JPH10154822A - 太陽電池セルおよびその製造方法 - Google Patents

太陽電池セルおよびその製造方法

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JPH10154822A
JPH10154822A JP8313714A JP31371496A JPH10154822A JP H10154822 A JPH10154822 A JP H10154822A JP 8313714 A JP8313714 A JP 8313714A JP 31371496 A JP31371496 A JP 31371496A JP H10154822 A JPH10154822 A JP H10154822A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェーハ上に太陽電池をパターニングすると
き発電に有効な領域を効率よく利用する。 【解決手段】 ウェーハ1の外周部に近い太陽電池セル
の場合、バー電極13を湾曲させることで、太陽電池セ
ルの外形が四角形の場合、ウェーハ1の外周部に内接す
るまで太陽電池セル寸法を大きくすることができ、太陽
電池セルの外形が五角形以上の場合、さらに大型化が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池セルの電極
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5(a)〜(j)は、従来の宇宙用太
陽電池セルの一例としてBSFR型(Back Surface Fie
ldとBack Surface Reflectorを備えたもの)の製造工程
の概略を示す斜視図,平面図および断面図である。な
お、このウェーハには2個の太陽電池セルが割付けられ
ているものとする。
【0003】以下各工程について説明する。図5(a)
において、ウェーハ1は円形またはほぼ円形のたとえば
P型の厚いシリコン基板を化学エッチングすることによ
り所定の厚さにされており、このウェーハ1にボロンを
拡散することにより、ウェーハ表面にP型拡散層2が形
成される。その後ウェーハ1の裏面にマスキングを行な
い化学エッチングをすることにより表面のP型拡散層は
除去される。さらに表面にリンを拡散することによりウ
ェーハ1表面にはN型拡散層3が形成される。
【0004】図5(b)において、フォトレジスト4を
ウェーハ1の表面に塗布し、フォトエッチング技術によ
りN電極形状に窓開けする。N電極は通常根元を太くし
たバー電極とそれから枝分かれした多数の細いグリッド
電極とよりなる櫛型の電極が使用される。図のN電極の
パターンはこれを簡略化したものである。
【0005】図5(c)において、N電極蒸着工程によ
りたとえばAgのようなN電極材料5をウェーハ1表面
全面に蒸着する。
【0006】図5(d)において、ウェーハ1を化学処
理することにより、ウェーハ1表面のフォトレジストと
その上のN電極材料4が除去され、ウェーハ1表面には
所定のN電極6が形成される。
【0007】図5(e)において、カットライン7に沿
って、ダイシング・ブレーク工程により、後処理が容易
になるようにウェーハ1を角型に切出す。
【0008】図5(f)はウェーハ1を角型に切出した
平面図である。左右に2枚の太陽電池セルが形成されて
いる。
【0009】図5(g)において、P電極8をウェーハ
1の裏面に蒸着して形成する。ウェーハ1の表面には光
の反射を低減する反射防止膜9を形成する。その後ウェ
ーハの表面および裏面に形成されたN電極6およびP電
極8の密着度を向上させるため、シンタリング工程で熱
処理を行なう。
【0010】図5(h)において、ウェーハ1の4辺お
よび2個の太陽電池セルの境界のカットライン10,1
0…に沿って切断するダイシング・ブレーク工程を行な
う。
【0011】図5(i)は以上にようにして作成された
太陽電池セルの受光面側の平面図であり、図5(j)は
その裏面図である。
【0012】図5(a)〜(j)は、BSFR型の宇宙
用太陽電池セルの製造工程であるが、BSR型の宇宙用
太陽電池セル製造工程でもよい。BSR型宇宙用太陽電
池セルはBSFR型宇宙用太陽電池セル裏面のP型拡散
層2がないものであり、製造工程では図5(a)で説明
したボロン拡散工程および表面エッチング工程が削除さ
れる。
【0013】図6(a)〜(i)は、従来の高効率宇宙
用太陽電池セルの例の製造工程の概略を示す断面図であ
る。表面は効率を向上するため多数の凹凸を設けたテク
スチャ構造となっている。これはNRS/BSFR型
