JPH10156584A - 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents
溶接用フラックス入りワイヤの製造方法Info
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- JPH10156584A JPH10156584A JP31405096A JP31405096A JPH10156584A JP H10156584 A JPH10156584 A JP H10156584A JP 31405096 A JP31405096 A JP 31405096A JP 31405096 A JP31405096 A JP 31405096A JP H10156584 A JPH10156584 A JP H10156584A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 縮径率の大きい細径の溶接用フラックス入り
ワイヤの伸線において、高速伸線を行っても断線が生じ
ることがなく、生産性の良好な溶接用フラックス入りワ
イヤの製造方法を提供する。 【解決手段】 帯鋼または鋼パイプからなる外皮材で被
包したフラックス充填ワイヤ素線を縮径する溶接用フラ
ックス入りワイヤの製造方法において、充填するフラッ
クスの原料を造粒し、該造粒フラックスに粒径250n
m以下の金属酸化物を0.1〜1.5%混合添加したフ
ラックスを供給充填することを特徴とする。また、上記
ワイヤは、帯鋼を鋼パイプに成形する工程中のU字形金
属帯鋼にフラックスを供給充填し、次いでO字形に成形
した帯鋼の両エッジ部を溶接し、該溶接された鋼パイプ
を所望径に縮径して製造される。
ワイヤの伸線において、高速伸線を行っても断線が生じ
ることがなく、生産性の良好な溶接用フラックス入りワ
イヤの製造方法を提供する。 【解決手段】 帯鋼または鋼パイプからなる外皮材で被
包したフラックス充填ワイヤ素線を縮径する溶接用フラ
ックス入りワイヤの製造方法において、充填するフラッ
クスの原料を造粒し、該造粒フラックスに粒径250n
m以下の金属酸化物を0.1〜1.5%混合添加したフ
ラックスを供給充填することを特徴とする。また、上記
ワイヤは、帯鋼を鋼パイプに成形する工程中のU字形金
属帯鋼にフラックスを供給充填し、次いでO字形に成形
した帯鋼の両エッジ部を溶接し、該溶接された鋼パイプ
を所望径に縮径して製造される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶接用フラック
ス入りワイヤの製造方法に係り、特に伸線時に断線の生
じない生産性の良好な溶接用フラックス入りワイヤの製
造方法に関する。
ス入りワイヤの製造方法に係り、特に伸線時に断線の生
じない生産性の良好な溶接用フラックス入りワイヤの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合わせ目がない溶接用フラックス入りワ
イヤの製造方法には2種類の製造方法がある。まず、特
公昭45−30937号公報にあるように鋼パイプにフ
ラックスを振動充填する方法、または特公平4−726
40号公報にある如く、帯鋼をU字形からO字形断面に
連続的に成形し、この成形工程において、フラックスを
U字形帯鋼に供給した後、O字形に成形した対向するエ
ッジ面を溶接する方法がある。どちらもフラックスを充
填した後のワイヤ素線は、一次伸線で約3mm径に加工し
た後、軟化焼鈍、銅めっき(省略する場合もある)を施
し、さらにダイス伸線で0.8〜1.6mmの所望径に伸
線加工して製造する方法が採用されている。
イヤの製造方法には2種類の製造方法がある。まず、特
公昭45−30937号公報にあるように鋼パイプにフ
ラックスを振動充填する方法、または特公平4−726
40号公報にある如く、帯鋼をU字形からO字形断面に
連続的に成形し、この成形工程において、フラックスを
U字形帯鋼に供給した後、O字形に成形した対向するエ
ッジ面を溶接する方法がある。どちらもフラックスを充
填した後のワイヤ素線は、一次伸線で約3mm径に加工し
た後、軟化焼鈍、銅めっき(省略する場合もある)を施
し、さらにダイス伸線で0.8〜1.6mmの所望径に伸
線加工して製造する方法が採用されている。
【0003】これらの製造方法によって作られた溶接用
