JP2008178845A - 電解次亜塩素水製造装置 - Google Patents

電解次亜塩素水製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の極性転換を行うことなく、電極にスケールが付着することを防止できる電解次亜塩素水製造装置を提供する。
【解決手段】電解次亜塩素水製造装置1では、水道水を逆浸透膜で先に処理し、その透過水に食塩水を混合して電解槽7で電解することによって、電解槽7の陽極31及び陰極32にスケールが付着することを防止し、電解効率を維持できるので、電解次亜塩素酸の生成量を増加できる。さらに逆浸透膜モジュール6で生成する濃縮水は、電解槽7から供給される次亜塩素水に再び混合されるので、従来は廃棄していた逆浸透処理の濃縮水を捨てずに済むことができる。また蛇口2から流出する水道水の一部をバイパス管14に流すことで、逆浸透膜にかかる負荷を低減できる。さらにバイパス管14に流れる水道水を、生成された次亜塩素水にに混合して希釈できるので、安全で低濃度の次亜塩素水を生成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は電解次亜塩素水製造装置に関し、詳細には、食塩水の電気分解によって次亜塩素水を生成する電解次亜塩素水製造装置に関する。
従来より、原水に食塩を添加し、電気分解によって次亜塩素酸含有水溶液(以下、次亜塩素水と呼ぶ。)を生成する電解次亜塩素水製造装置が知られている。この装置は、一対の電極を有する電解槽と、食塩水を貯留する食塩水槽とを備えている。そして、電解槽内に原水が投入され、さらに食塩水槽内の食塩水が添加され、前記一対の電極に電圧が印加される。すると、食塩水の電気分解が起こるので、陽極で塩素(Cl)が発生し、その塩素が水と反応して次亜塩素酸(HClO)となり、さらに水に溶解して次亜塩素水となる。この次亜塩素水は、強い酸化力と殺菌力を有することから、例えば、医療機器や、食品工場の製造ライン等の殺菌に利用されている。
ところで、電解槽では、上記反応の他に、水に含まれる各種イオンとの副反応が起きている。陰極では、上記反応によって生成する水酸化物イオンと炭酸水素イオンとの反応によって炭酸イオンが生成する。そして、その炭酸イオンに水道水に含まれるカルシウムイオンが結合することによって、不溶性の炭酸カルシウムが生成する。さらに、電解が進むとアルカリ度が高くなるので、マグネシウムイオンやカルシウムイオンがさらに水酸化物イオンと反応して、水酸化マグネシウムや、水酸化カルシウムを生成する。そして、これらカルシウムやマグネシウムの化合物は電極に付着する。他方、陽極では、水道水中のシリカ(SiO)濃度が高い場合には、電極周りに生成した酸性水との反応によって、シリカスケールが電極に析出する。つまり、電解槽を長期間使用すると、電極にスケールが付着するため、電解効率が低下するという障害が生じる。
そこで、電極の極性を切換えることによって、スケールを除去することができる浴槽用殺菌処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置のように、電解槽の電極の極性を転換することによって、酸性、アルカリ性が逆転するので、それまで電極に付着していたスケール成分が溶解し、電解効率を復帰させることができる効果がある。
実開平2−108794号公報
しかしながら、特許文献1に記載の浴槽用殺菌処理装置のように、電解次亜塩素水製造装置の電解槽の電極の極性を転換したとしても、水道水の水質は一定ではなく、電極に付着するスケール量が大きく変動するため、電極の極性切替を同一条件で継続して行うことができないという問題点があった。さらに、電極の極性を切換える瞬間に、電気二重層の充電効果により大量の電流が流れるため、電極にかかる負荷が増大し、電極寿命が短くなるという問題点もあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、電極の極性転換を行うことなく、電極にスケールが付着することを防止できる電解次亜塩素水製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の電解次亜塩素水製造装置は、原水を供給する水供給手段と、当該水供給手段から供給される前記原水を逆浸透膜でろ過するろ過手段と、当該ろ過手段で処理されたろ過水に食塩水を混合する食塩水混合手段と、当該食塩水混合手段によって食塩水が混合された混合水を電気分解して次亜塩素酸を生成する電解手段と、当該電解手段で生成された前記次亜塩素酸が溶解する次亜塩素水に、前記ろ過手段によって濃縮された逆浸透濃縮水を混合する濃縮水混合手段と
