JP3589590B2 - 太陽電池セル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無反射表面形状(以下、テクスチャという)を有する太陽電池セル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の太陽電池セルのセル断面の一例を図9に示す。
【0003】
この太陽電池セル1Oは、一般にNRS/BSF(Non−Reflective Surface/Back Surface Field)型太陽電池と称されるもので、P型シリコン基板4を有し、この基板4の受光面側には、光エネルギにより発生するキャリアを効率よく取り込むためのN+ 拡散層3がN型不純物を熱拡散することで形成されるとともに、表面反射を低減させるために逆ピラミッド型に凹凸したテクスチャ8が施されている。N+ 拡散層3の上には表面でのキャリアの再結合を低減させるために酸化膜層7が形成され、また、酸化膜層7が形成されていない開口部には発生した電気を効率よく取り出すための表面電極2が櫛形に形成されてN+ 拡散層3と直接接続されている。さらに、図示されていないN電極接続部を除いた太陽電池セル1Oのほぼ全面には、入射する光の表面反射を低減するための反射防止膜10が被覆されている。
【0004】
P型シリコン基板4の裏面側には、キャリアの発生量を増加させるために、P+ 拡散層5がP型不純物を熱拡散することで形成され、その上にはキャリアの再結合を低減させるために酸化膜層7、および裏面から抜け出してしまう長波長光を反射させ、かつ発生した電気を取り出すための裏面電極6がほぼ全面にわたって形成されている。そして、P+ 拡散層5と裏面電極6とは酸化膜層7に形成された図示されていない開口部を介して接続されている。
【0005】
図9に示したようなNRS/BSF型の太陽電池セル1Oにおいて、受光面側に形成されるテクスチャ8は、入射光を多重反射させて電池内部へ到達する光量を増加させる役目を果たすものであって、その大きさ、形成面積率、形成具合等によって、発生する電気のエネルギーが変化して出力に大きな影響を及ぼすため、このテクスチャ8の大きさや形状をいかに設定するかが非常に重要な要素となる。
【0006】
すなわち、図10に示すように、入射光は、このテクスチャ8によって受光面で多重反射し、表面反射率が低減する。その結果、基板4に吸収される光が増大することにより、より多くの電流を発生させることができる。特に、宇宙用の太陽電池セルの場合は、放射線(宇宙線)を浴びるが、基板4にテクスチャ8があると、テクスチャ8によって基板の平均厚さが薄くなり、かつ、入射光が受光面で屈折し、基板に斜め方向に入射するため、太陽電池セルの表面付近に形成されたPN接合近傍で発生するキャリアが増加し、放射線劣化によるキャリアライフタイムの影響を受けにくくすることができる。
【0007】
従って、受光表面上により大きいテクスチャ領域を形成することが、太陽電池セル1Oの出力改善を図る上で有効である。
【0008】
そのため、従来の太陽電池セル1Oでは、たとえば図11、図12および図13に示すようにテクスチャ8を配置した構成としている。ここで図11は太陽電池セルの全体を示す平面図、図12は図11の符号Bで示す部分を拡大して示す平面図、図13は図12の符号Dで示す部分を拡大して示す平面図である。図において、1Oは太陽電池セル、2はグリッド電極、3はバー電極、4は出力電力を取り出すコネクタ(パッド)電極である。
【0009】
従来の太陽電池セル1Oでは、表面電極2の形成箇所を除く全ての領域にテクスチャ8が縦横に配列された状態で形成されており、外周部分18以外の箇所に形成されている各テクスチャ8は、図13に示すように、平面視で正方形をした逆ピラミッド型の凹凸を有し、かつ、その大きさや形状は全て同じものとなっている。また、各テクスチャ8間の間隔dも全て同一である。さらに、図11の部分拡大図に示すように、太陽電池セル1Oの外周部分18にもテクスチャ8が形成されている。
【0010】
図9ないし図13に示したような形状をもつテクスチャ8を形成するには、従来、たとえば、図14の(a)〜(g)に示すような工程に沿って製作されている。
【0011】
まず、同図(a)に示すように、シリコン基板4を準備する。次に、同図(b)に示すように、このシリコン基板4の表面に熱酸化もしくはCVD等を用いて酸化膜層7を形成する。続いて、同図(c)に示すように、酸化膜層7の上にレジスト15を塗布する。そして、同図(d)に示すように、受光面側に所定のテクスチャパターンを露光して現像する。これにより、酸化膜層7の上にはレジスト15によりテクスチャパターンが形成される。次いで、同図(e)に示すように、エッチング等により不要な部分の酸化膜層7を除去し、その後、レジスト15を除去する。これで、酸化膜層7によりテクスチャパターンがシリコン基板4上に形成される。この状態で、同図(f)に示すように、所定の温度、濃度の、たとえば高温のアルカリ溶液のようなエッチング液により所定時間エッチングする。シリコン基板4の場合は、結晶面毎に化学薬品に腐食される速度差があり、これを利用した異方性エッチングにより微細な逆ピラミッド型のテクスチャ8を形成することができる。最後に同図(g)に示すように、酸化膜層7を除去することにより、シリコン基板4の受光面側にテクスチャ8の形成が完成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の太陽電池セルは、次の▲1▼、▲2▼に指摘するような問題点を有している。
