JPH1171165A - 無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

無機質硬化体の製造方法

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JPH1171165A
JPH1171165A JP14175698A JP14175698A JPH1171165A JP H1171165 A JPH1171165 A JP H1171165A JP 14175698 A JP14175698 A JP 14175698A JP 14175698 A JP14175698 A JP 14175698A JP H1171165 A JPH1171165 A JP H1171165A
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雅人 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機質硬化体に短時間で十分な強度を持たせ
ることができる無機質硬化体の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】SiO2-Al23系無機質粉体、アルカリ
金属珪酸塩、水からなる無機質硬化性組成物を加熱し
て、無機質硬化体を製造する方法において、前記無機質
硬化性組成物の原料を混合した後、前記無機質硬化性組
成物の加熱開始までの時間を制御することを特徴とする
無機質硬化体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築材料等の外壁等に
用いられる無機質硬化体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の無機質硬化体の製造方法として
は、特公平4−45471号公報に開示されたようなも
のがある。この製造方法は、無定形の二酸化珪素と酸化
アルミニウムを含有する酸化物混合物とアルカリ金属珪
酸塩との混合物を加熱硬化させることにより、無機質硬
化体を製造するものである。この方法で得られる無機質
硬化体は、セメント系の材料を用いたものに比べれば、
硬化の時間は短時間で済むものである。即ち、30分程
度の短時間で硬化させて、脱型を行うことは可能であ
る。
【0003】また、従来からアルカリの存在で熱により
硬化、発泡する無機質組成物については、いくつか提案
されている。例えば、発泡剤を用いることなく、加熱下
において水蒸気の発生をもって発泡体を得る方法が知ら
れている。また、他の方法としては、金属粉体を加えて
ガスを発生させて発泡体を得る方法が知られている。こ
の方法の一例としては、例えば特開昭57−77062
号公報に記載されたようなものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平4−4
5471号公報に開示された製造方法において、30分
程度の硬化時間では、無機質硬化体の強度を十分に確保
できず、性能が十分発揮されないものである。また、こ
の公報に開示された無機質硬化体の硬化時間を長くする
ことで、無機質硬化体に十分な強度を持たせて、その性
能を十分に発揮させることもできる。しかし、その無機
質硬化体に十分な強度を持たせるためには、2時間以上
を要し、生産上のネックとなるという問題点があった。
【0005】また、特開昭57−77062号公報に開
示された様な製造方法では、生産性を向上させるため加
熱し、発泡・硬化を促進させると破泡し、吸水しやすく
耐久性に劣る発泡体しか得られなかった。
【0006】そこで、本発明の第1の目的は、無機質硬
化体に短時間で十分な強度を持たせることができる無機
質硬化体の製造方法を提供することにある。
【0007】また、本発明の第2の目的は、上記問題点
を解消し、独立気泡を生成した高耐久性の無機質発泡体
を得ることのできる無機質硬化体の製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この第1の目的を達成す
るため、請求項1の発明は、SiO2-Al23系無機質
粉体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる無機質硬化性組
成物を加熱して、無機質硬化体を製造する方法におい
て、前記無機質硬化性組成物の原料を混合した後、前記
無機質硬化性組成物の加熱開始までの時間を制御する無
機質硬化体の製造方法としたことを特徴とする。
【0009】この製造方法において、緻密体の無機質硬
化体を製造する場合には、早く硬化させるため、短い時
間で加熱するのが良い。また、発泡体の無機質硬化体を
製造する場合には、均一な気泡を生成させるため、加熱
開始までの時間を長くとるのが良い。
【0010】請求項2の発明は、前記無機質硬化性組成
物を混合した後に昇温を開始し、昇温開始後20分以下
の時間で60℃以上に加熱することを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、前記無機質硬化性組成
