JP3195478B2 - アーク溶接用ワイヤの製造方法 - Google Patents

アーク溶接用ワイヤの製造方法

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新一 福島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アーク溶接用ワイヤの
製造方法に係り、さらに詳しくは、伸線性および使用時
(溶接時)に送給性が優れたアーク溶接用ワイヤの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接用ワイヤを製造する最も一般
的な方法は、原線またはフラックス充填後のワイヤを
2〜4mm径までローラあるいは孔ダイスにより伸線す
る工程、焼鈍工程、酸洗工程、メッキ工程、最
終サイズ径まで孔ダイスで伸線する工程を製品の形状、
物性に対応し選択して順次行う方法である。の最終サ
イズ径まで伸線する工程は、一般的に表面状態が円滑で
色調が良好な湿式による伸線で製造される。
【0003】しかし、湿式伸線においては一般に水溶性
潤滑剤を用いるためダイス通過時にワイヤ表面皮膜が薄
くワイヤのすべり性がやや悪いので、1ダイス当たりの
減面率が小さくダイスを多く用いる必要があるので能率
面にやや問題がある。一方、乾式伸線では潤滑剤として
金属石鹸等を用いれば減面率は大きくできるものの伸線
後に潤滑剤除去処理(例、ベーキング処理)の必要があ
る。一方、ベーキング処理不要の無機物系または無水系
の潤滑剤では、ワイヤ表面に潤滑剤が均一に塗布されに
くくワイヤ表面に傷が生じやすいという問題がある。
【0004】また、これらのアーク溶接用ワイヤは、溶
接の自動化、高能率化が進むとともに、さらに高電流で
の溶接条件が採用される方向にあり、その結果、必然的
にワイヤの送給速度が大となる。また、対象となる構造
物によっては溶接が狹隘部で行われる場合も多く、これ
らの場所での使い易さの点から、溶接機のワイヤ送給装
置の送給ローラから溶接トーチまでのコンジットケーブ
ルは曲げて使われる傾向にある。このようにコンジット
ケーブルを曲げて使用されると、コンジットケーブル内
のコンジットチューブ内をワイヤが通るとき摩擦抵抗が
大きくなり、溶接時ワイヤの送給に支障をきたし、アー
クが不安定となって溶接ができなくなるという問題が生
じる。
【0005】これらの、アーク溶接用ワイヤの製造時の
伸線性および溶接時の送給性の問題に対しては従来、例
えば特公昭58−46398号公報に高級脂肪酸および
高級脂肪酸のアルカリ金属塩を揮発性溶媒で希釈した潤
滑剤で湿式伸線し、ワイヤ表面に適量該潤滑剤を塗布す
る方法、特開平5−23731号公報にポリ四弗化エチ
レン、二硫化モリブデン、グラファイト等からなる潤滑
剤で伸線および該潤滑剤を塗布する方法など、各種の方
法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法でも前述したように湿式伸線においては、作業能
率が悪く、乾式伸線においては、ベーキング処理が必要
であったりワイヤ表面に傷が生ずる場合がある。また、
溶接時においては、長尺のコンジットケーブルを使用
し、高電流の溶接条件で溶接される場合のワイヤ送給性
の改善については、やはり不十分であるのが現状であ
る。そこで、本発明は、ベーキング処理が不要でワイヤ
表面に傷が生じず、円滑で高能率に伸線できるととも
に、長尺のコンジットケーブルを使用し、高電流の溶接
条件で溶接される場合においても、送給性が良好なアー
ク溶接用ワイヤの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、ワイヤ製造方法を種々検討した結
果、前記の工程である、最終サイズ径までの伸線工程
の前処理としてエステルまたは動植物油をワイヤ表面に
塗布したのちに無機物系または無水系の潤滑剤で乾式伸
線をし、水溶性潤滑剤で乾式伸線で付着した潤滑剤量を
洗浄調整することにより、ベーキング処理不要でワイヤ
表面に傷が生じず円滑で高能率に伸線できるとともに、
長尺のコンジットケーブルを使用し、高電流の溶接条件
で溶接される場合においても、送給性が極めて良好であ
ることを見出したものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨とするところは、
アーク溶接用ワイヤの製造工程において、脂肪酸とアル
コールからなるエステルまたは動植物油をワイヤ表面に
塗布したのち無機物系または無水系の潤滑剤を用いて乾
式伸線をし、水溶性潤滑剤で該乾式伸線で付着した潤滑
剤を洗浄調整することを特徴とするアーク溶接用ワイヤ
の製造方法にある。本発明でいうアーク溶接用ワイヤと
は、Si,Mn系からさらにMo,Ti,Alその他を
含む鋼ワイヤおよび各種フラックス、合金、脱酸剤を含
むフラックス入りワイヤを対象とする。ワイヤ径は0.
