JP2014033240A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】インターコネクタの断面積を増加させること無く出力を向上させる太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】短辺長と長辺長との比が1/n:1(nは2以上の整数)である長方形をなす平面形状のうち、片方の長辺とその両端部の短辺との間に角部を斜めにカットした角落とし部が形成され、受光面に、短辺に平行な複数の受光面バス電極を有し、非受光面の受光面バス電極に対応する位置に裏面バス電極を有する、複数枚の太陽電池セル22と、第1の太陽電池セルの受光面バス電極と、第1の太陽電池セルに隣接する第2の太陽電池セルの裏面バス電極とを電気的に接続するインターコネクタと、を備え、第1の太陽電池セルと第2の太陽電池セルとが、角落とし部が形成されている側とは反対側の長辺同士が対向するように配置されている。
【選択図】図15

Description

本発明は、太陽等の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電システムにおいて、屋根等に複数枚並べて設置される太陽電池モジュールに関するものである。
主な材料としてシリコンを原料とするウエハを用いた結晶系太陽電池モジュールの発電性能は、発電素子である太陽電池セルの性能向上によってモジュールの発電性能の向上がなされている。
しかし、セルの効率向上に伴い、電流が大きくなり、モジュール化する際にセル同士を接続する主に銅からなる配線部材(インターコネクタ)での抵抗ロスが大きくなるため、モジュール化後の性能向上分としては、セルの性能向上分がそのまま増えるわけではなく、上記インターコネクタでの抵抗ロスの増加分だけ少なくなってしまう。
この改善策として、従来、インターコネクタの断面積を大きくすることにより抵抗ロスを低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−251613号公報
しかしながら、従来提案のもののようにインターコネクタの断面積を大きくしようとする場合、幅か厚みのどちらかを大きくする必要があるが、幅を大きくするとセルの受光面積が減少し、発電量を低下させてしまうため、一般的には厚みを大きくすることが考えられるが、インターコネクタをセル上の電極に半田接合する際に付与する熱の影響により、セルに生じる残留応力が大きくなるため、セルが破損する確率が増え歩留まりが悪くなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、インターコネクタの断面積を増加させること無く出力を向上させる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池モジュールは、短辺長と長辺長との比が1/n:1(nは2以上の整数)である長方形をなす平面形状のうち、片方の長辺とその両端部の短辺との間の角部を斜めにカットした角落とし部が形成され、受光面に、短辺に平行な複数の受光面バス電極を有し、非受光面の受光面バス電極に対応する位置に裏面バス電極を有する、複数枚の太陽電池セルと、複数枚の太陽電池セルのうち、第1の太陽電池セルの受光面バス電極と、第1の太陽電池セルに隣接する第2の太陽電池セルの裏面バス電極とを電気的に接続するインターコネクタと、を備え、第1の太陽電池セルと第2の太陽電池セルとが、角落とし部が形成されている側とは反対側の長辺同士が対向するように配置されていることを特徴とする。
本発明にかかる太陽電池モジュールによれば、複数のセルを直列接続するインターコネクタに流れる電流を小さくできるため、抵抗ロスを軽減することができ、太陽電池モジュールの出力を向上させることができる。また、セルの基板となる多結晶または単結晶ウエハは正方形が一般的であるが、そのウエハを半分にカットすることにより、容易にセルを得ることができるという効果を奏する。
また、第一の太陽電池セルを、n箇所の受光面電極領域のそれぞれの境界において第一の太陽電池セルをn分割し、略長方形の短辺長と長辺長との比が1/n:1(nは2以上の整数)である第二の太陽電池セルを得て、第二の太陽電池セルの受光面バス電極と隣接する太陽電池セルの裏面バス電極とをインターコネクタにより電気的に接続することで、抵抗ロスを軽減する太陽電池モジュールを容易に作製することができるという効果を奏する。
