JPH10156945A - 表皮貼込み成形型及びこれを用いた表皮貼込み成形方法 - Google Patents

表皮貼込み成形型及びこれを用いた表皮貼込み成形方法

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JPH10156945A
JPH10156945A JP31889896A JP31889896A JPH10156945A JP H10156945 A JPH10156945 A JP H10156945A JP 31889896 A JP31889896 A JP 31889896A JP 31889896 A JP31889896 A JP 31889896A JP H10156945 A JPH10156945 A JP H10156945A
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哲夫 近藤
Eiji Takahashi
英治 高橋
Kazuto Furukawa
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(57)【要約】 【課題】 貼込み成形前に表皮が冷えないようにし、成
形サイクルを遅らせることなく基材に表皮をうまく追従
させ得る表皮貼込み成形型を提供する。 【解決手段】 表皮3がセットされるキャビティ型1
と、開口41を形成した基材4を係止し得る押し型2
と、該押し型2に設けられる熱風Qの吹出口51と、を
具備し、該吹出口51から前記開口41を通して熱風Q
がキャビティ型1にセットされた表皮3に向けて吹き出
せるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用内装材等を
製造するのに用いられる表皮貼込み成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用内装材に係る基材表面に表皮を貼
込む方法としては、手作業等の不具合を改善した車両用
内装材の端部における表皮巻き込み方法(特開昭63−
193819号公報)がある。斯る方法によって、例え
ば、ピラーガーニッシュのような車両用内装材は、以下
のように製造される。まず、基材に接着剤を塗布して上
型(押し型)へセットする一方、下型(キャビティ型)
へは所望の形状に打抜いた表皮をセットする。基材には
射出成型品等が、表皮にはファブリック表皮の他、PV
Cソリッド層とPVC発泡層を一体化したもの、またP
VCソリッドレザーとウレタンスラブラミネートを一体
化したものなどが用いられる。ここで、表皮にPVC樹
脂等の材質を使用する場合は、貼込み成形をし易くする
ため、前処理として該表皮を温める。その後、第1回目
は表面サイドについて、次の第2回目は裏面サイド(表
皮による巻込み)について型閉め圧着をなす。こうし
て、表皮を基材表面に貼込み、且つ、表皮端縁の見苦し
い裁断線,織糸のほつれが見えるのを防ぐ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、付形し易いよ
うに温めた表皮が、下型にセットする間に外気により冷
やされてしまって、表皮が基材形状に追従しなくなるケ
ースがあった。また、外気により表皮が一旦冷やされて
しまうと、型閉め圧着を十分にとらねばならなくなり、
成形サイクルを遅らさざるを得なくなっていた。本出願
人は、基材に凹凸の粗雑面を形成して、基材に表皮をう
まくフィットさせる提案(特開平6−19021号公
報)等もしてきたが、貼込み成形時点で表皮が冷えきっ
ていると、上述の問題にやはり悩まされることとなっ
た。
【0004】本発明は上記問題点を解決するもので、貼
込み成形前に表皮が冷えないようにし、成形サイクルを
遅らせることなく基材に表皮をうまく追従させ得る表皮
貼込み成形型及びこれを用いた表皮貼込み成形方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1に記載の本発明の要旨は、表皮がセットされる
キャビティ型と、開口を形成した基材を係止し得る押し
型と、該押し型に設けられる熱風の吹出口と、を具備
し、該吹出口から前記開口を通して熱風がキャビティ型
にセットされた表皮に向けて吹き出せるようにしたこと
を特徴とする表皮貼込み成形型にある。ここで、「開
口」には切欠き口を含む。請求項2に記載の本発明の要
旨は、請求項1の表皮貼込み成形型を使用して、基材を
押し型に係止し、表皮をキャビティ型にセットした後、
型閉め圧着過程で基材が表皮へ到達する直前まで吹出口
から熱風を表皮に吹きつけるようにした表皮貼込み成形
方法にある。
【0006】請求項1,2の発明のように、キャビティ
型にセットされた表皮に向けて熱風の吹出口を設ける
と、表皮がキャビティ型にセットされてから型閉め圧着
成形する間、熱風で表皮を温め得るので、表皮の軟らか
さが維持され、貼込み成形で基材へ表皮がうまく追従す
る。そして、表皮が柔軟であるために、表皮貼込み成形
が円滑に進むので、成形サイクルを従来のように遅らせ
ることもない。更に、基材に設けられた開口を通して熱