を備えている。
また、請求項2に係る発明の電解次亜塩素水製造装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記水供給手段から供給される前記原水の一部を取水して、前記次亜塩素水に混合する原水混合手段を備えている。
請求項1に係る発明の電解次亜塩素水製造装置では、水供給手段から供給された原水は、ろ過手段の逆浸透膜によってろ過される。そして、逆浸透膜を透過し、イオンが除去されたろ過水に対して、食塩水が食塩水混合手段によって混合される。さらに、食塩水が混合された混合水は電解手段によって電解される。これにより、次亜塩素酸が生成されて、その次亜塩素酸が水に溶解して次亜塩素水が生成される。ここで、電解される混合水は、イオンが予め除去されているので、極性転換をしなくても電極にスケールが付着することを防止でき、電解効率を安定して維持することができる。さらに、逆浸透膜で濃縮された濃縮水は、濃縮水混合手段によって生成した次亜塩素水に混合される。これにより、濃縮水を全く廃棄しないので、無駄なく次亜塩素水を生成することができる。
また、請求項2に係る発明の電解次亜塩素水製造装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、原水の一部を生成した次亜塩素水に混合することによって、次亜塩素水を低濃度に希釈することができるので、医療機器や、食品工場の製造ライン等の殺菌に安全に使用することができる。
以下、本発明の一実施形態である電解次亜塩素水製造装置1について、図面を参照して説明する。図1は、電解次亜塩素水製造装置1の構成図であり、図2は、比較試験の結果を示す表であり、図3は、比較試験における電解電流の変化を示すグラフである。
なお、本実施形態の電解次亜塩素水製造装置1は、水道水に食塩水を添加して電解することによって次亜塩素水を生成できる装置である。そして、電解処理を行う電解槽7に設けられた一対の陽極31と陰極32とにスケールが付着することを防止できるとともに、次亜塩素水を効率良く安定して生成できる点に特徴を有するものである。
はじめに、電解次亜塩素水製造装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、電解次亜塩素水製造装置1は、蛇口2から供給される水道水の残留塩素等を除去する活性炭カラム5と、該活性炭カラム5で前処理された水道水を逆浸透膜に透過させてろ過する逆浸透膜モジュール6と、該逆浸透膜モジュール6の透過水に食塩水を混合した混合水を電解して次亜塩素酸水を生成する電解槽7と、透過水に混合する食塩水を貯留する食塩水槽8とを主体に構成されている。そして、電解槽7で生成された次亜塩素水に、逆浸透膜モジュール6の濃縮水が混合され、さらに蛇口2から供給された水道水の一部によって希釈され、医療機器や、食品工場の製造ライン等の殺菌に利用される。
次に、配管構成について説明する。蛇口2と活性炭カラム5との間には、第1水道水供給管10が接続され、活性炭カラム5と逆浸透膜モジュール6の流入口(図示外)との間には、第2水道水供給管11が接続されている。さらに、逆浸透膜モジュール6の流出口(図示外)と電解槽7の流入口(図示外)との間には、透過水供給管12が接続され、電解槽7の流出口(図示外)には、次亜塩素水供給管13が接続されている。そして、その次亜塩素水供給管13の下流側一端部が、電解次亜塩素水製造装置1の次亜水供給口(図示外)に接続されている。また、第1水道水供給管10の途中に設けられた分岐部21と、次亜塩素水供給管13の途中に設けられた混合部23との間には、第1水道水供給管10を流れる水道水の一部をバイパスして、次亜塩素水供給管13を流れる次亜塩素水に混合させるバイパス管14が接続されている。
