JPH10166325A - 無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

無機質硬化体の製造方法

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JPH10166325A
JPH10166325A JP8333504A JP33350496A JPH10166325A JP H10166325 A JPH10166325 A JP H10166325A JP 8333504 A JP8333504 A JP 8333504A JP 33350496 A JP33350496 A JP 33350496A JP H10166325 A JPH10166325 A JP H10166325A
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JP
Japan
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inorganic
pigment
weight
powder
sio
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Application number
JP8333504A
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English (en)
Inventor
Zenji Nozaki
善治 野崎
Yoshihiro Kuratani
芳浩 倉谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多色模様の装飾性に優れた無機質硬化体を生産
性よく製造する多色無機質硬化体の製造方法を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金
属珪酸塩水溶液、親油性顔料からなる無機質硬化性組成
物スラリーを型に流し込んだ後、振動を付与するか、又
は振動を付与しながら前記無機質硬化性組成物スラリー
を型に流し込み、型内で親油性顔料を他の成分から分離
させた後、前記無機質硬化性組成物を硬化させるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質硬化体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から建材としてセメント系硬化体な
どの無機質硬化体が使用され、装飾性を高めるために着
色を施したものもある。たとえば、特開平3−2390
5号公報では、セメント系の無機質硬化性組成物を板状
に賦形するとともに、凹凸模様付きロールによってこの
板状体の表面に凹凸模様を形成したのち、この凹凸面に
着色砂粒を散布し、その後表面を押圧して多色の無機質
成形体を作る製造方法が提案され、特開平7−2928
41号公報では、種石を敷きつめた型枠内に、着色剤に
よって着色された無機質硬化性組成物を種石と種石との
隙間に入り込むように充填し、無機質硬化性組成物を硬
化させた後、種石側の面を洗い流して種石の一部が露出
するようにしたブロック状の無機質硬化体の製造方法が
提案されている。
【0003】しかしながら、上記先に提案されたいずれ
の無機質硬化体の製造方法も、製造工程が多工程に渡っ
ているため、生産性が悪いと言う問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、多色模様の装飾性に優れた無機質硬化体
を生産性よく製造する多色無機質硬化体の製造方法を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる多色無機
質硬化体の製造方法は、このような目的を達成するため
に、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩
水溶液、親油性顔料からなる無機質硬化性組成物スラリ
ーを型に流し込んだ後、振動を付与するか、又は振動を
付与しながら前記無機質硬化性組成物スラリーを型に流
し込み、型内で親油性顔料を他の成分から分離させた
後、前記無機質硬化性組成物を硬化させるようにした。
【0006】上記構成において、SiO2 −Al2 3
系粉体としては、SiO2 :Al23 =1:9〜9:
1(重量比)のものが使用できるとともに、粉体全体と
してはSiO2 とAl2 3 とが合わせ50重量%以上
含まれているものが望ましい。すなわち、50重量%未
