JPH10139524A - 無機質組成物およびこの無機質組成物を用いた無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

無機質組成物およびこの無機質組成物を用いた無機質硬化体の製造方法

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JPH10139524A
JPH10139524A JP8296529A JP29652996A JPH10139524A JP H10139524 A JPH10139524 A JP H10139524A JP 8296529 A JP8296529 A JP 8296529A JP 29652996 A JP29652996 A JP 29652996A JP H10139524 A JPH10139524 A JP H10139524A
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inorganic
weight
powder
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JP8296529A
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Zenji Nozaki
善治 野崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全体的に光沢があり、装飾性に優れ、重量が軽
く施工性、運搬性に優れた無機質硬化体を得ることがで
きる無機質組成物およびこの無機質組成物を用いた無機
質硬化体の製造方法を提供することを目的としている。 【解決手段】SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金
属珪酸塩、水からなる配合物100重量部と、モース硬
度が6以上で10μm〜3mmの粒子径のものを90%
以上含有する無機質充填材10〜200重量部とを含む
無機質組成物を、型内に流し込む途中および型内に流し
込んだ後の少なくともいずれかのタイミングで、型に振
動を付与し無機質充填材を沈降させたのち、無機質組成
物を硬化させ、得た硬化物の無機質充填材の沈降側の面
を研磨するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質組成物およ
びこの無機質組成物を用いた無機質硬化体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自然石調の外観を有する人造石と
して、テラゾを代表とするセメントに砕石を混入させた
ものがよく知られており、例えば特開昭57−5761
2号公報には光沢表面を有する砕石を含有するセメント
系人造石(ブロック)の製造方法が開示されている。
【0003】しかし、従来のセメント系人造石は砕石部
分以外は光沢が低く、このため外観的に商品価値の低い
ものになっていた。又、強度も低いため厚みを厚くする
必要があり、どうしても重量が重くなり、施工性、運搬
性に乏しいものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、全体的に光沢があり、装飾性に優れ、重
量が軽く施工性、運搬性に優れた無機質硬化体を得るこ
とができる無機質組成物およびこの無機質組成物を用い
た無機質硬化体の製造方法を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかる無機質組成物は、SiO2
Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる配
合物100重量部と、モース硬度が6以上で10μm〜
3mmの粒子径のものを90%以上含有する無機質充填
材10〜200重量部とを含む構成とした。
【0006】上記構成において、SiO2 −Al2 3
系粉体としては、SiO2 :Al23 =1:9〜9:
1(重量比)のものが使用できるとともに、粉体全体と
してはSiO2 とAl2 3 とが合わせ50重量%以上
含まれているものが望ましい。すなわち、50重量%未
満の含有量だとアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が
低下し、得られる硬化体の強度が低下する恐れがある。
