JP2005003019A - 制振材 - Google Patents

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浩一 足立
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Abstract

【課題】本発明は、低周波領域から高周波領域の広い範囲に亘って優れた制振性能を発揮する制振材を提供する。
【解決手段】本発明の制振材は、振動を生じる振動部材に貼着させて用いられる制振材であって、熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂成分100重量部及び鱗片状充填材を20〜70重量%含有する無機充填材50〜500重量部からなり且つ一面が上記振動部材に貼着される貼着面11に形成された基材シート1と、この基材シート1の他面に積層一体化された金属シート2とからなるので、振動部材に加えられた振動エネルギーを効果的に吸収し減衰させて振動部材の振動を抑制し、振動部材の振動に起因した雑音を効果的に抑えることができると共に、音の透過を効果的に遮断して優れた防音性能を発揮することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた制振性を有し、建材分野の他に自動車や鉄道などの車輛分野においても好適に用いることができる制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建材分野の他に、自動車や鉄道などの車輛分野においても、アスファルトや合成樹脂からなる制振材が用いられてきた。このような制振材としては、特許文献1に、ゴム又は熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂及び無機粉体からなる制振性シート基材の一面にポリエチレンテレフタレート樹脂層が積層されていることを特徴とする折板屋根用制振シートが提案されている。
【0003】
しかしながら、上記折板屋根用制振シートは、低周波領域に制振性能のピークを有しているものの、高周波領域の制振性能については不充分なものであるといった問題点があり、低周波領域から高周波領域の全てに亘って優れた制振性能を有する制振材が所望されていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−183883号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低周波領域から高周波領域の広い範囲に亘って優れた制振性能を発揮する制振材を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の制振材は、外力によって振動を生じる振動面に貼着させて用いられる制振材であって、熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂成分100重量部及び鱗片状充填材を20〜70重量%含有する無機充填材50〜500重量部からなり且つ一面が上記振動面に貼着される貼着面に形成された基材シートと、この基材シートの他面に積層一体化された金属シートとからなることを特徴とする。
【0007】
又、請求項2に記載の制振材は、請求項1に記載の制振材において、樹脂成分中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体が10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体が5〜90重量%含有されていることを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3に記載の制振材は、請求項1又は請求項2に記載の制振材において、金属シートが、アルミニウムシート又はステンレスシートであることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の制振材の一例を図面を参照しつつ説明する。制振材Aの基材シート1は樹脂成分及び無機充填材からなり、この樹脂成分は、熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂成分からなる。
【0010】
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、石油樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂と石油樹脂との混合物、ポリオレフィン系樹脂、石油樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂がより好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。なお、熱可塑性樹脂は単独で用いられても併用されてもよい。
【0011】
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル含有量は、少ないと、基材シートが硬くなりすぎて制振材の制振性が低下することがある一方、多いと、基材シートが柔らかくなりすぎて制振材の制振性が低下することがあるので、20〜60重量%が好ましく、30〜50重量%がより好ましい。
【0012】
又、上記ゴムとしては、特に限定されず、例えば、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPDM)などが挙げられ、制振材の制振性が優れていることから、スチレン−イソプレンブロック共重合体が好ましい。なお、スチレン−イソプレンブロック共重合体は、クラレ社から商品名「ハイブラ」で市販されている。
【0013】
そして、上記熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、ウレンタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。なお、熱可塑性エラストマーは、単独で用いられても併用されてもよい。
【0014】
