JP3642130B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ピアノのダンパペダル操作に応じたエンベロープ変化を模倣することができる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピアノは押鍵により、その鍵に対応する弦が弾かれて音を発し、離鍵により当該弦がダンパフェルトに抑えられて止音される。この場合、ダンパフェルトによる止音の程度は、ペダル操作によって調整することができる。例えば、ペダルが踏まれていない場合は、離鍵後にダンパフェルトが直ちに弦を抑えて止音するが、ペダルが踏まれていれば離鍵後でもダンパフェルトは弦から離れているので、弦の音量はゆっくりと自然減衰される。さらに、ペダルの踏み込み量に応じてダンパフェルトの位置を操作することにより、弦に対するダンパフェルトの接触状態を変えることができ、音量の減衰度合いを調整することができる。
【0003】
このように、ダンパペダルは、その踏み込み量により楽音の減衰の仕方を調整することができる。一方、アコースティックピアノの楽音を電子的に模倣する電子鍵盤楽器においても、ダンパペダルが備えられている場合がある。この種の電子楽器においては、ダンパペダルの操作があったときは電気的にキーオフの処理を保留し、このペダルの踏み込み量に応じた減衰速度で音量を制御するようにしており、例えば、図5に示すように、音量減衰のレートを変えている。
図5に示すSRは、ペダルオン時のレート(以下、サステインレートと呼ぶ)によるエンベロープの減衰を示している。このサステインレートSRによる音量減衰は、弦の振幅が自然減衰するときに対応している。また、RRはペダルオフ時のレート(以下、リリースレートと呼ぶ)によるエンベロープの減衰を示しており、弦の振幅がダンパによって強制的に抑制される場合に対応している。図5に示すHR(P(x))、サステインレートSRとリリースレートRRの中間的なレートであり、ペダルの踏み込み量が大きくなるほど、ゆるやかにエンベロープが減衰するように、ペダルの踏み込み位置P(X)に応じてレートの値が変更される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アコースティックピアノにおいては、キーオフ後、ダンパペダルの踏み込み量によっては、音量が小さくなった後に長い響きが得られるといった現象が発生する。
この現象について、図6を参照して説明する。いま、時刻t1において、弦Sが振幅Aで振動しているとする。この時、ダンパフェルトDFは弦Sの上方にあり、弦Sには接していない。この状態において、弦Sは、自然減衰によりその振幅がやや小さくなる。
そして、時刻t2において、離鍵が開始され、ダンパフェルトDFが下降して弦Sに時刻t3で接する。その後、離鍵が継続されて鍵の押下げ量が減少すると、ダンパフェルトDFの位置がさらに下がり、弦Sの振動をさらに抑制し、鍵が完全に離されると、ダンパフェルトDFは弦Sの静止位置まで下がり、これにより、弦Sの振動が完全に抑制される。この結果、離鍵されると、弦の振幅が強制的に小さくなり、音量が急激に減衰する。
【0005】
ここで、離鍵される前にペダルが中途まで踏まれ、ダンパフェルトDFの下降が図6の時刻t4の位置で止められるとすると、弦SはダンパフェルトDFの下端までの空間においてだけ自由に振動することができる。したがって、時刻t3から時刻t4までは、上述したように、音量が急激に減衰し、時刻t4以降は、弦Sは自然減衰を続け(時刻t5)、音量がゆっくりと小さくなり、やがて停止する(時刻t6)。
ここで、時刻t4からt6の間の弦Sの挙動をみると、ダンパフェルトDFが下がった位置にあるにも関わらず、自然減衰をしている。したがって、全体を通して音量の減衰を観察すると、時刻t1からt3までは自然減衰(サステインレートSRによる減衰)、時刻t3からt4までは強制減衰(リリースレートRRによる減衰)、時刻t4からt6までは自然減衰(サステインレートSRによる減衰)となっていることが判る。以上のようにして、弦Sの音量が小さくなってから発音持続時間が延びるという現象が発生する。
【0006】
しかしながら、従来の電子楽器においては、ダンパペダルの踏み込み量に応じて単純に減衰速度(すなわち、レートHP(P(x)))を定めているので、例えば、離鍵が検出された時点(通常の電子楽器においては、時刻t3のダンパフェルトDFの位置に対応する位置まで鍵が離されたとき)において、踏み込み量に応じたレートが一旦設定されると、以後そのレートで強制的に減衰して消音してしまうため、図6の時刻t4〜t6のような自然減衰は再現することができなかった。
