体をすべての目的のために、参照によって本明細書に組み込む。LORIAで測定する表面品質(表面品質)は、3種の測定値:アシュランドインデックス(AI)、像の鮮鋭性(DOI)、およびオレンジピール(OP)により決定される。クラスAの表面品質を有するSMCは、典型的に、AI<85、DOI≧70(目盛り0〜100)、およびOP≧7.0(目盛り0〜10)であると定義される。
従来の「強化」熱硬化性複合材料成形配合物の例は、以下のおよその組成を有する:極めて反応性に富む、高靭性不飽和ポリエステル(UPE)樹脂39g、熱可塑性低収縮(low profile)添加剤(LPA)14g、熱可塑性ゴム耐衝撃性改良剤3〜4g、反応性ビニルモノマーすなわちスチレンモノマー40〜45g、CaCO3充填剤190〜200g、酸化マグネシウム増粘剤9〜10g、離型剤4〜5g、tertブチルパーベンゾエートフリーラジカル開始剤1.5g、および前記開始剤によるフリーラジカルの発生を促進するための「活性剤」すなわちコバルト0.05g。前述の従来の成形配合物は、典型的には、1.9g/ccより高い密度を有する。
本発明は、高密度な部品の機械的特性、靭性、耐ペイントポップ性、およびクラスAの表面品質を維持する一方で、1.45〜1.6g/ccの密度を有する化粧部品を成形するための成形配合物を提供することを意図する。低密度成形組成物の1つは、極めて反応性に富む、高靱性不飽和ポリエステル(UPE)樹脂38〜40g、熱可塑性低収縮添加剤(LPA)14g、熱可塑性ゴム耐衝撃性改良剤3〜4g、反応性ビニルモノマーすなわちスチレンモノマー40〜45g、混合充填剤35〜65g、酸化マグネシウム増粘剤9〜10g、離型剤4〜5g、フリーラジカル開始剤1.5〜1.7g、および前記開始剤によるフリーラジカルの発生を促進するための「活性剤」すなわちコバルト0.05gによって構成され得る。前記混合充填剤は、例えば、ナノクレイ(混合時にせん断を受けるとナノプレートレットに剥離する、有機処理粘土)、珪藻土、雲母、珪灰石(CaSiO3)、カオリン粘土、黒鉛、粉砕炭素繊維、セルロースベースの充填剤、および類似の材料などの充填剤の種類を含むことができる。
低密度モールディングコンパウンドのための典型的な充填剤パッケージは、ナノクレイ1〜6g、珪藻土0〜20g、雲母0〜25g、珪灰石0〜25g、および/または0〜60gのカオリン粘土、CaCO3、黒鉛、粉砕炭素繊維、もしくはセルロース有機物を含むことができる。これらの充填剤の組合せの量は、典型的には、有機樹脂および反応性モノマー100g当たり合計で35〜65gである。範囲の上限の充填剤量では、より良好な機械的特性および表面品質を生み出す傾向があるが、それが密度を高め、配合物の粘度を上昇させ、モールディングコンパウンドの調製をより困難にする恐れがある。典型的には、充てん樹脂ペーストの粘度を15,000〜35,000cpsに保って、成形する前の繊維強化材の適切な「湿潤」を確保する。
本発明の目的に適した、シートモールディングコンパウンドペースト(SMC-ペースト)配合物および強化シートモールディングコンパウンド(SMC)は、同時係属の米国特許出願第11/124356号、第11/124294号、および第11/124354号に記載されており、各々の内容全体をすべて目的において、参照によって本明細書に組み込む。SMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された少なくとも1種の熱硬化性樹脂、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された少なくとも1種の低収縮(low profiling)添加剤、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載されたナノクレイ充填剤組成物を含む。本発明の一態様は、充てん微小球または中空ガラス微小球のいずれも含まないSMC-ペーストを提供する。本発明のさらなる態様は、約1.25g/cm3未満の密度を有するSMC-ペーストを提供する。
好ましい態様では、熱硬化性樹脂は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された高靭性高伸び率不飽和ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂:UPR)である。制限されないが、好ましい高靭性高伸び率不飽和ポリエステル樹脂は、芳香族二塩基酸、脂肪族二塩基酸、2〜8個の炭素を有するグリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の置換基で変性されたマレイン酸ポリエチレングリコールUPEを含む。
