JPH10158935A - クッション用中空複合繊維及びクッション材 - Google Patents

クッション用中空複合繊維及びクッション材

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JPH10158935A
JPH10158935A JP8309205A JP30920596A JPH10158935A JP H10158935 A JPH10158935 A JP H10158935A JP 8309205 A JP8309205 A JP 8309205A JP 30920596 A JP30920596 A JP 30920596A JP H10158935 A JPH10158935 A JP H10158935A
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JP
Japan
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hollow
fiber
ratio
cushion
conjugate fiber
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JP8309205A
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Shunichi Hasegawa
俊一 長谷川
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程性、生産性の悪化を解消し、嵩高性に富
み、耐ヘタリ性に優れたクッション用中空複合繊維を提
供する。 【解決手段】 ノルボルナン骨格を有する化合物を5〜
15モル%共重合させたポリエチレンテレフタレ−トと
ポリエチレンテレフタレートとがサイドバイサイド型に
接合された中空部を有する複合繊維であって、中空部面
積(S1)と中空部に内接する円の面積(S2)の比
(S1/S2)が1.8以下で、180℃、5分間の乾
熱処理後の捲縮率が25〜40%であるクッション用中
空複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩高性、耐ヘタリ
性に優れたクッション用中空複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】クッション材は主に寝具類、家具類、車
両用シートや自動車シート等乗り物シート等の用途で用
いられており、従来はクッション材としてポリウレタン
フォームが汎用されている。しかしながら、ポリウレタ
ンフォームの燃焼時に有毒なシアンガスが発生しやす
く、しかも埋め立てが困難でリサイクルができないの
で、地球環境の汚染や破壊等を生ずるという問題を抱え
ている。しかも、ポリウレタンフォームは、床つき感が
ありかつ蒸れが大きいために、クッション材として使用
した場合に、座り心地や寝心地が悪く、しかもべとつい
た不快な感触を与えやすく、快適性に劣るという欠点が
ある。
【0003】そこで、上記した欠点を有するポリウレタ
ンフォームに換えて、ポリエステル綿などの合成繊維製
の詰綿をクッション材として用いることが行われるよう
になっており、ポリエステル綿などの主体繊維にバイン
ダー繊維を混綿し、それを熱成形してクッション材を形
成する方法が通常採用されている。その場合に、クッシ
ョン材を構成する主体繊維は嵩高性及び耐ヘタリ性が良
好であることが必要であるために、嵩高でかつ耐ヘタリ
性の高い合成繊維を得るための方法が色々試みられてお
り、例えば、機械捲縮を付与した繊維、潜在捲縮性を有
する繊維、繊維を中空としてその中空率を高めた繊維、
極限粘度及び溶融粘度に差のある2種の繊維形成性熱可
塑性重合体を用いてサイドバイサイド型に溶融紡糸して
内部構造に配向差及び収縮差を与えた中実または中空の
複合繊維などが知られている。
【0004】しかしながら、上記した従来法により得ら
れる合成繊維は、嵩高性及び耐ヘタリ性においていまだ
十分に満足のゆくものではない。特に、極限粘度及び溶
融粘度に差のある2種の繊維形成性熱可塑性重合体をサ
イドバイサイド型に溶融紡糸して中空複合繊維を製造す
る従来法では、2種の繊維形成性熱可塑性重合体の溶融
粘度が異なることによって、繊維が斜向してノズルから
紡糸されるために口金からの繊維の離れが悪く、糸切れ
(繊維の切れ)が多発して、連続して溶融紡糸を行うこ
とが困難である場合が多い。しかも、2種の繊維形成性
重合体の接合が完全ではなく繊維に中空割れを生じて中
空繊維とならず、嵩高性及び耐ヘタリ性が低下しやすい
のが現状である。
【0005】そこで、中空割れや糸切れなどを生ずるこ
