JPH10155905A - 注射器用ホルダーおよびそのホルダーを用いた注射具 - Google Patents

注射器用ホルダーおよびそのホルダーを用いた注射具

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JPH10155905A
JPH10155905A JP8335011A JP33501196A JPH10155905A JP H10155905 A JPH10155905 A JP H10155905A JP 8335011 A JP8335011 A JP 8335011A JP 33501196 A JP33501196 A JP 33501196A JP H10155905 A JPH10155905 A JP H10155905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時における指掛りの向上を図るととも
に、安定した状態での操作を可能にする。 【解決手段】 シリンダ筒２の外側に嵌装可能な内径を
有するとともに前記シリンダ筒２とほぼ同等の長さを有
する筒状に形成され且つ基端にフランジ７３を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は注射器用ホルダー、
殊に少量の薬剤を注入する際に用いられる比較的小径で
ガラス製のシリンダ筒を有する注射器に装着するホルダ
ーおよびそのホルダーを用いた注射具に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、注射器の長さや太さは使用する薬
剤の液量や種類に応じて操作しやすい範囲に定められて
おり、例えば少量の薬剤を注入する際に用いるものは短
尺で且つ小径である。
【０００３】そのため、手に馴染みにくく操作性が劣
り、例えば眼科の手術のように精密な操作を要求される
場合に問題となる。
【０００４】また、最近では注射器を形成するシリンダ
筒は合成樹脂のものも用いられているが、充填される注
射液の種類によってはガラス製でなければならず、殊
に、近頃多用されている予め所定量の薬剤を充填したア
ンプル型の注射器では保存期間中における薬剤の変質を
防ぐためにガラス製のシリンダ筒が採用されている。
【０００５】このガラスを用いたシリンダ筒はガラスの
性質ならびに加工手段から合成樹脂のシリンダ筒のよう
に指掛部を大きく形成することが困難である。
【０００６】そのため、ピストンを押動させて薬剤を注
出させるときに指の一部が指掛部に掛かるだけであり安
定よく注出操作することが困難であり、殊に、例えばヒ
アルロン酸製剤やヒドロキシプロピルメチルセルロース
溶液のように高粘度を有する薬剤を用いる場合に著し
い。
【０００７】そこで、例えば実開昭５７−１００９３５
号公報などに提示されているように大径のフランジを有
するホルダーをシリンダ筒に嵌装することにより指掛部
の実質的な拡大を図ったものが知られている。
【０００８】しかしながら、これらの公報に提示されて
いるホルダーは単に指掛かりの向上を目的とするもので
あることから最大長さが指の幅程度でシリンダ筒の基端
側に嵌装されることになり、シリンダ筒とホルダーとの
間に段部が形成され、例えば注射器を持ったり針を刺す
場合などに安定した状態で操作をすることができない、
という問題がある。
【０００９】一方、ガラス製のシリンダ筒ではシリンダ
筒の先端に形成した頸部の摺り合わせ部に注射針を圧入
支持させて使用するが、例えば圧入が充分でない場合に
は高粘度の薬剤の対象物への注入時などにおいて注射針
に薬剤の高圧力が作用して抜け落ちる心配がある。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】本発明は斯る実情に鑑
みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課
題は、使用時における指掛りの向上を図るとともに、例
えば注射器を持ったり針を刺す場合などに安定した状態
で操作をすることができるとともに、薬剤の注出時に注
射針が抜け落ちる心配をなくすことである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、注射器を構成するシリンダ筒の外側に嵌装可
能な内径を有するとともに前記シリンダ筒とほぼ同等の
長さを有する筒状に形成され且つ基端にフランジを有す