さらに、逆浸透膜モジュール6の濃縮水排出口(図示外)と、次亜塩素水供給管13の混合部23よりも上流側に設けられた混合部22との間には、逆浸透膜モジュール6の濃縮水排出口から排出される濃縮水を、次亜塩素水供給管13を流れる次亜塩素水に混合させる濃縮水供給管15が接続されている。また、食塩水槽8の流出口(図示外)と透過水供給管12の途中に設けられた混合部24との間には、食塩水槽8内の食塩水を供給する食塩水供給管16が接続され、該食塩水供給管16の途中には、食塩水槽8内の食塩水を、透過水供給管12に向かって吐出するためのポンプ25が設けられている。なお、分岐部21は、1つの入口と、2つの出口を有する周知の三方弁である。さらに、混合部22,23は、2つの入口と、1つの出口を有する周知の三方弁である。
次に、活性炭カラム5について説明する。この活性炭カラム5は、筒状のカラム内に活性炭フィルター(図示外)が封入されたもので、カラム内に流入した水道水中に含まれる残留塩素、有機物、色素、濁度、臭気、油分等を吸着するものである。この活性炭カラム5によって、特に水道水中の残留塩素が除去されることによって、後述する逆浸透膜モジュール6に収納された逆浸透膜の劣化を防ぐことができる。つまり、逆浸透膜モジュール6の逆浸透膜を保護するものである。
次に、逆浸透膜モジュール6について説明する。この逆浸透膜モジュール6は、逆浸透膜(RO膜)を用いて水道水中のイオン成分を除去し、純水を製造する装置である。この装置に使用される逆浸透膜は、水道圧のみで水道水を透過させることができる低圧膜である。例えば、一般的な水道圧は0.015〜0.025MPa(メガパスカル)であるので、少なくとも0.015MPaの圧力で透過させることができる程度の逆浸透膜が適用される。そして、この逆浸透膜モジュール6では、その水道圧のみで、水道水中の各種イオン(Ca2+、Mg2+)を約90%以上除去することができる。なお、逆浸透膜モジュール6には、逆浸透膜を透過できなかったイオン、塩類等の不純物が濃縮された濃縮水が連続的に排出される濃縮水排出口(図示外)が設けられている。そして、その濃縮水排出口から排出された濃縮水は、濃縮水供給管15を介して次亜塩素水供給管13を流れる次亜塩素水に混合されるようになっている。
次に、電解槽7について説明する。電解槽7には、逆浸透膜モジュール6で処理された透過水が透過水供給管12を介して供給される。さらに、食塩水槽8に貯留された食塩水が、食塩水供給管16、混合部24、透過水供給管12を介して流入する。そして、この電解槽7には、一対の陽極31と陰極32とが設けられているので、該一対の電極間に電圧が印加されると、食塩水の電気分解が起こる。この食塩水の電気分解では、以下の反応が起こり、次亜塩素酸(HClO)が生成する。
・陽極(+) 2Cl → Cl+2e
Cl+2HO → 2HClO+H
・陰極(−) 2HO+2e→ H↑+OH
こうして得られた次亜塩素酸は、水に溶解して次亜塩素水となって、次亜塩素水供給管13に流れるようになっている。
次に、食塩水槽8について説明する。食塩水槽8には、食塩濃度が20%の食塩水が予め貯留される。なお、食塩水は、純水に食塩(NaCl)を溶解させたものが好ましい。そして、ポンプ25を駆動させることによって、食塩水槽8の食塩水が食塩水供給管16に引き込まれ、透過水供給管12に向かって流れるようになっている。
次に、上記構成からなる電解次亜塩素水製造装置1の次亜塩素水の生成工程について説明する。図1に示すように、まず、蛇口2をひねると、水道水が通常の水道圧で流出する。そして、蛇口2から流出した水道水は、第1水道水供給管10を流れ、分岐部21においてその一部がバイパス管14を流れ、残りが活性炭カラム5に流入する。つまり、活性炭カラム5に流入する水道水は、次亜塩素水を生成するために利用され、バイパス管14に流れた水道水は、後で生成した次亜塩素水を希釈するために利用される。
そして、活性炭カラム5に流入した水道水は、活性炭フィルターを通過することによって、水道水に含まれる残留塩素、有機物、色素、濁度、臭気、油分等が除去される。さらに、活性炭カラム5の流出口から流出した水道水は、第2水道水供給管11を流れ、逆浸透膜モジュール6の流入口から流入する。