図1は、太陽電池モジュールの斜視図であり、太陽電池パネルに枠部材を取り付ける様子を示している図である。 図2は、複数の太陽電池セルがリード線により順次接続されてなるセルアレイが太陽電池パネル内に封止されている様子を示す斜視図である。 図3は、太陽電池セルに受光面バス電極を接合した様子を示す上面図である。 図4は、太陽電池セルに裏面バス電極を接合した様子を示す裏面図である。 図5は、複数の太陽電池セルを直列に接続した様子を上方から見た斜視図である。 図6は、複数の太陽電池セルを直列に接続した様子を下方から見た斜視図である。 図7は、各部品を積層する状態を示す太陽電池セルの分解斜視図である。 図8は、隣接する2つの太陽電池セルの接続状態を示す断面図である。 図9は、実施の形態2の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池セルに受光面バス電極を接合した様子を示す上面図である。 図10は、同じく太陽電池セルに裏面バス電極を接合した様子を示す裏面図である。 図11は、実施の形態2の太陽電池セルを接続する様子を示す上面図である。 図12は、実施の形態2のセルアレイの接続のされ方を示す模式図である。 図13は、実施の形態3の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池セルに受光面バス電極を接合した様子を示す上面図である。 図14は、同じく太陽電池セルに裏面バス電極を接合した様子を示す裏面図である。 図15は、実施の形態3のセルアレイの接続のされ方を示す模式図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、太陽電池モジュールの斜視図であり、太陽電池パネルに枠部材を取り付ける様子を示している。図2は、複数の太陽電池セルがリード線により順次接続されてなるセルアレイが太陽電池パネル内に封止されている様子を示す斜視図である。図3は、太陽電池セルに受光面バス電極を接合した様子を示す上面図である。図4は、太陽電池セルに裏面バス電極を接合した様子を示す裏面図である。図5は、複数の太陽電池セルを直列に接続した様子を上方から見た斜視図である。図6は、複数の太陽電池セルを直列に接続した様子を下方から見た斜視図である。図7は、各部品を積層する状態を示す太陽電池セルの分解斜視図である。図8は、隣接する2つの太陽電池セルの接続状態を示す断面図である。
太陽電池モジュール90は、平板状の太陽電池パネル70とこの太陽電池パネル70の外縁部を全周にわたって囲む枠部材80とを有している(図1)。太陽電池パネル70は、縦横に複数配列された太陽電池セル20を樹脂封止し、その受光面側を透光性を有するガラスなどの表面カバー材3で覆い、裏面側(非受光面側)を裏面カバー材10で覆って構成されている(図7,8)。
複数の太陽電池セル20は、受光面側リード線(インターコネクタ)4及び裏面側リード線(インターコネクタ)7により、第1の方向である図中X方向に直列に接続されている(図5〜7)。ただし、太陽電池パネル70の端部においては、Y方向に接続されている箇所もある。なお、受光面側リード線4及び裏面側リード線7として、一般的にタブ線と呼ばれる半田が供給(被覆あるいは塗布)された帯状の銅箔を用いている。太陽電池パネル70の内部には、太陽電池セル20がリード線4,7により順次接続されてなるセルアレイ5が樹脂8により封止されている(図2)。
枠部材80は、アルミニウムなどの押出成型にて作製され、断面コの字形を成すコ字状部で太陽電池パネル70の外縁部を全周にわたって覆っている(図1)。枠部材80は、ブチル系の封止材またはシリコン系の接着剤などを介して太陽電池パネル20に固定され、太陽電池パネル20を補強するとともに、太陽電池パネル20を住宅やビルなどの建物や地面や構造物に設けられた架台に取り付けるための役割を有する。
太陽電池パネル70は、受光面側から、透光性を有する表面カバー材(ガラス)3と、複数の太陽電池セル20及びこれら太陽電池セル20を直列に接続する受光面側リード線4及び裏面側リード線7がEVA(エチレンビニルアセテート)等の樹脂8(8a,8b)で封止されたセル配置層9と、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPVF(ポリビニルフルオライド)等でなる耐候性に優れたバックシート10(裏面カバー材)とが、積層された構成となっている(図7,8)。