以上のように、従来の電子楽器においては、アコースティックピアノのダンパペダル効果を正確には再現することができないという欠点があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アコースティックピアノのダンパペダルの効果を良好に再現できる電子楽器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に記載の電子楽器は、弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤楽器の発音を模倣する電子楽器において、前記ダンパを動かすためのダンパ操作子の操作状況に応じて前記ダンパの位置を仮想的に求めるダンパ位置検出手段と、前記ダンパ位置検出手段が検出したダンパ位置と発音中の楽音のエンベロープの大きさを逐次比較することにより、前記ダンパが前記弦の振動を抑制している状態にあるか否かを判定し、その判定結果に応じてエンベロープの減衰レートを制御するエンベロープレート制御手段とを具備することを特徴とする。
また、請求項2に記載の電子楽器は、弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤楽器の発音を模倣するとともに、打弦された弦以外の弦の共鳴を模倣するために、共鳴音の楽音をも生成する共鳴音生成手段を有した電子楽器において、前記ダンパを動かすためのダンパ操作子の操作状況に応じて前記ダンパの位置を仮想的に求めるダンパ位置検出手段と、前記ダンパ位置検出手段が検出したダンパ位置と前記共鳴音を含む全ての発音中の楽音のエンベロープの大きさを逐次比較することにより、前記ダンパが前記弦の振動を抑制している状態にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて各音のエンベロープの減衰レートを制御するエンベロープレート制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
(1)実施形態の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電子楽器の要部の構成を示すブロック図である。図に示す回路においては、不図示の鍵盤装置で鍵が押下されると、キーオンが検出されて、押された鍵を示すキーコードKCとキーオンを示すキーオン信号KONとが発音器1に供給される。発音器1は、キーオン信号KONが供給されると、キーコードKCに応じた音高の波形信号を発生し、さらに、この波形信号にエンベロープ制御を施した後サウンドシステム2に供給する。一方、不図示の鍵盤装置で離鍵されると、キーオフが検出されて、離された鍵を示すキーコードKCと、キーオフ信号KOFとが発音器1に供給される。発音器1は、キーオフ信号KOFが供給されると、エンベロープを減衰させて消音する。
【0010】
ここで、図2は、発音器1の要部を示すブロック図であり、図示の10は波形メモリ、11は乗算器、12はエンベロープ信号発生回路である。波形メモリ10には、ピアノの楽音波形が例えば、PCM方式によって記録されており、キーオン信号KONが供給されるとキーコードKCに応じた速度で波形が読み出され、これにより、キーコードKCの音高に対応した波形信号が生成される。また、キーオン信号が供給されるタイミングに同期して、エンベロープ波形発生回路12からエンベロープ信号ENVが出力され、波形メモリ10から読み出された波形信号に乗算器11において乗算される。この場合のエンベロープ信号は、前述した図5に示す一定の傾きを持った直線的に増加・減少する信号であり、その傾きのレートは、アタックレートAR、ディケイレートDR、サステインレートSR、リリースレートRR等である。乗算器11の出力信号は、サウンド信号SSとしてサウンドシステム2に供給される。
【0011】
ここで、図3は、エンベロープ波形発生回路12の構成を示すブロック図である。図において、20はレートデータ発生回路であり、エンベロープ信号ENVの変化に応じたアタック、ディケイ、サステイン、リリースの各レートの切り換え、および後述するエンベロープレート指示信号Erに従ったリリースレートRRからサスティンレートSRへの切り換えなどを行う。そして、このレートデータを加算器21とレジスタ22によって累算することにより、エンベロープ信号ENVを生成するようになっている。また、比較器25は、エンベロープ信号ENVの値と目標値発生回路26が出力する目標値とを比較し、一致する毎に切換指示信号を出力する。目標値発生回路26は、キーオン後にアタック部の終了目標値を出力し、次に、切換指示信号が供給されるとディケイ部の終了目標値を出力するようになっている。
【0012】
一方、レートデータ発生回路20は、基本的に、キーオン後にアタックレートARに対応する値を出力し、次に、切換指示信号が供給されるとディケイレートDRに対応する値を出力し、再び切換指示信号が供給されるとサステインレートSRに対応する値を出力する。以上により、アタック、ディケイ、サステインの各部のエンベロープが形成される。また、キーオフがあった場合は、ペダルが踏まれていなければ、リリースレートRRに対応する値を出力し、エンベロープを急激に減衰させる。なお、ペダルが踏まれていた場合の処理については後述する。
