JP2958245B2 - 印刷画像の作成方法 - Google Patents

印刷画像の作成方法

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JP2958245B2
JP2958245B2 JP6239558A JP23955894A JP2958245B2 JP 2958245 B2 JP2958245 B2 JP 2958245B2 JP 6239558 A JP6239558 A JP 6239558A JP 23955894 A JP23955894 A JP 23955894A JP 2958245 B2 JP2958245 B2 JP 2958245B2
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博 柴崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー画像を再現す
るために複数の色版に対する印刷画像を作成する方法に
関する。なお、この明細書における「印刷画像」とは、
感光フィルムなどの記録媒体上に記録された印刷版用の
画像と、画像データに従って印刷紙上に複数の色のイン
クを直接塗布することによって再現されたカラー画像な
どの種々の画像を含んでいる。
【0002】
【従来の技術】カラーのオフセット印刷では、写真画像
などの原稿画像をシアン(C)、マゼンタ(M)、黄色
(Y)、墨(K)の4色のインクに対応した4つの色分
解画像に分解し、各インクの色分解画像を刷り重ねるこ
とによって印刷物を作成する。
【0003】各インクに対応する印刷版上の画像(以
下、「印刷画像」と呼ぶ)は、インクの乗る微小なドッ
ト(網点)の大小によって表現されている。網点は、一
定の間隔で格子状に配列されており、単位面積当たりの
網点の面積比によって画像の濃度が表現されている。な
お、単位面積当たりの網点の面積の百分率は網パーセン
トと呼ばれている。
【0004】網点相互の間隔はいわゆるスクリーン線数
によって定義されており、また、網点の配列方向はスク
リーン角度によって規定される。スクリーン線数は1イ
ンチ当たりに形成される網点の個数を示す値であり、ス
クリーン線数が大きいほど高分解能で画像を再現するこ
とが可能である。従来は、写真画像の高級カラー印刷に
おいて常用されるスクリーン線数は、150〜200線
/インチ程度であった。
【0005】また、近年の印刷技術の進歩によって、ス
クリーン線数が300線/インチ程度以上の高分解能の
網点(以下、「高精細網点」と呼ぶ)も利用できるよう
になってきている。スクリーン線数が高いほど1つ1つ
の網点は小さく、原稿画像をさらに高分解能で再現可能
である。
【0006】上述の網点は、その配列が一定で、原稿画
像の濃度に応じて各網点のサイズが変化するものであ
る。換言すれば、網点による画像の再現は、振幅変調に
よって画像の濃度を表現する方法で、本明細書では「通
常スクリーニング」と記す。これに対して、近年では、
周波数変調によって画像の濃度を表現する「FMスクリ
ーニング」(またはFMドット)と呼ばれる方法が実用
化されている。FMスクリーニングでは、インクが乗る
ドットのサイズは一定とし、画像の濃度に応じてドット
の出現頻度が変化する。
【0007】なお、FMスクリーニングにおけるドット
は、従来の網点とは異なり、ドットの配列が周期的では
ないので、「網点」と呼ぶのは正確ではない。従って、
この明細書では、周期的配列を有する従来の網点と、周
波数変調により画像を再現するドットとをまとめて「印
刷ドット」または単に「ドット」と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のFMスクリーニ
ングは、従来の網点を用いる通常スクリーニングに比べ
て原稿画像の細部(ディテール)を忠実に再現すること
ができ、また、ドットの配列に周期性がないので、いわ
ゆるロゼットモアレやその他のモアレが生じない、また
は、生じにくいという利点がある。しかし、絵柄内の比
較的低濃度で色変化の少ない画像領域や、低濃度の平網
(一様色の線画)の部分にFMスクリーニングを適用す
ると、再現されたカラー画像に粒状性(ざらつき感)が
目立ってしまう欠点がある。
【0009】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、FMスクリーニ
ングの利点と通常スクリーニングの利点とを共に生かし
た印刷画像を生成することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明の請求項1に記載した方法は、
カラー画像を再現するための色分解画像として、少なく
ともC版とM版とを含む複数の色版に対する印刷画像を
作成する方法であって、(A)前記カラー画像を表わす
明度/彩度/色相表色系の画像データを準備する工程
と、(B)前記画像データに基づいて、前記明度が所定
の閾値と等しいかまたはそれよりも低い第1の領域と、
前記明度が前記所定の閾値よりも高くかつ前記色相が
色系の色を示す中心的な値を中心にした所定の範囲内
ある第2の領域と、前記明度が前記所定の閾値よりも高
くかつ前記色相が前記所定の範囲外である第3の領域と
に前記カラー画像を分割する工程と、(C)前記第1の
領域はFMスクリーニングを用いて再現し、前記第2の
領域は通常スクリーニングを用いて再現するとともに、
前記第3の領域は前記通常スクリーニングを用い、か
つ、前記第2の領域とはC版とM版のスクリーン角度を
交換しつつ再現することによって、前記カラー画像の印
刷画像を作成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】カラー画像の明度に応じてFMスクリーニ
ングを適用するか通常スクリーニングを適用するかを区
別し、また、色相に応じてC版とM版のスクリーン角度
を選択するので、明度と色相に応じて適切なスクリーニ
ングの種類を割り当てることができる。
【0012】また、請求項2に記載した方法では、前記
工程(B)は、前記第2と第3の領域の間に所定の幅の
第4の領域を形成する工程を含み、前記工程(C)は、
前記第4の領域を、少なくともC版とM版について前記
FMスクリーニングを用いて再現する工程を含む。
【0013】このような第4の領域を設けることによっ
て、第2と第3の領域の境界においてC版とM版のスク
リーン角度が交換されていることを目立たなくすること
ができる。
【0014】請求項3に記載した方法では、前記工程
(A)は、前記カラー画像を表わすCMYK表色系の画