となく、嵩高性及び耐ヘタリ性に優れる中空複合繊維を
円滑に製造することを目的として、ノズルパックに改良
を加えること(特公昭45−25846号公報)、ノズ
ルパックを改良すると共にノズルの紡糸用スリットの端
部に粘度の高い方の熱可塑性重合体流がかからないよう
にして紡糸すること(特公昭47−17089号公
報)、ノズルのスリットを偏心させて紡糸時のノズルか
らの糸離れを改良したもの(特公平5−65604号公
報)等が提案されている。しかしながら、これらの従来
法のいずれも、中空割れ(重合体の接合面での剥離等)
がなく、嵩高性及び耐ヘタリ性に優れる中空複合繊維を
得るためには十分満足ゆくものではなく、より改良され
た繊維の開発が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような工程性、生産性の悪化を解消し、嵩高性に富み、
耐ヘタリ性に優れたクッション用中空複合繊維を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノルボルナン
骨格を有する化合物を5〜15モル%共重合させたポリ
エチレンテレフタレ−ト系ポリエステルとポリエステル
とがサイドバイサイド型に接合された中空複合繊維であ
って、中空部面積(S1)と中空部に内接する円の面積
(S2)の比(S1/S2)が1.8以下で、180
℃、5分間の乾熱処理後の捲縮率が25〜40%である
ことを特徴とするクッション用中空複合繊維であり、ま
た、該中空複合繊維を含み、圧縮率25%時の反発力が
90g/cm2 以上、圧縮率50%時の反発力が300
g/cm2 以上、かつ8万回繰り返し圧縮後の圧縮歪み
が13%以下のクッションである。
【0008】本発明において、「ノルボルナン骨格を有
する化合物」とは下記式Iまたは下記式IIで示される
化合物であることが好ましい。
【0009】
【化3】 (式中、X1 およびX2 はそれぞれCH2 OHまたはC
OORを表し、Rは低級アルキル基、mは0または1を
表す。)
【0010】
【化4】 (式中、X3 およびX4 はそれぞれCH2 OHまたはC
OOR’を表し、R’は低級アルキル基を表す。)
【0011】式Iで示される化合物の具体例としては、
ノルボルナン−2,3−ジメタノ−ル、ノルボルナン−
2,3−ジカルボン酸およびそのジエステル、パ−ヒド
ロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジ
メタノ−ル、パ−ヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−2,3−ジカルボン酸およびそのジエステル
等が挙げられ、これらの化合物の立体構造はシス体、ト
ランス体のいずれでもよく、それらの混合物でもよい。
またそれらの脂環構造部分はエンド体、エキソ体のいず
れでもよく。それらの混合物でもよい。
【0012】式IIで示される化合物の具体例として
は、トリシクロデカンジメタノ−ル、トリシクロデカン
ジカルボン酸およびそのジエステル、ペンタシクロペン
タデカンジメタノ−ル、ペンタシクロペンタデカンジカ
ルボン酸およびそのジエステル等が挙げられ、これらの
混合物でもよい。またそれらの脂環構造部分はエンド
体、エキソ体のいずれでもよく、それらの混合物でもよ
い。なお、式Iおよび式II中におけるRおよびR’の
低級アルキル基とは、炭素数が1〜4のアルキル基を示
す。
【0013】これらの化合物の共重合量は、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト系ポリエステルを構成するジカルボン
酸成分の5〜15モル%、好ましくは8〜13モル%で
ある。該共重合量が5モル%未満の場合、該ポリエステ
ルの結晶化度の低下、収縮率の上昇が不十分であり、熱
処理後の潜在捲縮の発現が低くなり、十分な嵩高性や耐
ヘタリ性が得られない。一方該共重合量が15モル%を
越える場合には、該ポリエステルの重合性が低下し、結
晶性のポリエステルを得ることができなくなり、たとえ
得られたとしても該ポリエステルの融点が低くなり、耐
熱性等の点で実用的でなくなる。
【0014】該化合物の共重合量は多くなるほどポリエ
ステルの結晶化度、融点が低下するが、該ポリエステル
を一成分とする複合繊維の収縮率は上昇するので、不織
布の用途に応じて、上述の共重合量範囲内で変化させれ
ばよい。
【0015】またこれらの化合物を共重合せしめたポリ
エチレンテレフタレ−ト系ポリエステル(以下、Aポリ
マ−と称する場合がある)とは、該化合物を共重合した
ポリエチレンテレフタレ−トあるいはポリエチレンテレ
フタレ−トの単位を70モル%以上含むものでもよく、