フラックス入りワイヤは、他の製造方法、すなわち帯鋼
を折り曲げ、その内部にフラックスを充填し、縮径して
製造した溶接用フラックス入りワイヤに比し、充填され
たフラックスを完全に閉塞する表面を有する。よって、
内部のフラックスの吸湿がない、銅めっき等の表面処理
が可能で溶接時のワイヤ送給性、給電性などが良好であ
るなどの優れた特徴を持っている。
フラックス入りワイヤは、他の製造方法、すなわち帯鋼
を折り曲げ、その内部にフラックスを充填し、縮径して
製造した溶接用フラックス入りワイヤに比し、充填され
たフラックスを完全に閉塞する表面を有する。よって、
内部のフラックスの吸湿がない、銅めっき等の表面処理
が可能で溶接時のワイヤ送給性、給電性などが良好であ
るなどの優れた特徴を持っている。
【0004】しかしながら、これらの方法により製造さ
れる溶接用フラックス入りワイヤは、フラックスを供給
充填した鋼パイプ外径が10〜25mmと太径であるの
で、0.8〜1.6mmの製品径まで伸線すると縮径率
(84〜97%)が非常に大きく、特に生産性向上のた
めに1000m/min以上の高速度でダイス伸線する二次
伸線工程において断線を生じる場合がある。
れる溶接用フラックス入りワイヤは、フラックスを供給
充填した鋼パイプ外径が10〜25mmと太径であるの
で、0.8〜1.6mmの製品径まで伸線すると縮径率
(84〜97%)が非常に大きく、特に生産性向上のた
めに1000m/min以上の高速度でダイス伸線する二次
伸線工程において断線を生じる場合がある。
【0005】また、これらの溶接用フラックス入りワイ
ヤは充填するフラックスの偏析防止と充填率安定化のた
めに、フラックス原料を水ガラスで500μm以下の粒
度に造粒して供給充填されるが、図1に溶接用フラック
ス入りワイヤの縦断面図を示すように縮径率が大きくな
ると供給充填されたフラックス1が伸線に伴う外皮2の
伸びにフラックス1の移動が追従しなくなり外皮2にく
い込んで外皮肉厚tが薄くなる箇所が生じ、ダイス伸線
時に外皮肉厚tが局部的に薄くなった部分から断線する
場合がある。
ヤは充填するフラックスの偏析防止と充填率安定化のた
めに、フラックス原料を水ガラスで500μm以下の粒
度に造粒して供給充填されるが、図1に溶接用フラック
ス入りワイヤの縦断面図を示すように縮径率が大きくな
ると供給充填されたフラックス1が伸線に伴う外皮2の
伸びにフラックス1の移動が追従しなくなり外皮2にく
い込んで外皮肉厚tが薄くなる箇所が生じ、ダイス伸線
時に外皮肉厚tが局部的に薄くなった部分から断線する
場合がある。
【0006】このような問題を解決する技術に、特公昭
60−36360号公報に、充填するフラックス粉体粒
子の最大径を仕上げワイヤの外皮内径に対して1/2以
下とし、伸線時フラックスの流動移行を容易にして断線
を防止する。また、特開昭56−151198号公報に
は、合成雲母を添加したフラックスを充填して、充填フ
ラックスの滑り性を改善して断線を防止する方法が提案
されている。
60−36360号公報に、充填するフラックス粉体粒
子の最大径を仕上げワイヤの外皮内径に対して1/2以
下とし、伸線時フラックスの流動移行を容易にして断線
を防止する。また、特開昭56−151198号公報に
は、合成雲母を添加したフラックスを充填して、充填フ
ラックスの滑り性を改善して断線を防止する方法が提案
されている。
【0007】しかし、これらの方法においても前述の縮
径率が大きく、かつ高速度の伸線においては断線を完全
には防止できない。断線が生じると伸線工程が中断さ
れ、その回復には多大な時間を要し、生産性が悪くな
る。
径率が大きく、かつ高速度の伸線においては断線を完全
には防止できない。断線が生じると伸線工程が中断さ
れ、その回復には多大な時間を要し、生産性が悪くな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、縮径率の大
きい細径の溶接用フラックス入りワイヤの伸線におい
て、高速伸線を行っても断線が生じることがなく、生産
性の良好な溶接用フラックス入りワイヤの製造方法を提
供することを目的とする。
きい細径の溶接用フラックス入りワイヤの伸線におい
て、高速伸線を行っても断線が生じることがなく、生産
