JPH10165948A - 水中のヒ素除去装置 - Google Patents
水中のヒ素除去装置Info
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- JPH10165948A JPH10165948A JP32681196A JP32681196A JPH10165948A JP H10165948 A JPH10165948 A JP H10165948A JP 32681196 A JP32681196 A JP 32681196A JP 32681196 A JP32681196 A JP 32681196A JP H10165948 A JPH10165948 A JP H10165948A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸着剤を用いて水中のヒ素を吸着除去する装
置であって、残留ヒ素濃度の低い良質な処理水を長期間
にわたって安定に得ることができるとともに、経済的に
ヒ素を除去することが可能な装置を提供する。 【解決手段】 粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤又
はジルコニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤によ
り被処理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系吸
着剤又はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ素
の最終除去を行う。例えば、2つの塔8、10の内の通
水方向上流側の塔8に粗除去用吸着剤として活性アルミ
ナ4を充填するとともに、下流側の塔10にセリウム系
吸着剤6を充填し、これら2つの塔8、10に被処理水
を順次通水する。
置であって、残留ヒ素濃度の低い良質な処理水を長期間
にわたって安定に得ることができるとともに、経済的に
ヒ素を除去することが可能な装置を提供する。 【解決手段】 粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤又
はジルコニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤によ
り被処理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系吸
着剤又はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ素
の最終除去を行う。例えば、2つの塔8、10の内の通
水方向上流側の塔8に粗除去用吸着剤として活性アルミ
ナ4を充填するとともに、下流側の塔10にセリウム系
吸着剤6を充填し、これら2つの塔8、10に被処理水
を順次通水する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着剤を用いて水
中のヒ素を吸着除去する装置に関する。
中のヒ素を吸着除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上水等の水中に含まれるヒ素について
は、平成5年に水質基準値が10μg-As/L以下と
いう厳しい値に改定された。そのため、水中のヒ素を高
度に除去することのできる技術の確立が求められてい
る。ヒ素含有水中において、無機系のヒ素は、通常、V
価のヒ素であるAsO4 3-(ヒ酸イオン)あるいはIII価
のヒ素であるAsO2 -(亜ヒ酸イオン)の形で溶存して
いるが、このような水中に含まれる無機系のヒ素の除去
手段としては、従来、次の2つの方法が主に使用されて
いる。1つは、金属塩をヒ素含有水に添加してヒ素酸化
物(ヒ酸イオン及び亜ヒ酸イオン)を不溶化した後、生
成した不溶化物を沈殿等によって分離除去する方法であ
る。もう1つは、ヒ素含有水中のヒ素酸化物を吸着剤に
吸着させて除去する方法である。
は、平成5年に水質基準値が10μg-As/L以下と
いう厳しい値に改定された。そのため、水中のヒ素を高
度に除去することのできる技術の確立が求められてい
る。ヒ素含有水中において、無機系のヒ素は、通常、V
価のヒ素であるAsO4 3-(ヒ酸イオン)あるいはIII価
のヒ素であるAsO2 -(亜ヒ酸イオン)の形で溶存して
いるが、このような水中に含まれる無機系のヒ素の除去
手段としては、従来、次の2つの方法が主に使用されて
いる。1つは、金属塩をヒ素含有水に添加してヒ素酸化
物(ヒ酸イオン及び亜ヒ酸イオン)を不溶化した後、生
成した不溶化物を沈殿等によって分離除去する方法であ
る。もう1つは、ヒ素含有水中のヒ素酸化物を吸着剤に
吸着させて除去する方法である。
【0003】後者の吸着剤を用いて水中のヒ素を除去す
る方法では、吸着剤の特徴がシステムの長所、短所を決
定づける最大の要因となる。現在、ヒ素除去用の吸着剤
としては、主に活性アルミナとセリウム系吸着剤が実用
化されているが、これらはそれぞれ次のような特徴を有
している。すなわち、活性アルミナは、図5に模式的に
示すように、処理水中の残留ヒ素が通水倍にほぼ比例し
て増加するので、ヒ素のリークが処理開始後比較的早く
始まるとともに、その後も残留ヒ素濃度がほぼ直線的に
上昇し、そのため得られる水質は必ずしも良くない。こ
れは、活性アルミナは反応速度が遅く、吸着帯が長いた
めである。しかし、活性アルミナは、このようなヒ素除
去特性のために、吸着剤の破過時期の予測が容易で、吸
着剤のメンテナンス(交換または再生)を適切に行い易
い。一方、セリウム系吸着剤は、図6に模式的に示すよ
うに、処理水中の残留ヒ素は処理開始後かなりの期間は
定量下限以下で、この間に得られる水質はきわめて良
い。しかし、その期間を過ぎると、処理水中の残留ヒ素
が通水倍に対して指数曲線的に増加するため、吸着剤の
破過時期の予測が困難である。したがって、吸着剤の適
切なメンテナンスを行うためには、処理水中のヒ素の濃
度を頻繁に測定すると同時に過剰な吸着塔を設けるとい
った手段が不可欠となる。
る方法では、吸着剤の特徴がシステムの長所、短所を決
定づける最大の要因となる。現在、ヒ素除去用の吸着剤
としては、主に活性アルミナとセリウム系吸着剤が実用
化されているが、これらはそれぞれ次のような特徴を有
している。すなわち、活性アルミナは、図5に模式的に
示すように、処理水中の残留ヒ素が通水倍にほぼ比例し
て増加するので、ヒ素のリークが処理開始後比較的早く
始まるとともに、その後も残留ヒ素濃度がほぼ直線的に
上昇し、そのため得られる水質は必ずしも良くない。こ
れは、活性アルミナは反応速度が遅く、吸着帯が長いた
めである。しかし、活性アルミナは、このようなヒ素除
去特性のために、吸着剤の破過時期の予測が容易で、吸
着剤のメンテナンス(交換または再生)を適切に行い易
い。一方、セリウム系吸着剤は、図6に模式的に示すよ
うに、処理水中の残留ヒ素は処理開始後かなりの期間は
定量下限以下で、この間に得られる水質はきわめて良
い。しかし、その期間を過ぎると、処理水中の残留ヒ素
が通水倍に対して指数曲線的に増加するため、吸着剤の
破過時期の予測が困難である。したがって、吸着剤の適
切なメンテナンスを行うためには、処理水中のヒ素の濃
度を頻繁に測定すると同時に過剰な吸着塔を設けるとい
った手段が不可欠となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、吸着剤を用いた
ヒ素除去システムでは、単一の吸着剤を用いて処理を行
っている。したがって、使用する吸着剤によってそのシ
ステムの長所、短所が決定づけられている。すなわち、
吸着剤として活性アルミナを用いたヒ素除去システムで
は、処理水中の残留ヒ素濃度が処理容量にほぼ比例して
上昇するため、破過時間の予測は比較的容易であるが、
得られる処理水質は必ずしも良くないという短所があ
る。一方、セリウム系吸着剤を用いたヒ素除去システム
では、比較的長期間にわたってヒ素が検出下限以下の良
質な処理水を得られるが、破過が急で破過時期の予測が
難しいという短所がある。吸着機構を利用するシステム
では、ほとんどの場合に除去したい成分と競合吸着する
成分が被処理水中に存在するため、水質によって吸着剤
の破過時期は大きく異なってくる。したがって、セリウ
ム系吸着剤のように破過の急な吸着剤の単独使用におい
ては、その破過時期の予測がさらに困難になってしま
う。このため、頻繁に処理水中のヒ素濃度を測定する必
要がある上、過剰な吸着塔の付設や安全率をみた早期の
吸着剤の交換再生などを行うため、システムとしての効
率低下をまぬがれない。また、活性アルミナが比較的安
価であるのに対し、セリウム系吸着剤はかなり高価であ
るという問題もある。
ヒ素除去システムでは、単一の吸着剤を用いて処理を行
っている。したがって、使用する吸着剤によってそのシ
ステムの長所、短所が決定づけられている。すなわち、
吸着剤として活性アルミナを用いたヒ素除去システムで
は、処理水中の残留ヒ素濃度が処理容量にほぼ比例して
上昇するため、破過時間の予測は比較的容易であるが、
得られる処理水質は必ずしも良くないという短所があ
る。一方、セリウム系吸着剤を用いたヒ素除去システム
では、比較的長期間にわたってヒ素が検出下限以下の良
質な処理水を得られるが、破過が急で破過時期の予測が
難しいという短所がある。吸着機構を利用するシステム
では、ほとんどの場合に除去したい成分と競合吸着する
成分が被処理水中に存在するため、水質によって吸着剤
の破過時期は大きく異なってくる。したがって、セリウ
ム系吸着剤のように破過の急な吸着剤の単独使用におい
ては、その破過時期の予測がさらに困難になってしま
う。このため、頻繁に処理水中のヒ素濃度を測定する必
要がある上、過剰な吸着塔の付設や安全率をみた早期の
吸着剤の交換再生などを行うため、システムとしての効
率低下をまぬがれない。また、活性アルミナが比較的安
価であるのに対し、セリウム系吸着剤はかなり高価であ
るという問題もある。
【0005】このように、単一の吸着剤を用いた従来の
ヒ素除去システムでは、吸着剤の特性がヒ素除去システ
ムの長所、短所を大きく支配している。そして、活性ア
ルミナを単独使用したヒ素除去システム及びセリウム系
吸着剤を単独使用したヒ素除去システムのいずれも、残
留ヒ素濃度の低い良質な処理水を安定して得るという点
で十分に満足できないものであった。また、比較的高価
なセリウム系吸着剤を用いたヒ素除去システムは、経済
性の点でも改善の余地があった。
ヒ素除去システムでは、吸着剤の特性がヒ素除去システ
ムの長所、短所を大きく支配している。そして、活性ア
ルミナを単独使用したヒ素除去システム及びセリウム系
吸着剤を単独使用したヒ素除去システムのいずれも、残
留ヒ素濃度の低い良質な処理水を安定して得るという点
で十分に満足できないものであった。また、比較的高価
なセリウム系吸着剤を用いたヒ素除去システムは、経済
性の点でも改善の余地があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、吸着剤を用いて水中のヒ素を吸着除去する装置であ
って、残留ヒ素濃度の低い良質な処理水を長期間にわた
って安定に得ることができるとともに、経済的にヒ素を
除去することが可能な装置を提供することを目的とす
る。
で、吸着剤を用いて水中のヒ素を吸着除去する装置であ
って、残留ヒ素濃度の低い良質な処理水を長期間にわた
って安定に得ることができるとともに、経済的にヒ素を
除去することが可能な装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、少なくとも2
種類の吸着剤、具体的には活性アルミナ、二酸化マンガ
ン、活性炭等の粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤又
はジルコニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤によ
り被処理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系吸
着剤又はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ素
の最終除去を行った場合、下記(a)〜(c)の利点が
得られ、該目的を効果的に達成できることを知見した。
を達成するために鋭意検討を行った結果、少なくとも2
種類の吸着剤、具体的には活性アルミナ、二酸化マンガ
ン、活性炭等の粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤又
はジルコニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤によ
り被処理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系吸
