JPH10161658A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

Info

Publication number
JPH10161658A
JPH10161658A JP8320226A JP32022696A JPH10161658A JP H10161658 A JPH10161658 A JP H10161658A JP 8320226 A JP8320226 A JP 8320226A JP 32022696 A JP32022696 A JP 32022696A JP H10161658 A JPH10161658 A JP H10161658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
envelope
string
key
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8320226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3642130B2 (ja
Inventor
Rei Furukawa
令 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP32022696A priority Critical patent/JP3642130B2/ja
Publication of JPH10161658A publication Critical patent/JPH10161658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3642130B2 publication Critical patent/JP3642130B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アコースティックピアノのダンパペダルの効
果を充分に再現する。 【解決手段】 ダンパペダルが踏まれている場合は、キ
ーオフ後において、その踏み込み量に対応したダンパフ
ェルト位置信号DF(x)がダンパフェルト位置計算器
3から出力される。そして、音量指示器4は、ダンパフ
ェルト位置信号DF(x)の値とエンベロープ信号EN
Vの値を比較し、ダンパフェルトが弦に接する状態であ
れば、その位置に対応したハーフペダルレートとなるよ
うなエンベロープ指示信号Erを発音器1に出力する。
一方、ダンパフェルトが弦の振動を抑制しない位置にあ
ると判断できるときは、音量指示器4はサステインレー
トを指示するエンベロープ指示信号Erを出力する。こ
の結果、エンベロープ信号ENVが自然減衰に対応した
減衰速度でゆっくり減衰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ピアノの
ダンパペダル操作に応じたエンベロープ変化を模倣する
ことができる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】ピアノは押鍵により、その鍵に対応する
弦が弾かれて音を発し、離鍵により当該弦がダンパフェ
ルトに抑えられて止音される。この場合、ダンパフェル
トによる止音の程度は、ペダル操作によって調整するこ
とができる。例えば、ペダルが踏まれていない場合は、
離鍵後にダンパフェルトが直ちに弦を抑えて止音する
が、ペダルが踏まれていれば離鍵後でもダンパフェルト
は弦から離れているので、弦の音量はゆっくりと自然減
衰される。さらに、ペダルの踏み込み量に応じてダンパ
フェルトの位置を操作することにより、弦に対するダン
パフェルトの接触状態を変えることができ、音量の減衰
度合いを調整することができる。
【0003】このように、ダンパペダルは、その踏み込
み量により楽音の減衰の仕方を調整することができる。
一方、アコースティックピアノの楽音を電子的に模倣す
る電子鍵盤楽器においても、ダンパペダルが備えられて
いる場合がある。この種の電子楽器においては、ダンパ
ペダルの操作があったときは電気的にキーオフの処理を
保留し、このペダルの踏み込み量に応じた減衰速度で音
量を制御するようにしており、例えば、図5に示すよう
に、音量減衰のレートを変えている。図5に示すSR
は、ペダルオン時のレート(以下、サステインレートと
呼ぶ)によるエンベロープの減衰を示している。このサ
ステインレートSRによる音量減衰は、弦の振幅が自然
減衰するときに対応している。また、RRはペダルオフ
時のレート(以下、リリースレートと呼ぶ)によるエン
ベロープの減衰を示しており、弦の振幅がダンパによっ
て強制的に抑制される場合に対応している。図5に示す
HR(P(x))、サステインレートSRとリリースレ
ートRRの中間的なレートであり、ペダルの踏み込み量
が大きくなるほど、ゆるやかにエンベロープが減衰する
ように、ペダルの踏み込み位置P(X)に応じてレート
の値が変更される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アコーステ
ィックピアノにおいては、キーオフ後、ダンパペダルの
踏み込み量によっては、音量が小さくなった後に長い響
きが得られるといった現象が発生する。この現象につい
て、図6を参照して説明する。いま、時刻t1におい
て、弦Sが振幅Aで振動しているとする。この時、ダン
パフェルトDFは弦Sの上方にあり、弦Sには接してい
ない。この状態において、弦Sは、自然減衰によりその
振幅がやや小さくなる。そして、時刻t2において、離
鍵が開始され、ダンパフェルトDFが下降して弦Sに時
刻t3で接する。その後、離鍵が継続されて鍵の押下げ
量が減少すると、ダンパフェルトDFの位置がさらに下
がり、弦Sの振動をさらに抑制し、鍵が完全に離される
と、ダンパフェルトDFは弦Sの静止位置まで下がり、
これにより、弦Sの振動が完全に抑制される。この結
果、離鍵されると、弦の振幅が強制的に小さくなり、音
量が急激に減衰する。
【0005】ここで、離鍵される前にペダルが中途まで
踏まれ、ダンパフェルトDFの下降が図6の時刻t4の
位置で止められるとすると、弦SはダンパフェルトDF
の下端までの空間においてだけ自由に振動することがで
きる。したがって、時刻t3から時刻t4までは、上述
したように、音量が急激に減衰し、時刻t4以降は、弦
Sは自然減衰を続け(時刻t5)、音量がゆっくりと小
さくなり、やがて停止する(時刻t6)。ここで、時刻
t4からt6の間の弦Sの挙動をみると、ダンパフェル
トDFが下がった位置にあるにも関わらず、自然減衰を
している。したがって、全体を通して音量の減衰を観察
すると、時刻t1からt3までは自然減衰(サステイン
レートSRによる減衰)、時刻t3からt4までは強制
減衰(リリースレートRRによる減衰)、時刻t4から
t6までは自然減衰(サステインレートSRによる減
衰)となっていることが判る。以上のようにして、弦S
の音量が小さくなってから発音持続時間が延びるという
現象が発生する。
【0006】しかしながら、従来の電子楽器において
は、ダンパペダルの踏み込み量に応じて単純に減衰速度
(すなわち、レートHP(P(x)))を定めているの
で、例えば、離鍵が検出された時点(通常の電子楽器に
おいては、時刻t3のダンパフェルトDFの位置に対応
する位置まで鍵が離されたとき)において、踏み込み量
に応じたレートが一旦設定されると、以後そのレートで
強制的に減衰して消音してしまうため、図6の時刻t4
〜t6のような自然減衰は再現することができなかっ
た。以上のように、従来の電子楽器においては、アコー
スティックピアノのダンパペダル効果を正確には再現す
ることができないという欠点があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、アコースティックピアノのダンパペダルの効果を
良好に再現できる電子楽器を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、請求項1に記載の電子
楽器は、弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤楽器の
発音を模倣する電子楽器において、前記ダンパを動かす
ためのダンパ操作子の操作状況に応じて前記ダンパの位
置を仮想的に求めるダンパ位置検出手段と、前記ダンパ
位置検出手段が検出したダンパ位置と発音中の楽音のエ
ンベロープの大きさを逐次比較することにより、前記ダ
ンパが前記弦の振動を抑制している状態にあるか否かを
判定し、その判定結果に応じてエンベロープの減衰レー
トを制御するエンベロープレート制御手段とを具備する
ことを特徴とする。また、請求項2に記載の電子楽器
は、弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤楽器の発音
を模倣するとともに、打弦された弦以外の弦の共鳴を模
倣するために、共鳴音の楽音をも生成する共鳴音生成手
段を有した電子楽器において、前記ダンパを動かすため
のダンパ操作子の操作状況に応じて前記ダンパの位置を
仮想的に求めるダンパ位置検出手段と、前記ダンパ位置
検出手段が検出したダンパ位置と前記共鳴音を含む全て
の発音中の楽音のエンベロープの大きさを逐次比較する
ことにより、前記ダンパが前記弦の振動を抑制している
状態にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて各音
のエンベロープの減衰レートを制御するエンベロープレ
ート制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。 (1)実施形態の構成 図1は、本発明の一実施形態に係る電子楽器の要部の構
成を示すブロック図である。図に示す回路においては、
不図示の鍵盤装置で鍵が押下されると、キーオンが検出
されて、押された鍵を示すキーコードKCとキーオンを
示すキーオン信号KONとが発音器1に供給される。発
音器1は、キーオン信号KONが供給されると、キーコ
ードKCに応じた音高の波形信号を発生し、さらに、こ
の波形信号にエンベロープ制御を施した後サウンドシス
テム2に供給する。一方、不図示の鍵盤装置で離鍵され
ると、キーオフが検出されて、離された鍵を示すキーコ
ードKCと、キーオフ信号KOFとが発音器1に供給さ
れる。発音器1は、キーオフ信号KOFが供給される
と、エンベロープを減衰させて消音する。
【0010】ここで、図2は、発音器1の要部を示すブ
ロック図であり、図示の10は波形メモリ、11は乗算
器、12はエンベロープ信号発生回路である。波形メモ
リ10には、ピアノの楽音波形が例えば、PCM方式に
よって記録されており、キーオン信号KONが供給され
るとキーコードKCに応じた速度で波形が読み出され、
これにより、キーコードKCの音高に対応した波形信号
が生成される。また、キーオン信号が供給されるタイミ
ングに同期して、エンベロープ波形発生回路12からエ
ンベロープ信号ENVが出力され、波形メモリ10から
読み出された波形信号に乗算器11において乗算され
る。この場合のエンベロープ信号は、前述した図5に示
す一定の傾きを持った直線的に増加・減少する信号であ
り、その傾きのレートは、アタックレートAR、ディケ
イレートDR、サステインレートSR、リリースレート
RR等である。乗算器11の出力信号は、サウンド信号
SSとしてサウンドシステム2に供給される。
【0011】ここで、図3は、エンベロープ波形発生回
路12の構成を示すブロック図である。図において、2
0はレートデータ発生回路であり、エンベロープ信号E
NVの変化に応じたアタック、ディケイ、サステイン、
リリースの各レートの切り換え、および後述するエンベ
ロープレート指示信号Erに従ったリリースレートRR
からサスティンレートSRへの切り換えなどを行う。そ
して、このレートデータを加算器21とレジスタ22に
よって累算することにより、エンベロープ信号ENVを
生成するようになっている。また、比較器25は、エン
ベロープ信号ENVの値と目標値発生回路26が出力す
る目標値とを比較し、一致する毎に切換指示信号を出力
する。目標値発生回路26は、キーオン後にアタック部
の終了目標値を出力し、次に、切換指示信号が供給され
るとディケイ部の終了目標値を出力するようになってい
る。
【0012】一方、レートデータ発生回路20は、基本
的に、キーオン後にアタックレートARに対応する値を
出力し、次に、切換指示信号が供給されるとディケイレ
ートDRに対応する値を出力し、再び切換指示信号が供
給されるとサステインレートSRに対応する値を出力す
る。以上により、アタック、ディケイ、サステインの各
部のエンベロープが形成される。また、キーオフがあっ
た場合は、ペダルが踏まれていなければ、リリースレー
トRRに対応する値を出力し、エンベロープを急激に減
衰させる。なお、ペダルが踏まれていた場合の処理につ
いては後述する。
【0013】次に、図1に示すダンパフェルト位置計算
器3は、キーオン信号KON、キーオフ信号KOF、お
よびダンパペダル(図示略)のペダル位置P(x)に基
づいて、ダンパフェルトの位置を検出する。より詳細に
言えば、ダンパフェルト位置計算器3は、ペダル位置P
(x)からアコースティックピアノにおけるダンパフェ
ルト位置を仮想し、ダンパペダルが全く踏み込まれてい
ない状態を“0”として、その位置を算出する。ただ
し、アコースティックピアノにおいて、鍵が押された状
態では、ダンパペダルが踏み込まれていても、ダンパフ
ェルト位置は弦と充分離間した位置となるから、ダンパ
フェルト位置計算器3は、供給されるキーオン信号KO
Nおよびキーオフ信号KOFに基づき、キーオンされて
からキーオフされるまで(押鍵中)は、ダンパフェルト
位置としてペダル位置にかかわらずアタック部の終了目
標値よりも大きい一定値を出力し、キーオフ後において
のみダンパフェルト位置としてペダル位置に応じた値D
F(x)を出力する。なお、ペダル位置P(x)は、ダ
ンパペダルまたはダンパペダルに連動するロッド等に取
り付けられたセンサによって検出される。
【0014】音量指示器4は、ダンパフェルト位置計算
器3から出力されるダンパフェルト位置DF(x)およ
び発音器1から出力されるエンベロープ信号ENVに基
づいてエンベロープ波形のレートを指示するエンベロー
プレート指示信号Erを生成し発音器1に供給する。
【0015】(2)実施形態の動作 次に、上述した構成による本実施形態の動作を説明す
る。鍵がオンされると、その鍵に対応する発音指示が発
音器1に供給され、キーオンされた鍵に対応する楽音が
サウンドシステム2から発生する。このとき、キーオン
に応答して、アタック、ディケイ、サステインの各レー
トで順次エンベロープが制御され、また、キーオフがあ
ると直ちにリリースレートRRによるエンベロープ制御
がなされる。
【0016】ここで、音量指示器4は、ダンパフェルト
位置信号DF(x)の値をエンベロープ信号ENVの値
を常時比較しているが、キーオフ信号が発生される前
は、ダンパフェルト位置計算器3からアタック部の終了
目標値よりも大きい一定値がダンパフェルト位置信号D
F(x)として出力されるため、ダンパフェルトDFが
弦に接する状態にないと判断して、ダンパペダルが踏ま
れているか否かに関わらず、特段の指示は行わない。し
たがって、キーオフ信号が発生する前は、アタック、デ
ィケイ、サスティンの各レートで順次エンベロープが制
御される。
【0017】一方、キーオフ信号が発生された後におい
ては、ダンパフェルト位置計算器3からペダル位置に応
じたダンパフェルト位置信号DF(x)が出力される。
ここで、ダンパベダルが全く踏まれていない状態では、
ダンパフェルト位置信号DF(x)の値は、“0”であ
るため、エンベロープ信号ENVの値の方が常に大きい
ので、音量指示器4は、特段の指示を行わない。これに
よりエンベロープはリリースレートで急速に減衰する。
【0018】一方、ダンパベダルが完全に踏込まれた状
態では、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値は、ア
タック部の終了目標値よりも大きい値となるため、エン
ベロープ信号ENVの値の方が小さいので、音量指示器
4は、ダンパフェルトDFが弦Sの振動を抑制しない位
置にあると判断して、発音器1のレートデータ発生回路
20に対してサスティンレートSRを指示するエンベロ
ープ指示信号Erを出力する。これにより、エンベロー
プはサスティンレートでゆっくり減衰する。
【0019】また、ダンパペダルが中途に踏込まれた状
態(=ハーフペダルの状態)では、音量指示器4は、ダ
ンパフェルト位置信号DF(x)の値とエンベロープ信
号ENVの値を比較し、ダンパフェルト位置信号DF
(x)の値よりもエンベロープ信号ENVの値の方が大
きい間は、特段の指示を行わず、ダンパフェルト位置信
号DF(x)の値よりもエンベロープ信号ENVの値の
方が小さくなると、ダンパフェルトDFが弦Sの振動を
抑制しない位置にあると判断して、発音器1のレートデ
ータ発生回路20に対してサスティンレートSRを指示
するエンベロープ指示信号Erを出力する。これによ
り、キーオフ直後はリリースレートで急速減衰し、その
後サスティンレーンでゆっくり減衰するようになる。
【0020】以上のように、音量指示器4はダンパフェ
ルト位置信号DF(x)とエンベロープ信号ENVとを
常に比較してダンパフェルトDFが弦の振動を抑制する
位置にあるか否かを判定しているため、弦の振動が抑制
されている場合はリリースレートRRが設定され、一
方、弦の振動が抑制されていない場合はサステインレー
トSRによる自然減衰が選択される。したがって、ダン
パペダルの操作が、キーオフ前に行われても、また、キ
ーオフ後に行われても、さらに、キーオフ前に踏み込ま
れ、その後、キーオフ後に少し戻されても、常に、適切
なエンベロープ制御が行われ、アコースティックピアノ
のペダル操作に伴う音量変動を極めて忠実に再現するこ
とができる。ここで、図4(イ)に、本実施形態におけ
るエンベロープ制御の一例を示す。この場合、図4
(ロ)は、同図(イ)に対応したアコースティックピア
ノのダンパフェルトDFと弦Sの関係を示している。な
お、図4(ロ)は図6と同じ状態を示している。
【0021】図4(イ)に示す例においては、時刻t0
にキーオンが検出され、時刻t1までアタックレートA
Rによるエンベロープ制御が行われ、時刻t1からt2
までディケイレートDRおよびサスティンレートSRに
よるエンベロープ制御がなされている。そして、時刻t
3でキーオフが検出され、これにより、イキの戻し位置
に応じてダンパフェルトDFが下降して弦Sの振動を抑
制する。エンベロープ制御は、リリースレートRRによ
る制御となり、音量が急激に減衰する。また、ダンパフ
ェルトDFと弦Sとの関係が同図(ロ)に示す状態にな
るようなペダル操作がされていると、時刻t3以降につ
いては、ダンパフェルトDFが弦Sの振動を抑制しない
状態になる。本願においては、音量指示器4がダンパフ
ェルト位置信号DF(x)とエンベロープ信号ENVと
を常に比較しているから、時刻t3以降はダンパフェル
トDFが弦Sの振動を抑制しない状態にあると判断する
ことができる。そこで、時刻t3以降はサステインレー
トSRによる自然減衰となるようにエンベロープを制御
する。
【0022】(4)変形例 なお、上記においては、1つの鍵が単独で押された場
合について説明したが、複数の鍵が並列して押された場
合には、発音器1で複数の楽音信号を並列して発生する
とともに、音量指示器4で各楽音信号毎にエンベロープ
波形の傾きを制御することになる。上記実施形態では、
ダンパフェルト位置信号DF(x)の値よりもエンベロ
ープ信号ENVの値の方が大きい間は、ダンパペダルの
踏込み量に関わらず、一律にリリースレートでエンベロ
ープを制御するようにしたが、ダンパフェルト位置信号
DF(x)の値とエンベロープ信号ENVの値との差に
応じてレートを制御するようにしてもよい。すなわち、
エンベロープ信号ENVの値が示す現音量とダンパフェ
ルト位置信号DF(x)の値が示す指示音量との差が大
きいほど、弦の振幅が一度にダンパによって抑えられる
ので、音量の減衰が早いという現象に基づき、エンベロ
ープ信号ENVの値とダンパフェルト位置信号DF
(x)との差が大きいほどレートを大きくして急速にエ
ンベロープを減衰させるようにすればよい。また、ダン
パペダルの戻し速度が大きいほどリリースレートを大き
くするような制御をするようにしてもよい。
【0023】上記実施形態では、ダンパペダルを用い
た場合のエンベロープ制御について説明したが、この発
明は、離鍵時のエンベロープ制御にも適用することが可
能である。すなわち、離鍵を行うとダンパフェルトが降
下して弦を抑えるが、この時のダンパフェルトの位置は
鍵の位置(押し下げ位置)に応じて決まるから、鍵の位
置を検出してダンパフェルトの位置を求め、これとエン
ベロープ波形を比較することによって、上記実施形態と
同様の制御を行うことが可能である。この場合には、以
下のような効果を奏することができる。例えば、アコー
スティックピアノにおいては、演奏者が離鍵後に鍵を完
全に戻さずに中間位置で止めておくと、やがて弦の振動
が小さくなり、ダンパフェルトがその振動を抑制しない
状態になる。この状態は、本願発明においては、上記実
施形態と同様に、ダンパフェルト位置とそのときのエン
ベロープ信号の値によって検出することができるから、
以後はサステインレートに切り換えてエンベロープ波形
を制御することにより、アコースティックピアノと同様
の効果を奏することができる。なお、この場合、リリー
スレートを、ダンパフェルト位置とエンベロープとの差
および/または離鍵速度に応じて制御してもよいことは
勿論である。さらに、上記実施形態で説明したダンパペ
ダルによる制御を併せて行うようにしてもよい。すなわ
ち、ダンパペダル位置に応じてダンパフェルト位置を求
めるとともに、鍵位置に応じてダンパフェルト位置を求
め、どちらが大きいかを判別して大きい方のダンパフェ
ルト位置とエンベロープ信号とを比較してレートを制御
するようにすればよい。
【0024】電子楽器の中には、アコースティックピ
アノにおいてダンパペダルを踏んだときに発生する共鳴
音を模倣するため、共鳴音付加器を有したものがある。
共鳴音は、ペダルを踏んだ状態で押鍵を行うと、弾いて
ない弦であっても共鳴によって鳴り響くことによって発
生される。この現象を模倣するため、電子楽器では、弾
かれた弦に共鳴する弦に対応する音高の複数の楽音(=
共鳴音)を弾かれた弦の音量よりも低音量で発生するよ
うにしている。このような電子楽器に本願発明を適用
し、個々の共鳴音について、各共鳴音の振幅とダンパの
位置関係に応じたエンベロープ制御を行うようにしても
よい。これにより、ハーフペダルとした場合、弾かれた
弦に対応する楽音は音量が大きいため、リリースレート
で減衰しペダル位置に応じたタイミングでサスティンレ
ートとなる。一方、共鳴音は、弾かれた弦に対応する楽
音よりも音量が小さいため、最初からサスティンレート
で減衰する。この結果、共鳴音は複数発生されるため、
トータルとしての音量が弾かれた弦に対応する楽音より
も大きくなり、共鳴音だけが鳴り響くことになり、自然
楽器の同様の現象を良好に模倣することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ダンパの位置と発音音
量に応じたエンベロープ制御を行うようにしているの
で、アコースティックピアノのダンパ操作の効果を充分
に再現することができる。(請求項1、2) また、共鳴音の音量についても、上記制御を行えば、ア
コースティックピアノ特有の、共鳴音だけが鳴り響くと
いう状況を模倣することができる。(請求項2) さらに、ダンパは、アコースティックピアノにおいて
は、ペダルを操作しても鍵を操作しても駆動されるが、
本願発明によれば、いずれか一方の操作子を用いた場合
でも、また、双方の操作子を用いた場合でも、良好にエ
ンベロープ制御を行うことができ、アコースティックピ
アノのダンパ操作効果を極めて精度良く模倣することが
できる。(請求項3)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電子楽器の要部の
構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す発音器1の構成を示すブロック図
である。
【図3】 図2に示すエンベロープ発生回路12の構成
を示すブロック図である。
【図4】 一実施形態におけるエンベロープ制御の一例
を示す説明図である。
【図5】 一般的なエンベロープの種類を示す説明図で
ある。
【図6】 弦の音量が小さくなってから響きの持続時間
が長くなる場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1…発音器、2…サウンドシステム、3…ダンパフェル
ト位置計算器(ダンパ位置検出手段)、4…音量指示器
(エンベロープレート制御手段)、20……レートデー
タ発生回路(エンベロープレート制御手段)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤
    楽器の発音を模倣する電子楽器において、 前記ダンパを動かすためのダンパ操作子の操作状況に応
    じて前記ダンパの位置を仮想的に求めるダンパ位置検出
    手段と、 前記ダンパ位置検出手段が検出したダンパ位置と発音中
    の楽音のエンベロープの大きさを逐次比較することによ
    り、前記ダンパが前記弦の振動を抑制している状態にあ
    るか否かを判定し、その判定結果に応じてエンベロープ
    の減衰レートを制御するエンベロープレート制御手段と
    を具備することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤
    楽器の発音を模倣するとともに、打弦された弦以外の弦
    の共鳴を模倣するために、共鳴音の楽音をも生成する共
    鳴音生成手段を有した電子楽器において、 前記ダンパを動かすためのダンパ操作子の操作状況に応
    じて前記ダンパの位置を仮想的に求めるダンパ位置検出
    手段と、 前記ダンパ位置検出手段が検出したダンパ位置と前記共
    鳴音を含む全ての発音中の楽音のエンベロープの大きさ
    を逐次比較することにより、前記ダンパが前記弦の振動
    を抑制している状態にあるか否かを判定し、その判定結
    果に応じて各音のエンベロープの減衰レートを制御する
    エンベロープレート制御手段とを具備することを特徴と
    する電子楽器。
  3. 【請求項3】 前記ダンパ操作子は、ペダルおよび鍵の
    少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項
    1記載の電子楽器。
JP32022696A 1996-11-29 1996-11-29 電子楽器 Expired - Fee Related JP3642130B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32022696A JP3642130B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 電子楽器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32022696A JP3642130B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 電子楽器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10161658A true JPH10161658A (ja) 1998-06-19
JP3642130B2 JP3642130B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=18119141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32022696A Expired - Fee Related JP3642130B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 電子楽器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3642130B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006235216A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Yamaha Corp 楽器演奏の再生駆動装置、鍵盤楽器及び自動演奏ピアノ
JP2009175677A (ja) * 2007-12-27 2009-08-06 Casio Comput Co Ltd 共鳴音付加装置および電子楽器
JP2010113024A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Yamaha Corp 楽音制御装置
JP2020064189A (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 カシオ計算機株式会社 電子鍵盤楽器、方法およびプログラム
US10978031B2 (en) 2018-10-05 2021-04-13 Yamaha Corporation Sound signal generation device, sound signal generation method and non-transitory computer readable medium storing sound signal generation program

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006235216A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Yamaha Corp 楽器演奏の再生駆動装置、鍵盤楽器及び自動演奏ピアノ
JP2009175677A (ja) * 2007-12-27 2009-08-06 Casio Comput Co Ltd 共鳴音付加装置および電子楽器
JP2010113024A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Yamaha Corp 楽音制御装置
US8106287B2 (en) 2008-11-04 2012-01-31 Yamaha Corporation Tone control apparatus and method using virtual damper position
US10978031B2 (en) 2018-10-05 2021-04-13 Yamaha Corporation Sound signal generation device, sound signal generation method and non-transitory computer readable medium storing sound signal generation program
JP2020064189A (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 カシオ計算機株式会社 電子鍵盤楽器、方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3642130B2 (ja) 2005-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE35813E (en) Tone signal generation device with resonance tone effect
US8106287B2 (en) Tone control apparatus and method using virtual damper position
US6576826B2 (en) Tone generation apparatus and method for simulating tone effect imparted by damper pedal
US20140000443A1 (en) Electric keyboard musical instrument, method executed by the same, and storage medium
JPH05188950A (ja) 電子楽器
JP3642130B2 (ja) 電子楽器
JP2001005458A (ja) 鍵盤楽器
JP5305483B2 (ja) 楽音発生装置
JP2605885B2 (ja) 楽音発生装置
JP2692672B2 (ja) 楽音信号発生装置
JP4785052B2 (ja) 楽音発生装置
JP3624780B2 (ja) 楽音制御装置
JP3800778B2 (ja) 演奏装置及び記録媒体
JP2508138B2 (ja) 楽音信号発装置
JP3856009B2 (ja) 鍵盤楽器
JP2943279B2 (ja) 電子楽器
JP2744257B2 (ja) 電子打楽器
JP4106798B2 (ja) 音源装置
JP3567482B2 (ja) 電子楽器
JP4254697B2 (ja) 電子楽器
JP5318460B2 (ja) 共鳴音発生装置
JP3280794B2 (ja) 残響音生成装置及び残響音生成方法
JPH06242781A (ja) 電子楽器
JPH07210157A (ja) 電子楽器
JP2953217B2 (ja) 電子楽器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050118

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080204

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110204

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120204

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130204

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees