JPH10165969A - 半導体製造工程回収水の処理方法 - Google Patents

半導体製造工程回収水の処理方法

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JPH10165969A
JPH10165969A JP32534696A JP32534696A JPH10165969A JP H10165969 A JPH10165969 A JP H10165969A JP 32534696 A JP32534696 A JP 32534696A JP 32534696 A JP32534696 A JP 32534696A JP H10165969 A JPH10165969 A JP H10165969A
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ascorbic acid
water
semiconductor manufacturing
manufacturing process
recovered water
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JP32534696A
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Noboru Yamada
登 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後段の好気性生物処理に悪影響を及ぼすこと
なく、半導体製造工程の回収水中の残留塩素を効率的に
除去する。 【解決手段】 半導体製造工程の回収水にアスコルビン
酸及び/又はその塩を添加する。 【効果】 アスコルビン酸は、重亜硫酸ソーダでは還元
されない、回収水中のクロルアミンをCl- に還元して
脱塩素することができる。しかも、アスコルビン酸及び
その反応生成物は生物処理に悪影響を及ぼすことはな
く、生物処理で分解除去されるため、更に後段の脱塩装
置にも影響はない。アスコルビン酸の添加量はORPに
より容易に制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造工程回収
水の処理方法に係り、特に、半導体製造工程から回収さ
れる使用済超純水の生物処理に先立ち、生物処理の阻害
因子となる残留塩素を効率的に除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工場では超純水と呼ばれるH
2 Oに限りなく近い高純度の水が洗浄水として大量に使
用されている。これらの工場では、水の利用効率を高め
るために、使用済み超純水を回収し、再度超純水の純度
まで高めて再利用している。
【0003】この半導体製造工程の回収水(以下、単に
「回収水」と称す場合がある。)には、酢酸、イソプロ
ピルアルコール,フッ酸(HF),アンモニア(N
4 +),過酸化水素(H2 2 ),硫酸(H2 SO4
等が数〜数百ppm程度含有されている。従って、従来
の回収水の処理システムでは、生物処理装置において、
微量有機物濃度でも生息可能な貧栄養性微生物による活
性汚泥処理を行って回収水中の有機物を分解した後、限
外濾過(UF)又は精密濾過(MF)膜分離装置で菌体
分離し、その後、逆浸透(RO)膜分離装置及びイオン
交換純水装置で脱塩処理している。そして、この脱塩処
理水を、凝集・沈澱・濾過の前処理装置、RO膜分離装
置、イオン交換純水装置及び脱気装置からなる純水製造
部と、UF膜分離装置等を備えるサブシステム部とで構
成される超純水システムの脱気装置の前段に送給して処
理することにより超純水まで純度を高めている。
【0004】しかし、回収水中には、更に塩素が含有さ
れており、この塩素が生物処理における微生物を死滅さ
せる要因となるため、生物処理に先立ち、これを除去す
る必要がある。特に、回収水中の塩素はアンモニウムイ
オン(NH4 + )と反応してクロルアミン(NH2
l,NHCl2 ,NCl3 )としても存在し、このクロ
ルアミンもまた、微生物を死滅させる要因となるため、
回収水の生物処理に当っては、クロルアミンもまた除去
する必要がある。
【0005】従来、水中の脱塩素方法としては、 重亜硫酸ソーダによる一般排水の脱塩素 アスコルビン酸による水道水の脱塩素 が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来にお
いて、一般排水や水道水の脱塩素方法については、提案
がなされているが、比較的純度が高く、超純水製造工程
の原水として処理される半導体製造工程の回収水の脱塩
素方法として有効な方法は提案されていない。
