JPH07264402A - 印刷版画像の作成方法 - Google Patents

印刷版画像の作成方法

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JPH07264402A
JPH07264402A JP6074503A JP7450394A JPH07264402A JP H07264402 A JPH07264402 A JP H07264402A JP 6074503 A JP6074503 A JP 6074503A JP 7450394 A JP7450394 A JP 7450394A JP H07264402 A JPH07264402 A JP H07264402A
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creating
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Application number
JP6074503A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Furusawa
克彦 古澤
Shoichi Shimada
庄市 島田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/402,211 priority patent/US5721625A/en
Priority to EP95103775A priority patent/EP0673150A3/en
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/405Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分解能ドットの利点と低分解能ドットの利
点とを共に生かしつつ印刷版画像を生成する。 【構成】 画像データから原稿画像の濃度を表わす濃度
データを求め、濃度データにラプラシアンフィルタ処理
を施すことによって、原稿画像の空間周波数を示すフィ
ルタ済みデータを求める。このフィルタ済みデータを閾
値と比較することによって、高分解能ドットと低分解能
ドットの一方を選択する選択信号SELが生成される。
ドットジェネレータ32は、低分解能ドットの閾値パタ
ーンを記憶する第1のSPM48と、高分解能ドットの
閾値パターンを記憶する第2のSPM50を備えてい
る。第1と第2のSPMから出力された閾値DTH1,
DTH2は、セレクタ52によって選択信号SELに応
じて選択される。選択された閾値は比較器54によって
画像データDIMと比較され、印刷版画像を記録するため
のドット信号Sdが生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原画像を表わす画像
データから印刷版画像を作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーのオフセット印刷では、写真画像
などの原稿画像を黄色、マゼンタ、シアン、黒の4色の
インクに対応した4つの色分解画像に分解し、各インク
の色分解画像を刷り重ねることによって印刷物を作成す
る。
【0003】各インクに対応する印刷版上の画像(以
下、「印刷版画像」と呼ぶ)は、インクの乗る微小なド
ット(網点)の大小によって表現されている。網点は、
一定の間隔で格子状に配列されており、単位面積当たり
の網点の面積比によって画像の濃度が表現されている。
なお、単位面積当たりの網点の面積の百分率は網パーセ
ントと呼ばれている。
【0004】網点相互の間隔はいわゆるスクリーン線数
によって定義されており、また、網点の配列方向はいわ
ゆるスクリーン角度によって規定される。スクリーン線
数は1インチ当たりに形成される網点の個数を示す値で
あり、スクリーン線数が大きいほど高分解能で画像を再
現することが可能である。従来は、スクリーン線数が1
75線/インチ程度の比較的低分解能の網点が使用され
るのが一般的であった。
【0005】ところが、近年の印刷技術の進歩によっ
て、スクリーン線数が300線/インチ程度以上の高分
解能の網点(以下、「高精細網点」と呼ぶ)も利用でき
るようになってきている。スクリーン線数が高いほど1
つ1つの網点は小さく、原稿画像を高分解能で再現可能
である。
【0006】上述の網点は、その配列が一定で、原稿画
像の濃度に応じて各網点のサイズが変化するものであ
る。換言すれば、網点による画像の再現は、振幅変調に
よって画像の濃度を表現する方法である。これに対し
て、近年では、周波数変調によって画像の濃度を表現す
る「FMスクリーニング」(またはFMドット)と呼ば
れる方法が実用化されている。FMスクリーニングで
は、インクが乗るドットのサイズは一定とし、画像の濃
度に応じてドットの出現頻度が変化する。FMスクリー
ニングにおける各ドットのサイズは従来の網点に比べて
小さいので、原稿画像を高分解能で再現することが可能
である。
【0007】なお、FMスクリーニングにおけるドット
は、従来の網点とは異なり、ドットの配列が周期的では
ないので、「網点」と呼ぶのは正確ではない。従って、
この明細書では、周期的配列を有する従来の網点と、周
波数変調により画像を再現するドットとをまとめて「印
刷ドット」または単に「ドット」と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の高精細網点やF
Mスクリーニングなどに用いられる高分解能ドットは、
従来の網点のような低分解能ドットに比べて原稿画像の
細部(ディテール)を忠実に再現することができ、ま
た、印刷ドットのサイズが小さいので、いわゆるロゼッ
トモアレが目立ちにくいという利点がある。しかし、高
分解能ドットは、個々のドットのサイズが小さいので、
網フィルムの密着反転時や印刷時にドットのサイズを忠
実に再現することが困難であるという問題がある。言い
換えれば、ドットの再現性という観点からは、高分解能
ドットよりも低分解能ドットの方が好ましい。従って、
