JPH10155078A - 線画と絵柄の境界におけるカブセ処理方法 - Google Patents

線画と絵柄の境界におけるカブセ処理方法

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JPH10155078A
JPH10155078A JP9329429A JP32942997A JPH10155078A JP H10155078 A JPH10155078 A JP H10155078A JP 9329429 A JP9329429 A JP 9329429A JP 32942997 A JP32942997 A JP 32942997A JP H10155078 A JPH10155078 A JP H10155078A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線画画像と絵柄画像の境界においてカブセ処
理を行なう。 【解決手段】 線画領域R1と絵柄領域R2の境界BR
1にカブセ領域R4を形成する。カブセ領域R4におい
ては、カブセ除外色として指定した色版については線画
の網点面積率を採用し、カブセ除外色以外の色版につい
ては絵柄の網点面積率を採用する。また、線画と絵柄の
いずれを優先するかを示す優先フラグが指定されてお
り、この優先フラグに応じて線画と絵柄とが合成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー線画画像
とカラー絵柄画像の境界において相互の画像を互いに重
ねつつ合成画像を作成するカブセ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー印刷版を作成する工程において
は、通常4色(Y、M、C、K)の印刷版を作成する。
カラー印刷物は、これらの印刷版を4色カラー印刷機に
かけて4色のインクを重ね刷りすることによって作成さ
れる。カラー印刷機は、非常に精密な機械であるが、実
際の印刷を行なうと、高精度な印刷機を用いた場合で
も、4つの印刷版相互に±0.05mm程度のずれ(以
下、「版ずれ」と呼ぶ)を生じることがある。この版ず
れによって、本来はインクが乗るべき部分にインクが乗
らず、印刷領域の間にいわゆる「白抜け」が発生する。
図25(A)は、版ずれによって白抜けが発生する様子
を示している。この白抜けは目につき易く印刷物の品質
を低下させる原因となる。
【0003】このような品質低下を防止するために、製
版工程では従来から「カブセ」と呼ばれる処理が行なわ
れている。カブセ処理とは、互いに接触するように隣接
する2つの画像領域の形状を調整し、両者がその境界部
で重なるようにする処理である。カブセ処理では、各画
像領域の境界部にほぼ一定の幅の付加的な領域(以下、
「カブセ領域」と呼ぶ)を形成する。カブセ領域の色
は、印刷時になるべく目立たない領域となるように決定
される。図25(B)には、カブセ領域を形成した場合
における版ずれの結果を示している。この例では、M版
とC版の画像が互いに重なり合うカブセ領域が形成され
ている。この結果、印刷時に版ずれが起こっても白抜け
が発生していないことがわかる。
【0004】なお、カブセ領域を形成する必要があるの
は、図25(A)の場合のように、境界を挟んだ濃度変
化の傾向が、異なる色版(例えばM版とC版)において
互いに逆向きであるような場合である。図25(A)の
場合には、M版の濃度は境界の外側で大きく境界の内側
で小さいのに対して、C版では逆に、境界の内側で大き
く外側で小さい。一方、図25(C)に示すように、濃
度変化の傾向が異なる色版で同じ場合には、カブセ領域
を形成しなくても、版ずれによって顕著な白抜けが生じ
ることはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年では、画像処理装
置を用いてカブセ処理を自動的に行なう種々の方法が提
案されている(例えば特開平4−58672号公報)。
しかし、従来のカブセ処理方法は、チント(平網)など
の線画画像同士か、または、絵柄画像同士の境界におい
てカブセ処理を行なう方法であり、線画画像と絵柄画像
の境界においてカブセ処理を自動的に行なう方法は知ら
れていなかった。この一因は、線画画像データと絵柄画
像データの分解能が異なるので、両者の間に適度な分解
能でカブセ領域を形成するのが困難であることにある。
また、線画画像データと絵柄画像データのフォーマット
が異なることも、カブセ領域の形成を困難にする原因で
あった。さらに、絵柄画像は画素ごとに色が変化するの
で、線画画像との境界におけるカブセ領域の色を決定す
るのが困難であった。
【0006】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、線画画像と絵柄
画像の境界においてカブセ処理を行なう方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題を解決するため、この発明によるカブセ処理方
法は、カラー線画画像とカラー絵柄画像の境界において
相互の画像を互いに重ねつつ、前記カラー線画画像とカ
ラー絵柄画像とを合成した合成画像を作成するカブセ処
理方法であって、(a)絵柄画像の複数の色成分を第1
の分解能で表わす絵柄画像データを準備する工程と、
(b)線画画像の複数の色成分を前記第1の分解能より
高い第2の分解能で表わす線画表現データを準備する工
程と、(c)前記絵柄画像と前記線画画像のいずれを優
先するかを示す優先データを準備する工程と、(d)前
記線画画像と絵柄画像の境界において生成されるカブセ
領域において採用すべき線画画像の色成分の種類を指定
する工程と、(e)前記カブセ領域を前記第2の分解能
以上の分解能で形成する工程と、(f)前記カブセ領域
の色成分の濃度として、前記工程(d)で指定された種
類の色成分については前記線画画像の濃度を採用すると
ともに、前記工程(d)で指定された種類以外の色成分
については前記絵柄画像の濃度を採用することによっ
て、前記カブセ領域の各色成分の濃度を決定する工程
と、(g)前記優先データを参照するとともに、前記工
程(f)で決定されたカブセ領域の各色成分の濃度を参
照して、前記線画画像と前記絵柄画像とを合成する工程
と、を備えることを特徴とする。
【0008】この方法によれば、カブセ領域における各