着剤又はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ素
の最終除去を行った場合、下記(a)〜(c)の利点が
得られ、該目的を効果的に達成できることを知見した。
【0008】(a)前段で粗除去用吸着剤によりヒ素の
粗除去を行い、その処理水中の残留ヒ素をヒ素除去能力
の高いセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤で除
去するので、ヒ素濃度がきわめて低い最終処理水を得る
ことができる。 (b)前段の粗除去用吸着剤として、破過時期の予測が
容易なものを用いることにより、粗除去用吸着剤のメン
テナンス(交換又は再生)を適切に行うことが可能とな
る。したがって、後段のセリウム系吸着剤又はジルコニ
ウム系吸着剤には、ヒ素濃度が一定濃度以下の水を安定
に供給することができ、その結果セリウム系吸着剤又は
ジルコニウム系吸着剤の長寿命化を図ることができると
ともに、ヒ素濃度がきわめて低い最終処理水を長期間に
わたって安定に得ることが可能となる。 (c)前段の粗除去用吸着剤としては、通常、活性アル
ミナ等の安価なものを用いる。また、前段でヒ素の粗除
去を行うので、後段の吸着剤の負荷が低くなり、高価な
セリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の長寿命化
が図られる。したがって、処理コストを大幅に低減させ
ることができる。
粗除去を行い、その処理水中の残留ヒ素をヒ素除去能力
の高いセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤で除
去するので、ヒ素濃度がきわめて低い最終処理水を得る
ことができる。 (b)前段の粗除去用吸着剤として、破過時期の予測が
容易なものを用いることにより、粗除去用吸着剤のメン
テナンス(交換又は再生)を適切に行うことが可能とな
る。したがって、後段のセリウム系吸着剤又はジルコニ
ウム系吸着剤には、ヒ素濃度が一定濃度以下の水を安定
に供給することができ、その結果セリウム系吸着剤又は
ジルコニウム系吸着剤の長寿命化を図ることができると
ともに、ヒ素濃度がきわめて低い最終処理水を長期間に
わたって安定に得ることが可能となる。 (c)前段の粗除去用吸着剤としては、通常、活性アル
ミナ等の安価なものを用いる。また、前段でヒ素の粗除
去を行うので、後段の吸着剤の負荷が低くなり、高価な
セリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の長寿命化
が図られる。したがって、処理コストを大幅に低減させ
ることができる。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、吸着剤を用いて水中のヒ素を吸着除去する装置で
あって、粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤又はジル
コニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤により被処
理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系吸着剤又
はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ素の最終
除去を行うことを特徴とする水中のヒ素除去装置を提供
する。
ので、吸着剤を用いて水中のヒ素を吸着除去する装置で
あって、粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤又はジル
コニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤により被処
理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系吸着剤又
はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ素の最終
除去を行うことを特徴とする水中のヒ素除去装置を提供
する。
【0010】なお、セリウム系吸着剤やジルコニウム系
吸着剤は、ヒ素吸着後に再生して再使用することが可能
であり、したがって吸着剤の再生処理を行うのであれ
ば、ヒ素吸着能力の高いセリウム系吸着剤やジルコニウ
ム系吸着剤を単独で使用することにより、経済的にそれ
ほど大きな不利とはならずにヒ素濃度の低い良質な処理
水を得ることができる。しかし、吸着剤の再生処理を行
うときにヒ素を高濃度で含む廃液が排出され、その廃液
処理が問題となるため、浄水場等においては吸着剤を再
生せずに新しい吸着剤と交換しており、その結果セリウ
ム系吸着剤やジルコニウム系吸着剤を単独使用したシス
テムでは、吸着剤のメンテナンス費用が非常に高くなっ
ている。これに対し、本発明の装置では、前述したよう
にセリウム系吸着剤やジルコニウム系吸着剤の長寿命化
が図られるので、その交換頻度を少なくしてメンテナン
ス費用の低減を図ることができる。したがって、本発明
の装置は、ヒ素吸着剤を再生せずに新しい吸着剤と交換
して処理を行う場合に特に好適に使用することができる
ものである。
吸着剤は、ヒ素吸着後に再生して再使用することが可能
であり、したがって吸着剤の再生処理を行うのであれ
ば、ヒ素吸着能力の高いセリウム系吸着剤やジルコニウ
ム系吸着剤を単独で使用することにより、経済的にそれ
ほど大きな不利とはならずにヒ素濃度の低い良質な処理
水を得ることができる。しかし、吸着剤の再生処理を行
うときにヒ素を高濃度で含む廃液が排出され、その廃液
処理が問題となるため、浄水場等においては吸着剤を再
生せずに新しい吸着剤と交換しており、その結果セリウ
ム系吸着剤やジルコニウム系吸着剤を単独使用したシス
テムでは、吸着剤のメンテナンス費用が非常に高くなっ
ている。これに対し、本発明の装置では、前述したよう
にセリウム系吸着剤やジルコニウム系吸着剤の長寿命化
が図られるので、その交換頻度を少なくしてメンテナン
ス費用の低減を図ることができる。したがって、本発明
の装置は、ヒ素吸着剤を再生せずに新しい吸着剤と交換
して処理を行う場合に特に好適に使用することができる
ものである。
【0011】本発明において、粗除去用吸着剤として
は、破過時期の予測が容易なもの、すなわち図5に示し
たように、処理水中の残留ヒ素濃度が処理容量に比例し
て上昇するヒ素除去特性を有するものを使用することが