図3,4に示すように本実施の形態の太陽電池セル20は、平面形状が略長方形であり、長方形の短辺長Sと長辺長Lとの比が1/2:1となっている。従来の太陽電池セルは、一般に156mm×156mm或いは125mm×125mmの正方形であるが、本実施の形態の太陽電池セル20は、上記寸法で正方形に作製した太陽電池セルを、接続される際の第1の方向(受光面バス電極(受光面リード接続電極)14が延びる方向)に2分割して作製するので上記形状となっている。
太陽電池セル20は、およそ150〜300μmほどの厚みのp型シリコンを基板として以下のように構成される。p型層となるp型シリコン基板11の表面側には、リン拡散によってn型拡散層(不純物層拡散層:図示せず)が形成され、さらに入射光の反射を防止して変換効率を向上させるためのシリコン窒化膜よりなる反射防止膜11a(図3)が表面処理により設けられて、太陽電池セル20の受光面となっている。また、p型シリコン基板(以下、単に基板)11の裏面側には、高濃度不純物を含んだp+層(図示せず)が形成され、さらに入射光の反射及び電力の取り出しを目的として裏面のほぼ全面にわたってアルミニウムによる裏面集電電極12が設けられている。
また、基板11の受光面には、入射光から変換された電気エネルギーを取り出す受光面側電極として、銀で形成された細線電極であるグリッド電極13と同じく銀で形成された所定幅の受光面バス電極(受光面リード接続電極)14とが形成され、それぞれ底面部において上記n型拡散層と電気的に接続している。受光面バス電極14は、太陽電池セル20の接続方向である第1の方向に沿って2本が平行に形成されている。グリッド電極13は、受光面バス電極14と直交する方向に多数本が細形に形成されている。グリッド電極13は、受光面にて発電した電力を無駄なく取り出すために、できるだけ細く、また受光面(表面)の全体にわたるように形成されている。太陽光が当たることによって、図3の受光面側がマイナス(−)電極、図4の裏面側がプラス(+)電極となる。受光面バス電極14は、受光面側リード線4が接続されて、グリッド電極13によって集められた電気エネルギーをさらに外部に取り出すために設けられている(図3)。なお、図3及び図5等において、受光面バス電極14は、受光面側リード線4より細く記載されているが、これは、受光面バス電極14と受光面側リード線4とが重なる様子をわかりやすく表現するためであり、実際には受光面バス電極14と受光面側リード線4とは同じ幅である。
一方、基板11の裏面には、裏面のほぼ全面を覆うようにしてアルミニウムでなる裏面集電電極12が設けられている。また、基板11の裏面のグリッド電極13と対応した位置(グリッド電極13と基板11の厚さ方向に重なる位置)には、銀でなる裏面バス電極(裏面リード接続電極)15が太陽電池セル20の接続方向である第1の方向に延びて形成されている。裏面バス電極15は、裏面側リード線7が接続されて、裏面集電電極12によって集められた電気エネルギーをさらに外部に取り出すために設けられている(図4)。なお、図4及び図6等において、裏面バス電極15は、裏面側リード線7より太く記載されているが、これは、裏面バス電極15と裏面側リード線7とが重なる様子を表現するためであり、実際には裏面バス電極15と裏面側リード線7とは同じ幅である。
基板11の裏面は、前面にわたって銀電極にて覆ってもよいがコストが嵩むため、上記のように特に裏面側リード線7を接続する箇所のみ銀製の裏面バス電極15が設けられている。なお、裏面バス電極15は、本実施の形態のように直線状なもののほかに、離散的にドット状(飛び石状)に設けられる場合もある。そして、本実施の形態においては、以上のようにして正方形に作製した太陽電池セルを受光面側リード線4及び裏面側リード線7にて相互に接続する前に、受光面バス電極14が延びる方向に二分割して、短辺長Sと長辺長Lとの比が1/2:1の長方形の太陽電池セル20を得る。
分割された太陽電池セル20を得るにあたっては、まず、所定の工程を行うことにより、正方形の基板11に受光面バス電極14、グリッド電極13、裏面集電電極12、及び裏面バス電極15を形成して基礎となる太陽電池セル(第1の太陽電池セル)を作製する。このとき、これら各電極が形成される受光面電極領域と裏面電極領域は、分割する線に合わせて2つの領域に分けて形成しておく、そして、分割線に沿って切断することにより上記長方形の太陽電池セル20を得る。なお、本実施の形態の太陽電池セル20は、正方形に作製した太陽電池セルを二分割しているが、三分割、或いは四分割とさらに多数に分割(n分割)してもよい。n分割する場合には、受光面電極領域と裏面電極領域とをあらかじめn箇所に分けて形成しておく。