色成分の濃度として、線画画像の濃度を採用するか、絵
柄画像の濃度を採用するかを指定するので、この指定に
応じてカブセ領域における各色成分の濃度を決定でき
る。また、線画画像と絵柄画像のいずれを優先するかを
示す優先データを参照しつつ、線画画像の分解能以上の
分解能で線画画像と絵柄画像とを合成するので、これに
よって、カブセ領域を含む合成画像を作成することがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成 図1は、本発明の一実施例を適用して画像のカブセ処理
を行なう製版システムの全体構成を示す概念図である。
この製版システムは、平面スキャナ100と、色分解ス
キャナ200と、画像処理装置300と、記録スキャナ
400とを備えている。
【0010】平面スキャナ100は、文字、罫線、イラ
スト、ロゴなどを含む線画画像(以下、単に「線画」と
記す)を読取るとともに、得られた画像データをランレ
ングス圧縮して線画データを作成する装置である。平面
スキャナ100の分解能(画素密度)は例えば2000
dpiである。色分解スキャナ200は、写真などの絵
柄画像(以下、単に「絵柄」と記す)をビットマップデ
ータとして読取って絵柄データを得る装置である。色分
解スキャナ200の分解能は例えば400dpiであ
る。この実施例において、絵柄データの分解能(400
dpi)は、線画データの分解能(2000dpi)の
1/5である。
【0011】画像処理装置300は、線画データについ
てピンホール除去や色付け(所望の領域に色を付ける処
理)などの修正処理を行ない、絵柄データについては色
修正やキズ消しなどの修正処理を行なう。また、オペレ
ータが線画に絵柄が貼込まれる位置を決定すると、その
位置データが後述する絵柄のオフセットとしてメモリに
登録される。なお、修正処理済みの線画データには、絵
柄が貼込まれる領域において絵柄データが線画データに
優先して合成されることを示す絵柄優先フラグも含まれ
ている。記録スキャナ400は、修正処理済みの線画デ
ータと修正処理済みの絵柄データを合成し、合成した画
像を網目版画像として感光フィルムPF上に記録する。
網目版画像は、例えばY(イエロー)、M(マゼン
タ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の各色版毎
に作成される。
【0012】図2は、画像処理装置300の内部構成を
示すブロック図である。画像処理装置300は、次のよ
うな構成要素を備えている。 (a)CPU302:画像処理装置の各部の制御、およ
び、線画データや絵柄データに対する画像処理を行な
う。CPU302と以下に説明する構成要素とは、バス
304を介して相互に接続されている。 (b)ROM306:CPU302が実行する処理プロ
グラムを記憶するメモリ。 (c)RAM308:画像処理に使用される種々のデー
タを一時記憶するメモリであり、特に、各種のパラメー
タ(画像データのサイズ、絵柄のオフセット、カブセ処
理のモード(後述する))や後述するカラーパレットを
記憶する。カラーパレットは、線画の画像領域ごとに割
り当てられた色番号と、各色版の色データ(網点面積
率)との対応関係を示すテーブルである。 (d)ラインメモリ310:線画データの太らせ処理や
細らせ処理を行なう際に、処理に必要な画像データを記
憶するメモリ。
【0013】(e)線画メモリ312:画像処理前後の
線画を表わす画像データを記憶するメモリ。CPU30
2は、線画メモリ312を用いて太らせ処理、細らせ処
理、色付け処理、間引き処理、拡大処理等の画像処理を
実行する。線画メモリ312は、1頁分の画像データを
記憶できるメモリプレーンを複数枚有している。画像処
理時にはソース画像(処理前の画像)とデスティネーシ
ョン画像(処理後の画像)を記憶する必要があるので、
少なくとも2枚のメモリプレーンが使用される。 (f)絵柄メモリ314:絵柄データをビットマップ形
式で記憶するメモリであり、1頁分の画像に貼込まれる
複数の絵柄部品のデータと、出力用の1頁分の絵柄デー
タを記憶する。絵柄メモリ314も複数のメモリプレー
ンを有している。 (g)キーボード用I/Oインタフェイス316:キー
ボード318とマウス320からの入力を受け付けるイ
ンタフェイス。 (h)表示制御部322:画像データをカラーCRT3
24に転送して画像を表示する際に使用されるインタフ
ェイス。CRT324に線画を表示する際には、CPU
302が線画データを間引いた後にビットマップ展開し
て間引き画像のビットマップデータを作成し、このデー
タが表示制御部322に転送される。 (i)画像データ入力用インタフェイス326:平面ス
キャナ100や色分解スキャナ200から供給される画
像データを受け取る、あるいは、絵柄データや線画デー
タを記録スキャナ400に転送するインタフェイス。
【0014】B.処理手順の概要 図3は、この発明の一実施例を適用してカブセ処理を行
なう製版処理の手順を示すフローチャートである。ステ
ップS1では平面スキャナ100を用いて線画データを
読取り、ステップS2では色分解スキャナ200を用い
て絵柄データを読取る。複数の絵柄部品を使用する際に
は、各絵柄部品についての画像データが読み取られる。
ステップS3,S4では、画像処理装置300を用いて
線画データと絵柄データをそれぞれ加工する。すなわ
ち、線画データについてはピンホール除去、色付け、及
び、線画同士間のカブセ処理などの処理が行なわれ、絵
柄データについては色修正やキズ消しなどの処理が行な
われる。各絵柄部品のオフセットは、パラメータとして
RAM308に登録される。
【0015】図4(A)は処理の対象となる線画を示
し、図4(B)は絵柄、図4(C)はこれらを合成して
得られる統合画像を示している。なお、これらの画像は
カブセ処理前のものである。図4(A)の線画は、チン
ト領域である第1の領域R1と、絵柄が貼込まれる第2
の領域R2と、チント領域である第3の領域R3とを含
んでいる。各領域R1,R2,R3にはそれぞれ色番号
#1,#2,#3が割り当てられている。なお、線画は
文字やロゴ、イラストなどを含むのが普通であるが、こ
こでは簡単のために、上記のような線画を処理する場合
について説明する。
【0016】図5は、線画データの構造を示す説明図で