【0007】このようなSiO2 −Al2 3 系粉体と
しては、たとえば、以下の〜のようなものが挙げら
れ、これらが単独で用いられたり、併用される。 粒子径10μm以下の粒子を80重量%以上含有す
るフライアッシュ 粒子径10μm以下の粒子を80重量%以上含有す
る脱色フライアッシュ
【0008】 フライアッシュや粘土を溶融し気体中
に噴霧することによって得られる無機質粉体 粘土に0.1〜30kwh/kgの機械的エネルギ
ーを作用させて得られる無機質粉体 の粉体を更に100〜750℃で加熱することに
よって得られる無機質粉体
【0009】 メタカオリンに0.1〜30kwh/
kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉
体 コランダム或いはムライト製造時の電気集塵機の灰 粉砕仮焼ボーキサイト メタカオリン
【0010】なお、通常のフライアッシュとは、JIS
A 6201に規定される、微粉炭燃焼ボイラーから
集塵機で採取する微小な灰の粒子の、SiO2 40%以
上、湿分1%以下、比重1.95以上、比表面積270
0cm2 /g以上、44μm標準ふるいを75%以上通
過するものである。そして、のフライアッシュは、こ
の通常のフライアッシュを、例えば湿式沈降分級、風力
分級、比重による分離等通常行われている分級機を用い
て分級する方法、ジェットミル、ロールミル、ボールミ
ル等の微粉砕機をも用いて粉砕する方法、分級機と粉砕
機の連続システムを用いる方法等の従来公知の方法で処
理することによって得ることができる。
【0011】また、のフライアッシュのように、粒子
径10μm以下の粒子を80重量%以上含有しなければ
ならない理由は、粒子径10μm以下のフライアッシュ
の量が80重量%を下回るとアルカリ金属珪酸塩水溶液
との反応性が低下し、強度低下を生じたり、硬化不良を
生じる恐れがあるためである。
【0012】上記の脱色フライアッシュは、のフラ
イアッシュを400〜1000℃で焼成するか、通常の
フライアッシュを400〜1000℃で焼成したのち、
のフライアッシュと同様の方法で得ることができる。
すなわち、フライアッシュは一般に黒色であり、この黒
色のフライアッシュを上記のように400℃以上の温度
での焼成すると、脱色できる。しかし、1000℃を超
える温度で焼成すると、アルカリ金属珪酸塩水溶液との
反応性が低下するので、上記温度範囲で焼成することが
望ましい。
【0013】の無機質粉体は、フライアッシュや粘土
を溶融し、気体中に噴霧することによって得ているが、
気体中に溶融・噴霧する方法として、セラミックコーテ
ィングに適用される溶射技術、好ましくは上記フライア
ッシュ及び粘土が2000〜16000℃の温度で溶融
され、30〜80m/sの速度で噴霧される溶射技術、
具体的には、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶射
法、アーク溶射法などが挙げられる。
【0014】上記溶射技術によって得られるの無機質
粉体は、一般にその比表面積が0.1〜60m2 /gに
コントロールされる。
【0015】上記の無機質粉体およびの無機質粉体
の原料となる粘土としては、化学組成としてSiO2
5〜85重量%、Al2 3 ;90〜10重量%を含有
する粘土、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナク
ライト、ハロイサイト等のカオリン鉱物、白雲母、イラ
イト、フェンジャイト、海緑石、セラドナイト、パラゴ
ナイト、ブランマライト等の雲母粘土鉱物、モンモリロ
ナイト、バイデライト、ノントロナイト、サボナイト、
ソーコナイト等のスメクタイト、緑泥岩、パイロフィラ
イト、タルク、ばん土頁岩が挙げられる。
【0016】〜の無機質粉体製造時に用いられる機
械的エネルギーとは、圧縮力、剪断力、衝撃力を意味
し、これらは単独で作用させてもよいし、2種以上を複
合させてもよい。これらを具体的に作用させる機器とし
ては、例えば、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体
攪拌型ミル、ローラミル、乳鉢、ジェット粉粉砕装置等
が挙げられる。
【0017】上記〜の無機質粉体製造に使用される
粘土及びメタカオリンの粒子径は特に限定されないが、
機械的エネルギーを有効に作用させるには平均粒子径が
0.01〜500μmが好ましく、更に好ましくは0.
