JPH10159027A - 既設構築物の耐震補強工法および補強構造 - Google Patents

既設構築物の耐震補強工法および補強構造

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JPH10159027A
JPH10159027A JP8315358A JP31535896A JPH10159027A JP H10159027 A JPH10159027 A JP H10159027A JP 8315358 A JP8315358 A JP 8315358A JP 31535896 A JP31535896 A JP 31535896A JP H10159027 A JPH10159027 A JP H10159027A
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adhesive
reinforcing plate
gap
reinforcing
pier
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JP8315358A
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Hideto Ito
秀人 伊藤
Hajime Kanehira
肇 金平
Norikiyo Kakizaki
徳清 柿崎
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Saeki Kensetsu Kogyo Co Ltd
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Saeki Kensetsu Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に水中部での現場施工を伴う橋脚等の既設
構築物を耐震補強するのに最適であり、しかも工期短縮
が図れて安価な耐震補強工法および耐震構造を提供す
る。 【解決手段】 既設構築物である橋脚1を外側から覆う
形状に加工された鋼板製の補強板10を準備し、この補
強板10を橋脚1との間に接着材注入用の間隙5を設け
て配置する。この間隙5に水より比重が大きい水中接着
性の接着材である高比重エポキシ樹脂を注入して補強板
10を橋脚1に接着する。接着材に高比重エポキシ樹脂
を用いたことで、水中施工を伴う橋脚1を外側から補強
板10で強固に接着して、短工期で耐震補強できる。補
強板10の内面には、橋脚1の表面の凹部6や凸部7、
鉛直精度に基づいて設定された板厚を有するスペーサ1
1が溶接してあり、スペーサ11により、接着材注入用
の間隙5の隙間寸法dは、補強板11を十分な接着強度
で接着できるに必要な最小限の接着材量となるように設
定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設構築物の脚部
を耐震補強する工法および補強構造に関し、特に、海
底、湖沼底および河川底に構築されたフーチング(foot
ing:基礎根石)上の橋脚を耐震補強する工法および補強
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、既設の橋脚や地下鉄中柱、そして
長大煙突などの構築物に対して、耐震強度を見直す機運
が高まっている。既設構築物を耐震補強するこれまでの
工法として、例えば特開平5−171620号公報に記
載された橋脚等の脚体の補強方法がある。
【0003】この場合、フーチング上の橋脚の補強脚部
に高強度繊維シートを貼付し、この高強度繊維シートの
下端部をフーチングに一体的に強固に接続することで、
脚部を有効に補強するようになっている。概要は、押さ
えプレートとアンカー鉄筋等よりなる定着具を準備し、
これを橋脚の外側に取り付け、次に、定着具側のアンカ
ー鉄筋を補強用フーチングを新設するために配筋された
鉄筋に沿接させ、コンクリート打設用の型枠を設置し
て、コンクリートを打ち込むことで、既設のフーチング
を覆って補強用フーチングを新設するものである。
【0004】一方、他の耐震補強工法として、地下鉄中
柱に多用されているように、中柱がコンクリート製であ
ればそれを外側から鋼板製の補強板で囲い込み、中柱と
補強板との間の空隙に例えばモルタルコンクリートを補
強板の結合材として注入している。また、この地下鉄中
柱等の既設構築物が鉄鋼製の場合は、鋼板製の補強板を
直に溶接によって結合する補強工法も周知のとおりであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来工法と
して例示した前者の公報記載の補強方法は、補強用の高
強度繊維シートの下端部をフーチングに強固に接続する