像データを準備する工程を含み、前記工程(B)は、前
記各領域の各色版について、前記FMスクリーニングと
前記通常スクリーニングのいずれを適用するかを示すと
ともに、前記通常スクリーニングを適用する場合のスク
リーン角度を示すスクリーン角度データを準備する工程
を含み、前記工程(C)は、前記スクリーン角度データ
で指定されたスクリーニングの種類とスクリーン角度に
従ってスクリーンパターンデータをスクリーンパターン
メモリから読出すとともに、前記スクリーンパターンデ
ータを前記CMYK系の画像データと比較することによ
って、各色版の印刷画像を記録するためのドット信号を
生成する工程を含む。
【0015】こうすれば、スクリーン角度データに応じ
て各版の印刷画像を生成することができる。
【0016】請求項4に記載した方法では、前記工程
(A)は、前記カラー画像を表わすCMYK表色系の画
像データを所定の空間フィルタで平滑化する工程と、前
記平滑化後の画像データを明度/彩度/色相表色系の画
像データに変換する工程と、前記明度/彩度/色相表色
系の画像データの明度と色相とに基づいて、前記カラー
画像内の各画素を前記第1ないし第3の領域に分類する
ことによって、前記カラー画像を第1ないし第3の領域
に分割する工程と、分割された第1ないし第3の領域に
対してピンホール消去を行なう工程と、前記第2と第3
の領域の間に所定の幅の第4の領域を形成する工程と、
を含み、前記工程(C)は、前記第4の領域を、少なく
ともC版とM版について前記FMスクリーニングを用い
て再現する工程を含む。
【0017】CMYK表色系の画像データを平滑化する
ことによって、画像内の濃度変化が比較的急激な場合に
も、領域分けが過度に細かくなることを防止することが
できる。また、ピンホール消去を行なうことによって
も、過度に小さな領域が発生することを防止できる。さ
らに、第4の領域を設けることによって、第2と第3の
領域の境界においてC版とM版のスクリーン角度が交換
されていることを目立たなくすることができる。
【0018】請求項5に記載した方法は、カラー画像を
再現するための色分解画像として、少なくともC版とM
版とを含む複数の色版に対する印刷画像を作成する方法
であって、(A)前記カラー画像を表わすCMYK表色
系の画像データを準備する工程と、(B)前記画像デー
タに基づいて、前記カラー画像の濃度が所定の閾値と等
しいかまたはそれよりも高い第1の領域と、前記カラー
画像の濃度が前記所定の閾値よりも高くかつM版の濃度
がC版の濃度よりも高い第2の領域と、前記カラー画像
の濃度が前記所定の閾値よりも低くかつC版の濃度がM
版の濃度と等しいかまたはそれよりも高い第3の領域と
に前記カラー画像を分割する工程と、(C)前記第1の
領域はFMスクリーニングを用いて再現し、前記第2の
領域は通常スクリーニングを用いて再現するとともに、
前記第3の領域は前記通常スクリーニングを用い、か
つ、前記第2の領域とはC版とM版のスクリーン角度を
交換しつつ再現することによって、前記カラー画像の印
刷画像を作成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0019】カラー画像の濃度に応じてFMスクリーニ
ングを適用するか通常スクリーニングを適用するかを区
別し、また、C版の濃度とM版の濃度の関係に応じてC
版とM版のスクリーン角度を選択するので、カラー画像
の濃度に応じた適切なスクリーニングの種類を割り当て
ることができる。
【0020】請求項6に記載した方法は、カラー画像を
再現するための色分解画像として、CMYKの各色版に
対する印刷画像を作成する方法であって、(A)前記カ
ラー画像を表わすCMYK表色系の画像データを準備す
る工程と、(B)前記画像データの各色版の濃度を各色
版に対する所定の閾値と比較することによって、前記濃
度が前記所定の閾値と等しいかまたはそれよりも高い第
1の領域と、前記濃度が前記所定の閾値よりも低い第2
の領域とに前記カラー画像を各版毎に分割する工程と、
(C)前記第1の領域はFMスクリーニングを用いて再
現し、前記第2の領域は通常スクリーニングを用いて再
現することによって、前記カラー画像の各版の印刷画像
をそれぞれ作成する工程と、を備えることを特徴とす
る。
【0021】各色版毎にカラー画像の濃度と所定の閾値
との比較に応じてスクリーニングの種類を決定するの
で、各色版について濃度に応じた適切なスクリーニング
の種類を割り当てることができる。
【0022】
【実施例】
A.第1の実施例:図1は、この発明の一実施例を適用
して印刷画像を作成する製版システムの構成を示すブロ
ック図である。この製版システムは、CPU30と、記
憶手段(メインメモリ)としてのROM32およびRA
M34と、ポインティングデバイスとしてのマウス36
と、表示制御回路38と、表示デバイスとしてのカラー
モニタ40と、画像入力手段としての入力スキャナ42
と、3枚の画像メモリ44,46,48と、2枚のラン
レングスメモリ50,52と、印刷画像を表わすビーム
オンオフ信号を生成するための網点発生装置60と、印
刷画像記録手段としてのレコーダ62と、を備えてい
る。
【0023】CPU30は、間引き/水増し処理部70
と、平滑化処理部72と、表色系変換部74と、領域分
割処理部76と、ピンホール消去部78と、中間領域形
成部80の機能を実行する。これらの各部は、ROM3
2に記憶されたアプリケーションプログラムをCPU3
0が実行することによって実現される。なお、これらの
各部の機能については更に後述する。
【0024】第1と第2の画像メモリ44,46は32
ビット/画素のメモリであり、CMYK表色系の画像デ
ータを記憶する。第3の画像メモリ48は24ビット/
画素のメモリであり、RGB表色系の画像データまたは
HSL表色系(明度/彩度/色相表色系)の画像データ
を記憶する。なお、これらの画像データの各成分は8ビ
ット/画素で表現されている。
【0025】2枚のランレングスメモリ50,52は、
後述するスクリーン角度制御ファイル(スクリーン角度
データ)を記憶するメモリであり、互いに等しいメモリ
サイズを有している。これらの2枚のランレングスメモ
リ50,52は、CPU30によるソース/デスティネ
ーション処理に使用される。
【0026】図2は、第1の実施例における全体手順を
示すフローチャートである。ステップS1では、入力ス
キャナ42によって絵柄の画像データが読取られ、画像
メモリ44に記憶される。ステップS2では、読取られ
た絵柄がカラーモニタ40に表示される。
【0027】ステップS3では、後述するステップS4
における領域分割処理に使用される変数が、対話処理に
