JP3394354B2 - アーク溶接用鋼ワイヤの製造方法 - Google Patents

アーク溶接用鋼ワイヤの製造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、アーク溶接用鋼ワイヤ
の製造方法に係り、さらに詳しくは伸線性および溶接時
の送給性が優れたアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】アーク溶接用鋼ワイヤを製造する最も一
般的な方法は、原線またはフラックス充填後のワイヤ
を2〜4mm径までローラあるいは孔ダイスにより伸線
する工程、焼鈍工程、酸洗工程、めっき工程、
最終サイズ径まで孔ダイスで伸線する工程を製品の形状
に対応し選択して順次行う方法である。の最終サイズ
径まで伸線する工程は、一般に表面状態が円滑で色調が
良好な湿式による伸線で製造される。しかし、湿式伸線
においては一般に水溶性潤滑剤を用いるためダイス通過
時にワイヤ表面皮膜が薄くワイヤのすべり性がやや悪い
ので、ワイヤ表面にきずが生じやすく1ダイス当たりの
減面率を大きくできず、ダイスを多く用いる必要がある
ので能率面にやや問題がある。一方乾式伸線では潤滑剤
として金属石鹸を用いれば減面率は大きくできるもの
の、伸線後に潤滑剤除去処理(例、ベーキング処理)の
必要がある。一方、ベーキング処理不要の無機物系また
は無水系の潤滑剤では、ワイヤ表面に潤滑剤が均一に塗
布されにくいという問題がある。 【0003】また、溶接用鋼ワイヤは、溶接の自動化、
高能率化が進むとともに、さらに高電流での溶接条件が
採用される方向にあり、その結果、必然的にワイヤの送
給速度が大となる。また、対象となる構造物によっては
溶接が狭隘部で行われる場合も多く、これらの場所での
使い易さの点から、溶接機のワイヤ送給装置の送給ロー
ラから溶接トーチまでのコンジットケーブルは長く、か
つ曲げて使われる傾向にある。このようにコンジットケ
ーブルが長く、かつ曲げて使用されると、コンジットケ
ーブル内のコンジットチューブ内をワイヤが通るとき摩
擦抵抗が大きくなり、溶接時ワイヤの送給に支障をきた
し、アークが不安定となって溶接ができなくなるという
問題が生じる。 【0004】これらの、アーク溶接用鋼ワイヤの製造時
の伸線性および溶接時の送給性の問題に対しては従来、
例えば特公昭58−46398号公報に高級脂肪酸およ
び高級脂肪酸のアルカリ金属塩を揮発性溶媒で希釈した
潤滑剤で湿式伸線し、ワイヤ表面に適量該潤滑剤を塗布
する方法、特開平5−23731号公報にポリ四弗化エ
チレン、二硫化モリブデン、グラファイト等からなる潤
滑剤で伸線および該潤滑剤を塗布する方法など各種の方
法が提案されている。しかしながら、これらの方法でも
前述したように湿式伸線においては、作業能率が悪く、
乾式伸線においては、ベーキング処理が必要であったり
ワイヤ表面に潤滑剤が均一に塗布されにくい場合があ
る。また、溶接時においては、長尺のコンジットケーブ
ルを使用し、高電流の溶接条件で溶接される場合、送給
ローラ部でワイヤがスリップしたり、コンジットチュー
ブ内で摩擦抵抗が大きくなってアークが不安定になるな
どのワイヤ送給性の改善について、やはり不十分である
のが現状である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ベ
ーキング処理が不要で円滑で高能率に伸線できるととも
に長尺のコンジットケーブルを使用し、高電流の溶接条
件で長時間連続溶接される場合においても、送給ローラ
部でワイヤのスリップがなく、かつコンジットチューブ
内での摩擦抵抗の少ない送給性が良好なアーク溶接用鋼
ワイヤの製造方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、ワイヤ製造方法を種々検討した結
果、前記の工程である、最終サイズ径までの伸線工程
の前処理として高融点の脂肪酸、脂肪酸の1価または2
価アルコールのエステルおよび石油ろうに二硫化モリブ
デンおよぴ二硫化タングステンを混合した潤滑剤を用い
て乾式伸線し、次いで水溶性潤滑剤中で湿式伸線して乾
式伸線で付着した潤滑剤の付着量を調整することによ
り、ベーキング処理不要で円滑で高能率に伸線できると
ともに、長尺のコンジットケーブルを使用し、高電流の
溶接条件で溶接される場合においても送給ローラ部での
ワイヤスリップが少なく、かつコンジットチューブ内で
の摩擦抵抗が少ないなど送給性が極めて良好になること
を見いだした。さらに、上記乾式伸線で用いる潤滑剤の
粒径を特定することによりワイヤ表面に付着させた潤滑
剤によるチップ詰まりがなく長時間の連続溶接において
も良好な送給性を維持できることがわかった。 【0007】すなわち、本発明の要旨は、アーク溶接用
鋼ワイヤの製造方法において、めっき工程の後に粒径が
45〜1000μmで融点50℃以上の脂肪酸、脂肪酸
の1価または2価アルコールのエステルおよび石油ろう
の1種または2種以上に粒径10μm以下の二硫化モリ
ブデンおよび二硫化タングステンの1種または2種を5
