JP3208553B2 - アーク溶接用ワイヤの製造方法 - Google Patents
アーク溶接用ワイヤの製造方法Info
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Description
製造方法に係り、さらに詳しくは、溶接時に送給性が優
れたアーク溶接用ワイヤの製造方法に関するものであ
る。
方法は、原線またはフラックス充填後のワイヤを2〜
4mm径までローラダイスあるいは孔ダイスにより伸線
する工程(1次伸線)、焼鈍工程、酸洗工程、メ
ッキ工程、最終サイズ径まで孔ダイスで伸線する工程
(2次伸線)を製品の形状、物性に対応し選択して順次
行う方法である。
程は、一般的に表面状態が円滑な湿式伸線により製造さ
れる。しかし、湿式伸線においては一般に水溶性潤滑剤
が用いられるので、ダイス通過時にワイヤ表面皮膜が薄
くワイヤのすべり性が悪いため1ダイス当たりの減面率
が小さくダイスを多く用いる必要がある。また、伸線速
度も500〜1200m/分と非常に高速である。した
がって、潤滑剤の劣化や前工程から持ち込まれた不純物
などで潤滑剤の汚れが早く、この汚れた潤滑剤が製品ワ
イヤに付着することになる。
潤滑剤皮膜を厚くできるので減面率は大きくできるもの
の、固形潤滑剤が多量に、また不均一に分布される場合
もある。これらのアーク溶接用ワイヤを用いて溶接する
と、ワイヤ表面に付着した不純物や固形潤滑剤がコンジ
ットケーブル内やコンジットケーブルとチップの間に蓄
積されて、ワイヤが詰まったり、部分的にワイヤ表面に
前記蓄積された不純物や潤滑剤が付着して溶接されると
アークが乱れたり、アーク切れが生じるという問題があ
る。
伸線性および溶接時の送給性の問題に対しては従来、例
えば特公昭58−46398号公報に高級脂肪酸および
高級脂肪酸のアルカリ金属塩を揮発性溶媒で希釈した潤
滑剤を用いて湿式伸線し、ワイヤ表面に該潤滑剤を適量
塗布する方法、特開平5−23731号公報にポリ四弗
化エチレン、二硫化モリブデン、グラファイト等からな
る潤滑剤を用いて乾式伸線し、ワイヤ表面に該潤滑剤を
塗布する方法、など各種の方法が提案されている。
の方法でも前述したように湿式伸線では不純物などで汚
れた潤滑剤が製品ワイヤまで持ち込まれたり、乾式伸線
においては固形潤滑剤が多量に、また不均一に分布した
まま製品ワイヤまで持ち込まれる場合が多い。よって、
溶接時のワイヤ送給性の改善については、やはり不十分
であるのが現状である。
アーク溶接用ワイヤの製造方法を提供することを目的と
する。
ろは、アーク溶接用ワイヤの製造工程において、2次伸
線後、灯油に動物油または植物油の1種または2種以上
を混合した液でワイヤ表面を洗浄し、スキンパス伸線を
施した後、該ワイヤ表面に潤滑剤を塗布することを特徴
とするアーク溶接用ワイヤの製造方法にある。
油の1種または2種以上を混合した液で、ワイヤ表面を
洗浄することにより、ワイヤ表面に付着した不純物や固
形潤滑剤を取り除くことができ、スキンパス伸線におい
てもすべり性が良く、ワイヤ表面が綺麗になる。よっ
て、ワイヤ表面の潤滑剤塗布が均一になり、溶接時のア
ーク切れやチップ詰まりがなく、送給性が良好なアーク
溶接用ワイヤを製造することができる。
油、肝油など、植物油はパーム油、菜種油、オリーブ油
などを用い、混合割合は約50%程度とするのが好まし
い。洗浄方法は、ワイヤをスキンパス伸線前に灯油に動
物油または植物油の1種または2種を混合した液を入れ
た槽内を通すだけで十分であるが、槽内の液を攪拌し、
さらに循環して液中の不純物および固形潤滑剤を分離回
収するとさらに良く洗浄される。洗浄槽は、スキンパス
伸線のダイスボックスと併用しても良い。
に塗布する潤滑剤は、動物油、植物油、鉱物油、あるい
はこれらを適量混合した油など、一般市販のアーク溶接
用ワイヤに用いられている潤滑剤で良い。潤滑剤の塗布
は、例えば特開昭55−115368号公報、実開昭5
7−86655号公報および実開昭62−142491
号公報などの方法で、0.30〜1.50g/ワイヤ1
0kg程度の塗布量であることが好ましい。
明する。まず、JIS Z3312に規定されるYGW
11のソリッドワイヤ、JISZ3313に規定される
YFW24のシームレスフラックス入りワイヤ(フラッ
クス充填率13.5%)を3.0mmの径に伸線・メッ
キ処理したものを1.4mmの製品径まで表1に示す各
種の製造方法で各1000kgを伸線し、スプール巻ワ
イヤとした。
油を50%混合した液をスキンパス伸線のダイスボック
ス内に入れて行った。また、スキンパス伸線後の潤滑剤
は鉱物油と動物油を混合した油をフエルトを介して0.