よって設定される。第1の実施例の領域分割処理に使用
される変数は次の通りであるが、各変数の使用方法につ
いては後述する。
【0028】間引き率M:間引き処理において画像デー
タが1/Mに間引きされる。 平滑化処理回数Sn:平滑化処理の回数。 明度閾値Lv(%):絵柄内の各画素に対してFMスク
リーニングと通常スクリーニングのいずれを適用するか
を決定するための閾値。 色相中心値Hv(%)および色相幅Hd(%):通常ス
クリーニングを適用する場合にC版とM版のスクリーン
角度の交換の有無を決定する際に用いられる値。 ピンホール画素数Pn:ピンホール処理において、ピン
ホールとして認識される領域の画素数。 フレーム画素数Fn:中間領域(第4の領域)の幅。
【0029】ステップS4では、領域分割処理がCPU
30によって実行される。図3は、領域分割処理の詳細
手順を示すフローチャートである。ステップS11で
は、間引き/水増し処理部70が第1の画像メモリ44
に記憶されているCMYK表色系の画像データを間引き
することによって、画像データのサイズ(画素数)を低
減する。間引き率Mの値は、図2のステップS3におい
て設定される。例えば、M=2と設定された場合には、
2×2の画素ブロックが1画素に間引かれる。M=1と
設定された場合には、間引き処理は行なわれない。間引
かれた画像データは、第2の画像メモリ46に記憶され
る。なお、第1の画像メモリ44に記憶されていた元の
画像データは、印刷画像の出力処理に必要なので、その
まま保存される。ステップS11における間引き処理
は、絵柄のサイズが大きい場合に、ステップS12以降
の処理を高速に実行するために行なわれる。従って、絵
柄のサイズが比較的小さい場合には間引き処理を行なう
必要はないので、この場合には間引き率Mを1に設定す
る。
【0030】ステップS12では、平滑化処理部72が
間引かれた画像データに平滑化処理(スムージング処
理)を行なう。図4は、平滑化処理に用いられる空間フ
ィルタを示す説明図である。この空間フィルタは、3×
3画素のウィンドウであり、ウィンドウ内の9つの画素
値の平均値が中心画素の画素値と置き換えられる。この
空間フィルタを絵柄の全領域に適用することによって、
各画素の画素値が平滑化される。なお、絵柄の画素値の
変化が急激な場合には、平滑化処理を数回行なうことに
よって、画素値の分布がさらに滑らかになる。平滑化処
理の回数Snは、図2のステップS3において指定され
る。Sn=0の場合には、平滑化処理は行なわれない。
なお、平滑化処理の際には、第2の画像メモリ46と、
RAM34内に確保された3走査線分のラインメモリ領
域とが利用される。
【0031】ステップS13では、表色系変換部74
が、平滑化されたCMYK表色系の画像データをRGB
表色系の画像データに変換し、さらに、次の数式に従
ってHSL表色系の画像データに変換する。
【0032】
【数1】
【0033】数式1において、演算子「max」と「m
in」は、括弧内の値の最大値と最小値をそれぞれ取る
演算を示す。数式1によって、各画素の色相値H,彩度
値S,明度値Lが求められる。図5は、HSL空間を示
す説明図である。HSL空間は円筒座標系(zrθ座標
系)であり、明度Lが垂直座標zに、彩度Sが径rに、
色相Hが角度θに相当する。
【0034】図6は、色相環を示す説明図である。この
実施例では、赤色の色相Hを0%として、黄、緑、及
び、青、紫の各方向に辿る方向に沿って色相Hの値が変
化するように定義されている。なお、色相Hとしては、
0°〜±180°の範囲の値をとるように定義されてい
る。数式1はこの場合の単位系でのものである。色相環
上において、肌色(黄赤色)に近い色は暖色系の色と呼
ばれ、青色に近い色は寒色系の色と呼ばれている。
【0035】彩度Sは鮮やかさを示しており、0%(無
彩色)から100%までの間の値をとる。明度Lは明る
さを示しており、0%(最も暗い)から100%(最も
明るい)までの値をとる。
【0036】なお、RGB表色系からHSL表色系への
変換は、上記数式1を用いる代わりに、特開平5−30
0375号公報に記載された方法等の他の方法に従って
行なうことも可能である。
【0037】図3のステップS14では、領域分割処理
部76が絵柄の領域分割を行なうとともに、分割された
領域を示すスクリーン角度ファイルのランレングスデー
タを作成する。この領域分割は、各画素の明度値Lと色
相値Hとに応じて、各画素に適用するスクリーニングの
種類を決定する処理であり、この結果、スクリーニング
の種類に対応した領域番号が各画素に割り当てられる。
【0038】図7は、領域分割の結果として各画素に割
り当てられる領域番号RNと、各領域番号によって示さ
れるスクリーニングの種類を示す説明図である。図7で
は0から16までの領域番号RNが示されているが、第
1の実施例で使用されるのは、下線を付した4つの領域
番号RN(=0,3,15,16)だけである。
【0039】領域番号RNが0の画素に対しては、標準
モードのスクリーン角度を用いる通常スクリーニングが
適用される。標準モードのスクリーン角度は、CMYK
の各色版のスクリーン角度θC ,θM ,θY ,θK がそ
れぞれ15°,45°,0°,75°である。領域番号
RNが15の画素に対しては、FMスクリーニングが適
用される。FMスクリーニングには、スクリーン角度は
存在しない。領域番号RNが16の画素に対しては、C
Mチェンジモードのスクリーン角度を用いる通常スクリ
ーニングが適用される。ここで、CMチェンジモードと
は、標準モードのC版とM版のスクリーン角度を交換す
ることを意味する。従って、CMチェンジモードでは、
CMYKの各色版のスクリーン角度θC ,θM ,θY ,
θK がそれぞれ45°,15°,0°,75°となる。
なお、領域番号RNが3である領域については後に説明
する。
【0040】各画素の領域番号RNは、図2のステップ
S4で指定された明度閾値Lvと色相中心値Hvおよび
色相幅Hdに基づく次の判定条件に従って決定される。
【0041】判定条件C1:明度閾値Lv(%)と明度
値Lとの関係により、領域番号RNを決定する。 L≦Lvの場合:RN=15(FMスクリーニング) Lv<Lの場合:RN=0または16(通常スクリーニ
ング)
【0042】明度値Lが閾値Lvと等しいかまたはそれ
よりも低い画素(すなわち濃度が比較的高い画素)は、
FMスクリーニングに起因して画質の粒状性が現われる
可能性が低いので、FMスクリーニングを適用する。一
方、明度が閾値Lvよりも高い画素(すなわち濃度が比
較的低い画素)は、FMスクリーニングに起因して画質