代替的な好ましい態様によれば、熱硬化性樹脂は、同時係属の米国特許出願第11/124354号に記載された、約10モルパーセント〜約40モルパーセントのフタル酸変性マレイン酸-グリコールポリエステル樹脂および約60モルパーセント〜約90モルパーセントのマレイン酸-グリコールポリエステル樹脂を含む。
好ましい態様によれば、SMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124294号に記載されたマルチエチレン性不飽和芳香族モノマーからなる代替的な反応性モノマーをさらに含む。限定されないが、好ましい代替的な反応性モノマーは、ジビニルベンゼンである。
本発明の目的に適したSMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された強化性無機充填剤をさらに含むことができる。限定されないが、好ましい無機充填剤としては、雲母、珪灰石、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の目的に適したSMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された有機充填剤をさらに含むことができる。限定されないが、好ましい有機充填剤としては、黒鉛、粉砕炭素繊維、セルロース、ポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の目的に適したエチレン性不飽和モノマーは、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載されている。適切なエチレン性不飽和モノマーとしては、限定されないが:アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、スチレンジビニルベンゼンおよび置換スチレン、多官能アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和モノマーは、スチレンである。
適切な低収縮添加剤は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された熱可塑性樹脂である。適切な低収縮熱可塑性樹脂としては、限定されないが、飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、エポキシ伸長ポリエステル、およびこれらの混合物が挙げられる。
SMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載されたLPA-促進剤をさらに含むことができる。
SMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載されたゴム耐衝撃性改良剤をさらに含むことができる。
SMC-ペースト配合物は、同時係属の米国特許出願第11/124356号に記載された無機充填剤、有機充填剤、補助モノマー、ゴム耐衝撃性改良剤、樹脂強化材、有機禁止剤、安定剤、禁止剤、増粘剤、コバルト促進剤、造核剤、滑剤、可塑剤、鎖伸長剤、着色剤、離型剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の補助成分をさらに含むことができる。
本発明の目的に適した低密度シートモールディングコンパウンド(SMC)は、同時係属の米国特許出願第11/124356号、第11/124294号、および第11/124354号に記載されている。簡潔には、本発明の目的に適した低密度シートモールディングコンパウンドは、繊維ロービング材料および上述のSMC-ペーストを含む。適切なSMCは、約1.6g/cm3未満の密度を有する。本発明のSMCは、ガラス微小球を含まない。
本発明の態様では、上述の低密度SMCおよび/またはSMC-ペーストを含む製品を提供する。
本発明の態様では、製品の製造法を提供する。本発明の方法は、上述の低密度SMCおよび/またはSMC-ペーストを少なくとも加圧下で加熱することを含む。
一態様では、低密度SMCの製造法を提供する。この方法は、未硬化の樹脂-モノマー混合物中に系内でナノクレイ複合材料を形成させる工程、および前記混合物を硬化する工程を含み、ここで前記SMC成形品は、約1.6g/cm3未満の密度を有する。
本発明の態様は、1.6グラム/cm3未満の密度を有する成形複合材料の車両部品および建築部品の製法も提供する。この方法は、
不飽和ポリエステル熱硬化性樹脂、前記不飽和ポリエステル樹脂と共重合可能なオレフィン性不飽和モノマー、熱可塑性低収縮添加剤、フリーラジカル開始剤、アルカリ土類酸化物増粘剤またはアルカリ土類水酸化物増粘剤、およびナノクレイ複合材料充填剤組成物を混合する工程;