それらの残余の共重合成分としてはイソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフ
ェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
イソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフェノキシ
エタン−4’,4”−ジカルボン酸、アントラセンジカ
ルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム等
の芳香族ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸;デカリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環式ジカルボン酸;β−ヒドロキシエトキシ安
息香酸、p−オキシ安息香酸、ヒドロキシプロピオン
酸、ヒドロキシアクリル酸等のヒドロキシカルボン酸;
またはこれらのエステル形成性誘導体;ε−カプロラク
トン等の脂肪族ラクトン;トリメチレングリコ−ル、テ
トラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、
ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリ
エチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル;ヒドロキノ
ン、カテコ−ル、ナフタレンジオ−ル、レゾルシン、ビ
スフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノ−ルS、ビスフェノ−ルSのエチ
レンオキサイド付加物等の芳香族ジオ−ル;シクロヘキ
サンジメタノ−ル等の脂環式ジオ−ルなどを挙げること
ができる。これらの共重合成分は1種のみでもよく、2
種以上を使用してもよい。
【0016】さらに、該ポリエチレンテレフタレ−ト系
ポリエステルには、ポリエステルが実質的に直線状であ
る範囲内でトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸、トリカルバリル酸等の多価カルボン酸;グリセリ
ン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、
ペンタエリスリト−ル等の多価アルコ−ルが含有されて
いてもよい。
【0017】また、フェノ−ル/テトラクロロエタン混
合溶媒(重量比1/1)中で測定した該Aポリマ−の固
有粘度〔η〕A は0.55〜0.80の範囲であること
が好ましく、該固有粘度が0.55未満の場合には複合
繊維の中空部の形状不良や中空率不足となり嵩不足を起
こす。一方、固有粘度が0.80を越えると、クッショ
ンとしたとき硬くなり過ぎる欠点がある。
【0018】かかるAポリマ−は任意の方法によって製
造することができる。たとえば、テレフタル酸とエチレ
ングリコ−ルあるいはテトラメチレングリコ−ルまた
1,4−ブタンジオ−ルとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級
アルキルエステルとエチレングリコ−ルまたはテトラメ
チレングリコ−ルとをエステル交換反応させるかしてテ
レフタル酸のグリコ−ルエステルおよび/またはその低
重合体を生成させる第1段階の反応と、この反応性生物
を減圧下に加熱して重縮合反応させる第2段階の反応に
よって製造する際に、ノルボルナン骨格を有する化合物
を所望量共重合させればよい。
【0019】本発明の複合繊維を構成する他方のポリエ
ステル(以下、Bポリマ−と称する場合がある)はノル
ボルナン骨格を有する化合物を共重合していないポリエ
ステルであって、その種類にとくに限定はなく、ポリエ
チレンテレフタレ−ト、あるいはポリブチレンテレフタ
レ−ト、あるいはそれらの単位を80モル%以上含むも
のでもよい。そして、上述のノルボルナン骨格を有する
化合物以外の共重合成分が共重合されたポリエステルで
もよい。
【0020】また、フェノ−ル/テトラクロロエタン混
合溶媒(重量比1/1)中で測定した該Bポリマ−の固
有粘度〔η〕B は0.50〜0.75の範囲であること
が、Aポリマ−との複合化において好ましい。さらに、
AポリマーとBポリマーの固有粘度差は複合繊維の中空
部形成のためには〔η〕A −〔η〕B <|0.03|が
好ましく、〔η〕A =〔η〕B がより好ましい。〔η〕
差が大きくなると紡糸時に斜向が生じ、紡糸口金の汚れ
や断糸、さらには中空のパンクの発生するばかりか中空
の形状も不良となり、嵩高不良の原因となる。