【0013】
▲1▼ 前述のごとく、従来の太陽電池セルにおいて、シリコン基板4上のセル外周部以外の箇所に形成される各テクスチャ8は、図13に示したように、その大きさや形状は同じものであり、しかも、各テクスチャ8間の相互の間隔dも全て同一である。
【0014】
このため、太陽電池セル1O上のテクスチャ形成面積が小さくなってしまうことがある。すなわち、テクスチャ8形成領域の電極2周辺部分には、大きさの等しいテクスチャパターンは形成できず、平坦部となる。その結果、セルの受光面上において平坦部の占める面積が多くなり、これに伴い、反射率の低減効果が少なくなって太陽電池セル1Oとしての出力低下を招く。
【0015】
▲2▼ また、従来のテクスチャは、図11の部分拡大図に示したように、太陽電池セル1Oの外周部分18にも形成されている。このために、太陽電池セル1Oの製造中においても、ダイシング工程でセルを切り出すときに、セル1Oの外周部分18からクラックや最悪の場合には割れが発生するなどして、取り扱いが難しく、生産性の低下並びに生産ラインの汚染を引き起こしていた。
【0016】
本発明は、上記の各問題点を解決し、従来品よりも大きなテクスチャ領域を形成することにより、出力を向上させた太陽電池セルを提供することを第1の課題とし、また、テクスチャ構造を持ちながら、クラックや割れが発生しにくい太陽電池セルを提供することを第2の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の各課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
【0018】
すなわち、本発明は、受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域にテクスチャが形成された太陽電池セルにおいて、テクスチャが、ほぼ正四角錐の逆ピラミッド型の凹形状を有し、テクスチャ形成領域の周辺部分とその周辺部分よりも内側に位置する内側部分とで、異なる大きさに設定されていることを特徴とする太陽電池セルである。
【0019】
本発明において、テクスチャとは、無反射表面形状を意味する。この無反射表面形状とは、鏡面の反射率を100%とした場合の反射率が、0.5〜1.0μmの波長の光に対し反射防止膜がない状態で、約10%以下の表面形状であればよく、望ましくは表面が実質的に光を吸収して反射しない形状である。このような形状としては、例えば、逆ピラミッド状に窪んだ矩形の開口や、内部に空洞を有する開口などが挙げられる。本発明の太陽電池セルにおいては、多数の微小なテクスチャが受光面に形成された構造となっている。
【0020】
上記構成においては、周辺部分に形成されたテクスチャの大きさが、内側部分に形成されたテクスチャの大きさよりも小さく設定されていてもよい。
また、周辺部分に形成されたテクスチャの間隔と、内側部分に形成されたテクスチャの間隔とが、異なる大きさに設定されていてもよく、このとき、周辺部分に形成されたテクスチャの大きさが、内側部分に形成されたテクスチャの大きさよりも小さく設定されている場合には、周辺部分に形成されたテクスチャの間隔は、内側部分に形成されたテクスチャの間隔よりも広く設定されることが望ましい。
【0021】
太陽電池セルは、その外周部分にテクスチャが形成されない非形成領域を有していることが望ましい。非形成領域が設けられる場合、非形成領域の幅は50μm以上であればよい。
【0022】
また、本発明は、受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域にテクスチャが形成された太陽電池セルであって、テクスチャが、テクスチャ形成領域の周辺部分とその周辺部分よりも内側に位置する内側部分とで、異なる形状に設定されていることを特徴とする太陽電池セルである。
【0023】
上記構成において、内側部分に形成されたテクスチャは矩形の底部を持つ逆ピラミッド型の形状であり、周辺部分に形成されたテクスチャは尖った端部を有する多角形の底部を持つ逆ピラミッド型の形状であってもよい。また、内側部分に形成されたテクスチャはV溝状であり、周辺部分に形成されたテクスチャは逆ピラミッド型であってもよい。
【0024】