ある。図5(A)に示すように、線画データは線画デー
タ管理部とカラーパレット部とランレングスデータ部を
含んでいる。線画データ管理部は、線画のサイズ、分解
能、ファイル名などのデータを含んでいる。
【0017】カラーパレット部は、図5(B)および
(C)に示すように、各色番号に対応する情報として、
各色版の網点面積率(網%)と、絵柄優先フラグFy,
Fm,Fc,Fkを含んでいる。絵柄優先フラグが1の
色版については絵柄データが優先され、絵柄優先フラグ
が0の色版については線画データが優先される。カラー
パレット部のデータ(以下、単に「カラーパレット」と
呼ぶ)は、RAM308(図2)に記憶される。
【0018】図6はカラーパレットCPで表わされる色
番号と各色版の網点面積率の対応関係を示している。例
えば、領域R1の色番号#1は、マゼンタの網点面積率
が100%であり、他の3版の網点面積率は0%であ
る。なお、カラーパレットCPにおいて「I」が登録さ
れている色版は、絵柄優先フラグの値が1であることを
示している。すなわち、図4(A)の領域R2に対する
色番号#2では、すべての色版に対して絵柄データが線
画データに優先して採用される。
【0019】ランレングスデータ部は、図5(D)に示
すランレングスデータを含んでいる。ランレングスデー
タの1単位のデータ(以下、「単位ランレングスデー
タ」と呼ぶ)は、線画(図4(A))の各ランごとに、
ラン長さと色番号を含んだものである。図5(D)は図
4(A)の走査線L1に沿ったランレングスデータであ
り、領域R1,R2,R3のそれぞれのラン長さとその
色番号が各単位ランレングスデータに登録されている。
このようなランレングスデータは、線画メモリ312に
記憶される。
【0020】図7は、絵柄データの構成を示す概念図で
ある。図7(A)はYMCKそれぞれの網点面積率を表
わすデータを含む、1画素分の絵柄データを示してい
る。図7(B)は画像平面上における絵柄データの画素
配列を示している。すなわち、主走査方向Yに沿って走
査線順次に画素が配列され、この配列順に従って図7
(A)のデータが絵柄メモリ314に記憶される。
【0021】図3に戻り、ステップS5では、線画と絵
柄がCRT324に重ねて表示され、オペレータが絵柄
の位置を決定する。図4(B)は、線画と同じ大きさの
画像平面上に絵柄が位置決めされた状態を示している。
絵柄のオフセットは、画像平面の原点OLを基準とする
絵柄の原点OPの位置座標(xp,yp)である。この
オフセットは、RAM308に記憶される。
【0022】ステップS6では、カブセ処理パラメータ
をオペレータが入力する。カブセ処理パラメータは、カ
ブセ幅と、カブセ対象除外色と、カブセモードとを含ん
でいる。カブセ幅とは、絵柄と線画の境界に形成するカ
ブセ領域の幅であり、画素数で指定される。カブセ幅の
値としては、2000dpiの分解能において7画素程
度の値が指定される。カブセ対象除外色とは、カブセ領
域において元の線画の濃度値が保存される色版である。
一方、後述するように、カブセ対象除外色でない色版に
ついては、絵柄の濃度値が線画に優先して採用される。
【0023】カブセモードは、カブセ方向を示すモード
であり、次の3つがある。 アウターモード:線画と絵柄の境界から線画の側にカブ
セ領域を形成する。アウターモードは境界における絵柄
の濃度が線画よりも低い場合に適用される。 インナーモード:線画と絵柄の境界から絵柄の側にカブ
セ領域を形成する。インナーモードは境界における線画
の濃度が絵柄よりも低い場合に適用される。 オートモード:境界における線画と絵柄の色版の濃度の
大小関係に従って境界の周囲にカブセ領域を形成する。
オートモードは、境界における線画と絵柄の濃度の大小
関係に係わらずに適用できる。
【0024】各カブセ処理パラメータの内容については
さらに後述する。なお、カブセ処理を行なわない絵柄部
品については、このステップS6においてカブセ処理を
行なわない旨が指定される。カブセ処理の要否、カブセ
モード、およびカブセ幅は、カブセ処理パラメータとし
てRAM308に記憶される。
【0025】1頁の画像内に貼込む絵柄部品が複数ある
場合には、ステップS7からステップS5に戻り、ステ
ップS5,S6を繰り返す。この実施例では、簡単のた
めに、絵柄部品が1つの場合について説明する。絵柄部
品の位置とカブセ処理パラメータの指定が終了すると、
ステップS8において、画像処理装置300によってカ
ブセ処理が実行される。このカブセ処理では、絵柄と線
画の境界にカブセ領域が形成されるとともに、記録スキ
ャナ400に供給する加工済みの線画データと加工済み
の絵柄データとが作成される。カブセ処理の詳細につい
ては後述する。
【0026】ステップS9では、記録スキャナ400が
加工済みの線画データと絵柄データを合成し、統合画像
の網目版画像を作成する。網目版画像は、カブセ領域を
含む統合画像の色分解画像であり、通常はYMCKの4
枚の網目版画像が作成される。図8は、記録スキャナ4
00の概略構成を示すブロック図である。記録スキャナ
400に入力されたランレングスデータは、ランレング
スメモリ402に記憶され、絵柄データは絵柄メモリ4
04に記憶される。記録ドラム430に設けられたエン
コーダ432は、記録ドラム430の回転に同期した基
準クロック信号Sckを生成し、読出しアドレス/クロ
ック発生回路410に供給する。読出しアドレス/クロ
ック発生回路410は、ビットマップ展開回路408に
与えるクロック信号Sbkを発生するとともに、ランレ
ングスメモリ402に与える線画用読出しアドレスAw
と絵柄メモリ404に与える絵柄用読出しアドレスAp
を発生する。
【0027】ここで、線画と絵柄の画素の対応関係を説
明する。図9は、線画と絵柄の画素の大きさを比較して
示す説明図である。線画の画素Pwの一辺の長さは、絵
柄の画素Ppの一辺の長さの1/5である。すなわち、
線画の分解能は絵柄の分解能の5倍である。絵柄データ
は、線画データと同じ分解能で絵柄メモリ404から読
出される。すなわち、ランレングスメモリ402から5
走査線分のランレングスデータが読出される間に、絵柄
メモリ404からは1走査線分の絵柄データが読出され
る。また、1走査線上の5画素分のランレングスデータ
がビットマップ展開回路408で展開される間に、1つ