の粒状性が現われる可能性が低いので通常スクリーニン
グを適用する。なお、明度閾値Lvを0%に設定する
と、絵柄全体にFMスクリーニングが適用され、100
%に設定すると絵柄全体に通常スクリーニングが適用さ
れる。通常スクリーニングが適用される場合には、さら
に、次の判定条件C2に従ってスクリーン角度のモード
が決定される。
【0043】判定条件C2:判定条件C1によって通常
スクリーニングが適用されると判定された場合には、各
画素の色相値Hと、色相中心値Hvおよび色相幅Hdと
の関係に応じて、標準モード(RN=0)またはCMチ
ェンジモード(RN=16)のいずれかを選択する。 Hv−Hd<H<Hv+Hdの場合:RN=16(CM
チェンジモード:θC=45°,θM =15°) H≦Hv−HdまたはHv+Hd≦Hの場合:RN=0
(標準モード:θC =15°,θM =45°)
【0044】ここで、色相中心値Hvは緑色系の色の中
心的な色相を示す値であり、例えばHV=40%程度の
値が好ましい。また、色相幅Hdは、10%程度の値が
好ましい。上記判定条件C2は、比較的緑色系の色に対
してはCMチェンジモードを適用し、比較的暖色系の色
に対しては標準モードを適用することを意味している。
この理由は次の通りである。通常スクリーニングにおい
て、CMYKの各色版のスクリーン角度を異なる値に設
定するのは、モアレの発生を防止するためである。特に
Y版が関与する15°モアレ、すなわち、Y版と、Y版
に対してスクリーン角度を15°間隔に配置された版と
の2つの版が角度間隔が15°しかないために惹き起こ
すモアレが、場合により目につくことがある。これは、
とりわけ画像の中に人物や草木がある場合に、人物の肌
色部でY版とM版との間で、また、草木の緑色部でY版
とC版との間で、それぞれ生じるもので、このモアレを
防止するには、M版とC版のうちで、より濃度の高い版
とY版のスクリーン角度の差を45°にすることが好ま
しい。この実施例ではY版のスクリーン角度は0°に設
定されているので、C成分とY成分が多い色の領域に対
しては、C版のスクリーン角度θC を45°に設定する
ことによって、C版とY版のスクリーン角度の差を45
°にすることができる。ところで、比較的緑色系の色は
C成分とY成分が多い色である。従って、比較的緑色系
の色に対しては、CMチェンジモードを適用して、C版
のスクリーン角度θC を45°、M版のスクリーン角度
θM を15°に設定する。一方、比較的暖色系の色はM
成分とY成分が多いので、比較的暖色系の色に対しては
標準モードを適用してC版のスクリーン角度θC を15
°、M版のスクリーン角度θM を45°に設定する。
【0045】色相幅Hdを0%に設定すると、通常スク
リーニングが適用される場合に常に標準モードが選択さ
れる。一方、色相幅Hdを51%に設定すると、通常ス
クリーニングが適用される場合に常にCMチェンジモー
ドが選択される。
【0046】なお、上記の判定条件C2の代わりに、次
の判定条件C2aを用いて標準モードとCMチェンジモ
ードを選択するようにすることも可能である。
【0047】判定条件C2a:判定条件C1によって通
常スクリーニングが適用されると判定された場合には、
各画素のC成分の値D(C)とM成分の値D(M)の関
係に応じて、標準モード(RN=0)またはCMチェン
ジモード(RN=16)のいずれかを選択する。 D(M)≦D(C)の場合:RN=16(CMチェンジ
モード:θC =45°,θM =15°) D(C)<D(M)の場合:RN=0(標準モード:θ
C =15°,θM =45°)
【0048】上記の判定条件C2aは、M成分の値がC
成分の値よりも大きな場合には標準モードが適用され、
C成分の値がM成分の値と等しいかまたはそれよりも大
きな場合にはCMチェンジモードが適用されることを意
味している。判定条件C2aを使用すれば、CMYK表
色系の画像データから標準モードとCMチェンジモード
を決定できる。また、スクリーン角度が45°の色版
は、他の色版に比べてスクリーン網目の存在が目立ち難
く、画像のエッジもシャープに再現できるという利点を
有しているので、C成分とM成分のうちで大きな方のス
クリーン角度を45°に設定することによって、シャー
プな画像を再現することができる。
【0049】一方、上述した判定条件C2を使用した場
合には、C成分とY成分が多い比較的緑色系の色につい
てはC版とY版とによるモアレを防止することができ、
M成分とY成分が多い比較的暖色系の色についてはM版
とY版とによるモアレを防止することができるという利
点がある。
【0050】上述のようにして各画素に適用されるスク
リーニングの種類が決定されると、スクリーニングの種
類を示すスクリーン角度制御ファイルがランレングスデ
ータの形で生成される。図8は、スクリーン角度制御フ
ァイルの構造を示す説明図である。スクリーン角度制御
ファイルは、ヘッダ部とパレット部とランレングスデー
タ部とで構成されている。ヘッダ部には、ファイル名や
ファイルサイズ等が登録されている。パレット部は、前
述した図7に示すテーブルが登録されている。パレット
部において、各色版の網角コードは、図7の下部に示す
ようにそれぞれ3ビットで表わされており、1つの領域
番号に対する網角コードは12ビット(4色分)のデー
タである。
【0051】図9は、スクリーン角度制御ファイルで表
わされる領域区分を示す説明図である。この例では、矩
形の絵柄の全体が、領域番号RN=0の領域(標準モー
ド)と、RN=16の領域(CMチェンジモード)と、
RN=15(FMスクリーニング)の領域、の3つの領
域に分割されている。図8(B)に示されるランレング
スデータは、図9における走査線L1に沿ったデータで
ある。
【0052】こうして図3のステップS14における処
理が終了すると、ステップS15においてピンホール消
去部78がピンホール消去処理を実行する。ピンホール
として認識されるのは、図2のステップS3で設定され
たピンホール画素数Pn以下の画素数の領域である。ピ
ンホール消去処理を実行すると、ピンホール状の小さな
領域が消去されるので、ごく小さな領域に対して周囲と
異なる種類のスクリーニングが適用されることを防止す
ることができる。
【0053】なお、ピンホール消去処理自体は周知であ
り、例えば本出願人による特開平5−284246号公
報に記載されている方法を適用することができる。
【0054】図3のステップS16では、中間領域形成
部80が、通常スクリーニングの標準モードの領域(領
域番号RN=0の領域)とCMチェンジモードの領域
(領域番号RN=16の領域)との間に中間領域(フレ
ーム領域)を形成する。この中間領域には領域番号RN
=3が割り当てられる。図7から解るように、中間領域
では、C版とM版にFMスクリーニングが適用され、Y
版とK版には通常スクリーニングが適用される。標準モ
ードとCMチェンジモードではC版とM版のスクリーン
角度が交換されているので、これらの領域をそのまま再
現すると、その境界において画像の不連続性が目立つ可
能性がある。そこで、標準モードの領域とCMチェンジ
モードの領域との間に中間領域を形成し、この中間領域
においてはC版とM版とにFMスクリーニングを適用す
るようにすれば、スクリーン角度の変化を目立たなくす
ることができる。
【0055】図10は、ステップS16において領域番
号RN=0(標準モード)の領域と領域番号RN=16
(CMチェンジモード)の領域の間に、領域番号RN=
3の中間領域が形成される様子を示す説明図である。図
7に示すように、中間領域(RN=3の領域)ではC版
とM版にFMスクリーンを適用し、Y版とK版に通常ス
クリーニングを適用する。なお、このような中間領域
は、領域番号RN=0の領域とRN=16の領域の間の
境界線の両側を所定の幅だけ太らせることによって形成
することが可能である。なお、中間領域の幅を規定する
フレーム画素数Fnは、図2のステップS3において設
定される。
【0056】なお、太らせ処理によって領域間の境界に
新たな領域を生成する処理自体は周知であり、例えば本
出願人による特開平3−311972号公報に記載され
ている方法を適用することができる。
【0057】こうして、図10(B)に示すように絵柄
全体が4種類の領域に分割されると、図3のステップS
17において、間引き/水増し処理部70が間引き率M
に応じてスクリーン角度制御ファイルの水増し処理を実
行する。ここで言う「水増し処理」とは、間引き処理の
逆処理である。例えば、前述したステップS11におい
て2×2画素を1画素に置き換える間引き処理が実行さ
れていた場合には、水増し処理によって1画素を2×2
画素に置き換える。ステップS11において間引き処理
が行なれなかった場合には、ステップS17における水
増し処理も実行されない。
【0058】なお、水増し処理自体は周知であり、例え
ば本出願人による特開平3−101995号公報に記載
されている方法を適用することができる。
【0059】以上のようにして図2のステップS4にお
ける絵柄の領域分割処理が終了すると、次のステップS
5において、スクリーン角度制御ファイルに従って領域
分割の状態がカラーモニタ40に表示される。この際、
各領域番号RNで表わされる領域は、互いに異なる透明
色で絵柄の上に重ね合わされて表示される。例えば、F
Mスクリーニングが適用される領域は黄色の色フィルタ
をかけた状態で表示され、通常スクリーニングの標準モ
ードが適用される領域(比較的暖色系の色の領域)は赤
色、CMチェンジモードが適用される領域(比較的緑色
系の色の領域)は青色の色フィルタをかけた状態でそれ
ぞれ表示される。ユーザは、絵柄の上に重ねられた領域
分割の画像を観察することによって、領域分割が適切に
行なわれているか否かを判断することができる。
【0060】領域分割が適切でない場合には、ステップ
S6からステップS7に移行し、領域分割の状態を修正
する。この修正には、例えば、ブラシ処理、ピンホール
消去処理、太らせ/細らせ処理等の種々の画像修正処理
を利用することが可能である。修正された領域分割の状
態は、ステップS5において再度表示され、満足のいく
領域分割が得られるまでステップS5〜S7が繰り返さ
れる。
【0061】こうして領域分割が終了し、最終的なスク
リーン角度制御ファイルが作成されると、ステップS8
においてCMYK各版の印刷画像が出力される。この出
力処理では、網点発生装置60がCMYK表色系の画像
データからビームオンオフ信号を生成し、この信号に応
じてレコーダ62が印刷画像を感光フィルム上または印
刷版上に記録する。
【0062】図11は、網点発生装置60の内部構成を
示すブロック図である。網点発生装置60は、クロック
作成回路102と、画像バッファ104と、版セレクタ
106と、スクリーン角度制御ファイルバッファ108
と、ビットマップ展開部110と、版セレクタ112
と、5つのドット発生回路121〜125と、スクリー
ニング・セレクタ130と、を備えている。
【0063】クロック作成回路102は、レコーダ62
から与えられる基準クロックCLKを分周して高速クロ
ックCLKHと低速クロックCLKLとを生成する分周
回路である。図12は、3種類のクロックCLK,CL
KH,CLKLの関係を示す説明図である。高速クロッ
クCLKHは、レコーダ62における記録の単位である
1ドットPXdのタイミングを示すクロック信号であ
る。また、低速クロックCLKLは、画像データにおけ
る1画素PXeのタイミングを示すクロック信号であ
る。高速クロックCLKHは、5つのドット発生回路1
21〜125に共通に与えられており、これらのドット
発生回路におけるビームオンオフ信号の生成のタイミン
グを規定している。低速クロックCLKLは画像バッフ
ァ104とビットマップ展開部110とに与えられてお
り、画像バッファ104に記憶された画像データの読出
タイミングや、ビットマップ展開部110内部のメモリ
に記憶された網角データDanのビットマップデータを読
出すタイミングを規定する。
【0064】画像バッファ104は、画像メモリ44か
ら転送されたCMYK画像データDimを記憶するバッフ
ァである。版セレクタ106は、CPU30から与えら
れる版指定信号Ssep に応じてCMYKのいずれか1色
を選択して、その色の8ビットの画像データを出力す
る。なお、版指定信号Ssep は、CMYKのいずれか1
色を示す2ビットの信号である。版セレクタ106から
出力された画像データは、5つのドット発生回路121
〜125に共通に入力されている。
【0065】スクリーン角度制御ファイルバッファ10
8は、ランレングスメモリ50から転送されたスクリー
ン角度制御ファイルFanを記憶するバッファである。ビ
ットマップ展開部110は、スクリーン角度制御ファイ
ルFanのランレングスデータ部をビットマップ展開し
て、内部のメモリに記憶する。版セレクタ112は、版
指定信号Ssep に応じてCMYKのいずれか1色を選択
して、その色に対する3ビットの網角コードDanを出力
する。
【0066】5つのドット発生回路121〜125は、
与えられた画像データDimを所定のスクリーンパターン
データ(閾値データ)と比較し、その比較結果に応じて
ビームオンオフ信号Sdot を生成する。