【0021】本発明はAポリマー,Bポリマーがサイド
バイサイド型に接合された中空複合繊維である必要があ
る。中空複合繊維のAポリマー,Bポリマー比率は、重
量比で30:70〜70:30とすることが好ましく、
40:60〜60:40であることがより好ましい。A
ポリマーの複合比率が30重量%より少ないと嵩高性お
よび耐ヘタリ性に優れた中空複合繊維が得られにくくな
り、一方高粘度重合体の複合比率が70重量%よりも多
い(低粘度重合体の複合比率が30重量%よりも少な
い)と中空複合繊維に潜在捲縮能が付与されにくくな
る。
【0022】複合繊維の中空部分はAポリマー側であっ
てもBポリマー側であっても、Aポリマー,Bポリマー
のまん中であっても、Aポリマー側に偏っていてもBポ
リマー側に偏っていても特に問題ない。
【0023】更に、中空複合繊維における中空率を10
〜40%の範囲にするのが、中空割れがなく、耐ヘタリ
性および嵩高性に優れる中空複合繊維を良好な紡糸工程
性で得ることができ好ましい。中空複合繊維の中空率が
10%よりも小さいと耐ヘタリ性が低下し易くなり、一
方40%よりも高いと紡糸が困難になると共に嵩高性が
低下し易い。
【0024】本発明の中空複合繊維の中空部面積(S
1)は、中空部に内接する真円面積(S2)との比がS
1/S2=1.8以下である必要がある。S1/S2が
1.8を越えると、中空の変形が大きすぎるため嵩高性
に十分関与できない。また変形が大きいためつぶれやす
く嵩高性低下の要因となる。S1/S2は1.5以下が
好ましく、1.2以下がより好ましい。
【0025】本発明の中空複合繊維は180℃で5分間
乾熱処理したときの捲縮率が25〜40%である必要が
ある。捲縮率が25%未満の場合には、繊維構造体とし
た時の反発弾性が不足し嵩も出ない。逆に40%を越え
る場合は、得られた繊維構造体が硬くなり過ぎ好ましく
ない。より好ましくは30〜35%のものである。ま
た、クッション材として捲縮を発現させる時の熱処理温
度は100〜220℃の範囲でよいが、クッション材作
成時のバインダー繊維の接着温度や用途等により変更し
てもかまわない。好ましくは150〜190℃がよい。
この時の熱処理時間については10〜20分の範囲が好
ましく、特に12〜16分が好ましい。
【0026】中空複合繊維の単繊維繊度は10dr以上
であることが好ましく、10dr未満だと耐ヘタリ性が
低下しやすい。耐ヘタリ性、嵩高性などの点から繊度は
10〜40drが好ましい。また、繊維断面は丸、楕
円、三〜八角、T型断面等いずれであってもよい。
【0027】上記した本発明のクッション用中空複合繊
維は、中空部のつぶれがなく、高い潜在捲縮能を有し、
加熱により良好な捲縮を発現して、嵩高性および耐ヘタ
リ性に優れた繊維であり、これを50重量%以上含むク
ッション材は、圧縮率25%時の反発力が90g/cm
2 以上(より好ましくは、100g/cm2 以上)、圧
縮率50%時の反発力が300g/cm2 以上、かつ8
万回繰り返し圧縮後の圧縮歪みが13%以下という従来
のクッション材に比して優れた性能を有するものであ
る。したがって、寝具類、家具類、車両シートや自動車
シートなどにおけるクッション材として特に有効に用い
ることができる。
【0028】本発明の中空複合繊維をクッション材とし
て用いる場合は、例えば、短繊維状に切断した中空複合
繊維をそのまま単独で、またはバインダー繊維や他の接
着剤などと一緒にして、寝具類、家具類、車両シート、
自動車シートなどにおける外皮(包皮)中に空気吹き込
みやその他の方法で充填し、バインダー繊維や接着剤を
用いた場合には外皮中で中空複合繊維同士を結合させる
ことによって、目的とする種々のクッション製品を得る
ことができる。その場合に、中空複合繊維における捲縮
の発現はクッション製品用の外皮中に中空複合繊維を充
填した後に行ってもまたは充填する前に行ってもよい
が、外皮に充填した後に加熱処理などを施して捲縮を発
現させるのが外皮へ中空複合繊維の充填が容易であり望
ましい。しかしながら、本発明の中空複合繊維を用いて
クッション製品を製造する方法は、上記の方法に何ら限
定されず、合成繊維製の詰め綿を用いてクッション製品
を製造する既知の方法のいずれもが採用できる。
【0029】
【実施例】以下に実施例によって、本発明について具体
的に説明するが本発明はそれらにより何ら限定されな
い。以下の例において、中空複合繊維の中空部面積(S
1)と中空部に内接する真円の面積(S2)の比(S1
/S2)の算出、中空率の算出ならびに捲縮数の測定、
中空複合繊維を用いて得られたクッション材の硬さ、繰
返し圧縮歪みは、下記のようにして行った。
【0030】〔中空部面積(S1)と中空部に内接する
