JPH10159896A - 磁性複合型制振材、及び制振工法 - Google Patents

磁性複合型制振材、及び制振工法

Info

Publication number
JPH10159896A
JPH10159896A JP8330403A JP33040396A JPH10159896A JP H10159896 A JPH10159896 A JP H10159896A JP 8330403 A JP8330403 A JP 8330403A JP 33040396 A JP33040396 A JP 33040396A JP H10159896 A JPH10159896 A JP H10159896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
vibration damping
rail
damping material
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8330403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3525020B2 (ja
Inventor
Yukinori Hanzaka
征則 半坂
Hitoshi Sato
仁 佐藤
Naoto Mifune
直人 御船
Hiroomi Takinozawa
洋臣 滝野沢
Kazuo Nishimoto
一夫 西本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CI Kasei Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Nichias Corp
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Nichias Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CI Kasei Co Ltd, Railway Technical Research Institute, Nichias Corp filed Critical CI Kasei Co Ltd
Priority to JP33040396A priority Critical patent/JP3525020B2/ja
Priority to NO19975405A priority patent/NO321566B1/no
Priority to EP97120738A priority patent/EP0849495B1/en
Priority to DE69731360T priority patent/DE69731360T2/de
Publication of JPH10159896A publication Critical patent/JPH10159896A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3525020B2 publication Critical patent/JP3525020B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Railway Tracks (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面状の振動面を有する振動体に容易に対応
し得る磁性複合型制振材、及びこの磁性複合型制振材を
用いた制振工法を提供する。 【解決手段】 ヤング率300kgf/mm2 以上の弾性を有
する鋼板等からなる拘束板と、残留磁束密度25〜15
000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する高分
子粘弾性材料からなり拘束板に積層される磁性層と、塑
性変形することにより磁性層の面形状をレールRの腹部
の振動面の形状に略合致させる溝16a等を備え、レー
ルRの腹部の振動面に磁着させ、内部損失効果とすべり
摩擦効果により制振を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性を有する板
と、着磁された磁性粉を含有する高分子粘弾性体とを積
層して構成され、曲面を有する振動体に装着可能な磁性
複合型制振材、及びこの磁性複合型制振材を用いた制振
工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道の鋼製桁橋等において、列車
走行による騒音や振動を抑制するための制振材として、
本願出願人らにより出願された磁性複合型制振材が知ら
れている。この磁性複合型制振材は、剛体からなる板
と、着磁された磁性粉を含有する高分子粘弾性体の層と
を積層させることにより形成されている(特公平7−5
1339号公報参照)。
【0003】この磁性複合型制振材においては、高分子
粘弾性体の層はそれ自体が磁力を有しているため、高分
子粘弾性体の層の側を鋼製桁橋等の表面に当接させるこ
とにより、磁力により容易に吸着させることができる。
この状態で鋼製桁橋等を振動させると、振動は高分子粘
弾性体層内に伝達され、高分子粘弾性体層は鋼製桁橋等
と一緒になって振動しようとする。しかし、高分子粘弾
性体層には、剛体板が接着等により積層されているの
で、高分子粘弾性体層は、剛体板によってその動きが拘
束される。このため、高分子粘弾性層内部において振動
エネルギーが熱エネルギーに変換され、熱となって発散
されて失われる。したがって、振動エネルギーは、まず
高分子粘弾性層の内部損失により低減される(以下、
「内部損失制振効果」という。)。
【0004】一方、高分子粘弾性層と鋼製桁橋等との境
界面においては、両者は完全に固着されているわけでは
なく、磁力によって高分子粘弾性層が鋼製桁橋等に吸着
(磁着)されているだけなので、ある程度以上の外力が
作用すると、高分子粘弾性層は鋼製桁橋等に対して「す
べり」又は「ずれ」を起こすことが可能となっている。
このため、鋼製桁橋等から高分子粘弾性体層内に振動が
伝達され、高分子粘弾性体層が境界面で変形しようとす
ると、高分子粘弾性体層と鋼製桁橋等との間にはすべり
摩擦力が発生し、高分子粘弾性層はこのすべり摩擦力を
受けながら境界面上で振動(変形)することになる。こ
の際、振動エネルギーが熱エネルギーに変換され、熱と
なって発散されて失われる。したがって、振動エネルギ
ーは、高分子粘弾性層と鋼製桁橋等との境界面のすべり
摩擦によっても低減される(以下、「すべり摩擦制振効
果」という。)。
【0005】上記した磁性複合型制振材(特公平7−5
1339号公報参照)以前の制振材は、内部損失制振効
果のみに頼っていたが、上記した磁性複合型制振材(特
公平7−51339号公報参照)においては、すべり摩
擦制振効果が内部損失制振効果と同等以上の役割を果た
しており、両効果の相乗作用により、それまでの制振材
に比べより優れた制振効果を発揮することが実験等によ
っても確認されている。
【0006】また、それまでの制振材が接着剤等によっ
て振動体に取り付けられていたのに対し、上記した磁性
複合型制振材(特公平7−51339号公報参照)にお
いては、振動体が鋼板等によって形成されていれば、磁
力により吸着されて支持されるので、接着剤等の塗布に
伴う作業が一切不要となり、それまでの制振材に比べ振
動体への設置施工が非常に簡易になる。
【0007】さらに、それまでの制振材の制振効果は、
高分子粘弾性層の内部におけるエネルギーの損失によっ
ていたが、このようなエネルギー損失を表わす損失係数
は、ある所定の温度においては高いピーク値を持つが、
その温度をはずれると急に減少する、という温度依存性
を有していた。しかし、上記した磁性複合型制振材(特
公平7−51339号公報参照)においては、すべり摩
擦による制振効果も大きく、このすべり摩擦は広い温度
範囲でほぼ一定値であるため、温度により制振効果が低
減することがなく、内部損失制振効果の温度依存性が緩
和され、それまでの制振材に比べ幅広い温度範囲で高い
制振性能を発揮することが実験等においても確認されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た磁性複合型制振材(特公平7−51339号公報参
照)においては、振動体が曲面状の振動面を有する部材
の場合には、下記のような問題があった。
【0009】すなわち、 剛体板がセラミックスのように脆性を有する材料の
場合には、この材料を曲面状に成型すれば剛体板自体は
製造可能だが、成型された剛体板の曲面上に均一な厚み
の高分子粘弾性層を形成することは平板の場合に比べ非
常に困難であること、 振動面に吸着する高分子粘弾性層の曲率が振動面の
曲率と同一になるように精密に製造したとしても、実際
の振動面は誤差や環境条件等により曲率が微妙に異なる
ことも多く、そのような場合には、剛体板の弾性変形に
より曲率の差を吸収させて磁性複合型制振材全体を振動
面に密着させるという方法が考えられるが、剛体板の剛
性が高いと曲面に追随しきれず磁性複合型制振材の一部
が振動面に密着しない可能性があること、 振動面の曲率と磁性複合型制振材の曲率が若干異な
る場合には、磁性複合型制振材を設置する現場において
剛体板を微小変形させて曲率の差を吸収させ磁性複合型
制振材を振動面に密着させるという方法が考えられる
が、剛体板がセラミックスのような脆性材料であると、
変形させようとする力に耐えられず剛体板が破壊する可
能性があること、等の問題である。
【0010】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、曲
面状の振動面を有する振動体に容易に対応し得る磁性複
合型制振材、及びこの磁性複合型制振材を用いた制振工
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る磁性複合型制振材は、強磁性体からな
り曲面を含む面からなる振動面を有する振動体の前記振
動面に磁着させて制振を行う磁性複合型制振材であっ
て、ヤング率300kgf/mm2 以上の弾性を有する材料か
らなる1枚又は複数枚の拘束板と、残留磁束密度25〜
15000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する
高分子粘弾性材料からなり前記拘束板に積層されるとと
もに前記振動面に吸着可能な1層又は複数層の磁性層
と、変形することにより前記磁性層の面形状を前記振動
面の形状に略合致させる調整手段を備えたことを特徴と
する。
【0012】上記において、好ましくは、前記調整手段
は、靱性材料により形成される拘束板であり、かつ前記
振動面が第1曲率半径を有する凹曲面の場合には、前記
振動面に対応する前記磁性層の曲率半径は前記第1曲率
半径よりも大きく設定される。
【0013】また、上記において、好ましくは、前記調
整手段は、靱性材料により形成される拘束板であり、か
つ前記振動面が第2曲率半径を有する凸曲面の場合に
は、前記振動面に対応する前記磁性層の曲率半径は前記
第2曲率半径よりも小さく設定される。
【0014】また、上記において、好ましくは、前記拘
束板を形成する材料は塑性を有し、前記振動面が第1曲
率半径を有する凹曲面の場合には、前記振動面に対応す
る前記磁性層の曲率半径は前記第1曲率半径よりも小さ
く設定され、かつ前記調整手段は、前記拘束板に設けら
れ、前記磁性層の曲率半径を大きくする方向に前記拘束
板を塑性変形可能な弱断面部である。
【0015】また、上記において、好ましくは、前記拘
束板を形成する材料は塑性を有し、前記振動面が第2曲
率半径を有する凸曲面の場合には、前記振動面に対応す
る前記磁性層の曲率半径は前記第1曲率半径よりも大き
く設定され、かつ前記調整手段は、前記拘束板に設けら
れ、前記磁性層の曲率半径を小さくする方向に前記拘束
板を塑性変形可能な弱断面部である。
【0016】また、上記において、好ましくは、前記振
動面は柱状体の側面の一部又は全部を含む凹面状又は凸
面状をなし、かつ前記弱断面部は、前記柱状体の軸に対
して平行な方向に延びるように形成された溝又は開口で
ある。
【0017】また、上記において、好ましくは、前記振
動面は、鉄道用レールの側面のうち、腹部の側面及び底
板の上面を含む。
【0018】また、上記において、好ましくは、前記振
動面は、鉄道用レールの側面のうち、底板の側面及び下
面を含む。
【0019】また、上記において、好ましくは、前記磁
性複合型制振材は2個の部材からなり、鉄道用レールの