【0007】特に、回収水中には、塩素とNH4 + との
反応で生成したクロルアミンが存在するが、このクロル
アミンを除去するための有効な手段は提案されていな
い。
【0008】例えば、従来の脱塩素方法のうち、重亜硫
酸ソーダを回収水の脱塩素に用いた場合には、重亜硫酸
ソーダはクロルアミンを還元することができないため、
脱塩素を行うことができない。この場合には、クロルア
ミンが微生物を死滅させるのみならず、重亜硫酸ソーダ
自体も微生物に対し毒性を持つため、後工程に好気性生
物処理を適用し得ない。しかも、重亜硫酸ソーダの添加
は、更に後段の脱塩装置や膜分離装置の負荷となり、こ
れらを劣化させるという問題もある。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、半導
体製造工程の回収水中の残留塩素を効率的に除去するこ
とができ、しかも後段の好気性生物処理に悪影響を及ぼ
すことがない半導体製造工程回収水の処理方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の半導体製造工
程回収水の処理方法は、半導体製造工程の回収水にアス
コルビン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とす
る。
【0011】本発明者は、半導体製造工程の回収水の脱
塩素薬剤に要求される特性について次のような検討を行
った。
【0012】即ち、微生物の生息阻害因子として、塩素
とクロルアミンを含有する半導体製造工程の回収水を脱
塩素処理するためには、塩素及びクロルアミンを還元す
ることができる還元剤を用いる必要がある。
【0013】しかも、この還元剤が後段の好気性生物処
理や脱塩装置、膜分離装置で悪影響を及ぼさないように
するためには、後段の好気性生物処理において悪影響を
及ぼさず、還元反応後の還元剤及び過剰の還元剤が当該
好気性生物処理で除去可能であり、更に後段の脱塩装置
や膜分離装置にも影響を及ぼすことのない還元性有機物
を適用するのが望ましい。
【0014】しかして、本発明者は、上記条件を満たす
還元剤として、アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩が
有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩であ
れば、塩素のみならず、重亜硫酸ソーダでも還元し得な
いクロルアミンをも有効にCl- に還元して脱塩素処理
することができる。
【0016】しかも、アスコルビン酸及びアスコルビン
酸塩は、食品添加物でもあり、生物処理に何ら悪影響を
及ぼすことがない。また、アスコルビン酸は、下記のよ
うな還元反応によりデヒドロアスコルビン酸となるが、
このアスコルビン酸及びデヒドロアスコルビン酸は共
に、後段の生物処理で分解除去することができ、更に、
後段の脱塩装置や膜分離装置に影響を及ぼすことはな
い。
【0017】
【化1】
【0018】なお、アスコルビン酸及びアスコルビン酸
塩もまた、還元性であることから、水中の溶存酸素を消
費するため、大量に残留することは、後段の好気性生物
処理に致命的な悪影響を及ぼすことはないにせよ好まし
いものではない。しかし、アスコルビン酸及びアスコル
ビン酸塩は、ORP(酸化還元電位)により容易かつ的
確にその添加量の制御を行うことができるため、過剰の
注入を防いで経済的な運転が可能であるのみならず、ア
スコルビン酸やアスコルビン酸塩の残留による溶存酸素
濃度の低下も最小限に抑えることができる。
【0019】請求項2の半導体製造工程回収水の処理方
法は、半導体製造工程の回収水にアスコルビン酸及び/
又はその塩を添加した後、生物処理することを特徴とす
るものであり、アスコルビン酸及び/又はその塩によ
り、半導体製造工程回収水から生物反応の阻害因子であ
る塩素及びクロルアミンを除去した後、効率的な生物処
理を行える。
【0020】請求項3の半導体製造工程回収水の処理方
法は、半導体製造工程回収水を分割する第1の工程と、
2分割した回収水の一方にアスコルビン酸及び/又はそ
の塩を添加する第2の工程と、第2の工程の処理水に第
1の工程で2分割した他方の回収水を混合する第3の工
程とを備え、前第2の工程におけるアスコルビン酸の添
加量を第2の工程においてアスコルビン酸及び/又はそ
の塩が添加された水のORPにより制御することを特徴
とするものであり、この方法によれば、ORPによりア
スコルビン酸及び/又はその塩の添加量を容易かつより
的確に制御できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0022】本発明においては、まず、回収水、即ち、