【0067】図13は、1つのドット発生回路の内部構
成を示すブロック図である。ドット発生回路は、主走査
クロック発生器(Yクロック発生器)140と、副走査
クロック発生器(Xクロック発生器)142と、主走査
アドレスカウンタ(Yアドレスカウンタ)144と、副
走査アドレスカウンタ(Xアドレスカウンタ)146
と、スクリーンパターンメモリ(SPM)148と、比
較手段としての比較器(コンパレータ)150とを備え
ている。SPM148は、画像データDimをビームオン
オフ信号Sdot に変換するための閾値パターンを記憶す
るメモリである。なお、図11の5つのドット発生回路
121〜125にはそれぞれ異なる閾値パターンが記憶
されている。
【0068】Yクロック発生器140とXクロック発生
器142は、高速クロックCLKHから主走査クロック
YCLKと副走査クロックXCLKをそれぞれ生成す
る。Yアドレスカウンタ144は、主走査クロックYC
LKのパルス数をリングカウントすることによってSP
M148の主走査方向のアドレスYADDを生成する。
また、Xアドレスカウンタ146は、副走査クロックX
CLKのパルス数をリングカウントすることによってS
PM148の副走査方向のアドレスXADDを生成す
る。
【0069】主走査アドレスYADDと副走査アドレス
XADDは、SPM148に与えられ、これに応じてS
PM148から閾値DTHが出力される。比較器150
は、画像データDimと閾値DTHとを比較し、その比較
結果に応じてビームオンオフ信号Sdot のレベルを切換
える。このビームオンオフ信号は、レコーダ62におい
て印刷画像を記録する際に、各ドットにおける露光ビー
ムのオン/オフを規定する信号である。
【0070】図14は、通常スクリーニングに使用され
る網点の一種であるスクエアドットのドット形状が濃度
に応じて変化する様子を示す説明図である。また、図1
5は、FMスクリーニングに使用されるFMドットのド
ット形状が濃度に応じて変化する様子を示す説明図であ
る。なお、図14は1つの網点に相当する領域を示して
おり、この例では一辺が23スポットの幅を有してい
る。ここで「スポット」とは、レコーダ62における記
録の単位である。図15は、図14と同じ23×23ス
ポットの領域におけるFMドットが濃度に応じて変化す
る様子を示している。図14に示すスクエアドットでは
濃度の増加に応じて1つの黒ドットの面積が成長してい
くのに対して、図15に示すFMドットでは、濃度の増
加に応じて黒ドットの出現頻度(すなわち出現の周波
数)が高くなっている。なお、絵柄の1画素は、例えば
10×10スポットのサイズを有している。
【0071】FMドットは、各ドットのサイズが小さ
く、かつ、ランダムに配置されているのでロゼットモア
レが生じないという利点がある。また、絵柄の模様とド
ットの周期配列との干渉によって発生するオブジェクト
モアレも発生しにくい。さらに、各ドットが小さいので
画像のディテールの再現性がよいという利点もある。
【0072】図11に示す最初の4つのドット発生回路
121〜124は、スクエアドットのスクリーン角度0
°、15°、45°、および75°のスクリーンパター
ンデータ(閾値パターンデータ)をSPM148(図1
3)にそれぞれ記憶しており、これらのスクリーンパタ
ーンデータを画像データDimと比較することによってビ
ームオンオフ信号を生成する。また、5つ目のドット発
生回路125は、FMドットのスクリーンパターンデー
タをSPM148に記憶している。
【0073】図11のスクリーニング・セレクタ130
は、5つのドット発生回路121〜125でそれぞれ生
成された5つのビームオンオフ信号のうちの1つを3ビ
ットの網角コードDanに応じて選択する。選択されたビ
ームオンオフ信号はレコーダ62に供給され、このビー
ムオンオフ信号に応じて印刷画像が記録される。
【0074】上述の第1の実施例では、明度の比較的低
い領域にはFMスクリーニングを適用し、明度の比較的
高い領域には通常スクリーニングを適用するようにした
ので、明度の高い領域(濃度の低い領域)にFMスクリ
ーニングを適用した場合に発生する画質の粒状性を防止
することができる。また、明度の低い領域では、FMス
クリーニングによって絵柄のディテールをよりよく再現
することができる。
【0075】また、通常スクリーニングを適用する場合
には、色相に応じて標準モードとCMチェンジモードと
を割り当てたので、モアレの発生を効果的に防止するこ
とができる。さらに、標準モードの領域とCMチェンジ
モードの領域との間に、FMスクリーニングが適用され
る中間領域を設けたので、上記2つのモードの領域の境
界を目立たなくすることができる。
【0076】B.第2の実施例:第2の実施例は、第1
の実施例と領域分割処理が異なるだけである。従って、
図1と図11に示す装置の構成や、図2に示す全体手順
は第1の実施例と同じである。但し、第2の実施例の図
2のステップS3において設定される変数は、次の通り
である。
【0077】間引き率M:間引き処理において画像デー
タが1/Mに間引きされる。(第1の実施例と同一) 平滑化処理回数Sn:平滑化処理の回数。(第1の実施
例と同一) 濃度閾値Cv,Mv,Yv,Kv:各色版にFMスクリ
ーニングと通常スクリーニングのいずれを適用するかを
決定する際に使用される閾値。 ピンホール画素数Pn:ピンホール処理において、ピン
ホールとして認識される領域の画素数。(第1の実施例
と同一) フレーム画素数Fn:中間領域の幅。(第1の実施例と
同一)
【0078】図16は、第2の実施例における領域分割
処理の詳細手順を示すフローチャートであり、第1の実
施例における図3に対応するものである。図16のステ
ップS11(間引き処理),S12(平滑化処理),S
15(ピンホール消去処理),S17(水増し処理)
は、図3のものと同一である。また、図16の手順に
は、図3のステップS13(HSL表色系への変換),
S16(中間領域の作成)はない。
【0079】図16のステップS14aにおける領域分
割においては、次の判定条件に従って、各色版に適用さ
れるスクリーニングの種類が決定される。
【0080】判定条件C3:各色版の濃度D(C),D
(M),D(Y),D(K)と濃度閾値Cv,Mv,Y
v,Kvとの関係により、領域番号RNを決定する。 C版;Cv≦D(C)の場合:FMスクリーニング D(C)<Cvの場合:通常スクリーニング(θc =1
5°) M版;Mv≦D(M)の場合:FMスクリーニング D(M)<Mvの場合:通常スクリーニング(θM =4
5°) Y版;Yv≦D(Y)の場合:FMスクリーニング D(Y)<Yvの場合:通常スクリーニング(θY =0
°) K版;Kv≦D(K)の場合:FMスクリーニング D(K)<Kvの場合:通常スクリーニング(θK =7
5°)
【0081】上記の判定条件C3を使用して絵柄内の各
画素のスクリーニングの種類を決定することによって、
各画素に0〜15のいずれかの領域番号RN(図7)が
割り当てられる。この結果、各色版ごとに、比較的濃度
の高い領域にFMスクリーニングを適用し、比較的濃度
の低い領域には通常スクリーニングを適用することがで
きる。ステップS14aでは、各画素の領域番号RNを
示すスクリーン角度制御ファイル(図8)が生成され
る。
【0082】次に、図16のステップS15においてス
クリーン角度制御ファイルのピンホールを消去し、ステ
ップS17において水増し処理を行なうことによって、
絵柄内の全画素に対するスクリーン種類を示すスクリー
ン角度制御ファイルが得られる。
【0083】上述した第2の実施例によれば、各色版の
濃度に応じて適切なスクリーニングを各色版毎に選択す
ることが可能である。また、CMYK表色系の画像デー
タをHSL表色系の画像データに変換する必要がないの
で、第1の実施例に比べて処理の全体を高速に行なうこ
とができるという利点もある。
【0084】なお、装置の構成と図7に示す領域番号の
意味は第1と第2の実施例に共通しているので、ユーザ
の指定によって第1と第2の実施例の領域分割のいずれ
かを選択するようにすることも可能である。
【0085】この発明は上記実施例に限られるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様に
おいて実施することが可能であり、例えば次のような変
形も可能である。
【0086】(1)通常スクリーニングに使用される網
点としては、スクエアドットに限らず、砂目、ブリッ
ク、万線等の種々の網点を使用することが可能である。
【0087】(2)FMスクリーニングのほかに、従来
の網点のスクリーン線数を高くした高精細網点によるス
クリーニングを利用することも可能である。高精細網点
は、スクリーン線数が約300線/インチの網点であ
る。これに対して、約200線/インチ以下のスクリー
ン線数を有する網点を「低分解能網点」と呼ぶ。高精細
網点では、各ドットのサイズが小さいのでロゼットモア
レが発生しにくく、また、画像のディテールの再現性が
よいという利点がある。
【0088】なお、FMドット(周波数変調ドット)と
しては、濃度に応じて各ドットの出現頻度が変化するタ
イプだけでなく、濃度に応じてドットの出現頻度とドッ
トのサイズが共に変化するタイプのFMドットを採用し
てもよい。この明細書において、FMドットとは、少な
くともドットの出現頻度が濃度に応じて変化するドット
を言う。なお、高分解能と言うためには、FMドットの
分解能は約600dpi以上であることが好ましく、約
800dpi以上であることが特に好ましい。レコーダ
の中には、4000dpi程度の高分解能の装置もある
が、このような高分解能のレコーダを使用してFMドッ
トを記録する際には、FMドットの各ドットのサイズを
レコーダの2×2スポットや3×3スポットに等しく設
定してもよい。こうすれば、各ドットのサイズが過度に
小さくなることがなく、印刷時の再現性を向上させるこ
とが可能である。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、カラー画像の明度と色相に応じて適切
なスクリーニングの種類を割り当てることができるの
で、FMスクリーニングの利点と通常スクリーニングの
利点とを共に生かした印刷画像を生成することができ
る。
【0090】請求項2に記載した発明によれば、第4の
領域を設けることによって、第2と第3の領域の境界に
おいてC版とM版のスクリーン角度が交換されているこ
とを目立たなくすることができる。
【0091】請求項3に記載した発明によれば、スクリ
ーン角度データに応じて各版の印刷画像を生成すること
ができる。
【0092】請求項4に記載した発明によれば、CMY
K表色系の画像データを平滑化することによって、画像
内の濃度変化が比較的急激な場合にも、領域分けが過度
に細かくなることを防止することができる。また、ピン
ホール消去を行なうことによっても、過度に小さな領域
が発生することを防止できる。さらに、第4の領域を設
けることによって、第2と第3の領域の境界においてC
版とM版のスクリーン角度が交換されていることを目立
たなくすることができる。
【0093】請求項5に記載した発明によれば、カラー
画像の濃度に応じてFMスクリーニングを適用するか通
常スクリーニングを適用するかを区別し、また、C版の
濃度とM版の濃度の関係に応じてC版とM版のスクリー
ン角度を選択するので、カラー画像の濃度に応じた適切
なスクリーニングの種類を割り当てることができる。
【0094】請求項6に記載した発明によれば、各色版
毎にカラー画像の濃度と所定の閾値との比較に応じてス
クリーニングの種類を決定するので、各色版について濃
度に応じた適切なスクリーニングの種類を割り当てるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を適用して印刷画像を作成
する製版システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例の全体手順を示すフローチャート。
【図3】第1の実施例における領域分割処理の詳細手順
を示すフローチャート。
【図4】平滑化処理に用いられる空間フィルタを示す説
明図。
【図5】HSL空間を示す説明図。
【図6】色相環を示す説明図。
【図7】領域番号で示される内容を示す説明図。
【図8】スクリーン角度制御ファイルの構造を示す説明
図。
【図9】スクリーン角度制御ファイルで表わされる領域
区分を示す説明図。
【図10】中間領域が形成される状態を示す説明図。
【図11】網点発生装置60の内部構成を示すブロック
図。
【図12】3種類のクロックCLK,CLKH,CLK
Lの関係を示す説明図。
【図13】ドット発生回路の内部構成を示すブロック
図。
【図14】通常スクリーニングに使用されるスクエアド
ットのドット形状の変化を示す説明図。
【図15】FMスクリーニングに使用されるFMドット
のドット形状の変化を示す説明図。
【図16】第2の実施例における領域分割処理の詳細手
順を示すフローチャート。
【符号の説明】