の画素の同じ絵柄データが5回絵柄メモリ404から読
み出される。この結果、線画の5×5画素のビットマッ
プデータが作成されるのと同期して、絵柄の1つの画素
の画像データが25回読出される。
【0028】ビットマップ展開回路408は、ランレン
グスデータとカラーパレットの内容とに基づいて、ラン
レングスデータを画素毎のデータに変換する回路であ
る。ビットマップ展開された線画データは、図7に示す
絵柄データと同様の構成を有している。ビットマップ展
開回路408からは、ビットマップ展開後の線画データ
Db(以下、単に「ビットマップデータ」と呼ぶ)とと
もに、絵柄優先信号Sfが出力される。絵柄優先信号S
fは、図5(C)に示す絵柄優先フラグFy,Fm,F
c,Fkを表わす信号である。
【0029】絵柄優先信号Sfは反転されて第1のAN
Dゲートユニット412に入力され、また、ビットマッ
プデータDbはそのまま第1のANDゲートユニット4
12に入力される。このANDゲートユニット412
は、ビットマップデータDbの1つの色版のビット数
(=8)と同じ個数のANDゲートを含む回路である
が、図8では図示の便宜上、簡略化して描かれている。
絵柄優先信号Sfの値が1の時(すなわち絵柄データが
優先される時)には第1のANDゲートユニット412
の出力は常に0になる。一方、絵柄優先信号Sfの値が
0の時には、ビットマップデータDbが第1のANDゲ
ートユニット412の出力となる。
【0030】絵柄優先信号Sfは、絵柄データDpとと
もに第2のANDゲートユニット414にも与えられ
る。絵柄優先信号Sfの値が1の時には絵柄データDp
が第1のANDゲートユニット414の出力となり、絵
柄優先信号Sfの値が0の時には第2のANDゲートユ
ニット414の出力は常に0になる。
【0031】第1と第2のANDゲート412,414
の出力は、ORゲートユニット416に入力される。す
なわち、ORゲートユニット416には、絵柄優先信号
Sfの値に応じて、線画のビットマップデータDbか、
または、絵柄データDpのどちらか一方が入力される。
ORゲートユニット416の出力は、網点信号生成回路
418に与えられて、画素ごとに露光の有無を示す網点
信号Ddが生成される。露光ヘッド420は、網点信号
Ddに従って変調されたレーザ光を発生し、これによっ
て、記録ドラム430に載置された感光フィルムPF上
に網目版画像が記録される。
【0032】なお、線画データと絵柄データを合成する
方法や装置については、本出願人により開示された特公
平2−42544号公報、特公平1−23032号公
報、および特公平2−20194号公報などに詳述され
ているものを用いることも可能である。図8の回路で
は、線画の分解能で線画のビットマップデータDbと絵
柄データDpとを合成していたが、この合成は線画の分
解能以上の分解能で実施することが可能である。
【0033】C.カブセ処理ステップの詳細手順 図10は、図3のステップS8におけるカブセ処理の詳
細手順を示すフローチャートである。ステップS21で
は、貼込むべき絵柄部品が残っているか否かが判断され
る。貼込むべき絵柄部品が有れば、ステップS22にお
いて、RAM308内のカブセ処理パラメータが調べら
れ、その絵柄部品についてカブセ処理を行なう旨が指定
されているか否かが判断される。ここでは、まずカブセ
処理を行なわない場合について説明し、次に、アウタ
ー、インナー、オートの各カブセモードにおける処理手
順について説明する。
【0034】C−1.カブセ処理を行なわない場合 カブセ処理を行なわない場合には、図10においてステ
ップS22からステップS26に至り、ここでマスク線
画データが作成される。図11は、カブセ処理を行なわ
ない場合の処理の手順を示す説明図である。図11
(A)は、図4(A)に示す線画を示している。図11
(A)では、各領域R1,R2,R3の網点面積率がY
/M/C/Kの順に書き込まれている。ただし、「I」
は、絵柄優先フラグが1であることを示している。網点
面積率の値は、図6のカラーパレットCPで表わされる
値に対応している。
【0035】ステップS26では、図11(A)の線画
データに対して絵柄優先フラグ「I」に関する1/Nの
優先間引き処理が実行され、これによって図11(B)
に示すマスク線画データが形成される。図12(A)は
優先間引き処理前の画像の一例を示し、図12(B)は
優先間引き処理後の画像を示している。図12におい
て、斜線部は図11(A)の領域R3であり、斜線のな
い領域は絵柄領域R2である。優先間引き処理では、N
×Nの画素ブロックのなかに1つでも絵柄優先フラグの
値が1である画素が有れば、その画素ブロックを代表す
る代表画素の絵柄優先フラグが1となる。図12の例で
はNの値として、線画と絵柄の分解能の比(=5)が採
用されている。図12(B)において砂地で示される画
素は、間引き処理前の線画において、絵柄優先フラグが
1の画素と絵柄優先フラグが0の画素とが混在している
画素ブロックに対応する代表画素である。このような代
表画素の絵柄優先フラグの値も1となる。
【0036】図11(B)は、優先間引き処理によって
得られたマスク線画データによって表わされるマスク線
画を示している。画素数で表現したマスク線画のサイズ
Wx/N,Wy/Nは、元の線画のサイズWx,Wyの
1/Nになっている。ただし、図11(B)のマスク線
画データでは、絵柄優先フラグの値が1でない領域の網
点面積率はすべて0に置き換えられている。この理由
は、マスク線画は絵柄をマスクするために使用されるも
のなので、絵柄優先フラグ以外のデータが不要だからで
ある。マスク線画データは、線画メモリ312に記憶さ
れる。優先間引き処理については、本出願人により開示
された特開平4−134570号公報に詳述されている
ので、ここではその詳細は省略する。
【0037】図10に戻り、ステップS27では、CP
U302がマスク線画の絵柄領域に絵柄が貼込まれる。
複数の絵柄を貼込む場合には、最初に白紙の状態の出力
絵柄画像の平面上に最初の絵柄が貼込まれ、その後順次
に絵柄が貼込まれていく。この際、マスク線画を使用し
て絵柄を所望の形状に切り抜きつつ貼込んでいくように
すれば、絵柄同士が重ねられる場合や、絵柄同士の境界
が接している場合に、その境界部分を所望の形状にする
ことができる。
【0038】図11(D)は画像平面上に貼込まれた絵