【0013】
次に、図1に示すダンパフェルト位置計算器3は、キーオン信号KON、キーオフ信号KOF、およびダンパペダル(図示略)のペダル位置P(x)に基づいて、ダンパフェルトの位置を検出する。より詳細に言えば、ダンパフェルト位置計算器3は、ペダル位置P(x)からアコースティックピアノにおけるダンパフェルト位置を仮想し、ダンパペダルが全く踏み込まれていない状態を“0”として、その位置を算出する。ただし、アコースティックピアノにおいて、鍵が押された状態では、ダンパペダルが踏み込まれていても、ダンパフェルト位置は弦と充分離間した位置となるから、ダンパフェルト位置計算器3は、供給されるキーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFに基づき、キーオンされてからキーオフされるまで(押鍵中)は、ダンパフェルト位置としてペダル位置にかかわらずアタック部の終了目標値よりも大きい一定値を出力し、キーオフ後においてのみダンパフェルト位置としてペダル位置に応じた値DF(x)を出力する。なお、ペダル位置P(x)は、ダンパペダルまたはダンパペダルに連動するロッド等に取り付けられたセンサによって検出される。
【0014】
音量指示器4は、ダンパフェルト位置計算器3から出力されるダンパフェルト位置DF(x)および発音器1から出力されるエンベロープ信号ENVに基づいてエンベロープ波形のレートを指示するエンベロープレート指示信号Erを生成し発音器1に供給する。
【0015】
(2)実施形態の動作
次に、上述した構成による本実施形態の動作を説明する。
鍵がオンされると、その鍵に対応する発音指示が発音器1に供給され、キーオンされた鍵に対応する楽音がサウンドシステム2から発生する。このとき、キーオンに応答して、アタック、ディケイ、サステインの各レートで順次エンベロープが制御され、また、キーオフがあると直ちにリリースレートRRによるエンベロープ制御がなされる。
【0016】
ここで、音量指示器4は、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値をエンベロープ信号ENVの値を常時比較しているが、キーオフ信号が発生される前は、ダンパフェルト位置計算器3からアタック部の終了目標値よりも大きい一定値がダンパフェルト位置信号DF(x)として出力されるため、ダンパフェルトDFが弦に接する状態にないと判断して、ダンパペダルが踏まれているか否かに関わらず、特段の指示は行わない。したがって、キーオフ信号が発生する前は、アタック、ディケイ、サスティンの各レートで順次エンベロープが制御される。
【0017】
一方、キーオフ信号が発生された後においては、ダンパフェルト位置計算器3からペダル位置に応じたダンパフェルト位置信号DF(x)が出力される。
ここで、ダンパベダルが全く踏まれていない状態では、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値は、“0”であるため、エンベロープ信号ENVの値の方が常に大きいので、音量指示器4は、特段の指示を行わない。これによりエンベロープはリリースレートで急速に減衰する。
【0018】
一方、ダンパベダルが完全に踏込まれた状態では、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値は、アタック部の終了目標値よりも大きい値となるため、エンベロープ信号ENVの値の方が小さいので、音量指示器4は、ダンパフェルトDFが弦Sの振動を抑制しない位置にあると判断して、発音器1のレートデータ発生回路20に対してサスティンレートSRを指示するエンベロープ指示信号Erを出力する。これにより、エンベロープはサスティンレートでゆっくり減衰する。
【0019】
また、ダンパペダルが中途に踏込まれた状態(=ハーフペダルの状態)では、音量指示器4は、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値とエンベロープ信号ENVの値を比較し、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値よりもエンベロープ信号ENVの値の方が大きい間は、特段の指示を行わず、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値よりもエンベロープ信号ENVの値の方が小さくなると、ダンパフェルトDFが弦Sの振動を抑制しない位置にあると判断して、発音器1のレートデータ発生回路20に対してサスティンレートSRを指示するエンベロープ指示信号Erを出力する。これにより、キーオフ直後はリリースレートで急速減衰し、その後サスティンレーンでゆっくり減衰するようになる。