性の良好な溶接用フラックス入りワイヤの製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために種々検討した結果、充填する造粒フラ
ックスに超微粉の金属酸化物を所定量混合添加すること
によって、縮径率の大きい細径のワイヤを高速度伸線し
ても外皮の伸びに伴って充填されたフラックスが移動し
ながら均一に伸びて行くので断線が生じることなく生産
できる製造方法を見出した。
を達成するために種々検討した結果、充填する造粒フラ
ックスに超微粉の金属酸化物を所定量混合添加すること
によって、縮径率の大きい細径のワイヤを高速度伸線し
ても外皮の伸びに伴って充填されたフラックスが移動し
ながら均一に伸びて行くので断線が生じることなく生産
できる製造方法を見出した。
【0010】すなわち、本発明の要旨とするところは、 (1)帯鋼または鋼パイプからなる外皮材で被包したフ
ラックス充填ワイヤ素線を縮径する溶接用フラックス入
りワイヤの製造方法において、充填するフラックスの原
料を造粒し、該造粒フラックスに粒径250nm以下の
金属酸化物を0.1〜1.5%混合添加したフラックス
を供給充填することを特徴とする溶接用フラックス入り
ワイヤの製造方法。 (2)帯鋼を鋼パイプに成形する工程中のU字形に成形
した金属帯鋼にフラックスを供給充填し、次いでO字形
に成形した帯鋼の両エッジ部を溶接し、該溶接された鋼
パイプを所望径に縮径する溶接用フラックス入りワイヤ
の製造方法において、充填するフラックスの原料を造粒
し、該造粒フラックスに粒径250nm以下の金属酸化
物を0.1〜1.5%混合添加したフラックスを供給充
填することを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤの
製造方法。 (3)造粒フラックスに混合添加する金属酸化物が無水
シリカと酸化チタンの一方もしくは双方であることを特
徴とする(1)又は(2)の溶接用フラックス入りワイ
ヤの製造方法にある。
ラックス充填ワイヤ素線を縮径する溶接用フラックス入
りワイヤの製造方法において、充填するフラックスの原
料を造粒し、該造粒フラックスに粒径250nm以下の
金属酸化物を0.1〜1.5%混合添加したフラックス
を供給充填することを特徴とする溶接用フラックス入り
ワイヤの製造方法。 (2)帯鋼を鋼パイプに成形する工程中のU字形に成形
した金属帯鋼にフラックスを供給充填し、次いでO字形
に成形した帯鋼の両エッジ部を溶接し、該溶接された鋼
パイプを所望径に縮径する溶接用フラックス入りワイヤ
の製造方法において、充填するフラックスの原料を造粒
し、該造粒フラックスに粒径250nm以下の金属酸化
物を0.1〜1.5%混合添加したフラックスを供給充
填することを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤの
製造方法。 (3)造粒フラックスに混合添加する金属酸化物が無水
シリカと酸化チタンの一方もしくは双方であることを特
徴とする(1)又は(2)の溶接用フラックス入りワイ
ヤの製造方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】図2に、溶接用フラックス入りワ
イヤの製造工程例を示す。帯鋼供給装置3から送り出さ
れた帯鋼4は、成形装置5でU字型からO字型に漸次成
形される。この成形途中で、U字型帯鋼6の長手方向に
沿った開口からフラックス供給装置7中のフラックス1
を、U字型帯鋼6の谷部に供給充填する。次いで、成形
装置5でO字型に成形し、開口の相対するエッジ面を高
周波誘導コイル8で加熱、スクイズロール9で溶接し、
引き続いて縮径装置10で縮径する。更に必要に応じて
焼鈍11、酸洗12、めっき13を施した後、仕上げ伸
線14して巻き取り装置15に巻き取って製品とする。
イヤの製造工程例を示す。帯鋼供給装置3から送り出さ
れた帯鋼4は、成形装置5でU字型からO字型に漸次成
形される。この成形途中で、U字型帯鋼6の長手方向に
沿った開口からフラックス供給装置7中のフラックス1
を、U字型帯鋼6の谷部に供給充填する。次いで、成形
装置5でO字型に成形し、開口の相対するエッジ面を高
周波誘導コイル8で加熱、スクイズロール9で溶接し、
引き続いて縮径装置10で縮径する。更に必要に応じて
焼鈍11、酸洗12、めっき13を施した後、仕上げ伸
線14して巻き取り装置15に巻き取って製品とする。