柄を示しており、この画像全体を表わす絵柄データが加
工済みの絵柄データとなる。図11(D)の絵柄は、マ
スク画像と同じサイズを有している。なお、絵柄はステ
ップS5(図3)で指定されたオフセット(xp,y
p)の位置に貼込まれている。貼込まれた出力絵柄画像
は、絵柄メモリ314に記憶される。
【0039】絵柄が貼込まれると、ステップS28にお
いてマスク線画データが線画メモリ312から消去され
る。絵柄部品が1つの場合には、図11(D)の出力絵
柄画像データと図11(A)の線画データとが加工済み
の画像データとして画像処理装置300から記録スキャ
ナ400に供給され、図11(E)に示す統合画像が得
られる。なお、図11のように絵柄が1つで、絵柄同士
の重なりがない場合は、マスク線画を用いずに、図11
(C)の絵柄データと図11(A)の線画データから図
11(E)の統合画像を生成するようにしてもよい。
【0040】複数の絵柄部品が貼込まれる場合には、1
つの絵柄部品が貼込まれた後に、ステップS28からス
テップS21に戻り、次の絵柄部品についてステップS
21〜S28の処理が繰り返される。なお、以上の処理
に先立って、線画領域R1と線画領域R3との境界領域
については、先の図3のステップS3で記したように通
常のカブセ処理を施すが、この処理は本発明の対象外で
あるから説明しない。この後で述べる3種のモードのカ
ブセ処理を行なうに先立っても同様である。
【0041】C−2.アウターモードのカブセ処理 アウターモードのカブセ処理を行なう場合には、図10
の手順において、ステップS21,S22,S23を通
ってステップS24が実行される。ステップS24で
は、指定されたカブセ方向に太らせ処理が行なわれてカ
ブセ領域が形成される。図13は、アウターモードにお
けるカブセ処理の手順を示す説明図である。
【0042】ステップS24では、ステップS6(図
2)で指定されたカブセ処理パラメータに従って、絵柄
領域R2の太らせ処理または細らせ処理が実行される。
すなわち、アウターモードの場合には太らせ処理が行な
われて線画中の絵柄領域がカブセ幅だけ膨張し、インナ
ーモードの場合には細らせ処理が行なわれて絵柄領域が
カブセ幅だけ収縮する(細らせ処理と太らせ処理は常用
手法であり、本明細書では記述を省略する)。この太ら
せ処理または細らせ処理は、対象画素を中心とする8近
傍画素または4近傍画素を用いて実行される。図13
(A)の線画に対する絵柄領域の太らせ処理を実行する
と図13(B)の画像が得られ、破線で示す新たな境界
BR2が、実線で示すもとの境界BR1から線画領域R
1,R3に向かう側に形成される。この結果、2つの境
界BR1,BR2の間に新たな領域R4,R5が形成さ
れる。これらの領域R4,R5がカブセ領域である。
【0043】図14は、ステップS24で形成されたカ
ブセ領域R4,R5の色データを決定する方法を示す説
明図である。図14(A)は、絵柄領域の太らせ処理前
の線画における境界BR1周辺の色データを示してお
り、図14(C)はこれに対応する平面図である。図1
4(B)はカブセ領域R4の色データを示しており、図
14(D)はこれに対応する平面図である。図14
(B)に示すように、カブセ領域R4のY/M/C/K
の色データはI/I/100/0(Iは絵柄優先フラグ
が1であることを示す)である。カブセ対象除外色とし
ては、シアン(C)とブラック(K)が指定されてい
る。すなわち、カブセ対象除外色C,Kの網点面積率
は、カブセ領域R4,R5においてそのまま利用され
る。一方、カブセ対象除外色でない色版Y,Mについて
は、カブセ領域R4,R5において絵柄優先フラグ
「I」になり、絵柄データが優先される。図14(E)
は、カブセ領域R4,R5の色番号C4,C5を含むカ
ラーパレットCPを示している。
【0044】図14(B)から解るように、カブセ対象
除外色C,Kに関する線画領域R1,R3と絵柄領域R
2との間の境界は、元の境界BR1である。従って、カ
ブセ対象除外色C,Kについては、元の線画における線
画領域R1,R2の高分解能のエッジが保たれる。一
方、カブセ対象除外色以外の色版Y,Mについては、カ
ブセ領域R4,R5において絵柄データが優先される。
この結果、カブセ領域R4,R5においては、線画と絵
柄とが互いに重なり合った状態で記録される。
【0045】なお、カブセ対象除外色は、YMCKの4
色版の中から3つ以下の数が指定される。カブセ対象除
外色としては、境界BR1付近の線画領域R1,R2に
おける濃度が高く、目立つ色版が選択される。こうする
ことによって、目立つ色版の高分解能エッジを保存する
ことができる。ステップS24においては、4色版のす
べての絵柄優先フラグが1である領域と、4色版のすべ
ての絵柄優先フラグが0である領域との間にのみ、カブ
セ領域が形成される。これは、絵柄優先フラグが1の色
版と0の色版が混在している領域は、以前に実行された
カブセ処理によって形成されたカブセ領域なので、さら
に、この部分にカブセ領域を形成する必要がないからで
ある。
【0046】図10に戻り、ステップS24で線画にカ
ブセ領域が形成された後は、ステップS26に移行し、
前述したステップS26〜S28が実行される。ステッ
プS26では、図13(C)に示すように、カブセ領域
を含む線画に関して優先間引き処理が行なわれる。この
結果得られるマスク線画中のマスク領域(すべての色版
の絵柄優先フラグが1となっている領域)は、絵柄領域
R2とカブセ領域R4,R5とを包含する形状を有して
いる。
【0047】ステップS27では、図13(C)のマス
ク線画を用いて絵柄が貼込まれて図13(E)の出力絵
柄画像が得られ、ステップS28ではマスク線画データ
が消去される。そして、図13(B)の出力線画データ
と図13(E)の出力絵柄データとが記録スキャナ40
0に与えられて、図13(F)に示す統合画像が記録さ
れる(ステップS9)。
【0048】C−2.インナーモードのカブセ処理 図15はインナーモードにおけるカブセ処理の手順を示
す説明図である。インナーモードでは、図10のステッ
プS24において絵柄領域について細らせ処理が行なわ
れる。図15(A)の線画に対して絵柄領域の細らせ処
理を実行すると図15(B)の線画が得られ、実線で示
す元の境界BR11から絵柄領域R12に向かう側に、