1〜500μmが好ましく、特に好ましくは0.1〜1
00μmである。
【0018】〜の無機質粉体製造時に加えられる機
械的エネルギーが0.1kwh/kg未満であると、得
られた無機質粉体のアルカリ金属珪酸塩水溶液との反応
性が低下し、30kwh/kgを超えると、上記粉砕装
置への負荷が大きくなり、装置の摩耗、損傷が増大し、
上記粘土への不純物等の問題が発生するので、0.1〜
30kwh/kgに限定され、好ましくは1.0〜26
kwh/kgで作用させる。
【0019】又、上記のメタカオリンに作用させる機
械的エネルギーを0.1〜30kwh/kgに限定して
いる理由も上記及びの場合と同様である。なお、機
械的エネルギーを作用させる際に、必要に応じて粉砕助
剤を添加するようにしても構わない。
【0020】粉砕助剤とは、機械的エネルギーを作用さ
せる際に粘土乃至メタカオリンの粉体の装置内部への付
着あるいは著しい凝集を防ぐもので、例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール等の、アルコール類、トリ
エタノールアミン等のアルコールアミン類、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸
類、アセトン蒸気等が挙げられる。これらは単独で使用
されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0021】の無機質粉体は、粘土に蒸気機械的エネ
ルギーを作用させた後、更に、100〜750℃に加熱
して得られるが、これは加熱により、機械的強度の向上
が認められるためで、加熱温度が100℃未満である
と、強度向上が認められなくなり、750℃を超えると
無機質粉体の結晶化が生じ、アルカリ金属珪酸塩水溶液
に対する反応性が低下するので、100〜750℃に限
定され、好ましくは200〜600℃に限定される。ま
た、加熱時間は短くなると、得られる硬化体の機械的強
度の向上が小さく、長くなるとエネルギーコストが増大
するので1分〜5時間が望ましい。
【0022】およびの無機質粉体は、特公平3−9
060号公報や特公平4−45471号公報に記されて
いるような粉体のことである。のメタカオリンは、市
販のものが使用できる。
【0023】本発明において使用されるアルカリ金属珪
酸塩とは、M2 O・nSiO2 (M=K,Na,Liか
ら選ばれる1種以上の金属)で表される珪酸塩であっ
て、nの値は小さくなると良好な外観の硬化体が得られ
ず、大きくなるとゲル化が生じ易くなるため、0.05
〜8が望ましく、更に好ましくは、0.5〜2.5であ
る。
【0024】アルカリ金属珪酸塩は水溶液の形にして添
加されることが好ましい。また、水溶液とした時、その
濃度が薄くなるとSiO2 −Al2 3 粉体との反応性
が低下し、濃度が高くなるとアルカリ金属の塩が生成し
易くなるので、濃度を10〜60重量%とすることが望
ましい。アルカリ金属珪酸塩水溶液はアルカリ金属珪酸
塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解してもよいが、ア
ルカリ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪石粉等のSiO2
成分をnが所定の量となるように加圧、加熱下で溶解し
てもよいし、市販のアルカリ金属珪酸塩水溶液を金属水
酸化物と水で所定の組成に調整して使用してもよい。
【0025】アルカリ金属珪酸塩の添加量は少なくなる
と硬化が十分になされず、多くなると得られる硬化体の
耐水性が低下するのでSiO2 −Al2 3 系粉体10
0重量部に対し1〜300重量部に限定され、好ましく
は、10〜250重量部である。
【0026】本発明で使用される水は、全配合量をアル
カリ金属珪酸塩の水溶液として添加されてもよいし、ア
ルカリ金属珪酸塩の水溶液と独立した水の両方の形態で
添加されてもよい。水の配合量は、少なくなると十分に
硬化せず、多くなると硬化体の強度が低下するので、S
iO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し10〜1
000重量部、好ましくは10〜750重量部、更に好
ましくは、50〜500重量部である。
【0027】本発明に使用されるモース硬度が6以上の
無機質充填材としては、黄玉、アルミナ、アルミナ・ジ
ルコニア,エメリー,ガーネット,ジルコニア,ジルコ
ン,珪砂,長石等が挙げられる。これらの無機質充填材
は、細かすぎると光沢が得られず大きすぎると均一な光
沢面が得られないため、10μm〜3mmの粒子径を有
するものが90%以上、望ましくは15μm〜2mmの
粒子径を有するものが90%以上となる粒子径分布をも
つものが好適に用いられる。
【0028】これらの無機質充填材は添加量が少ないと
光沢がでず、多くなると機械的強度の低下が生じるの
で、SiO2 −Al2 3 系粉体,アルカリ金属珪酸
塩、水からなる配合物100重量部に対し、10重量部
以上200重量部以下、望ましくは20重量部以上15
0重量部以下が好ましい。
【0029】本発明の無機質組成物には、上記以外に、
必要に応じて、化粧用骨材、無機質充填材、補強繊維、
軽量骨材、顔料、発泡剤、発泡助剤、起泡剤等を添加す
ることができる。化粧用骨材としては、大理石・蛇紋岩
・御影石等の砕石、玉石や玉砂利、寒水石等の通常のテ
ラゾに使用される骨材が使用できる。添加量としては、
SiO2−Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩、水
からなる配合物100重量部に対し100重量部以下が