るホルダーを注射器に装着するものである。
【００１２】本発明によればシリンダ筒をほぼ全体に亘
って覆うことによりシリンダ筒部分が全体として径が拡
大した同一径となり安定した状態で使用することができ
るばかりか、注射器における注射針取付用の頸部にキャ
ップが装着されているとともにピストンが所定位置まで
嵌挿されてシリンダ筒内に所定量の薬剤が封入されてい
る薬剤入り注射器の場合にはシリンダ筒を保護するので
保管ならびに運搬時などにおける破損などを防止するこ
とができる。
【００１３】また、本発明においては、例えばルアーロ
ック機構のようにホルダーの先端に注射針の止着部を形
成したことにより注射器を構成するシリンダ筒の頸部に
付設された注射針がホルダーに固定されるので例えばヒ
アルロン酸製剤やヒドロキシプロピルメチルセルロース
溶液のような高粘度の液状またはゲル状の薬剤の注出時
に高圧力がかかったり、シリンダ筒が破損したときなど
に注射針が抜け落ちる心配がない。尚、前記注射針の止
着部は先端に形成したルアーロックに限らず、他の構成
でもよく、また形成箇所も先端の内側であると外側であ
るとを問わない。
【００１４】更に、本発明において、前記ピストンロッ
ドに貫通された状態で配置されるとともに、前記シリン
ダ筒の基端部を挟んで前記フランジにおける基端側の端
面に固定される固定部材によって、注射器を構成するシ
リンダ筒とホルダーとが完全に一体となって更に操作性
の向上を図ることができる。
【００１５】更にまた、前記固定部材とフランジとを固
定機構を介して固定することにより両者が互いにガタつ
き或いは回動することなく固定することができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。
【００１７】図面は本発明をいわゆる薬剤入り注射器に
ついて実施した場合の好ましい実施の形態の一つを示す
ものであり、使用する注射器１は、先端に注射針取付用
の頸部２１を有するとともに基端部２２を有するシリン
ダ筒２にピストンロッド３３の先端にガスケット３２を
固着させたピストン３が基端側から嵌挿されているとと
もに、頸部２１にキャップ４が装着され、且つピストン
３が所定位置まで嵌挿されてシリンダ筒２内に所定量の
薬剤５が封入されている。
【００１８】また、本発明であるホルダー６は、筒状に
形成されたホルダー本体７と、このホルダー本体７をシ
リンダ筒２に固定するための固定部材８と、シリンダ筒
２との間のガタつきを防止する合成ゴムなどの軟質材に
より形成された受座９とからなる。
【００１９】そして、ホルダー本体７は、例えばポリス
チレンなどのような硬質の合成樹脂によりシリンダ筒２
の外側に嵌装する内径を有するとともに前記シリンダ筒
２にほぼ等しい長さを有しており、先端の内周面７１に
螺旋突条からなる注射針の止着部７２が形成されている
とともにその基端に前記注射器１のシリンダ筒２に形成
された指掛用の突片からなる基端部２２よりも幅広のフ
ランジ７３を有しており、このフランジ７３の基端側の
端面７４には、前記基端部２２が後述の受座を含めて埋
没する大きさならびに高さを有するとともに周壁の外周
面の先端に沿って環状の第一の係止突条７５を突設した
円筒状の係止部材７６が一体成形により形成されてい
る。
【００２０】そして、固定部材８は、前記フランジ７３
の基端側の端面７４に突設された前記円筒状の係止部材
７６の外周面に嵌装される浅い有底円筒状を呈して例え
ば硬質のポリプロピレン樹脂などにより形成され、円板
部８１の中央に前記注射器１のピストンロッド３３の貫
通孔８２が形成されているとともに、円筒部８３の内周
面には開放端に沿って前記環状の第一の係止突条７５に
嵌装される環状の第二の係止突条８４が突設されてい
る。この第二の係止突条８４と前記フランジ７３に形成
された第一の係止突条７５とで固定機構１０が構成され
ている。
【００２１】また、受座９は前記フランジ７３の基端側
の端面７４に形成された前記円筒状の係止部材７６内に
嵌挿される形状に例えばオレフィン系エラストマなどの
適宜の軟質材により形成され、中心に前記注射器１のシ
リンダ筒２の嵌挿孔９１が形成されるとともに基端側の
端面に前記嵌挿孔９１に連続してシリンダ筒２の基端部
２２が埋め込まれる嵌挿溝９２が形成されている。
【００２２】このような構成を有する本実施の形態は、
図２および図３に示すように注射器１を製造する際に、
予め固定部材８をピストンロッド３に貫通させておき、