風がキャビティ型に向けて吹き出すようにすると、表皮
に効率的に熱を付与することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る表皮貼込み成
形型(以下、単に「成形型」という。)及びこれを用い
た表皮貼込み成形方法の実施形態について詳述する。図
1〜図4は本発明の成形型の一形態で、図1は表皮,基
材がセットされた成形型の側面図、図2は図1の段階か
ら熱風を吹き出させた姿態を表す部分拡大図、図3は図
2の段階から作業工程を進め、型閉め圧着とした側面
図、図4は図3の状態から更に進んで、表皮を基材の裏
面側に巻き込み、再び型閉め圧着した側面図である。
【0008】成形型Aはキャビティ型1と押し型2とを
具備する。下型となるキャビティ型1には、製品の外面
を形成できるキャビティ11が設けられる。更に、該キ
ャビティの両サイドにセットピン12が型上面1aから
進退動自在なるよう設けられる。セットピン12は、表
皮端縁に形成した孔31に挿通して、表皮3をキャビテ
ィ型1にセットする固定手段となり、テンションをかけ
ながら型閉めすることで、表皮3の巻込みを均一且つ一
定にして表面の捩れ,しわ等のない貼込みを可能とす
る。表皮3にはPVCソリッドレザーにウレタンスラブ
ラミネートを一体化したもの等が用いられ、該表皮はキ
ャビティ型1にセットするに先立ち所望形状に打抜かれ
る。符号71は板状の折返し治具で、キャビティ型1の
上面で水平方向にスライド可能にして表皮3を基材裏面
側へ巻き込むためのものである。符号72は折返し治具
71を水平方向に移動させるアクチュエータ(エアシリ
ンダ)を示す。
【0009】押し型2は、前記キャビティに対向する位
置に押部21を設けた上型で、基材4を係止し得る係止
具(図示せず)を備えている。基材4は芯材としての剛
性をもたすべく射出成形品等で造られ、更に、本実施形
態では、基材4の中央部分に開口41を設ける。
【0010】そして、押し型2には、ホットブロー機5
がそのノズル孔の吹出口51をキャビティ型1に向ける
ようにして組込まれる。ホットブロー機5は熱風Qを吹
き出すことのできる装置で、これを作動させると、キャ
ビティ型1に向けて熱風が出る(図2)。このとき、押
し型2に取り付けられた基材4の開口41と吹出口51
とがほぼ一致しており、熱風は開口41を通り抜ける。
【0011】ホットブロー機5は、例えば、株式会社竹
綱製作所製のスポットヒータ(形式SH1A)等が用い
られる。ホットブロー機5は、供給された空気を加熱
し、所定風量,所定温度に達した熱風Qを吹出口51か
らキャビティ型1にセットされた表皮3に向けて吹きつ
け得る構成である。熱風温度は図示しないセンサでコン
トロールされる。ここでは、表皮3をキャビティ型1に
セットする段階から基材4が表皮3に到達する寸前ま
で、熱風Qが吹き出すよう自動セッティングされてい
る。そして、熱風温度を管理することによって、表皮3
を例えば80℃程度(設定温度としては30℃〜200
℃で可)に維持できる。他の構成は公知の表皮貼込み成
形型と同様であり、その説明を省略する。
【0012】本実施形態では、表皮3に向けて吹きつけ
る熱風Qをホットブロー機5に依ったが、他形態として
図5のような熱風吹き出し構造とすることもできる。こ
こでは、熱風の吹出口51がキャビティ型1の型面1c
に設けられている。熱風はアキュームレータ81で50
℃程度まで温められ、電磁弁82を開放することにより
熱風Qがキャビティ型1にセットされた表皮3に向って
吹き出す(図6)。符号9は熱風を送り込む導管で、複
数に分岐して吹出口を均等分散させている。尚、実施形
態1と同一符号は、同一または相当部分示す。
【0013】次に、上記表皮貼込み成形型Aを使用した
貼込み成形品の一製法を述べる。まず、型開状態下、基
材4に接着剤を塗布し、これを係止具で押し型2に取り
付ける。また、前もって予熱し温めておいた表皮3をキ
ャビティ型1にセットする(図1)。上点位置にあるセ
ットピン12に表皮端縁の孔31を嵌め込むことで、表
皮3は位置決めセットされる。
【0014】表皮3がキャビティ型1にセットされる
と、ホットブロー機5が作動し、吹出口51から熱風Q
が表皮3に向って吹き出す(図2)。前述のごとく、セ
ットに先立ち、柔軟性をもたすべく折角温められた表皮
3も、外気によって次第に冷やされていく。しかし、本
発明では熱風Qが表皮3に向けて吹き続けるために、表
皮3は所定温度を維持して貼込み成形し易い軟らかさが
保たれる。
【0015】しかる後、熱風Qを表皮3に向けて吹きつ
けた状態で型閉め圧着工程へと進む(図3)。熱風Qは
表皮セット後、型閉め段階でも吹きつけられるが、型閉
め圧着過程で、基材4(押し型2)が表皮3へ到達する
直前にホットブロー機5は作動停止し、熱風が止まる。
表皮3を基材4に圧着する時点で、空気(熱風)が両者
の間に入り込んで悪さをしないようにするためである。
型閉め段階で、表皮3が柔らかい状態にあるので基材4
との密着性に優れ、表皮3の基材4への追従性が良くな
っている。
【0016】こうして、型閉め圧着により基材表面を表