破線で示す新たな境界BR12が形成される。この結
果、2つの境界BR11,BR12の間にカブセ領域R
14,R15が形成される。
【0049】図16は、ステップS24で形成されたカ
ブセ領域R14,R15の色データを決定する方法を示
す説明図である。図16(A)は、細らせ処理前の線画
における境界BR11周辺の色データを示しており、図
16(C)はこれに対応する平面図である。図16
(B)はカブセ領域R14の色データを示しており、図
16(D)はこれに対応する平面図である。図16
(B)に示すように、カブセ領域R14のY/M/C/
Kの色データは0/100/I/I(Iは絵柄優先フラ
グが1であることを示す)である。この時も、カブセ対
象除外色としてはシアン(C)とブラック(K)が指定
されている。図16(E)は、カブセ領域R14,R1
5の色番号C14,C15を含むカラーパレットCPを
示している。
【0050】インナーモードにおいてもアウターモード
の場合と同様に、カブセ対象除外色について、元の線画
における線画領域R11,R12の高分解能のエッジが
保たれる。カブセ対象除外色としては、境界BR11付
近の絵柄領域における濃度が高く、目立つ色版が選択さ
れる。なお、インナーモードにおける他の処理は、アウ
ターモードと同様である。
【0051】C−3.オートモードにおけるカブセ処理 図17は、オートモードにおいてカブセ領域が形成され
る様子を示す説明図である。図17(A)において、C
版は線画が絵柄より強く、Y版とM版では絵柄が線画よ
りも強い。なお、この実施例では、線画と絵柄の網点面
積率の差が20%未満の場合には、線画と絵柄の網点面
積率はほぼ等しいと見なしている。図17(A)の例の
ように、線画が強い色版と絵柄が強い色版とが混在して
いる場合には、図17(B)に示すように、境界にカブ
セ領域を形成する。そして、カブセ領域の各版の網点面
積率としては、強いと判断された方の画像の網点面積率
が採用される。すなわち、図17(B)の例ではC版に
は線画の網点面積率が採用され、Y版とM版には絵柄の
網点面積率が採用される。ここに、この強弱判定に関し
ては、上記のほぼ等しいと見なす範囲を小さくすると、
仕上がり画像のカブセ領域の濃度が必然的に高くなるこ
とになる。従って、この範囲は本例では20%未満とし
ているが、現実作業に即して、経験的に適宜変化させて
設定するようにしてもよい。さらに各色版毎に変えても
よい。なお、両方の画像の網点面積率がほぼ等しいと判
断された色版については、どちらの網点面積率を採用し
てもよい。図17(C)は、図17(B)の画像を形成
するための線画データを示している。図17(C)にお
いて、絵柄が優先される色版の絵柄優先フラグは1にな
っている。カブセ処理では線画データのみが処理される
ので、図17(D)に示すように、絵柄データはもとの
ままである。
【0052】図18は、オートモードにおいてカブセ領
域が形成されない場合を示す説明図である。図18
(A)は、線画と絵柄の網点面積率の差がどの色版でも
20%未満であり、ほぼ等しいと見なされる場合であ
る。この場合には、カブセ領域は形成されない。これ
は、図25(C)にも示すように、境界を挟んだ濃度変
化の傾向が色版同士でほぼ同じ場合には、カブセ領域を
形成しなくても、版ずれによって顕著な白抜けが生じる
ことはないからである。
【0053】これと同じ理由で、図18(C)と図18
(E)に示す場合もカブセ領域を形成する必要がない。
図18(C)は、C版は線画が強いが、他の版は線画も
絵柄もほぼ等しい場合である。この場合にも、カブセ領
域を形成しなくてもよい。図18(E)は、M版とC版
は絵柄が強いが、他の版は線画も絵柄もほぼ等しい場合
である。この場合にも、カブセ領域を形成しなくてよ
い。図18(A),(C),(E)のいずれの場合にも
カブセ領域は形成されず、従って、図18(B),
(D),(F)に示すように、線画データもカブセ処理
によって変更されない。
【0054】次に、オートモードにおける処理手順を説
明する。オートモードが指定されている場合には、図1
0のステップS23からステップS25に移行し、ここ
で必要に応じてカブセ領域が形成される。図19は、ス
テップS25の詳細手順を示すフローチャートである。
また、図20〜図22は、図19の手順における処理内
容を示す説明図である。
【0055】ステップS31では、図20(A)の線画
内の絵柄領域R2と線画領域R1,R3の境界BR1
に、1画素の幅の領域R21,R22(以下、「境界領
域」と呼ぶ)を形成し、図20(B)に示す線画を得
る。境界領域R21,R22は、境界BR1よりも線画
領域R1,R2の側に形成される。なお、境界領域R2
1,R22は、前述のように4近傍画素または8近傍画
素を用いて絵柄領域R2を太らせることによって形成さ
れる。境界領域R21,R22は、本発明におけるカブ
セ候補領域に相当する。
【0056】ステップS31ではさらに、境界領域R2
1,R22に対して色番号#(x+1),#(x+2)
が割り当てられ、RAM308内のカラーパレットCP
に登録される。ここで、xは、使用されていない色番号
の最大値以上の任意の数値であり、これらの色番号#
(x+1),#(x+2)に対応する各色版の網点面積
率は任意の値(例えば0)でよい。また、このとき図2
0(E)に示す色番号対応テーブルCCT1が作成さ
れ、RAM308内に登録される。色番号対応テーブル
CCTは、境界領域R21,R22の新たな色番号#
(x+1),#(x+2)(以下、「境界色番号」と呼
ぶ)と、元の線画における領域R21,R22の色番号
(以下、「元色番号」と呼ぶ)との対応関係を示すテー
ブルである。なお、ステップS31においては、4色版
のすべての絵柄優先フラグが1である領域と、4色版の
すべての絵柄優先フラグが0である領域との間にのみ、
新たな領域が形成される。この理由は、絵柄優先フラグ
が1の色版と0の色版とが混在している領域はカブセ領
域なので、この部分にカブセ領域を形成する必要がない
からである。
【0057】ステップS32では、境界色番号に関する
1/Nの優先間引き処理を実行する。すなわち、N×N
の画素ブロックの中に1つでも境界色番号を有する画素
が有れば、その画素ブロックを代表する代表画素の色番
号として境界色番号が採用される。図20(C)は、こ