5〜0.8g/ワイヤ10kg塗布した。ワイヤの送給
性は、図1に示す装置を用いて調べた。すなわち、3m
のコンジットケーブル1にスプール2から引き出された
供試ワイヤを送給モータ3によって供給し、トーチ4に
送り各10kg溶接した。なお、各供試ワイヤごとに溶
接前にコンジットチューブおよびチップを新しいものと
交換した。その時の溶接条件は次の通りである。
るアーク溶接用ワイヤの製造例、No.4〜6が比較例
である。本発明によるNo.1〜3は、スキンパス伸線
前の伸線においてワイヤ表面に付着した潤滑剤を灯油に
パーム油を混合した液で洗浄した後、スキンパス伸線
し、次いでワイヤ表面に潤滑剤を塗布したので、溶接時
にアーク切れやチップ詰まりがなく、アークが安定して
極めて優れたワイヤ送給性が得られた。
の伸線において付着した潤滑剤を洗浄せず、また新たな
潤滑剤も塗布していないのでワイヤ表面に汚れた潤滑剤
が付着したままであり、またNo.5は、スキンパス伸
線後に新たな潤滑剤塗布はしたもののスキンパス伸線前
の伸線において付着した潤滑剤を洗浄していないので、
いずれもワイヤ送給性が悪くアークが不安定で、アーク
切れおよびチップ詰まりも生じた。
てあるものの、スキンパス伸線後にに潤滑剤の塗布がさ
れていないので、ワイヤ送給性が悪くアークが不安定と
なった。
接用ワイヤの製造方法によれば、スキンパス伸線後のワ
イヤ表面が綺麗で潤滑剤塗布が均一となるので、溶接時
にアークが安定しており、アーク切れやチップ詰まりな
どが生じない送給性の良好なアーク溶接用ワイヤを提供
することができる。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 アーク溶接用ワイヤの製造工程におい
て、2次伸線後、灯油に動物油または植物油の1種また
は2種以上を混合した液でワイヤ表面を洗浄し、次いで
スキンパス伸線を施した後、該ワイヤ表面に潤滑剤を塗
布することを特徴とするアーク溶接用ワイヤの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28708993A JP3208553B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | アーク溶接用ワイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28708993A JP3208553B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | アーク溶接用ワイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07136797A JPH07136797A (ja) | 1995-05-30 |
JP3208553B2 true JP3208553B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=17712918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28708993A Expired - Fee Related JP3208553B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | アーク溶接用ワイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3208553B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8901455B2 (en) | 2008-06-18 | 2014-12-02 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire for submerged arc welding |
US8952295B2 (en) | 2008-06-18 | 2015-02-10 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire with perovskite coating |
-
1993
- 1993-11-16 JP JP28708993A patent/JP3208553B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07136797A (ja) | 1995-05-30 |
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