(Non-Reflection SurfaceおよびBSFR型を備えたも
の)である。
【0014】以下各工程について説明する。図6(a)
において、ウェーハ1は円形またはほぼ円形のたとえば
P型の厚いシリコン基板を化学エッチングすることによ
り所定の厚さにされ、その後第1酸化工程により表面お
よび裏面に酸化膜11が形成される。
【0015】図6(b)において、表面の酸化膜11に
テクスチャ構造となる無反射表面形状パターンの窓開け
を施し、化学処理により酸化膜11により覆われていな
い部分のみエッチングすると、表面に光の反射を低減す
る、たとえば、逆ピラミッド状のテクスチャ構造15が
形成される。
【0016】図6(c)において、第2酸化工程により
ウェーハ1両面に再度酸化膜11を形成する。
【0017】図6(d)において、裏面の酸化膜を除去
しウェーハ1の裏面にボロンを拡散することによりウェ
ーハ1裏面により高濃度のP型拡散層2が形成される。
【0018】図6(e)において、ウェーハ1の表面の
N型拡散層形成のため表面の酸化膜11を除去し、裏面
には裏面保護のためCVD工程により酸化膜11が形成
され、このとき裏面から回り込んだ酸化膜11が表面の
両端に形成される。
【0019】図6(f)において前記の回り込んだ酸化
膜を除去する。図6(g)において、ウェーハ1の表面
にリンを拡散することにより、表面にのみN型拡散層3
が形成される。
【0020】図6(h)において、ウェーハ1を熱酸化
することにより、表面のN型拡散層3上に酸化膜により
パッシベーション膜12が形成される。
【0021】図6(i)において、表面および裏面の電
極形成予定領域の酸化膜10に、フォトエッチング技術
により窓開けを行ない、N電極6およびP電極8を蒸着
により形成し、受光面となる表面には反射防止膜9が形
成される。
【0022】その後は、図5の場合と同様にシンタリン
グ工程,ダイシング・ブレーク工程を経て太陽電池セル
が完成する。
【0023】なお、BSFのない高効率宇宙用太陽電池
セルの製造工程では、図6(f)について説明した酸化
膜を除去する工程が削除される。
【0024】さらに、図6はNRS/BSF型の宇宙用
太陽電池セルの製造工程であるが、NRS/LBSF型
の宇宙用太陽電池セル製造工程でもよい。NRS/LB
SF型宇宙用太陽電池セルは、NRS/BSF型宇宙用
太陽電池セルのP型拡散層2が裏面に部分的に形成され
たものであり、製造工程では図6(d)の説明におけ
る、P型拡散層2の形成に際し、ウェーハ1裏面の酸化
膜11にフォトエッチング技術により部分的なパターン
の窓開けを施し、これにボロンを拡散することにより裏
面に部分的なP型拡散層2を形成したものである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
5(b)のフォトリソグラフィー工程でN電極パターン
を形成する際、ウェーハ1表面にスピン塗布されたフォ
トレジスト4はウェーハ1のエッジ側で塗布量が厚くな
り、パターンが精度よく形成されないため、後述の図4
(a)に示すように、ウェーハ1のエッジから2mm程
度は電極パターンを形成することができなかった。この
電極パターンにより、太陽電池セル寸法が決まっていた
ので、ウェーハ1の面積を有効に利用できていなかっ
た。
【0026】また、特に高効率宇宙用太陽電池セル製造
工程では、図6(e)のCVD工程で、ウェーハ1裏面
からウェーハ1表面へ酸化膜11がウェーハ1のエッジ
から2mm程度回り込んでいた。このウェーハ1表面の
回り込んだ酸化膜11を除去するため、図6(f)で説
明した酸化膜除去工程が行なわれていた。この酸化膜除
去工程がない場合、次の図6(g)について説明したリ
ン拡散を行なっても、ウェーハ1表面の酸化膜11に覆
われた部分にはN型拡散層3が形成されず、このN型拡
散層3がない部分に電気を取出すためのN電極が形成さ
れると、でき上がる太陽電池セルはその部分でリーク
し、特性不良となっていた。
【0027】以上のように、従来の製造方法では、ウェ
ーハの周辺のエッジから2mm程度は有効に利用でき
ず、そのため従来は、図4(a)に示されるように、ウ
ェーハのエッジから約2mmの破線の領域内(以下発電
有効領域という)に、破線に内接する四辺形を太陽電池
セル全体の外周としていた。たとえば、直径4インチの
ウェーハから2枚の太陽電池セルを取出すとすると、図
のように内接する四辺形の上下両辺に沿ってバー電極1
3,13を形成し、それから直角に櫛の歯状のグリッド
電極14,14を形成する。バー電極13の円周側の領
域aは利用されない。
【0028】本発明の目的は前述の円周側の領域aを利