8〜2.0mmである。
【0009】
【作用】脂肪酸とアルコールからなるエステルまたは動
植物油を、最終サイズ径までの伸線工程の前処理として
ワイヤ表面に塗布することにより、乾式伸線時に潤滑剤
が均一に分布され、伸線時の減面率を大きくしてもワイ
ヤ表面が円滑で傷が生じない。また、水溶性潤滑剤で乾
式伸線時に多量に付着した潤滑剤を洗浄して調整するの
で、溶接時もワイヤ表面に潤滑剤が均一に付着し、コン
ジットケーブルが長尺で、高電流の溶接条件においても
ワイヤ送給性が良好でアークも安定する。なお、本発明
でいう脂肪酸とは動植物の脂肪酸を、動植物油とはラー
ド、羊油,肝油,パーム油,菜種油,オリーブ油等をい
う。
【0010】また、エステルまたは動植物油のワイヤ表
面への塗布は、ワイヤをエステルまたは動植物油の入っ
た槽内を通す、またはロールやフェルトなどで塗布す
る。それらの塗布工程は、メッキ処理後、メッキ処理し
ない場合は、焼鈍後またはワイヤ径4.0mm以下で塗
布することが、乾式伸線時潤滑剤を均一に分布するので
乾式伸線性が良好となる。しかし、これ以上のワイヤ径
でエステルまたは動植物油を塗布して乾式伸線したの
ち、さらに再度エステルまたは動植物油を塗布して乾式
伸線することも可能である。
【0011】エステルまたは動植物油塗布後の乾式伸線
に使用される潤滑剤は、無機物系または無水系の潤滑剤
である。有機系の潤滑剤であると、ベーキング処理が必
要となる。無機物系または無水系の潤滑剤は、一般に乾
式伸線で使用されている四弗化エチレン、二硫化モリブ
デン、グラファイト等の溶接時ワイヤ送給性を良好にす
る潤滑剤を適量含むものであれば良い。
【0012】さらに、水溶性潤滑剤は、水にカリ石鹸,
フッ素樹脂,ホウ酸,ポリエーテルポリオール等を適量
混合したものを用いる。水溶性潤滑剤は、乾式伸線で多
量に付着した無機物系または無水系の潤滑剤を洗浄し、
ワイヤ表面に適量かつ均一に残留させて、溶接時のワイ
ヤの送給性を良好にする。残留させる潤滑剤量は50〜
500mg/ワイヤ10kgに調整するのが好ましく、
50mg/ワイヤ10kg未満では溶接時のワイヤ送給
性が不良となり、500mg/ワイヤ10kgを超える
とチップに潤滑剤が蓄積されてアーク切れやチップ詰ま
りが生じるようになる。なお、前記水溶性潤滑剤による
洗浄は循環する水溶性潤滑剤のシャワーなどで行い、残
留潤滑剤の量はその強弱で調整する。また、ワイヤ表面
に残る水溶性潤滑剤からの水分は、洗浄後にスキンパス
伸線を行えばその摩擦熱で蒸発する。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。まず、JIS Z3312に規定されるYGW
11のソリッドワイヤ、JISZ3313に規定される
YFW24のシームレスフラックス入りワイヤ(フラッ
クス充填率14%)を2.0,2.6mmおよび3.0
mmの3種の径に伸線・メッキ処理したものを、1.2
mmの製品径まで表1に示す各製造方法で各1000k
gを伸線し、その時の伸線性を調べるとともにスプール
巻きワイヤとした。なお、無機物系または無水系の潤滑
剤残留量の調整は、水溶性潤滑剤を循環するシャワーの
強弱で行い、付着した水分はスキンパス伸線の摩擦熱で
除去した。また、ワイヤ送給性は、図1に示す装置を用
いて調べた。すなわち、送給抵抗を高める目的で、直径
200mmのループ2回転を設けた6mのコンジットケ
ーブル1にスプール2から引き出された供試ワイヤを送
給モータ3によって供給し、トーチ4に送り、各ワイヤ
10kgを溶接した。
【0014】その時の溶接条件は次の通りである。 溶接電流 : 300A 溶接電圧 : 28〜30V 溶接速度 : 30cm/分 シールドガス : CO2 20リットル/分 溶接方法 : ビードオンプレート ワイヤ送給性は、送給モータ3の電機子電流の測定によ
り調べた。なお、ワイヤ送給性は電機子電流が3.5A
を超えると不良になり、アークも不安定となる。それら
の結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1において、試験例1〜4が本発明によ
るアーク溶接用ワイヤの製造例、試験例5〜7が比較例
である。本発明による試験例1〜4は、伸線時に表面傷
が無く良好で、溶接時においても送給モータの電機子電
流が低く、アークが安定しており極めて満足な結果であ
った。比較例中、No.5は乾式伸線であるが、伸線前
にエステルまたは動植物油を塗布していないので、無機
物系または無水系の潤滑剤が均一にワイヤ表面に分布さ
れず、伸線時ワイヤ表面に傷が生じた。また、溶接時送
給モータの電機子電流が高くアークも不安定であった。
【0017】No.6は湿式伸線の例で、伸線性は良好
であったが、溶接時の送給モータの電機子電流が高くア
ークが不安定であった。また、ダイス数が多く製造時の
準備に時間がかかり能率面に問題がある。No.7は、
水溶性潤滑剤で無機物系または無水系の潤滑剤を洗浄し
て残留潤滑剤の量を調整していないので残留潤滑剤の量
が多く、チップに潤滑剤が蓄積されてアーク切れおよび
チップ詰まりも生じた。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアーク溶
接用ワイヤの製造方法によれば、ワイヤ表面に傷が生じ
ず円滑で高能率に伸線できるとともに、ワイヤ表面に適
量かつ均一に潤滑剤を残留することができるので長尺の
コンジットケーブルを使用し、かつ高電流で溶接される
場合においても良好な送給性が得られるので、アーク溶
接用ワイヤの生産性および溶接の高能率化に大きく寄与
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用した溶接装置を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 コンジットケーブル 2 スプール 3 送給モータ 4 トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/40 B21C 9/00 - 9/02 B23K 35/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク溶接用ワイヤの製造工程におい
    て、脂肪酸とアルコールからなるエステルまたは動植物
    油をワイヤ表面に塗布したのち無機物系または無水系の
    潤滑剤を用いて乾式伸線をし、次いで水溶性潤滑剤で該
    乾式伸線で付着した潤滑剤を洗浄調整することを特徴と
    するアーク溶接用ワイヤの製造方法。
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