適当である。このような吸着剤としては、活性アルミ
ナ、二酸化マンガン、活性炭、水酸化マグネシウム等が
挙げられ、特に本発明では活性アルミナ、二酸化マンガ
ン又は活性炭、中でも活性アルミナを粗除去用吸着剤と
して好適に使用することができる。また、セリウム系吸
着剤とは、ランタン、セリウム、イットリウムの水和酸
化物あるいは含水酸化物を単独あるいは2種類以上の混
合物として用い、好ましくは有機高分子材料で多孔質担
体に担持されている吸着剤であり、例えば含水酸化セリ
ウム、セリウム水酸化物等が挙げられる。ジルコニウム
系吸着剤としては、ジルコニウム又はその化合物、例え
ば酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、リン酸ジルコ
ニウム、含水酸化ジルコニウム等を用いた吸着剤を挙げ
ることができる。本発明において、最終除去用の吸着剤
としては、セリウム系吸着剤を用いることがヒ素除去能
力の点で特に好ましい。なお、各吸着剤としては、前記
成分そのものを粒状等の適宜形状に形成したものでもよ
く、前記成分を粒状等の適宜形状の担体に担持させたも
のでもよい。
は、破過時期の予測が容易なもの、すなわち図5に示し
たように、処理水中の残留ヒ素濃度が処理容量に比例し
て上昇するヒ素除去特性を有するものを使用することが
適当である。このような吸着剤としては、活性アルミ
ナ、二酸化マンガン、活性炭、水酸化マグネシウム等が
挙げられ、特に本発明では活性アルミナ、二酸化マンガ
ン又は活性炭、中でも活性アルミナを粗除去用吸着剤と
して好適に使用することができる。また、セリウム系吸
着剤とは、ランタン、セリウム、イットリウムの水和酸
化物あるいは含水酸化物を単独あるいは2種類以上の混
合物として用い、好ましくは有機高分子材料で多孔質担
体に担持されている吸着剤であり、例えば含水酸化セリ
ウム、セリウム水酸化物等が挙げられる。ジルコニウム
系吸着剤としては、ジルコニウム又はその化合物、例え
ば酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、リン酸ジルコ
ニウム、含水酸化ジルコニウム等を用いた吸着剤を挙げ
ることができる。本発明において、最終除去用の吸着剤
としては、セリウム系吸着剤を用いることがヒ素除去能
力の点で特に好ましい。なお、各吸着剤としては、前記
成分そのものを粒状等の適宜形状に形成したものでもよ
く、前記成分を粒状等の適宜形状の担体に担持させたも
のでもよい。
【0012】本発明装置の構成としては、後述する実施
形態例に示すように、1塔方式、2塔方式又は3塔以上
の多塔方式とすることができる。1塔方式は、1つの塔
の内部の通水方向上流側に粗除去用吸着剤、下流側にセ
リウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤を充填し、こ
の1つの塔に被処理水を通水するものである。1塔方式
では、粗除去用吸着剤とセリウム系吸着剤又はジルコニ
ウム系吸着剤とが層分離するように両吸着剤の比重、粒
径をそれぞれ選択してこれらを単一の塔内に充填しても
よく、単一の塔内において粗除去用吸着剤の層とセリウ
ム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の層とを仕切り板
で仕切ってもよい。また、塔への通水方向は上向流でも
よく、下向流でもよい。さらに、充填された吸着剤をそ
れぞれの交換時等に別々に取り出すための取り出し管及
び弁を設けてもよい。1塔方式によれば、吸着剤充填塔
の設置スペースを小さくしてシステムの省スペース化を
図ることが可能である。
形態例に示すように、1塔方式、2塔方式又は3塔以上
の多塔方式とすることができる。1塔方式は、1つの塔
の内部の通水方向上流側に粗除去用吸着剤、下流側にセ
リウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤を充填し、こ
の1つの塔に被処理水を通水するものである。1塔方式
では、粗除去用吸着剤とセリウム系吸着剤又はジルコニ
ウム系吸着剤とが層分離するように両吸着剤の比重、粒
径をそれぞれ選択してこれらを単一の塔内に充填しても
よく、単一の塔内において粗除去用吸着剤の層とセリウ
ム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の層とを仕切り板
で仕切ってもよい。また、塔への通水方向は上向流でも
よく、下向流でもよい。さらに、充填された吸着剤をそ
れぞれの交換時等に別々に取り出すための取り出し管及
び弁を設けてもよい。1塔方式によれば、吸着剤充填塔
の設置スペースを小さくしてシステムの省スペース化を
図ることが可能である。
【0013】2塔方式は、2つの塔の内の通水方向上流
側の塔に粗除去用吸着剤、下流側の塔にセリウム系吸着
剤又はジルコニウム系吸着剤を充填し、これら2つの塔
に被処理水を順次通水するものである。3塔以上の多塔
方式は、3つ以上の塔の内の通水方向最上流側の塔に粗
除去用吸着剤、最下流側の塔にセリウム系吸着剤又はジ
ルコニウム系吸着剤を充填するとともに、最上流側の塔
と最下流側の塔との間の塔には、粗除去用吸着剤とセリ
ウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤との内の一方
を、セリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤を充填
した塔が粗除去用吸着剤を充填した塔の下流側に位置す
るように充填し、これら3つ以上の塔に被処理水を順次
通水するものである。3塔以上の多塔方式において、好
ましくは、最上流側の塔と最下流側の塔との間の塔の全
てを粗除去用吸着剤を充填した塔とする。これは、破過
時期の予測が容易な粗除去用吸着剤の使用量をなるべく
多くした方が吸着剤のメンテナンスが容易になり、しか
もセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の使用量
をできるだけ少なくした方がコスト的に有利になるから
である。また、複数塔にした場合にも塔への通水方向は
上向流でもよく、下向流でもよく、さらに充填された吸
着剤をそれぞれの交換時等に取り出すための取り出し管
及び弁を設けてもよいことはいうまでもない。
側の塔に粗除去用吸着剤、下流側の塔にセリウム系吸着
剤又はジルコニウム系吸着剤を充填し、これら2つの塔
に被処理水を順次通水するものである。3塔以上の多塔