用し、太陽電池セルの効率を向上させることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池セルに
おいては、ウェーハの表面の発電有効領域の外周に少な
くとも5ヶ所で接する多角形となるように太陽電池セル
の外周のパターニングを行なう。
【0030】これによりバー電極13は図4(b)のよ
うに、ウェーハ1の上下に張り出して湾曲するようにな
り、発電に寄与する部分の面積を増加することができ
る。
【0031】なお、前述のBSFのない高効率宇宙用太
陽電池セルの製造に際しては、ウェーハ1表面へ回り込
んだ酸化膜11を除去する工程が不要になり、表面全体
が発電有効領域となる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の一例
の平面図であって、(a)はウェーハ1にパターニング
した状態、(b)はダイシングした後の平面図である。
【0033】図1は1枚のウェーハに1個の大型の太陽
電池セルをパターニングした場合であって、四角形の角
がウェーハの外となるように設計し、太陽電池セル20
の輪郭は八角形となっている。上方のバー電極13の両
端部は湾曲し、ウェーハ1のエッジから2mmの領域に
沿うようになっている。必ずしもエッジから2mmの線
に接している必要はなく、できるだけ近接するようにさ
れる。バー電極13の上辺は直線になっているが円弧に
なっていてもよい。なお、グリッド電極14の下方の両
端部は前述のように電極パターンが精度よく形成されな
いことがある。これは、N電極パターンを形成する際、
ウェーハ1表面にスピン塗布されたフォトレジストがウ
ェーハのエッジ側で塗布量が厚くなるからである。
【0034】図2(a)および(b)は他の実施の形態
の平面図であり、それぞれウェーハ外周部に内接するよ
う太陽電池セルをパターニングし、バー電極を有効電極
領域内に配置した例となっている。図2(a)は太陽電
池セルの上方に、グリッド電極14の縁部に沿って、同
じ幅のバー電極13が設けられている。このバー電極1
3のどの部分にでもコネクターを接続できる。図2
(b)はバー電極13の中央部13′にコネクターを設
ける場合であって、グリッド電極14の端部から中央部
に近づくに従ってバー電極13は逐次太くされる。いず
れの場合も、グリッド電極14の下端は一直線上に配置
されているが、セルの下方の形状をウェーハの外周に沿
うように湾曲させ、グリッド電極14に近づくに従って
長くすることもできる。多角形はパターンの取り方によ
り五角形以上であり、最終的には円に近づく。
【0035】以上の例は1枚のウェーハに1枚の太陽電
池セルを取付けた場合のパターンの形状であるが、1枚
のウェーハに2枚以上の太陽電池セルを割付ける場合
は、少なくとも、ウェーハエッジ部から2mm以内の部
分に重なる表面電極パターンのバー電極の端の部分を内
側に曲げる形状にすればよく、ウェーハエッジ部から2
mm以内の部分に重ならない櫛型表面電極パターンはそ
のままでもよい。たとえば、1枚のウェーハに1枚の太
陽電池セルを割付ける場合は、図3(a)に示すように
なり、1枚のウェーハに2枚の太陽電池セルを割付ける
場合は図3(b)に示すようになるが、1枚のウェーハ
に3枚の太陽電池セルを割付ける場合は、図3(c)に
示すように3枚の太陽電池セルがすべて同じ表面電極パ
ターンになってもよいが、図3(d)に示すようにウェ
ーハエッジ部から2mm以内の部分に重ならない櫛型表
面電極パターンはそのままでもよい。1枚のウェーハに
4枚以上の太陽電池セルを割付ける場合も3枚の太陽電
池セルの割付けの場合と同様である。図3(e)は1枚
のウェーハに4枚の太陽電池セルを割付けた場合の一例
であり、図3(f)は1枚のウェーハに12枚の太陽電
池セルを割付けた場合の例である。
【0036】
【発明の効果】従来の宇宙用太陽電池製造工程では、図
5(b)において説明したフォトリソグラフィー工程で
N電極パターンを形成する際、ウェーハ1表面にスピン
塗布されたフォトレジスト3はウェーハ1のエッジ側で
塗布量が厚くなり、パターンが精度よく形成されないた
め、ウェーハ1エッジから2mm程度は電極パターンを
形成することができなかった。しかしながら、図4
(b)に示すように、本発明の電極パターンにすること
で、ウェーハの面積を有効に利用でき、ウェーハ1エッ
ジから2mm程度は電極パターンを形成しなくても、太
陽電池セル寸法を大型化することができた。
【0037】4インチウェーハ(直径約10cm)から
太陽電池セルを2枚切出す場合は、太陽電池セルの寸法
は1.08倍になり、太陽電池セル電気出力もほぼ1.
08倍になる。五角形以上の太陽電池セルの場合はさら
に大型化することができた。
【0038】また、本発明のN電極パターンは、1枚の
ウェーハに何枚の太陽電池セルを割付ける場合でも可能
であり、少なくともウェーハエッジ部から2mm以内の
部分に重なる櫛型表面電極パターンのバー電極の端の部
分を内側に曲げる形状にすればよく、その他の部分は従
来の櫛型形状のままでも構わない。
【0039】特に、高効率宇宙用太陽電池セル製造工程
では、図6(e)について説明したCVD工程で、ウェ
ーハ裏面からウェーハ表面へ酸化膜が、ウェーハエッジ
から2mm程度回り込んでいた。このウェーハ表面の回
り込んだ酸化膜11を除去するため、図6(f)の酸化
膜除去工程が行なわれていたが、本発明のN電極パター
ンにすることにより、この酸化膜除去工程が削除され、
NRS/BSF型高効率宇宙用太陽電池セルのコストダ
ウンにも繋がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)はそれぞれ本発明による太
陽電池の平面図である。
【図2】(a)および(b)はそれぞれ本発明の他の実
施の形態の平面図である。
【図3】(a)〜(f)はそれぞれウェーハへの太陽電
池セルを四角形の外形でパターニングした例を示す平面
図である。
【図4】(a)は従来の太陽電池パターンの割付けを示
す平面図であり、(b)は本発明の太陽電池パターンの
割付けを示す平面図である。
【図5】(a)〜(i)はそれぞれ宇宙用太陽電池セル
の製造工程を示す図面である。
【図6】(a)〜(i)は宇宙用太陽電池セルの他の例
の製造工程を示す図面である。
【符号の説明】
1 ウェーハ 2 P型拡散層 3 N型拡散層 4 フォトレジスト 5 N電極材料 6 N電極 7,10 カットライン 8 P電極 9 反射防止膜 11 酸化膜 12 パッシベーション膜 13 バー電極 14 グリッド電極 15 テクスチャ構造

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にはバー電極とグリッド電極とより
    なる櫛型電極が形成されており、バー電極の端部は、ウ
    ェーハのエッジに沿うように湾曲していることを特徴と
    する太陽電池セル。
  2. 【請求項2】 ウェーハのエッジに近いバー電極の縁部
    は曲線で構成させていることを特徴とする請求項1記載
    の太陽電池セルの製造方法。
  3. 【請求項3】 ウェーハのエッジに近いバー電極の縁部
    は直線で構成させていることを特徴とする請求項1記載
    の太陽電池セルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ウェーハにパターニングされた複数の太
    陽電池セルのウェーハの外周に配置されたバー電極は湾
    曲しているこを特徴とする請求項2記載の太陽電池セ
    ル。
  5. 【請求項5】 ウェーハにパターニングされた複数の太
    陽電池セルであって五角形以上の表面形状を有するセル
    を含むことを特徴とする請求項2記載の太陽電池セル。
  6. 【請求項6】 ウェーハの表面の発電有効領域内にウェ
    ーハの外周に沿って湾曲したバー電極を形成するよう
    に、一個以上の太陽電池のパターニングを行なうことを
    特徴とする太陽電池セルの製造方法。
  7. 【請求項7】 ウェーハの表面の発電有効領域の外周
    に、少なくとも5ヶ所で接する多角形となるように太陽
    電池セルの外周のパターニングを行なうことを特徴とす
    る太陽電池セルの製造方法。
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