30…CPU 32…ROM 34…RAM 36…マウス 38…表示制御回路 40…カラーモニタ 42…入力スキャナ 44,46,48…画像メモリ 50,52…ランレングスメモリ 60…網点発生装置 62…レコーダ 70…間引き/水増し処理部 72…平滑化処理部 74…表色系変換部 76…領域分割処理部 78…ピンホール消去部 80…中間領域形成部 102…クロック作成回路 104…画像バッファ 106…版セレクタ 108…スクリーン角度制御ファイルバッファ 110…ビットマップ展開部 112…版セレクタ 121〜125…ドット発生回路 130…スクリーニング・セレクタ 140…Yクロック発生器 142…Xクロック発生器 144…Yアドレスカウンタ 146…Xアドレスカウンタ 148…SPM 150…比較器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を再現するための色分解画像
    として、少なくともC版とM版とを含む複数の色版に対
    する印刷画像を作成する方法であって、 (A)前記カラー画像を表わす明度/彩度/色相表色系
    の画像データを準備する工程と、 (B)前記画像データに基づいて、前記明度が所定の閾
    と等しいかまたはそれよりも低い第1の領域と、前記
    明度が前記所定の閾値よりも高くかつ前記色相が緑色系
    の色を示す中心的な値を中心にした所定の範囲内である
    第2の領域と、前記明度が前記所定の閾値よりも高くか
    つ前記色相が前記所定の範囲外である第3の領域とに前
    記カラー画像を分割する工程と、 (C)前記第1の領域はFMスクリーニングを用いて再
    現し、前記第2の領域は通常スクリーニングを用いて再
    現するとともに、前記第3の領域は前記通常スクリーニ
    ングを用い、かつ、前記第2の領域とはC版とM版のス
    クリーン角度を交換しつつ再現することによって、前記
    カラー画像の印刷画像を作成する工程と、を備えること
    を特徴とする印刷画像の作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷画像の作成方法であ
    って、 前記工程(B)は、前記第2と第3の領域の間に所定の
    幅の第4の領域を形成する工程を含み、 前記工程(C)は、前記第4の領域を、少なくともC版
    とM版について前記FMスクリーニングを用いて再現す
    る工程を含む、印刷画像の作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷画像の作成方法であ
    って、 前記工程(A)は、前記カラー画像を表わすCMYK表
    色系の画像データを準備する工程を含み、 前記工程(B)は、前記各領域の各色版について、前記
    FMスクリーニングと前記通常スクリーニングのいずれ
    を適用するかを示すとともに、前記通常スクリーニング
    を適用する場合のスクリーン角度を示すスクリーン角度
    データを準備する工程を含み、 前記工程(C)は、前記スクリーン角度データで指定さ
    れたスクリーニングの種類とスクリーン角度に従ってス
    クリーンパターンデータをスクリーンパターンメモリか
    ら読出すとともに、前記スクリーンパターンデータを前
    記CMYK系の画像データと比較することによって、各
    色版の印刷画像を記録するためのドット信号を生成する
    工程を含む、印刷画像の作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷画像の作成方法であ
    って、 前記工程(A)は、 前記カラー画像を表わすCMYK表色系の画像データを
    所定の空間フィルタで平滑化する工程と、 前記平滑化後の画像データを明度/彩度/色相表色系の
    画像データに変換する工程を含み、 前記工程(B)は、 前記明度/彩度/色相表色系の画像データの明度と色相
    とに基づいて、前記カラー画像内の各画素を前記第1な
    いし第3の領域に分類することによって、前記カラー画
    像を第1ないし第3の領域に分割する工程と分割された
    第1ないし第3の領域に対してピンホール消去を行なう
    工程と、 前記第2と第3の領域の間に所定の幅の第4の領域を形
    成する工程と、からなり、 前記工程(C)は、 前記第4の領域を、少なくともC版とM版について前記
    FMスクリーニングを用いて再現する工程を含む、印刷
    画像の作成方法。
  5. 【請求項5】 カラー画像を再現するための色分解画像
    として、少なくともC版とM版とを含む複数の色版に対
    する印刷画像を作成する方法であって、 (A)前記カラー画像を表わすCMYK表色系の画像デ
    ータを準備する工程と、 (B)前記画像データに基づいて、前記カラー画像の濃
    度が所定の閾値と等しいかまたはそれよりも高い第1の
    領域と、前記カラー画像の濃度が前記所定の閾値よりも
    低くかつM版の濃度がC版の濃度よりも高い第2の領域
    と、前記カラー画像の濃度が前記所定の閾値よりも低く
    かつC版の濃度がM版の濃度と等しいかまたはそれより
    も高い第3の領域とに前記カラー画像を分割する工程
    と、 (C)前記第1の領域はFMスクリーニングを用いて再
    現し、前記第2の領域は通常スクリーニングを用いて再
    現するとともに、前記第3の領域は前記通常スクリーニ
    ングを用い、かつ、前記第2の領域とはC版とM版のス
    クリーン角度を交換しつつ再現することによって、前記
    カラー画像の印刷画像を作成する工程と、を備えること
    を特徴とする印刷画像の作成方法。
  6. 【請求項6】 カラー画像を再現するための色分解画像
    として、CMYKの各色版に対する印刷画像を作成する
    方法であって、 (A)前記カラー画像を表わすCMYK表色系の画像デ
    ータを準備する工程と、 (B)前記画像データの各色版の濃度を各色版に対する
    所定の閾値と比較することによって、前記濃度が前記所
    定の閾値と等しいかまたはそれよりも高い第1の領域
    と、前記濃度が所定の閾値よりも低い第2の領域とに前
    記カラー画像を各版毎に分割する工程と、 (C)前記第1の領域はFMスクリーニングを用いて再
    現し、前記第2の領域は通常スクリーニングを用いて再
    現することによって、前記カラー画像の各版の印刷画像
    をそれぞれ作成する工程と、 を備えることを特徴とする印刷画像の作成方法。
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