うして得られた線画を示している。図20(C)の線画
を表わすランレングスデータにおいて、境界領域R2
1,R22のランレングスデータには境界色番号#(x
+1),#(x+2)が登録される。
【0058】ステップS33では、図20(C)の境界
領域R21,R22内の各画素に関して、元色番号で指
定される各色版の網点面積率と、対応する絵柄(図20
(F))の各色版の網点面積率とを比較し、この比較結
果に応じて境界領域R21,R22の色番号が更新され
る。図23は、ステップS33の詳細手順を示すフロー
チャートである。
【0059】ステップS41では、図20(C)の線画
において境界領域R21,R22に含まれる画素を処理
対象画素として1つ選択する。ステップS42ではま
ず、処理対象画素の境界番号に従って色番号対応テーブ
ルCCT(図20(E))を参照し、テーブル内の元色
番号を読出す。例えば、境界領域R21については、そ
の境界色番号#(x+1)に対応した元色番号#1が読
出される。次に、その元色番号に対応する各色版の網点
面積率がカラーパレットCPから読出される。境界領域
R21の元色番号#1に対応する網点面積率は、図6に
示すように、0/0/100/0(Y/M/C/K)で
ある。
【0060】ステップS43では、処理対象画素に相当
する絵柄上の画素について、各色版の網点面積率を絵柄
データ(図20(F))から読取る。ステップS44で
は、処理対象画素について、各色版ごとに、線画の網点
面積率と絵柄の網点面積率とを比較し、その強弱の関係
を決定する。図24はステップS44の処理内容を示す
説明図である。
【0061】図24(A)は処理対象画素における線画
の網点面積率を示し、図24(B)は処理対象画素にお
ける絵柄の網点面積率を示す。これらの網点面積率を色
版ごとに比較し、図24(C)の強弱判定テーブルを作
成する。強弱判定テーブルは、線画の網点面積率と絵柄
の網点面積率との関係に応じて、次のように、線画の強
弱を判定する。 20(%)<RL−RP:強 20(%)<RP−RL:弱 |RL−RP|≦20(%):等しい ここで、RLは線画の網点面積率、RPは絵柄の網点面
積率である。すなわち、線画の網点面積率か絵柄の網点
面積率よりも20%以上大きい場合には線画が強いと判
断され、逆に、絵柄の網点面積率か線画の網点面積率よ
りも20%以上大きい場合には線画が弱いと判断され
る。また、両者の差が20%以下の場合には、両者の強
度は等しいと判断される。なお、上記の判断基準となる
網点面積率の値は、各色版ごとに異なる数値を設定して
もよい。
【0062】ステップS45では、強弱判定テーブルに
従って、処理対象画素の網点面積率を決定し、必要に応
じて新たな色番号を設定する。処理対象画素の網点面積
率は、次のように決定される。 1)強弱判定テーブルに「強」および「弱」が混在して
いる場合 これは、図17(A)に相当する場合である。この場合
には、「強」の色版については線画の網点面積率を採用
し、「弱」または「等」の色版については絵柄優先フラ
グを1に設定する。 2)強弱判定テーブルの4つの色版が「強」または
「等」の場合、および、「弱」または「等」の場合(す
なわち、「強」と「弱」とが混在していない場合) これは、図18(A),(C),(E)のいずれかに相
当する場合である。この場合には、実質的にカブセ処理
が実行されない。すなわち、処理対象画素の色番号とし
て元色番号を採用する。
【0063】図24(C)の強弱判定テーブルには上記
1)の条件が当てはまるので、この処理対象画素はカブ
セ領域になる画素である。この処理対象画素について
は、図24(D)の境界色対応テーブルBCTが作成さ
れる。このテーブルBCTでは、強弱判定テーブルにお
いて「強」となっていた色版Cについては、線画の網点
面積率(100%)が採用されており、また、他の色版
Y,M,Kについては絵柄優先フラグが1となってい
る。この各色版の網点面積率の組み合わせはカラーパレ
ットに未登録なので、新たな境界色番号#(x+3)が
割り当てられる。一方、上記2)の条件が当てはまる処
理対象画素については、境界色番号が元色番号に変換さ
れ、カブセ領域とはならない。
【0064】図23のステップS46では、境界領域R
21,R22の全画素についてステップS41〜S45
の処理が終了したか否かが判断され、終了していなけれ
ば、ステップS41〜S45を繰り返す。この結果、図
20(D)の線画が得られる。図20(D)の線画で
は、図20(C)の線画の境界領域R21の一部におい
て境界色番号が#(x+1)から#(x+3)に変化し
ている。変更された境界色番号#(x+3)を有する画
素は、図24(D)に示すように絵柄優先フラグが1の
色版が存在するのに対して、元の境界色番号#(x+
1),#(x+2)を有する画素は絵柄優先フラグがす
べて0である。
【0065】図19に戻り、ステップS34では、図2
0(D)の線画データの画素密度を単純にN倍して分解
能を元の線画(図20(A))と同じにする。この結
果、図21(A)の線画が得られる。ステップS35で
は、図20(B)の線画(図21(E)に同じもの示
す)において、境界領域R21,R22内の各画素の色
番号として、図21(A)の線画の境界色番号を採用す
ることにより、図21(B)の線画を得る。
【0066】ステップS36では、境界色対応テーブル
BCT(図24(D))に新境界色番号として登録され
ていない境界色番号#(x+1),#(x+2)が、元
色番号#1,#3にそれぞれ変換される。この変換は、
境界色対応テーブルBCTとともに、色番号対応テーブ
ルCCT(図20(E))を参照して行なわれる。この
結果、図21(C)に示すように、新境界色番号#(x
+3)を有する1画素幅の境界領域R23が残り、もと
の境界領域R21,R22は消滅する。
【0067】ステップS37では、必要に応じて境界領
域R23を所定の幅だけ拡張する太らせ処理を実行し、
図22(A)の線画を得る。こうして形成された領域R
24は、所定のカブセ幅を有するカブセ領域となってい
る。また、図24(D)の境界色対応テーブルBCTに
示されるように、カブセ領域R24の絵柄優先フラグの
少なくとも一部の値は1となっている。絵柄優先フラグ
の値が1である色版Y,M,Kは、強弱判定テーブル
(図24(C))において、線画が絵柄よりも弱い、ま