原稿画像のある部分においては高分解能ドットを適用す
るのが望ましく、他の部分では低分解能ドットを適用す
るのが望ましい場合がある。
【0009】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、高分解能ドット
の利点と低分解能ドットの利点とを共に生かしつつ印刷
版画像を生成することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明の請求項1に記載された方法
は、原画像を表わす画像データから印刷版画像を作成す
る方法であって、(A)前記原画像内の空間周波数を調
べる工程と、(B)前記空間周波数が所定値より高い画
像部分は高分解能ドットを用いて再現するとともに、前
記空間周波数が所定値以下の画像部分は低分解能ドット
を用いて再現することによって、前記原画像の印刷版画
像を作成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】空間周波数の高い画像部分は高分解能ドッ
トを用いて再現するので画像のディテールを再現性を向
上させることができ、また、空間周波数の低い画像部分
は低分解能ドットを用いて再現するので画像の印刷時の
安定性・再現性を向上させることができる。
【0012】請求項2に記載された方法では、工程
(A)は、(C)原画像の画像データから、原画像の濃
度を画素毎に表わす濃度データを求める工程と、(D)
前記濃度データに所定の2次微分フィルタを作用させる
ことによって、前記原画像内の各画素の近傍における空
間周波数を示すフィルタ済みデータを求める工程と、を
備え、また、工程(B)は、(E)各画素における前記
フィルタ済みデータを所定の閾値と比較することによっ
て、各画素における空間周波数の高低を示す選択信号を
求める工程と、(F)前記選択信号の値に応じて各画素
に高分解能ドットと低分解能ドットの一方を選択して適
用する工程と、を備える。
【0013】なお、「画像データから…濃度データを求
める」とは、画像データの複数の色成分に所定の演算を
施すことによって単一の濃度データを求める場合や、画
像データの特定の色成分を濃度データとして選択して使
用する場合なども含んでいる。また、印刷業界で濃度と
言えば対数変換した値を言うことが多いが、ここでは濃
淡階調をも含む用語として用いている。
【0014】フィルタ済みデータは空間周波数を示すの
で、その値に応じて高分解能ドットと低分解能ドットを
選択して適用することが可能になる。
【0015】請求項3に記載された方法では、工程
(F)は、(G)原画像内における選択信号の分布に基
づいて、前記原画像を、高分解能ドットを適用する第1
種の画像領域と、低分解能ドットを適用する第2種の画
像領域とに分離する工程と、(H)前記第1種の画像領
域には前記高分解能ドットを適用し、前記第2種の画像
領域には前記低分解能ドットを適用して印刷版画像を作
成する工程とを備える。
【0016】第1種の画像領域と第2種の画像領域とに
分離して高分解能ドットと低分解能ドットをそれぞれ適
用すれば、各画像領域内で好ましいタイプのドットによ
る画像再現を実現することができる。
【0017】請求項4に記載された方法では、工程
(G)は、原画像を所定のサイズの判別領域に分割し、
各判別領域内の選択信号の論理和を取ることによって各
判別領域を第1種または第2種の画像領域として認識す
る工程、を含む。
【0018】各判別領域が第1種または第2種の画像領
域として認識されるので、各判別領域の単位で好ましい
ドットによる画像再現を実現することができる。
【0019】請求項5に記載された方法では、工程
(G)は、原画像内における選択信号の値の分布を示す
2値画像を表示デバイスに表示する工程と、前記表示デ
バイスに表示された2値画像を観察しつつ、対話操作に
よって前記原画像内を第1種と第2種の画像領域に分離
する工程と、を含む。
【0020】選択信号の分布を示す2値画像に応じて対
話操作により第1種と第2種の画像領域を分離するよう
にすれば、高分解能ドットを適用すべき領域と低分解能
ドットを適用すべき領域とを容易に分離することができ
る。
【0021】請求項6に記載された方法では、工程
(G)は、フィルタ済みデータの分布を示す多値画像を
表示デバイスに表示する工程と、前記表示デバイスに表
示された多値画像を観察しつつ、対話操作によって前記
原画像内を第1種と第2種の画像領域に分離する工程
と、を含む。
【0022】フィルタ済みデータの分布を示す多値画像
に応じて対話操作により第1種と第2種の画像領域を分
離するようにすれば、高分解能ドットを適用すべき領域
と低分解能ドットを適用すべき領域とを容易に分離する
ことができる。
【0023】請求項7に記載された方法では、工程
(A)は、高分解能ドットのための第1の閾値パターン
と、低分解能ドットのための第2の閾値パターンとを準
備する工程と、原画像の画像データから、前記原画像の
濃度を画素毎に表わす濃度データを求める工程と、前記
濃度データに所定の2次微分フィルタを作用させること
によって、原画像内の各画素の近傍における空間周波数
を示すフィルタ済みデータを求める工程と、各画素にお
ける前記フィルタ済みデータの値に応じて高分解能ドッ
トのための第1の係数と低分解能ドットのための第2の
係数とを求める工程と、工程(B)は、前記第1の閾値
パターンから読出された第1の閾値と前記第2の閾値パ
ターンから読出された第2の閾値に前記第1と第2の係
数をそれぞれ乗ずるとともに、乗算結果を互いに加算す
ることによって第3の閾値を生成する工程と、前記第3
の閾値と前記画像データとを比較することによって、印
刷版画像のドットを表わすドット信号を作成する工程
と、前記ドット信号に応じて印刷版画像を作成する工程
と、を備える。
【0024】こうすれば、高分解能ドットが適用される
画像部分と低分解能ドットが適用される画像部分との境
界部分においては、高分解能ドットと低分解能ドットが
混在するような印刷版画像が得られるので、画像をより
滑らかに再現することが可能である。