別の観点によれば、本発明は、受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域に、テクスチャ形成領域の周辺部分とその周辺部分よりも内側に位置する内側部分とで、異なる大きさのテクスチャを形成する太陽電池セルの製造方法であって、基板上に酸化膜で、小さいテクスチャの形成領域に位置するマスキングパターンの線幅のほうが、大きいテクスチャの形成領域に位置するマスキングパターンの線幅よりも大きいマスキングパターンを形成し、そのマスキングパターンをマスクとして基板をエッチングすることにより、基板に格子状のテクスチャを形成することからなる太陽電池セルの製造方法である。
【0025】
また、本発明は、受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域に、周辺部分の大きさがその周辺部分の内側に位置する内側部分の大きさよりも小さいテクスチャを形成する太陽電池セルの製造方法であって、基板上に酸化膜で、小さいテクスチャの形成領域に位置するマスキングパターンの線幅のほうが、大きいテクスチャの形成領域に位置するマスキングパターンの線幅よりも大きいマスキングパターンを形成し、そのマスキングパターンをマスクとして基板をエッチングすることにより、基板に格子状のテクスチャを形成することからなる太陽電池セルの製造方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る太陽電池セルの一例を示す平面図、図2は図1の符号Aで示す部分を拡大して示す平面図、図3は図2の符号Cで示す部分を拡大して示す平面図である。
【0027】
図において、1は太陽電池セル、2はグリッド電極、3はバー電極、4は出力電力を取り出すコネクタ(パッド)電極である。コネクタ電極4から図中横方向にバー電極3が延出され、バー電極3から図中縦方向にグリッド電極2が延出されている。
【0028】
太陽電池セル1の受光面側には、これらのコネクタ電極4、バー電極3およびグリッド電極2からなる表面電極が形成され、その表面電極の形成箇所を除く領域には、テクスチャが形成されている。テクスチャの領域で発生された電流は、グリッド電極2とバー電極3とを介してコネクタ電極4から取り出される。
【0029】
本実施形態では、太陽電池セル1の大きさは縦が約35mm、横が約69mm、コネクタ電極4の大きさは縦が約1.5mm、横が約3mmである。バー電極3はコネクタ電極4に近づくほど太くなっており、グリッド電極2はバー電極3に近づくほど太くなっている。グリッド電極2の先端部の太さは約5μm、基端部(バー電極3接続部)の太さは約22μmである。グリッド電極2のピッチは約0.54mmである。
【0030】
この太陽電池セル1では、その受光面側の外周部分18に、テクスチャが形成されない非形成領域(平坦部)が確保されている。このように、太陽電池セル1の外周部18にテクスチャの非形成領域を確保することにより、若干の出力低下は発生するものの、従来品に比べて、その部分からクラックや割れが発生することが防止できるため、生産性、信頼性の高いデバイスを提供できる。このテクスチャの非形成領域の部分18は、セルの端部から50μm程度の幅があれば格段にその効果を発揮し、また、幅が狭いことからテクスチャ構造を形成しないことによる出力の大幅な低下も防ぐことができて都合がよい。
【0031】
この太陽電池セル1の上記の外周部分18および表面電極形成箇所を除くテクスチャ形成領域Fには、図3に示すように、逆ピラミッド型をしたテクスチャ9a〜9dが形成されている。
図3の実施形態において、テクスチャ9aは一辺が18μm、テクスチャ9bは一辺が15μm、テクスチャ9cは一辺が5μm、テクスチャ9dは一辺が3μmの大きさの正方形の逆ピラミッド型である。間隔d1は2μm、間隔d2は3μmの大きさである。なお、この大きさには限定されず、任意の大きさにすることができる。
【0032】
これらの各テクスチャ9a〜9dは、互いに大きさが異なっているが、共に正方形をした相似形になっている。
【0033】
特に、この実施形態では、テクスチャ形成領域Fの周辺部分に形成されたテクスチャ9b〜9dの大きさは、これよりも内側部分に形成されたテクスチャ9aの大きさよりも小さくなっている。
【0034】
これにより、図11、図12および図13に示したような従来のものに比べて、テクスチャ形成領域F内における平坦部の面積が少なくなり、テクスチャ9a〜9dの占有面積が大きくなる。
【0035】
さらに、この実施形態では、テクスチャ形成領域F内の周辺部分に形成された小さい形状の各テクスチャ9b〜9d間の間隔d2 は、その内側部分に形成された大きい形状のテクスチャ9a間の間隔d1 よりも大きくなるように(d1 <d2 )設定されている。
【0036】
その理由を次に説明する。
【0037】
