JPH1016072A - 複合材料の製造方法 - Google Patents

複合材料の製造方法

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JPH1016072A
JPH1016072A JP8185404A JP18540496A JPH1016072A JP H1016072 A JPH1016072 A JP H1016072A JP 8185404 A JP8185404 A JP 8185404A JP 18540496 A JP18540496 A JP 18540496A JP H1016072 A JPH1016072 A JP H1016072A
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Japan
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JP8185404A
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English (en)
Inventor
Satoru Masada
悟 政田
Kazuo Noya
和雄 野家
Yasushi Yoshinaga
泰 吉永
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱・冷却の熱履歴を受けることにより、心
材とCFRP層との間に隙間を生じ、所定の構造強度を
確保することができなくなる。 【解決手段】 炭素繊維強化プラスチック層14,15
の炭素繊維を心材1の周方向Y−Yに対して所定の巻き
角度θをなす方向に巻付けた斜交層14a,14b,1
4cと、心材1の中心軸線方向X−Xと直交する方向に
巻付けた直交層15a,15b,15cとを、心材1の
上に斜交層14a,14b,14c、直交層15a,1
5b,15cの順番で交互に合計で少なくとも4層を積
層し、斜交層14a,14b,14cの巻き角度θを6
0〜80°の範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、心材の周囲にフィ
ラメントワインディング法によつて炭素繊維強化プラス
チックを密着させた複合材料の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及びその課題】この種の複合材料は、従
来、圧力容器(例えばガスタンク)、軸材、耐圧パイプ
等の構造部材として使用されている。この複合材料にお
いて、構造部材の軽量化、高剛性化及び高強度化を図る
場合、炭素繊維を心材の中心軸線方向と直交する方向つ
まり周方向に巻くのが最も効果的である。これは、炭素
繊維強化プラスチック(以下「CFRP」という。)の
強化繊維である炭素繊維が、繊維の延在方向に高い強度
と高い剛性を有するためである。
【0003】一方、炭素繊維の熱膨張係数は、繊維の延
在方向に非常に小さく、横方向に大きいという異方性を
有する。このため、心材の中心軸線方向と直交する方向
にのみ炭素繊維を巻付けた場合、周方向において、CF
RP層の熱膨張係数が心材の熱膨張係数よりも著しく小
さくなる。その結果、複合材料が加熱・冷却の熱履歴を
受けることにより、心材とCFRP層との間に隙間を生
じ、所定の構造強度を確保することができなくなるとい
う技術的課題がある。例えば、熱硬化性のプラスチック
を使用した場合、複合材料の製造に際し、フィラメント
ワインディング後に150〜200℃に加熱して樹脂を
熱硬化させる処理を行う。この処理に際し、心材とCF
RP層との間に大きな熱膨張率の差が存在する場合に
は、冷却した後に心材とCFRP層との間に隙間が生じ
てしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明の構成は、心材1
と、該心材1の周囲に密着させた炭素繊維強化プラスチ
ック層14,15とを有する複合材料をフィラメントワ
インディング法によつて製造する複合材料の製造方法で
あつて、該炭素繊維強化プラスチック層14,15の炭
素繊維を該心材1の周方向Y−Yに対して所定の巻き角
度θをなす方向に巻付けた斜交層14a,14b,14
cと、該心材1の中心軸線方向X−Xと直交する方向に
巻付けた直交層15a,15b,15cとを、該心材1
の上に斜交層14a,14b,14c、直交層15a,
15b,15cの順番で交互に合計で少なくとも4層を
積層し、斜交層14a,14b,14cの巻き角度θを