【0025】請求項8に記載された方法では、前記高分
解能ドットは、原画像の濃度に応じて少なくとも所定の
サイズのドットの出現頻度が変化する周波数変調ドット
である。
【0026】周波数変調ドットを用いることによって、
画像のディテールの再現性を向上させることができるば
かりでなく、ロゼットモアレやオブジェクトモアレも防
止できる。
【0027】
【実施例】
A.装置の構成:図1は、この発明の一実施例を適用し
て印刷版画像を作成する製版システムの構成を示すブロ
ック図である。この製版システムは、原稿画像の空間周
波数の高低を判別するための演算手段としてのCPU1
0と、制御手段としての画像コントローラ12と、入出
力インタフェイス14と、ディスクコントローラ16
と、SPMコントローラ18と、記憶手段としてのメモ
リ20と、2次元展開手段としてのラインバッファ21
と、ネットワークインタフェイス22と、ディスクコン
トローラ16により制御される記憶手段としての磁気デ
ィスク30と、SPMコントローラ18により制御され
る網点発生手段としてのドットジェネレータ32と、ス
キャナ入力インタフェイス34と、スキャナ出力インタ
フェイス36とを備えている。なお、ユニット10,1
2,14,16,18,20,21,22はバス11を
介して相互に接続されている。
【0028】製版システムは、さらに、スキャナ入力イ
ンタフェイス34に接続された画像入力手段としての読
取スキャナ100と、スキャナ出力インタフェイス36
に接続された画像出力手段としての記録スキャナ200
とを備えている。
【0029】写真などの原稿の画像データDIMが読取ス
キャナ100によって読取られると、スキャナ入力イン
タフェイス34を介して画像コントローラ12に画像デ
ータDIMが送られる。画像コントローラ12は、画像デ
ータDIMをDMA転送することによって磁気ディスク3
0内に格納する。なお、ネットワークインタフェイス2
2は、ネットワーク上の他の装置(画像データベースや
画像処理装置等)から画像データDIMを受け取る際に使
用される。
【0030】画像コントローラ12は、記録スキャナ2
00によって印刷版画像を記録する際の各部の同期を取
るための制御も実行する。印刷版画像を記録する際に
は、画像コントローラ12が画像データDIMを磁気ディ
スク30から読出してドットジェネレータ32に転送
し、ドットジェネレータ32が画像データDIMをドット
信号Sdに変換する。なお、このドットジェネレータ3
2の内部構成と動作についてはさらに後述する。ドット
信号Sdはスキャナ出力インタフェイス36を介して記
録スキャナ200に与えられ、記録スキャナ200がこ
のドット信号Sdに応じて印刷版画像を記録する。
【0031】図2は、ドットジェネレータ32の内部構
成を示すブロック図である。ドットジェネレータ32
は、主走査クロック発生器(Yクロック発生器)40
と、副走査クロック発生器(Xクロック発生器)42
と、主走査アドレスカウンタ(Yアドレスカウンタ)4
4と、副走査アドレスカウンタ(Xアドレスカウンタ)
46と、第1と第2のスクリーンパターンメモリ(SP
M)48,50と、選択手段としてのセレクタ52と、
比較手段としての比較器(コンパレータ)54とを備え
ている。2つのSPM48,50は、画像データDIMを
ドット信号Sdに変換するための閾値を記憶するメモリ
である。なお、第1のSPM48は低分解能ドットのた
めの閾値DTH1を記憶しており、第2のSPM50は
高分解能ドットのための閾値DTH2を記憶している。
低分解能ドットと高分解能ドットについては更に後述す
る。
【0032】Yクロック発生器40とXクロック発生器
42は、記録スキャナ200のロータリエンコーダ21
0(図1)から与えられた基準クロックCLKに基づい
て、画像の主走査クロックYCLKと副走査クロックX
CLKをそれぞれ生成する。Yアドレスカウンタ44
は、主走査クロックYCLKのパルス数をリングカウン
トすることによってSPM48,50の主走査方向のア
ドレスYADDを生成する。また、Xアドレスカウンタ
46は、副走査クロックXCLKのパルス数をリングカ
ウントすることによってSPM48,50の副走査方向
のアドレスXADDを生成する。
【0033】主走査アドレスYADDと副走査アドレス
XADDは、2つのSPM48,50に共通に与えら
れ、これに応じて2つのSPM48,50から閾値DT
H1,DTH2がそれぞれ出力される。セレクタ52
は、画像コントローラ12から与えられるドット選択信
号SELに応じてこれらの2つの閾値DTH1,DTH
2の一方を選択して出力する。なお、画像コントローラ
12におけるドット選択信号SELの生成の動作につい
ては更に後述する。
【0034】比較器54は、画像コントローラ12から
与えられた画像データDIMと、セレクタ52から与えら
れた閾値DTH(DTH1またはDTH2)とを比較
し、その比較結果に応じてドット信号Sdのレベルを切
換える。このドット信号Sdが記録スキャナ200に与
えられて印刷版画像が感光フィルムなどの記録媒体に記
録される。
【0035】B.ドット選択信号生成処理:印刷版画像
を記録する際には、高分解能ドットと低分解能ドットの
いずれを適用するかを示すドット選択信号SELを生成
する処理が行なわれる。図3は、ドット選択信号生成処
理の手順を示すフローチャートである。なお、この処理
は図1に示すフィルタ処理部10aと選択信号生成処理
部10bとによって実行される。これらの処理部10
a,10bはメモリ20に記憶されたアプリケーション
プログラムをCPU10が実行することによって実現さ
れる。
【0036】図3のステップS1では、原稿画像の画像
領域を外側に1画素の幅で拡大する処理がフィルタ処理
部10aによって実行される。図4は、画像領域の拡大
処理を示す説明図である。後述するフィルタ処理は、図
4(C)に示すように所定のサイズ(この実施例では3
×3画素)のラプラシアンフィルタLFを原稿画像内の
各画素PXに作用させる処理である。従って、原稿画像
の最外周一層の画素(図4(C)において斜線が付され
た画素)に対してフィルタ処理を行なおうとすると、参
照すべき画像データが不足する。そこで、ステップS1
では、予め最外周の1画素の画像データをその外側にコ
ピーすることによって原稿画像の外側に1画素分の画像
データを追加し、画像領域を拡大する。例えば図4
(A)に示すように原稿画像の画像領域がm×n画素の
サイズを有している場合には、拡大後の画像領域は図4
(B)に示すように(m+2)×(n+2)画素のサイ
ズを有することになる。なお、図4(C)に示すよう
に、拡大前の原稿画像の領域の原点(左上点)の画素の
座標(X,Y)を(0,0)とし、拡大後の画像領域の
左上点の画素の座標は(−1,−1)とする。こうして
拡大された画像領域を有する画像の画像データは、磁気
ディスク30に格納される。
【0037】ステップS2では、フィルタ処理部10a
が磁気ディスク30から1走査線分の画像データを読出
して、その濃度データDSを生成する。画像データがイ
エロー成分Y,マゼンタ成分M,シアン成分C,および
ブラック成分Kを有している場合には、濃度データDS
は次の式で与えられる。 DS=a1*Y+a2*M+a3*C+a4*K …(1) ここで、a1〜a4は所定の係数である。
【0038】すなわち、濃度データDSは、画像データ
の各成分Y,M,C,Kを所定の重みa1〜a4で重み付
け加算したものである。なお、重み係数a1〜a4として
は種々の値を設定することが可能であるが、マゼンタ成
分の係数a2 を1とし、他の係数を0としてもよい。こ
うするのは、マゼンタ成分が画像内の濃度変化の高周波
数成分を特に顕著に示すことが多いからである。
【0039】なお、一般には、4つの重み係数a1〜a4
の少なくとも1つを0でない値に設定すればよい。従っ
て、濃度データDSは原稿画像の濃度を正確に示すもの
とは限らないが、原稿画像内の何等かの濃度を画素毎に
示すデータであるということができる。
【0040】図3のステップS3では、ステップS2で
得られた1走査線分の濃度データDSがラインバッファ
21に書き込まれる。図5は、ラインバッファ21の内
容を示す説明図である。ラインバッファ21は、ラプラ
シアンフィルタLFの一辺の幅と同じ数の走査線分(す
なわち3走査線分)の濃度データDSを記憶するメモリ
である。図3の処理手順におけるステップS2,S3の
最初の実行時には、3走査線分の濃度データDSが生成
されてラインバッファ21に書き込まれる。
【0041】図5において、各画素の濃度データDSは
DS(X,Y)の形に記載されており、かっこ内のパラ
メータXは副走査座標を示し、パラメータYは主走査座
標を示している。図5においてラインバッファ21に記
憶されている濃度データDSは、副走査座標Xの値が−
1,0,1である3本の走査線についてのデータであ
る。副走査座標Xの値が−1の走査線は、図4(C)に
も示されるように、画像領域の拡大によって元の原稿画
像の領域の左側に付加された走査線である。また、主走
査座標Yの値が−1と(n+1)の画素は、画像領域の
拡大によって元の原稿画像の領域の上下にそれぞれ付加
された画素である。
【0042】ステップS4では、ラインバッファ21に
記憶された濃度データDSに対してフィルタ処理部10
aがフィルタ処理を行なう。フィルタ処理では、ライン
バッファ21に格納された3本の走査線のうちの中央の
走査線上の各画素を注目画素として、3×3マトリクス
のラプラシアンフィルタLFを作用させた後、その絶対
値を求める。図6(A),(B)はラプラシアンフィル
タLF1,LF2の一例を示す図である。
【0043】座標(X,Y)の濃度データDS(X,
Y)に、図6(A)に示すラプラシアンフィルタLF1
を作用させた後、その絶対値を求めると、フィルタ済み
の濃度データFDS(X,Y)は次の式で与えられる。 FDS(X,Y)=|DS(X,Y-1)+DS(X-1,Y)-4*DS(X,Y)+DS(X+1,Y)
+DS(X,Y+1)| …(2)
【0044】フィルタ済みの濃度データFDSは、注目
画素近傍の濃度変化の程度を示す指標としての機能を有
している。なお、空間フィルタとしては、図6に示すラ
プラシアンフィルタ以外の種々の2次微分フィルタを使
用可能である。また、フィルタのサイズを3×3よりも
大きなものとしてもよい。
【0045】ステップS5では、以下の式に示すよう
に、選択信号生成処理部10bがフィルタ済みの濃度デ
ータFDSを所定の閾値THと比較することによって、
ドット選択信号SELを生成する。 TH<FDSの場合:SEL=1(高分解能ドットを選
択) TH≧FDSの場合:SEL=0(低分解能ドットを選
択)
【0046】すなわち、フィルタ済み濃度データFDS
が閾値THより大きい場合には、その画素付近の空間周
波数が高いので、ドット選択信号SELとして1(高分
解能ドットを選択)を設定する。一方、フィルタ済み濃
度データFDSが閾値TH以下の場合は、その画素付近
の空間周波数が低いので、ドット選択信号SELとして
0(低分解能ドットを選択)を設定する。このように、
フィルタ済みの濃度データFDSを閾値THと比較する
ことによって、濃度変化が比較的急減な領域の画素に対
しては高分解能ドットを割当て、濃度変化が比較的緩や
かな領域の画素に対しては低分解能ドットを割当てるこ
とが可能である。
【0047】なお、フィルタ済み濃度データFDSと比
較する閾値THの値は、実際に原稿画像にラプラシアン
フィルタ処理を行なった結果を観察することによって経
験的に決定される。例えば、元の画像データDIMや濃度
データDS,FDSが8ビットのデジタルデータの場合
には、閾値THとして140程度の値が好ましい。この
閾値THの値はラプラシアンフィルタLFの係数の値に
応じて設定される。
【0048】こうして1走査線分のドット選択信号SE
LがステップS5で作成されると、ステップS6におい
て、全走査線に関する処理が終了したか否かが判断され
る。終了していなければ、ステップS2に戻り、次の1
本の走査線について濃度データDSが作成され、ステッ
プS3でラインバッファ21内に書き込まれる。この
際、ラインバッファ21に既に格納されている3本の走
査線のうちで最先の走査線の濃度データDSが新たな走
査線の濃度データDSに置き換えられる。例えば図5の
次の処理では、最先の走査線の濃度データDS(−1,
0)〜DS(−1,n+1)が、新たな走査線の濃度デ
ータDS(2,0)〜DS(2,n+1)に置き換えら
れる。このとき、前記の新たな走査線の濃度データは図
5においてラインバッファ21の右端にある1ライン分
として処理が行われる。
【0049】このように、ステップS2〜S6では、濃
度データDSが1走査線ずつ更新されてラインバッファ
21に格納され、ラインバッファ21内の濃度データD
Sにフィルタ処理が実行された後、フィルタ済みデータ
FDSからドット選択信号SELが作成される。このド
ット選択信号SELは、磁気ディスク30に格納され
る。なお、ドット選択信号SELを磁気ディスク30に
格納せず、記録スキャナ200において印刷版画像を記
録する際にドット選択信号SELをリアルタイムに生成
するようにしてもよい。
【0050】C.印刷版画像の記録動作:記録スキャナ
200が印刷版画像を記録する際には、磁気ディスク3
0に格納された画像データDIMとドット選択信号SEL
が同時に読み出され、画像コントローラ12でタイミン
グが調整された後、ドットジェネレータ32に与えられ
る。
【0051】図2に示すように、ドット選択信号SEL
はセレクタ52に与えられており、画像データDIMは比
較器54に与えられている。セレクタ52は、2つのS
PM48,50から与えられた閾値DTH1,DTH2
をドット選択信号SELに従って画素毎に切り替えて比
較器54に供給する。すなわち、ドット選択信号SEL
のレベルが0の場合には低分解能ドットを記録するため
の閾値DTH1を選択し、1の場合には高分解能ドット
を記録するための閾値DTH2を選択する。比較器54
は、選択された閾値DTHと画像データDIMとを比較し
て、2値のドット信号Sdを生成する。
【0052】図7は、低分解能ドットの一種であるスク
エアドットのドット形状が濃度に応じて変化する様子を
示す説明図である。また、図8は、高分解能ドットの一
種であるFMドットのドット形状が濃度に応じて変化す
る様子を示す説明図である。なお、図7は1つの網点に
相当する領域を示しており、この例では一辺が23スポ
ットの幅を有している。ここで「スポット」とは、記録
スキャナ200における記録の単位である記録画素を言
う。図8は、図7と同じ23×23スポットの領域にお
ける高分解能ドットが濃度に応じて変化する様子を示し
ている。図7に示すスクエアドットでは濃度の増加に応
じて1つの黒ドットの面積が成長していくのに対して、
図8に示すFMドットでは、濃度の増加に応じて黒ドッ
トの出現頻度(すなわち出現の周波数)が高くなってい
る。なお、画像データDIMの1画素は、例えば10×1
0スポットのサイズを有している。
【0053】第1のSPM48(図2)には、図7に示
すスクエアドットの濃度変化を表わす閾値DTH1の閾
値パターンが記憶されており、アドレスYADD,XA
DDに応じてその閾値DTH1が読出される。同様に、
第2のSPM50には、図8に示すFMドットの濃度変
化を表わす閾値DTH2の閾値パターンが記憶されてお
り、アドレスYADD,XADDに応じてその閾値DT
H2が読出される。なお、記録画像の画像平面上には、
スクエアドットとFMドットの閾値パターンがそれぞれ
仮想的に繰り返し隙間無く配置される。これを実現する
ために、アドレスカウンタ44,46は、それぞれ所定
の周期でリングカウント動作を行なう。例えば、第1と
第2のSPM48,50がいずれも23×23スポット
の範囲の閾値パターンを記憶していると仮定すると、Y
ドレスYADD,XADDはいずれも0〜22の範囲の
値をそれぞれ繰り返すように各カウンタ44,46がリ
ングカウント動作を行なう。なお、実際には各SPM4
8,50に記憶されている閾値パターンのサイズは23
×23以上であるのが普通である。
【0054】FMドットは、各ドットのサイズが小さ
く、かつ、ランダムに配置されているのでロゼットモア
レが目立たないという利点がある。また、絵柄の模様と
ドットの周期配列との干渉によって発生するオブジェク
トモアレも発生しない。さらに、各ドットが小さいので
画像のディテールの再現性がよいという利点もある。な
お、複数色のインクを刷り重ねてカラー印刷物を再現す
る場合には、各インク用の印刷版画像において、ドット
を互いに異なる閾値パターンで発生させる。こうすれ
ば、印刷時の版ずれに起因する色ずれ(印刷物の色が本
来の色からずれる現象)も防止することができる。
【0055】なお、FMドット(周波数変調ドット)と
しては、濃度に応じて各ドットの出現頻度が変化するタ
イプだけでなく、濃度に応じてドットの出現頻度とドッ
トのサイズが共に変化するタイプのFMドットを採用し
てもよい。この明細書において、FMドットとは、少な
くともドットの出現頻度が濃度に応じて変化するドット
を言う。なお、高分解能と言うためには、FMドットの
分解能は約600dpi以上であることが好ましく、約
800dpi以上であることが特に好ましい。記録スキ
ャナの中には、4000dpi程度の高分解能の装置も
あるが、このような高分解能の記録スキャナを使用して
FMドットを記録する際には、FMドットの各ドットの
サイズを記録スキャナの2×2スポットや3×3スポッ
トに等しく設定してもよい。こうすれば、各ドットのサ
イズが過度に小さくなることがなく、印刷時の再現性を
向上させることが可能である。
【0056】高分解能ドットとしては、FMドットのほ
かに、従来の網点のスクリーン線数を高くした高精細網
点を利用することも可能である。高精細網点は、スクリ
ーン線数が約300線/インチの網点である。これに対
して、約200線/インチ以下のスクリーン線数を有す
る網点を「低分解能網点」と呼ぶ。高精細網点では、各
ドットのサイズが小さいのでロゼットモアレが発生しに
くく、また、画像のディテールの再現性がよいという利
点がある。