【0020】
以上のように、音量指示器4はダンパフェルト位置信号DF(x)とエンベロープ信号ENVとを常に比較してダンパフェルトDFが弦の振動を抑制する位置にあるか否かを判定しているため、弦の振動が抑制されている場合はリリースレートRRが設定され、一方、弦の振動が抑制されていない場合はサステインレートSRによる自然減衰が選択される。したがって、ダンパペダルの操作が、キーオフ前に行われても、また、キーオフ後に行われても、さらに、キーオフ前に踏み込まれ、その後、キーオフ後に少し戻されても、常に、適切なエンベロープ制御が行われ、アコースティックピアノのペダル操作に伴う音量変動を極めて忠実に再現することができる。
ここで、図4(イ)に、本実施形態におけるエンベロープ制御の一例を示す。この場合、図4(ロ)は、同図(イ)に対応したアコースティックピアノのダンパフェルトDFと弦Sの関係を示している。なお、図4(ロ)は図6と同じ状態を示している。
【0021】
図4(イ)に示す例においては、時刻t0にキーオンが検出され、時刻t1までアタックレートARによるエンベロープ制御が行われ、時刻t1からt2までディケイレートDRおよびサスティンレートSRによるエンベロープ制御がなされている。そして、時刻t3でキーオフが検出され、これにより、イキの戻し位置に応じてダンパフェルトDFが下降して弦Sの振動を抑制する。エンベロープ制御は、リリースレートRRによる制御となり、音量が急激に減衰する。また、ダンパフェルトDFと弦Sとの関係が同図(ロ)に示す状態になるようなペダル操作がされていると、時刻t3以降については、ダンパフェルトDFが弦Sの振動を抑制しない状態になる。本願においては、音量指示器4がダンパフェルト位置信号DF(x)とエンベロープ信号ENVとを常に比較しているから、時刻t3以降はダンパフェルトDFが弦Sの振動を抑制しない状態にあると判断することができる。そこで、時刻t3以降はサステインレートSRによる自然減衰となるようにエンベロープを制御する。
【0022】
(4)変形例
▲1▼なお、上記においては、1つの鍵が単独で押された場合について説明したが、複数の鍵が並列して押された場合には、発音器1で複数の楽音信号を並列して発生するとともに、音量指示器4で各楽音信号毎にエンベロープ波形の傾きを制御することになる。
上記実施形態では、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値よりもエンベロープ信号ENVの値の方が大きい間は、ダンパペダルの踏込み量に関わらず、一律にリリースレートでエンベロープを制御するようにしたが、ダンパフェルト位置信号DF(x)の値とエンベロープ信号ENVの値との差に応じてレートを制御するようにしてもよい。すなわち、エンベロープ信号ENVの値が示す現音量とダンパフェルト位置信号DF(x)の値が示す指示音量との差が大きいほど、弦の振幅が一度にダンパによって抑えられるので、音量の減衰が早いという現象に基づき、エンベロープ信号ENVの値とダンパフェルト位置信号DF(x)との差が大きいほどレートを大きくして急速にエンベロープを減衰させるようにすればよい。
また、ダンパペダルの戻し速度が大きいほどリリースレートを大きくするような制御をするようにしてもよい。
【0023】
▲2▼上記実施形態では、ダンパペダルを用いた場合のエンベロープ制御について説明したが、この発明は、離鍵時のエンベロープ制御にも適用することが可能である。すなわち、離鍵を行うとダンパフェルトが降下して弦を抑えるが、この時のダンパフェルトの位置は鍵の位置(押し下げ位置)に応じて決まるから、鍵の位置を検出してダンパフェルトの位置を求め、これとエンベロープ波形を比較することによって、上記実施形態と同様の制御を行うことが可能である。この場合には、以下のような効果を奏することができる。
例えば、アコースティックピアノにおいては、演奏者が離鍵後に鍵を完全に戻さずに中間位置で止めておくと、やがて弦の振動が小さくなり、ダンパフェルトがその振動を抑制しない状態になる。この状態は、本願発明においては、上記実施形態と同様に、ダンパフェルト位置とそのときのエンベロープ信号の値によって検出することができるから、以後はサステインレートに切り換えてエンベロープ波形を制御することにより、アコースティックピアノと同様の効果を奏することができる。
なお、この場合、リリースレートを、ダンパフェルト位置とエンベロープとの差および/または離鍵速度に応じて制御してもよいことは勿論である。
さらに、上記実施形態で説明したダンパペダルによる制御を併せて行うようにしてもよい。すなわち、ダンパペダル位置に応じてダンパフェルト位置を求めるとともに、鍵位置に応じてダンパフェルト位置を求め、どちらが大きいかを判別して大きい方のダンパフェルト位置とエンベロープ信号とを比較してレートを制御するようにすればよい。