1つの側部に対して1個取り付けられる。
【0020】また、上記において、好ましくは、前記磁
性複合型制振材は2個の部材からなり、鉄道用レールの
1つの側部及び底板の下面の半部に対して1個取り付け
られる。
【0021】また、上記において、好ましくは、前記磁
性複合型制振材は1個の部材からなり、鉄道用レールの
両側部及び底板の下面に一体的に取り付けられる。
【0022】また、上記において、好ましくは、前記拘
束板のうちの少なくとも1枚は金属材料又は合成樹脂材
料により形成される。
【0023】また、上記において、好ましくは、前記磁
性層のうちの少なくとも1層はゴム系材料又は熱可塑性
エラストマー系材料若しくは熱可塑性樹脂系材料により
形成される。
【0024】また、上記において、好ましくは、前記磁
性層のうちの少なくとも1層は、シート状部材に形成さ
れた後に前記拘束板に接着される。
【0025】また、上記において、好ましくは、前記拘
束板及び前記磁性層は、略平板状に積層形成された後に
プレスにより前記曲面状に成型される。
【0026】また、本発明に係る第1の制振工法は、強
磁性体からなり曲面を含む面からなる振動面を有する振
動体の前記振動面の制振を行う制振工法であって、ヤン
グ率300kgf/mm2 以上の弾性と、靱性を有する材料か
らなる1枚又は複数枚の拘束板と、残留磁束密度25〜
15000ガウス程度に磁性化された磁性粉を含有する
高分子粘弾性材料からなり前記拘束板に積層される1層
又は複数層の磁性層を備えた磁性複合型制振材を用い、
前記拘束板の弾性反発力を利用して前記磁性層を前記振
動面に嵌合させ、前記磁性層の面形状を前記振動面の形
状に略合致させ、かつ前記磁性粉の磁力を利用して前記
磁性層の略全面を前記振動面に吸着させることにより前
記磁性複合型制振材を前記振動面に取り付け、前記振動
体からの振動エネルギーを、前記拘束板により拘束され
る前記磁性層の内部において損失させるとともに、前記
振動面と前記磁性層との境界におけるすべり摩擦によっ
て損失させることを特徴とする。
【0027】また、本発明に係る第2の制振工法は、強
磁性体からなり曲面を含む面からなる振動面を有する振
動体の前記振動面の制振を行う制振工法であって、ヤン
グ率300kgf/mm2 以上の弾性と、塑性を有する材料か
らなり、その面形状を前記振動面の形状に合致させる方
向に塑性変形可能な弱断面部が形成された1枚又は複数
枚の拘束板と、残留磁束密度25〜15000ガウス程
度に磁性化された磁性粉を含有する高分子粘弾性材料か
らなり前記拘束板に積層される1層又は複数層の磁性層
を備えた磁性複合型制振材を用い、前記弱断面部の塑性
変形を利用して前記拘束板を変形させ前記磁性層の面形
状を前記振動面の形状に略合致させ、かつ前記磁性粉の
磁力を利用して前記磁性層の略全面を前記振動面に吸着
させることにより前記磁性複合型制振材を前記振動面に
取り付け、前記振動体からの振動エネルギーを、前記拘
束板により拘束される前記磁性層の内部において損失さ
せるとともに、前記振動面と前記磁性層との境界におけ
るすべり摩擦によって損失させることを特徴とする。
【0028】また、上記において、好ましくは、前記弱
断面部の塑性変形は、前記拘束板の特定位置の圧縮、前
記拘束板の所定箇所の曲げ、及び前記弱断面部付近のカ
シメのうちのいずれか、又はこれらの適宜の組合わせに
より行われる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】(1)第1実施形態 図1は、本発明に係る磁性複合型制振材の第1実施形態
であるレール制振装置の構成を示す断面図である。図1
において、レールRの右側は、まくらぎTとTの中間位
置における構成を、レールRの左側は、まくらぎTのレ
ール締結装置90の位置における構成を、それぞれ示し
ている。また、図2は、図1に示すレール制振装置の構
成を示す側面図である。
【0031】ここに、レールRは、強磁性体である鋼か
らなり、まくらぎT上にレール締結装置90によって締
結されている。レールR上を列車の車輪Wが走行する際
に振動が発生し、レールRは振動体に相当している。レ
ール締結装置90は、レールRの底板を支持する鋼製の
タイプレート91と、レールRをタイプレート91上に
弾性的に支持する鋼製の板バネ92と、板バネ92を締
結する鋼製の締結用ボルト93及び締結用ナット94
と、合成ゴム等からなりタイプレート91をまくらぎT
上に弾性的に支持する軌道パッド95を有して構成され
ている。
【0032】図1,図2に示すように、このレール制振
装置101は、レールRの腹部の左右の側面に取り付け
られる腹側部制振材11,11と、レールRの底板下面
に取り付けられる底下部制振材12と、これらの各制振
材11,11,12をバネの弾力で固定しレールRから
離脱することを防止する離脱防止具13を備えて構成さ
れている。従ってレールRの左右の腹部側面と底板下面
は振動面に相当している。離脱防止具13は、まくらぎ
TとTの中間位置の2箇所のレールの各左右位置に合計
4個配置されている。離脱防止具13は少なくとも1箇
所以上のレール左右位置に配置されればよく、その個数
は少なくとも2個以上であればよい。
【0033】腹側部制振材11は、非対称の略「U」字
断面を有する溝型部材状に形成されている。腹側部制振
材11は、レールRの頭部の下部の顎部Ra に密着する
曲面状の第1部11aと、レールRの腹部の側面Rb に
密着する曲面状の第2部11bと、レールRの底板の上
面Rc に密着する略斜面状の第3部11cを有してい
る。第1部11aの先端は、レールR上を走行する列車
の車輪Wのフランジの転動を支障しない位置まで延びて
いる。また、第3部11cの先端は、レールRをまくら
ぎTに締結するレール締結装置90の板バネ92を支障
しない位置まで延びている。また、第1部11aと第2
部11bとの間の屈曲した接続部における拘束板14
(後述)の表面には、レールRの長手方向に延びる溝1
6aが設けられ、第2部11bと第3部11cとの間の
屈曲した接続部における拘束板14の表面には、レール
Rの長手方向に延びる溝16bが設けられている。この
腹側部制振材11のレールRの長手方向の長さは、レー
ルRと隣接するレールRとをつなぐ継目板(図示せず)
の端部間の距離よりも短い長さの範囲内であれば任意の
長さが選択可能である。
【0034】また、底下部制振材12は、略矩形状の投
影形状を有する平板状に形成されている。この底下部制
振材12のレールRの長手方向の長さは、図2に示すよ
うに、まくらぎTと隣接する他のまくらぎTの端部間の
距離よりも短い長さの範囲内であれば任意の長さが選択
可能である。離脱防止具13は、鋼等の弾性材料からな
り、略「つ」字断面を有する板状に形成されている。
【0035】次に、腹側部制振材11のさらに詳細な構
成について、図3を参照しつつ説明を行う。腹側部制振
材11は、非対称の略「U」字断面の溝型状部材に形成
された鋼板等からなる拘束板14と、磁性ゴム等からな
り拘束板14に接着されて積層され拘束板14と略同一
断面形状に形成された磁性層15を有している。拘束板
14の表面において、各屈曲部にレールRの長手方向に
延設された溝16a,16bは、略「U」字状断面の細
い溝である。この溝16a,16bは、半円形断面、略
「V」字状断面、略矩形断面、又は略台形断面の溝でも
よい。
【0036】また、図示はしないが、底下部制振材12
は、平板状に形成された鋼板等からなる拘束板と、平板
状に形成された磁性ゴム等からなり拘束板に接着されて
積層された磁性層を有している。
【0037】次に、上記した腹側部制振材11の製造方
法について、図4を参照しつつ説明する。まず、略矩形
の平面投影形状を有する平板14′を用意する(図4
(A))。この平板14′が後に制振材の拘束板とな
る。平板14′としては、ヤング率300kgf/mm2 以上
の弾性、好ましくはヤング率500kgf/mm2 以上の弾性
を有し、かつ塑性を有する材料が使用可能である。
【0038】拘束板のヤング率が300kgf/mm2 より小
さいと、剛性が小さすぎて磁性層への拘束力が小さくな
るため、磁性層内部での変形が起こりにくくなり内部損
失による制振性能が低下する。また、磁性層への拘束力
が小さくなるため、振動体の振動に制振材全体が容易に
追随してしまい、振動体と磁性層との境界でのすべり摩
擦が起こりにくくなり、本発明の有利な効果である幅広
い温度範囲での制振性能を発揮することができない。
【0039】平板14′の材料としては、例えば、炭素
鋼板、合板鋼板、ステンレス鋼板、冷間圧延鋼板、亜鉛
メッキ鋼板等の鋼板が挙げられる。また、銅板、銅合金
板等の銅系板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等
のアルミニウム系板なども使用可能である。また、上記
の弾性、塑性の条件を満足すれば、他の金属からなる
板、繊維強化金属(Fiber Reinforced Metal:FRM)
からなる板等も使用可能である。
【0040】これらの金属板材の厚みとしては、0.1
mm〜5.0mm程度のものが使用可能である。金属板
材の厚みは、金属板材のヤング率と関連する。金属板材
のヤング率が上記の値の範囲内でかなり大きい場合に
は、厚みを薄くしても板の剛性は確保される。一方、金
属板材のヤング率が上記の値の範囲内ではあるが小さい
値の場合には、ある程度厚みを厚くして板の剛性を確保
する必要がある。
【0041】また、上記の弾性、塑性の条件を満足すれ
ば、金属材料以外の材料からなる拘束板も使用可能であ
る。例えば、合成樹脂材料であり、この例としては、不
飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を
含む熱硬化性樹脂、ナイロン(ポリアミド樹脂)、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ABS樹脂等を含む熱可塑性樹脂、あるいは
またこれらを母材(マトリクス)としガラス繊維、炭素
繊維、芳香族ポリアミド樹脂(アラミド樹脂)繊維等の
合成樹脂繊維によって補強された繊維強化合成樹脂(Fi
ber ReinforcedPlastics:FRP )などが挙げられ
る。これらの合成樹脂材料は、金属材料と比べ、一般に
ヤング率が小さいため、板材の厚みは、金属板材の場合
より厚くする必要があり、0.2mm〜5.0mm程度
のものが使用可能である。
【0042】上記の平板14′の表面14a′側には、
将来溝16aとなる位置に略「U」字状断面の溝16
a′を、また、将来溝16bとなる位置に略「U」字状
断面の溝16b′を、金属板の場合にはプレス成型又は
切削加工等によって、合成樹脂板の場合には射出成型等
によってそれぞれ設けておく(図4(A))。
【0043】上記した平板14′の裏面14b′側に、
後述する接着剤を用いて、平板14′と略同一の平面投
影形状を有する平面状のシート材15′(図4(B))
を接着して積層し、平板状部材11′を形成する(図4
(C))。以下、この方式を「シート材接着方式」と呼
ぶ。以下にこのシート材接着方式による平板状部材1
1′の形成方法について説明する。このシート材接着方
式では、シート材15′が後に制振材の磁性層となる。
また、平板14′とシート材15′の接着により形成さ
れた平板状部材11′が成型されて制振材となる。
【0044】シート材15′は、高分子粘弾性材料から
なる層の内部に、残留磁束密度25〜15000ガウス
程度、好ましくは残留磁束密度100〜10000ガウ
ス程度に磁性化された磁性粉(図示せず)が分散混合さ
れて形成されており、これが制振材の磁性層となる。
【0045】磁性粉の残留磁束密度が25ガウスより小
さいと、振動体への制振材の吸着力が不足するため、振
動時に脱落、ずれ、ばたつき等が発生し、制振作用が十
分発揮できない。一方、磁性粉の残留磁束密度が150
00ガウスより大きいと、振動体への制振材の吸着力が
強すぎるため、振動時にすべり摩擦が起こりにくくな
り、本発明の有利な効果である幅広い温度範囲での制振
性能を発揮することができない。
【0046】粘弾性材料とは、粘性と弾性の両方を兼ね
備えた性質を有する材料である。一般に、外力を加えて
変形をさせたときに、観測時間の長い時間領域では粘性
体としての性質を示し、観測時間の短い時間領域では弾
性体としての性質を示す。このような高分子粘弾性材料
としては、ゴム系材料と、熱可塑性エラストマーと、熱
可塑性樹脂が使用可能である。ゴム系材料としては、ニ
トリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、ポリ
イソブチレンゴム、ハロゲン化ゴム、エチレンプロピレ
ンゴム(EPM及びEPDM)、ブタジエンゴム(B
R)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(C
R)、アクリルゴム(ACM及びANM)、シリコンゴ
ム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、エピクロルヒドリン
ゴム(CO及びECO)、ウレタンゴム(U)、ポリノ
ルボルネンゴム、エチレンアクリルゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(C
M)等が使用可能である。
【0047】ゴム系材料は、その種類、配合、加硫の有
無によって、対候性、耐熱性、耐寒性、耐油性、耐溶剤
性、難燃性等の耐性に差がある。したがって、制振すべ
き振動体の環境条件によって適宜選択する必要がある。
また、ゴム系材料の場合は、後述する熱可塑性合成樹脂
等に比べ、加硫工程が増えるものの、高温で軟化しにく
く耐熱性に優れているという利点を有しているため、用
途により適宜使いわければよい。
【0048】また、熱可塑性エラストマー(Thermoplas
tic Elastomer :TPE)系材料としては、例えば、ス
チレン系統TPE(TPS)、オレフィン系TPE(T
PO)、塩ビ系TPE、ウレタン系TPE(TPU)、
エステル系TPE(TPEE)、ポリアミド系TPE、
1,2−ポリブタジエン系TPE等が使用可能である。
【0049】さらに、熱可塑性樹脂系材料としては、例
えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリフェニレンスルフォン、ポリブチレン
テレフタレート、塩化ビニル、EVA樹脂(エチレン酢
酸ビニル共重合樹脂)、エポキシ樹脂等が使用可能であ
る。
【0050】また、磁性粉としては、フェライト系磁性
粉と希土類系磁性粉が使用可能である。フェライト系磁
性粉としては、ストロンチウムフェライト、バリウムフ
ェライト等のフェライト系物質の粉末が挙げられる。ま
た、希土類系磁性粉としては、1−5型サマリウム・コ
バルト、2−17型サマリウム・コバルト等のサマリウ
ム・コバルト系物質の粉末、あるいはネオジウム・鉄・
ボロン系物質の粉末等が挙げられる。これらの磁性粉
は、高分子粘弾性材料の製造時、特に、原料の練混ぜ時
に混合される。磁性粉の高分子粘弾性材料への充填率
は、20〜100重量%程度、好ましくは30〜90重
量%程度とする。具体的には、フェライト系磁性粉の場
合は、40〜95重量%程度が好ましい。また、希土類
系磁性粉の場合には、フェライト系磁性粉に比べて磁力
が強いので、フェライト系磁性粉の場合の充填率よりも
低い充填率でも十分である。
【0051】磁性粉の高分子粘弾性材料への充填率が少
なすぎると、振動体への制振材の吸着力が不足するた
め、上述したように制振作用が十分発揮できない。一
方、磁性粉の高分子粘弾性材料への充填率が多すぎる
と、振動体への制振材の吸着力が強くなりすぎ、上述し
たように制振性能がかえって低下するほか、高分子粘弾
性材料の粘弾性が損なわれ、この意味でも好ましくな
い。
【0052】磁性粉の混合後、上記の高分子粘弾性材料
は、プレス成型(ゴム系材料の場合の加硫条件は通常1
70°Cで20分間程度)、押出し成型、インジェクシ
ョン(射出)成型、カレンダー成型等によりシート材1
5′に成型される。なお、高分子粘弾性材料としてゴム
系ポリマーを用いる場合には、通常加硫を行うが、非加
硫状態で用いてもよい。高分子粘弾性材料として熱可塑
性エラストマー、あるいは熱可塑性樹脂を用いる場合に
は、通常加硫は行わなくてよい。なお、高分子粘弾性材
料中には磁性粉が混合されており、シート材の厚みが薄
いとシート状に成型する場合に高分子粘弾性材料の流れ
が悪いため、厚みが0.4mm程度以下の磁性層を単体
のシート材として形成することは困難であり、このよう
な場合には後述するコート法が適している。
【0053】磁性粉への着磁は、上記したシート材1
5′が平板14′に接着される前に行う。着磁を行う場
合には、平面上に縞状となるように電磁石のS極とN極
を1〜10mm程度の間隔で交互に並べて着磁ヨークを
形成した片面多極着磁型コンデンサ着磁器を使用する。
シート材15′のうち、平板14′と接着される面15
a′とは反対側の面15b′をこの着磁ヨークに密着さ
せ、電磁石に通電することによりシート材15′の面1
5b′の着磁を行う。この面15b′が後に制振材の磁
性層の振動体への吸着面となる。
【0054】上記した着磁器におけるS極とN極の間隔
により、着磁後の磁性層の磁力を調整することができる
ため、制振を行う振動体の表面の荒さや塗装厚等に応じ
て適宜設定することが望ましい。
【0055】磁性粉への着磁は、上記したシート材1
5′の単体の状態で行うだけでなく、シート材15′を
平板14′に接着した後の平板状部材11′(後述)の
状態で行ってもよい。
【0056】上記の平板14′の裏面14b′(図4
(A))側に、シート材15′を接着して積層するため
に、平板14′の裏面14b′側の表面処理を行う必要
がある。この表面処理としては、油脂分等を除去し接着
面を清浄化するための表面脱脂処理、次いで塗布される
接着剤の接着力を高めるための粗面化処理、次いで接着
面の防錆、接着力のさらなる向上のために必要に応じて
化成処理を行う。
【0057】平板14′が金属板の場合には、脱脂処理
の方法として、溶剤脱脂法、アルカリ脱脂法、電解脱脂
法、超音波脱脂法、蒸気洗浄法等が用いられる。また、
粗面化処理の方法として、サンドブラスト法、スコッチ
ブライト法、サンドペーパー研磨法等が用いられる。化
成処理は、金属板の種類によって異なり、冷間圧延鋼板
の場合にはリン酸塩(例えばリン酸鉄)の被膜を、ステ
ンレス鋼板の場合にはシュウ酸塩被膜や亜鉛メッキ又は
銅メッキ等の被膜を形成させる。上記した脱脂処理、粗
面化処理、化成処理は、金属板の汚れが少ないこと、後
述するプライマーの接着性、磁性層を構成する高分子粘
弾性体の高分子の種類とその形成方法によっては、1工
程又は2工程以上を省略することが可能である。また、
拘束板が合成樹脂板の場合には、脱脂処理、粗面化処
理、化成処理は、金属板の場合に準じる。
【0058】次に、上記の化成処理によって接着面14
b′上に形成された被膜の上に接着剤を塗布し、接着剤
層を形成し、この接着剤層を介して平板14′の接着面
14b′とシート材15′の接着面15a′を接着し、
平板状部材11′を形成する。
【0059】この接着剤としては、反応型アクリル系接
着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フ
ェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、酢酸ビ
ニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレ
タン系接着剤、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂系
接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤、変形ア
クリル樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型
接着剤、酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂系エマルジョ
ン型接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン型接着剤、E
VA系ホットメルト型接着剤、エラストマー系ホットメ
ルト型接着剤、ポリアミド系ホットメルト型接着剤、合
成ゴム系溶剤型接着剤、合成ゴム系ラテックス型接着剤
等の接着剤や、溶剤型ゴム系接着剤、水系型ゴム系接着
剤、溶剤型アクリル系接着剤、水系型アクリル系接着
剤、液状硬化型接着剤等の感圧接着剤等が使用可能であ
る。
【0060】また、ポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リオレフィン系、フッ素樹脂系等の、高融点の熱融着性
合成樹脂フィルムも使用可能である。
【0061】あるいは、溶剤型アクリル樹脂系粘着剤、
溶液型ゴム系粘着剤、水系型ゴム系粘着剤、水系型アク
リル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ホットメルト系粘
着剤、液状硬化型粘着剤等も使用可能である。上記の溶
液型ゴム系粘着剤としては、天然ゴム(NR)、スチレ
ンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)
等を用いたものなどが挙げられる。また、水系型ゴム系
粘着剤としては、天然ゴムラテックス、SBRラテック
ス、クロロプレンラテックス等のラテックスを使用した
ものなどが挙げられる。
【0062】上記の「シート材接着方式」以外に、平板
14′上に高分子粘弾性材料を直接シート化して接着し
磁性層を形成することも可能である。以下、この方式を
「磁性層直接形成方式」と呼び、以下にその手順につい
て説明する。
【0063】この磁性層直接形成方式としては、平板1
4′上に形成する磁性層の高分子粘弾性材料がゴム系材
料で、接着する平板14′が金属板の場合には、上記の
化成処理によって平板14′の接着面14b′上に形成
された被膜の上に、例えばフェノール系プライマーをコ
ーター等により塗布し、その後焼付け処理(通常、13
0〜180°Cで1〜10分間程度)によって約5〜2
0μm程度の厚みのプライマー層を形成し、このプライ
マー層上で未加硫ゴムコンパウンドをプレス成型、イン
ジェクション成型等の方法で加硫接着する方法がある。
【0064】上記したフェノール系プライマーは、高分
子粘弾性材料として使用するゴム系材料の種類等により
種々の配合のものが使用可能である。ここでは、高分子
粘弾性材料としてニトリルゴムを使用する場合のフェノ
ール系プライマーの配合の一例を下表に示す。 ニトリルゴム(NBR) 100 PHR ステアリン酸 0.3〜1.5 亜鉛華 3〜10 カーボンブラック 100〜200 クマロインデン樹脂 20〜60 老化防止剤 1〜7 硫黄 0.5〜4 加硫促進剤 1〜7 フェノール樹脂 200〜1200 フェノール樹脂用架橋剤 1〜20 ケトン系溶剤 2000〜7000
【0065】上記のフェノール系プライマーに用いられ
るフェノール樹脂としては、純フェノール樹脂のほか、
クレゾール変性、カシュー変性、アルキルベンゼン変
性、フラン変性、ポリビニルブチラール変性等のフェノ
ール樹脂を用いてもよい。また、プライマー用のゴムと
しては、ニトリルゴムのほか、カルボキシル基含有NB
R、塩素ゴム等のゴムを使用してもよい。また、ゴムを
使用しなくてもよい。また、ケトン系溶剤としては、メ
チレンエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソ
ブチルケトン等が使用可能であり、これらにメタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶剤を加えてもよい。
プライマー中の固形分濃度は、10〜25重量%程度が
よい。
【0066】あるいは、他の磁性層直接形成方式とし
て、上記と同様に金属製の平板14′とゴム系材料の磁
性層の場合に、上記の化成処理によって平板14′の接
着面14b′上に形成された被膜の上に、例えばフェノ
ール系プライマー等を上記と同様にして焼付け処理によ
ってプライマー層を形成し、未加硫ゴムを溶剤に溶解さ
せたゴム液をコーター等によりプライマー層上にコート
した後に乾燥(例えば、60〜130°C程度)させて
溶剤を揮発させ、その後に加硫(例えば、160〜24
0°Cで5〜30分間程度)を行い、磁性層を形成する
という方法(「コート法」という。)がある。
【0067】このコート法において用いるゴム液は、ゴ
ム配合により異なるため、溶剤の種類、固形分濃度を調
整することによって、使用するコーターに適した粘度に
調整する必要がある。ここでは、高分子粘弾性材料とし
てニトリルゴムを、磁性粉としてストロンチウムフェラ
イトを使用する場合のゴム液の配合の一例を下表に示