半導体製造工程から回収された使用済超純水を反応槽に
導入して、アスコルビン酸及び/又はその塩を添加し、
回収水中の塩素を還元することで脱塩素処理する。な
お、アスコルビン酸塩としては、アスコルビン酸のナト
リウム塩等を用いることができる。
【0023】アスコルビン酸及び/又はその塩の添加量
は、塩素(Cl2 )濃度の1モル倍以上であればよく、
特に1〜1.3モル倍、例えば、1.2モル倍程度とす
るのが好ましい。通常の回収水の場合、この添加量は、
回収水に対して、アスコルビン酸及び/又はその塩を5
0〜100mg/L程度である。
【0024】回収水にアスコルビン酸及び/又はその塩
を添加した後は、常法に従って、貧栄養性微生物により
好気性生物処理し、更に、UF又はMF膜分離装置で菌
体分離し、その後、RO膜分離装置及びイオン交換純水
装置で脱塩処理する。そして、この脱塩処理水を、凝集
・沈澱・濾過の前処理装置、RO膜分離装置、イオン交
換純水装置及び脱気装置からなる純水製造部と、UF膜
分離装置等を備えるサブシステム部とで構成される超純
水システムの脱気装置の前段に送給して処理することに
より超純水まで純度を高める。
【0025】この好気性生物処理において、余剰のアス
コルビン酸及び/又はアスコルビン酸塩や、還元反応後
のアスコルビン酸及び/又はアスコルビン酸塩、即ちデ
ヒドロアスコルビン酸及び/又はデヒドロアスコルビン
酸塩は、分解除去される。また、アスコルビン酸及び/
又はアスコルビン酸塩による還元で生成したCl- は、
更に後段の脱塩装置で除去される。このため、回収水を
効率的に高純度水として循環再使用することができる。
【0026】なお、アスコルビン酸及び/又はその塩の
過剰添加は、前述の如く、後段の生物処理に好ましくな
いが、請求項3の方法によれば、アスコルビン酸及び/
又はその塩の添加量をORPにより容易かつ的確に制御
してアスコルビン酸及び/又はその塩の適正添加を行え
る。
【0027】以下に図面を参照して請求項3の半導体製
造工程回収水の処理方法を説明する。なお、以下におい
て、アスコルビン酸及び/又はその塩として、アスコル
ビン酸を添加した場合を説明する。
【0028】図1は請求項3の半導体製造工程回収水の
処理方法の実施の形態を示す系統図である。
【0029】この方法においては、ポンプP1 で導入さ
れる原水(半導体製造工程回収水)を2分割し、2分割
した原水の一方(「第1流分」と称す。)を、定流量弁
1により、撹拌機1A、ORP計1B及びこのORP
計1Bに連動するポンプP2を備えるアスコルビン酸添
加手段1Cが設けられた第1反応槽1に導入し、アスコ
ルビン酸を添加して撹拌混合する。
【0030】この第1反応槽1の流出水は、次いで撹拌
機2Aを備える第2反応槽2に導入する。この第2反応
槽2には、前記2分割した原水の他方(「第2流分」と
称す。)が定流量弁F2 より導入されており、第1反応
槽1でアスコルビン酸が添加された第1流分と、アスコ
ルビン酸が添加されていない第2流分(即ち、半導体製
造工程回収水)とが混合される。第2反応槽2の流出水
は系外へ排出され、後段の生物処理工程等へ送給され
る。
【0031】以下に、本発明におけるORP制御の原理
を説明する。
【0032】アスコルビン酸と塩素又はクロルアミンと
の反応は、ほぼ1:1のモル比で進行する。半導体製造
工程回収水(アスコルビン酸を添加する前の半導体製造
工程回収水のORPはpH6.7〜7.0のとき通常約
500mVである。)にアスコルビン酸を添加し、pH
を6.7〜7.0に調整した場合、ORPはアスコルビ
ン酸の添加量の増加と共に低下し、回収水中の塩素及び
クロルアミンの合計1モルに対して2モル以上のアスコ
ルビン酸を添加したときに、ORPは通常約200mV
で一定となる。ただし、2モル以上のアスコルビン酸の
添加によりORPが一定となるときのORP値は、回収
水の性状により異なるため、予めビーカーテスト等によ
り確認する必要がある(なお、アスコルビン酸と塩素又
はクロルアミンとが等当量比のとき、ORPは約300
mVであるが、このときのORPはアスコルビン酸の添
加量のわずかの変動で大きく変動するため、この等当量
比でのORP制御は困難である。)。
【0033】従って、原水(回収水)の全量についてア
スコルビン酸を添加してORP約200mVを指標とし
て制御を行った場合には、原水中の塩素及びクロルアミ
ンの合計に対して、反応に必要なアスコルビン酸の約2
倍量のアスコルビン酸を添加することとなる。
【0034】本発明では、原水を2分割し、第1流分に
ついてのみアスコルビン酸を添加し、このアスコルビン