満の含有量だとアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が
低下し、得られる硬化体の強度が低下する恐れがある。
【0007】このようなSiO2 −Al2 3 系粉体と
しては、たとえば、以下の〜のようなものが挙げら
れ、これらが単独で用いられたり、併用される。 粒子径10μm以下の粒子を80重量%以上含有す
るフライアッシュ 粒子径10μm以下の粒子を80重量%以上含有す
る脱色フライアッシュ
【0008】 フライアッシュや粘土を溶融し気体中
に噴霧することによって得られる無機質粉体 粘土に0.1〜30kwh/kgの機械的エネルギ
ーを作用させて得られる無機質粉体 の粉体を更に100〜750℃で加熱することに
よって得られる無機質粉体
【0009】 メタカオリンに0.1〜30kwh/
kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉
体 コランダム或いはムライト製造時の電気集塵機の灰 粉砕仮焼ボーキサイト メタカオリン
【0010】なお、通常のフライアッシュとは、JIS
A 6201に規定される、微粉炭燃焼ボイラーから
集塵機で採取する微小な灰の粒子の、SiO2 40%以
上、湿分1%以下、比重1.95以上、比表面積270
0cm2 /g以上、44μm標準ふるいを75%以上通
過するものである。そして、のフライアッシュは、こ
の通常のフライアッシュを、例えば湿式沈降分級、風力
分級、比重による分離等通常行われている分級機を用い
て分級する方法、ジェットミル、ロールミル、ボールミ
ル等の微粉砕機をも用いて粉砕する方法、分級機と粉砕
機の連続システムを用いる方法等の従来公知の方法で処
理することによって得ることができる。
【0011】また、のフライアッシュのように、粒子
径10μm以下の粒子を80重量%以上含有しなければ
ならない理由は、粒子径10μm以下のフライアッシュ
の量が80重量%を下回るとアルカリ金属珪酸塩水溶液
との反応性が低下し、強度低下を生じたり、硬化不良を
生じる恐れがあるためである。
【0012】上記の脱色フライアッシュは、のフラ
イアッシュを400〜1000℃で焼成するか、通常の
フライアッシュを400〜1000℃で焼成したのち、
のフライアッシュと同様の方法で得ることができる。
すなわち、フライアッシュは一般に黒色であり、この黒
色のフライアッシュを上記のように400℃以上の温度
での焼成すると、脱色できる。しかし、1000℃を超
える温度で焼成すると、アルカリ金属珪酸塩水溶液との
反応性が低下するので、上記温度範囲で焼成することが
望ましい。
【0013】の無機質粉体は、フライアッシュや粘土
を溶融し、気体中に噴霧することによって得ているが、
気体中に溶融・噴霧する方法として、セラミックコーテ
ィングに適用される溶射技術、好ましくは上記フライア
ッシュ及び粘土が2000〜16000℃の温度で溶融
され、30〜80m/sの速度で噴霧される溶射技術、
具体的には、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶射
法、アーク溶射法などが挙げられる。
【0014】上記溶射技術によって得られるの無機質
粉体は、一般にその比表面積が0.1〜60m2 /gに
コントロールされる。
【0015】上記の無機質粉体およびの無機質粉体
の原料となる粘土としては、化学組成としてSiO2
5〜85重量%、Al2 3 ;90〜10重量%を含有
する粘土、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナク
ライト、ハロイサイト等のカオリン鉱物、白雲母、イラ
イト、フェンジャイト、海緑石、セラドナイト、パラゴ
ナイト、ブランマライト等の雲母粘土鉱物、モンモリロ
ナイト、バイデライト、ノントロナイト、サボナイト、
ソーコナイト等のスメクタイト、緑泥岩、パイロフィラ
イト、タルク、ばん土頁岩が挙げられる。
【0016】〜の無機質粉体製造時に用いられる機
械的エネルギーとは、圧縮力、剪断力、衝撃力を意味
し、これらは単独で作用させてもよいし、2種以上を複
合させてもよい。これらを具体的に作用させる機器とし
ては、例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体
攪拌型ミル、ローラミル、乳鉢、ジェット粉粉砕装置等
が挙げられる。
【0017】上記〜の無機質粉体製造に使用される
粘土及びメタカオリンの粒子径は特に限定されないが、
機械的エネルギーを有効に作用させるには平均粒子径が
0.01〜500μmが好ましく、更に好ましくは0.