このように構成された太陽電池セル20では、太陽光が太陽電池セル20の受光面側(反射防止膜側)から照射されて、内部のpn接合面(p型層とn型拡散層との接合面)に到達すると、このpn接合面において合体していたホールと電子が分離する。分離した電子はn型拡散層に向かって移動する。一方、分離したホールはp+層に向かって移動する。これにより、n型拡散層とp+層との間に、p+層の電位が高くなるようにして電位差が発生する。その結果、n型拡散層に接続した表面電極がマイナス極、p+層に接続した裏面電極がプラス極となって、外部回路(図示せず)を接続すれば電流が流れ、太陽電池としての動作を示す。太陽電池セル1枚の出力電圧は小さいが、太陽電池モジュール90においてはこの太陽電池セル20を複数枚直列に或いは並列に接続することにより使用しやすい電圧まで大きくしている。
太陽電池セル20の直列接続は、第1の方向に配列された複数の太陽電池セルにおいて、第1の太陽電池セル20(20A)の受光面バス電極14と、これに隣接する第2の太陽電池セル20(20B)の裏面バス電極15とを帯状のリード線4,7により電気的に接続することによりなされる(図5〜8)。
本実施の形態においてリード線4,7は、受光面側リード線4と裏面側リード線7とに分割して設けられている。両リード線のうち、受光面側リード線4は、受光面バス電極14の上に延び、当該受光面バス電極14に半田接合(機械的及び電気的に接続)されている。なお、受光面側リード線4には、太陽電池セル20より長さを長くされた延長部4aが設けられており、受光面バス電極14上に半田接合された際、一端側に突出する(図3,5,9)。
裏面側リード線7は、裏面バス電極15上に延び、当該裏面バス電極15に半田接合(機械的及び電気的に接続)されている。そして、第1の太陽電池セル20(20A)と第2の太陽電池セル20(20B)とを直列接続するために、第1の太陽電池セル20(20A)の受光面側リード線4と第2の太陽電池セル20(20B)の裏面側リード線7とが半田接合されている。すなわち、第1の太陽電池セル20(20A)の受光面側リード線4の延長部4aが、隣接する第2の太陽電池セル20(20B)の裏面側にもぐり込み、裏面バス電極15上に半田接合されている裏面側リード線7に半田接合される。ここでは、隣接する2つの第1の太陽電池セル20(20A)と第2の太陽電池セル20(20B)の接続のみ説明しているが、実際には、同様の接続が繰り返されて複数の太陽電池セル20が直列に接続されている。なお、本実施の形態においては、リード線は、上記のように受光面側リード線4と裏面側リード線7とに分割して設けられているが、連続する1本のリード線とされてもよい。
受光面側リード線4を受光面バス電極14上に重ね合わせ、また裏面側リード線7を裏面バス電極15上に重ね合わせてそれぞれ配置し、続いて、受光面側リード線4及び裏面側リード線7を加熱しながら部分的もしくは全長にわたり太陽電池セル20側に押圧する。受光面側リード線4及び裏面側リード線7は半田被覆されているので加熱によりこの半田が溶け、その状態で押圧することによりリード線4,7とバス電極14,15とが半田接合される。次に、第1の太陽電池セル20(20A)と第2の太陽電池セル20(20B)とを並べて、第1の太陽電池セル20(20A)の受光面側リード線4の延長部4aを第2の太陽電池セル20(20B)の裏面側にもぐりこませて裏面側リード線7の端部と重ね、加熱しながら押圧して半田接合する。なお、受光面側リード線4及び裏面側リード線7と太陽電池セル20との接続と、受光面側リード線4と裏面側リード線7との接続とは同じ工程にて同時に行なってもよい。
このようにして太陽電池セル20が複数枚直列に接続されたセルアレイ5が、図7に示すように表面カバー材(ガラス)3とバックシート10(裏面カバー材)との間に樹脂8a,8bで封止されて太陽電池パネル70とされ、この太陽電池パネル70に図1に示すように枠部材80が取り付けられ、さらに出力用ケーブル(+極、−極)(図示しない)が端子ボックス(図示しない)を介して接続されて、太陽電池モジュール90が構成され、その出力電圧は太陽電池セル20の電圧が複数枚分直列接続された値となる。