酸の添加量をORP約200mVを指標として制御す
る。例えば、図1において、ORPの指標を200〜2
20mVとし、ORP220mV以上でアスコルビン酸
注入、ORP200mV以下で注入停止というように、
ORP計1Bに連動するアスコルビン酸添加手段1Cで
アスコルビン酸の添加を制御する。この第1流分に対す
るアスコルビン酸のORP制御では、第1流分中の塩素
及びクロルアミンの合計の2倍量のアスコルビン酸が添
加されており、アスコルビン酸が過剰となっている。こ
のアスコルビン酸過剰の流分に第2流分(アスコルビン
酸を添加していない原水)を添加混合することにより、
該過剰のアスコルビン酸で第2流分中の塩素及びクロル
アミンを還元することができ、従って、得られる処理水
は、塩素及びクロルアミンがほぼ完全に還元により除去
され、かつアスコルビン酸の残留も殆どないものとする
ことができる。
【0035】なお、このORP制御に当っては、pH変
化によるORPの変動を防止するために、第1反応槽1
に更にNaOH等のアルカリ添加手段とpH計とを設
け、反応槽内液のpHを一定(後に生物処理装置を設け
る場合好ましくは6.7〜7.0)に調整する必要があ
る。
【0036】アスコルビン酸を塩素及びクロルアミンの
合計の2モル倍以上添加したときにORPが約200m
Vでほぼ一定となる理由の詳細は明らかではないが、前
記化1で示すアスコルビン酸の還元作用(アスコルビン
酸自体は酸化される。)が一般的に次のような経路で起
きることによるものと考えられる。即ち、第1段階とし
てアスコルビン酸2分子が塩素又はクロルアミンと反応
してまずモノデヒドロアスコルビン酸2分子を生じ、第
2段階として、更にこのラジカル2分子が不均化反応に
よりアスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸各1分子
を生成する。このように、反応の第1段階で、塩素及び
クロルアミンの2モル倍のアスコルビン酸が反応に関与
するため、ORPはアスコルビン酸が塩素及びクロルア
ミンの合計の2モル倍以上となったときに一定となるも
のと考えられる。
【0037】請求項3の方法により、アスコルビン酸の
添加量を過不足なく制御する場合、2分割した原料のう
ちアスコルビン酸を添加する第1流分と、アスコルビン
酸を添加した第1流分と混合する第2流分との量比は、
原理的には1:1であるが、アスコルビン酸の不足によ
る塩素及びクロルアミンの残留を防止するために、第1
流分を第2流分より多めに設定するのが好ましい。
【0038】通常の場合、第1流分と第2流分との量比
は、好ましくは第1流分:第2流分=1/2〜6/1
0:1/2〜4/10(容量比)、より好ましくは約
0.52:約0.48である。
【0039】
【実施例】以下に実施例、比較例及び参考例を挙げて本
発明をより具体的に説明する。なお、以下において、塩
素濃度はo−トリジン法により測定した。
【0040】実施例1 純水に(NH4 2 SO4 ,NaOCl及びNaFを添
加して、下記水質の合成回収水を調製した。
【0041】合成回収水水質 (NH4 2 SO4 :220mg/L 塩素:3mg−Cl2 /L NaF:35mg/L この合成回収水にアスコルビン酸を表1に示す割合で添
加すると共に、NaOHでpHを6.7〜7.0に調整
し、白金電極でORPを測定すると共に、塩素濃度を測
定した。結果を表1に示す。
【0042】比較例1 実施例1において、アスコルビン酸の代りに重亜硫酸ソ
ーダを添加して同様にORP及び塩素濃度を測定し、結
果を表1に示した。また、重亜硫酸ソーダ由来のSO3
濃度を測定し、結果を表1に併記した。
【0043】参考例1 実施例1において、(NH4 2 SO4 を添加せず、塩
素:3mg−Cl2 /L,NaF:35mg/Lの合成
回収水に対してアスコルビン酸を添加したこと以外は同
様にしてORP及び塩素濃度を測定し、結果を表1に示
した。
【0044】
【表1】
【0045】表1より次のことが明らかである。即ち、
アスコルビン酸を添加した実施例1では、1mol/m
ol−Cl2 以上のアスコルビン酸の添加で、塩素をほ
ぼ完全に除去し得る。そして、アスコルビン酸をほぼ2
mol/mol−Cl2 以上添加したとき、ORPは約
210mVで一定となる。従って、アスコルビン酸であ
れば、NH4 + が共存し、クロルアミンを生成している
系において、効率的な脱塩素を行うことができ、また、
アスコルビン酸の添加量は、ORPの測定値に基いて容
易に制御することができる。
【0046】これに対して、重亜硫酸ソーダを添加した
比較例1では、脱塩素を行うことはできず、重亜硫酸ソ
ーダが残留している。