す。 ニトリルゴム(NBR) 100 PHR ステアリン酸 0.5〜1.5 亜鉛華 3〜15 カーボンブラック 100〜150 老化防止剤 1〜10 硫黄 0.5〜4 加硫促進剤 1〜7 ストロンチウムフェライト 100〜3000 トルエン 1300〜9000
【0068】上記のゴム液用の溶剤としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤のほか、メチレ
ンエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系
溶剤、酢酸ブチル、酢酸プロピル等のエステル系溶剤
を、単独又は混合して用いることができる。また、これ
らにメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤を添
加してもよい。
【0069】上記のゴム液中の固形分濃度は、30〜6
0重量%程度がよい。また、ゴム液の粘度は、ナイフコ
ーターを使用する場合は、ナイフコーター使用時の最適
粘度である2000〜60000センチポアズ程度がよ
い。
【0070】また、上記したコート法では、コートされ
るゴム液の厚みが厚いとゴム液が垂れたり、乾燥に長時
間が必要であったり、ゴム液中の溶剤が残存しやすいた
め、厚みが0.5mm以下程度の磁性層を形成する場合
に適しており、これ以上の厚みの磁性層の場合にはシー
ト材接着方式等が適している。
【0071】あるいは、さらに他の磁性層直接形成方式
として、平板14′が金属製で、高分子粘弾性材料が熱
可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂の場合に、上記の
化成処理によって平板14′の接着面14b′上に被膜
が形成された後、適当な隙間を有する金型等を用い、不
定形の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂を金属製
平板14′上で熱可塑性エラストマー等の融点以上の温
度でプレスしてシート状に成型し、次いで融点以下に冷
却することにより、金属製平板14′の上に磁性層を形
成するという方法もある。この場合には、接着剤を用い
なくても、熱可塑性エラストマー又は熱可塑性樹脂自身
の接着力により磁性層が金属製平板14′に接着され
る。
【0072】上記したような各種の方法により、図4
(C)に示すように、平板14′にシート材15′が積
層された平板状部材11′が形成される。第1実施形態
のレール制振装置101の底下部制振材12は、16
a′及び16b′のような溝が表面に形成されない点だ
けが異なるだけであり、その他は平板状部材11′とま
ったく同様の方法で形成される。
【0073】次に、この平板状部材11′にプレス加工
を施すことにより、図4(D)に示すような腹側部制振
材11”が形成される。この腹側部制振材11”は、非
対称の略「U」字断面の拘束板14”に磁性層15”が
積層されて形成されており、曲面状の第1部11a”
と、曲面状の第2部11b”と、略斜面状の第3部11
c”を有している。また、第1部11a”と第2部11
b”との間の屈曲した接続部における拘束板14”の表
面には、レールRの長手方向に延びる溝16a”が形成
され、第2部11b”と第3部11c”との間の屈曲し
た接続部における拘束板14”の表面には、レールRの
長手方向に延びる溝16b”が形成されている。この腹
側部制振材11”のレールRの長手方向の長さは、図1
に示す腹側部制振材11と同一である。
【0074】上記のプレス成型時には、腹側部制振材1
1”の磁性層15”のうち、第1部11a”と第2部1
1b”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールRの頭
部の下部の顎部Ra とレールRの腹部の側面Rb との中
間付近の凹曲面の曲率半径よりも小さく設定されてい
る。また、腹側部制振材11”の磁性層15”のうち、
第2部11b”と第3部11c”の中間付近の屈曲面の
曲率半径は、レールRの腹部の側面Rb とレールRの底
板の上面の斜面Rc の法肩部との中間付近の凹曲面の曲
率半径よりも小さく設定されている。上記において、レ
ールRの頭部の下部の顎部Ra とレールRの腹部の側面
Rb との中間付近の凹曲面の曲率半径、及びレールRの
腹部の側面Rb とレールRの底板の上面の斜面Rc の法
肩部との中間付近の凹曲面の曲率半径は、第1曲率半径
に相当している。
【0075】また、腹側部制振材11”の磁性層15”
のうち、第1部11a”の部分の面形状はレールRの頭
部の下部の顎部Ra の部分の凹曲面の面形状と略同一形
状に形成され、第2部11b”の部分の面形状はレール
Rの腹部側面Rb の部分の凹曲面の面形状と略同一形状
に形成され、第3部11c”の部分の面形状はレールR
の底板上面の斜面Rc の部分の凹曲面の面形状と略同一
形状に形成されている。
【0076】また、腹側部制振材11”の拘束板14”
において、溝16a”及び16b”の位置における断面
厚は周囲の部分より薄くなっており、溝16a”及び1
6b”の部分は、周囲よりも曲げ力に対して弱い弱断面
部となっている。
【0077】次に、第1実施形態のレール制振装置10
1のレールRへの取付方法を説明する。まず、底下部制
振材12の場合には、レールRの底板の下面Re (図1
参照)側に、底下部制振材12の磁性ゴム等からなる磁
性層(図示せず)の表面を当接させれば、磁力によりレ
ールRの底板下面Re に吸着される。
【0078】腹側部制振材11”の場合には、図5
(A)に示すように、まず、レールRの腹部の側面Rb
側に、腹側部制振材11”の磁性ゴム等からなる磁性層
15”のうち、第2部11b”付近の表面を当接させれ
ば、この部分が磁力によりレールRの腹部側面Rb に吸
着される。この場合、上記したように、腹側部制振材1
1”の第1部11a”と第2部11b”の中間付近の屈
曲面の曲率半径は、レールRの頭部の下部の顎部Ra と
レールRの腹部の側面Rb との中間付近の凹曲面の曲率
半径よりも小さく設定されており、腹側部制振材11”
の第2部11b”と第3部11c”の中間付近の屈曲面
の曲率半径は、レールRの腹部の側面Rb とレールRの
底板の上面の斜面Rc の法肩部との中間付近の凹曲面の
曲率半径よりも小さく設定されているから、腹側部制振
材11”の磁性層15”のうち、第1部11a”の部分
はレールRの頭部の下部の顎部Ra の凹曲面には当接せ
ずに浮いた状態となっており、第3部11c”の部分も
レールRの底板の上面の斜面Rc には当接せずに浮いた
状態となっている。
【0079】次に、レールRの腹部側面Rb に吸着して
いる第2部11b”付近を図示しない工具又は治具等で
押えつけ、この状態で第1部11a”の先端を図5
(A)において太い一点鎖線で示す方向に図示しない工
具又は治具等を用いて曲げ力を作用させれば、溝16
a”の部分は周囲の部分に比べて曲げ強度が弱いから、
上記の曲げ力がある値以上になると塑性変形を起こし、
第1部11a”は、図5(A)において太い一点鎖線で
示す方向に回動する。これに伴い、第1部11a”と第
2部11b”の中間の屈曲部付近の磁性層15”の曲率
半径は大きくなる。また、第1部11a”の面形状は、
レールRの頭部の下部の顎部Ra の凹曲面の形状と略同
一形状に形成されているから、第1部11a”はほぼ全
面が凹曲面Raに当接し、磁性層15”の磁力によりこ
の凹曲面Ra に吸着され、図5(B)に示すようにレー
ルRの頭部の下部の顎部Ra に密着した曲面形状とな
る。
【0080】まったく同様にして、図5(A)におい
て、レールRの腹部側面Rb に吸着している第2部11
b”付近を図示しない工具又は治具等で押えつけ、この
状態で第3部11c”の先端を図5(A)において太い
一点鎖線で示す方向に図示しない工具又は治具等を用い
て曲げ力を作用させれば、溝16b”の部分は周囲の部
分に比べて曲げ強度が弱いから、上記の曲げ力がある値
以上になると塑性変形を起こし、第3部11c”は、図
5(A)において太い一点鎖線で示す方向に回動する。
これに伴い、第2部11b”と第3部11c”の中間の
屈曲部付近の磁性層15”の曲率半径は大きくなる。ま
た、第3部11c”の面形状は、レールRの底板上面の
斜面Rc の形状と略同一形状に形成されているから、第
3部11c”はほぼ全面が斜面Rc に当接し、磁性層1
5”の磁力によりこの斜面Rc に吸着され、図5(B)
に示すようにレールRの底板上面Rc に密着した曲面形
状となる。
【0081】上記のように、腹側部制振材11”の拘束
板14”を塑性変形させた後には、変形後の磁性層15
の面形状はレールRの側部の凹曲面の形状と一致し、変
形後の磁性層15は図5(B)に示すようにほぼ全面的
にレールRの側部に磁力で密着し、図1に示す腹側部制
振材11が形成される。
【0082】なお、上記においては、最初に、レールR
の腹部の側面Rb 側に、腹側部制振材11”の磁性層1
5”の第2部11b”付近の表面を磁力で吸着させ、こ
の第2部11b”を押えつけて他の第1部11a”と第
3部11c”を塑性変形によりレールRに密着させた
が、この方法以外に、最初にレールRの底板上面Rc 側
に、腹側部制振材11”の磁性層15”の第3部11
c”付近の表面を磁力で吸着させ、この第3部11c”
を押えつけて他の第2部11b”を塑性変形によりレー
ルRに密着させ、その後に第1部11a”を塑性変形に
よりレールRに密着させるようにしてもよい。
【0083】また、上記においては、弱断面部である溝
16a”や16b”を利用した拘束板11”の塑性変形
は、拘束板11”の第2部11b”付近の圧縮と、拘束
板11”の第1部11a”や第3部11c”の曲げ等に
よって行ったが、他の方法による塑性変形も可能であ
る。例えば、拘束板11”の溝16a”や16b”の付
近において、図示しない工具や治具等により「カシメ」
を行ってもよい。あるいは、圧縮、曲げ、カシメのうち
のいずれか、又はこれらの適宜の組合わせにより拘束板
11”の塑性変形を行うようにしてもよい。
【0084】上記のようにして、腹側部制振材11をレ
ールRの左右側とも取り付けた後、図1に示すように、
腹側部制振材11と底下部制振材12の間に離脱防止具
13を嵌め込み、レール制振装置101の取り付けが完
了する。このレール制振装置101においては、腹側部
制振材11”に溝16a”等が設けられ、塑性変形によ
り磁性層15”の面形状をレールRの腹部側面の形状に
略合致させるので、レールRの腹部側面の形状が製作誤
差、損傷、あるいはサビ等により若干変化しても、容易
に追随させて磁着させることができる。
【0085】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図6は、本発明に係る磁性複合型
制振材の第2実施形態であるレール制振装置の構成を示
す断面図である。図6において、レールRの右側は、ま
くらぎTとTの中間位置における構成を、レールRの左
側は、まくらぎTのレール締結装置90の位置における
構成を、それぞれ示している。また、図7は、図6に示
すレール制振装置の構成を示す側面図である。
【0086】レールR及びレール締結装置90の構成は
第1実施形態の場合とまったく同様である。また、第1
実施形態の場合と同様に、レールRは振動体に相当して
いる。
【0087】図6,図7に示すように、このレール制振
装置102は、レールRの腹部の左右の側面に取り付け
られる2つの半割制振材21及び21を備えて構成され
ている。レールRの左右の腹部側面と底板下面は振動面
に相当している。
【0088】半割制振材21は、略「S」字断面を有す
る部材状に形成されている。半割制振材21は、レール
Rの頭部の下部の顎部Ra に密着する曲面状の第1部2
1aと、レールRの腹部の側面Rb に密着する曲面状の
第2部21bと、レールRの底板の上面Rc に密着する
略斜面状の第3部21cと、レールRの底板の側面Rd
に密着する略垂直面状の第4部21dと、レールRの底
板の下面Re に密着する略平面状の第5部21eを有し
ている。第1部21aの先端は、レールR上を走行する
列車の車輪Wのフランジの転動を支障しない位置まで延
びている。また、第1部21aと第2部21bとの間の
屈曲した接続部における拘束板24(図8(B)参照。
後述)の表面には、レールRの長手方向に延びる溝26
aが設けられ、第2部21bと第3部21cとの間の屈
曲した接続部における拘束板24の表面には、レールR
の長手方向に延びる溝26bが設けられ、第3部21c
と第4部21dとの間の屈曲した接続部における拘束板
24の表面には、レールRの長手方向に延びる溝26c
が設けられている。この半割制振材21のレールRの長
手方向の長さは、図7に示すように、まくらぎTと隣接
する他のまくらぎTの端部間の距離よりも短い長さの範
囲内であれば任意の長さが選択可能である。
【0089】次に、半割制振材21のさらに詳細な構成
について、図8(B)を参照しつつ説明を行う。半割制
振材21は、非対称の略「S」字断面の部材に形成され
た鋼板等からなる拘束板24と、磁性ゴム等からなり拘
束板24に接着されて積層され拘束板24と略同一断面
形状に形成された磁性層25を有している。拘束板24
の表面において、各屈曲部にレールRの長手方向に延設
された溝26a,26b,26cは、略「U」字状断面
の細い溝である。この溝26a〜26cは、半円形断
面、略「V」字状断面、略矩形断面、又は略台形断面の
溝でもよい。
【0090】上記した半割制振材21の積層構造及びそ
の製造方法は、最後のプレス成型の形状が図4(D)に
示す略「U」字状断面ではなく略「S」字状断面である
点を除き、図4に示した方法とまったく同様である。す
なわち、第1実施形態において説明したような各種の方
法により、図4(C)に示すように、平板14′にシー
ト材15′が積層された平板状部材11′が形成され
る。この際、平板14′には、後に溝26a,26b,
26cとなる溝26a”,26b”,26c”が設けら
れる。
【0091】次に、この平板状部材11′にプレス加工
を施すことにより、図8(A)に示すような半割制振材
21”が形成される。この半割制振材21”は、非対称
の略「S」字断面の拘束板24”に磁性層25”が積層
されて形成されており、曲面状の第1部21a”と、曲
面状の第2部21b”と、略斜面状の第3部21c”
と、略垂直面状の第4部21d”と、略水平面状の第5
部21e”を有している。また、第1部21a”と第2
部21b”との間の屈曲した接続部における拘束板2
4”の表面には、レールRの長手方向に延びる溝26
a”が形成され、第2部21b”と第3部21c”との
間の屈曲した接続部における拘束板24”の表面には、
レールRの長手方向に延びる溝26b”が形成され、第
3部21c”と第4部21d”との間の屈曲した接続部
における拘束板24”の表面には、レールRの長手方向
に延びる溝26c”が形成されている。この半割制振材
21”のレールRの長手方向の長さは、図7に示す半割
制振材21と同一である。
【0092】上記のプレス成型時には、半割制振材2
1”の磁性層25”のうち、第1部21a”と第2部2
1b”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールRの頭
部の下部の顎部Ra とレールRの腹部の側面Rb との中
間付近の凹曲面の曲率半径よりも小さく設定されてい
る。また、半割制振材21”の磁性層25”のうち、第
2部21b”と第3部21c”の中間付近の屈曲面の曲
率半径は、レールRの腹部の側面Rb とレールRの底板
の上面の斜面Rc の法肩部との中間付近の凹曲面の曲率
半径よりも小さく設定されている。そして、半割制振材
21”の磁性層25”のうち、第3部21c”と第4部
21d”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールRの
底板の上面の斜面Rc の法尻部とレールRの底板の側面
Rd の頂部との中間付近の凸曲面の曲率半径よりも大き
く設定されている。上記において、レールRの頭部の下
部の顎部Ra とレールRの腹部の側面Rb との中間付近
の凹曲面の曲率半径、及びレールRの腹部の側面Rb と
レールRの底板の上面の斜面Rc の法肩部との中間付近
の凹曲面の曲率半径は、第1曲率半径に相当している。
また、レールRの底板の上面の斜面Rc の法尻部とレー
ルRの底板の側面Rd の頂部との中間付近の凸曲面の曲
率半径は、第2曲率半径に相当している。
【0093】また、半割制振材21”の磁性層25”の
うち、第1部21a”の部分の面形状はレールRの頭部
の下部の顎部Ra の部分の凹曲面の面形状と略同一形状
に形成され、第2部21b”の部分の面形状はレールR
の腹部側面Rb の部分の凹曲面の面形状と略同一形状に
形成され、第3部21c”の部分の面形状はレールRの
底板上面の斜面Rc の部分の凹曲面の面形状と略同一形
状に形成され、第4部21d”の部分の面形状はレール
Rの底板側面Rd の部分の略垂直面の面形状と略同一形
状に形成され、第5部21e”の部分の面形状はレール
Rの底板下面の平面Re の部分の略水平面の面形状と略
同一形状に形成されている。
【0094】また、半割制振材21”の拘束板24”に
おいて、溝26a”及び26b”及び26c”の位置に
おける断面厚は周囲の部分より薄くなっており、溝26
a”及び26b”及び26c”の部分は、周囲よりも曲
げ力に対して弱い弱断面部となっている。
【0095】次に、第2実施形態のレール制振装置10
2のレールRへの取付方法を説明する。各半割制振材2
1”の取付については、図8(A)に示すように、ま
ず、レールRの底板の下面Re 側に、半割制振材21”
の磁性ゴム等からなる磁性層25”のうち、第5部21
e”付近の表面を当接させれば、この部分が磁力により
レールRの底板下面Re に吸着される。この場合、上記
したように、半割制振材21”の第1部21a”と第2
部21b”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールR
の頭部の下部の顎部Ra とレールRの腹部の側面Rb と
の中間付近の凹曲面の曲率半径よりも小さく設定されて
おり、半割制振材21”の第2部21b”と第3部21
c”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールRの腹部
の側面Rb とレールRの底板の上面の斜面Rc の法肩部
との中間付近の凹曲面の曲率半径よりも小さく設定され
ており、半割制振材21”の磁性層25”のうち、第3
部21c”と第4部21d”の中間付近の屈曲面の曲率
半径は、レールRの底板の上面の斜面Rc の法尻部とレ
ールRの底板の側面Rd の頂部との中間付近の凸曲面の
曲率半径よりも大きく設定されているから、半割制振材
21”の磁性層25”のうち、第1部21a”の部分は
レールRの頭部の下部の顎部Ra の凹曲面には当接せず
に浮いた状態となっており、第2部21b”の部分もレ
ールRの腹部側面Rb の凹曲面には当接せずに浮いた状
態となっており、第3部21c”の部分もレールRの底
板の上面の斜面Rc には当接せずに浮いた状態となって
おり、第4部21d”の部分もレールRの底板の側面R
d には当接せずにわずかに浮いた状態となっている。
【0096】次に、レールRの底板下面Re に吸着して
いる第5部21e”付近を図示しない工具又は治具等で
押えつけ、この状態で第4部21d”の先端を図8
(A)において太い一点鎖線で示す方向に図示しない工
具又は治具等を用いて曲げ力を作用させれば、溝26
c”の部分は周囲の部分に比べて曲げ強度が弱いから、
上記の曲げ力がある値以上になると塑性変形を起こし、
第4部21d”は、図8(A)において太い一点鎖線で
示す方向に回動する。これに伴い、第4部21d”と第
3部21c”の中間の屈曲部付近の磁性層25”の曲率
半径は小さくなる。また、第4部21d”の面形状は、
レールRの底板側面Rd の略垂直面の形状と略同一形状
に形成されているから、第4部21d”はほぼ全面が略
垂直面Rd に当接し、磁性層25”の磁力によりこの略
垂直面Rd に吸着され、図8(B)に示すようにレール
Rの底板側面Rd に密着した面形状となる。
【0097】次に、図8(A)において、レールRの底
板下面Re に吸着している第5部21e”付近と、レー
ルRの底板側面Rd に吸着している第4部21d”付近
を図示しない工具又は治具等で押えつけ、この状態で第
3部21c”の溝26b”付近を図8(A)において太
い一点鎖線で示す方向に図示しない工具又は治具等を用
いて曲げ力を作用させるとともに溝26b”付近を圧縮
すれば、溝26c”及び26b”の部分は周囲の部分に
比べて曲げ強度が弱いから、上記の曲げ力や圧縮力があ
る値以上になると塑性変形を起こし、第3部21c”及
び第2部21b”は、図8(A)において太い一点鎖線
で示す方向に回動する。これに伴い、第2部21b”と
第3部21c”の中間の屈曲部付近の磁性層25”の曲
率半径は大きくなる。また、第3部21c”の面形状
は、レールRの底板上面の斜面Rcの形状と略同一形状
に形成されているから、第3部21c”はほぼ全面が斜
面Rc に当接し、磁性層25”の磁力によりこの斜面R
c に吸着され、図8(B)に示すようにレールRの底板
上面Rc に密着した曲面形状となる。以下、弱断面部で
ある溝26a”を利用して同様の塑性変形を起こさせる
ことにより、第2部21b”のほぼ全面をレールRの腹
部側面の凹曲面Rb に当接させ磁性層25”の磁力によ
りこの凹曲面Rb に吸着させ、第1部21a”のほぼ全
面をレールRの顎部内面の凹曲面Ra に当接させ磁性層
25”の磁力によりこの凹曲面Ra に吸着させ、図8
(B)に示すようにレールRの側部の各面に密着した曲
面形状に変形させることができる。
【0098】上記のように、半割制振材21”の拘束板
24”を塑性変形させた後には、変形後の磁性層25の
面形状はレールRの側部の面形状と一致し、変形後の磁
性層25は図8(B)に示すようにほぼ全面的にレール
Rの側部に磁力で密着し、図6に示す半割制振材21が
形成される。なお、上記した塑性変形の方法や手順は他
の方法や手順によってもよい。
【0099】上記のようにして、半割制振材21をレー
ルRの左右側とも取り付ければ、レール制振装置102
の取り付けが完了する。このレール制振装置102は、
レールRの側部と底部に磁着しているので、レール制振
装置101のような離脱防止具13を設けなくてもレー
ルRから離脱することはない。また、このレール制振装
置102においては、半割制振材21”に溝26a”等
が設けられ、塑性変形により磁性層25”の面形状をレ
ールRの腹部側面の形状に略合致させるので、レールR
の腹部側面の形状が製作誤差、損傷、あるいはサビ等に
より若干変化しても、容易に追随させて磁着させること
ができる。
【0100】(3)第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図9は、本発明に係る磁性複合型
制振材の第3実施形態であるレール制振装置の構成を示
す断面図である。図9において、レールRの右側は、ま
くらぎTとTの中間位置における構成を、レールRの左
側は、まくらぎTのレール締結装置90の位置における
構成を、それぞれ示している。
【0101】レールR及びレール締結装置90の構成は
第1実施形態の場合とまったく同様である。また、第1
実施形態の場合と同様に、レールRは振動体に相当して
いる。
【0102】図9に示すように、このレール制振装置1
03は、レールRの腹部の左右の側面と底板下面に一体
的に取り付けられる1つの一体制振材31により構成さ
れている。レールRの左右の腹部側面と底板下面は振動
面に相当している。
【0103】一体制振材31は、対称な略「逆Ω」字断
面を有する部材状に形成されている。一体制振材31
は、レールRの頭部の下部の顎部Ra に密着する曲面状
の第1部31a,31aと、レールRの腹部の側面Rb
に密着する曲面状の第2部31b,31bと、レールR
の底板の上面Rc に密着する略斜面状の第3部31c,
31cと、レールRの底板の側面Rd に密着する略垂直
面状の第4部31d,31dと、レールRの底板の下面
Re に密着する略平面状の第5部31eを有している。
第1部31aの先端は、レールR上を走行する列車の車
輪Wのフランジの転動を支障しない位置まで延びてい
る。また、第1部31aと第2部31bとの間の屈曲し
た接続部における拘束板の表面には、レールRの長手方
向に延びる溝36aが設けられ、第2部31bと第3部
31cとの間の屈曲した接続部における拘束板(後述)
の表面には、レールRの長手方向に延びる溝36bが設
けられ、第3部31cと第4部31dとの間の屈曲した
接続部における拘束板の表面には、レールRの長手方向
に延びる溝36cが設けられ、第4部31dと第5部3
1eとの間の屈曲した接続部における拘束板の表面に
は、レールRの長手方向に延びる溝36dが設けられて