次いで、図３に示すように注射器１のシリンダ筒２を受
座９を介して、ホルダー本体７の基端側からフランジ７
３に固定部材８の先端側端面が当接するまで差し込み、
更に、図３に示すように固定部材８をフランジ７３側に
進行させて係止部材７６の外側に嵌装した状態で商品化
される。
【００２３】このとき、固定機構１０を構成する第一の
係止突条７５と第二の係止突条８４とが嵌め合わされる
ことにより、フランジ７３に固定された固定部材８とフ
ランジ７３の基端側の端面７４とでシリンダ筒２の基端
部２２を挟持することによりホルダー６と基端部２２と
が確実に固定される。
【００２４】そして、本実施の形態を装着した注射器１
は、図４に示すようにキャップ４を取り外した状態の頸
部２１に注射針１１を取り付けて従来のものと同様にホ
ルダー６を人差指と中指とで掴み親指でピストンロッド
３３の先端に設けた押動部３１を押し込むまたは引き上
げることにより使用するものであり（図示せず）、本発
明であるホルダー６によりシリンダ筒２をほぼ全体に亘
って覆うことによりシリンダ筒２部分が全体として拡径
した同一径となり安定した状態で使用することができ
る。
【００２５】殊に、フランジ７３に固定された固定部材
８とフランジ７３の基端側の端面７４とでシリンダ筒２
の基端部２２を挟持固定することによりホルダー６と基
端部２２とが確実に固定されることからホルダー６とシ
リンダ筒２とが一体となり、きわめて取扱いやすいとと
もにホルダー６が抜脱する心配もない。
【００２６】また、注射針１１をホルダー本体７の先端
内側に形成した注射針１１の止着部７２に止着すること
により例えば高粘度の薬剤の注出時に高圧力がかかった
シリンダ筒２が破損したときなどに注射針１１が抜け落
ちる心配がない。
【００２７】更に、フランジ７３の基端側の端面７４に
軟質材により形成された基端部２２の受座９を配置する
ことにより、シリンダ筒２の基端部２２をガタつくこと
なくフランジ７３に固定することができる。
【００２８】殊に、本実施の形態ではホルダー本体７に
形成された係止部材７６の内面の形状を、注射器１の基
端部２２が嵌合するように加工するとともに、間に受座
９を介装させて基端部２２と係止部材７６とを嵌合させ
たことによりホルダー本体７と注射器１との間の回動お
よびガタつきを防止することができるので、例えば使用
時にキャップ４を取外す場合などに操作しやすい。
【００２９】尚、本実施の形態では受座９を用いたため
ホルダー本体７と注射器１との間の回動およびガタつき
を完全に防止することができるが、受座９は必ずしも必
要でなく、係止部材７６の内面異形の形状を基端部が嵌
合する形状とすることだけでも回転およびガタつきを防
止することができることは云うまでもない。
【００３０】図５および図６は、本発明の異なる実施の
形態の一つを示すものであり、全体の構成は前述の実施
の形態とほぼ同様であるが、ホルダー本体７に形成され
た係止部材７６の第一の係止突条７５と固定部材８に形
成された第二の係止突条８４との固定機構１０が螺着に
より形成される点が異なる。
【００３１】従って、本実施の形態ではホルダー本体７
と固定部材８とが回動不可能に固定されるので、両者の
固定が確実であるため、前記実施の形態のように受座９
（図１乃至図４参照）を要しない。
【００３２】尚、前記実施の形態では液状またはゲル状
の薬剤入り注射器について実施した場合を示したが、通
常の薬剤を予め充填していない注射器についても同様に
実施することができることは云うまでもない。また、粉
末状の薬剤を予め充填した注射器について本発明のホル
ダーを適用し、使用時に注射用の溶解液を吸入させる場
合にも本発明を適用することができる。
【００３３】
【発明の効果】以上のように、本発明はホルダーにより
注射器のシリンダ筒をほぼ全体に亘って覆うことにより
シリンダ筒部分が全体として拡径した同一径となり、更
にホルダーとシリンダ筒とが確実に固定されることと相
俟ってきわめて安定した状態で使用することができるば
かりか、保管、運搬時は云うまでもなく使用時において
もホルダーが抜脱する心配がない。
【００３４】また、注射針をホルダー本体の先端内側に
形成した注射針の止着部に止着することにより例えば止
着が充分でない状態で高粘度の薬剤の注出時のように高
圧力がかかった場合やシリンダ筒が破損したときなどに
も注射針がホルダーに止着されているので抜け落ちる心
配がない。
【００３５】更に、フランジの基端側の端面に軟質材に