たはほぼ等しいと判断された色版である。
【0068】図22(A)に示されるカブセ領域R24
を含む線画は、アウターモードにおける図13(B)の
線画、および、インナーモードにおける図15(B)の
線画に相当するものである。すなわち、図22(A)の
線画に基づいて図10のステップS26〜S28が実行
される。図22には、ステップS26〜S28の処理の
様子も示されている。まず、ステップS26では、図2
2(A)の線画に対して絵柄優先フラグが1の画素に関
する1/Nの優先間引きを行ない、図22(B)のマス
ク線画を得る。そして、ステップS27において、図2
2(B)のマスク線画を用いて図22(D)の絵柄を貼
込み、図22(E)の絵柄を作成する。そして、ステッ
プS28でマスク線画データを消去する。
【0069】この後、ステップS9(図3)において図
22(E)の絵柄と図22(A)の線画とを合成するこ
とによって、図22(C)の統合画像を網目版画像とし
て記録する。
【0070】以上のように、アウターモードまたはイン
ナーモードでは、線画と絵柄の境界から予め指定したカ
ブセ方向に向かう部分に、所定の幅のカブセ領域が形成
される。また、カブセの対象となる色版(上記の例では
カブセの対象外の色版)も予め指定されている。一方、
オートモードで形成される統合画像では、絵柄と線画と
の境界の一部にのみカブセ領域R24が形成される。す
なわち、版ずれによって目立つ白抜けが発生しやすい部
分にのみカブセ領域が形成される。また、カブセの対象
となる色版は、境界における絵柄と線画の網点面積率の
強弱関係に基づいて決定される。従って、オペレータが
カブセの対象となる色版を指定することなくカブセ処理
を行なうことができる。
【0071】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用して画像のカブセ処理
を行なう画像処理システムの全体構成を示す概念図。
【図2】画像処理装置300の内部構成を示すブロック
図。
【図3】この発明の一実施例を適用してカブセ処理を行
なう工程を含む製版処理の手順を示すフローチャート。
【図4】線画と絵柄およびこれらの統合画像を示す説明
図。
【図5】加工済みの線画データを示す説明図。
【図6】カラーパレットの内容を示す説明図。
【図7】絵柄データの構成を示す概念図。
【図8】記録スキャナの概略構成を示すブロック図。
【図9】線画の画素と絵柄の画素を比較して示す説明
図。
【図10】ステップS9におけるカブセ処理の詳細手順
を示すフローチャート。
【図11】カブセ処理を行なわない場合の処理の手順を
示す説明図。
【図12】優先間引き処理のないようを示す説明図。
【図13】アウターモードにおけるカブセ処理の手順を
示す説明図。
【図14】アウターモードにおけるカブセ領域の色デー
タを決定方法を示す説明図。
【図15】インナーモードにおけるカブセ処理の手順を
示す説明図。
【図16】インナーモードにおけるカブセ領域の色デー
タの決定方法を示す説明図。
【図17】オートモードにおいてカブセ領域が形成され
る場合を示す説明図。
【図18】オートモードにおいてカブセ領域が形成され
ない場合を示す説明図。
【図19】オートモードのカブセ処理の詳細手順を示す
フローチャート。
【図20】図19の手順における処理内容を示す説明
図。
【図21】図19の手順における処理内容を示す説明
図。
【図22】図19の手順における処理内容を示す説明
図。
【図23】ステップS33の詳細手順を示すフローチャ
ート。
【図24】ステップS44の処理内容を示す説明図。
【図25】カブセ領域の有無の効果を示す説明図。
【符号の説明】
100…平面スキャナ 200…色分解スキャナ 300…画像処理装置 302…CPU 304…バス 306…ROM 308…RAM 310…ラインメモリ 312…線画メモリ 314…絵柄メモリ 316…キーボード用I/Oインタフェイス 318…キーボード 320…マウス 322…表示制御部 324…カラーCRT 326…画像データ入力用インタフェイス 400…記録スキャナ 402…ランレングスメモリ 404…絵柄メモリ 408…ビットマップ展開回路 410…読出しアドレス/クロック発生回路 412,414…ANDゲートユニット 416…ORゲートユニット 418…網点信号生成回路 420…露光ヘッド 430…記録ドラム 432…エンコーダ BCT…境界色対応テーブル CCT…色番号対応テーブル CP…カラーパレット Fy,Fm,Fc,Fk…絵柄優先フラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 1/46 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー線画画像とカラー絵柄画像の境界
    において相互の画像を互いに重ねつつ、前記カラー線画
    画像とカラー絵柄画像とを合成した合成画像を作成する
    カブセ処理方法であって、(a)絵柄画像の複数の色成
    分を第1の分解能で表わす絵柄画像データを準備する工
    程と、(b)線画画像の複数の色成分を前記第1の分解
    能より高い第2の分解能で表わす線画表現データを準備
    する工程と、(c)前記絵柄画像と前記線画画像のいず
    れを優先するかを示す優先データを準備する工程と、
    (d)前記線画画像と絵柄画像の境界において生成され
    るカブセ領域において採用すべき線画画像の色成分の種
    類を指定する工程と、(e)前記カブセ領域を前記第2
    の分解能以上の分解能で形成する工程と、(f)前記カ
    ブセ領域の色成分の濃度として、前記工程(d)で指定
    された種類の色成分については前記線画画像の濃度を採
    用するとともに、前記工程(d)で指定された種類以外
    の色成分については前記絵柄画像の濃度を採用すること
    によって、前記カブセ領域の各色成分の濃度を決定する
    工程と、(g)前記優先データを参照するとともに、前
    記工程(f)で決定されたカブセ領域の各色成分の濃度
    を参照して、前記線画画像と前記絵柄画像とを合成する
    工程と、を備えることを特徴とするカブセ処理方法。
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