〜50wt%混合した潤滑剤を用いて乾式伸線し、次い
で水溶性潤滑剤中で湿式伸線して乾式伸線で付着した潤
滑剤をワイヤ10kg当たり0.10〜0.80gに調
整することを特徴とするアーク溶接用鋼ワイヤの製造方
法にある。 【0008】 【作用】めっき工程の後に、融点50℃以上の脂肪酸、
脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルおよび石
油ろうの1種または2種以上に二硫化モリブデンおよび
二硫化タングステンの1種または2種を混合した潤滑剤
で乾式伸線することにより、それらが均一にワイヤ表面
に付着する。次いで、乾式伸線で均一に付着した脂肪
酸、脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルおよ
び石油ろうの1種または2種以上に二硫化モリブデンお
よび二硫化タングステンの1種または2種を混合した潤
滑剤は、湿式伸線工程の水溶性潤滑剤中で剥離されて付
着量が調整される。なお、湿式伸線で剥離された脂肪
酸、脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルおよ
び石油ろうは非水溶性であるので、水溶性潤滑剤に溶出
せず分離する。よって、湿式伸線の水溶性潤滑剤を劣化
させることがなく円滑に伸線できる。 【0009】また、脂肪酸、脂肪酸の1価または2価ア
ルコールのエステルおよび石油ろうの1種または2種以
上は融点が50℃以上であるので、湿式伸線時のダイス
発熱による湿式潤滑剤の昇温によっても溶融することが
ないので、製品径まで二硫化モリブデンおよび二硫化タ
ングステンの1種または2種を均一に付着させたまま伸
線加工できる。よって、長尺のコンジットケーブルを使
用して高電流の溶接条件で溶接されても、コンジットチ
ューブとの摩擦抵抗が少なくなるのでワイヤ送給性が良
好となる。 【0010】脂肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコー
ルのエステルおよび石油ろうの融点が50℃未満である
と、湿式伸線時にダイスの発熱で昇温した湿式潤滑剤に
よって溶融して、ワイヤ表面に均一に付着しない場合が
ある。また、均一に付着したとしても溶接時コンジット
チューブ内でワイヤの摩擦およびコンジットライナーを
包む溶接用ケーブルの発熱でコンジットチューブ内で脂
肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルお
よび石油ろうなどが溶けて部分的に凝集してしまい、コ
ンジットチューブとの摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送
給性が不良となる。 【0011】融点50℃以上の脂肪酸、脂肪酸の1価ま
たは2価アルコールのエステルおよび石油ろうの1種ま
たは2種以上に混合する二硫化モリブデンおよび二硫化
タングステンの1種または2種は5〜50wt%が良
い。5wt%未満であると、溶接時にコンジットチュー
ブ内で摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送給性が不良とな
る。逆に50%を超えると、乾式伸線において脂肪酸、
脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルおよび石
油ろうの1種または2種以上に二硫化モリブデンおよび
二硫化タングステンの1種または2種を混合した潤滑剤
が、均一にワイヤ表面に付着できなくなり、次の湿式伸
線においても付着量を調整するのが困難となるので、溶
接時にコンジットチューブ内で摩擦抵抗が大きくなった
り、送給ローラ部でワイヤがスリップしてワイヤ送給性
が不良となる。 【0012】次に、乾式伸線で均一に付着した脂肪酸、
脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルおよび石
油ろうの1種または2種以上に二硫化モリブデンおよび
二硫化タングステンの1種または2種を混合した潤滑剤
は、湿式伸線でワイヤ10kg当たり0.10〜0.8
0gに調整する。0.10g未満であると溶接時にコン
ジットチューブ内で摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送給
性が不良となる。付着量が0.80gを超えるとワイヤ
送給ローラ部でワイヤがスリップしてワイヤ送給にむら
が生じてアークが不安定となる。ここで、脂肪酸、脂肪
酸の1価または2価アルコールのエステルおよび石油ろ
うの1種または2種以上に二硫化モリブデンおよび二硫
化タングステンの1種または2種を混合した潤滑剤の量
は、湿式伸線のダイス減面率およびダイス数により調整
する。この場合、減面率が大きい程付着量は少なくな
る。 【0013】なお、本願でいう脂肪酸とはミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メリシン酸など融点