【0047】なお、実施例1と参考例1の結果を比較す
れば明らかなように、アスコルビン酸は、NH4 +が共存
するか否か、即ちクロルアミンを生成しているか否かに
関係なく有効に脱塩素可能である。また、塩素が完全に
除去されたときのORPは約200mVであり、ORP
値はNH4 +の影響を受けない。即ち、NH4 +量の変動は
ORPによる制御には影響がない。
【0048】実施例2 図1に示す方法で回収水の処理試験を行った。
【0049】NH4 F:220mg/L,Na2
4 :420mg/L,H2 2 :58mg/L,NH
4 Cl:110mg/L及びNaOCl:54mg/L
を混合した人工回収水(残留塩素濃度:4mg/L,p
H6.3,ORP:500mV)を2分割し、第1流分
516L/hrを第1反応槽に導入し、アスコルビン酸
を添加した。アスコルビン酸の添加制御の指標はORP
200〜220mVとし、ORP≧220mVでアスコ
ルビン酸添加ポンプON,ORP≦200mVでアスコ
ルビン酸添加ポンプOFFとした。このときのアスコル
ビン酸の添加量は第1流分516L/hrに対して平均
37.5g/hrであり、第1反応槽からはpH7.
0,ORP200〜220mVの流出水を得た。この流
出水を第2反応槽2に導入し、第2流分(人工回収水)
484L/hrと混合した。その結果、下記の如く、ほ
ぼ完全に塩素が除去された還元処理水が得られた。
【0050】還元処理水水質 pH :7.0 ORP:300mV BOD:5〜15mg/L 塩素<0.05mg/L この還元処理水を下記条件で貧栄養性微生物により好気
性接触酸化処理したところ、BOD<2mg/Lの高水
質処理水を安定に得ることができた。
【0051】処理条件 滞留時間:約15分 温度 :常温 pH :中性 比較例2 実施例2において、人工回収水にアスコルビン酸の代り
に重亜硫酸ソーダ8.8g/Lを添加したところ、得ら
れた還元処理水は、塩素:3mg/L,重亜硫酸ソー
ダ:6mg/Lで、塩素は殆ど除去されていなかった。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の半導体製造
工程回収水の処理方法によれば、生物処理の阻害要因と
なる半導体製造工程の回収水中の塩素を、後段の生物処
理や更に後段の脱塩装置、膜分離装置に悪影響を及ぼす
ことなく、効率的に塩素イオンに変えることにより除去
することができる。
【0053】従って、本発明によれば、半導体製造工程
の使用済超純水を回収して再処理する回収処理システム
において、生物処理及び脱塩処理を効率的に行うことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項3の半導体製造工程回収水の処理方法の
実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1 第1反応槽 1B ORP計 1C アスコルビン酸添加手段 2 第2反応槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造工程の回収水にアスコルビン
    酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする半導体
    製造工程回収水の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、半導体製造工
    程の回収水にアスコルビン酸及び/又はその塩を添加し
    た後、生物処理することを特徴とする半導体製造工程回
    収水の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法において、半導体
    製造工程回収水を分割する第1の工程と、2分割した回
    収水の一方にアスコルビン酸及び/又はその塩を添加す
    る第2の工程と、第2の工程の処理水に第1の工程で2
    分割した他方の回収水を混合する第3の工程とを備え、
    前第2の工程におけるアスコルビン酸の添加量を第2の
    工程においてアスコルビン酸及び/又はその塩が添加さ
    れた水の酸化還元電位により制御することを特徴とする
    半導体製造工程回収水の処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013230412A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Swing Corp 淡水化装置及び淡水化方法

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