いる。この一体制振材31のレールRの長手方向の長さ
は、第2実施形態のレール制振装置102の場合と同様
に、まくらぎTと隣接する他のまくらぎTの端部間の距
離よりも短い長さの範囲内であれば任意の長さが選択可
能である。
【0104】次に、一体制振材31のさらに詳細な構成
について説明する。一体制振材31は、対称な略「逆
Ω」字断面の部材に形成された鋼板等からなる拘束板
と、磁性ゴム等からなり拘束板に接着されて積層され拘
束板と略同一断面形状に形成された磁性層を有してい
る。この形状は、ちょうど第2実施形態の半割制振材2
1の第5部21eの先端どうしを結合した場合と同一の
形状となっている。
【0105】一体制振材31の各屈曲部にレールRの長
手方向に延設された溝36a,36b,36c,36d
は、略「U」字状断面の細い溝である。この溝36a〜
36dは、半円形断面、略「V」字状断面、略矩形断
面、又は略台形断面の溝でもよい。
【0106】上記した一体制振材31の積層構造及びそ
の製造方法は、最後のプレス成型の形状が図4(D)に
示す略「U」字状断面ではなく扁平な略「逆Ω」字状断
面である点を除き、図4に示した方法とまったく同様で
ある。すなわち、第1実施形態において説明したような
各種の方法により、図4(C)に示すように、平板1
4′にシート材15′が積層された平板状部材11′が
形成される。この際、平板14′には、後に溝36a,
36b,36c,36dとなる溝36a”,36b”,
36c”,36d”が設けられる。
【0107】次に、この平板状部材11′にプレス加工
を施すことにより、図10に示すような一体制振材3
1”が形成される。この一体制振材31”は、対称で扁
平な略「逆Ω」字断面の拘束板34”に磁性層35”が
積層されて形成されており、略曲面状の第1部31a”
及び第2部31b”及び第3部31c”及び第4部31
d”と、平面状の第5部31e”を有している。また、
第1部31a”と第2部31b”との間の接続部におけ
る拘束板34”の表面には、レールRの長手方向に延び
る溝36a”が形成され、第2部31b”と第3部31
c”との間の接続部における拘束板34”の表面には、
レールRの長手方向に延びる溝36b”が形成され、第
3部31c”と第4部31d”との間の接続部における
拘束板34”の表面には、レールRの長手方向に延びる
溝36c”が形成され、第4部31d”と第5部31
e”との間の接続部における拘束板34”の表面には、
レールRの長手方向に延びる溝36d”が形成されてい
る。
【0108】上記のプレス成型時には、一体制振材3
1”の磁性層35”のうち、第1部31a”と第2部3
1b”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールRの頭
部の下部の顎部Ra とレールRの腹部の側面Rb との中
間付近の凹曲面の曲率半径よりも小さく設定されてい
る。また、一体制振材31”の磁性層35”のうち、第
2部31b”と第3部31c”の中間付近の屈曲面の曲
率半径は、レールRの腹部の側面Rb とレールRの底板
の上面の斜面Rc の法肩部との中間付近の凹曲面の曲率
半径よりも小さく設定されている。そして、一体制振材
31”の磁性層35”のうち、第3部31c”と第4部
31d”の中間付近の屈曲面の曲率半径は、レールRの
底板の上面の斜面Rc の法尻部とレールRの底板の側面
Rd の頂部との中間付近の凸曲面の曲率半径よりも大き
く設定されている。さらに、一体制振材31”の磁性層
35”のうち、第4部31d”と第5部31d”の中間
付近のの曲率半径は、レールRの底板の側面Rd の下部
とレールRの底板の下面Re の端部との中間付近の凸曲
面の曲率半径よりも大きく設定されている。上記におい
て、レールRの頭部の下部の顎部Ra とレールRの腹部
の側面Rb との中間付近の凹曲面の曲率半径、及びレー
ルRの腹部の側面Rb とレールRの底板の上面の斜面R
c の法肩部との中間付近の凹曲面の曲率半径は、第1曲
率半径に相当している。また、レールRの底板の上面の
斜面Rc の法尻部とレールRの底板の側面Rd の頂部と
の中間付近の凸曲面の曲率半径、及びレールRの底板の
側面Rd の下部とレールRの底板の下面Re の端部との
中間付近の凸曲面の曲率半径は、第2曲率半径に相当し
ている。
【0109】また、一体制振材31”の磁性層35”の
うち、第1部31a”の部分の面形状はレールRの頭部
の下部の顎部Ra の部分の凹曲面の面形状と略同一形状
に形成され、第2部31b”の部分の面形状はレールR
の腹部側面Rb の部分の凹曲面の面形状と略同一形状に
形成され、第3部31c”の部分の面形状はレールRの
底板上面の斜面Rc の部分の凹曲面の面形状と略同一形
状に形成され、第4部31d”の部分の面形状はレール
Rの底板側面Rd の部分の略垂直面の面形状と略同一形
状に形成され、第5部31e”の部分の面形状はレール
Rの底板下面の平面Re の部分の略水平面の面形状と略
同一形状に形成されている。
【0110】また、一体制振材31”の拘束板34”に
おいて、溝36a”及び36b”及び36c”及び36
d”の位置における断面厚は周囲の部分より薄くなって
おり、溝36a”及び36b”及び36c”及び36
d”の部分は、周囲よりも曲げ力に対して弱い弱断面部
となっている。
【0111】次に、第3実施形態のレール制振装置10
3のレールRへの取付方法を説明する。一体制振材3
1”の取付については、図10に示すように、まず、ま
くらぎTと隣接するまくらぎTの中間のレールRの底板
の下方の隙間に略扁平な一体制振材31をくぐらせる。
次に、レールRの底板の下面Re 側に、一体制振材3
1”の磁性ゴム等からなる磁性層35”のうち、第5部
31e”付近の表面を当接させれば、この部分が磁力に
よりレールRの底板下面Re に吸着される。この場合、
一体制振材31”の第5部31e”以外の部分は、レー
ルRの両側に翼状に展開した状態となっている。
【0112】次に、レールRの底板下面Re に吸着して
いる第5部31e”付近を図示しない工具又は治具等で
押えつけ、この状態で第4部31d”の溝36c”付近
を図10において太い一点鎖線で示す方向に図示しない
工具又は治具等を用いて曲げ力を作用させれば、溝36
d”の部分は周囲の部分に比べて曲げ強度が弱いから、
上記の曲げ力がある値以上になると塑性変形を起こし、
第4部31d”は、図10において太い一点鎖線で示す
方向に回動する。これに伴い、第5部31e”と第4部
31d”の中間の屈曲部付近の磁性層35”の曲率半径
は小さくなる。また、第4部31d”の面形状は、レー
ルRの底板側面Rd の略垂直面の形状と略同一形状に形
成されているから、第4部31d”はほぼ全面が略垂直
面Rd に当接し、磁性層35”の磁力によりこの略垂直
面Rd に吸着され、図9に示すようにレールRの底板側
面Rd に密着した面形状となる。
【0113】以降は、上記した第2実施形態の半割制振
材21”の場合とまったく同様の操作により、弱断面部
である各溝36c”,36b”,36a”を利用して同
様の塑性変形を起こさせることにより、第3部31
c”、第2部31b”、第1部31a”のほぼ全面をレ
ールRの腹部側面の各凹曲面等に当接させ磁性層35”
の磁力により各凹曲面に吸着させ、図9に示すようにレ
ールRの側部の各面に密着した曲面形状に変形させるこ
とができる。
【0114】上記のように、一体制振材31”の拘束板
34”を塑性変形させた後には、変形後の磁性層35の
面形状はレールRの側部の面形状と一致し、変形後の磁
性層35は図9に示すようにほぼ全面的にレールRの側
部に磁力で密着し、図9に示す一体制振材31が形成さ
れる。なお、上記した塑性変形の方法や手順は他の方法
や手順によってもよい。
【0115】上記のようにして、一体制振材31の磁性
層の全面をレールRの左右側に取り付ければ、レール制
振装置103の取り付けが完了する。このレール制振装
置103は、レールRの全体を包むようにして側部と底
部に磁着しているので、レール制振装置101のような
離脱防止具13を設けなくてもレールRから離脱するこ
とはない。また、このレール制振装置103において
は、一体制振材31”に溝36a”等が設けられ、塑性
変形により磁性層35”の面形状をレールRの腹部側面
の形状に略合致させるので、レールRの腹部側面の形状
が製作誤差、損傷、あるいはサビ等により若干変化して
も、容易に追随させて磁着させることができる。
【0116】上記した第3実施形態のレール制振装置
は、他の構成によっても実現可能である。図11は、本
発明の第3実施形態の変化例であるレール制振装置の構
成と、レールへの取付方法を説明する概念図である。図
11に示す一体制振材37”が上記した一体制振材3
1”と異なる点は、溝36d”付近から溝36c”付近
までの間の拘束板を除去して切欠部38”とし、一体の
拘束板34”のかわりに2つの拘束板34A”及び34
B”を備えた点である。したがって、切欠部38”付近
は磁性ゴム等からなる磁性層35”のみで構成されるた
め、回動が自由であり、一体制振材37”をレールRの
下方から挿入する場合や、第4部付近の磁性層35”を
レールRの底板側面Rd に磁力で吸着させる際の回動が
非常に容易になる。
【0117】(4)その他の実施形態 本発明は、上記した実施形態以外の構成によっても実現
可能である。例えば、上記した各実施形態においては、
拘束板の弱断面部として細い溝を例に挙げて説明した
が、それ以外にも、図12において磁性複合型制振材1
04,105として示すような細いスリット状の開口4
6b,56bとし、その部分の拘束板を除去してもよ
い。また、開口の配置についても、図12(A)〜図1
2(C)において46bでに示すように中央に1箇所配
置してもよいし、図12(D)〜図12(F)において
56bで示すように断続的に複数箇所配置するようにし
てもよい。
【0118】また、本発明は、上記以外の構成の実施形
態でも実現可能である。例えば、上記した第1〜第3実
施形態においては、鉄道レール用の制振装置を例に挙げ
て説明した。鉄道用のレールRにおいては、腹部の凹曲
面状の側面が振動面であるため、レール腹部用の磁性複
合型制振材の磁性層の曲率半径は、この凹曲面の曲率半
径よりも小さく設定され、かつ磁性複合型制振材の拘束
板には、磁性層の曲率半径を大きくする方向に拘束板を
塑性変形可能な溝等の弱断面部が形成されていた。しか
し、本発明は、図13(A)に示すように、凸状の曲面
を有する振動体Vにも応用可能であり、この場合には、
磁性複合型制振材106の磁性層65の曲率半径は、こ
の凸曲面の曲率半径よりも大きく設定され、かつ磁性複
合型制振材106の拘束板64には、磁性層65の曲率
半径を小さくする方向(図13(A)における太い一点
鎖線の方向)に拘束板64を塑性変形可能な弱断面部
(溝66a)が形成される。
【0119】さらに、本発明は、上記以外の構成の実施
形態でも実現可能である。例えば、上記した実施形態に
おいては、鋼等の強磁性体からなり曲面を含む面からな
る振動面を有する振動体の振動面に磁着させて制振を行
う磁性複合型制振材であって、拘束板を形成する材料と
して弾性と塑性を有するものを用い、弱断面部の塑性変
形を利用して拘束板を変形させ磁性層の面形状を振動体
の曲面状の振動面の形状に略合致させ、かつ磁性層内の
磁性粉の磁力を利用して磁性層の略全面を振動面に吸着
させることにより磁性複合型制振材を振動面に取り付
け、振動体からの振動エネルギーを、拘束板により拘束
される磁性層の内部において損失させるとともに、振動
面と磁性層との境界におけるすべり摩擦によって損失さ
せることにより制振を行うものについて説明した。
【0120】しかし、上記以外にも、鋼等の強磁性体か
らなり曲面を含む面からなる振動面を有する振動体の振
動面に磁着させて制振を行う磁性複合型制振材であっ
て、拘束板を形成する材料が弾性と塑性を有するもので
はなく、弾性と靱性を有するものを用い、拘束板の弾性
反発力を利用して磁性層を振動面に嵌合させ、磁性層の
面形状を振動面の形状に略合致させ、かつ磁性層内の磁
性粉の磁力を利用して磁性層の略全面を振動面に吸着さ
せることにより磁性複合型制振材を振動面に取り付け、
振動体からの振動エネルギーを、拘束板により拘束され
る磁性層の内部において損失させるとともに、振動面と
磁性層との境界におけるすべり摩擦によって損失させる
ことにより制振を行うようにしてもよい。ここに、靱性
とは、弾性変形によるエネルギーを吸収できる性質をい
い、靱性が大きいということは多少の弾性変形では破壊
等はせず柔軟であることを示し、靱性が小さいというこ
とは微小な変形でも破壊をおこす程度にもろいことを示
す。
【0121】例えば、図13(B)に示すように、弾性
と靱性を有する拘束板74を有し、かつ強磁性体からな
る振動体Vの振動面が第1曲率半径を有する凹曲面の場
合に、振動面に対応する磁性層75の曲率半径を振動面
の第1曲率半径よりも大きく設定した磁性複合型制振材
107のように構成してもよい。このように構成し、図
13(B)において太い一点鎖線で示す方向に拘束板7
4を押し込み、図13(C)に示すように、拘束板74
の弾性反発力を利用して磁性層75を凹曲面状の振動面
に嵌合させるようにすれば、拘束板74の弾性反発力に
よって磁性層75は変形し振動面の形状に略合致した状
態で振動面に押し付けられる。この後は、磁性層75
は、自らの磁力により振動面に吸着され、振動面から離
脱することがない。また、振動面の形状が多少変化して
も、拘束板74の弾性により、磁性層75の形状を容易
に追随させて磁着させることができる。
【0122】あるいは、図13(D)に示すように、弾
性と靱性を有する拘束板84を有し、かつ強磁性体から
なる振動体Vの振動面が第2曲率半径を有する凸曲面の
場合に、振動面に対応する磁性層85の曲率半径を振動
面の第2曲率半径よりも小さく設定した磁性複合型制振
材108のように構成してもよい。このように構成し、
図13(D)において太い一点鎖線で示す方向に拘束板
84を押し込み、図13(E)に示すように、拘束板8
4の弾性反発力を利用して磁性層85を凹曲面状の振動
面に嵌合させるようにすれば、拘束板84の弾性反発力
によって磁性層85は変形し振動面の形状に略合致した
状態で振動面に押し付けられる。この後は、磁性層85
は、自らの磁力により振動面に吸着され、振動面から離
脱することがない。また、振動面の形状が多少変化して
も、拘束板84の弾性により、磁性層85の形状を容易
に追随させて磁着させることができる。
【0123】上記各実施形態における溝や開口等の弱断
面部は、変形することにより磁性層の面形状を振動面の
形状に略合致させる調整手段に相当している。また、磁
性複合型制振材107及び108における弾性と靱性を
有し所定の曲率半径に設定された拘束板74及び84
も、調整手段に相当している。
【0124】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0125】例えば、上記各実施形態においては、1枚
の拘束板と1層の磁性層とが積層された磁性複合型制振
材について説明したが、本発明はこれには限定されず、
他の構成であってもよく、例えば、上記各実施形態と同
様の構造を有する2枚以上の拘束板と、上記各実施形態
と同様の構造を有する2層以上の磁性層とが積層された
磁性複合型制振材であってもよい。
【0126】また、上記各実施形態においては、磁性層
内部に混入された磁性粉が着磁等により磁性化されてい
る例について説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の構成であってもよく、例えば、制振を行う振動
体の振動面の方が磁性化されていたり、振動面が磁石で
構成されている場合にも応用可能である。その場合に
は、磁性層内部の磁性粉は磁性化されていなくてもよ
い。また、制振を行う振動体の振動面の方が磁性化され
ている場合には、磁性粉ではなく鋼等の強磁性体からな
る粉末や繊維等を高分子粘弾性層内に混入させてもよ
い。このような構成であっても、高分子粘弾性層は、振
動面に磁着するため、すべり摩擦制振効果を発揮するこ
とができる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動体が曲面状の振動面を有する場合でも、調整手段が
変形することにより磁性層の面形状を振動面の形状に略
合致させるため、曲面形状が多少変化しても容易に追随
させ磁着させることができる。また、磁性複合型制振材
であるので、振動エネルギーの内部損失制振効果の温度
依存性が緩和され、幅広い温度範囲で高い制振性能を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるレール制振装置の
構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すレール制振装置の構成を示す側面図
である。
【図3】図1に示すレール制振装置における腹側部制振
材のさらに詳細な構成を示す断面図である。
【図4】図1に示すレール制振装置における腹側部制振
材の製造方法を示す概念図である。
【図5】図1に示すレール制振装置における腹側部制振
材のレールへの取付方法を説明する概念図である。
【図6】本発明の第2実施形態であるレール制振装置の
構成を示す断面図である。
【図7】図6に示すレール制振装置の構成を示す側面図
である。
【図8】図6に示すレール制振装置における半割制振材
のレールへの取付方法を説明する概念図である。
【図9】本発明の第3実施形態であるレール制振装置の
構成を示す断面図である。
【図10】図9に示すレール制振装置のレールへの取付
方法を説明する概念図である。
【図11】本発明の第3実施形態の変化例であるレール
制振装置の構成と、レールへの取付方法を説明する概念
図である。
【図12】本発明の他の実施形態の構成を示す図であ
り、図12(A)は、図12(B)のA−A断面図であ
り、図12(C)は、図12(B)のB−B断面図であ
る。また、図12(D)は、図12(E)のC−C断面
図であり、図12(F)は、図12(E)のD−D断面
図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態の構成を示す図
である。
【符号の説明】
11 腹側部制振材 11′ 平板状部材 11” プレス成型後の腹側部制振材 11a 第1部 11b 第2部 11c 第3部 12 底下部制振材 13 離脱防止具 14 拘束板 14′ 平板 14b′ 接着面 15 磁性層 15′ シート材 15a′ 接着面 16a,16b 溝 21 半割制振材 21” プレス成型後の半割制振材 21a 第1部 21b 第2部 21c 第3部 21d 第4部 21e 第5部 24 拘束板 25 磁性層 26a〜16c 溝 31 一体制振材 31” プレス成型後の一体制振材 31a 第1部 31b 第2部 31c 第3部 31d 第4部 31e 第5部 34,34A”,34B” 拘束板 35 磁性層 36a〜36d 溝 37” プレス成型後の一体制振材 38” 切欠部 44 拘束板 45 磁性層 46a 溝 46b 開口 54 拘束板 55 磁性層 56a 溝 56b 開口 64 拘束板 65 磁性層 74 拘束板 75 磁性層 84 拘束板 85 磁性層 90 レール締結装置 91 タイプレート 92 板バネ 93 締結用ボルト 94 締結用ナット 95 軌道パッド 101〜103 レール制振装置 104〜108 磁性複合型制振材 R レール Ra 顎部下面 Rb 腹部側面 Rc 底板上面 Rd 底板側面 Re 底板下面 T まくらぎ V 振動体 W 車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B32B 15/08 B32B 15/08 D (72)発明者 佐藤 仁 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 御船 直人 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 滝野沢 洋臣 東京都中央区京橋1丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 西本 一夫 神奈川県横浜市戸塚区上柏尾町135番地1 東戸塚マンション411号

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体からなり曲面を含む面からなる
    振動面を有する振動体の前記振動面に磁着させて制振を
    行う磁性複合型制振材であって、 ヤング率300kgf/mm2 以上の弾性を有する材料からな
    る1枚又は複数枚の拘束板と、 残留磁束密度25〜15000ガウス程度に磁性化され
    た磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記拘束
    板に積層されるとともに前記振動面に吸着可能な1層又
    は複数層の磁性層と、 変形することにより前記磁性層の面形状を前記振動面の
    形状に略合致させる調整手段を備えたことを特徴とする
    磁性複合型制振材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記調整手段は、靱性材料により形成される拘束板であ
    り、かつ前記振動面が第1曲率半径を有する凹曲面の場
    合には、前記振動面に対応する前記磁性層の曲率半径は
    前記第1曲率半径よりも大きく設定されることを特徴と
    する磁性複合型制振材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記調整手段は、靱性材料により形成される拘束板であ
    り、かつ前記振動面が第2曲率半径を有する凸曲面の場
    合には、前記振動面に対応する前記磁性層の曲率半径は
    前記第2曲率半径よりも小さく設定されることを特徴と
    する磁性複合型制振材。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記拘束板を形成する材料は塑性を有し、 前記振動面が第1曲率半径を有する凹曲面の場合には、
    前記振動面に対応する前記磁性層の曲率半径は前記第1
    曲率半径よりも小さく設定され、かつ前記調整手段は、
    前記拘束板に設けられ、前記磁性層の曲率半径を大きく
    する方向に前記拘束板を塑性変形可能な弱断面部である
    ことを特徴とする磁性複合型制振材。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記拘束板を形成する材料は塑性を有し、 前記振動面が第2曲率半径を有する凸曲面の場合には、
    前記振動面に対応する前記磁性層の曲率半径は前記第1
    曲率半径よりも大きく設定され、かつ前記調整手段は、
    前記拘束板に設けられ、前記磁性層の曲率半径を小さく
    する方向に前記拘束板を塑性変形可能な弱断面部である
    ことを特徴とする磁性複合型制振材。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の磁性複合
    型制振材において、 前記振動面は柱状体の側面の一部又は全部を含む凹面状
    又は凸面状をなし、かつ前記弱断面部は、前記柱状体の
    軸に対して平行な方向に延びるように形成された溝又は
    開口であることを特徴とする磁性複合型制振材。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記振動面は、鉄道用レールの側面のうち、腹部の側面
    及び底板の上面を含むことを特徴とする磁性複合型制振
    材。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記振動面は、鉄道用レールの側面のうち、底板の側面
    及び下面を含むことを特徴とする磁性複合型制振材。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の磁性複合型制振材にお
    いて、 前記磁性複合型制振材は2個の部材からなり、鉄道用レ
    ールの1つの側部に対して1個取り付けられることを特
    徴とする磁性複合型制振材。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の磁性複合型制振材に
    おいて、 前記磁性複合型制振材は2個の部材からなり、鉄道用レ
    ールの1つの側部及び底板の下面の半部に対して1個取
    り付けられることを特徴とする磁性複合型制振材。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の磁性複合型制振材に
    おいて、 前記磁性複合型制振材は1個の部材からなり、鉄道用レ
    ールの両側部及び底板の下面に一体的に取り付けられる