物を昇温開始後、60°C以上の温度で10分以上保持
することを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、前記無機質硬化性組成
物を発泡性の無機質硬化性組成物として混合した後、7
分経過後に加熱開始することを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、前記無機質硬化性組成
物は、SiO2-Al23系無機質粉体100重量部、ア
ルカリ金属珪酸塩0.2〜450重量部、水35〜15
00重量部からなることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0015】(1).実施の形態1 <基本的製造方法1>図1は、無機質硬化体を製造する
システムの説明図である。この図1において、1は材料
を混練するミキサー、1aはミキサー1の下部の材料排
出口、2は材料排出口1aの下方に配設されたホッパ
ー、2aはホッパー2からの混合材料を定位置に供給す
る混合材料出口、3は上方に開口する成形型、4は成形
型3の開口端を閉成する蓋体、5は冷却乾燥装置であ
る。また、Aは反応性無機質粉体(SiO2-Al23
無機質粉体)、Bはアルカリ金属珪酸塩、Cは水であ
る。
【0016】本発明では、基本的には、図1(a)におい
て、SiO2-Al23系無機質粉体(A)100重量
部、アルカリ金属珪酸塩(B)0.2〜450重量部、
水(C)35〜1500重量部をミキサー1で20゜C
以下の状態で混合してペースト状の無機質硬化性組成物
を組成させる。この際、発泡剤や発泡助剤を必要に応じ
て添加してもよいし、又無機質充填材や補強繊維、無機
質発泡体、合成樹脂の発泡体、塩化ビニリデン、アクリ
ルバルーンなどが必要に応じて添加されてもよい。これ
らは単独で添加されてもよいし、2種類以上併用されて
もよい。
【0017】この後、混合された無機質硬化性組成物
(混合物)をホッパー2を介して混合材料出口2aから
成形型3内に供給し、図1(b)の如く、成形型3の開放
端を蓋体4で密閉する。
【0018】次に、レベリング,脱泡の目的で成形型3
に振動を与える。そして、図1(c)において、成形型3
内の無機質硬化性組成物6を昇温加熱する。この昇温加
熱は、無機質硬化性組成物6を混合後1時間以内の間に
開始させる。この際、無機質硬化性組成物6の加熱温度
は好ましくは60゜C以上で、昇温開始後20分以下の
時間で無機質硬化性組成物6の温度が60°C以上にな
るようにする。その加熱時間は10分以上保持する。
【0019】この加熱により無機質硬化性組成物6が硬
化した後、成形型3から取り出す脱型を行い、脱型され
た無機質硬化性組成物6を図1(d)においてアフターキ
ュアにより冷却し、(e)において乾燥装置により乾燥さ
せて、(f)の建築物の壁パネル等の素板7を形成する。
【0020】<より具体的な条件>上述の反応性無機質
粉体(SiO2-Al23系無機質粉体)(A)として
は、SiO2 5〜85重量%とAl23 90〜10重
量%のものが好適に使用される。このような粉体として
は、フライアッシュ、メタカオリン、カオリン、ムライ
ト、コランダム、アルミナ系研磨材を製造する際のダス
ト、粉砕焼成ボーキサイト等が使用できるが組成と粒度
が適当であればこれらに限定されるものではない。ま
た、これらの粉体をそのまま用いてもよいが、活性化さ
せるために、溶射処理、粉砕分級、機械的エネルギーを
作用させてもよい。
【0021】溶射処理する方法としては、セラミックコ
ーティングに適用される溶射技術が応用される。その溶
射技術は、好ましくは材料粉末が2000〜16000
℃の温度で溶融され、30〜800m/秒の速度で噴霧
されるものであり、プラズマ溶射法、高エネルギーガス
溶射法、アーク溶射法等が可能である。得られた粉体の
比表面積は、0.1〜100m2/g が好ましい。
【0022】分級、粉砕する方法としては従来公知の任
意の方法が採用され、篩、比重、風力、湿式沈降等によ
る分級、ジェットミル、ロールミル、ボールミルによる
粉砕などがあげられる。これらの手段は併用されてもよ
い。
【0023】機械的エネルギーを作用させる方法として
は、ボール媒体ミル、媒体撹拌型ミル、ローラミル等が
使用され、作用させる機械的エネルギーとしては0.5
kwh/kg〜30kwh/kgが好ましい。小さいと
粉体を活性化しにくく、大きいと装置への負荷が大き
い。
【0024】フライアッシュは、必要に応じて、焼成さ
れたものでもよい。焼成温度は、低いとフライアッシュ
の黒色が残り、着色困難となり、高いと、アルカリ金属
珪酸塩(B)との反応性が低くなるので、400℃〜1
000℃であることが好ましい。
【0025】上述のアルカリ金属珪酸塩(B)とは、M
2O・nSiO2(M=K,Na,Liから選ばれる1種
以上の金属)で表される塩であって、nの値は小さくな
ると緻密な発泡体が得られず、大きくなると水溶液の粘
度が上昇し混合が困難になるので、nの値は0.05〜
8が好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.5であ
る。
【0026】また、水(C)は上記アルカリ金属珪酸塩
水溶液として添加されてもよいし、独立して添加されて
もよい。水(C)の量は少なくなると、十分に硬化せず
また混合が困難となり、多くなると硬化体の強度が低下
しやすくなるので上記反応性無機質粉体(A)100重
量部に対して35〜1500重量部に限定され、好まし
くは45〜1000重量部、さらに好ましくは50〜5
00重量部である。
【0027】更に、必要に応じて、発泡剤が添加されて
もよい。発泡剤としては過酸化物(過酸化水素、過酸化
ソーダ、過酸化カリ、過ほう酸ソーダ等)、金属粉末
(Mg,Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン)等が
用いられ、多すぎると発泡ガスが過剰となり破泡し、少
なすぎると発泡倍率が小さすぎて発泡体の意味を失うの
で0.01〜10重量部であることが好ましい。
【0028】過酸化水素を発泡剤として用いるときは、
安全性、安定した発泡を考慮すると水溶液として用いる
のが好ましい。金属粉末を用いる場合は、安定した発泡
を得るために、粒径が200μm以下であることが好ま
しい。
【0029】本発明において必要に応じて発泡助剤が添
加されてもよい。発泡助剤は発泡を均一に生じさせるも
のなら特に限定されず、たとえばステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の脂肪酸金
属塩、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ粉末
等の多孔質粉体などがあげられる。これらは単独で使用
されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0030】発泡助剤の量は多くなると組成物の粘度が
上昇し、破泡が発生しやすくなるので上記反応性無機質
粉体(A)100重量部に対して10重量部以下が好ま
しい。
【0031】本発明において必要に応じて無機質充填材
が添加されてもよい。無機質充填材は、水に溶解せず、
発泡性無機質組成物の硬化反応を阻害せず、アルカリ金
属珪酸塩と反応しないものであれば特に限定されず、た
とえば珪砂、川砂、ジルコンサンド、結晶質アルミナ、
岩石粉末、火山灰、シリカフラワー、シリカヒューム、
ベントナイト、高炉スラグ等の混合セメント用混合材、
セピオライト、ワラストナイト、マイカ等の天然鉱物、
炭酸カルシウム、珪藻土などがあげられる。これらは単
独で添加されてもよいし、2種類以上併用されてもよ
い。
【0032】上記無機質充填材は、平均粒径が小さくな
ると組成物の粘度が上昇し、高倍率の発泡体が得られ
ず、大きくなると発泡が不安定になるので0.01〜1
000μmが好ましい。無機質充填材の量は多くなると
得られる発泡体の強度が低下するので上記反応性無機質
粉体(A)100重量部に対して700重量部以下が好
ましい。
【0033】本発明において必要に応じて補強繊維が添
加されてもよい。補強繊維は、成形体に付与したい性能
に応じ任意のものが使用でき、たとえば、ビニロン繊
維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレ
ン繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、チ
タン酸カリウム繊維、鋼繊維などが使用できる。
【0034】上記補強繊維の繊維径は、細くなると混合
時に再凝集し、交絡によりファイバーボールが形成され
やすくなり、最終的に得られる発泡体の強度はそれ以上
改善されず、太くなるか又は短くなると引張強度向上な
どの補強効果が小さく、又、長くなると繊維の分散性及
び配向性が低下するので、繊維径1〜500μm、繊維
長1〜15mmが好ましい。上記補強繊維の添加量は多
くなると繊維の分散性が低下するので、上記反応性無機
質粉体(A)100重量部に対して、10重量部以下が
好ましい。
【0035】さらに硬化体の軽量化を図る目的でシリカ
バルーン、パーライト、フライアッシュバルーン、シラ
スバルーン、ガラスバルーン、発泡焼成粘土等の無機質
発泡体、ポリスチレン、フェノール樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエチレン等の合成樹脂の発泡体、塩化ビニリデ
ン、アクリルバルーンなどが添加されてもよい。これら
は単独で添加されてもよいし、2種類以上併用されても
よい。
【0036】さらに必要に応じて、アルミナセメント、
γ−アルミナ、溶射されたアルミナ、アルミン酸アルカ
リ金属塩又は水酸化アルミニウムを加えても良い。
【0037】本発明においては、上述の如く、混合した
材料の硬化を、混合後1時間以下の時間の間に昇温を開
始し、昇温開始後20分以下の時間で60℃以上に加熱
し、その温度以上でさらに10分以上保持することが良
い。
【0038】一般に使用される無機硬化性材料であるセ
メントは、硬化反応がすべて発熱反応であるため、急激
に温度を上昇させると、反応熱が蓄積し、熱歪みにより
硬化体に亀裂が生じ、強度が低下する。このため、セメ
ント系材料では、予め、前養生と称する低温養生を加熱
養生の前に行う。
【0039】一方、本発明における材料系では、同様の
事が類推されたが、SiO2-Al23系無機質粉体のア
ルカリ金属珪酸塩水溶液中への溶解が発熱反応である場
合が多いが、硬化反応である溶解物の脱水縮合反応は吸
熱反応であるため(図1、示差走査熱量計)、急激な加
熱を行っても、熱による歪みが発生しない可能性があ
り、実際に試験を行った結果、それを見いだすことがで
きた。
【0040】さらに、加熱後の温度を保持しても、もは
や発熱反応は起こらないので、熱や急激な硬化反応によ
る歪みが発生せず、またすみやかに硬化反応が終結し、
必要な性能が発現する。
【0041】本発明の無機発泡性材料を得るためには、
アルカリ金属珪酸塩もしくはその水溶液(A)水溶液と
SiO2-Al23系無機質粉体(B)、必要に応じて残
部の水(C)発泡助剤、補強繊維、無機質充填材等と珪
素粉を混合し、ペースト状とする。
【0042】発泡させる場合、発泡剤は、他の材料を混
合した後、後で添加しても良い。また発泡剤が粉体の場
合、粉体単独で添加しても良いが、より分散を容易にす
るために水に分散させて添加しても良い。このペースト
を型に流し込み、必要に応じて、レベリング、脱泡のた
め、振動をかける。
【0043】この後、加熱する。加熱手段としては、熱
板、温水等熱容量の大きいもので型を直接加熱する方法
が利用できる。
【0044】これらの結果を図2に示したグラフで説明
すると、温度変化曲線TとDSC(示差走査熱量計)曲
線とから、加熱温度を略85゜Cとし、加熱温度到達時
間を15分とした場合、温度保持時間を10分以上とし
た場合に、安定した結果が得られていることが分かる。
【0045】
【第1実施例】次に、本発明の実施例を以下の表1及び
図2に基づいてさらに詳しく説明する。
【0046】
【表1】 (i)表1における材料について この表1において、無機質粉体1,2,3、アルカリ金
属珪酸塩水溶液1,2、ワラストナイト、ビニロン、珪
石粉等の単位は重量部である。また、表1における無機
粉体は1,2,3の3種類があり、アルカリ金属珪酸塩
水溶液等は、以下の様になっている。
【0047】(無機質粉体1)カオリン(組成:SiO
2 45.7%、Al23 38.3 % 平均粒径:8μ
m BET比表面積5.8m2/g) の原料粉を燃焼温
度2500℃、噴射粒子速度50m/秒で溶射し、活性
無機質粉体(組成:SiO2 49.7%、Al23
7.0 % 平均粒径:49μm BET比表面積6
4.3m2/g)を得た。
【0048】(無機質粉体2)フライアッシュ(関電化
工社製、平均粒径20μm;JIS A 6201に準
ずる)を分級機(日清エンジニアリング社製、型式;T
C−15)により分級し、粒径が10μm以下の粉末を
100重量%含有するもの (無機質粉体3)カオリン(組成:SiO2 45.7
%、Al23 38.3% 平均粒径:8μm BET
比表面積5.8m2/g)95重量部と珪石粉5重量部
及びトリエタノールアミン25重量%とエタノール75
重量%の混合溶液0.5重量部をウルトラファインミル
AT−20(三菱重工業社製、ジルコニアボール直径1
0mm使用、ボール充填率85体積%)に供給し25k
wh/kgの機械的エネルギーを作用させ、無機質粉体
6を得た。尚、作用させた機械的エネルギーはボールミ
ルに供給した電力を処理粉体単位重量あたりで表した。
【0049】(アルカリ金属珪酸塩1)アルカリ金属珪
酸塩1として、SiO2 /K2O=1.4の珪酸カリウム
を濃度45重量%の水溶液にして使用した。
【0050】(アルカリ金属珪酸塩2)また、アルカリ
金属珪酸塩2として、SiO2 /Na2O=1.4の珪酸
ナトリウムを濃度42重量%の水溶液にして使用した。
【0051】(ii)材料の混合方法及び得られた素板の試
験方法 これらを他材料と混合する前に冷却し、混合したペース
トが所定の温度になるように調整した。
【0052】この水溶液とワラストナイト、ビニロン繊
維(クラレ社製、商品名;RM182×3)、珪石粉、
SiO2-Al23系無機質粉体(1〜3)、をオムニミ
キサー(千代田技研工業株式会社製)で混合し、無機質
硬化性組成物を含む均一なペーストとした。
【0053】さらに、この無機質硬化性組成物を含む材
料を600×600×30mmの型枠に注型し、テーブル
バイブレーター(振動数1200回/分、振幅0.5m
m、縦振動)で1分振動を加えた後、蓋をして、所定の
加熱を行い、得られた硬化体の曲げ強度、耐凍結融解試
験(ASTM C−666 A法)100サイクルを測
定した。
【0054】(iii)試験結果 表1の実施例の1〜7の様に、加熱温度を65〜85゜
C,加熱温度到達時間を8〜15分,温度保持時間を略
15〜30分,硬化所要時間を27〜42とした場合、
硬化体の曲げ強度は[kgf/cm2]で表すとそれぞれ21
0,215,204,198,225,195,220
[kgf/cm2](即ちMPaで表すと20.6,21.1,2
0.0,19.4,22.1,19.1,21.6[MP
a])であり、耐凍結融解試験結果は異常なしであっ
た。従って、実施例1〜7では、短時間で良好な結果が
得られた。尚、比較例1でも長時間を要したものの、良
い性能が得られた。この比較例1は、短時間で良好な結
果が得られた実施例1〜7と比較したので、比較例とし
て示したが、実際には本発明の実施例の一つである。
【0055】また、比較例の2〜4においては、加熱温
度到達時間を65分と長くした比較例4や温度保持時間
を「0」とした比較例2が僅かに破損の△であり、又、
加熱温度到達時間を12分と短くすると同時に温度保持
時間を「0」とし且つ硬化所用時間を12分と短くした
比較例3が破損の×であった。
【0056】この結果、実施例の1〜7の本願発明の製
造方法の条件は比較例2〜3に比べて良好であった。
【0057】(2).実施の形態2 <基本的製造方法2>実施の形態2において、無機質発
泡体(無機質硬化体)の製造に用いられる無機質硬化性
組成物の原料は次の通りである。即ち、この原料として
は、例えば、SiO2-Al23系反応無機質粉体(A)1
00重量部、アルカリ金属珪酸塩(B)0.2〜150重
量部、水(C)35〜1500重量部が用いられる。
【0058】そして、この様な原料及び発泡剤0.01
〜2重量部を図1(a)の如くミキサー1に投入して、
この原料及び発泡剤をミキサー1で均一に混合すること
により、発泡性の組成物である無機質硬化性組成物(無
機質硬化性混合物)のペーストを得る。
【0059】次に、この無機質硬化性組成物のペースト
をホッパー2を介して材料出口2aから成形型(型枠)
3内に流し込み、必要に応じてレベリングや脱泡のため
に成形型3に振動をかける。その後、図1(b)の如く
成形型3の上部開放端を蓋体4で密閉する。尚、成形型
3の上部開放端は必ずしも蓋体4で密閉する必要はな
い。
【0060】この後、無機質硬化性組成物6の発泡・硬
化を促進させるために、無機質硬化性組成物6を加熱す
るが、この加熱開始までの時間を制御する。すなわち、
混合終了後の無機質硬化性組成物6は、混合後に直ちに
加熱せず、加熱までの時間を制御する。この際、通常
は、無機質硬化性組成物6を成形型3内に入れた状態で
加熱開始まで待機するが、混合後の無機質硬化性組成物
6を加熱開始までの間保存する場所としてはミキサー1
内であってもよいし他の場所でもよい。
【0061】この様に無機質硬化性組成物6を、混合直
後から所定時間保存しておいて、所定時間経過後に図1
(C)において加熱することにより、発泡硬化させる。こ
の後、発泡硬化した無機質発泡体を成型型3から取り出
す脱型を行なう。尚、脱型後の無機質発泡体は、必要に
応じて図1(d)のアフターキュアにより冷却した後、図
1(e)で乾燥させて、建物の外壁等の素板7とする。
【0062】<無機質発泡体の原料等の例>まず、無機
質硬化性組成物(硬化性無機質組成物)を説明する。
【0063】この実施の形態の無機質硬化性組成物とし
ては、例えば、SiO2-Al23系反応性無機質粉体1
00重量部と、アルカリ金属珪酸塩0.2〜450重量
部と、水35〜1500重量部と、発泡剤0.01〜2
重量部とを含有する熱硬化性組成物が好ましい。なお、
この熱硬化性組成物に限定されるものでは無い。
【0064】[反応性無機質粉体]反応性無機質粉体と
しては、SiO2:5〜85重量%とAl23:90〜
10重量%のものが好適に使用される。
【0065】このような反応性無機質粉体としては、フ
ライアッシュ、メタカオリン、カオリン、ムライト、コ
ランダム、アルミナ系研磨材を製造する際に生成される
ダスト、粉砕焼成ボーキサイト等が使用できるが、組成
と粒度とが適当であれば、これらに限定されるものでは
ない。
【0066】また、これらの反応性無機質粉体をそのま
ま用いてもよいが、活性化させるために、溶射処理、粉
砕分級、機械的エネルギーを作用させてもよい。
【0067】「溶射処理方法」としては、セラミックコ
ーティングに適用される溶射技術が応用される。この溶
射技術は、好ましくは溶射粉末が30〜800m/秒の
速度で噴霧されつつ、2000〜16000℃の温度で
溶融されるものであり、プラズマ溶射法、高エネルギー
ガス溶射法、アーク溶射法等が可能である。なお、得ら
れた粉体の比表面積は、0.1〜100m2/g が好ま
しい。
【0068】「分級、粉砕方法」としては、従来公知の
任意の方法が採用され、篩、比重、風力、湿式沈降等に
よる分級、ジェットミル、ロールミル、ボールミルによ
る粉砕などが挙げられる。なお、これらの手段は併用さ
れてもよい。
【0069】「機械的エネルギーによる作用方法」とし
ては、ボール媒体ミル、媒体撹拌型ミル、ローラミル等
が使用され、作用させる機械的エネルギーとしては0.
5kwh/kg〜30kwh/kgが好ましい。なお、
作用する機械的エネルギーが小さいと粉体を活性化しに
くく、大きいと装置への負荷が大きい。
【0070】そして、「フライアッシュ」は、必要に応
じて、焼成されたものでもよい。フライアッシュの焼成
温度は、低いと、フライアッシュの黒色が残り、高い
と、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低くなるので、4
00℃〜1000℃であることが好ましい。
【0071】[アルカリ金属珪酸塩]アルカリ金属珪酸
塩とは、M2O・nSiO2 (M=K,Na,Liから
選ばれる1種以上の金属)で表される塩である。
【0072】このnの値は、小さくなると緻密な発泡体
が得られず、大きくなると水溶液の粘度が上昇し混合が
困難になるので、0.05〜8が好ましく、さらに、好
ましくは0.5〜2.5である。
【0073】また、アルカリ金属珪酸塩は、水溶液で添
加されるのが好ましい。この水溶液の水溶液濃度は、特
に限定されないが、薄くなると反応性無機質粉体との反
応性が低下し、濃くなると固形分が生じやすくなる。そ
こで、アルカリ金属珪酸塩は10〜60重量%が好まし
い。
【0074】この水溶液の添加されたアルカリ金属珪酸
塩水溶液は、アルカリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱
下で水に溶解してもよいが、アルカリ金属水酸化物水溶
液に珪砂、珪石粉などのSiO2 成分をnが所定の量と
なるように加圧、加熱下で溶解してもよい。
【0075】そして、アルカリ金属珪酸塩の量は、少な
くなると硬化が十分になされず、多くなると得られる発
泡体の耐水性が低下する。そこで、アルカリ金属珪酸塩
の量は、反応性無機質粉体100重量部に対して0.2
〜450重量部に限定され、好ましくは10〜350重
量部、さらに、好ましくは20〜250重量部である。
[水]水は、アルカリ金属珪酸塩水溶液として添加され
てもよいし、独立して添加されてもよい。
【0076】また、水の量は、少なくなると十分に硬化
しないとともに、混合が困難となり、多くなると硬化体
の強度が低下しやすくなる。そこで、反応性無機質粉体
100重量部に対して35〜1500重量部に限定さ
れ、好ましくは45〜1000重量部、さらに、好まし
くは50〜500重量部である。
【0077】[発泡剤]発泡剤は、過酸化物(過酸化水
素、過酸化ソーダ、過酸化カリ、過ほう酸ソーダ等)、
金属粉末(Mg,Ca、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリ
コン)等が用いられる。
【0078】この発泡剤は、多すぎると発泡ガスが過剰
となり破泡し、少なすぎると発泡倍率が小さすぎて発泡
体の意味を失う。そこで、発泡剤は0.01〜10重量
部とする。
【0079】また、過酸化水素を発泡剤として用いると
きは、安全性、安定した発泡を考慮すると水溶液として
用いるのが好ましい。
【0080】そして、金属粉末を用いる場合は、安定し
た発泡を得るために、粒径200μm以下であることが
好ましい。
【0081】[発泡助剤]この実施の形態では、硬化性
無機質組成物に必要に応じて発泡助剤が添加されてもよ
い。この発泡助剤としては、例えば、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の脂
肪酸金属塩、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミ
ナ粉末等の多孔質粉体などが挙げられる。
【0082】<原料の添加方法> [発泡助剤の添加]これらのステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の脂肪酸金属
塩、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ粉末等
の多孔質粉体等の発泡助剤は、単独で使用されてもよい
し、2種類以上併用されてもよい。なお、発泡助剤は発
泡を均一に生じさせるものなら特に限定され無い。
【0083】発泡助剤の量は、多くなると組成物の粘度
が上昇し、破泡が発生しやすくなる。そこで、発泡助剤
の量は反応性無機質粉体100重量部に対して10重量
部以下が好ましい。
【0084】[無機質充填材の添加]この実施の形態で
は、硬化性無機質組成物に必要に応じて無機質充填材が
添加されてもよい。
【0085】無機質充填材は、例えば、珪砂、川砂、ジ
ルコンサンド、結晶質アルミナ、岩石粉末、火山灰、シ
リカフラワー、シリカフューム、ベントナイト、高炉ス
ラグ等の混合セメント用混合材、セピオライト、ウォラ
ストナイト、マイカ等の天然鉱物、炭酸カルシウム、珪
藻土などが挙げられる。これらの各無機質充填材は、単
独で添加されてもよいし、2種類以上併用されてもよ
い。なお、無機質充填材は、水に溶解せず、硬化性無機
質組成物の硬化反応を阻害せず、アルカリ金属珪酸塩と
反応しないものであれば特に限定され無い。
【0086】無機質充填材の量は、多くなると得られる
硬化体の強度が低下する。そこで、無機質充填材の量は
反応性無機質粉体100重量部に対して700重量部以
下が好ましい。
【0087】[補強繊維の添加]この実施の形態では、
硬化性無機質組成物に必要に応じて補強繊維が添加され
てもよい。
【0088】補強繊維は、成形体に付与したい性能に応
じ任意のものが使用でき、例えば、ビニロン繊維、ポリ
アミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、
カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、チタン酸カ
リウム繊維、鋼繊維などが使用できる。
【0089】この補強繊維は、繊維径が細くなると、混
合時に再凝集し、交絡によりファイバーボールが形成さ
れやすくなり、最終的に得られる強度が改善されない。
また、繊維径が太くなるか又は短くなると、引張強度の
向上などの補強効果が小さい。そして、繊維径が長くな
ると、繊維の分散性及び配向性が低下する。そこで、補
強繊維の繊維径は繊維径1〜500μm、繊維長1〜1
5mmが好ましい。
【0090】また、補強繊維の添加量は多くなると繊維
の分散性が低下する。そこで、添加量は反応性無機質粉
体100重量部に対して10重量部以下が好ましい。こ
れらの各補強繊維は、単独で添加されてもよいし、2種
類以上併用されてもよい。
【0091】[その他の添加物]この実施の形態では、
硬化性無機質組成物に必要に応じて、アルミナセメン
ト、γ−アルミナ、溶射されたアルミナ、アルミン酸ア
ルカリ金属塩及水酸化アルミニウムを加えてもよい。
【0092】
【第2実施例】無機質粉体としては、メタカオリン(エ
ンゲルハード社製のSATINTONE SP33、平均粒径3.
3ミクロン、比表面積13.9m2/g)100重量部
を用いた。そして、このメタカリオンを、トリエタノー
ルアミン25重量部%、及びエタノール75重量部%の
混合溶液0.5重量部と共に混合して、機械的エネルギ
ーを作用させた。この混合では、ウルトラファインミル
AT−20(三菱重工業社製、ジルコニアボール直径10
mm使用、ボール重点率85体積%)を用い、25kwh
/kgの機械的エネルギーを作用させて、無機質粉体4を
得た。尚、この無機質粉体4を得るために用いた上述の
メタカオリンは、表3では無機質粉体5である。また、
作用させた機械的エネルギーは、ボールミルに供給した
電力を処理粉体単位重量当たりで表した。
【0093】しかも、所定量のnSiO2/M2O(n=
1.5、M=K)をオートクレーブ中において130°
C、7kgf/cm2で所定量の水に溶解させると共に、ワ
ラストナイト、ビニロン繊維、珪石粉、上述の無機質粉
体又はメタカオリン、ステアリン酸亜鉛をオムニミキサ
ーで混合し、無機質硬化性組成物を含む均一なペースト
とした。
【0094】この際、ワラストナイトにはカキウチ
(株)製のものを用い、ビニロン繊維にはクラレ社製、
商品名:RM182×3を用い、珪石粉には増岡窯業原料
(株)製、商品名:錦印磁珪砂を用い、ステアリン酸亜
鉛には堺化学社製、商品名:Sz-2000)を用い、オムニ
ミキサーには千代田技研工業株式会社製のものを用い
た。
【0095】そして、この様な原料を混合して得られた
上述のペーストに発泡剤を添加して更に2分混合し、原
料を発泡剤入りのペースト状態とした。この発泡剤とし
ては、Si(キンセイマテック社製、商品名:#60
0)を用いた。
【0096】この様な無機発泡硬化性混合物のペースト
における各原料の配合は、以下の表2及び表3に示して
ある。
【0097】
【表2】
【表3】 この表2,表3における原料を配合して得たペーストを
成形型(型枠)に流し込んだ後に、成形型の上部開放端
を蓋体で閉成し、混合終了後から時間T1後にペースト
の加熱を開始した。そして、65°C蒸気中で加熱し発
泡・硬化させ無機質発泡体を得た。
【0098】この無機質発泡体は、次の表4,表5の条
件で評価した。尚、表2の配合における混合終了から加
熱開始までの時間T1は表4(実施例1〜7、及び比較例
1,2)に示す通りであり、表3の配合における混合終
了から加熱開始までの時間T1は表5(実施例8〜12、
及び比較例3,4)に示すとおりである。
【0099】
【表4】
【表5】 この表4,表5における独泡性,吸水率,強度維持率等
は、次の(i)〜(iii)に述べる基準で観察や測定,試験を
した。即ち、 (i)独泡性 得られた無機質発泡体は切断面を顕微鏡で観察して判断
し、判断の結果、独泡性が良好であれば○とし、不良で
あれば×、良好と不良の中間であれば△とした。
【0100】(ii)吸水率 12×12×3(cm)のサンプルを10日間水中に浸漬
させた後に重量G1を測定し、その後、サンプルを10
5°Cのオーブン中で24時間乾燥させたときの重量を
G2を測定し、{(G1−G2)/G2}×100の値
を10日後の吸水率とした。
【0101】(iii)耐久試験後の強度維持率(%) 得られた無機質発泡体は、耐久試験として、凍結融解試
験(JIS A 1435 水中凍結水中融解試験)前に圧縮試
験(JIS A 1108)を行うとともに、その後、凍結
融解試験を行った。凍結融解試験後の圧縮強度を凍結融
解試験前の圧縮強度で除して100を掛けることにより
得られた値を強度維持率として表に記載した。
【0102】上述の表4によれば、原料(材料)の混合
終了後から加熱開始までの時間T1を実施例1〜実施例7
でそれぞれ90分,60分,50分,40分,30分,
20分,10分と変化させた場合、独泡性はいずれも良
好の「○」であった。また、吸水率も、10分では3
9,20分では36,30分では35,40分では3
5、50分では32,60分では31、90分では28
であった。更に、耐久試験後の強度維持率は実施例1〜
実施例7とも100%であった。
【0103】これに対して、比較例1では、原料(材
料)の混合終了後から加熱開始までの時間T1を5分とし
た場合、独泡性は不良と良の中間の「△」であった。ま
た、比較例2では、原料(材料)の混合終了後から加熱
開始までの時間T1を1分とした場合、即ち混合終了後に
直ちに加熱した場合、独泡性は不良の「×」であった。
【0104】しかも、比較例2では、吸水率が実施例1
〜実施例7の28〜39に比べて45と高いものであっ
た。更に、比較例1及び比較例2では、耐久試験後の強
度維持率が実施例1〜実施例7の100%に対して90
%及び83%とそれぞれ低いものであった。
【0105】上述の表5によれば、原料(材料)の混合
終了後から加熱開始までの時間T1を実施例8〜実施例1
2でそれぞれ50分,40分,30分,20分,10分
と変化させた場合、独泡性はいずれも良好の「○」であ
った。また、吸水率も、10分では31、20分では3
0、30分では28、40分では26、50分では25
であった。更に、耐久試験後の強度維持率は実施例8〜
実施例12とも100%であった。
【0106】これに対して、また、比較例3では、原料
(材料)の混合終了後から加熱開始までの時間T1を5分
とした場合、独泡性は良好と不良の中間の「△」であっ
たまた、比較例4では、原料(材料)の混合終了後から
加熱開始までの時間T1を1分とした場合、即ち混合終了
後に直ちに加熱した場合、独泡性不良の「×」であっ
た。 比較例3及び比較例4では、吸水率が実施例8〜
実施例12の25〜31に比べて35及び39とそれぞ
れ高いものであった。更に、比較例3及び比較例4で
は、耐久試験後の強度維持率が実施例8〜実施例12の
100%に対して95%及び90%とそれぞれ低いもの
であった。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明は、SiO2-Al23系無機質粉体、アルカリ金属
珪酸塩、水からなる無機質硬化性組成物を加熱して、無
機質硬化体を製造する方法において、前記無機質硬化性
組成物の原料を混合した後、前記無機質硬化性組成物の
加熱開始までの時間を制御するようにしたので、混合後
に昇温を開始することにより短時間で無機質硬化体に十
分な強度を持たせることができる。
【0108】また、請求項2の発明は、前記無機質硬化
性組成物を混合した後に昇温を開始し、昇温開始後20
分以下の時間で60℃以上に加熱するようにしたので、
無機質硬化体に短時間で十分な強度を持たせることがで
きる。
【0109】請求項3の発明は、前記無機質硬化性組成
物を昇温開始後、60°C以上の温度で10分以上保持
するようにしたので、より強度を高めることができる。
【0110】更に、請求項4の発明は、前記無機質硬化
性組成物を発泡性の無機質硬化性組成物として混合した
後、7分経過後に加熱開始する様にしたので、短時間で
独立気泡を生成した高耐久性の無機質発泡体を無機質硬
化体として得ることができる。
【0111】また、請求項5の発明は、前記無機質硬化
性組成物は、SiO2-Al23系無機質粉体100重量
部、アルカリ金属珪酸塩0.2〜450重量部、水35
〜1500重量部からなる構成としたので、無機質硬化
体に短時間で十分な強度を持たせるのに好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機質硬化体を製造するシステムの説明図であ
る。
【図2】実施例及び比較例に基づく加熱温度及びDSC
と時間との関係を示す特性曲線図ある。
【符号の説明】
1…ミキサー 2…ホッパー 3…成形型 4…蓋体 5…冷却乾燥装置 A…反応性無機質粉体 B…アルカリ金属珪酸塩 C…水

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2-Al23系無機質粉体、アルカ
    リ金属珪酸塩、水からなる無機質硬化性組成物を加熱し
    て、無機質硬化体を製造する方法において、 前記無機質硬化性組成物の原料を混合した後、前記無機
    質硬化性組成物の加熱開始までの時間を制御することを
    特徴とする無機質硬化体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記無機質硬化性組成物を混合した後に
    昇温を開始し、昇温開始後20分以下の時間で60℃以
    上に加熱することを特徴とする請求項1に記載の無機質
    硬化体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記無機質硬化性組成物を昇温開始後、
    60°C以上の温度で10分以上保持することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の無機質硬化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無機質硬化性組成物を発泡性の無機
    質硬化性組成物として混合した後、7分経過後に加熱開
    始することを特徴とする請求項1に記載の無機質硬化体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記無機質硬化性組成物は、SiO2-A
    23系無機質粉体100重量部、アルカリ金属珪酸塩
    0.2〜450重量部、水35〜1500重量部からな
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載
    の無機質硬化体の製造方法。
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