ペーストを形成させる工程;
前記ペーストをロービング層の上下のキャリアフィルムに分配して成形シートを形成させる工程;
キャリアフィルムの中にシートを包む工程;
シートを圧縮する工程;
300万〜7000万センチポアズの熟成成形粘度を達成し、シートが非粘着性になるまでシートを熟成し、キャリアフィルムからシートを剥離する工程;
加圧下の加熱金型中で、前記部品の縁部の方へ外側に向けて樹脂、充填剤、およびガラスの均一流を生じさせて、前記シートを部品に圧縮成形する工程;ならびに
成形部品を取出す工程を含む。
不飽和ポリエステル熱硬化性樹脂、前記不飽和ポリエステル樹脂と共重合可能なオレフィン性不飽和モノマー、熱可塑性低収縮添加剤、フリーラジカル開始剤、アルカリ土類酸化物増粘剤またはアルカリ土類水酸化物増粘剤、およびナノクレイ複合材料充填剤組成物を混合する工程;
ペーストを形成させる工程;
前記ペーストをロービング層の上下のキャリアフィルムに分配して成形シートを形成させる工程;
キャリアフィルムの中にシートを包む工程;
シートを圧縮する工程;
300万〜7000万センチポアズの熟成成形粘度を達成し、シートが非粘着性になるまでシートを熟成し、キャリアフィルムからシートを剥離する工程;
加圧下の加熱金型中で、前記部品の縁部の方へ外側に向けて樹脂、充填剤、およびガラスの均一流を生じさせて、前記シートを部品に圧縮成形する工程;ならびに
成形部品を取出す工程を含む。
本方法の好ましい態様では、部品は200psi〜1400psiおよびより好ましくは400psi〜800psiの圧力で成形することにより形成する。本方法の好ましい態様では、部品は、250°F〜315°F(121℃〜157℃)、好ましくは270°F〜290°F(132℃〜143℃)、最も好ましくは275°F〜285°F(135℃〜140℃)の温度で成形することにより形成する。
本方法によれば、SMC-ペーストおよび/またはSMC配合物を、高度に研磨された金型の表面の上に供給し、加熱および加圧下でおよそ0.1インチ(2.54ミリメートル)厚の平面パネルに形成する。SMC-ペーストおよび/またはSMC配合物は、ガラス微小球を含まない。得られるパネルは、レーザー光反射画像分析装置(LORIA)で測定したアシュランドインデックス(AI)、像の鮮鋭性(DOI)、およびオレンジピール(OP)の値がそれぞれAI<85、DOI≧70(目盛り0〜100)、およびOP≧7.0(目盛り0〜10)であることにより定義される表面平滑性を有する。好ましくは、成形部品は、アシュランドLORIA分析計インデックスが75未満である表面平滑性品質を有する。表面平滑性は、その中にSMC-ペーストをプレスする金型表面の関数である。上述の定義において、「高度に研磨された金型」は、鏡面仕上げにまで研磨された金型を指す。業界で理解されるように、鏡面仕上げとは、「♯8仕上げ」、鏡面または磨きとしても既知の、一般にシートで得られる最も反射する仕上げを指す。それは、逐次的により細かい研磨剤で磨き、その後非常に細かいバフ研磨剤または鉄丹でバフがけをすることにより得られる。表面は、ある角度でさらに見られるとしても、本質的に予備的な研磨操作からの粗粒の線がない。
本発明を一実施例で説明する。強化材なしの樹脂ペースト配合物を硬化し、「線収縮」を評価して、最適なものを繊維強化材と混合し、約0.1インチ厚の平面12インチ×12インチの強化パネルに成形した。このパネルを、密度、表面外観、および機械的強度について試験した。表面外観はLORIA表面分析計を使用して分析し、「長周期うねり」についてアシュランドインデックス、ならびに「短周期」表面歪みについて像の鮮鋭性(DOI)およびオレンジピール(OP)を測定した。
表1のデータは、低密度(1.5〜1.6g/cc)の成形パネルを生産するために要求される量に低下させた充填剤を加えたナノクレイを含む配合物を示す。対照(約1.9g/cc)の優れた表面品質全体に留意されたい。配合物TLM-1からTLM-8についてのデータは、受け入れ可能な表面品質を有する低密度SMCを得ることが、単にCaCO3の量を低下させることだけによるものではないことを明らかに示す。実際にこれらは、受け入れ可能な成形パネルを調製するために、異なる形状および表面積を有する充填剤の混合物を用いることの必要性を示す。データは、充填剤の正確な混合が鍵であることも示す。CaCO3を含むTLM-5およびTLM-7が、粘土を第3の充填剤成分とするTLM-6およびTLM-8と比較して、著しい収縮および表面品質の低下を示すことに留意されたい。