図4および図5は、図14(f)で示した工程でのシリコン基板4のエッチングにおいて、大きさの異なるテクスチャ(たとえば図3の9aと9bの各テクスチャ)を形成する場合のエッチング前後の工程別断面図を示しており、図4はテクスチャ9a,9bの大きさによらずテクスチャ間が全て同じ間隔dのものを形成する場合、図5はテクスチャ9a,9bの大きさに応じてテクスチャ間の間隔d1 ,d2 を変える場合である。
【0038】
図4(a)に示すように、酸化膜層7により同じテクスチャ間の間隔dのテクスチャパターンがシリコン基板4上に形成されている状態で、実線で示す部分までエッチングが進むと、横方向へのエッチングが始まる。そして、破線で示すピラミッドの頂点が形成できるまでエッチングを行うが、その場合、小さい形状のテクスチャ9bの横方向のエッチングは、大きい形状のテクスチャ9aのエッチングが終了する頃には完全にオーバーエッチングとなり、小さいテクスチャ9bの頂点が欠落してしまう。その結果、酸化膜層7を除いたときには、同図(b)及び同図(c)に示すように、小さい形状のテクスチャ9bは、設計どおりのテクスチャ構造が形成できないために、若干出力が低下するとともに、外観不良をも引き起こしてしまう。
【0039】
これに対して、図5(a)に示すように、酸化膜層7により異なるテクスチャ間の間隔d1 ,d2 のテクスチャパターンがシリコン基板4上に形成されている状態で、実線で示す部分までエッチングが進むと、横方向へのエッチングが始まる。そして、破線で示すピラミッドの頂点が形成できるまでエッチングを行うが、その場合、小さい形状のテクスチャ9bの酸化膜層7のテクスチャ間の間隔d2 は、大きい形状のテクスチャ9aの酸化膜層7のテクスチャ間の間隔d1 よりも大きい(d1 <d2 )から、大きい形状のテクスチャ9aのエッチングが終了するときには、小さい形状のテクスチャ9bのエッチングも同時期に終了するため、図4に示したようにテクスチャ9bの部分がオーバーエッチングされることはない。その結果、酸化膜層7を除いたときには、同図(b)に示すように、小さい形状のテクスチャ9bも、設計どおりのテクスチャ構造が形成できることになる。
【0040】
図6は、基板の結晶方位の違いによって、シリコンテクスチャの形成方向が異なった場合を示しており、その基本的な構成は、図1、図2および図3に示した実施形態と同じである。図6の実施形態において、テクスチャ9fは一辺が18μm、テクスチャ9gは一辺が15μm、テクスチャ9hは一辺が13μmの大きさの正方形の逆ピラミッド型である。間隔d1は2μm、間隔d2は3μmの大きさである。なお、この大きさには限定されず、任意の大きさにすることができる。このように、図6の場合も、太陽電池セル1の外周部分18および表面電極形成箇所を除くテクスチャ形成領域Fに逆ピラミッド型をしたテクスチャ9f〜9hが形成されていて、その領域Fの周辺部分に形成されたテクスチャ9g〜9hの大きさは、これよりも内側部分に形成されたテクスチャ9fの大きさよりも小さくなっている。
【0041】
図7は他の変形例を示すもので、テクスチャ形成領域Fにおいて、その周辺部分とその内側にはそれぞれテクスチャ9j,9fが形成されていて、内側のテクスチャ9fは逆ピラミッドの正方形のものであるが、周辺部分のテクスチャ9jは正方形ではなくて先尖型になっている。これにより、図11、図12および図13に示した従来のものに比べ、テクスチャ9j,9fの占有面積をより大きく確保することができる。
【0042】
図8はさらに他の変形例を示すもので、テクスチャ形成領域Fにおいて、その周辺部分とその内側にはそれぞれテクスチャ9k,9mが形成されていて、内側のテクスチャ9kはV溝状であり、また、周辺部分のテクスチャ9mは逆ピラミッド型になっている。この場合も周辺部分にテクスチャ9mを形成することにより、従来よりもテクスチャ9k,9mの占有面積をより大きく確保することができる。
【0043】
なお、上記の実施形態では、逆ピラミッド型とV溝の各テクスチャ9a,9f,9kについて説明し、他の形状のテクスチャの組み合わせについては特に述べなかったが、これらの組み合わせであっても本発明を適用できるのはもちろんである。
【0044】
さらに、この実施形態では、NRS/BSF型の太陽電池セルを例にとって説明したが、NRS/LBSF(Non−Reflective Surface/Locally diffused Back Surface Field )型の太陽電池セルや、シリコン以外の結晶を用いた太陽電池セルについても、構造や結晶が異なるだけであるから、本発明を同様に適用できるのは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
【0046】
(1)従来に比べてテクスチャの占有面積をより大きく確保することができるため、電気出力を改善することができる。
【0047】