より形成された指掛部の受座を配置することにより、シ
リンダ筒の指掛部をガタつくことなくフランジに固定す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい実施の形態の一例を注射器と
ともに示す分解斜視図。
【図２】図１に示した実施の形態の組立状態の斜視図。
【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う一部を切截した拡大断面
図。
【図４】図１に示した実施の形態の使用状態を示す正面
図。
【図５】本発明の異なる実施の形態を示す一部を省略し
た分解斜視図。
【図６】図５に示した実施の形態における縦断面部分
図。
【符号の説明】
１ 注射器 ２ シリンダ筒 ３ ピストン ４ キャップ ５ 薬剤 ６ ホルダー ８ 固定部材 ９ 受座 １０ 固定機構 ２１ 頸部 ２２ 基端部 ３２ ガスケット ３３ ピストンロッド ７２ 止着部 ７３ フランジ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 先端に注射針取付用の頸部を有するとと
    もに基端開口にピストンが嵌挿された注射器のホルダー
    であって、前記シリンダ筒の外側に嵌装可能な内径を有
    するとともに前記シリンダ筒とほぼ同等の長さを有する
    筒状に形成され且つ基端にフランジを有することを特徴
    とする注射器用ホルダー。
  2. 【請求項２】 前記ホルダーの先端に注射針の止着部が
    形成されている請求項１記載の注射器用ホルダー。
  3. 【請求項３】 止着部がルアーロックである請求項２に
    記載のホルダー。
  4. 【請求項４】 前記注射器が注射針取付用の頸部にキャ
    ップが嵌着されているとともにピストンが所定位置まで
    嵌挿されてシリンダ筒内に所定量の薬剤が封入されてい
    る請求項１，２または３に記載の注射器用ホルダー。
  5. 【請求項５】 前記注射器を構成するピストンロッドに
    貫通された状態で配置されるとともに、前記シリンダ筒
    の基端を挟んで前記フランジにおける基端側の端面に固
    定される固定部材を有する請求項１，２，３または４に
    記載の注射器用ホルダー。
  6. 【請求項６】 前記固定部材とフランジとが互いに回動
    またはガタつきの少なくとも一方を防止する固定機構を
    介して固定される請求項５に記載の注射器用ホルダー。
  7. 【請求項７】 前記固定機構がフランジと固定部材との
    嵌着による請求項６に記載の注射器用ホルダー。
  8. 【請求項８】 前記固定機構がフランジと固定部材との
    螺着による請求項６に記載の注射器用ホルダー。
  9. 【請求項９】 前記固定機構が前記フランジの基端面
    に、前記注射器を構成するシリンダ筒に形成された基端
    部の嵌合凹部を有する請求項６，７または８に記載の注
    射器用ホルダー。
  10. 【請求項１０】 前記嵌合凹部に軟質材により形成され
    た前記シリンダ筒に形成された基端部の受座が配置され
    ている請求項４，５，６，７，８または９のいずれかに
    記載の注射器用ホルダー。
  11. 【請求項１１】 先端に注射針取付用の頸部を有すると
    ともにシリンダ筒の基端開口にピストンが嵌挿された注
    射器に前記１乃至８のいずれかに記載の注射器用ホルダ
    ーが嵌装されていることを特徴とする注射具。
  12. 【請求項１２】 先端にキャップが嵌着された注射針取
    付用の頸部を有するとともに基端に突起が突設されたシ
    リンダ筒の基端開口にピストンが所定位置まで嵌挿され
    て前記シリンダ筒内に所定量の薬剤が封入されている注
    射器に前記１乃至９のいずれかに記載の注射器用ホルダ
    ーが嵌装されていることを特徴とする注射具。
  13. 【請求項１３】 薬剤が高粘度の液状またはゲル状の薬
    剤である請求項１１に記載の注射具。
  14. 【請求項１４】 薬剤がヒアルロン酸製剤である請求項
    １１に記載の注射具。
JP33501196A 1996-11-29 1996-11-29 注射器用ホルダーおよびそのホルダーを用いた注射具 Expired - Lifetime JP3595895B2 (ja)

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