このような構成の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セル20を二分割することにより、太陽電池セル20の1枚あたりの電流を半分にすることができるため、電気接続による抵抗損失を低減できる。したがって、分割しない従来の正方形の太陽電池セルを搭載する太陽電池モジュールよりも高出力の太陽電池モジュールとすることができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池セルに受光面バス電極を接合した様子を示す上面図である。図10は、同じく太陽電池セルに裏面バス電極を接合した様子を示す裏面図である。図11は、実施の形態2の太陽電池セルを接続する様子を示す上面図である。図12は、実施の形態2のセルアレイの接続のされ方を示す模式図である。本実施の形態の太陽電池セル21は、実施の形態1のものと同じように、正方形の太陽電池セルを受光面バス電極14が延びる方向に二分割して作製され、短辺長Sと長辺長Lとの比が1/2:1となっている(図9)。
本実施の形態の太陽電池セル21は、図9に示すように、受光面側において、短辺と平行に延びる受光面バス電極14は4本が設けられており、各々に受光面側リード線4が接合されている。一方、裏面側においては、受光面バス電極14に対応した位置(受光面バス電極14と基板11の厚さ方向に重なる位置)には、銀でなる裏面バス電極(裏面リード接続電極)15Bが太陽電池セルの接続方向である第1の方向にリードにドット状(飛び石状)に4列設けられている。各列の裏面バス電極15Bには、裏面側リード線7が接合されている。複数の太陽電池セル21は、4本の受光面バス電極14と4本の裏面バス電極15Bとが、受光面側リード線4と裏面側リード線7とで実施の形態1と同じように順次直列に接続される。
図11及び図12に示すように、太陽電池セル21が、所定枚数直列に接続されて第1のセルストリング17(17A)が形成されている。また、太陽電池セル21が、同じ枚数だけ直列に接続されて第2のセルストリング17(17B)が形成されている。そして、第1のセルストリング17(17A)と第2のセルストリング17(17B)とが、それぞれの終端部同士をストリングコネクタ16で接合されて、第1の並列接続のセルストリング18(18A)を形成している。さらに、この第1の並列接続のセルストリング18(18A)と同じように接続された第2の並列接続のセルストリング18(18B)とが、ストリングコネクタ16にて直列に接続されている(図12)。そして、同じようにして列接続のセルストリング18の所定列数だけ直列に接続されている。
このようにして太陽電池セル21が複数枚直列に接続されたセルアレイ5が、図7に示すように表面カバー材(ガラス)3とバックシート10(裏面カバー材)との間に樹脂8a,8bで封止されて太陽電池パネル70とされ、この太陽電池パネル70に図1に示すように枠部材80が取り付けられ、さらに出力用ケーブル(+極、−極)(図示しない)が端子ボックス(図示しない)を介して接続されて、太陽電池モジュール90が構成される。
なお、図12において、第1の並列接続のセルストリング18(18A)と第2の並列接続のセルストリング18(18B)とが直列に接続されているが、詳しくは第1の並列接続のセルストリング18(18A)の終端セル(ストリングコネクタ16に最も近い位置にあるセル)の受光面バス電極14に接合された受光面側リード線4がストリングコネクタ16に接続され、そのストリングコネクタ16と第2の並列接続のセルストリング18(18B)の先頭セル(ストリングコネクタ16に最も近い位置にあるセル)の裏面バス電極15Bに接合された裏面側リード線7に接続されている。すなわち、セルストリング18同士は極性を考慮して電気的に直列に接続されなければならないため、第1の並列接続のセルストリング18(18A)と第2の並列接続のセルストリング18(18B)とでは電気的に言えば方向が変わることになる。
本実施の形態の太陽電池セル21においても、縦横の長さが同じ略正方形のp型シリコン基板に所定のプロセスを経て得られるセルを二等分することによって形成することができる。セルの面積が半分になるため、発電電流が半分になり、したがってリード線4,7に流れる電流が正方形のものと較べ半分となる。その結果、リード線4,7の抵抗ロス(W)はW=(リード線4,7の電気抵抗)×(流れる電流) の関係から、1/4に低減することができ、太陽電池モジュールの出力を向上させることができる。
また、モジュール内のセルの配置(接続)について考えると、二分割されたセルを全数直列接続した場合のモジュールが得られる特性は、非分割セルを全数直列接続した同一外形寸法のモジュールの特性に対して、電流が半分、電圧が2倍となる。