特に、宇宙用太陽電池セルの場合は、放射線劣化によるキヤリアライフタイムの影響を受けにくくするために、より大きいテクスチャ領域を形成することが、太陽電池セルの出力改善に有効である。
【0048】
(2)また、太陽電池セルの外周部分には、出力があまり低下しない程度に平坦なテクスチャ非形成領域を確保しているため、クラックや割れの発生を防止でき、生産性や信頼性の高いデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る太陽電池セルの一例を示す平面図
【図2】図1の符号Aで示す部分を拡大して示す平面図
【図3】図2の符号Cで示す部分を拡大して示す平面図
【図4】大きさの異なるテクスチャを形成する場合のエッチング前後の工程別断面図で、テクスチャの大きさによらずテクスチャ間の間隔を全て同じ間隔で形成する場合
【図5】大きさの異なるテクスチャを形成する場合のエッチング前後の工程別断面図で、テクスチャの大きさに応じてテクスチャ間の間隔を変える場合
【図6】本発明の他の実施形態の太陽電池セルの一例を示す平面図
【図7】本発明の他の実施形態の太陽電池セルの一例を示す平面図
【図8】本発明の他の実施形態の太陽電池セルの一例を示す平面図
【図9】NRS/BSF型の太陽電池セルの断面図
【図10】テクスチャ表面での光の反射と屈折の説明図
【図11】従来の太陽電池セルの一例を示す平面図
【図12】図11の符号Bで示す部分を拡大して示す平面図
【図13】図12の符号Dで示す部分を拡大して示す平面図
【図14】テクスチャ構造を形成する場合の工程別の断面図
【符号の説明】
1 太陽電池セル
2 表面電極
3 N+拡散層
4 シリコン基板
5 P+拡散層
6 裏面電極
7 酸化膜層
8 テクスチャ
9a〜9k テクスチャ
10 反射防止膜
15 フォトレジスト
18 外周部分
d,d1 ,d2 間隔
F テクスチャ形成領域
Claims (10)
- 受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域にテクスチャが形成された太陽電池セルにおいて、
テクスチャが、ほぼ正四角錐の逆ピラミッド型の凹形状を有し、テクスチャ形成領域の周辺部分とその周辺部分よりも内側に位置する内側部分とで、異なる大きさに設定されていることを特徴とする太陽電池セル。 - 周辺部分に形成されたテクスチャの大きさが、内側部分に形成されたテクスチャの大きさよりも小さい請求項1記載の太陽電池セル。
- 周辺部分に形成されたテクスチャの間隔と、内側部分に形成されたテクスチャの間隔とが、異なる大きさに設定されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池セル。
- 周辺部分に形成されたテクスチャの間隔が、内側部分に形成されたテクスチャの間隔よりも広い請求項3記載の太陽電池セル。
- 太陽電池セルが、その外周部分にテクスチャが形成されない非形成領域を有していることを特徴とする請求項1記載の太陽電池セル。
- 非形成領域の幅が50μm以上であることを特徴とする請求項5記載の太陽電池セル。
- 太陽電池セルがNRS/BSF型太陽電池セルである請求項1記載の太陽電池セル。
- 受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域にテクスチャが形成された太陽電池セルであって、
テクスチャが、テクスチャ形成領域の周辺部分とその周辺部分よりも内側に位置する内側部分とで、異なる形状に設定され、内側部分に形成されたテクスチャは矩形の底部を持つ逆ピラミッド型の形状であり、周辺部分に形成されたテクスチャは尖った端部を有する多角形の底部を持つ逆ピラミッド型の形状である太陽電池セル。 - 受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域にテクスチャが形成された太陽電池セルであって、
テクスチャが、テクスチャ形成領域の周辺部分とその周辺部分よりも内側に位置する内側部分とで、異なる形状に設定され、内側部分に形成されたテクスチャはV溝状であり、周辺部分に形成されたテクスチャは逆ピラミッド型である太陽電池セル。 - 受光面側の表面電極の形成箇所を除く領域に、周辺部分の大きさがその周辺部分の内側に位置する内側部分の大きさよりも小さいテクスチャを形成する太陽電池セルの製造方法であって、
基板上に酸化膜で、小さいテクスチャの形成領域に位置するマスキングパターンの線幅のほうが、大きいテクスチャの形成領域に位置するマスキングパターンの線幅よりも大きいマスキングパターンを形成し、そのマスキングパターンをマスクとして基板をエッチングすることにより、基板に格子状のテクスチャを形成することからなる太陽電池セルの製造方法。
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1999
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