次いで、逆浸透膜モジュール6に流入した水道水は、逆浸透膜を透過する。逆浸透膜では、水道水に含まれる各種イオン(Ca2+、Mg2+)が約90%以上除去される。そして、逆浸透膜を透過した透過水は、逆浸透膜モジュール6の流出口から透過水供給管12に向かって流出する。他方、逆浸透膜を透過できなかった各種イオン、塩類等の不純物は濃縮されるので、濃縮水排出口から濃縮水として濃縮水供給管15に向かって連続的に流出される。
ところで、透過水供給管12を流れた透過水は、電解槽7に流入する。さらに、ポンプ25が駆動する。すると、食塩水槽8内に貯留する食塩水が食塩水供給管16に引き込まれ、透過水供給管12の混合部24から透過水に混合される。詳細には、食塩濃度が20%の食塩水が混合されることによって、食塩濃度が約2〜10%の混合水となるように調整される。こうして、電解槽7には、透過水と食塩水との混合水が供給されて貯留される。次いで、電解槽7の陽極31と陰極32に電圧が印加される。すると、上記説明したように、液中には電解次亜塩素酸が生成し、水に溶解することによって次亜塩素水となる。ここで、電解槽7で電解される混合水は、逆浸透膜モジュール6でイオンやシリカ等の不純物が除去された透過水に食塩水が混合されたものである。よって、この混合水を電解しても、陰極32では、不溶性の炭酸カルシウムや、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムが生成しないので、陰極32にカルシウムやマグネシウムのスケールが付着しない。他方、陽極31においても、シリカスケールが付着しない。つまり、陽極31及び陰極32の何れの電極表面にもスケールが付着しないので、電解効率が長期間低下せず、次亜塩素酸を安定して生成することができる。また、従来品のように電極の極性転換の必要がないので、陽極31及び陰極32にかかる負荷を低減できる。
次いで、電解槽7で生成した次亜塩素水は、次亜塩素水供給管13を流れる。そして、混合部22において、濃縮水供給管15から供給された濃縮水が混合される。つまり、電解処理の障害となるイオンやシリカ等の不純物を、逆浸透膜モジュール6で濃縮水として一端除去し、電解処理が済んだ後で、次亜塩素水に戻すことが行われる。よって、電解槽7では、スケール発生の原因となる不純物がほとんどない状態の混合水を電解できるとともに、従来は廃棄していた逆浸透処理の濃縮水を捨てずに済むことができる。さらに、濃縮水を次亜塩素水に再度戻すため、逆浸透膜モジュール6では、透過水の回収率を高くする必要もない。これにより、逆浸透膜の負荷が小さくなるとともに、膜面の汚染を少なくできるので、逆浸透膜の寿命を長くすることができる。
さらに、バイパス管14に流れた水道水は、混合部23から次亜塩素水供給管15に流入する。つまり、電解槽7で生成した高濃度の次亜塩素水に水道水を混合して適宜希釈できるので、安全で低濃度の次亜塩素水を効率良く生成することができる。また、次亜塩素水に対する水道水の混合比率を調整することによって、次亜塩素水の塩素濃度を調整することができるので、用途によって塩素濃度の異なった次亜塩素水を使い分けることができる。
次に、電解次亜塩素水製造装置1の電解効果を実証するための比較試験について説明する。まず、試験条件について説明する。この比較試験では、本発明品である電解次亜塩素水製造装置1と、比較品である従来の電解次亜塩素水製造装置とを用意した。なお、従来品は、上記説明した電解次亜塩素水製造装置1と同じ活性炭カラム5と、陽極31及び陰極32を備える電解槽7と、該電解槽7に供給する食塩水を貯留する食塩水槽8とを備え、電解槽7で生成された次亜塩素水に、活性炭カラム5で処理する前の水道水の一部を混合して希釈したものを殺菌水として外部に供給するものである。そして、陽極31及び陰極32の極性を所定時間毎に転換することによって、陽極31及び陰極32に付着するスケールを液中に溶解させる極性転換法を採用するものである。
電解条件は以下の通りである。
・電解液食塩濃度:4%(電解槽7に貯留された混合水の食塩濃度が4%となるように、食塩水槽8の食塩水で調整した。)
・電解電圧:5V(陽極31及び陰極32間に印加する電圧値)
・電解電流:23A
・電解液流量:2.5L/min
・原水の水質:pH6.5、導電率:200μS/cm、Ca硬度:200mg/lasCaCO
・透過水の水質:pH5.7、導電率:10μS/cm、Ca硬度:1mg/lasCaCO
なお、従来品では、陽極31及び陰極32の極性転換を8時間毎に行い、陽極31及び陰極32に付着するスケールを溶解させながら電解処理を継続した。また、本発明品及び従来品の何れの電解槽7においても、NaCl消費量が100mg/hとなるまで比較試験を継続した。そして、次亜塩素酸の生成量を評価するため、試験後の液中の生成塩素濃度をそれぞれ測定した。なお、塩素濃度は、チオ硫酸ナトリウムによる一般的な滴定法によって測定した。また、電解電流とは、電解により生じた電流のことをいう。なお、従来品及び本発明品ともに試験開始時の電解電流を23Aに設定した。
比較試験の結果について説明する。まず、生成塩素濃度について説明する。図2に示すように、本発明品及び従来品のNaCl消費量が同じであるにも関わらず、従来品の生成塩素濃度が4600mg/lであったのに対し、本発明品の生成塩素濃度は4700mg/lであった。つまり、本発明品は、従来品よりも次亜塩素酸を多く生成することがわかった。
次いで、電解電流の変化について説明する。図3に示すように、従来品では、電解が進行するにつれて陽極31及び陰極32の各表面にスケールが徐々に付着した。これに伴って電解電流は徐々に低下し、試験開始から8時間後には、電解電流が約20Aまで低下した。そして、その8時間経過時に極性転換が実行されると、各電極表面に付着していたスケールが液中に溶解した。さらに、その電極の極性転換が実行される瞬間、電気二重層の充電効果によって電極間に大量の電流が流れたため、電解電流は一時的に23A付近まで上昇した。しかしながら、その後は、極性転換した陽極31及び陰極32の表面に再びスケールが付着しはじめ、これに伴って電解電流も前記と同様に低下し、前回の極性転換時から8時間経過後には復帰時よりも約3A低下した。そして、前回の極性転換時から8時間経過後に再度極性転換が実行されると、前回と同様に電解電流は一時的に一気に上昇したが再び低下した。そして、電解電流は、8時間毎に一時的に復帰したが、その復帰する程度は徐々に弱くなり、次第に低下傾向を示した。つまり、従来品では、陽極31及び陰極32間には8時間毎に大きな電流が流れるため、陽極31及び陰極32に過大な負荷がかかって電解効率が低下し、電解電流が徐々に低下したものと推測される。
他方、本発明品では、逆浸透膜モジュール6の逆浸透水に食塩水を混合した混合水を電解槽7で電解しているので、陽極31及び陰極32にはスケールがほとんど付着せず、電解電流は23Aのままほとんど変化がなかった。この陰極32にカルシウムスケールがほとんど付着しなかった理由は、逆浸透水のCa硬度を測定したところ、1mg/lasCaCOであったため、液中のカルシウムイオンがほとんど存在しなかったためと推測される。また、導電率が10μS/cmであったことから、液中のイオンのほとんどが逆浸透膜モジュール6で除去されたからと推測される。また、陽極31においてもシリカスケールが付着しなかったのは、逆浸透によってシリカがほとんど除去されたからと推測される。
以上の結果より、従来品では、陽極31及び陰極32に電解電流が極性転換毎に大量に流れるので、陽極31及び陰極32に負荷がかり、電解効率の低下を招いたものと推測される。また、極性転換毎に電解電流は一時的に上昇するものの、陽極31及び陰極32にはスケールが付着してしまうので電解効率が低下し、電解次亜塩素酸の生成能力が低下したものと推測される。これに比して、本発明品は、電解槽7で電解される混合水の各種イオン等の不純物濃度(例えば、カルシウムイオン濃度、シリカ濃度)が非常に低くなっているので、陽極31及び陰極32にスケールが付着することを防止できる。これにより、電解槽7における電解効率が低下しないので、電解次亜塩素酸の生成能力を維持できたものと推測される。また、従来品のように、電極の極性転換を行う手間が要らないので、電解処理を容易に継続することができる。さらに、電極の極性転換をしないことから、陽極31及び陰極32に負荷がかからないので、電極寿命を長くすることができる。したがって、図2に示すように、本発明品は、従来品に比べて、安定した電解処理を長期間継続して実行でき、電解次亜塩素酸の生成量を増加させることができる。