方式は、3つ以上の塔の内の通水方向最上流側の塔に粗
除去用吸着剤、最下流側の塔にセリウム系吸着剤又はジ
ルコニウム系吸着剤を充填するとともに、最上流側の塔
と最下流側の塔との間の塔には、粗除去用吸着剤とセリ
ウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤との内の一方
を、セリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤を充填
した塔が粗除去用吸着剤を充填した塔の下流側に位置す
るように充填し、これら3つ以上の塔に被処理水を順次
通水するものである。3塔以上の多塔方式において、好
ましくは、最上流側の塔と最下流側の塔との間の塔の全
てを粗除去用吸着剤を充填した塔とする。これは、破過
時期の予測が容易な粗除去用吸着剤の使用量をなるべく
多くした方が吸着剤のメンテナンスが容易になり、しか
もセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の使用量
をできるだけ少なくした方がコスト的に有利になるから
である。また、複数塔にした場合にも塔への通水方向は
上向流でもよく、下向流でもよく、さらに充填された吸
着剤をそれぞれの交換時等に取り出すための取り出し管
及び弁を設けてもよいことはいうまでもない。
【0014】1塔方式では、粗除去用吸着剤の層とセリ
ウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の層との間にコ
レクター等の集水手段を設け、該集水手段を介して粗除
去用吸着剤の層の処理水中のヒ素濃度を検出するヒ素濃
度検出装置を設けることが適当である。2塔方式では、
粗除去用吸着剤を充填した塔の処理水中のヒ素濃度を検
出するヒ素濃度検出装置を設けることが適当である。3
塔以上の多塔方式では、粗除去用吸着剤を充填した塔の
内の最下流に位置する塔の処理水中のヒ素濃度を検出す
るヒ素濃度検出装置を設けることが適当である。このヒ
素濃度検出装置によって粗除去用吸着剤充填塔の処理水
中のヒ素濃度を監視することにより、粗除去用吸着剤の
破過時期を予測し易くなり、粗除去用吸着剤のメンテナ
ンスを適切に行うことが容易となる。また、セリウム系
吸着剤の後段に最終吸着除去性能を測定するためのヒ素
濃度検出装置を設けてもよい。
ウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤の層との間にコ
レクター等の集水手段を設け、該集水手段を介して粗除
去用吸着剤の層の処理水中のヒ素濃度を検出するヒ素濃
度検出装置を設けることが適当である。2塔方式では、
粗除去用吸着剤を充填した塔の処理水中のヒ素濃度を検
出するヒ素濃度検出装置を設けることが適当である。3
塔以上の多塔方式では、粗除去用吸着剤を充填した塔の
内の最下流に位置する塔の処理水中のヒ素濃度を検出す
るヒ素濃度検出装置を設けることが適当である。このヒ
素濃度検出装置によって粗除去用吸着剤充填塔の処理水
中のヒ素濃度を監視することにより、粗除去用吸着剤の
破過時期を予測し易くなり、粗除去用吸着剤のメンテナ
ンスを適切に行うことが容易となる。また、セリウム系
吸着剤の後段に最終吸着除去性能を測定するためのヒ素
濃度検出装置を設けてもよい。
【0015】この場合、3塔以上の多塔方式において、
粗除去用吸着剤充填塔を2塔以上接続したとき、あるい
は、最上流側の塔と最下流側の塔との間の塔の全部を粗
除去用吸着剤充填塔としたときは、メリーゴーランド方
式で粗除去用吸着剤充填塔群のメンテナンスを行うこと
ができる。メリーゴーランド方式とは、例えば、3つの
粗除去用吸着剤充填塔が接続されている場合に、3番目
(通水方向最下流側)の処理水中の残留ヒ素濃度が所定
値を超えたときに1番目(通水方向最上流側)の塔の充
填剤の交換又は再生を行い、その後被処理水を2番目の
塔→3番目の塔→1番目の塔の順に通水するメンテナン
ス方式をいう。
粗除去用吸着剤充填塔を2塔以上接続したとき、あるい
は、最上流側の塔と最下流側の塔との間の塔の全部を粗
除去用吸着剤充填塔としたときは、メリーゴーランド方
式で粗除去用吸着剤充填塔群のメンテナンスを行うこと
ができる。メリーゴーランド方式とは、例えば、3つの
粗除去用吸着剤充填塔が接続されている場合に、3番目
(通水方向最下流側)の処理水中の残留ヒ素濃度が所定
値を超えたときに1番目(通水方向最上流側)の塔の充
填剤の交換又は再生を行い、その後被処理水を2番目の
塔→3番目の塔→1番目の塔の順に通水するメンテナン
ス方式をいう。
【0016】2塔方式及び3塔以上の多塔方式によれ
ば、粗除去用吸着剤のメンテナンスを適切に行うことに
より、最終処理水の安定性を1塔方式よりもさらに向上
させることができるとともに、前段の粗除去用吸着剤の
利用率の向上及び後段のセリウム系吸着剤又はジルコニ
ウム系吸着剤の長寿命化の両立を図ることが可能であ
る。また、前段の安価な粗除去用吸着剤のメンテナンス
頻度を高め、後段の高価なセリウム系吸着剤又はジルコ
ニウム系吸着剤のメンテナンス頻度を低くすれば、処理
コストをいっそう低減させることができる。さらに、後
段にセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤がある
ため、前段の粗除去用吸着剤の利用率をかなり大きくと
ることも可能であり、経済性にきわめて有利である。
ば、粗除去用吸着剤のメンテナンスを適切に行うことに
より、最終処理水の安定性を1塔方式よりもさらに向上
させることができるとともに、前段の粗除去用吸着剤の
利用率の向上及び後段のセリウム系吸着剤又はジルコニ
ウム系吸着剤の長寿命化の両立を図ることが可能であ
る。また、前段の安価な粗除去用吸着剤のメンテナンス
頻度を高め、後段の高価なセリウム系吸着剤又はジルコ
ニウム系吸着剤のメンテナンス頻度を低くすれば、処理
コストをいっそう低減させることができる。さらに、後
段にセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤がある
ため、前段の粗除去用吸着剤の利用率をかなり大きくと
ることも可能であり、経済性にきわめて有利である。
【0017】また、本発明装置においては、粗除去用吸
着剤を充填した塔の被処理水へのpH調整剤添加機構及
び/又は酸化剤添加機構を設けることが好ましい。これ
は、粗除去用吸着剤、特に活性アルミナ、二酸化マンガ
ンは、被処理水のpHが5〜6程度のときにヒ素吸着能
力が最も高くなり、またIII価のヒ素よりもV価のヒ素の
方が活性アルミナ、二酸化マンガン等に吸着されやすい
からである。したがって、pH調整剤添加機構から被処
理水に硫酸、塩酸等のpH調整剤を添加して被処理水の
pHを5〜6とする手段、及び、酸化剤添加機構から被
処理水に次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤を添加してII
I価のヒ素をV価のヒ素に酸化する手段の一方又は両方を
採ることによって、粗除去用吸着剤でヒ素をより効率的
に吸着できるものである。この場合、粗除去用吸着剤充
填塔が複数あるときには、それぞれの塔又はその手前に
前記pH調整剤添加機構及び/又は酸化剤添加機構を設
けてもよい。
着剤を充填した塔の被処理水へのpH調整剤添加機構及
び/又は酸化剤添加機構を設けることが好ましい。これ
は、粗除去用吸着剤、特に活性アルミナ、二酸化マンガ
ンは、被処理水のpHが5〜6程度のときにヒ素吸着能
力が最も高くなり、またIII価のヒ素よりもV価のヒ素の
方が活性アルミナ、二酸化マンガン等に吸着されやすい
からである。したがって、pH調整剤添加機構から被処
理水に硫酸、塩酸等のpH調整剤を添加して被処理水の
pHを5〜6とする手段、及び、酸化剤添加機構から被
処理水に次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤を添加してII
I価のヒ素をV価のヒ素に酸化する手段の一方又は両方を
採ることによって、粗除去用吸着剤でヒ素をより効率的
に吸着できるものである。この場合、粗除去用吸着剤充
填塔が複数あるときには、それぞれの塔又はその手前に
前記pH調整剤添加機構及び/又は酸化剤添加機構を設
けてもよい。
【0018】なお、1塔方式、2塔方式、3塔以上の多
塔方式のいずれの方式でも、粗除去用吸着剤とセリウム
系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤との容量比に特に限
定はなく、通水条件や被処理水の水質等に応じて適宜設
定すればよい。
塔方式のいずれの方式でも、粗除去用吸着剤とセリウム
系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤との容量比に特に限
定はなく、通水条件や被処理水の水質等に応じて適宜設
定すればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、それぞれ本発明装
置の一実施形態例を示すフロー図であり、図1は1塔方
式の装置、図2は2塔方式の装置を示す、図3は3塔以
上の多塔方式の装置を示す。なお、いずれの装置におい
ても、吸着剤充填塔に被処理水を下向流で通水するよう
にしている。
置の一実施形態例を示すフロー図であり、図1は1塔方
式の装置、図2は2塔方式の装置を示す、図3は3塔以
上の多塔方式の装置を示す。なお、いずれの装置におい
ても、吸着剤充填塔に被処理水を下向流で通水するよう
にしている。
【0020】図1の装置は、1つの塔2の内部の通水方
向上流側に活性アルミナ4、下流側にセリウム系吸着剤
6を充填したものである。なお、活性アルミナ4及びセ
リウム系吸着剤6は、互いに相分離するように比重、粒
径をそれぞれ選択して塔2内に充填してもよく、塔2内
において活性アルミナ4の層とセリウム系吸着剤6の層
とを仕切り板で仕切ってもよい。また、該塔2への流入
管にはpH調整剤添加機構12及び酸化剤添加機構14
が設置されている。さらに、活性アルミナ4の層とセリ
ウム系吸着剤6の層との間にコレクター26が設置さ
れ、該コレクター26は活性アルミナ4の層の処理水中
のヒ素濃度を検出するヒ素濃度検出装置16と接続され
ている。なお、図1の装置では、上流側の活性アルミナ
4及び下流側にセリウム系吸着剤6を別々に交換できる
ように配管及びバルブ等を備えていてもよい。
向上流側に活性アルミナ4、下流側にセリウム系吸着剤
6を充填したものである。なお、活性アルミナ4及びセ
リウム系吸着剤6は、互いに相分離するように比重、粒
径をそれぞれ選択して塔2内に充填してもよく、塔2内
において活性アルミナ4の層とセリウム系吸着剤6の層
とを仕切り板で仕切ってもよい。また、該塔2への流入
管にはpH調整剤添加機構12及び酸化剤添加機構14
が設置されている。さらに、活性アルミナ4の層とセリ
ウム系吸着剤6の層との間にコレクター26が設置さ
れ、該コレクター26は活性アルミナ4の層の処理水中
のヒ素濃度を検出するヒ素濃度検出装置16と接続され
ている。なお、図1の装置では、上流側の活性アルミナ
4及び下流側にセリウム系吸着剤6を別々に交換できる
ように配管及びバルブ等を備えていてもよい。
【0021】図2の装置は、2つの塔8、10の内の通
水方向上流側の塔8に活性アルミナ4、下流側の塔10
にセリウム系吸着剤6を充填したものである。また、図
2の装置においては、活性アルミナ充填塔8への流入管
に、被処理水へのpH調整剤添加機構12及び酸化剤添
加機構14が設置されているとともに、活性アルミナ充
填塔8の処理水の流出管に該処理水中のヒ素濃度を検出
するヒ素濃度検出装置16が設置されている。
水方向上流側の塔8に活性アルミナ4、下流側の塔10
にセリウム系吸着剤6を充填したものである。また、図
2の装置においては、活性アルミナ充填塔8への流入管
に、被処理水へのpH調整剤添加機構12及び酸化剤添
加機構14が設置されているとともに、活性アルミナ充
填塔8の処理水の流出管に該処理水中のヒ素濃度を検出
するヒ素濃度検出装置16が設置されている。
【0022】図3の装置は、4つの塔18、20、2
2、24の内の通水方向最上流側の塔18に活性アルミ
ナ4、最下流側の塔24にセリウム系吸着剤6を充填す
るとともに、それらの間の塔20、22にいずれも活性
アルミナ4を充填したものである。また、図3の装置に
おいては、活性アルミナ充填塔18、20、22への流
入管に、それぞれ被処理水へのpH調整剤添加機構12
及び酸化剤添加機構14が設置されているとともに、活
性アルミナ充填塔18、20、22の内の最下流に位置
する塔22の処理水の流出管に該処理水中のヒ素濃度を
検出するヒ素濃度検出装置16が設置されている。
2、24の内の通水方向最上流側の塔18に活性アルミ
ナ4、最下流側の塔24にセリウム系吸着剤6を充填す
るとともに、それらの間の塔20、22にいずれも活性
アルミナ4を充填したものである。また、図3の装置に
おいては、活性アルミナ充填塔18、20、22への流
入管に、それぞれ被処理水へのpH調整剤添加機構12
及び酸化剤添加機構14が設置されているとともに、活
性アルミナ充填塔18、20、22の内の最下流に位置
する塔22の処理水の流出管に該処理水中のヒ素濃度を
検出するヒ素濃度検出装置16が設置されている。
【0023】
【実施例】下記3種類の実験用通水系を作製し、各通水
系に原水を通水した。原水としては、ヒ素濃度が35〜
50μg-As/Lとなるように水道水にヒ酸ナトリウ
ムを溶解したものを用いた。各塔の通水SVは10/h
rとした。また、活性アルミナ充填塔に通水する場合の
み、被処理水に硫酸を添加してそのpHを5〜6に調整
した。
系に原水を通水した。原水としては、ヒ素濃度が35〜
50μg-As/Lとなるように水道水にヒ酸ナトリウ
ムを溶解したものを用いた。各塔の通水SVは10/h
rとした。また、活性アルミナ充填塔に通水する場合の
み、被処理水に硫酸を添加してそのpHを5〜6に調整
した。
【0024】系:1つの塔内に活性アルミナを充填
し、この1つの塔に被処理水を通水する系。活性アルミ
ナとしては、水澤化学(株)製活性アルミナRNを用い
た。 系:1つの塔内にセリウム系吸着剤を充填し、この1
つの塔に被処理水を通水する系。セリウム系吸着剤とし
ては、新日本化学(株)製READ−F(D2)を用い
た。 系:2つの塔の内の通水方向上流側の塔に系と同じ
活性アルミナ、下流側の塔に系と同じセリウム系吸着
剤を充填し、これら2つの塔に被処理水を順次通水する
系。
し、この1つの塔に被処理水を通水する系。活性アルミ
ナとしては、水澤化学(株)製活性アルミナRNを用い
た。 系:1つの塔内にセリウム系吸着剤を充填し、この1
つの塔に被処理水を通水する系。セリウム系吸着剤とし
ては、新日本化学(株)製READ−F(D2)を用い
た。 系:2つの塔の内の通水方向上流側の塔に系と同じ
活性アルミナ、下流側の塔に系と同じセリウム系吸着
剤を充填し、これら2つの塔に被処理水を順次通水する
系。
【0025】最終処理水、すなわち系では活性アルミ
ナ充填塔の出口水、系ではセリウム系吸着剤充填塔の
出口水、系ではセリウム系吸着剤充填塔の出口水に含
まれるヒ素濃度が10μg-As/Lに達するまでの時
間を破過時間とし、各通水系における破過時間を調べた
ところ、破過時間は系では70日、系では230
日、系では440日であった。また、上記最終処理水
中のヒ素濃度の経時変化は図4に示すとおりであった。
ナ充填塔の出口水、系ではセリウム系吸着剤充填塔の
出口水、系ではセリウム系吸着剤充填塔の出口水に含
まれるヒ素濃度が10μg-As/Lに達するまでの時
間を破過時間とし、各通水系における破過時間を調べた
ところ、破過時間は系では70日、系では230
日、系では440日であった。また、上記最終処理水
中のヒ素濃度の経時変化は図4に示すとおりであった。
【0026】図4から分かるように、活性アルミナを単
独使用した系は、破過時間が短く短寿命である。これ
は、活性アルミナの吸着帯が長いため、ヒ素リークが比
較的早く始まり、その後処理容量にほぼ比例してヒ素リ
ーク濃度が上昇するので、長時間にわたって処理水中の
ヒ素濃度を低く保つには不利であることによる。しか
し、活性アルミナは、長時間にわたってある程度の量の
ヒ素を吸着蓄積する能力を有する。一方、セリウム系吸
着剤を単独使用した系は、破過時間がある程度長く、
かつ処理開始後180日間程度は処理水中のヒ素濃度が
大きく低減されている。しかし、180日目を過ぎると
急激に残留ヒ素濃度が増加し、処理水質が低下してい
く。
独使用した系は、破過時間が短く短寿命である。これ
は、活性アルミナの吸着帯が長いため、ヒ素リークが比
較的早く始まり、その後処理容量にほぼ比例してヒ素リ
ーク濃度が上昇するので、長時間にわたって処理水中の
ヒ素濃度を低く保つには不利であることによる。しか
し、活性アルミナは、長時間にわたってある程度の量の
ヒ素を吸着蓄積する能力を有する。一方、セリウム系吸
着剤を単独使用した系は、破過時間がある程度長く、
かつ処理開始後180日間程度は処理水中のヒ素濃度が
大きく低減されている。しかし、180日目を過ぎると
急激に残留ヒ素濃度が増加し、処理水質が低下してい
く。
【0027】これに対し、活性アルミナとセリウム系吸
着剤とを併用した系は、破過時間が系よりかなり長
く長寿命であり、かつ処理開始後250日間程度は処理
水中のヒ素濃度が大きく低減されている。また、破過も
系ほど急ではない。これは、系においては、系の
性質を持つ1塔目と、系の性質を持つ2塔目とが組み
合わされ、しかも2塔目で系よりも低負荷条件となっ
ているからである。したがって、本実験により、本発明
の装置によれば、前段の活性アルミナの直線的な破過曲
線によって破過予測がし易いとともに、セリウム系吸着
剤を単独使用した場合と同等の水質をセリウム系吸着剤
を単独使用した場合よりも長期間にわたって得られるこ
とが確認された。
着剤とを併用した系は、破過時間が系よりかなり長
く長寿命であり、かつ処理開始後250日間程度は処理
水中のヒ素濃度が大きく低減されている。また、破過も
系ほど急ではない。これは、系においては、系の
性質を持つ1塔目と、系の性質を持つ2塔目とが組み
合わされ、しかも2塔目で系よりも低負荷条件となっ
ているからである。したがって、本実験により、本発明
の装置によれば、前段の活性アルミナの直線的な破過曲
線によって破過予測がし易いとともに、セリウム系吸着
剤を単独使用した場合と同等の水質をセリウム系吸着剤
を単独使用した場合よりも長期間にわたって得られるこ
とが確認された。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明装置によれ
ば、残留ヒ素濃度の低い良質な処理水を長期間にわたっ
て安定に得ることができるとともに、経済的にヒ素を除
去することが可能である。
ば、残留ヒ素濃度の低い良質な処理水を長期間にわたっ
て安定に得ることができるとともに、経済的にヒ素を除
去することが可能である。
【図1】本発明装置の一実施形態例を示すフロー図であ
る。
る。
【図2】本発明装置の一実施形態例を示すフロー図であ
る。
る。
【図3】本発明装置の一実施形態例を示すフロー図であ
る。
る。
【図4】活性アルミナを単独使用した通水系、セリウム
系吸着剤を単独使用した通水系、及び、活性アルミナと
セリウム系吸着剤とを併用した通水系にそれぞれヒ素含
有水を通水した場合における通水日数と処理水中の残留
ヒ素濃度との関係を示すグラフである。
系吸着剤を単独使用した通水系、及び、活性アルミナと
セリウム系吸着剤とを併用した通水系にそれぞれヒ素含
有水を通水した場合における通水日数と処理水中の残留
ヒ素濃度との関係を示すグラフである。
【図5】活性アルミナのヒ素除去特性を模式的に示すグ
ラフである。
ラフである。
【図6】セリウム系吸着剤のヒ素除去特性を模式的に示
すグラフである。
すグラフである。
2,8,10,18,20,22,24 吸着剤充填塔 4 活性アルミナ 6 セリウム系吸着剤 12 pH調整剤添加機構 14 酸化剤添加機構 16 ヒ素濃度検出装置
Claims (9)
- 【請求項1】 吸着剤を用いて水中のヒ素を吸着除去す
る装置であって、粗除去用吸着剤と、セリウム系吸着剤
又はジルコニウム系吸着剤とを用い、粗除去用吸着剤に
より被処理水中のヒ素の粗除去を行った後、セリウム系
吸着剤又はジルコニウム系吸着剤により被処理水中のヒ
素の最終除去を行うことを特徴とする水中のヒ素除去装
置。 - 【請求項2】 粗除去用吸着剤が活性アルミナ、二酸化
マンガン又は活性炭である請求項1に記載の装置。 - 【請求項3】 1つの塔の内部の通水方向上流側に粗除
去用吸着剤、下流側にセリウム系吸着剤又はジルコニウ
ム系吸着剤を充填し、前記1つの塔に被処理水を通水す
る請求項1又は2に記載の装置。 - 【請求項4】 2つの塔の内の通水方向上流側の塔に粗
除去用吸着剤、下流側の塔にセリウム系吸着剤又はジル
コニウム系吸着剤を充填し、前記2つの塔に被処理水を
順次通水する請求項1又は2に記載の装置。 - 【請求項5】 粗除去用吸着剤による処理水中のヒ素濃
度を検出するヒ素濃度検出装置を設けた請求項3又は4
に記載の装置。 - 【請求項6】 3つ以上の塔の内の通水方向最上流側の
塔に粗除去用吸着剤、最下流側の塔にセリウム系吸着剤
又はジルコニウム系吸着剤を充填するとともに、最上流
側の塔と最下流側の塔との間の塔には、粗除去用吸着剤
とセリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤との内の
一方を、セリウム系吸着剤又はジルコニウム系吸着剤を
充填した塔が粗除去用吸着剤を充填した塔の下流側に位
置するように充填し、前記3つ以上の塔に被処理水を順
次通水する請求項1又は2に記載の装置。 - 【請求項7】 最上流側の塔と最下流側の塔との間の塔
の全部に粗除去用吸着剤を充填した請求項6に記載の装
置。 - 【請求項8】 粗除去用吸着剤を充填した塔の内の最下
流に位置する塔の処理水中のヒ素濃度を検出するヒ素濃
度検出装置を設けた請求項6又は7に記載の装置。 - 【請求項9】 粗除去用吸着剤を充填した塔の被処理水
へのpH調整剤添加機構及び/又は酸化剤添加機構を設
けた請求項3〜8のいずれか1項に記載の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32681196A JPH10165948A (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 水中のヒ素除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32681196A JPH10165948A (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 水中のヒ素除去装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10165948A true JPH10165948A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18191980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32681196A Pending JPH10165948A (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | 水中のヒ素除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10165948A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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DE102014011842A1 (de) | 2013-08-22 | 2015-02-26 | Mazda Motor Corporation | Mehrzylindermotor, Regel- bzw. Steuervorrichtung hierfür, entsprechendes Verfahren und Computerprogrammprodukt |
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JP2015181972A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | 株式会社化研 | 水溶液からヨウ素を除去するヨウ素除去剤、除去装置および除去方法 |
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WO2016076335A1 (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-19 | 株式会社エヴァテック研究所 | ヒ素を除去するための方法および装置 |
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-
1996
- 1996-12-06 JP JP32681196A patent/JPH10165948A/ja active Pending
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WO2016076335A1 (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-19 | 株式会社エヴァテック研究所 | ヒ素を除去するための方法および装置 |
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