更に、上記樹脂成分は、熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂からなるが、熱可塑性樹脂とゴムとを併用することが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とを併用すること、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とその他の熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂とを併用することがより好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体と石油樹脂とを併用することが特に好ましい。
【0015】
そして、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とを併用する場合には、樹脂成分中におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、少ないと、基材シートが硬くなりすぎて制振材の制振性が低下することがある一方、多いと、基材シートが柔らかくなりすぎて制振材の制振性が低下することがあるので、10〜95重量%が好ましい。
【0016】
更に、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とを併用する場合には、樹脂成分中におけるスチレン−イソプレンブロック共重合体の含有量は、少ないと、基材シートが柔らかくなりすぎて制振材の制振性が低下することがある一方、多いと、基材シートが硬くなりすぎて制振材の制振性が低下することがあるので、5〜90重量%が好ましい。
【0017】
従って、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とを併用する場合には、樹脂成分中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体が10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体5〜90重量%含有されていることが好ましい。
【0018】
又、樹脂成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、スチレン−イソプレンブロック共重合体と、その他の熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体と石油樹脂とを併用することが好ましい。
【0019】
そして、樹脂成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、スチレン−イソプレンブロック共重合体と、その他の熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂とを併用する場合には、樹脂成分中におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、基材シートが硬くなりすぎて制振材の制振性が低下することがある一方、多いと、基材シートが柔らかくなりすぎて制振材の制振性が低下することがあるので、10〜95重量%が好ましい。
【0020】
更に、樹脂成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、スチレン−イソプレンブロック共重合体と、その他の熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂とを併用する場合には、樹脂成分中におけるスチレン−イソプレンブロック共重合体の含有量は、少ないと、基材シートが柔らかくなりすぎて制振材の制振性が低下することがある一方、多いと、基材シートが硬くなりすぎて制振材の制振性が低下することがあるので、5〜90重量%が好ましい。
【0021】
従って、樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体が10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体が5〜90重量%含有されており、更に、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びスチレン−イソプレンブロック共重合体以外の熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂が含有されてなるものが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体が10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体が5〜90重量%、石油樹脂が含有されてなるものがより好ましい。
【0022】
次に、上記無機充填材としては、鱗片状充填材を20〜70重量%含有しておれば、特に限定されず、例えば、クレイ、タルク、マイカなどの鱗片状充填材、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化銅、酸化鉄、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、ホウ酸亜鉛、石英、ガラス繊維、ガラス粉、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏などが挙げられ、鱗片状充填材と硫酸バリウムとを併用すること、鱗片状充填材と炭酸カルシウムとを併用することが好ましく、マイカと硫酸バリウムとを併用すること、マイカと炭酸カルシウムとを併用することがより好ましい。なお、鱗片状充填材以外の無機充填材の形態は、特に限定されず、粉末状、繊維状などの何れの形態であってもよい。又、鱗片状充填材は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0023】
ここで、鱗片状充填材とは、上述で例示したクレイ、タルク、マイカなどのように、鱗片状の小片から構成されているものをいい、具体的には、鱗片状の小片が層状に積層一体化したもの、鱗片状の小片が層状に積層一体化したものが塊状に集合一体化したもの、鱗片状の小片そのものであってもよい。
【0024】
このような鱗片状充填材の無機充填材中における含有量は、少ないと、制振材Aの制振性能が低下する一方、多いと、制振材Aが硬くなって所望形状に成形するのが困難となり或いは制振材Aの制振性能が低下するので、20〜70重量%に限定される。
【0025】
そして、鱗片状充填材を含めた無機充填材の含有量は、少ないと、制振材の制振性が低下する一方、多いと、制振材が硬くなって所望形状に成形するのが困難となったり或いは制振材の制振性が低下するので、樹脂成分100重量部に対して50〜500重量部に限定される。
【0026】
そして、上記基材シート1の厚みは限定されないが、略一定厚みに形成されていることが好ましく、具体的には、薄いと、制振材Aの制振性能が低下することがある一方、厚いと、制振材Aを所望形状に成形するのが困難となる場合があるので、0.2〜5mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。
【0027】
更に、上記基材シート1の一面は、図1に示したように、振動を生じる振動部材Bに貼着可能な貼着面11に形成されており、上記振動面Bに安定的に貼着、固定することができるように平滑面に形成されていることが好ましい。
【0028】
ここで、振動を生じる振動部材Bとしては、振動を生じるものであれば、特に限定されず、例えば、自動車を構成している車体本体や鉄道車輛を構成している車輛本体などのように走行及び使用に伴って振動を生じるものや、建築物の外壁や折板屋根を構成している金属板のように雨風や外部音源により発生する空気の振動によって振動するものなどが挙げられる。
【0029】
更に、図1に示したように、上記基材シート1の他面には金属シート2が積層されてなる。この金属シート2としては、特に限定されず、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム、その他にステンレスなどのような合金などからなるシートが挙げられ、腐食が少なくて制振性能を長期間に亘って持続し得るアルミニウムシート、ステンレスシートが好ましい。
【0030】
ここで、金属シート2の厚みは、薄いと、制振材Aの制振性能が低下することがある一方、厚いと、制振材Aの重量だけが重くなるにもかかわらず制振材Aの制振性能は向上しないので、20μm〜3mmが好ましく、30μm〜0.8mmがより好ましい。
【0031】
そして、上記基材シート1の一面に金属シート2を積層させるにあたっては、基材シート1と金属シート2との間に粘着剤層又は接着剤層3を介在させてもよく、或いは、基材シート1と金属シート2とを基材シート1を構成する樹脂成分の熱融着力によって積層一体化させてもよい。
【0032】
上記接着剤層3を構成する接着剤としては、特に限定されず、例えば、溶剤型のクロロプレンゴム系接着剤の他に、二液硬化型のエポキシ系接着剤、二液硬化型のウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0033】
又、基材シート1と金属シート2とを粘着剤層又は接着剤層3を介在させて積層一体化する場合には、基材シート1の一面に、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン系ブロック共重合体などを用いてプライマー処理を施してもよい。
【0034】
次に、上記制振材Aの製造方法を説明する。この制振材Aの製造方法としては、特に限定されず、例えば、樹脂成分と無機充填材とをバンバリーミキサや押出機などの汎用の混練機に供給して溶融、混練して基材シートを作製し、この基材シートの他面に、接着剤や粘着剤を介して或いは基材シートの樹脂成分の熱融着力によって金属シート2を積層一体化することによって制振材を製造する方法が挙げられる。
【0035】
このようにして得られた制振材Aは、図2に示したように、制振材Aの基材シート1の貼着面11を粘着剤又は接着剤を介して振動部材Bの所定箇所に貼着、固定させて用いられる。そして、振動部材Bは該振動部材Bに加わる外力によって振動するものの、振動部材Bの表面には、上記制振材Aがその基材シート1を対向させた状態で貼着、固定されていることから、振動部材Bの振動エネルギは制振材Aの基材シート1が振動することにより熱エネルギーに変換されることによって円滑に吸収、減衰され、この基材シート1によって完全に吸収されなかった振動エネルギーは、基材シート1と金属シート2との界面において剪断エネルギーに変換されることによって概ね吸収される。
【0036】
従って、振動部材Bに加えられた振動エネルギーは、振動部材Bに貼着された制振材Aによって概ね吸収され、振動部材Bはその振動が抑制されると共に制振材Aが貼着された側に振動エネルギーが伝達されるのが概ね防止される。
【0037】
よって、例えば、自動車の車体本体の内面や鉄道車輛の車輛本体(以下、総合して「車体本体」という)の内面に制振材Aを貼着、固定すると、車体本体が走行などによって振動した場合にあっても制振材Aによって車体本体の振動が効果的に抑制され、車体本体の振動に起因した雑音の発生を概ね抑制することができると共に、走行時に車体本体外で発生する騒音も振動エネルギーとなって車体本体を振動させるが、この振動エネルギーも制振材Aによって円滑に吸収されて車体本体外の騒音が車体本体内に進入するのを効果的に概ね抑制することができる。
【0038】
又、例えば、制振材Aを建築物の外壁や屋根部材の内面に貼着して用いた場合には、建築物の外壁や屋根部材は風雨によって振動を生じるが、この振動は制振材Aによって効果的に抑制されて外壁や屋根部材の振動に起因した雑音の発生を概ね抑制することができると共に、屋外で発生した騒音も振動エネルギーとなって外壁や屋根部材を振動させるが、この振動エネルギーも制振材Aによって円滑に吸収されて屋外の騒音が屋内に進入するのを効果的に概ね抑制することができる。
【0039】
このように、上記制振材Aは、これを貼着、固定させた振動部材が外部から加えられたエネルギーによって振動した場合にあっても効果的に振動を概ね抑制することができて優れた制振性能を有している。
【0040】
【実施例】
(実施例1〜13、比較例1〜5)
表1に示した所定量のエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:41重量%)、ノナン系石油樹脂、スチレン−イソプレンブロック共重合体(クラレ社製 商品名「ハイブラ5127」)、マイカ、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムをバンバリーミキサに供給して均一に混合して熱プレス成形によって幅150mm、厚さ1mmで且つ両面が平滑面に形成された帯状の基材シート1を得た。
【0041】
そして、上記基材シート1の他面に全面的に、基材シート1と同一幅である、アルミニウムシート(Al)、ステンレスシート(SUS)、鉄シート(Fe)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニルシート(PVC)のうちの表1に示した種類及び厚みを有するシート2を重ね合わせて帯状の積層シートを作製し、しかる後、上記積層シートを熱プレスすることによって、シート2に対向する基材シート1の表面を溶融させて基材シート1とシート2とを熱融着により積層一体化させて帯状の制振材Aを作製した。なお、比較例1及び4では基材シート1の他面にシート2は積層しなかった。
【0042】
得られた制振材の制振性及び耐腐食性について下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0043】
(制振性1)
JIS G0602の中央指示定常加振法に準拠して500Hz、1kHz、2kHz、4kHz換算での損失係数を測定した。なお、標準の試験片としては厚さ1mmのSPCC鋼板を用いた。
【0044】
そして、制振材として好適に用いられるのは損失係数が0.15以上であり、全ての周波数にて損失係数が0.15以上であるものを○とし、何れかの周波数にて0.15未満のものがある場合には×とした。
【0045】
(制振性2)
図3に示したように、縦60mm×横30mmの断面長方形状の縦角材4、4・・・を複数本、水平方向に455mm間隔毎に垂直に起立させた状態で配設すると共に、この縦角材4、4・・・の前後側に縦40mm×横15mmの断面長方形状の横角材5、5・・・を介して厚み12.5mmの前後石膏板6a、6bを配設した。なお、上記横角材4、4は、上記縦角材4、4・・・間に水平方向に架設され且つ垂直方向に303mm間隔毎に配設された。
【0046】
そして、上記横角材5、5間における後側石膏板6bの内面の夫々に帯状の制振材Aをその基材シート1の貼着面11が石膏板6bに対向した状態に接着剤を介して長さ方向を水平方向に指向させて貼着、固定して制振性測定モデルを作製した。
なお、後側石膏板6bの全内面における50%の面積部分に制振材Aを貼着、固定させた。
【0047】
このようにして作製した制振性測定モデルを用いてJIS A1416に準拠して音響透過損失を測定した。
音響透過損失が500Hzにて28db以上、1kHzにて33db以上、2kHzにて38db以上、4kHzにて38db以上であるものを○、何れかの周波数において音響透過損失が上記条件を満たしていないものを×とした。
【0048】
(耐腐食性)
制振材Aを石膏ボード表面に貼着した上で、この制振材を温度40℃、湿度80%の雰囲気下に1カ月間放置した。そして、1カ月経過後の制振材Aの表面を目視観察し、制振材Aの表面に錆が全く発生していないものを○、僅かでも錆が発生していたものを×とした。
【0049】
【表1】
Figure 2005003019
【0050】
【発明の効果】
本発明の制振材は、振動を生じる振動部材に貼着させて用いられる制振材であって、熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂成分100重量部及び鱗片状充填材を20〜70重量%含有する無機充填材50〜500重量部からなり且つ一面が上記振動部材に貼着される貼着面に形成された基材シートと、この基材シートの他面に積層一体化された金属シートとからなることを特徴とするので、振動部材に加えられた振動エネルギーを効果的に吸収し減衰させて振動部材の振動を抑制し、振動部材の振動に起因した雑音を効果的に抑えることができると共に、音の透過を効果的に遮断して優れた防音性能を発揮することができる。
【0051】
又、請求項2に記載の制振材は、請求項1に記載の制振材において、樹脂成分中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体が10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体が5〜90重量%含有されていることを特徴とするので、制振材は、振動部材の振動に起因した雑音をより効果的に抑えることができると共に、音の透過を効果的に遮断してより優れた防音性能を発揮する。
【0052】
更に、請求項3に記載の制振材は、請求項1又は請求項2に記載の制振材において、金属シートが、アルミニウムシート又はステンレスシートであることを特徴とするので、金属シートが錆びるのを長期間に亘って防止して優れた制振性能を長期間に亘って発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振材を示した縦断面図である。
【図2】本発明の制振材の使用状態を示した縦断面図である。
【図3】実施例において用いられた制振性測定モデルを示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 基材シート
11 貼着面
2 金属シート
3 粘着剤層又は接着剤層
A 制振材
B 振動部材

Claims (3)

  1. 振動を生じる振動部材に貼着させて用いられる制振材であって、熱可塑性樹脂、ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれた一種又は二種以上の樹脂成分100重量部及び鱗片状充填材を20〜70重量%含有する無機充填材50〜500重量部からなり且つ一面が上記振動部材に貼着される貼着面に形成された基材シートと、この基材シートの他面に積層一体化された金属シートとからなることを特徴とする制振材。
  2. 樹脂成分中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体が10〜95重量%、スチレン−イソプレンブロック共重合体が5〜90重量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の制振材。
  3. 金属シートが、アルミニウムシート又はステンレスシートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振材。
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