【0024】
▲3▼電子楽器の中には、アコースティックピアノにおいてダンパペダルを踏んだときに発生する共鳴音を模倣するため、共鳴音付加器を有したものがある。共鳴音は、ペダルを踏んだ状態で押鍵を行うと、弾いてない弦であっても共鳴によって鳴り響くことによって発生される。この現象を模倣するため、電子楽器では、弾かれた弦に共鳴する弦に対応する音高の複数の楽音(=共鳴音)を弾かれた弦の音量よりも低音量で発生するようにしている。
このような電子楽器に本願発明を適用し、個々の共鳴音について、各共鳴音の振幅とダンパの位置関係に応じたエンベロープ制御を行うようにしてもよい。
これにより、ハーフペダルとした場合、弾かれた弦に対応する楽音は音量が大きいため、リリースレートで減衰しペダル位置に応じたタイミングでサスティンレートとなる。一方、共鳴音は、弾かれた弦に対応する楽音よりも音量が小さいため、最初からサスティンレートで減衰する。この結果、共鳴音は複数発生されるため、トータルとしての音量が弾かれた弦に対応する楽音よりも大きくなり、共鳴音だけが鳴り響くことになり、自然楽器の同様の現象を良好に模倣することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、ダンパの位置と発音音量に応じたエンベロープ制御を行うようにしているので、アコースティックピアノのダンパ操作の効果を充分に再現することができる。(請求項1、2)
また、共鳴音の音量についても、上記制御を行えば、アコースティックピアノ特有の、共鳴音だけが鳴り響くという状況を模倣することができる。(請求項2)
さらに、ダンパは、アコースティックピアノにおいては、ペダルを操作しても鍵を操作しても駆動されるが、本願発明によれば、いずれか一方の操作子を用いた場合でも、また、双方の操作子を用いた場合でも、良好にエンベロープ制御を行うことができ、アコースティックピアノのダンパ操作効果を極めて精度良く模倣することができる。(請求項3)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電子楽器の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す発音器1の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示すエンベロープ発生回路12の構成を示すブロック図である。
【図4】 一実施形態におけるエンベロープ制御の一例を示す説明図である。
【図5】 一般的なエンベロープの種類を示す説明図である。
【図6】 弦の音量が小さくなってから響きの持続時間が長くなる場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1…発音器、2…サウンドシステム、3…ダンパフェルト位置計算器(ダンパ位置検出手段)、4…音量指示器(エンベロープレート制御手段)、20……レートデータ発生回路(エンベロープレート制御手段)。

Claims (3)

  1. 弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤楽器の発音を模倣する電子楽器において、
    前記ダンパを動かすためのダンパ操作子の操作状況に応じて前記ダンパの位置を仮想的に求めるダンパ位置検出手段と、
    前記ダンパ位置検出手段が検出したダンパ位置と発音中の楽音のエンベロープの大きさを逐次比較することにより、前記ダンパが前記弦の振動を抑制している状態にあるか否かを判定し、その判定結果に応じてエンベロープの減衰レートを制御するエンベロープレート制御手段と
    を具備することを特徴とする電子楽器。
  2. 弦の振動を抑制するダンパを有した鍵盤楽器の発音を模倣するとともに、打弦された弦以外の弦の共鳴を模倣するために、共鳴音の楽音をも生成する共鳴音生成手段を有した電子楽器において、
    前記ダンパを動かすためのダンパ操作子の操作状況に応じて前記ダンパの位置を仮想的に求めるダンパ位置検出手段と、
    前記ダンパ位置検出手段が検出したダンパ位置と前記共鳴音を含む全ての発音中の楽音のエンベロープの大きさを逐次比較することにより、前記ダンパが前記弦の振動を抑制している状態にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて各音のエンベロープの減衰レートを制御するエンベロープレート制御手段と
    を具備することを特徴とする電子楽器。
  3. 前記ダンパ操作子は、ペダルおよび鍵の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
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