【0012】前記製造工程中、特に仕上げ伸線14にお
いて、充填された造粒フラックスは、伸線による縮径と
ともに外皮の伸びに比例して移動して伸び、外皮に均一
に押し潰されていく。この過程で造粒フラックスの移動
が外皮の伸びに追従しなくなると、部分的にフラックス
が外皮にくい込んで外皮肉厚が薄くなり、伸線時にこの
部分から断線する場合がある。
いて、充填された造粒フラックスは、伸線による縮径と
ともに外皮の伸びに比例して移動して伸び、外皮に均一
に押し潰されていく。この過程で造粒フラックスの移動
が外皮の伸びに追従しなくなると、部分的にフラックス
が外皮にくい込んで外皮肉厚が薄くなり、伸線時にこの
部分から断線する場合がある。
【0013】フラックスの原料を造粒したフラックスに
粒径250nm以下の金属酸化物を0.1〜1.5%混
合したフラックスを充填すると、水ガラスで造粒された
フラックス粒子間に水ガラスで造粒されていない超微粉
の金属酸化物が付着して潤滑剤の役割を果たし、伸線時
の外皮の伸びに追従してフラックス粒子が移動しながら
略均一に伸びていくので、フラックスが外皮にくい込む
ことがなく外皮肉厚が均一となる。従って、ワイヤ全体
が均一な引張り応力を有しているので、高速度で伸線し
ても断線が生じることがない。
粒径250nm以下の金属酸化物を0.1〜1.5%混
合したフラックスを充填すると、水ガラスで造粒された
フラックス粒子間に水ガラスで造粒されていない超微粉
の金属酸化物が付着して潤滑剤の役割を果たし、伸線時
の外皮の伸びに追従してフラックス粒子が移動しながら
略均一に伸びていくので、フラックスが外皮にくい込む
ことがなく外皮肉厚が均一となる。従って、ワイヤ全体
が均一な引張り応力を有しているので、高速度で伸線し
ても断線が生じることがない。
【0014】これは、超微粉である金属酸化物は嵩密度
が低く、凝集性が少なく、かつ分散性が優れているの
で、少量でも造粒フラックスの各粒子の周囲に均一に付
着する。よって、金属酸化物は前述の如く、伸線時に造
粒フラックスの粒子間のすべり性を良好にし、外皮の伸
びとともにフラックスが移動しながら均一に伸びてい
く。
が低く、凝集性が少なく、かつ分散性が優れているの
で、少量でも造粒フラックスの各粒子の周囲に均一に付
着する。よって、金属酸化物は前述の如く、伸線時に造
粒フラックスの粒子間のすべり性を良好にし、外皮の伸
びとともにフラックスが移動しながら均一に伸びてい
く。
【0015】造粒フラックスに混合する金属酸化物の粒
径が250nmを超えると、造粒フラックスの各粒子間
への付着性が悪くなり均一に付着せず、また、伸線時に
圧縮を受けるフラックスの移動の潤滑性に寄与しなくな
り、外皮の伸びに追従せず、フラックスが部分的に外皮
にくい込んで外皮肉厚が薄くなった箇所で断線する場合
がある。
径が250nmを超えると、造粒フラックスの各粒子間
への付着性が悪くなり均一に付着せず、また、伸線時に
圧縮を受けるフラックスの移動の潤滑性に寄与しなくな
り、外皮の伸びに追従せず、フラックスが部分的に外皮
にくい込んで外皮肉厚が薄くなった箇所で断線する場合
がある。
【0016】金属酸化物の混合添加量が0.1%未満で
あると、伸線時の潤滑性の効果が少なく、フラックスが
外皮にくい込んで外皮肉厚が局部的に薄くなった箇所で
断線する場合がある。一方、1.5%を超えると、造粒
フラックス粒子間の金属酸化物が過剰となり、U字形帯
鋼に金属酸化物を混合した造粒フラックスの供給充填時
に造粒フラックスに付着しない過剰な金属酸化物が舞い
上がって、溶接される帯鋼の両エッジ間に付着して溶接
部の介在物となり、伸線時に介在物の多い外皮溶接部か
ら断線する場合がある。
あると、伸線時の潤滑性の効果が少なく、フラックスが
外皮にくい込んで外皮肉厚が局部的に薄くなった箇所で
断線する場合がある。一方、1.5%を超えると、造粒
フラックス粒子間の金属酸化物が過剰となり、U字形帯
鋼に金属酸化物を混合した造粒フラックスの供給充填時
に造粒フラックスに付着しない過剰な金属酸化物が舞い
上がって、溶接される帯鋼の両エッジ間に付着して溶接
部の介在物となり、伸線時に介在物の多い外皮溶接部か
ら断線する場合がある。
【0017】造粒フラックスに混合添加する金属酸化物
は、その粒径が250nm以下で前述の添加量を満足す
れば如何なるものでも同様の効果が得られるが、特に無