【0057】なお、低分解能ドットは、画像のディテー
ルの再現性の点では高分解能ドットに劣るが、比較的均
一な濃度の領域では高分解能ドットに比べて印刷の安定
性・再現性が良いという利点がある。
【0058】以上のように、この実施例では、濃度デー
タDSにラプラシアンフィルタ処理を行なうことによっ
て画像内の空間周波数を示すフィルタ済み濃度データF
DSを求め、空間周波数が所定値より高い画素には高分
解能ドットを適用し、空間周波数が所定値以下の画素に
は低分解能ドットを適用している。従って、空間周波数
が比較的高い画像部分では高分解能ドットによって画像
のディテールを再現することができ、また、空間周波数
の比較的低い画像部分では低分解能ドットによって印刷
の安定性・再現性を向上させることができる。
【0059】D.画像の領域分離の方法:上記の実施例
では、各画素毎にドット選択信号SELを生成していた
ので、各画素ごとに高分解能ドットと低分解能ドットが
切換えられる。しかし、以下に示すように、このドット
選択信号SELの分布に基づいて、原稿画像を、低分解
能ドットが適用される領域と高分解能ドットが適用され
る領域に分離するようにすることも可能である。
【0060】図9は、ドット選択信号SELの分布に基
づいて画像を領域分離する手順を示す説明図である。図
9(A)には、ドット選択信号SELの分布が示されて
おり、ドット選択信号SELの値として0が支配的な領
域(低分解能ドット領域)R0と、ドット選択信号SE
Lの値として1が支配的な領域(高分解能ドット領域)
R1との境界BRが矢印で示されている。但し、低分解
能ドット領域R0にはドット選択信号SELの値が1で
ある孤立画素が含まれており、高分解能ドット領域R1
にはドット選択信号SELの値が0である孤立画素が含
まれている。このような孤立画素を除去するために、孤
立点処理が実行される。
【0061】孤立点処理では、まず、ドット選択信号S
ELの値が1である画素を4近傍ウィンドウを用いて細
らせることによって、図9(B)のようにドット選択信
号SELの分布を変更する。4近傍ウィンドウは、図9
(D)に示すように中心画素CPの上下左右の4つの画
素(図中破線を付す)の少なくとも1画素におけるドッ
ト選択信号SELの値が0である場合に、中心画素CP
の値を0とする3×3ウィンドウである。この細らせ処
理を行なうことによって、図9(B)に示すように、低
分解能ドット領域R0における孤立画素が消滅する。
【0062】その後、図9(B)の分布について、ドッ
ト選択信号SELの値が1である画素を8近傍ウィンド
ウを用いて太らせることによって、図9(C)の分布が
得られる。8近傍ウィンドウは、図9(E)に示すよう
に中心画素CPの周囲の8つの画素(図中破線を付す)
の少なくとも1画素におけるドット選択信号SELの値
が1である場合に、中心画素CPの値を1とする3×3
ウィンドウである。この太らせ処理を行なうことによっ
て、図9(C)に示すように、低分解能ドット領域R0
と高分解能ドット領域R1の境界が図9(A)の状態に
戻る。また、図9(C)では、図9(A)に存在してい
た高分解能ドット領域R1内の孤立画素も消滅してい
る。
【0063】上述のように、細らせ処理と太らせ処理を
行なうことによって孤立点を除去すれば、高分解能ドッ
トが適用される領域と低分解能ドットが適用される領域
をある程度互いに分離することが可能である。なお、図
9の例では細らせ幅と太らせ幅が1画素であるが、2以
上の幅で細らせ処理と太らせ処理とを実行するようにし
てもよい。
【0064】原稿画像内の領域を分離する方法として
は、さらに、画像内を所定のサイズの矩形領域(判別領
域)に分割し、各矩形領域内においてドット選択信号S
ELの値の論理和を取ることによって、各矩形領域を高
分解能ドット領域と低分解能ドット領域のいずれか一方
に割り当てる方法も可能である。
【0065】あるいは、フィルタ済みの濃度データFD
Sの分布を表わす多値画像、または、ドット選択信号S
ELの分布を表わす2値画像をディスプレイデバイスに
表示して、ユーザが高分解能ドット領域と低分解能ドッ
ト領域とを対話操作により指定するようにすることも可
能である。図10は、ユーザによって領域が指定される
様子を示す概念図である。例えば、図10の斜線を付し
た帯が微細な模様を有している場合を考えると、帯の画
像領域ではフィルタ済みの濃度データFDSの値が大き
く、また、ドット選択信号SELの値が1となる画素が
多い。ユーザは、CRTディスプレイ60に表示された
フィルタ済みの濃度データFDSの分布、または、ドッ
ト選択信号SELの分布を観察し、空間周波数の高い領
域(図10において太線で示す領域)の輪郭を指定手段
としてのマウス62等のポインティングデバイスで指定
することによって、高分解能ドット領域を指定すること
が可能である。なお、高分解能ドット領域以外の領域
は、低分解能ドット領域として認識される。このよう
に、ユーザが画像内を高分解能ドット領域と低分解能ド
ット領域に分離する際には、いずれか一方を指定するだ
けでよい。
【0066】このようにユーザが高分解能ドット領域と
低分解能ドット領域に分離するようにすれば、ユーザが
絵柄のディテールを再現したい領域のみを選択的に高分
解能ドットとして指定することが可能である。また、こ
の際、フィルタ済みの濃度データFDSの分布またはド
ット選択信号SELの分布を観察して領域分離を行なう
ようにしているので、ユーザの主観のみでなく、ある程
度客観的な指標に基づいて領域を分離することができ
る。ドットタイプの割当ての良否は一般に校正刷りを作
成するまで不明であるが、上述の方法では空間周波数の
高い領域に確実に高分解能ドットを割り当てることが可
能になるので、ドットタイプの割当てのミスによる印刷
不良を低減することが可能である。
【0067】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0068】(1)図2に示すセレクタ52の代わり
に、図11に示すような閾値合成回路を使用することも
可能である。この閾値合成回路70は、2つのルックア
ップテーブル72,74と、2つの乗算器76,78
と、加算器80とを備えている。2つのルックアップテ
ーブル72,74には、フィルタ済みの濃度データFD
Sが入力されている。図12は、2つのルックアップテ
ーブル72,74の入出力特性を示すグラフである。第
1のルックアップテーブル72は、入力データFDSの
レベルに応じて出力データQ72のレベルが単調に減少
する特性を有している。第2のルックアップテーブル7
4は、これとは逆に、入力データFDSのレベルに応じ
て出力データQ74のレベルが単調に増加する特性を有
している。また、第1と第2のルックアップテーブル7
2,74の出力の和(Q72+Q74)は、1.0に規
格化されている。なお、ルックアップテーブルの入出力
データが8ビットのデジタルデータである場合には、図
12における係数値1.0は2の8乗である256に相
当する。また、図12の特性の直線部分の始点と終点と
なる入力値80,200は経験的に求められる。
【0069】第1と第2のルックアップテーブル72,
74の出力Q72,Q74は、第1と第2の乗算器7
6,78にそれぞれ与えられて、閾値DTH1,DTH
2とそれぞれ乗算される。図2に示すように、閾値DT
H1は低分解能ドット用の閾値であり、閾値DTH2は
高分解能ドット用の閾値である。2つの乗算器76,7
8の出力は加算器80で加算され、閾値DTHとして比
較器54(図2)に与えられる。
【0070】このように、2つのルックアップテーブル
72,74は、フィルタ済みの濃度データFDSの値に
応じて2つの閾値DTH1,DTH2に対する重み(合
成比率)を決定するためのテーブルである。すなわち、
図11の閾値合成回路70では、フィルタ済みの濃度デ
ータFDSの値に応じて2つの閾値DTH1,DTH2
に対する重みが決定され、この重みに応じて2つの閾値
DTH1,DTH2が合成される。この結果、空間周波
数が中間的な値を有する領域では、低分解能ドットと高
分解能ドットが混合したドットによって印刷版画像が記
録される。従って、高分解能ドット領域と低分解能ドッ
ト領域の境界部分において、画像をよりなめらかに再現
することが可能になるという利点がある。
【0071】(2)上述の実施例においては、説明の便
宜上で第1、第2のSPM48,50を同サイズとし、
図2に示すようにYアドレスカウンタ44及びXアドレ
スカウンタ46を2つのSPM48,50に共通に使用
した。しかし、実際にはFMドット用の第2のSPM5
0のサイズが第1のSPM48に比べて格段に大きいた
め、図13に示すように第2のSPM50用としてYア
ドレスカウンタ45及びXアドレスカウンタ47を別個
に設けることになる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、空間周波数の高い画像部分は高分解能
ドットを用いて再現するので画像のディテールを再現性
を向上させることができ、また、空間周波数の低い画像
部分は低分解能ドットを用いて再現するので画像の印刷
時の安定性・再現性を向上させることができる。
【0073】請求項2に記載した発明によれば、フィル
タ済みデータは空間周波数を示すので、その値に応じて
高分解能ドットと低分解能ドットを選択して適用するこ
とが可能になる。
【0074】請求項3に記載した発明によれば、第1種
の画像領域と第2種の画像領域の各画像領域内で、好ま
しいタイプのドットによる画像再現を実現することがで
きる。
【0075】請求項4に記載した発明によれば、各判別
領域の単位で好ましいドットによる画像再現を実現する
ことができる。
【0076】請求項5および6に記載した発明によれ
ば、高分解能ドットを適用すべき領域と低分解能ドット
を適用すべき領域とを容易に分離することができる。
【0077】請求項7に記載した発明によれば、高分解
能ドットが適用される画像部分と低分解能ドットが適用
される画像部分との中間部において、画像をより滑らか
に再現することが可能である。
【0078】請求項8に記載した発明によれば、周波数
変調ドットを用いることによって、画像のディテールの
再現性を向上させることができるばかりでなく、ロゼッ
トモアレやオブジェクトモアレも目立たなくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を適用して印刷版画像を作
成する製版システムの構成を示すブロック図。
【図2】ドットジェネレータ32の内部構成を示すブロ
ック図。
【図3】ドット選択信号生成処理の手順を示すフローチ
ャート。
【図4】画像領域の拡大処理を示す説明図。
【図5】ラインバッファ21に記憶された濃度データD
Sを示す説明図。
【図6】ラプラシアンフィルタの一例を示す平面図。
【図7】低分解能ドットの一種であるスクエアドットの
ドット形状の変化を示す説明図。
【図8】高分解能ドットの一種であるFM網点のドット
形状の変化を示す説明図。
【図9】ドット選択信号SELの分布に基づいて画像を
領域分割する手順を示す説明図。
【図10】ユーザによって領域が指定される様子を示す
概念図。
【図11】閾値合成回路の構成を示すブロック図。
【図12】2つのルックアップテーブル72,74の入
出力特性を示すグラフ。
【図13】ドットジェネレータの別の実施例を示すブロ
ック図。
【符号の説明】