が50℃以上のものをいい、脂肪酸の1価または2価ア
ルコールのエステルとは蜜ろう、カルナウバろう、綿ろ
うおよび脂肪酸の合成ろうなど融点が50℃以上のもの
をいう。また、石油ろうは固形パラフィン、ペトロラタ
ムなど石油精製で得られる融点が50℃以上のものをい
う。以上述べたように、本発明はアーク溶接用鋼ワイヤ
の送給性改善のために、めっき工程後に乾式伸線、次い
で湿式伸線を行う製造方法であるが、さらに乾式伸線で
用いる前記潤滑剤の粒径について限定する。現場施工に
おいては一般に高電流条件で溶接されるが、長時間の連
続溶接になると、乾式伸線時に用いワイヤ表面に付着さ
せた潤滑剤が前記所定量であっても、溶接チップ内壁に
付着し、送給性が阻害される結果となり、ついにはチッ
プが詰まり溶接ができなくなる場合がある。 【0014】本発明者らは、これらの防止対策として、
乾式伸線に用いる潤滑剤の粒径に着目し、種々検討し
た。その結果、脂肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコ
ールのエステルおよび石油ろうの粒径を45〜1000
μm、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンの粒
径を10μm以下にし、これらを混合した潤滑剤を用い
ることにより、伸線性を損なわず、また送給ローラ部で
のスリップやコンジットチューブ内での摩擦抵抗の過大
な増加をともなうことなくチップ詰まりを防止できるこ
とがわかった。 【0015】一般に工業的に行われている電気的あるい
は化学的方法によるめっき後のワイヤ表面は、図2
(A)に示すように平滑でなく、めっき金属5の間には
ミクロ的な凹部6のある粗面を呈している。このめっき
後のワイヤに脂肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコー
ルのエステルおよび石油ろうの粒径を45μm未満の微
粒からなる潤滑剤を用いて乾式伸線を行った場合、図2
(B)に示すように凹部には微粉の潤滑剤が密に充満し
た状態となる。凹部に充満した潤滑剤はその後の湿式伸
線によってそのかなりの部分が残留し固くしまった状態
になる。このような表面状態をもった製品ワイヤを長時
間連続溶接を行った場合、アーク熱で高温度に加熱され
るチップ内をワイヤが通過する際に潤滑剤成分である脂
肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルお
よび石油ろうは溶融、または半溶融状態となり膨張する
ので凹部から滲みだし徐々にチップの内壁に付着し続け
る。逆に、1000μmを超える、粗粒の潤滑剤を用い
て乾式伸線を行った場合は、図2(C)に示すようにワ
イヤ表面凹部への充満の程度は小さくなるがその後の伸
線により製品径のワイヤ表面には潤滑剤皮膜8の厚さむ
らが生じる。 【0016】この潤滑剤皮膜の厚さむらが大きくなると
高温度のチップ内をワイヤが通過する際に脂肪酸、脂肪
酸の1価または2価アルコールのエステルおよび石油ろ
うを溶融しやすくし、潤滑剤は徐々にチップ内壁に付着
し続け、最終的にはワイヤ送給を阻害するようになる。
従って、良好な送給性を維持し続けるためにはめっき後
のワイヤ表面の粗さ管理とともに、ワイヤ表面への潤滑
剤の付着状態をコントロールする必要がある。なお、潤
滑剤の付着状態は乾式伸線のスタート側、めっき素地が
粗い内にほぼ決定されるため特に第1ダイスに用いる潤
滑剤の粒径の影響は大きい。以上がチップ詰まりの主要
因となる脂肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコールの
エステルおよび石油ろうの粒径を45〜1000μmに
限定した理由である。 【0017】二硫化モリブデンおよび二硫化タングステ
ンの粒径は10μm以下に限定した。この理由は、微粒
にして粒子数を多くすることにより、比較的粗粒の脂肪
酸、脂肪酸の1価または2価アルコールのエステルおよ
び石油ろうと均一に混合して、二硫化モリブデンおよび
二硫化タングステンによるコンジットライナー内での潤
滑性を十分に発揮させるためである。コンジットライナ
ー内でのワイヤ摩擦抵抗を小さくすることにより送給ロ
ーラ部のスリップが少なくなり、ワイヤ送給が安定す
る。チップ内壁への潤滑剤付着は減少し、上記チップ詰
まりはワイヤ送給が安定の場合、起きにくくなる。 【0018】二硫化モリブデンおよび二硫化タングステ
ンの粒径が10μmを超えるとそれぞれ乾式伸線で潤滑
剤が均一に付着せず、次の湿式伸線でも付着量を調整す
るのが困難で、製品径での潤滑剤付着が不均一で溶接時
に送給ローラ部でワイヤのスリップ率および送給モータ
の電機子電流が高くなりアークが不安定となる。以下
に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。 【0019】 【実施例】まず、JIS Z3313 YFW−C50
DRに規定されるシームレスフラックス入りワイヤ(フ
ラックス充填率12%)を3.0mmの径に伸線、めっ
き処理したものを乾式伸線、次いで湿式伸線し、1.2
mmの製品径に仕上げ各500kgずつスプール巻ワイ
ヤとした。またワイヤ送給性は、図1に示す装置を用い
た。すなわち、送給抵抗を高める目的で直径150mm
のループ2回転を設けた6mコンジットケーブル1にス
プール2から引き出された供試ワイヤを送給モータ3に
よって供給し、トーチ4に送り、各ワイヤについて20
kgを連続溶接した。その時の溶接条件は次の通りであ
る。 溶接電流 :300A 溶接電圧 : 30V 溶接速度 : 30cm/min シールドガス: CO2 20 リットル/分 溶接方法 : ビードオンプレート 【0020】ワイヤ送給性は、送給モータ3の電機子電
流の測定により調べた。なお、ワイヤ送給性は電機子電
流が3.5Aを超えると不良になり、アークも不安定と
なる。ワイヤ送給ローラ部でのワイヤのスリップは、送
給ローラの周速と送給ローラ出口側のワイヤ速度を測定
し、下記式でスリップ率を算出して調べた。ワイヤのス
リップ率は5%を超えると、ワイヤ送り速度に緩急が生
じてワイヤ送給むらによってアークが不安定になるとと
もにスパッタ発生量も多くなる。スリップ率={(送給
ローラの周速)−(送給ローラ出口側のワイヤ速度)}
/(送給ローラの周速)×100で算出される。 【0021】本発明による試験結果を表1に示す。本発
明の試験No.1〜4は溶接時にワイヤ送給ローラでの
スリップ率や送給モータの電機子電流が低く、アークが
安定しておりチップ詰まりも起こらず極めて満足な結果
であった。試験No.5は合成ろうおよび、ステアリン
酸の粒径が小さすぎるために、送給ローラ部でのスリッ
プ率および電機子電流が高くなり、アークが不安定とな
り溶接中にチップ詰まりが起こった。試験No.6は逆
にステアリン酸、蜜ろう、および固形パラフィンの粒径
が大きすぎるために、同様に送給性が不良でアーク不安
定、チップ詰まりが発生した。 【0022】試験No.7は二硫化モリブデンの粒径が
大きすぎるために、それぞれ乾式伸線で潤滑剤が均一に
付着せず、次の湿式伸線でも付着量を調整するのが困難
で、製品径での潤滑剤が不均一で溶接時に送給ローラ部
でワイヤのスリップ率および送給モータの電機子電流が
高くなりアークが不安定であった。試験No.8は二硫
化モリブデンの混合量が少ないために、ワイヤ表面の付
着潤滑剤が不足して溶接時の送給ローラ部でワイヤのス
リップ率およびモータの電機子電流が高くなりアークが
不安定となった。試験No.9は合成ろうの粒径が大き
すぎて、また二硫化モリブデンの混合量も多すぎる潤滑
剤で乾式伸線した場合で、潤滑剤は均一に付着せずチッ
プ内部に潤滑剤が蓄積されアークが不安定となりチップ
詰まりも発生した。 【0023】 【表1】【0024】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアーク溶
接用鋼ワイヤの製造方法によれば、円滑で高能率に伸線
できるとともに、長尺のコンジットケーブルを使用し、
高電流溶接条件で長時間溶接される場合においても、良
好な送給性が得られるので、アーク溶接用鋼ワイヤの生
産性および溶接の高能率化に大きく寄与するものであ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に使用した溶接装置を示す図で
ある。 【図2】潤滑剤の粒径の影響を説明するために示した図
である。 【符号の説明】 1 コンジットケーブル 2 スプール 3 送給モータ 4 トーチ 5 めっき金属 6 凹部 7 潤滑剤 8 潤滑剤皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−15485(JP,A) 特開 平2−80196(JP,A) 特開 昭50−131832(JP,A) 特開 平7−251295(JP,A) 特開 平8−192292(JP,A) 特公 昭53−22930(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/40 B21C 9/00 - 9/02 B23K 35/02 B23K 35/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アーク溶接用鋼ワイヤの製造方法におい
    て、めっき工程の後に粒径が45〜1000μmで融点
    50℃以上の脂肪酸、脂肪酸の1価または2価アルコー
    ルのエステルおよび石油ろうの1種または2種以上に粒
    径10μm以下の二硫化モリブデンおよび二硫化タング
    ステンの1種または2種を5〜50wt%混合した潤滑
    剤を用いて乾式伸線し、次いで水溶性潤滑剤中で湿式伸
    線して乾式伸線で付着した潤滑剤をワイヤ10kg当た
    り0.10〜0.80gに調整することを特徴とするア
    ーク溶接用鋼ワイヤの製造方法。
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