水シリカおよび酸化チタンが凝集性が少なく、分散性が
優れており、かつ充填フラックスに混合しても溶接作業
性を損なうことがないことから好ましい。また、これら
はそれぞれ単独で使用しても2種を混合しても同様の効
果が得られる。
は、その粒径が250nm以下で前述の添加量を満足す
れば如何なるものでも同様の効果が得られるが、特に無
水シリカおよび酸化チタンが凝集性が少なく、分散性が
優れており、かつ充填フラックスに混合しても溶接作業
性を損なうことがないことから好ましい。また、これら
はそれぞれ単独で使用しても2種を混合しても同様の効
果が得られる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。まず、表1に示す原料配合比のフラックスを配合
し、水ガラスで造粒して乾燥後500μm以下で、かつ
粒径150〜500μmを60%以上含む粒度に分級し
たフラックスに、表2に示す各種粒度の金属酸化物を混
合添加した。
る。まず、表1に示す原料配合比のフラックスを配合
し、水ガラスで造粒して乾燥後500μm以下で、かつ
粒径150〜500μmを60%以上含む粒度に分級し
たフラックスに、表2に示す各種粒度の金属酸化物を混
合添加した。
【0019】
【表1】
【0020】次いで、図2に示す溶接用フラックス入り
ワイヤの製造工程で、各種金属酸化物を混合したフラッ
クスをフラックス供給装置7から供給充填して1.2mm
径の製品ワイヤを各2000kg試作した。なお、使用
した帯鋼はSPCC(C0.05%)の板厚2.2〜
2.4mm、幅60〜65mmで、フラックス充填率は12
〜16%とした。この場合の縮径率は95%であった。
ワイヤの製造工程で、各種金属酸化物を混合したフラッ
クスをフラックス供給装置7から供給充填して1.2mm
径の製品ワイヤを各2000kg試作した。なお、使用
した帯鋼はSPCC(C0.05%)の板厚2.2〜
2.4mm、幅60〜65mmで、フラックス充填率は12
〜16%とした。この場合の縮径率は95%であった。
【0021】また、図2に示す溶接用フラックス入りワ
イヤの製造工程でめっき13まで連続で製造し、次いで
仕上げ伸線14で最終伸線速度1000m/minの条件で
伸線し、断線の有無を調べた。その結果も表2に示す。
イヤの製造工程でめっき13まで連続で製造し、次いで
仕上げ伸線14で最終伸線速度1000m/minの条件で
伸線し、断線の有無を調べた。その結果も表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2において、試験No. 1〜3が本発明の
溶接用フラックス入りワイヤの製造例、試験No. 4〜6
が比較例である。本発明の試験No. 1〜3は、造粒フラ
ックスに混合添加した金属酸化物の最大粒径が250n
m以下で、混合添加量も0.1〜1.5%の範囲内にあ
るので、伸線時の外皮の伸びに追従してフラックスが移
動しながら伸びていくので、フラックスが外皮にくい込
むことがなく外皮肉厚が均一となり、最終伸線速度10
00m/minの高速度で伸線しても断線せず、極めて満足
な結果であった。なお、別途溶接試験を行ったが、溶接
作業性も良好であった。
溶接用フラックス入りワイヤの製造例、試験No. 4〜6
が比較例である。本発明の試験No. 1〜3は、造粒フラ
ックスに混合添加した金属酸化物の最大粒径が250n
m以下で、混合添加量も0.1〜1.5%の範囲内にあ
るので、伸線時の外皮の伸びに追従してフラックスが移
動しながら伸びていくので、フラックスが外皮にくい込
むことがなく外皮肉厚が均一となり、最終伸線速度10
00m/minの高速度で伸線しても断線せず、極めて満足
な結果であった。なお、別途溶接試験を行ったが、溶接
作業性も良好であった。
【0024】比較例中試験No. 4は、造粒フラックスに
混合した無水シリカの粒径が250nmを超えているの
で、また試験No. 6は、酸化チタンの混合添加量が0.
1%未満であるので、造粒フラックスの各粒子間への金
属酸化物が均一に付着せず、伸線時にフラックスの移動
が外皮の伸びに追従しなくなり、フラックスが部分的に
外皮にくい込んで外皮肉厚が薄くなった箇所で断線し
た。
混合した無水シリカの粒径が250nmを超えているの
で、また試験No. 6は、酸化チタンの混合添加量が0.