高度に構造化された充填剤(例えば、ナノクレイ、珪灰石、雲母、および珪藻土など)を高い量で使用することにより、硬化収縮を著しく低下させることができることに留意すべきである。しかし、前述の充填剤の量を高めると、樹脂ペーストの粘度を大幅に高める原因となり、強化モールディングコンパウンドを調製するとき、不十分な繊維の「湿潤」しか与えないおそれがある。繊維の「湿潤」が不十分であると、部品の成形の際に、不十分な表面品質、低下した物理的特性、層間剥離、および「ふくれ」を含む多数の問題の原因となり得る。
[参照による組み込み]
個々の刊行物または特許出願が、参照によって組み込まれることを明確に個々に示したように、この明細書に引用したすべての刊行物、特許および付与前公開特許公報は、参照によってすべての目的において本明細書に組み込んだものとする。特に同時係属の米国特許出願第11/124356号、第11/124294号、および第11/124354号は、特に参照によって組み込んだものとする。矛盾がある場合には、本開示が優先するものとする。
個々の刊行物または特許出願が、参照によって組み込まれることを明確に個々に示したように、この明細書に引用したすべての刊行物、特許および付与前公開特許公報は、参照によってすべての目的において本明細書に組み込んだものとする。特に同時係属の米国特許出願第11/124356号、第11/124294号、および第11/124354号は、特に参照によって組み込んだものとする。矛盾がある場合には、本開示が優先するものとする。
Claims (28)
- 強化材を用いて、高度に研磨された金型でおよそ0.1インチ(2.54ミリメートル)の厚さの平面パネルに成形した場合に、アシュランドインデックス(AI)によって定義される表面平滑性、像の鮮鋭性(DOI)、およびオレンジピール(OP)の値が、レーザー光反射画像分析装置(LORIA)で測定して、それぞれ、AI<85、DOI≧70(目盛り0〜100)、およびOP≧7.0(目盛り0〜10)である、熱硬化性モールディングコンパウンド
を含む、輸送車両のための強化複合材料車体パネルであって、
前記パネルが、中空ガラス微小球なしで1.6グラム/立方センチメートル未満の密度を有し、
前記パネルが、ガラス微小球を含まない、強化複合材料車体パネル。 - 強化材なしで平面パネルに成形した場合に常温の前記金型と比較して-0.1〜+0.2パーセントの平均線硬化収縮率を有する、熱硬化性モールディングコンパウンドを含む、請求項1に記載の輸送車両のための強化複合材料車体パネル。
- 強化材を用いて平面パネルに成形した場合に常温の前記金型と比較して-0.02〜+0.15パーセントの線硬化収縮率を有する、熱硬化性モールディングコンパウンドを含む、請求項1に記載の輸送車両のための強化複合材料車体パネル。
- 熱硬化性樹脂、
エチレン性不飽和モノマー、
低収縮添加剤、
ナノクレイ充填剤組成物
を含むシートモールディングコンパウンドペースト(SMC-ペースト)配合物であって、
前記SMC-ペーストが、ガラス微小球を含まず、
前記SMC-ペーストが、約1.25g/cm3未満の密度を有する、シートモールディングコンパウンドペースト(SMC-ペースト)配合物。 - 強化性無機充填剤をさらに含む、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記無機充填剤が、雲母、珪灰石、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載のSMC-ペースト配合物。
- 黒鉛、粉末炭素繊維、セルロース、ポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機充填剤をさらに含む、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記熱硬化性樹脂が、高靭性高伸び率不飽和ポリエステル樹脂である、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記高靭性高伸び率不飽和ポリエステル樹脂が、芳香族二塩基酸、脂肪族二塩基酸、2〜8個の炭素を有するグリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の置換基で変性されたマレイン酸ポリエチレングリコール不飽和ポリエステル樹脂を含む、請求項6に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記エチレン性不飽和モノマーが、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、および置換スチレン、多官能アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 好ましいエチレン性不飽和モノマーがスチレンである、請求項7に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記低収縮添加剤が、熱可塑性樹脂である、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記低収縮熱可塑性樹脂が、飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、エポキシ伸長ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のSMC-ペースト配合物。
- LPA-促進剤をさらに含む、請求項9に記載のSMC-ペースト配合物。
- ゴム耐衝撃性改良剤をさらに含む、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- マルチエチレン性不飽和芳香族モノマーを含む代替の反応性モノマーをさらに含む、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 前記樹脂が、
約10モルパーセント〜約40モルパーセントのフタル酸変性マレイン酸-グリコールポリエステル樹脂、および
約60モルパーセント〜約90モルパーセントのマレイン酸-グリコールポリエステル樹脂
を含む、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。 - 有機開始剤、安定剤、禁止剤、増粘剤、コバルト促進剤、造核剤、滑剤、可塑剤、鎖伸長剤、着色剤、離型剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項1に記載のSMC-ペースト配合物。
- 繊維ロービング材料、および請求項1に記載のSMC-ペースト
を含む低密度シートモールディングコンパウンド(SMC)であって、
前記SMCが約1.6g/cm3未満の密度を有する、低密度シートモールディングコンパウンド(SMC)。 - 請求項14に記載の低密度SMCを含む製品。
- 前記製品がクラスAの表面品質を有する、請求項15に記載の製品。
- 請求項14に記載の低密度SMCを加圧下で加熱することを含む、製品の製造法。
- 無機充填剤、有機充填剤、補助モノマー、ゴム耐衝撃性改良剤、樹脂強化材、有機開始剤、安定剤、禁止剤、増粘剤、コバルト促進剤、造核剤、滑剤、可塑剤、鎖伸長剤、着色剤、離型剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を供給する工程をさらに含む、請求項27に記載の低密度SMCの製造法。
- 未硬化の樹脂-モノマー混合物中に系内でナノクレイ複合材料を形成させる工程と、前記混合物を硬化する工程とを含む低密度SMCの製造法であって、前記SMC成形品が約1.6g/cm3未満の密度を有する、低密度SMCの製造法。
- 不飽和ポリエステル熱硬化性樹脂、前記不飽和ポリエステル樹脂と共重合可能なオレフィン性不飽和モノマー、熱可塑性低収縮添加剤、フリーラジカル開始剤、アルカリ土類酸化物増粘剤もしくはアルカリ土類水酸化物増粘剤、およびナノクレイ複合材料充填剤組成物を混合する工程;
ペーストを形成させる工程;
前記ペーストをロービング層の上下のキャリアフィルムに分配して成形シートを形成させる工程;
キャリアフィルムの中に前記シートを包む工程;
前記シートを圧縮する工程;
300万〜7000万センチポアズの熟成成形粘度を達成し、前記シートが非粘着性になるまで前記シートを熟成し、前記キャリアフィルムから前記シートを剥離する工程;
加圧下の加熱金型中で、前記部品の縁部の方へ外側に向けて樹脂、充填剤、およびガラスの均一流を生じさせて、前記シートを部品に圧縮成形する工程;ならびに
前記成形部品を取出す工程
を含む、1.6グラム/cm3未満の密度を有する成形製品の製造方法。 - 前記部品のための前記成形圧力が、200psi〜1400psiであり、好ましくは400psi〜800psiである、請求項25に記載の成形製品の製造方法。
- 前記部品のための前記成形温度が、250°F〜315°F(121℃〜157℃)であり、好ましくは270°F〜290°F(132℃〜143℃)であり、最も好ましくは275°F〜285°F(135℃〜140℃)である、請求項25に記載の成形製品の製造方法。
- 前記成形部品の表面平滑性品質が、100未満のアシュランドLORIA分析装置インデックスである、請求項25に記載の成形製品の製造方法。
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