望ましい。すなわち、添加量が100重量部を超えると
機械的強度の低下が生じる恐れがある。
【0030】無機質充填材としては、岩石粉末、火山灰
(シラス、抗火石等)、珪灰石、炭酸カルシウム、珪石
粉、けいそう土、雲母、マイカ、シリカフューム等が使
用できる。配合量としては、SiO2 −Al2 3 系粉
体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる配合物100重量
部に対しモース硬度が6以上の無機質充填材と合わせて
200重量部以下が望ましい。200重量部を超えると
機械的強度の低下が生じる恐れがある。
【0031】補強繊維としては、通常のセメント製品に
使用される補強繊維が使用でき、ポリプロピレン、ビニ
ロン、レーヨン、耐アルカリガラス、炭素、アクリル、
アラミド、アクリルニトリル等の繊維を単独又は混合し
て使用できる。繊維形状としては繊維径1〜500μ
m、繊維長1〜15mmが望ましい。すなわち、繊維径
が1μm未満だと混合時にファイバーボールを形成し、
強度低下を生じやすくなり、500μmを超えたり、繊
維長が1mm未満だと引っ張り強度向上等の補強効果が
期待できない。また、繊維長が15mmを超えると分散
性が低下し、均一な強度を有する硬化体が得られなくな
る。
【0032】補強繊維の添加量としては、SiO2 −A
2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる配合
物100重量部に対し、2重量部以下が望ましい。2重
量部を超えると繊維の分散性が低下する恐れがある。軽
量骨材としては、パーライト、ガラスバルーン、シリカ
バルーン、フライアッシュバルーン、シラス発泡体等の
無機質発泡体ヤフェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエ
チレン、ポリスチレン等の有機質発泡体が使用できる。
【0033】軽量骨材の添加量としては、SiO2 −A
2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる配合
物100重量部に対し、20重量部以下が望ましい。2
0重量部を超えると強度低下や表面平滑性の低下あるい
は成形作業性の低下が生じる恐れがある。
【0034】顔料としては酸化鉄や酸化チタン、酸化コ
バルト等の金属酸化物系顔料やカーボンブラックが望ま
しい。顔料の添加量としては、SiO2 −Al2 3
粉体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる配合物100重
量部に対し、5重量部以下が望ましい。5重量部を超え
ても、隠蔽力が向上せず不経済である。
【0035】発泡剤としては、Mg、Ca、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、S
n、Si、フェロシリコン等の金属系粉末、過酸化水素
水や過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過硼酸ナトリ
ウム等の過酸化物系粉末が挙げられ、コスト、安全性、
入手の容易さ、混合の容易さ等を考慮すると、Al、過
酸化水素水が好ましい。
【0036】発泡剤の粉末としては、1〜200μmの
粒子径のものが望ましい。すなわち、粒子径が1μmよ
りも小さいと分散性が低下するとともに、急速発泡して
しまい、200μmよりも大きいと反応性が低下してし
まう恐れがある。発泡剤の添加量(溶液は100%換
算)は、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪
酸塩、水からなる配合物100重量部に対し、1重量部
以下が望ましい。すなわち、1重量部を超えると強度の
低下が著しく、成形体のハンドリング等ができなくな
る。
【0037】発泡助剤としては、シリカゲル、ゼオライ
ト、活性炭、アルミナゲル等の多孔質粉体やステアリン
酸金属塩、パルミチン酸金属塩などの金属石鹸などが挙
げられる。発泡助剤の添加量としては、SiO2 −Al
2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩、水からなる配合物
100重量部に対し2重量部以下が望ましい。2重量部
よりも多くなると破泡等を生じる恐れがある。
【0038】起泡剤としては、高級アルコール硫酸エス
テル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、芳香族誘導
体スルホン酸塩、イミダゾリン誘導体、脂肪酸アミド、
動物蛋白系が使用できる。起泡剤の添加量としては、S
iO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩、水か
らなる配合物100重量部に対し2重量部以下が望まし
い。2重量部よりも多くなると硬化不良を生じ易くな
る。
【0039】本発明の無機質組成物より成形体を得るに
は、まず、調製したアルカリ金属珪酸塩水溶液とSiO
2 −Al2 3 系粉体モース硬度が6よりも大きい粒子
及び必要に応じて充填材、補強繊維、軽量骨材、発泡
剤、起泡剤を混合し、注型成形により、所望の形に賦形
し、硬化させればよい。なお、発泡剤を使用する場合、
混合工程の最後に添加したほうが作業性や気泡の安定性
の面で有利である。
【0040】また、起泡剤を用いた場合は、起泡剤を最
後に添加するか或いは起泡剤以外の原料でスラリーを作
り、起泡剤と水で気泡を生成させた水溶液と混合する方
法が好ましい。水溶液として使用する場合、起泡剤濃度
は、0.1〜5%が望ましい。すなわち、起泡剤が0.