なお、以上の説明において、図1に示す第1水道水供給管10、第2水道水供給管11が本発明の「水供給手段」に相当し、逆浸透膜モジュール6が本発明の「ろ過手段」に相当し、食塩水槽8、食塩水供給管16、ポンプ25、混合部24が本発明の「食塩水混合手段」に相当し、一対の陽極31及び陰極32を備えた電解槽7が本発明の「電解手段」に相当し、濃縮水供給管15、混合部22が本発明の「濃縮水混合手段」に相当し、バイパス管14、混合部23が本発明の「原水混合手段」に相当する。
以上説明したように、本実施形態の電解次亜塩素水製造装置1では、水道水を逆浸透膜で先に処理し、その透過水に食塩水を混合して電解槽7で電解することによって、電解槽7の陽極31及び陰極32にスケールが付着することを防止し、電解効率を維持することができる。これにより、逆浸透処理をしない従来品に比べ、電解次亜塩素酸の生成量を増加することができる。さらに、逆浸透膜モジュール6で生成する濃縮水は、電解槽7から供給される次亜塩素水に再び混合されるので、従来は廃棄していた逆浸透処理の濃縮水を捨てずに済むことができる。また、濃縮水を次亜塩素水に再度戻すのため、逆浸透膜モジュール6では、透過水の回収率を高くする必要もない。これにより、逆浸透膜の負荷が小さくなるとともに、膜面の汚染を少なくできるので、逆浸透膜の寿命を長くすることができる。また、水道水から流出する水道水の一部をバイパス管14に流すことによって、逆浸透膜にかかる負荷を低減できる。また、水道水をバイパス管14に分岐させることによって、高濃度の次亜塩素水に水道水を混合して適宜希釈できるので、安全で低濃度の次亜塩素水を効率良く生成することができる。
なお、本発明の電解次亜塩素水製造装置は、上記実施形態に限らず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、原水として水道水を使用したが、井戸水にも適用可能である。井戸水はポンプで汲み上げられるが、そのポンプの吐出圧のみで、逆浸透膜モジュール6の逆浸透膜を透過できるようにすればよい。
本発明の電解次亜塩素水製造装置は、医療機器や、食品工場のライン、手指の洗浄等を殺菌する殺菌水を使用する目的で利用可能である。
電解次亜塩素水製造装置1の構成を示すブロック図である。 比較試験の結果を示す表である。 比較試験における電解電流の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 電解次亜塩素水製造装置
5 電解槽
6 逆浸透膜モジュール
7 電解槽
8 食塩水槽
10 第1水道水供給管
11 第2水道水供給管
12 透過水供給管
14 バイパス管
15 濃縮水供給管
16 食塩水供給管
22 混合部
23 混合部
24 混合部
31 陽極
32 陰極

Claims (2)

  1. 原水を供給する水供給手段と、
    当該水供給手段から供給される前記原水を逆浸透膜でろ過するろ過手段と、
    当該ろ過手段で処理されたろ過水に食塩水を混合する食塩水混合手段と、
    当該食塩水混合手段によって食塩水が混合された混合水を電気分解して次亜塩素酸を生成する電解手段と、
    当該電解手段で生成された前記次亜塩素酸が溶解する次亜塩素水に、前記ろ過手段によって濃縮された逆浸透濃縮水を混合する濃縮水混合手段と
    を備えたことを特徴とする電解次亜塩素水製造装置。
  2. 前記水供給手段から供給される前記原水の一部を取水して、前記次亜塩素水に混合する原水混合手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電解次亜塩素水製造装置。
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