60〜80°の範囲に設定すると共に、t:斜交層14
a,14b,14c及び直交層15a,15b,15c
の全厚さ、t0 :直交層15a,15b,15cのみの
全厚さ、α0 :直交層15a,15b,15cの周方向
の熱膨張係数、α1 :斜交層14a,14b,14cの
周方向の熱膨張係数、αM :心材1の熱膨張係数とし
て、 (t0 /t)α0 +〔(t−t0 )/t〕α1 =1αM
〜2αM を満足させることにより、該心材1と該炭素繊維強化プ
ラスチック層14,15との熱膨張係数差を制御するこ
とを特徴とする複合材料の製造方法である。請求項2の
発明の構成は、直交層15cによつて最外層を形成する
と共に、最外層を形成する直交層15cと最外層の直交
層15cに最も近い位置にある斜交層14cとの間に、
該心材1の周方向Y−Yに対し、斜交層14cの巻き角
度θよりも小さな巻き角度θ1 の緩和斜交層16を形成
し、斜交層14a,14b,14cの中心軸線方向X−
Xの熱膨張係数と直交層15a,15b,15cの中心
軸線方向X−Xの熱膨張係数との間の熱膨張係数を緩和
斜交層16に与えることにより、該心材1と該炭素繊維
強化プラスチック層14,15,16との熱膨張係数差
を制御することを特徴とする請求項1の複合材料の製造
方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施の形態について
図1〜図8を参照して説明する。図1(イ)は複合材料
の左端面を示し、図1(ロ)は複合材料の断面を示し、
図1(ハ)は複合材料の右端面を示す。図1中におい
て、符号1は剛体製(金属、コンクリート、木、プラス
チック等)の心材を示し、心材1は、内部空間1aを区
画して円筒状をなしている。なお、心材1が圧力容器を
形成する場合には、心材1の中心軸線方向の両端部が、
それぞれ図示を省略した半球状のドーム部によつて覆わ
れる。この心材1の周囲つまり筒状面部1bの外周に
は、図2に示すように樹脂被覆した炭素繊維からなるC
FRP層14,15をフイラメントワインデイング法に
て密着被覆させて、少なくとも4層(本態様では6層)
の被覆層(14,15)を形成する。
【0006】すなわち、図4に示すように心材1をマン
ドレルとして、回転駆動可能かつ中心軸線方向の移動可
能にフイラメントワインデイング成形装置に取付け、心
材1に回転を与えながら心材1の筒状面部1bの上に樹
脂被覆した炭素繊維14’を巻き付けて、図2に示す第
1斜交層14aを被覆層として形成する。この第1斜交
層14aは、図5に示すように心材1の周方向Y−Yに
対して所定の巻き角度θをなす方向に巻付けて形成す
る。
【0007】樹脂被覆した炭素繊維14’は、図3に示
すように樹脂被覆してない炭素繊維を案内ロール18に
て導いて、樹脂槽19中の例えば熱硬化性の溶融プラス
チックに浸漬させ、一対のロール20を通過させて心材
1の上に所定の張力にて直接巻き付け、第1斜交層14
aとなす。その際、心材1の中心軸線(X−X)は、一
対のロール20を通過した強化繊維14’の供給方向に
対し、巻き角度θに応じて所定角度θだけ傾斜させる。
強化繊維14’に適度の張力を付与し、かつ、心材1に
回転及び中心軸線方向X−Xの送りを与えながら巻き付
けることにより、押し付け力を充分に作用させた状態で
強化繊維14’が緊密に巻き付き、心材1との間及び強
化繊維14’相互間に空隙の存在しない第1斜交層14
aを密着被覆させることができる。
【0008】心材1の筒状面部1bの上に第1斜交層1
4aが所定の厚さにて被覆されたなら、同様のフイラメ
ントワインデイング成形装置を使用し、第1斜交層14
aの上に樹脂被覆した炭素繊維15’を同じくフープ巻
きにて、心材1の中心軸線方向X−Xと直交する方向つ
まり周方向Y−Yに沿つて巻き付けて、図2に示す第1
直交層15aを被覆層として被覆形成する。
【0009】更に、第1直交層15aが所定の厚さにて
形成されたなら、同様のフイラメントワインデイング成
形装置を使用し、第1直交層15aの上に樹脂被覆した
炭素繊維14’を巻付け、第2斜交層14bを形成す
る。第2斜交層14bは、第1斜交層14aと同様に心
材1の周方向Y−Yに対して所定の巻き角度θをなす方
向に巻付けて形成する。引続き、第1直交層15aと同
様の第2直交層15b、第1,第2斜交層14b,14
bと同様の第3斜交層14c、及び第1,第2直交層1
5a,15bと同様の第3直交層15cを順次に形成す
る。これにより、心材1の筒状面部1bが、第1,第
2,第3斜交層14及び第1,第2,第3直交層15に
て交互に補強された複合材料が得られる。
【0010】なお、最外層は斜交層14によつて形成
し、最外層における周方向Y−Yの熱膨張係数を適度に
確保することが望まれる。その場合には、斜交層及び直
交層からなるCFRP層14,15は、5層以上の奇数
層とする。但し、外観の見栄えの関係からは、最外層を
直交層によつて形成することが望まれる。また、第1,
第2,第3斜交層14は、それぞれ同一方向に巻付けた
一方向巻きとしたが、交差方向に巻付けた交差巻きの巻
き方も採用することができる。交差巻きは、例えば図6
に示すように第1,第3斜交層14a,14cを同一方
向に巻き付け、第2斜交層14bを、第1,第3斜交層
14a,14cに対して傾斜方向を反対側として交差角
度2θをなすように巻き付ける。
【0011】本発明者等は、このようにして第1,第
2,第3斜交層14a,14b,14c及び第1,第
2,第3直交層15a,15b,15cを交互に積層す
ることにより、CFRP層14,15の周方向Y−Yの
熱膨張係数が、図3に示すように巻き角度θの大きさに
よつて変化すると共に、斜交層14と直交層15との層
厚比によつても変化することを知得した。
【0012】一方、一般の金属の熱膨張係数は10〜3
0×10-6/℃程度であり、積層したCFRP層14,
15の熱膨張係数をこれに近いものとすることが望まし
い。図3には、巻き角度−炭素繊維強化プラスチック層
の周方向の熱膨張係数特性を示す。図3において、破線
Aは第1,第2,第3斜交層14を同一方向に巻付けた
一方向巻きの特性を示し、実線Bは第1,第3斜交層1
4a,14cを同一方向に巻き付け、第2斜交層14b
を、第1,第3斜交層14a,14cに対して交差角度
2θをなすように巻き付けた交差巻きの特性を示す。同
図から分かるように、心材1が金属の場合、一方向巻き
及び交差巻きのいずれにあつても、第1,第2,第3斜
交層14a,14b,14cの巻き角度θをほぼ55°
〜80°の範囲に設定することが望まれる。これによ
り、第1,第2,第3斜交層14a,14b,14cの
周方向Y−Yの熱膨張係数を、一般の金属の熱膨張係数
10〜30×10-6/℃にほぼ合致させることができ
る。
【0013】特に、熱硬化性の溶融プラスチックを使用
する場合、フィラメントワインディング後に150〜2
00℃に加熱して樹脂を熱硬化させる処理を行うが、巻
き角度θをほぼ55°〜80°の範囲に設定すれば、心
材1と斜交層14との間に熱膨張率の差がほとど無くな
るため、この温度から冷却した後に心材1と第1斜交層
14aとの間に隙間が生じ難い。なお、心材1との間の
熱膨張率の差が小さくなることに積極的に関与するの
は、斜交層14である。従つて、心材1の上には斜交層
つまり第1斜交層14aを配置し、第1斜交層14aの
上に第1直交層15a、第2斜交層14b、第2直交層
15b、第3斜交層14c及び第3直交層15cの順番
として斜交層と直交層とを交互に積層させ、斜交層14
及び直交層15の両者の機能を融合させる。
【0014】更に、CFRP層14,15の接着せん断
強度の試験を行つた。これは、図7に示すように筒状の
治具18上にCFRP層14,15の下端面を支持した
状態で、鋼製の心材1に荷重Pを作用させて行つた。そ
の試験結果を図8及び表1に示す。せん断強度の試験
は、熱膨張係数が12×10-6/℃の心材1を使用する
と共に、1層の厚さが0.34mmの直交層15の積層
数を11とし、また、1層の厚さが0.93mmの斜交
層14の積層数を13とし、斜交層14の巻き角度θを
それぞれ80°,70°,60°,55°,45°とし
た。同表には、試験結果として、せん断強度(kg/m
2 )を示すと共に、斜交層14及び直交層15が融合
した状態のCFRP層14,15のみかけ上の熱膨張係
数(×10-6/℃)を示す。
【0015】同図及び同表から分かるように、斜交層1
4の巻き角度θが60〜80°の範囲において、良好な
接着せん断強度が得られる。そこで、斜交層14の巻き
角度θは、60〜80°の範囲に設定する。なお、隣接
する斜交層14と直交層15との間は、溶融プラスチッ
クによつて接合しているので、その接着性は良好であ
る。
【0016】
【表1】
【0017】また、CFRP層14,15に所定の熱膨
張率を与えるために、数式1を経験則から求めた。 (t0 /t)α0 +〔(t−t0 )/t〕α1 =1αM 〜2αM ・・・数式1
【0018】ここで、t:第1〜第3斜交層14a,1
4b,14c及び第1〜第3直交層15a,15b,1
5c、つまりCFRP層14,15の全厚さ、t0 :第
1〜第3直交層15a,15b,15cのみの全厚さ、
α0 :第1〜第3直交層15a,15b,15cの周方
向Y−Yの熱膨張係数、α1 :巻き角度θの第1〜第3
斜交層14a,14b,14cの周方向Y−Yの熱膨張
係数、αM :心材1の熱膨張係数である。なお、第1〜
第3直交層15a,15b,15cの周方向Y−Yの熱
膨張係数α0 は、図3において巻き角度を0°とした場
合に該当し、0〜約−2×10-6/℃である。
【0019】数式1から、CFRP層14,15の熱膨
張には、斜交層14及び直交層15の全厚さtに対する
直交層15のみの全厚さt0 の比(t0 /t)、並びに
斜交層14及び直交層15の全厚さtに対する斜交層1
4のみの全厚さ(t−t0 )の比〔(t−t0 )/t〕
が大きく関係することが分かる。従つて、斜交層14及
び直交層15の全厚さt及び直交層15のみの全厚さt
0 、並びに図3から得られる斜交層14及び直交層15
の周方向の熱膨張係数α1 ,α0 を、それぞれ数式1に
代入し、数式1が充足されて心材1の熱膨張係数αM
1〜2倍になるように設定することにより、心材1と第
1斜交層14aとの間に熱応力差に起因して生ずるはく
離の問題を生じ難くなる。
【0020】すなわち、斜交層14の巻き角度θは、6
0〜80°の範囲に設定すると共に、数式1の条件を満
たすことにより、斜交層14及び直交層15が融合した
状態の熱膨張係数が心材1の材料の熱膨張係数αM に近
付くように調節され、フィラメントワインディング後の
加熱・冷却工程を経た後に、心材1とCFRP層14,
15との間に隙間を生じることが解消すると共に、接着
せん断強度に優れた複合材料が得られる。
【0021】図9には本発明の第2実施の形態を示し、
第1実施の形態と実質的に同一機能部分には同一符号を
付してそれらの説明は省略する。第2実施の形態にあつ
ては、最外層を形成する第3直交層15cと最外層を形
成する第3直交層15cに最も近い位置にある第3斜交
層14cとの間に、心材1の周方向に対し、第3斜交層
14cの巻き角度θよりも小さな巻き角度θ1 を与え、
CFRP層14,15の一部として緩和斜交層16を形
成してある。この緩和斜交層16には、第1,第2,第
3斜交層14a,14b,14cの中心軸線方向X−X
の熱膨張係数と第1,第2,第3直交層15a,15
b,15cの中心軸線方向X−Xの熱膨張係数との中間
の熱膨張係数が与えられる。第1,第2,第3斜交層1
4a,14b,14cの巻き角度θは、60〜80°の
範囲に設定する。
【0022】前述したように、CFRP層14,15,
16の強化繊維である炭素繊維の熱膨張係数は、繊維の
延在方向に非常に小さく、横方向に大きいという異方性
を有する。このため、第1,第2,第3斜交層14a,
14b,14c及び第1,第2,第3直交層15a,1
5b,15cを交互に積層したCFRP層14,15を
製作した場合、CFRP層14,15の硬化成形後の冷
却時に、特に第3斜交層14cと第3直交層15cの中
心軸線方向の熱膨張係数差に起因して、最外層である第
3直交層15cに割れが発生する。
【0023】これに対し、第2実施の形態によれば、C
FRP層14,15,16の熱膨張係数が、中心軸線方
向X−Xにも図3に示すと同様に巻き角度θによつて変
化することを利用して、最外層である第3直交層15c
の前に配向した緩和斜交層16に、斜交層14の中心軸
線方向X−Xの熱膨張係数と直交層15の中心軸線方向
X−Xの熱膨張係数との中間の熱膨張係数を与えること
になる。その結果、CFRP層14,15,16の最外
層を形成する直交層15cの割れを抑制することができ
る。
【0024】実際に、図7に示すように第1,第2,第
3斜交層14a,14b,14c及び第1,第2,第3
直交層15a,15b,15cを形成すると共に、第3
斜交層14cと最外層である第3直交層15cとの間に
緩和斜交層16を形成した複合材料と、緩和斜交層16
を形成しない複合材料とをそれぞれ製作し、最外層であ
る第3直交層15cの割れの有無を試験した。但し、第
1,第2,第3斜交層14a,14b,14cの巻き角
度θはいずれも60°にし、緩和斜交層16の巻き角度
θ1 は30°及び15°の順の2層巻きとした。その結
果、緩和斜交層16を形成したものでは割れが発生しな
かつたが、緩和斜交層16を形成しないものでは割れが
発生した。
【0025】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る複合材料の製造方法によれば、次の効果が
得られる。請求項1によれば、斜交層の巻き角度θを6
0〜80°の範囲に設定すると共に、数式の条件を満た
すことにより、炭素繊維強化プラスチック層の周方向の
熱膨張係数が心材の材料の周方向の熱膨張係数に近付く
ように調節される。これにより、繊維の延在方向に高い
強度と高い剛性を有する炭素繊維を強化繊維とする複合
材料からなる構造部材の軽量化、高剛性化及び高強度化
を図ることと、フィラメントワインディング後の加熱・
冷却の熱履歴を受けて、心材と炭素繊維強化プラスチッ
ク層との間に隙間を生じることの解消とが、良好に両立
する。
【0026】請求項2によれば、最外層の直交層と最外
層の直交層に最も近い位置にある斜交層との間の中心軸
線方向の熱膨張係数差に起因して、最外層に割れが発生
することが良好に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態に係る複合材料を一
部断面で示す図。
【図2】 同じく複合材料の要部を示す断面図。
【図3】 巻き角度−炭素繊維強化プラスチック層の周
方向の熱膨張係数特性を示す線図。
【図4】 同じくフイラメントワインデイング成形装置
を示す概略図。
【図5】 同じく斜交層の一方向巻きを示す図。
【図6】 同じく斜交層の交差巻きを示す図。
【図7】 同じくCFRP層の接着せん断強度の試験装
置を示す図。
【図8】 巻き角度−接着せん断強度特性を示す線図。
【図9】 本発明の第2実施の形態に係る複合材料の要
部を示す断面図。
【符号の説明】
1:心材、14,15,16:炭素繊維強化プラスチッ
ク層、14a,14b,14c:斜交層、15a,15
b,15c:直交層、16:緩和斜交層、X−X:中心
軸線方向、Y−Y:周方向、θ,θ1 :巻き角度。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心材(1)と、該心材(1)の周囲に密
    着させた炭素繊維強化プラスチック層(14,15)と
    を有する複合材料をフィラメントワインディング法によ
    つて製造する複合材料の製造方法であつて、該炭素繊維
    強化プラスチック層(14,15)の炭素繊維を該心材
    (1)の周方向(Y−Y)に対して所定の巻き角度
    (θ)をなす方向に巻付けた斜交層(14a,14b,
    14c)と、該心材(1)の中心軸線方向(X−X)と
    直交する方向に巻付けた直交層(15a,15b,15
    c)とを、該心材(1)の上に斜交層(14a,14
    b,14c)、直交層(15a,15b,15c)の順
    番で交互に合計で少なくとも4層を積層し、斜交層(1
    4a,14b,14c)の巻き角度θを60〜80°の
    範囲に設定すると共に、t:斜交層(14a,14b,
    14c)及び直交層(15a,15b,15c)の全厚
    さ、t0 :直交層(15a,15b,15c)のみの全
    厚さ、α0 :直交層(15a,15b,15c)の周方
    向の熱膨張係数、α1 :斜交層(14a,14b,14
    c)の周方向の熱膨張係数、αM :心材(1)の熱膨張
    係数として、 (t0 /t)α0 +〔(t−t0 )/t〕α1 =1αM
    〜2αM を満足させることにより、該心材(1)と該炭素繊維強
    化プラスチック層(14,15)との熱膨張係数差を制
    御することを特徴とする複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 直交層(15c)によつて最外層を形成
    すると共に、最外層を形成する直交層(15c)と最外
    層の直交層(15c)に最も近い位置にある斜交層(1
    4c)との間に、該心材(1)の周方向(Y−Y)に対
    し、斜交層(14c)の巻き角度(θ)よりも小さな巻
    き角度(θ1 )の緩和斜交層(16)を形成し、斜交層
    (14a,14b,14c)の中心軸線方向(X−X)
    の熱膨張係数と直交層(15a,15b,15c)の中
    心軸線方向(X−X)の熱膨張係数との間の熱膨張係数
    を緩和斜交層(16)に与えることにより、該心材
    (1)と該炭素繊維強化プラスチック層(14,15,
    16)との熱膨張係数差を制御することを特徴とする請
    求項1の複合材料の製造方法。
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