真円の面積の比S1/S2の算出〕中空複合繊維の任意
の20本を採取し、それを繊維の長さ方向に対して垂直
に切断して、その断面を400倍の倍率で顕微鏡写真を
撮る。その写真を4倍に引き伸ばして現像し、できた写
真の中空部にコンパスで内接する真円を描く、描いた真
円と残りの中空部をそれぞれ写真から切りとり20本分
の合計重量をそれぞれ測定して次式によって面積比S1
/S2を求める。 C=中空部に内接する真円の面積20本合計重量 D=中空部20本の合計重量(C+残りの中空部) 面積比S1/S2=D/C
【0031】〔中空率の算出〕中空複合繊維の任意の2
0本を採取し、それを繊維の長さ方向に対して垂直に切
断し、その断面を400倍の倍率で顕微鏡写真をとる。
写真を2倍に引き伸ばして現像し、できた写真の中空部
と断面全体とに切りわけ、重量により中空率を算出す
る。 中空率(%)={中空部/(断面全体+中空部)}×1
00
【0032】〔捲縮率の測定〕JIS化学繊維ステープ
ル試験方法L1015−7,12,2による。
【0033】〔クッション材の硬さ(=反発力)の測
定〕 (1)以下の各例の中空複合繊維からなる短繊維(繊維
長64mm)70重量部と、バインダー用複合繊維
〔(株)クラレ製「ソフィット(登録商標)N−72
0」;単繊維繊度3デニール;繊維長51mm)30重
量部を混綿し、常法によりカードを用いて厚さ20mm
のウエブを製造した。このウエブから縦×横=100m
m×100mmの片を切り出して、その片を10枚重ね
て平板型金型に入れて、圧力0.5kg/cm2 、温度
190℃で10分間熱処理して、クッション材を製造し
た。 (2)上記(1)で得られたクッション材を用いて、イ
ンストロン型万能試験機(島津製作所製「オートグラフ
DCS型」)によるヒステリシスカーブ(歪み量−荷重
曲線)を求め、歪み量(=圧縮率)が25%および50
%の時の圧縮に要する荷重によりクッション材の硬さと
した。このクッション材の硬さの値は、クッション材の
圧縮による沈み込み時の反発力を意味する値であり、J
IS−K6401に準ずる値である。
【0034】〔クッション材の繰返し圧縮歪の測定〕ク
ッション材の硬さの測定における上記(1)と同じよう
にしてクッション材を製造し、得られたクッション材に
対して、元の厚さ(圧縮試験を施す前の厚さ)とその5
0%の厚さとの範囲を繰り返す圧縮可能な装置〔高分子
計器(株)製「DF−10」)を用いて、8万回の繰り
返し圧縮をクッション材に対して実施し、8万回圧縮後
のクッション材の厚さを測定して、元の厚さ(圧縮試験
を施す前の厚さ)に対する比(%)として求めた。この
方法により得られる圧縮歪の値はJIS−K6401に
準ずる値である。
【0035】実施例1 Aポリマーとしてノルボルナン−2,3−ジメタノール
を10モル%共重合したポリエチレンテレフタレート
〔η〕A =0.64をBポリマーとしてポリエチレンテ
レフタレート〔η〕B =0.63を用い、重量比1/1
で従来公知の方法にしたがって中空複合繊維aを製造し
た。その結果得られた中空複合繊維は、単繊維繊度15
dr、中空率20%、中空部面積(S1)と中空部に内
接する真円の面積(S2)の比S1/S2が1.4で1
80℃熱処理後の捲縮率が35%であった。この中空複
合繊維を繊維長64mmに切断して短繊維とし、この短
繊維70重量部とバインダー複合繊維〔(株)クラレ製
「ソフィット(登録商標)N−720」:3dr、繊維
長51mm〕30重量部を混綿したものを用いて、上記
「クッション材の硬さの測定」の項で説明したようにし
てクッション材を製造し、得られたクッション材の硬さ
及び繰返し圧縮歪みを上記した方法で測定した。その結
果、クッション材の硬さ(反発力)は110g/cm2
(歪み量=圧縮率25%)、380g/cm2 (歪み量
=圧縮率50%)であり、繰返し圧縮歪(%)は10.
8%であった。
【0036】比較例1,2 Aポリマーとして、ノルボルナン−2,3−ジメタノー
ルの共重合量が3mol%で〔η〕A が0.64のポリ
エチレンテレフタレート(比較例1)、及び同じく共重
合量が30mol%で〔η〕A =0.54のポリエチレ
ンテレフタレート(比較例2)を使用すること以外は実
施例1と同様に中空複合繊維を製造した。その結果、比
較例1で得られた中空複合繊維は、単繊維繊度15d
r、中空率20%、比S1/S2=1.35であった
が、180℃の熱処理で捲縮率が20%しか得られなか
った。得られた複合繊維を用い、実施例1と同様にクッ
ション材を作成したところ、クッション材の硬さ(反発
力)は、50g/cm2 (歪み量25%)、130g/
cm2 (歪み量50%)、繰返し圧縮歪(%)は19.