10…CPU 10a…フィルタ処理部 10b…選択信号生成処理部 11…バス 12…画像コントローラ 14…入出力インタフェイス 16…ディスクコントローラ 18…SPMコントローラ 20…メモリ 21…ラインバッファ 22…ネットワークインタフェイス 30…磁気ディスク 32…ドットジェネレータ 34…スキャナ入力インタフェイス 36…スキャナ出力インタフェイス 40…Yクロック発生器 42…Xクロック発生器 44…Yアドレスカウンタ 46…Xアドレスカウンタ 48…低分解能ドット用スクリーンパターンメモリ 50…高分解能ドット用スクリーンパターンメモリ 52…セレクタ 54…比較器 60…CRTディスプレイ 62…マウス 70…閾値合成回路 72…低分解能ドット用ルックアップテーブル 74…低分解能ドット用ルックアップテーブル 76,78…乗算器 80…加算器 100…読取スキャナ 200…記録スキャナ 210…ロータリエンコーダ DS…濃度データ CLK…基準クロック CP…中心画素 DIM…画像データ DTH,DTH1,DTH2…SPMの閾値 FDS…フィルタ済みの濃度データ LF,LF1,LF2…ラプラシアンフィルタ PX…画素 R0…低分解能ドット領域 R1…高分解能ドット領域 SEL…ドット選択信号 Sd…ドット信号 XADD…副走査アドレス XCLK…副走査クロック YADD…主走査アドレス YCLK…主走査クロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/40 H04N 1/40 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像を表わす画像データから印刷版画
    像を作成する方法であって、(A)前記原画像内の空間
    周波数を調べる工程と、(B)前記空間周波数が所定値
    より高い画像部分は高分解能ドットを用いて再現すると
    ともに、前記空間周波数が所定値以下の画像部分は低分
    解能ドットを用いて再現することによって、前記原画像
    の印刷版画像を作成する工程と、を備えることを特徴と
    する印刷版画像の作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷版画像の作成方法で
    あって、 工程(A)は、(C)原画像の画像データから、原画像
    の濃度を画素毎に表わす濃度データを求める工程と、
    (D)前記濃度データに所定の2次微分フィルタを作用
    させることによって、前記原画像内の各画素の近傍にお
    ける空間周波数を示すフィルタ済みデータを求める工程
    と、を備え、 工程(B)は、(E)各画素における前記フィルタ済み
    データを所定の閾値と比較することによって、各画素に
    おける空間周波数の高低を示す選択信号を求める工程
    と、(F)前記選択信号の値に応じて各画素に高分解能
    ドットと低分解能ドットの一方を選択して適用する工程
    と、を備える印刷版画像の作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷版画像の作成方法で
    あって、 工程(F)は、(G)原画像内における選択信号の分布
    に基づいて、前記原画像を、高分解能ドットを適用する
    第1種の画像領域と、低分解能ドットを適用する第2種
    の画像領域とに分離する工程と、(H)前記第1種の画
    像領域には前記高分解能ドットを適用し、前記第2種の
    画像領域には前記低分解能ドットを適用して印刷版画像
    を作成する工程と、を備える印刷版画像の作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷版画像の作成方法で
    あって、 工程(G)は、 原画像を所定のサイズの判別領域に分割し、各判別領域
    内の選択信号の論理和を取ることによって各判別領域を
    第1種または第2種の画像領域として認識する工程、を
    含む印刷版画像の作成方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の印刷版画像の作成方法で
    あって、 工程(G)は、 原画像内における選択信号の値の分布を示す2値画像を
    表示デバイスに表示する工程と、 前記表示デバイスに表示された2値画像を観察しつつ、
    対話操作によって前記原画像内を第1種と第2種の画像
    領域に分離する工程と、を含む印刷版画像の作成方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の印刷版画像の作成方法で
    あって、 工程(G)は、 フィルタ済みデータの分布を示す多値画像を表示デバイ
    スに表示する工程と、 前記表示デバイスに表示された多値画像を観察しつつ、
    対話操作によって前記原画像内を第1種と第2種の画像
    領域に分離する工程と、を含む印刷版画像の作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の印刷版画像の作成方法で
    あって、 工程(A)は、 高分解能ドットのための第1の閾値パターンと、低分解
    能ドットのための第2の閾値パターンとを準備する工程
    と、 原画像の画像データから、前記原画像の濃度を画素毎に
    表わす濃度データを求める工程と、 前記濃度データに所定の2次微分フィルタを作用させる
    ことによって、原画像内の各画素の近傍における空間周
    波数を示すフィルタ済みデータを求める工程と、 各画素における前記フィルタ済みデータの値に応じて高
    分解能ドットのための第1の係数と低分解能ドットのた
    めの第2の係数とを求める工程と、 工程(B)は、 前記第1の閾値パターンから読出された第1の閾値と前
    記第2の閾値パターンから読出された第2の閾値に前記
    第1と第2の係数をそれぞれ乗ずるとともに、乗算結果
    を互いに加算することによって第3の閾値を生成する工
    程と、 前記第3の閾値と前記画像データとを比較することによ
    って、印刷版画像のドットを表わすドット信号を作成す
    る工程と、 前記ドット信号に応じて印刷版画像を作成する工程と、
    を備える印刷版画像の作成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の印
    刷版画像の作成方法であって、 前記高分解能ドットは、原画像の濃度に応じて少なくと
    も所定のサイズのドットの出現頻度が変化する周波数変
    調ドットである、印刷版画像の作成方法。
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