一枚の非分割セルの電圧をV、電流をIとし、これを60枚直列接続してモジュールを構成したとすると、モジュール一枚の電圧は60×V、電流はIとなる。これに対して、二分割されたセルの電圧はV、電流は0.5×Iであるので、これを120枚(モジュールの外形寸法が同一なので二分割されたセルの使用枚数は倍になる)直列接続して構成したモジュールでは、その電圧は120×V、電流は0.5×Iとなる。すなわち、モジュールとしての電気出力特性が異なるため、インバータへの接続方法に対して、屋根の上へのモジュールの配置(屋根上での直・並列接続枚数)を大幅に変えなければならないなどの配慮をする必要があった。
ここで、前述したように、二分割されたセルを所定の枚数だけ直列接続したセルストリングを二組並列接続した並列セルストリングを構成し、その並列セルストリングを全て直列接続するような構成とすれば、そのモジュールの電気出力特性は、電圧が60×V、電流がIとなり、非分割セルを全数直列接続したモジュールと同等の特性となる。したがって、インバータへの接続方法に対して、屋根上でのモジュール配置(屋根上での直・並列接続枚数)を大幅に変えなければならないなどの配慮をする必要がない。さらには既設の太陽光発電システムで従来の非分割セルによるモジュールが故障した場合、特性が同等なので二分割セルによるモジュールを代替品として使用することも可能である。
なお、前述したように、二分割されたセルによるモジュールは、電流値が半分になったことによりリード線4,7による抵抗ロスが低減されているが、上記の説明においては、わかりやすくするために抵抗ロス分については無視して説明している。
実施の形態3.
図13は、実施の形態3の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池セルに受光面バス電極を接合した様子を示す上面図である。図14は、同じく太陽電池セルに裏面バス電極を接合した様子を示す裏面図である。図15は、実施の形態3のセルアレイの接続のされ方を示す模式図である。
本実施の形態の太陽電池セル22は、実施の形態1のものと同じように、正方形の太陽電池セルを、受光面バス電極14が延びる方向に二分割して作製され、短辺長Sと長辺長Lとの比が1/2:1となっている。そして、太陽電池セル22は、短手方向1側の端部にて、長辺とその両端部の短辺との間に形成された角部が略45度にカットされたような形状となっている。その他の構成は実施の形態2と同様である。このような角部を落とされた角落とし太陽電池セル22は、実施の形態2の太陽電池セル21に置き換わり同じように太陽電池モジュールを構成する。
角落とし太陽電池セル22は、受光面バス電極14と裏面バス電極15Bが、長辺の中点を通り、短辺に平行な仮想中心線CLに対して線対称となるようなパターンとして形成されている。
二分割されたセルは略長方形の長辺あるいは短辺の方向を揃えてモジュール内に配置される。その際、任意のセルの受光面バス電極14と隣接したセルの裏面バス電極15Bとが一直線上に存在すればリード線4,7によってそれらのセル同士を最短距離で接続でき、また接続作業も容易である。また上述したような、受光面バス電極14と裏面バス電極15Bが、仮想中心線CLに対して線対称となるように形成されている太陽電池セル22であれば、セルが180゜回転された場合でもされない場合でも、受光面側の受光面バス電極14と裏面バス電極15Bとが、一直線上にあるようになるため、リード線4,7をそのまま延長することで接続することができる。すなわち、受光面バス電極14と裏面バス電極15Bとが一直線上にあるようにするために、セルの並べる方向を揃えるという作業が不要になる。
図15に示すように、本実施の形態のセルアレイ5においては、角落とし太陽電池セル22を直列に接続してセルストリング17A,17Bを形成する際に、隣り合う太陽電池セル22の向きを180°変えて(例えば、角落としがされてない側の長辺が対向するように)接続してセルアレイ5を構成している。
一般に、単結晶シリコン基板は、原料となるインゴットのサイズ制約から角部に略45度の角落とし部が付くものが多い。したがって基板を二分割した状態のままモジュール内に配置すると、角落とし部が配置されたセルの上辺側、下辺側、・・・というように交互に現れることになる。角落とし部を例えば必ず上辺側に配置されるようにしようとすると、二分割したセルの下半分側のセルは180゜回転させて配置しなければならない。その際、180゜回転させても受光面バス電極14と裏面バス電極15Bとが一直線上にあるようにすれば、リード線4,7で直列接続することが可能となる。上述したような、受光面バス電極14と裏面バス電極15Bとが、長辺の中点を通り、短辺に平行な仮想中心線CLに対して線対称となるように形成されている本実施の形態の太陽電池セル22であれば、それが可能である。
実施の形態4.
従来の略正方形のセルを二分割して略長方形のセルを2枚生成する場合において、元の略正方形セルを分割する線に沿った領域には所定の幅だけ受光面バス電極、グリッド電極、裏面バス電極をあらかじめ生成しないようにする。すなわち、二分割した略長方形のセルの周縁部には上記電極の存在しない領域ができる。
このように作製した太陽電池セルによれば、二分割した略長方形のセルの周縁部に電極を形成しないことにより、分割した際に生じる分割端部のダメージによりセルの特性が低下するのを抑制できるほか、リード線(インターコネクタ)接合時の熱応力がセル端部に伝播するのを防ぐことにより、モジュール化時にセルが破損するのを抑制することができる。また、セル周縁部はモジュールの裏面カバー材で反射した二次光を取り込むことができるため、モジュールの特性向上効果もある。
以上のように、本発明にかかる太陽電池モジュールは、太陽等の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電システムにおいて、屋根等に複数枚並べて設置される太陽電池モジュールに適用されて有用なものであり、特に受光面に略長方形の短辺に平行な複数の受光面バス電極を有し、非受光面の受光面バス電極に対応する位置に裏面バス電極を有する複数枚の太陽電池セルを備えた太陽電池モジュールに適用されて最適なものである。
3 表面カバー材(ガラス)、4 受光面側リード線(インターコネクタ)、4a 延長部、5 セルアレイ、7 裏面側リード線(インターコネクタ)、8,8a,8b 樹脂(封止材)、9 セル配置層、10 裏面カバー材、11 p型シリコン基板、12 裏面集電電極、13 グリッド電極、14 受光面バス電極(受光面リード接続電極)、
15,15B 裏面バス電極(裏面リード接続電極)、16 ストリングコネクタ、17,17A,17B セルストリング、20,20A,20B,21,22 太陽電池セル、70 太陽電池パネル、80 枠部材、90 太陽電池モジュール。

Claims (6)

  1. 短辺長と長辺長との比が1/n:1(nは2以上の整数)である長方形をなす平面形状のうち、片方の長辺とその両端部の短辺との間の角部を斜めにカットした角落とし部が形成され、受光面に、前記短辺に平行な複数の受光面バス電極を有し、非受光面の前記受光面バス電極に対応する位置に裏面バス電極を有する、複数枚の太陽電池セルと、
    前記複数枚の太陽電池セルのうち、第1の太陽電池セルの前記受光面バス電極と、前記第1の太陽電池セルに隣接する第2の太陽電池セルの前記裏面バス電極とを電気的に接続するインターコネクタと、を備え、
    前記第1の太陽電池セルと前記第2の太陽電池セルとが、前記角落とし部が形成されている側とは反対側の長辺同士が対向するように配置されている
    ことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記受光面バス電極および前記裏面バス電極は、前記長辺の中点を通り前記受光面バス電極に平行な直線に対して線対称となるパターンとして形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 直列に接続された前記太陽電池セルがセルストリングを構成し、n列の前記セルストリングが並列に接続され、並列に接続されたn列の前記セルストリングがさらに直列に接続されて全体のセルアレイを構成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  4. 直列に接続された前記太陽電池セルがセルストリングを構成し、2列の前記セルストリングが並列に接続され、並列に接続された2列の前記セルストリングがさらに直列に接続されて全体のセルアレイを構成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記太陽電池セルは、その外周縁部に、縁からセル中心方向に向かって所定の寸法内には前記受光面バス電極、前記裏面バス電極のいずれも形成されていない領域を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記太陽電池セルは、
    平面形状が正方形をなし、受光面側に、前記正方形の一辺に平行な複数の受光面バス電極と前記受光面バス電極と直交する複数のグリッド電極とが設けられた受光面電極領域をn箇所有し、非受光面側の前記受光面側バス電極に対応する位置に裏面バス電極を有する基礎の太陽電池セルを、
    前記n箇所の受光面電極領域のそれぞれの境界に沿ってn分割することによって得られる
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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