2%であり、実施例1に比べ劣る結果となった。比較例
2においては、Aポリマーの溶融粘度が上がらず紡糸時
に斜向が発生し、紡糸不良であった。その結果単繊維繊
度15dr、中空率6% 比S1/S2=4であった。
180℃熱処理後の捲縮率24%であった。さらに、実
施例1と同様にクッション材を作成したところ、その硬
さ(反発力)は、75g/cm2 (歪み量25%)、1
70g/cm2 (歪み量50%)、繰り返し圧縮歪
(%)16.0%で実施例1に比べ劣る結果であった。
【0037】実施例2 Aポリマー用の共重合成分として、ノルボルナン−2,
3−ジメタノールに代えてトリシクロデカンジメタノー
ルを用いた以外は実施例1と同様にして中空複合繊維を
製造した。その結果得られた中空複合繊維は、単繊維繊
度20dr、中空率22%、比S1/S2=1.2で1
90℃熱処理後の捲縮率が34%であった。この複合繊
維を実施例1と同様にクッション材を作成したところ、
硬さ(反発力)は、141g/cm2 (歪み量25
%)、450g/cm2 (歪み量50%)であり、繰り
返し圧縮歪(%)9.0%であった。
【0038】比較例3,4 Aポリマーとして、トリシクロデカンジメタノールの共
重合量を3mol%とした〔η〕A =0.64のポリエ
チレンテレフタレート(比較例3)、及び同じく共重合
量を20mol%とした〔η〕=0.48のポリエチレ
ンテレフタレート(比較例4)を使用すること以外は、
実施例1と同様にして複合繊維を製造した。その結果、
比較例3で得られた複合繊維は、単繊維繊度15dr、
中空率20%、比S1/S2=1.4であった。180
℃熱処理後の捲縮率が18%しか得られなかった。次い
で、実施例1と同様にクッション材を作成したところ、
その硬さ(反発力)は、60g/cm2 (歪み量25
%)、150g/cm2 (歪み量50%)、繰り返し圧
縮歪(%)20.0%であり、実施例2に劣る結果とな
った。比較例4はAポリマーの溶融粘度が上がらず紡糸
時に斜向が発生し、紡糸不良であった。その結果得られ
た複合繊維は、単繊維繊度17dr、中空率5.5%、
比S1/S2=3.5であり、180℃熱処理後の捲縮
率が21%であった。さらに実施例1と同様クッション
を作成したところ、硬さ(反発力)は、80g/cm2
(歪み量25%)、160g/cm2 (歪み量50
%)、繰り返し圧縮歪17%で実施例2に比べ劣る結果
となった。
【0039】
【発明の効果】本発明の中空複合繊維は、中空部の形状
が真円に近く、さらに熱処理により高い捲縮率を発現す
るため嵩高性、耐ヘタリ性に優れており、クッション材
として使用した場合底つき感のない、すわり心地、寝心
地感が極めて良好である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノルボルナン骨格を有する化合物を5〜
    15モル%共重合させたポリエチレンテレフタレ−ト系
    ポリエステルと他のポリエステルとがサイドバイサイド
    型に接合された中空部を有する複合繊維であって、中空
    部面積(S1)と中空部に内接する円の面積(S2)の
    比(S1/S2)が1.8以下で、180℃、5分間の
    乾熱処理後の捲縮率が25〜40%であることを特徴と
    するクッション用中空複合繊維。
  2. 【請求項2】 ノルボルナン骨格を有する化合物が下記
    式Iで示される化合物であることを特徴とする請求項1
    記載のクッション用中空複合繊維。 【化1】 (式中、X1 およびX2 はそれぞれCH2 OHまたはC
    OORを表し、Rは低級アルキル基、mは0または1を
    表す。)
  3. 【請求項3】 ノルボルナン骨格を有する化合物が下記
    式IIで示される化合物であることを特徴とする請求項
    1記載のクッション用中空複合繊維。 【化2】 (式中、X3 およびX4 はそれぞれCH2 OHまたはC
    OOR’を表し、R’は低級アルキル基を表す。)
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    中空複合繊維を含み、圧縮率25%時の反発力が90g
    /cm2 以上、圧縮率50%時の反発力が300g/c
    2 以上、かつ8万回繰り返し圧縮後の圧縮歪みが13
    %以下であるクッション材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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