ために非常に複雑な工程を経ている。そのため、材工費
が高騰し、現場工期が長期化するといった様々な問題が
ある。
【0006】また、後者の鋼板製の補強板を構築物脚部
に巻き付ける補強工法にあっては、次の問題がある。補
強対象の脚部に補強板が所要の接着強度で結合されるな
らば、両者間の空隙をできるだけ狭くして、注入モルタ
ルコンクリートの充填量を必要最小限とすることが望ま
れる。ところが、大半がコンクリート製の橋脚や地下鉄
中柱では、それらの表面が構築時のコンクリート打ち放
し施工により、また風化による傷みなどで凹凸となって
いる。そのため、凹凸による表面粗さを想定すると、脚
部に対して補強板が密着する不都合を回避するために
も、両者間の空隙の間隔寸法を100mmもしくはそれ
以上を確保する必要がある。結果、結合材として用いる
モルタルコンクリート量も甚大となり、補強断面も大き
くなる他、現場工期が長期化する不具合がある。
【0007】また、この後者の補強板による耐震補強工
法では、さらに次の問題がある。すなわち、既設構築物
が橋脚であって、補強脚部が海面下等の場合は、鋼矢板
等で止水壁を設けて内部の水を排水することにより、ド
ライ状態にして施工を行っているのが一般的な施工方法
である。この工法で施工を行う場合、橋脚部の土質が軟
弱な場合は止水壁構造となり、工事費が嵩む他、現場工
期が長期化する不具合がある。
【0008】したがって、本発明の目的は、特に水中部
での現場施工を伴う橋脚等の既設構築物を耐震補強する
のに最適であり、しかも工期短縮が図れて安価な耐震補
強工法および耐震構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の既設構築物の耐
震補強工法は、既設構築物の脚部を外側から覆う形状に
加工された鋼板製の補強板を準備し、この補強板を脚部
との間に接着材注入用の間隙を設けて配置し、この間隙
に水より比重が大きい水中接着性の接着材を注入するこ
とにより、補強板を前記脚部に接着する。この場合、耐
震補強する対象の脚部は、例えばフーチング上に構築さ
れた水中部および気中部よりなる橋脚であり、接着材に
高比重エポキシ樹脂を用いることにより、橋脚に外側か
ら覆って補強板を接着する。
【0010】したがって、接着材に高比重エポキシ樹脂
を用いたことにより、特に水中施工を伴う橋脚を外側か
ら補強板で強固に接着して、橋脚を短工期で耐震補強す
ることができる。
【0011】また、本発明による既設構築物の耐震補強
構造においては、橋脚等の既設構築物を外側から覆う鋼
板製の補強板の内面に、橋脚の表面凹凸部および鉛直精
度に基づいて設定された板厚を有するスペーサを接合し
て設けてあり、このスペーサによって橋脚と補強板との
間に設定された接着材注入用の間隙を設け、この間隙に
接着材を注入して橋脚に補強板を接着している。この場
合、接着材注入用の間隙としては、接着材を注入して橋
脚に補強板を所要の接着強度で接着できる必要最小限の
隙間寸法に設定されている。
【0012】したがって、接着材注入用の間隙をスペー
サを介して必要最小限に設定することで、最小限の接着
材量でもって有効に補強板を橋脚に接着して補強するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態の
既設構築物の耐震補強工法および補強構造について、図
面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、耐震補強が施される既設構築物の
好適例として、内陸部を除く海、湖沼および河川に構築
されたコンクリート製の橋脚1の一部を示している。橋
脚1は、海底等に基礎根石として設けられた図2以下の
各図に示すフーチング4上に構築され、水面WL下に没
した部分の水中部2と、水面上に現出した部分の気中部
3とからなっている。本実施の形態では、耐震補強を施
す必要最小限の部分を水中部2の全域と気中部3の一部
の場合について述べてはいるが、補強対象部は勿論それ
らの部分に限定されるものではない。また、現場施工に
おける順序や使用設備等について述べられているが、そ
れも一例に過ぎない。したがって、橋脚1は次の工程よ
りなる工法および構造をもって耐震補強される。
【0015】《補強板の工場製作工程》橋脚1を補強す
るにあたって、その補強部分を外側から覆って補強する
鋼板製の補強板10が予め準備される。補強板10は、
橋脚1の補強部分を覆う大きさや形状に対応する所要の
機械的性質をもつ規格サイズの鋼材が選定され、多くの
場合、陸上の工場において設計製作される。補強板10
は、橋脚1の大きさに対応して数トンから数十トンにも
およぶ重量物であり、橋脚外郭に合わせた函形状に加工
される。また、この製作に併せて、現場での省力化施工
を図るため、補強板の腐食防止のための塗装も施され
る。本実施の形態の補強板10は、橋脚1の海などの水
中に没した部分の水中部2の全域と、そして海面から現
出した部分の気中部3の一部を外側から覆い包む形状に
製作される。そのため、必要最小限の大きさや重量によ
る数ブロックに分割製作される。水中部2と気中部3に
対応するブロックの板厚を相違させることができる。数
ブロックに工場製作後は、例えば1ブロック単位もしく
は数ブロックを仮組状態にして、台船使用により陸上の
工場から橋脚1の補強工事現場まで海上搬送などされ
る。
【0016】一方では、そうした工場での補強板10の
製作と同時進行し、橋脚1の補強現場において、図2中
の斜線部で示すように、補強対象の橋脚1が構築されて
いる海底のフーチング4の周辺必要区域の泥土やヘドロ
が浚渫される。
【0017】《補強板の現場組立工程》工場製作後、数
ブロックよりなる補強板10は橋脚1の補強工事現場ま
で海上搬送される。図3および図4に示すように、例え
ば2隻のクレーン付台船20により吊枠21を用いて各
補強板ブロックを吊り下げ保持し、橋脚1を外側から覆
い包むようにして各補強板ブロックの建て込みを行う。
各補強板ブロックは、組立作業の能率化のために、予め
橋脚1側の補強板上端部位置に設けたアンカーボルト
(図示せず)で仮固定され、仮受けブラケット22上に
担持される。アンカーボルトと仮受けブラケット22は
補強工事完工後は撤去される。すなわち、補強板10の
各ブロックはそれらの上端部でアンカーボルトにより橋
脚1に固定され、かつ下方から仮受けブラケット22で
支持状態にされる。この仮固定状態で、各ブロック同士
を例えば縦継ぎ目の溶接ラインに沿い作業ゴンドラを利
用して溶接する。溶接部は腐食防止などのために塗装が
施される。このようにして、溶接により一体化された補
強板10が橋脚1の外面に沿って組み立てられる。
【0018】《補強板のフーチング上設置工程》次に、
橋脚1周りに組み立てられた補強板10は、その大部分
が海中沈下によってフーチング4上に設置される。すな
わち、図3に示す状態で補強板10の組み立てが終了す
ると、この補強板10の上端部を固定しているアンカー
ボルトは撤去され、再び2隻のクレーン付台船20で吊
枠21を利用して吊り下げ、下方から支持する仮受けブ
ラケット22も撤去される。図4は、補強板10を水中
に沈下させてフーチング4上に設置した状態を示してい
る。補強板10は橋脚1の水中部2の全域を外側から覆
い、上端部を僅かに海面上に現出させて橋脚1の気中部
3の一部を外側から覆っている。
【0019】補強板10をフーチング4上に設置する際
の準備工程として、前もって図2で示された浚渫工事を
含むフーチング4の上面および橋脚1の水中部2の各表
面の清掃が行われる。水中部2の表面には、貝殻や海
草、泥土による異物が付着堆積している。その状態のま
ま補強板10を外側から取り付けるには様々な不都合が
生じ、本発明の主旨を達成するうえで障害となる。その
ため、予め水中部2等の表面は潜水作業等により清掃さ
れている。具体的な清掃手段と方法の説明は省略する。
【0020】図1に示すように、函形に組み立てられた
補強板10がフーチング4上に設置されると、補強板1
0と橋脚1側の水中部2および気中部3の表面との間に
は、全周囲に沿って一様な隙間寸法dを有する接着材注
入用の間隙5が生じるように設定されている。この接着
材注入用の間隙5に接着材を注入して充填し、補強板1
0が水中部2と気中部3の表面に強固に接着される。
【0021】接着材注入用の間隙5の隙間寸法dは次の
ように設定される。前述のように、予め橋脚1の水中部
2や気中部3の表面に付着堆積した異物は清掃除去され
ている。しかし、橋脚1の肌面自体は、施工当時コンク
リートの打ち放しによる表面の粗さとか、風化による傷
みなどが原因して全表面に凹部6や凸部7が所々に点在
している。また、そうした凹凸部6、7による表面粗さ
を含み、橋脚1の鉛直精度を見込んで最適とする隙間寸
法dが設定される。
【0022】いま、本実施の形態の場合、橋脚1の凹部
6や凸部7を含む鉛直精度を±5mmと設定する。ま
た、補強板10を強固に接着させるのに必要な最小限量
の接着材を注入する充填厚さを5mmに設定する。この
充填厚さ5mmに先ほどの鉛直精度±5mmを合算する
と、補強板10と橋脚1との間の接着材注入用の間隙5
の隙間寸法dは、好ましくは少なくとも10mmに設定
される。好適な隙間寸d法を11mmとした場合、鉛直
精度±5mmを差し引いた接着材の充填厚さは6mmと
なる。したがって、図1に示すように、その充填厚さ6
mmに相当する板厚を有したスペーサ11が、補強板1
0の内面全域に予め工場などにおいて溶接されている。
スペーサ11は、接着材の充填厚さ6mmを確保するた
めに、それに相当するJIS規格の板厚6mm×幅10
mmの帯鋼等が用いられ、必要な大きさで必要数だけ、
例えば千鳥状に間隔を置いて溶接付けされている。
【0023】《接着材の漏出防止措置工程》ところで、
図5に示すように、補強板10を水中に沈下させてフー
チング4上に設置した際、補強板10の下端面10aが
フーチング4の上面4aにこの粗さゆえに密着できると
は限らない。両者の面間には断続的にまたは連続した隙
間12が生じる。この隙間12から、橋脚1と補強板1
0との間に充填する接着材が漏出するのを防止する必要
がある。本実施の形態では、接着材注入前に水中ボンド
と呼ばれるシール材13を隅肉状に補強板10の下端部
全周にわたって装填し、フーチング4との間に生じた隙
間12を埋めて封止している。
【0024】《接着材充填工程》次に、以上の準備を終
えると、橋脚1と補強板10との間の隙間寸法dによる
間隙5に接着材を注入して充填し、補強板10を橋脚1
に強固に接着させる。図5に接着材注入時の施工形態を
示す。補強板10の間隙下端部には、確実に接着材を注
入するため、その周の数カ所より差し込まれた接着材の
注入パイプ注入口14が取り付けられ、台船20に設備
されたロータリ式の接着材注入ポンプ23によって注入
口14から接着材が圧送され、注入パイプは接着材の充
填に伴って徐々に引き上げられる。
【0025】本発明でいう接着材には、水中注入による
接着が可能な材質のものであり、所要の接着強度が得ら
れるものが選定される。本実施の形態では、高比重タイ
プのエポキシ樹脂、例えば特願平7−341127号の
「注入用樹脂組成物及び注入方法」に記載されているサ
ンユレジン(株)社製の高比重エポキシ樹脂を用いてい
る。この高比重エポキシ樹脂による接着材は、水と混ざ
りにくく、水中施工にて注入でき、脱泡性、流動性、微
細クラック進行性、水中接着性に優れた特性を有する。
【0026】図6に示すように、台船20には接着材注
入ポンプ23や抜取水回収ポンプ24が設備され、これ
ら各ポンプと補強板10の下端の注入口14とを注入ホ
ース25や回収ホース26で連結している。接着材注入
ポンプ23を稼働させて、注入口14から接着材が橋脚
1と補強板10との間の接着材注入用の間隙5に注入さ
れる。ここを補強板10の内側全域にわたって充填する
ことにより、補強板10を橋脚1に接着させる。接着材
の注入によって接着材注入用の間隙5に浸入して充満し
た海水は押し出され、接着材に置き換えられる。その
際、海水は接着材に若干混ざることがあり、そのまま放
置すると、水質汚濁する可能性がある。それを防止する
ため、置き換えられる海水は抜取水回収ポンプ24を稼
働させて回収ホース26で回収し処理する。
【0027】前工程で、補強板10の下端面10aとフ
ーチング4の上端面4aとの間に生じた間隙12は、水
中ボンドによるシール材13で封止してある。しかし、
接着材の注入中、最深部であるその封止した間隙12か
ら実際に接着材が漏出していないかどうかの確認はしが
たい。そのため、最深部のその間隙12から上方100
mm程度、すなわち補強板10の下端部10aから上方
100mm程度で一旦注入を停止させる。この状態で2
0℃により約40分間、接着材がゲル化するまで待機す
る。ゲル化させた後、再び下端の注入口14から接着材
の注入を開始する。
【0028】なお、水中ボンドとしてのシール材13に
は、前記サンユレジン(株)社製の商品名サンユボンド
A−400等を用いることができる。
【0029】図7は、以上補強工事現場における水中部
と気中部とにおける施工フローの一例を示している。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による既設
構築物の耐震補強工法は、水中部に位置する橋脚等の既
設構築物を外側から鋼板製の補強板で覆って補強するに
あたり、既設構築物と補強板との間に設けた接着材注入
用の間隙に、水より比重が大きい水中接着性の接着材を
注入して補強板を既設構築物に接着して補強するもので
あり、接着材に高比重エポキシ樹脂を用いることによ
り、橋脚等の既設構築物を短工期で耐震補強することが
できる。
【0031】また、本発明による耐震補強構造において
は、補強板の内面に既設構築物の表面凹凸部および鉛直
精度に基づいて設定された板厚を有するスペーサを接合
して設けることで、既設構築物と補強板との間に、補強
板を所要の接着強度で接着できる必要最小限の隙間寸法
を設定でき、最小限の接着材量でもって有効に補強板を
橋脚に接着して耐震補強できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による耐震補強構造が採用された既設構
造物の橋脚と補強板との水中部における部分的な断面図
である。
【図2】補強板取付前に補強対象の橋脚のフーチング周
辺を浚渫する形態例を示す正面図である。
【図3】海上搬送などされてきた実施の形態の補強板を
橋脚の外側に建て込んで組立施工する工程を示す正面図
である。
【図4】組立終了した実施の形態の補強板をフーチング
上に沈下させて設置する工程を示す正面図である。
【図5】フーチング上に設置した状態で補強板の下端部
との間に生じた間隙を封止する工程を示す部分断面図で
ある。
【図6】フーチング上に補強板設置終了後に接着材を注
入する施工形態例を示す正面図である。
【図7】水中部と気中部における施工の工程例を示す施
工フロー図である。
【符号の説明】
1 既設構築物の橋脚 2 水中部 3 気中部 4 フーチング 5 接着材注入用の間隙 6 橋脚表面の凹部 7 橋脚表面の凸部 10 補強板 10a 補強板の下端部 11 スペーサ 12 補強板下端部とフーチングとの間の間隙 13 水中ボンドによるシール材 14 接着材注入口 25 接着材注入ホース

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設構築物の脚部を耐震補強する耐震補強
    工法であって、 前記脚部を外側から覆う形状に加工された鋼板製の補強
    板を準備し、この補強板を前記脚部との間に接着材注入
    用の間隙を設けて配置し、この間隙に水より比重が大き
    い水中接着性の接着材を注入することにより、前記補強
    板を前記脚部に接着することを特徴とする既設構築物の
    耐震補強工法。
  2. 【請求項2】前記既設構築物の脚部は、水中部および気
    中部よりなる橋脚であることを特徴とする請求項1に記
    載の耐震補強工法。
  3. 【請求項3】前記接着材は、高比重エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の耐震補強工
    法。
  4. 【請求項4】前記橋脚を外側から覆って前記補強板を配
    置し、この補強板の前記気中部を覆う部分の上端部また
    は前記水中部を覆う部分の下端部のいずれからも、前記
    接着材を前記接着材注入用の間隙に注入可能であること
    を特徴とする請求項2または3に記載の耐震補強工法。
  5. 【請求項5】前記補強板と前記脚部との間に生じた間隙
    の下端部から前記接着材を注入しながら、前記接着材注
    入用の間隙に充満している水を押し出して排除すること
    を特徴とする請求項4に記載の耐震補強工法。
  6. 【請求項6】前記補強板の下端部とフーチングの上面と
    の間の間隙を水中ボンド材等のシール材で封止すること
    により、充填した前記接着材の漏出を防止することを特
    徴とする請求項5に記載の耐震補強工法。
  7. 【請求項7】既設構築物の脚部を耐震補強する補強構造
    であって、 前記脚部を外側から覆って配置された鋼板製の補強板を
    有し、前記脚部の表面凹凸部および鉛直精度に基づいて
    設定された板厚を有するスペーサを補強板の内面に必要
    数、必要個所に接合して設け、前記スペーサによって前
    記脚部と前記補強板との間に設定された接着材注入用の
    間隙を設け、この間隙に接着材を注入して前記脚部に前
    記補強板を接着して構成されたことを特徴とする耐震補
    強構造。
  8. 【請求項8】前記接着材注入用の間隙は、前記接着材を
    注入して前記脚部に前記補強板を所要の接着強度で接着
    する隙間寸法に設定されていることを特徴とする請求項
    7に記載の耐震補強構造。
  9. 【請求項9】前記接着材は、水より比重が大きい高比重
    エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項7または8
    に記載の耐震補強構造。
  10. 【請求項10】前記既設構築物の脚部は、水中部および
    気中部よりなる橋脚であることを特徴とする請求項7〜
    9のいずれかに記載の耐震補強構造。
  11. 【請求項11】前記水中部を覆う部分の前記補強板の下
    端部とフーチングの上面との間に生じた間隙を水中ボン
    ド材等のシール材で封止後、前記接着材注入用の間隙に
    充満した水を押し出しながら排除して前記接着材を充填
    し、前記脚部と前記補強板を接着することを特徴とする
    請求項10に記載の耐震補強構造。
JP8315358A 1996-11-27 1996-11-27 既設構築物の耐震補強工法および補強構造 Pending JPH10159027A (ja)

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