1〜500μmが好ましく、特に好ましくは0.1〜1
00μmである。
【0018】〜の無機質粉体製造時に加えられる機
械的エネルギーが0.1kwh/kg未満であると、得
られた無機質粉体のアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応
性が低下し、30kwh/kgを超えると、上記粉砕装
置への負荷が大きくなり、装置の摩耗、損傷が増大し、
上記粘土への不純物等の問題が発生するので、0.1〜
30kwh/kgに限定され、好ましくは1.0〜26
kwh/kgで作用させる。
【0019】又、上記のメタカオリンに作用させる機
械的エネルギーを0.1〜30kwh/kgに限定して
いる理由も上記及びの場合と同様である。なお、機
械的エネルギーを作用させる際に、必要に応じて粉砕助
剤を添加するようにしても構わない。
【0020】粉砕助剤とは、機械的エネルギーを作用さ
せる際に粘土乃至メタカオリンの粉体の装置内部への付
着あるいは著しい凝集を防ぐもので、例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール等の、アルコール類、トリ
エタノールアミン等のアルコールアミン類、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸
類、アセトン蒸気等が挙げられる。これらは単独で使用
されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0021】の無機質粉体は、粘土に蒸気機械的エネ
ルギーを作用させた後、更に、100〜750℃に加熱
して得られるが、これは加熱により、機械的強度の向上
が認められるためで、加熱温度が100℃未満である
と、強度向上が認められなくなり、750℃を超えると
無機質粉体の結晶化が生じ、アルカリ金属珪酸塩水溶液
に対する反応性が低下するので、100〜750℃に限
定され、好ましくは200〜600℃に限定される。ま
た、加熱時間は短くなると、得られる硬化体の機械的強
度の向上が小さく、長くなるとエネルギーコストが増大
するので1分〜5時間が望ましい。
【0022】およびの無機質粉体は、特公平3−9
060号公報や特公平4−45471号公報に記されて
いるような粉体のことである。のメタカオリンは、市
販のものが使用できる。
【0023】本発明において使用されるアルカリ金属珪
酸塩水溶液とは、M2 O・nSiO 2 (M=K,Na,
Liから選ばれる1種以上の金属)で表される珪酸塩水
溶液であって、nの値は小さくなると良好な外観の硬化
体が得られず、大きくなるとゲル化が生じ易くなるた
め、0.05〜8が望ましく、更に好ましくは、0.5
〜2.5である。
【0024】アルカリ金属珪酸塩水溶液は、その濃度が
薄くなるとSiO2 −Al2 3 粉体との反応性が低下
し、濃度が高くなるとアルカリ金属の塩が生成し易くな
るので、濃度を10〜60重量%とすることが望まし
い。アルカリ金属珪酸塩水溶液はアルカリ金属珪酸塩を
そのまま加圧、加熱下で水に溶解してもよいが、アルカ
リ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪石粉等のSiO2 成分
をnが所定の量となるように加圧、加熱下で溶解しても
よいし、市販のアルカリ金属珪酸塩水溶液を金属水酸化
物と水で所定の組成に調整して使用してもよい。
【0025】アルカリ金属珪酸塩水溶液の配合量として
は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し1
0〜1300重量部に限定され、好ましくは、10〜1
000重量部、さらに好ましくは10〜550重量部で
ある。すなわち、10重量部未満であると混合が困難で
あり、配合量が多くなり過ぎると硬化体にクラック等が
生じる恐れがある。
【0026】本発明に使用される親油性顔料としては、
カーボンブラック、有機顔料や表面を親油処理した無機
質顔料が使用される。有機顔料としては、特に限定され
ないが、たとえば、インダントロンブルー、チオインジ
ゴレッド、イソインドリノイエロー、キナクリドンレッ
ド、トルイジンレッド、銅フリー(Cu free)の
フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン等が挙げられる。
【0027】無機質顔料としては、特に限定されない
が、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、リトボン、黄
鉛、チタンイエロー、カドミウムイエロー、モリブデー
トオレンジ、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルト
ブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、コバルト紫等
が挙げられる。無機質顔料の親油処理の方法としては、
カップリング剤による表面処理やポリマーグラフトが利
用できる。
【0028】カップリング剤としては、特に限定されな
いが、たとえば、シラン系、チタネート系、アルミニウ
ム系等のカップリング剤が挙げられる。なお、シラン系
カップリング剤としては、特に限定されないが、たとえ
ば、下記一般式(1),(2)であらわされるものが挙
げられる。
【0029】
【化1】
【0030】式(1),(2)中、Rは通常メチル基ま
たはエチル基、Yは端末にビニル基,グリシジル基,メ
タクリル基,アミノ基,メルカプト基,イソシアネート
基等の反応基あるいは塩素原子が結合した有機化合物で
ある。
【0031】チタネート系カップリング剤としては、特
に限定されないが、たとえば、下記一般式(3)であら
わされるものが挙げられる。 (R1 O)Ti(O─X─R2 −Z)3 ・・・(3) 式(3)中、R1 Oは、加水分解性のアルコキシ基であ
って、イソプロポキシ基を使用したモノアルコキシタイ
プ、オキシ酢酸、エチレングリコール基を使用したキレ
ートタイプ、亜リン酸エステルを付加したコーディネー
トタイプのいずれもが使用できる。また、−(O─X─
2 −Z)は、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸
エステル基を含有する鎖状疎水基である。
【0032】アルミニウム系カップリング剤としては、
特に限定されないが、たとえば、アセトアルコキトアル
ミニウムジイソプロピレートが挙げられる。シラン系カ
ップリング剤による無機質顔料の表面処理方法として
は、たとえば、以下の(1)〜(3)の方法が挙げられ
る。
【0033】(1)水或いは水−溶媒にカップリング剤
を溶解し加水分解させたのち顔料をこの溶液中に浸漬し
たのち、乾燥させる。 (2)少量の酸水溶液と有機溶媒にカップリング剤を溶
解し顔料をこの溶液中に浸漬したのち、乾燥させる。 (3)顔料を激しく攪拌しながらカップリング剤水溶
液、あるいは、溶媒液をスプレーし、乾燥させる。
【0034】一方、シラン系カップリング剤以外のカッ
プリング剤による無機質顔料の表面処理方法としては、
たとえば、以下の(4)〜(7)の方法が挙げられる。 (4)顔料を激しく攪拌し温度が高くなったところでカ
ップリング剤を単独或いは溶剤に希釈して添加し更に攪
拌を続ける。
【0035】(5)自己乳化させたカップリング剤溶液
中に顔料を浸漬し乾燥させる。 (6)アミンと水溶性の4級アンモニウム塩を作るカッ
プリング剤を、4級アンモニウム水溶液としたのち、顔
料を浸漬し乾燥させる。 (7)溶剤中にカップリング剤を分散・溶解させたの
ち、顔料を浸漬し乾燥させる。
【0036】ポリマーグラフトとしてはメタクリル酸メ
チル、アクリロニトリル、N−ビニルカルバゾール、ス
チレン、ポリエチルポリエステル、ポリオキサゾリナ、
ポリアクリルアミド等を顔料粉体表面にグラフトしたも
のが使用できる。カーボンブラック、有機顔料は、界面
活性剤を使用して水中に分散させたものを用いてもよ
い。
【0037】親油性顔料の配合量としては、多いと作業
性の低下が生じ、少ないと多彩模様が生成しなくなるの
でSiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し、
0.1〜10重量部が好ましく0.5〜5重量部がより
好ましい。
【0038】本発明の無機質組成物には、上記以外に、
必要に応じて、無機質充填材、補強繊維、軽量骨材、親
水性顔料、発泡剤、発泡助剤、起泡剤等を添加すること
ができる。無機質充填材としては、珪砂、岩石粉末、火
山灰(シラス、抗火石等)、珪灰石、炭酸カルシウム、
珪石粉、けいそう土、雲母、マイカ、シリカフューム等
が使用できる。配合量としては、SiO2 −Al2 3
系粉体100重量部に対し900重量部以下が望まし
い。900重量部を超えると機械的強度の低下が生じる
恐れがある。
【0039】補強繊維としては、通常のセメント製品に
使用される補強繊維が使用でき、ポリプロピレン、ビニ
ロン、レーヨン、耐アルカリガラス、炭素、アクリル、
アラミド、アクリルニトリル等の繊維を単独又は混合し
て使用できる。繊維形状としては繊維径1〜500μ
m、繊維長1〜15mmが望ましい。すなわち、繊維径
が1μm未満だと混合時にファイバーボールを形成し、
強度低下を生じやすくなり、500μmを超えたり、繊
維長が1mm未満だと引っ張り強度向上等の補強効果が
期待できなくなる恐れがある。また、繊維長が15mm
を超えると分散性が低下し、均一な強度を有する硬化体
が得られなくなる恐れがある。
【0040】補強繊維の添加量としては、SiO2 −A
2 3 系粉体100重量部に対し、10重量部以下が
望ましい。10重量部を超えると繊維の分散性が低下す
る恐れがある。軽量骨材としては、パーライト、ガラス
バルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、
シラス発泡体等の無機質発泡体やフェノール樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン等の有機質発泡
体が使用できる。
【0041】軽量骨材の添加量としては、SiO2 −A
2 3 系粉体100重量部に対し、150重量部以下
が望ましい。150重量部を超えると強度低下や表面平
滑性の低下あるいは成形作業性の低下が生じる恐れがあ
る。
【0042】親水性顔料としては、酸化鉄や酸化チタ
ン、酸化コバルト等の金属酸化物系顔料が望ましい。親
水性顔料の添加量としては、SiO2 −Al2 3 系粉
体100重量部に対し、親油性顔料との合計で15重量
部以下が好ましい。すなわち、15重量部を超えても、
隠蔽力が向上せず不経済である。
【0043】発泡剤としては、Mg、Ca、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、S
n、Si、フェロシリコン等の金属系粉末、過酸化水素
水や過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過硼酸ナトリ
ウム等の過酸化物系粉末が挙げられ、コスト、安全性、
入手の容易さ、混合の容易さ等を考慮すると、Al、過
酸化水素水が好ましい。
【0044】発泡剤の粉末としては、1〜200μmの
粒子径のものが望ましい。すなわち、粒子径が1μmよ
りも小さいと分散性が低下するとともに、急速発泡して
しまい、200μmよりも大きいと反応性が低下してし
まう恐れがある。発泡剤の添加量(溶液は100%換
算)は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対
し、5重量部以下が望ましい。すなわち、5重量部を超
えると強度の低下が著しく、成形体のハンドリング等が
できなくなる恐れがある。
【0045】発泡助剤としては、シリカゲル、ゼオライ
ト、活性炭、アルミナゲル等の多孔質粉体やステアリン
酸金属塩、パルミチン酸金属塩などの金属石鹸などが挙
げられる。発泡助剤の添加量としては、SiO2 −Al
2 3 系粉体100重量部に対し10重量部以下が望ま
しい。10重量部よりも多くなると破泡等を生じる恐れ
がある。
【0046】起泡剤としては、高級アルコール硫酸エス
テル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、芳香族誘導
体スルホン酸塩、イミダゾリン誘導体、脂肪酸アミド、
動物蛋白系が使用できる。起泡剤の添加量としては、S
iO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し10重量
部以下が望ましい。10重量部よりも多くなると硬化不
良を生じ易くなる恐れがある。
【0047】上記配合物を混合するには、パドル回転型
混合機、揺動式混合機、スクリュー式混合機等の通常の
混合機が使用できる。混合方法としては、粉体原料を乾
式混合しておいて、アルカリ金属珪酸塩水溶液を添加し
混合してもよいし、全原料を同時に供給して混合しても
よく、或いはアルカリ金属珪酸塩水溶液と一部固形原料
を混合し、順次各原料と混合してもよい。
【0048】このようにして作製したスラリーを振動を
付与しながら型に流し込む、あるいはは流し込んだ後に
振動を付与するが、付与する振動の強さとしては0.5
〜100G、望ましくは1〜50Gである。0.5G未
満だと多彩模様が得られなくなる。100G以上の振動
を付与するのは機械的に困難であり、成形作業上危険な
作業となる。
【0049】振動方向としては、鉛直方向・水平方向・
三次元のどの振動でも利用できる。振動の付与方法とし
ては、特に限定されないが、たとえば、テーブルバイブ
レーター上に型をセットし型に振動を付与する方法、型
枠にバイプレーターを取り付けて振動を付与する方法、
あるいはスラリー自体に振動を付与する方法等が挙げら
れる。
【0050】振動付与時間としては、3秒〜1時間望ま
しくは10秒〜50分である。3秒よりも短いと振動効
果が十分でなく、1時間より長くしても効果の向上がな
く、不経済である。
【0051】スラリーの流し込みは、自然落下式で型内
に充填してもよいし、ポンプ等によって型内へ充填して
もよい。スラリーの流し込みおよび振動付与が終了すれ
ば硬化を行うが、硬化温度は、常温でも構わないが、5
0〜200℃で硬化させることにより、硬化反応を促進
でき、短時間で硬化を終了することが可能となる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は、本発明にか
かる無機質硬化体の製造方法の実施の形態をあらわして
いる。
【0053】図1に示すように、この製造方法は、ま
ず、予め、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属
珪酸塩水溶液、親油性顔料とを攪拌混合して得た無機質
硬化性組成物スラリー1を金型2に流し込む途中または
流し込んだ後、金型2を下側から受けるように配置され
たテーブルバイブレータ3を1〜50Gで振動させて、
型面21およびその近傍部分で親油性顔料を他の成分と
分離させたのち、無機質硬化性組成物を硬化させ、表面
に親油性顔料による着色層を有する成形体を得るように
なっている。
【0054】すなわち、この製造方法は、以上のように
なっているので、金型2への無機質硬化性組成物スラリ
ー1の流し込む途中、または、流し込んだ後に無機質硬
化性組成物スラリー1に振動を与えるだけで、成形体の
表面に親油性顔料による着色層が形成されるため、製造
工程が簡単で生産性に優れている。しかも、硬化物質と
して、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸
塩、水からなる配合物を用いたので、硬化物質としてセ
メントを用いた従来のものに比べ高強度になり、薄型化
でき、軽量で取扱い性の硬化体が得られる。
【0055】なお、本発明にかかる無機質硬化体の製造
方法は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、
上記の実施の形態では、金型2の型面21が平面であっ
たが凹凸面であっても構わない。また、成形体を成形
後、その表面を凹凸に加工するようにしても構わない。
【0056】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。まず、以下のようにして2種類のSiO2 −Al2
3 系粉体A,Bを用意した。
【0057】〔SiO2 −Al2 3 系粉体A〕メタカ
オリン(エンゲルハード社製、商品名:SATENTO
NESP33、平均粒子径3.3μm、BET比表面
積:5.8m2 /g)を使用した。
【0058】〔SiO2 −Al2 3 系粉体B〕SiO
2 −Al2 3 系粉体A100重量部及びトリエタノー
ルアミン25重量%とエタノール75重量%の混合溶液
0.5重量部を、ウルトラファインミル(三菱重工社
製、ジルコニアボール10mm使用、ボール充填率85
体積%)に供給し、10kwh/kgの機械的エネルギ
ーを作用させSiO2 −Al2 3系粉体Bを得た。な
お、作用させた機械的エネルギーは上記ウルトラファイ
ンミルに供給した電力を処理粉体単位重量で除して求め
た。
【0059】つぎに、JIS1号珪酸ナトリウム水溶液
(日本化学工業(株)製)、1K珪酸カリウム水溶液
(日本化学工業(株)製)、アルカリ金属水酸化物(和
光純薬(株)製)と水を用いて表1に示すアルカリ金属
珪酸塩水溶液I,IIを調製した。なお、表1中、Mはア
ルカリ金属種をあらわす。
【0060】
【表1】
【0061】つぎに、以下に示す、顔料a〜gを用意し
た。 〔顔料a〕カーボンブラック(東洋インク社製EMカラ
ーBlack K−16) 〔顔料b〕カーボンブラック(三菱化成社製 600)
【0062】〔顔料c〕フタロシアニングリーン(東洋
インク社製EMカラーGreen B) 〔顔料d〕シランカップリング剤(東レダウコーニング
社製 SH6020)を水に重量濃度で0.5%にある
ように溶解調整し、茶色無機質顔料(バイエル社製 バ
イフェロックス610)を1時間浸漬した後、濾過し1
20℃で24時間乾燥させたもの
【0063】〔顔料e〕チタネートカップリング剤(味
の素社製 プレンクアウトKR TTS)をイソプロピ
ルアルコール(和光純薬社製)に重量濃度で1%となる
ように溶解調整し、黄色無機質顔料(バイエル社製 バ
イフェロックス920)を1時間浸漬した後、濾過し、
80℃で24時間乾燥させたもの
【0064】〔顔料f〕茶色無機質顔料(バイエル社製
バイフェロックス610) 〔顔料g〕黄色無機質顔料(バイエル社製 バイフェロ
ックス920)
【0065】(実施例1〜5,比較例1,2)そして、
上記のようにして用意したSiO2 −Al2 3 系粉体
A,B,アルカリ金属珪酸塩水溶液I,IIおよび顔料a
〜gと、無機質充填材(山川産業社製フラタリーサンド
48M)およびビニロン繊維(クラレ社製RM182
−6とを表2に示す配合でオムニミキサー(千代田技研
社製 オムニミキサーOM5)用いて、表2に示す混合
時間混合し、無機質硬化性組成物スラリーを得たのち、
テーブルバイブレーター(エクセン社製 HTV100
0×1000)上に搭載した厚み3mmのSUS304の
板材で外面を補強したブチルゴム(NBR)製の型にこ
の無機質硬化性組成物スラリーを流し込み、表2に示す
ように、流し込みの途中または流し込み終了後、テーブ
ルバイブレーターによって表2に示す振動時間だけ型を
振動させたのち、表2示す硬化条件で硬化させて10×
300×300mmの成形体を得た。
【0066】なお、表面状態の評価は、○が多色模様生
成、×が均一色をそれぞれあらわす。
【0067】
【表2】
【0068】(比較例3)振動を与えなかった以外は、
実施例1と同様にして成形体を得たところ、成形体表面
は均一色であった。
【0069】
【発明の効果】本発明にかかる無機質硬化体の製造方法
は、以上のように構成されているので、多色模様を有す
る無機質成形体を、容易に製造する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無機質硬化体の製造方法の実施
の形態をあらわす断面図である。
【符号の説明】
1 無機質組成物スラリー 2 金型 3 テーブルバイブレータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金
    属珪酸塩水溶液、親油性顔料からなる無機質硬化性組成
    物スラリーを型に流し込んだ後、振動を付与するか、又
    は振動を付与しながら前記無機質硬化性組成物スラリー
    を型に流し込み、型内で親油性顔料を他の成分から分離
    させた後、前記無機質硬化性組成物を硬化させることを
    特徴とする無機質硬化体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226156A (ja) * 1999-12-08 2001-08-21 Sekisui Chem Co Ltd 無機質粉体とその製造方法,無機質硬化性組成物,無機質硬化体とその製造方法及び石膏系硬化体並びにセメント系硬化体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226156A (ja) * 1999-12-08 2001-08-21 Sekisui Chem Co Ltd 無機質粉体とその製造方法,無機質硬化性組成物,無機質硬化体とその製造方法及び石膏系硬化体並びにセメント系硬化体
JP4630446B2 (ja) * 1999-12-08 2011-02-09 積水化学工業株式会社 無機質硬化性組成物とその製造方法、無機質硬化体とその製造方法及び石膏系硬化体並びにセメント系硬化体

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