1%未満であるので、造粒フラックスの各粒子間への金
属酸化物が均一に付着せず、伸線時にフラックスの移動
が外皮の伸びに追従しなくなり、フラックスが部分的に
外皮にくい込んで外皮肉厚が薄くなった箇所で断線し
た。
【0025】試験No. 5は、酸化チタンおよび無水シリ
カの混合量が1.5%を超えているので造粒フラックス
粒子間の酸化チタンおよび無水シリカの量が過剰で、混
合した造粒フラックスの供給時に造粒フラックスに付着
しない過剰な酸化チタンおよび無水シリカが舞い上がっ
て、溶接された金属帯鋼の両エッジ間に付着して溶接部
の介在物となり、伸線時に断線が生じた。
カの混合量が1.5%を超えているので造粒フラックス
粒子間の酸化チタンおよび無水シリカの量が過剰で、混
合した造粒フラックスの供給時に造粒フラックスに付着
しない過剰な酸化チタンおよび無水シリカが舞い上がっ
て、溶接された金属帯鋼の両エッジ間に付着して溶接部
の介在物となり、伸線時に断線が生じた。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の溶接用フ
ラックス入りワイヤの製造方法によれば、縮径率の大き
い細径の溶接用フラックス入りワイヤの伸線において、
高速伸線を行っても断線が生じることがなく、生産性の
良好な溶接用フラックス入りワイヤの製造方法を提供す
ることができる。
ラックス入りワイヤの製造方法によれば、縮径率の大き
い細径の溶接用フラックス入りワイヤの伸線において、
高速伸線を行っても断線が生じることがなく、生産性の
良好な溶接用フラックス入りワイヤの製造方法を提供す
ることができる。
【図1】溶接用フラックス入りワイヤの縦断面図を示す
図面である。
図面である。
【図2】溶接用フラックス入りワイヤの製造工程例を示
す図面である。
す図面である。
1 フラックス 2 外皮 3 帯鋼供給装置 4 帯鋼 5 成形装置 6 U字型帯鋼 7 フラックス供給装置 8 高周波誘導コイル 9 スクイズロール 10 縮径装置 11 焼鈍 12 酸洗 13 めっき 14 仕上げ伸線 15 巻き取り装置
Claims (3)
- 【請求項1】 帯鋼または鋼パイプからなる外皮材で被
包したフラックス充填ワイヤ素線を伸線する溶接用フラ
ックス入りワイヤの製造方法において、充填するフラッ
クスの原料を造粒し、該造粒フラックスに粒径250n
m以下の金属酸化物を0.1〜1.5%混合添加したフ
ラックスを供給充填することを特徴とする溶接用フラッ
クス入りワイヤの製造方法。 - 【請求項2】 帯鋼を鋼パイプに成形する工程中のU字
形に成形した帯鋼にフラックスを供給充填し、次いでO
字形に成形した帯鋼の両エッジ部を溶接し、該溶接され
た鋼パイプを所望径に縮径する溶接用フラックス入りワ
イヤの製造方法において、充填するフラックスの原料を
造粒し、該造粒フラックスに粒径250nm以下の金属
酸化物を0.1〜1.5%混合添加したフラックスを供
給充填することを特徴とする溶接用フラックス入りワイ
ヤの製造方法。 - 【請求項3】 造粒フラックスに混合添加する金属酸化
物が無水シリカと酸化チタンの一方もしくは双方である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接用フラック
ス入りワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31405096A JPH10156584A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31405096A JPH10156584A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10156584A true JPH10156584A (ja) | 1998-06-16 |
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JP (1) | JPH10156584A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100622186B1 (ko) | 2003-08-28 | 2006-09-19 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 시임형 플럭스 충전 용접용 와이어의 제조 방법 |
JP2011140052A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Nippon Steel Corp | ガスシールド溶接用フラックス入りワイヤ |
JP2011173194A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Kobelco Kaken:Kk | 被覆ソーワイヤ用のベースワイヤ |
CN111347194A (zh) * | 2020-04-28 | 2020-06-30 | 天津市永昌焊丝有限公司 | 一种超低氢药芯焊丝生产方法 |
-
1996
- 1996-11-25 JP JP31405096A patent/JPH10156584A/ja active Pending
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CN111347194B (zh) * | 2020-04-28 | 2022-03-04 | 天津市永昌焊丝有限公司 | 一种超低氢药芯焊丝生产方法 |
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