1%よりも少ないと泡の安定性が悪く破泡してしまい、
5%よりも多いと硬化不良を生じる。
【0041】上記無機質組成物を混合して得るには、パ
ドル回転型混合機、揺動式混合機、スクリュー式混合機
等の通常の混合機が使用できる。混合方法としては、粉
体原料を乾式混合しておいて、得られた混合物にさらに
アルカリ金属珪酸塩水溶液を添加し混合する方法、全原
料を同時に供給して混合する方法、アルカリ金属珪酸塩
水溶液と一部粉体原料を混合し、順次残りの原料を添加
して混合する方法のいずれでも構わない。
【0042】付与する振動の強さは、0.5〜100
G、望ましくは1〜50Gである。すなわち、振動の強
さが0.5G未満だと振動付与によるモース硬度6以上
の粒子の沈降が生じにくくなり、均一な光沢面が得られ
難くなる恐れがあり、100G以上の振動を付与するの
は機械的に困難であり、成形作業上危険な作業となる。
【0043】振動の方向としては、鉛直方向、水平方向
・三次元のどの振動でも利用できる。振動の付与方法と
しては、特に限定されないが、たとえば、テーブルバイ
ブレーター上に型をセットし型に振動を付与する方法、
型枠にバイブレーターを取り付けて振動を付与する方
法、或いはスラリー自体に振動を付与する方法等が挙げ
られる。
【0044】振動付与時間は、3秒〜1時間が好まし
く、10秒〜50分がより好ましい。すなわち、振動付
与時間が5秒よりも短いと振動効果が十分でなく、1時
間より長くしても効果の向上がなく、不経済である。
【0045】無機質組成物の型への流し込みは、自然落
下式で流し込んでもよいし、ポンプ等によって強制的に
流し込んでもよい。スラリーの流し込みが終了すれば硬
化を行う。硬化は常温で行ってもよいが、50〜200
℃に加熱した状態で硬化させることが好ましい。すなわ
ち、加熱により、硬化反応を促進でき、短時間で硬化を
終了することが可能となる。
【0046】硬化を終了した後に成形体表面を研磨する
が、研磨方法としては、砥石やサンドペーパーを使用し
て、通常の機械や手動で研磨する方法が好ましく、乾式
でも湿式でも構わない。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。図1は、本発明にかかる無機質硬化体の
製造方法の実施の形態をあらわしている。
【0048】図1に示すように、この製造方法は、ま
ず、予め、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属
珪酸塩、水からなる配合物100重量部と、モース硬度
が6以上で10μm〜3mmの粒子径のものを90%以
上含有する無機質充填材10〜200重量部とを含むよ
うに調製された無機質組成物1を、金型2に入れ、所望
の形状に成形するとともに、金型2を下側から受けるよ
うに配置されたテーブルバイブレータ3を1〜50Gで
振動させ、図2に示すように、無機質組成物1中に含ま
れている無機質充填材11を金型2の成形体の表面側と
なる底側に沈降させる。
【0049】そして、所定の振動を与えたのち、無機質
組成物を硬化させ、硬化後、金型2から取り出した成形
体の表面(金型2の底側の面)を研磨装置(図示せず)
によって研磨して本発明の無機質硬化体を得ることがで
きる。すなわち、この製造方法によれば、硬化物質とし
て、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸
塩、水からなる配合物を用いたので、硬化物質としてセ
メントを用いた従来のものに比べ高強度になり、薄型化
でき、軽量で取扱い性の硬化体が得られる。
【0050】しかも、この配合物が硬化したものは、研
磨するとセメントの硬化体に比べ光沢のあるものとな
る。したがって、均一な光沢面を有する硬化体を容易に
得ることが可能となる。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。まず、以下のようにして2種類のSiO2 −Al2
3 系粉体A,Bを用意した。
【0052】〔SiO2 −Al2 3 系粉体A〕メタカ
オリン(エンゲルハード社製、商品名:SATENTO
NESP33、平均粒子径3.3μm、BET比表面
積:5.8m2 /g)を使用した。
【0053】〔SiO2 −Al2 3 系粉体B〕SiO
2 −Al2 3 系粉体A100重量部及びトリエタノー
ルアミン25重量%とエタノール75重量%の混合溶液
0.5重量部を、ウルトラファインミル(三菱重工社
製、ジルコニアボール10mm使用、ボール充填率85
体積%)に供給し、10kwh/kgの機械的エネルギ
ーを作用させSiO2 −Al2 3系粉体Bを得た。な
お、作用させた機械的エネルギーは上記ウルトラファイ
ンミルに供給した電力を処理粉体単位重量で除して求め
た。
【0054】つぎに、JIS1号珪酸ナトリウム水溶液
(日本化学工業(株)製)、1K珪酸カリウム水溶液
(日本化学工業(株)製)、アルカリ金属水酸化物(和
光純薬(株)製)と水を用いて表1に示すアルカリ金属
珪酸塩水溶液,を調製するとともに、表2に示す無
機質充填材1〜5を用意した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】(実施例1〜3,比較例1,2)表3に示
す配合割合でSiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金
属珪酸塩水溶液をオムニミキサに入れ、表3に示す混合
時間で混合して無機質組成物I〜Vを得た。
【0058】
【表3】
【0059】表4に示すように、無機質組成物I〜Vの
いずれかをテーブルバイブレータ(エクセン社製HTV
1000×1000)上に載せた金型に入れるととも
に、表4に示す振動条件で金型を振動させたのち、表4
に示す硬化時間および硬化温度で硬化させ、10×10
0×100mmの成形体を得た。そして、金型から取り出
した成形体の金型の底側の面を表4に示すサンドペーパ
ーをセットした研磨機(マキタ社製サンダ9036)に
よって表4に示す研磨時間で研磨して、無機質硬化体の
試料を得た。なお、金型としては、厚み3mmのステン
レス鋼板(SUS304)で補強したニトリルゴム(N
BR)製の金型を用いた。
【0060】
【表4】
【0061】実施例1〜3および比較例1,2で得られ
た試料の光沢度を目視および60度光沢反射率により評
価し、その結果を表5に示した。
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】本発明にかかる無機質組成物およびこの
無機質組成物を用いた無機質硬化体の製造方法は、以上
のようになっており、全体的に光沢があり、装飾性に優
れ、重量が軽く施工性、運搬性に優れた無機質硬化体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無機質硬化体の製造方法の実施
の形態をあらわす断面図である。
【図2】振動付与後の型内の無機質組成物の状態を模式
的にあらわした説明図である。
【符号の説明】
1 無機質組成物 11 無機質充填材 2 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 20:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金
    属珪酸塩、水からなる配合物100重量部と、モース硬
    度が6以上で10μm〜3mmの粒子径のものを90%
    以上含有する無機質充填材10〜200重量部とを含む
    無機質組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の無機質組成物を、型内に
    流し込む途中および型内に流し込んだ後の少なくともい
    ずれかのタイミングで、型に振動を付与し無機質充填材
    を沈降させたのち、無機質組成物を硬化させ、得た硬化
    物の無機質充填材の沈降側の面を研磨する無機質硬化体
    の製造方法。
JP8296529A 1996-11-08 1996-11-08 無機質組成物およびこの無機質組成物を用いた無機質硬化体の製造方法 Pending JPH10139524A (ja)

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