皮3で覆った後、押し型2を一旦上昇させる(図示せ
ず)。基材4と表皮3とは接着剤によって一体化し、基
材4は押し型2から係止を解かれキャビティ型1に残
る。続いて、セットピン12を沈めて表皮端縁を自由に
させる。しかる後、アクチュエータ72を作動し、折返
し治具71を前進させて、表皮端縁を基材裏面側に巻き
込む。
【0017】次いで、押し型2を再び下降させ、型閉め
圧着をする(図4)。基材裏面側に巻き込まれた表皮端
縁はこの圧着によって基材裏面に接着結合し、意匠面側
から表皮端縁の裁断線,織糸のほつれ等が見えなくな
る。その後、押し型2を再度上昇させて、表皮貼込み成
形品を取り出せば、所望の形に仕上がった製品を得るこ
ととなる。
【0018】このように構成した表皮貼込み成形型及び
これを用いた表皮貼込み成形では、表皮3が熱風Qによ
って温められた状態で貼込み成形を行い得るので、表皮
3は柔軟性をもち、基材4にうまく追従させることがで
きる。基材4に表皮3がうまくフィットし、品質向上に
寄与する。そして、表皮3が軟らかいので、基材4への
表皮貼込みがスムーズに進み、成形サイクルを逆に従来
より速めることも可能で、生産性を上げ、低コスト化に
結びつく。更に、表皮3の柔軟性が維持されることによ
って、従来に比し、深絞り形状等に対しても対応でき、
適用範囲が広がる。また、吹出口51がホットブロー機
5のノズル孔で形成されると、装置がシンプルになり、
操作も簡単になる。そして、ホットブロー機5の熱風Q
が基材4のほぼ中央に設けた開口41を通って吹き出す
ので、表皮全体に亘ってムラなく熱を与えることとな
り、且つ効率的で、ホットブロー機5の容量も小さくで
きる。
【0019】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。キャビティ型1,押し型2,表皮3,基
材4,開口41,吹出口51等の形状,大きさ,材質等
は、用途に応じて適宜選択される。
【0020】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の表皮貼込み成形
型及びこれを用いた表皮貼込み成形は、基材に表皮をう
まく追従させてフィットさせるだけでなく、成形サイク
ルも速めることが可能になるなど、品質向上,生産性向
上等に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表皮貼込み成形型の一形態で、表皮と
基材がセットされた成形型の側面図である。
【図2】図1の段階から熱風を吹き出させた姿態を表す
部分拡大図である。
【図3】図2の段階から作業工程を進め、型閉め圧着と
した側面図である。
【図4】図3の状態から更に進んで、表皮を基材の裏面
側に巻き込み、再び型閉め圧着した側面図である。
【図5】別形態の表皮貼込み成形型の側面図である。
【図6】図5の段階から熱風を吹き出させた姿態を表す
側面図である。
【符号の説明】
1 キャビティ型 2 押し型 3 表皮 4 基材 41 開口 5 ホットブロー機 51 吹出口 Q 熱風
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 和登 愛知県安城市今池町三丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮がセットされるキャビティ型と、開
    口を形成した基材を係止し得る押し型と、該押し型に設
    けられる熱風の吹出口と、を具備し、該吹出口から前記
    開口を通して熱風がキャビティ型にセットされた表皮に
    向けて吹き出せるようにしたことを特徴とする表皮貼込
    み成形型。
  2. 【請求項2】 請求項1の表皮貼込み成形型を使用し
    て、基材を押し型に係止し、表皮をキャビティ型にセッ
    トした後、型閉め圧着過程で基材が表皮へ到達する直前
    まで吹出口から熱風を表皮に吹きつけるようにした表皮
    貼込み成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1531036A1 (de) * 2003-11-11 2005-05-18 Karl-Heinz Hübner Verfahren und Vorrichtung zum Einschlagen von flexiblen Materialien
JP2016117198A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 株式会社イノアックコーポレーション 車両内装部材の製造方法および製造装置

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EP1531036A1 (de) * 2003-11-11 2005-05-18 Karl-Heinz Hübner Verfahren und Vorrichtung zum Einschlagen von flexiblen Materialien
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