    ことを特徴とする磁性複合型制振材。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のうちのい
    ずれか1項に記載の磁性複合型制振材において、 前記拘束板のうちの少なくとも1枚は金属材料又は合成
    樹脂材料により形成されることを特徴とする磁性複合型
    制振材。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12のうちのい
    ずれか1項に記載の磁性複合型制振材において、 前記磁性層のうちの少なくとも1層はゴム系材料又は熱
    可塑性エラストマー系材料若しくは熱可塑性樹脂系材料
    により形成されることを特徴とする磁性複合型制振材。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のうちのい
    ずれか1項に記載の磁性複合型制振材において、 前記磁性層のうちの少なくとも1層は、シート状部材に
    形成された後に前記拘束板に接着されることを特徴とす
    る磁性複合型制振材。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項14のうちのい
    ずれか1項に記載の磁性複合型制振材において、 前記拘束板及び前記磁性層は、略平板状に積層形成され
    た後にプレスにより前記曲面状に成型されることを特徴
    とする磁性複合型制振材。
  16. 【請求項16】 強磁性体からなり曲面を含む面からな
    る振動面を有する振動体の前記振動面の制振を行う制振
    工法であって、 ヤング率300kgf/mm2 以上の弾性と、靱性を有する材
    料からなる1枚又は複数枚の拘束板と、 残留磁束密度25〜15000ガウス程度に磁性化され
    た磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記拘束
    板に積層される1層又は複数層の磁性層を備えた磁性複
    合型制振材を用い、 前記拘束板の弾性反発力を利用して前記磁性層を前記振
    動面に嵌合させ、前記磁性層の面形状を前記振動面の形
    状に略合致させ、かつ前記磁性粉の磁力を利用して前記
    磁性層の略全面を前記振動面に吸着させることにより前
    記磁性複合型制振材を前記振動面に取り付け、前記振動
    体からの振動エネルギーを、前記拘束板により拘束され
    る前記磁性層の内部において損失させるとともに、前記
    振動面と前記磁性層との境界におけるすべり摩擦によっ
    て損失させることを特徴とする制振工法。
  17. 【請求項17】 強磁性体からなり曲面を含む面からな
    る振動面を有する振動体の前記振動面の制振を行う制振
    工法であって、 ヤング率300kgf/mm2 以上の弾性と、塑性を有する材
    料からなり、その面形状を前記振動面の形状に合致させ
    る方向に塑性変形可能な弱断面部が形成された1枚又は
    複数枚の拘束板と、 残留磁束密度25〜15000ガウス程度に磁性化され
    た磁性粉を含有する高分子粘弾性材料からなり前記拘束
    板に積層される1層又は複数層の磁性層を備えた磁性複
    合型制振材を用い、 前記弱断面部の塑性変形を利用して前記拘束板を変形さ
    せ前記磁性層の面形状を前記振動面の形状に略合致さ
    せ、かつ前記磁性粉の磁力を利用して前記磁性層の略全
    面を前記振動面に吸着させることにより前記磁性複合型
    制振材を前記振動面に取り付け、前記振動体からの振動
    エネルギーを、前記拘束板により拘束される前記磁性層
    の内部において損失させるとともに、前記振動面と前記
    磁性層との境界におけるすべり摩擦によって損失させる
    ことを特徴とする制振工法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の制振工法におい
    て、 前記弱断面部の塑性変形は、前記拘束板の特定位置の圧
    縮、前記拘束板の所定箇所の曲げ、及び前記弱断面部付
    近のカシメのうちのいずれか、又はこれらの適宜の組合
    わせにより行われることを特徴とする制振工法。
JP33040396A 1996-11-26 1996-11-26 鉄道レール用磁性複合型制振材、鉄道レール制振装置、及び鉄道レールの制振工法 Expired - Fee Related JP3525020B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33040396A JP3525020B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 鉄道レール用磁性複合型制振材、鉄道レール制振装置、及び鉄道レールの制振工法
NO19975405A NO321566B1 (no) 1996-11-26 1997-11-25 Fremgangsmate for demping av vibrasjoner i en vibrerende overflate.
EP97120738A EP0849495B1 (en) 1996-11-26 1997-11-26 Method of damping vibrations
DE69731360T DE69731360T2 (de) 1996-11-26 1997-11-26 Verfahren zur Dämpfung von Schwingungen

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33040396A JP3525020B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 鉄道レール用磁性複合型制振材、鉄道レール制振装置、及び鉄道レールの制振工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10159896A true JPH10159896A (ja) 1998-06-16
JP3525020B2 JP3525020B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=18232218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33040396A Expired - Fee Related JP3525020B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 鉄道レール用磁性複合型制振材、鉄道レール制振装置、及び鉄道レールの制振工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3525020B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1197598A1 (en) * 2000-10-10 2002-04-17 Composite Damping Material N.V. (CDM) Vibration damper for rails
KR100916859B1 (ko) * 2001-11-13 2009-09-09 알스톰 콘크리트 슬래브 내의 앵커링 요소의 보유 강도 보강 방법
JP2013023970A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Railway Technical Research Institute 制振材
JP2014020086A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Bridgestone Kbg Co Ltd レールの制振デバイス及び制振レール
CN110485217A (zh) * 2019-08-27 2019-11-22 上海工程技术大学 一种用于将调频钢轨阻尼器固定在钢轨上的卡夹

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1197598A1 (en) * 2000-10-10 2002-04-17 Composite Damping Material N.V. (CDM) Vibration damper for rails
BE1013746A3 (nl) * 2000-10-10 2002-07-02 Composite Damping Material Nv Trillingsdemper voor spoorstaven.
KR100916859B1 (ko) * 2001-11-13 2009-09-09 알스톰 콘크리트 슬래브 내의 앵커링 요소의 보유 강도 보강 방법
JP2013023970A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Railway Technical Research Institute 制振材
JP2014020086A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Bridgestone Kbg Co Ltd レールの制振デバイス及び制振レール
CN110485217A (zh) * 2019-08-27 2019-11-22 上海工程技术大学 一种用于将调频钢轨阻尼器固定在钢轨上的卡夹

Also Published As

Publication number Publication date
JP3525020B2 (ja) 2004-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11873428B2 (en) Thermosetting adhesive films
EP0849495B1 (en) Method of damping vibrations
US20040214008A1 (en) Flexible magnetic damping laminate with thermosetting adhesive layer
US20090045008A1 (en) Acrylate-based sound damping material and method of preparing same
GB2475025A (en) Laminate, for vehicle, includes foam layer and anchorage holes
MY145840A (en) Chromate-free resin-composite vibration deadening material
JP3679232B2 (ja) 磁性複合型制振材、及びレール制振装置
JPH10159896A (ja) 磁性複合型制振材、及び制振工法
JP4233526B2 (ja) 複合型制振材
US10510330B2 (en) Device and method for sound deadening a component
JP6847579B2 (ja) 複合型磁性制振材
US9427902B2 (en) Cavity filling
JP5548133B2 (ja) 接合体、ルーフ構造体、それに用いる積層シート及び積層シートの使用方法
JPH0751339B2 (ja) 複合型制振材および振動体の制振施工法
JP2007262320A5 (ja)
JPH024108Y2 (ja)
US7094478B1 (en) Magnetic damping
JP2011144256A (ja) 接着剤
JP5570073B2 (ja) 制振材
JP2005003019A (ja) 制振材
JP3135160B2 (ja) 磁性複合型制振材および磁性複合型制振材施工法
JP2880797B2 (ja) 断熱制振レール
CN206254786U (zh) 磁性复合阻尼板、进气盒、进气系统及车辆
JPH05220883A (ja) 制振シート
JPH0751340B2 (ja) 複合型制振材および制振施工法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031226

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040216

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees