以下に、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュールを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100を受光面側から見た斜視図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100を受光面側から見た分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100の要部断面図である。本実施の形態にかかる太陽電池モジュール100は、図1から図3に示すように、太陽電池アレイ70における受光面側が受光面側封止材33および受光面保護材31で覆われ、太陽電池アレイ70における受光面と反対側の裏面側が裏面側封止材34および裏面保護材32で覆われているとともに、外周縁部が補強用のフレーム40で周囲が囲まれている。
図4は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池アレイ70を裏面側から見た斜視図である。図5は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池ストリング50を受光面側から見た斜視図である。図6は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池ストリング50を裏面側から見た斜視図である。図7は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100を構成する太陽電池セル10を受光面側から見た平面図である。図8は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュールを構成する太陽電池セル10を受光面側と反対側の裏面側から見た平面図である。
図4に示すように、太陽電池アレイ70は、複数の太陽電池ストリング50が、横タブ線25および出力タブ線26で電気的および機械的に直列または並列に接合されて構成されている。
また、図3から図6に示すように、太陽電池ストリング50は、隣り合って配置された四角形状を呈する複数の太陽電池セル10がインタコネクタ20で電気的および機械的に直列に接続されて構成されている。複数の太陽電池セル10は、図3から図6に示すように、インタコネクタ20により、第1方向である図中X方向に直列に接続されている。第1方向は、インタコネクタ20により接続された複数の太陽電池セル10の連結方向である。
太陽電池セル10は、n型拡散層が形成されてpn接合が形成されたp型単結晶シリコン基板で構成された四角形状を呈する半導体基板11の第1主面である受光面11A側に、光の集光率を高めるためにテクスチャエッチングにより凹凸形状が形成されている。ここでは、半導体基板11の外形は、半導体基板11の面方向において正方形状を有する。n型拡散層は、受光面11A側に形成されている。そして、受光面11Aの上に反射防止膜であるシリコン窒化膜が成膜されている。なお、図面においては、凹凸形状および反射防止膜の図示を省略している。また、太陽電池セル10は、半導体基板11の受光面11A側に受光面電極12が、裏面11Bに裏面電極13が形成されている。
太陽電池セル10の受光面10A側には、光−電子変換により発生した電子を集める受光面集電電極である複数の受光面グリッド電極12Gと、インタコネクタ20を接合する受光面接合電極である受光面バス電極12Bとが形成されている。受光面グリッド電極12Gは、光電流を集めるための電極であり、太陽光が太陽電池セル10の内部に到達するのを妨げないようにしながら光電流を集めるために、細い直線状の電極を複数本並行に並べて形成されている。
また、受光面バス電極12Bは、図7に示すように太陽電池セル10の連結方向である第1方向に沿って、太陽電池セル10のほぼ全長に渡ってライン状に4列に設けられている。すなわち、受光面バス電極12Bは、受光面グリッド電極12Gと直交する方向に沿って、全ての受光面グリッド電極12Gと接続して設けられている。なお、便宜上、図1、図2、図4および図5においては、受光面バス電極12Bが2列に設けられている場合を示している。受光面バス電極12Bは、インタコネクタ20と電気的に接合するために設けられる電極である。受光面バス電極12Bおよび受光面グリッド電極12Gは、金属粒子を有する導電性ペーストを所望の範囲に塗布して焼成することで形成されている。
太陽電池セル10の裏面10B側には、アルミニウム(Al)を含む裏面集電電極13aおよび銀(Ag)を含む裏面接合電極13bが形成され、裏面電極13を構成している。裏面集電電極13aは、開放電圧および短絡電流を向上させるための図示しない裏面電界層(BSF)を形成するため、および裏面側の電流を集めるために設けられる電極であり、太陽電池セル10の裏面10Bのほぼ全域を覆う。
また、裏面接合電極13bは、裏面集電電極13aで集電された正孔を外部に取り出し、外部電極とコンタクトを取るために設けられる電極である。すなわち、裏面接合電極13bは、インタコネクタ20と電気的に接合するために設けられる電極である。裏面接合電極13bは、受光面バス電極12Bと同様に、太陽電池セル10の連結方向である第1方向に沿って設けられている。そして、裏面接合電極13bは、半導体基板11を挟んで、受光面バス電極12Bと対向する位置に配置されている。
本実施の形態の裏面接合電極13bは、図8に示すように太陽電池セル10の連結方向である第1方向に沿って、太陽電池セル10のほぼ全長に渡って飛び石状に4列に設けられている。裏面接合電極13bを飛び石状に形成することにより、銀の使用量を抑えて製造コストを抑制することができる。裏面集電電極13aおよび裏面接合電極13bは、前述したようにAlまたはAgなどの金属粒子を有する導電性ペーストを所望の範囲に塗布して焼成することで形成されている。
図9は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における太陽電池セル10とインタコネクタ20との接続を説明する分解斜視図であり、受光面側から見た分解斜視図である。図10は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における太陽電池セル10とインタコネクタ20との接続を説明する分解斜視図であり、裏面側から見た分解斜視図である。
図5、図6、図9、図10に示すように、太陽電池ストリング50においては、隣り合う2つの太陽電池セル10のうち一方の太陽電池セル10の第1主面である受光面11Aと、隣り合う2つの太陽電池セル10のうち他方の太陽電池セル10の第2主面である裏面11Bとが、交互に4本のインタコネクタ20で接続されている。そして、インタコネクタ20は、太陽電池セル10の裏面10Bに形成された裏面接合電極13bに裏面側接続領域23bがはんだ接合され、隣接する太陽電池セル10の受光面10Aに形成された受光面バス電極12Bに受光面側接続領域23aがはんだ接合されている。すなわち、太陽電池セル10の受光面10A上に形成された受光面バス電極12Bと接続したインタコネクタ20は、隣接する太陽電池セル10の裏面10B上に形成された裏面接合電極13bに接続されることで、複数の太陽電池セル10を直列に接続している。
また、裏面接合電極13bは半導体基板11を挟んで受光面バス電極12Bと対向する位置に配置されている。したがって、1つの太陽電池セル10において、裏面接合電極13bに接合されたインタコネクタ20の裏面側接続領域23bと、受光面バス電極12Bに接合されたインタコネクタ20の受光面側接続領域23aとは、全ての領域ではないが少なくとも一部が対向した位置に配置されている。
なお、本実施の形態にかかるインタコネクタ20の詳細については、後述する。また、なお、図1、図2および図4においては、図示の関係上、隣り合う2つの太陽電池セル10が2本のインタコネクタ20で接続されている状態について示している。
太陽電池セル10同士を接続する配線材としてのインタコネクタ20は、銅などの金属材料からなり、太陽電池セル10に接続された際に平面視において太陽電池セル10の連結方向、すなわち第1方向に延びる長方形形状を呈している。インタコネクタ20は、一般的にタブ線と呼ばれる、表面にはんだが供給された、すなわちはんだが被覆または塗布された帯状の銅箔が用いられる。インタコネクタ20は、太陽電池セル10の受光面バス電極12Bと、隣接する太陽電池セル10の裏面接合電極13bとを接続するために、受光面側接続領域23aと裏面側接続領域23bとの間に屈曲部であるセル間領域24を有する。また、太陽電池ストリング50において用いられているインタコネクタ20は、全長、すなわち受光面側接続領域23aと裏面側接続領域23bとセル間領域24との合計の長さが全て同じ長さとされている。
太陽電池アレイ70の太陽電池セル10の裏面10B側側に配置される裏面側封止材34および受光面10A側に配置される受光面側封止材33には、透光性、耐熱性、電気絶縁性、柔軟性を有する素材が用いられ、エチレンビニルアセテート(Ethylene−Vinyl Acetate:EVA)あるいはポリビニルブチラール(Polyvinyl butyral:PVB)などの熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性の合成樹脂材が好適である。
受光面保護材31としては、透光性、耐湿性、耐候性、耐加水分解性、絶縁性に優れた材料が用いられ、ガラス基板などの剛性の高い透光性基板の他、フッ素系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)シートなどの樹脂材が用いられる。
裏面保護材32としては、耐湿性、耐候性、耐加水分解性、絶縁性に優れた材料が用いられ、フッ素系樹脂シート、アルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレート(PET)シートなどの樹脂材が用いられる。
上記においては、太陽電池セル10が接続されてなる太陽電池アレイ70、受光面保護材31、裏面保護材32、受光面側封止材33および裏面側封止材34とを含んだものを太陽電池モジュール100としているが、本明細書では受光面電極12と裏面電極13を有する太陽電池セル10同士がインタコネクタ20により接合されたものを狭義の意味で太陽電池モジュール100と呼ぶ。
つぎに、本実施の形態にかかる太陽電池モジュールの製造方法について説明する。図11は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100の製造方法の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、太陽電池セル10が形成される。p型単結晶シリコン基板を出発材料とし、光の集光率を高めるために受光面11Aにテクスチャエッチングにより凹凸形状を形成する。そして、拡散によりp型単結晶シリコン基板の受光面側に図示しないn型拡散層を形成してpn接合を形成する。さらに、n型拡散層上に反射防止膜としてのシリコン窒化膜を成膜する。
つぎに、太陽電池セル10の受光面10Aに、図7に示すように、光−電子変換によって発生した電子を集める受光面バス電極12Bと受光面グリッド電極12Gとからなる受光面電極12とを形成する。また、太陽電池セル10の裏面10Bには、図8に示すように、Al電極を含む裏面集電電極13aとAgを含む裏面接合電極13bとを形成する。本実施の形態では裏面接合電極13bをスクリーン印刷により形成した後、裏面集電電極13aをスクリーン印刷により形成する。なお、上述した太陽電池セル10の形成は、公知の技術により行うことができる。
つぎに、ステップS102において、太陽電池セル10にインタコネクタ20が接続される。すなわち、太陽電池セル10の裏面10Bに形成された裏面接合電極13b上にインタコネクタ20における裏面側接続領域23bが配置され、且つ隣接する太陽電池セル10の受光面10Aに形成された受光面バス電極12Bに該インタコネクタ20における受光面側接続領域23aが配置される。そして、インタコネクタ20に被覆されたはんだが加熱により溶融され、その後、凝固される。これにより、裏面接合電極13bと裏面側接続領域23b、および受光面バス電極12Bと受光面側接続領域23aとのはんだ接合が行われ、太陽電池セル10にインタコネクタ20が電気的および機械的に接続される。
図12は、本発明の実施の形態の受光面電極12および裏面電極13とインタコネクタ20とを電気的に接合するインタコネクタ接合工程を示す模式図である。図12に示すように、太陽電池セル10の裏面接合電極13bにインタコネクタ20における裏面側接続領域23bを重ね、受光面バス電極12Bにインタコネクタ20における受光面側接続領域23aを重ねた状態で、ヒートツール200でインタコネクタ20を加熱することで、インタコネクタ20と裏面接合電極13bとの電気的接合および機械的接合と、インタコネクタ20と受光面バス電極12Bとの電気的接合および機械的接合と、が同時に得られる。
なお、インタコネクタ20は、熱圧着等の他の方式によって太陽電池セル10に接着されてもよい。また、インタコネクタ接合工程では、裏面側のインタコネクタ20の接合工程と受光面側のインタコネクタ20の接合工程とを分けて、2回の工程で実施してもよい。
そして、以上のインタコネクタ20の接続処理を繰り返して、所望の枚数の太陽電池セル10が直列に接続された複数の太陽電池ストリング50を形成する。そして、以上のようにして得られた複数の太陽電池ストリング50を横タブ線25で接続して太陽電池アレイ70を形成する。太陽電池アレイ70は、並列に配置した複数の太陽電池ストリング50を横タブ線25としてのバスバーを用いて直列に接続し、電力取り出し用の出力タブ線26としてのバスバーを設置することで形成される。
つぎに、ステップS103において、図2に示した配置で、太陽電池アレイ70の受光面側に受光面側封止材33と受光面保護材31とを配置し、太陽電池アレイ70の裏面側に裏面側封止材34と裏面保護材32とを配置して積層体を形成する。
つぎに、ステップS104において、積層体をラミネート装置に装着し、140℃以上160℃以下で30分前後の熱処理およびラミネート処理を行う。これにより、積層体の各部材が、受光面側封止材33と裏面側封止材34と裏面保護材32とを介して一体化され、太陽電池モジュール100が得られる。
なお、上記においては、裏面接合電極13bが第1方向に沿って太陽電池セル10のほぼ全長に渡って飛び石状に設けられている場合について説明したが、裏面接合電極13bは図13に示すように第1方向に沿って太陽電池セル10のほぼ全長に渡って連続して帯状、すなわちライン状に設けられてもよい。図13は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における太陽電池セル10とインタコネクタ20との他の接続を説明する分解斜視図であり、裏面側から見た分解斜視図である。
つぎに、本実施の形態にかかるインタコネクタ20の配置について詳細に説明する。以下に示す図14から図20は、太陽電池セル10の受光面バス電極12Bおよび裏面接合電極13bに接続されるインタコネクタ20の位置を太陽電池セル10の受光面側から見た平面視において示す模式図である。ここでは、説明の便宜上、1枚の太陽電池セル10に設けられる受光面バス電極12Bの本数を偶数本である4本として説明する。
受光面バス電極12Bに接続された4本のインタコネクタ20は、太陽電池セル10の面内において、受光面バス電極12Bの延在方向に配置されている。同様に、裏面接合電極13bに接続された4本のインタコネクタ20は、太陽電池セル10の面内において、裏面接合電極13bの延在方向に沿って配置されている。ここで、受光面バス電極12Bおよび裏面接合電極13bの延在方向と、インタコネクタ20の延在方向とは、太陽電池セル10の連結方向である第1方向と同じ方向である。図14から図20において、第1方向は、図中のX方向であり、紙面の左右方向である。
また、受光面バス電極12Bに接続された4本のインタコネクタ20は、太陽電池セル10の面内において、受光面バス電極12Bの延在方向に直交する方向に平行に配列されている。同様に、裏面接合電極13bに接続された4本のインタコネクタ20は、太陽電池セル10の面内において、裏面接合電極13bの延在方向に直交する方向に平行に配列されている。ここで、受光面バス電極12Bおよび裏面接合電極13bの延在方向に直交する方向と、インタコネクタ20の配列方向とは、太陽電池セル10の面内方向において第1方向に直交する第2方向である。図14から図20において、第2方向は、図中のY方向であり、紙面の上下方向である。
また、以下では、便宜上、太陽電池セル10の面内で、第1方向に直交する第2方向において受光面バス電極12Bが設けられた部分を、図14の紙面上側から順番に第1受光面バス電極部111、第2受光面バス電極部112、第3受光面バス電極部113および第4受光面バス電極部114と呼ぶ。
図14から図20においては、太陽電池セル10の受光面10A側において受光面バス電極12Bに接続された4本のインタコネクタ20における受光面側接続領域23aとセル間領域24とを実線で示している。また、図14から図20においては、太陽電池セル10の裏面10B側において裏面接合電極13bに接続された4本のインタコネクタ20における裏面側接続領域23bを点線で示している。なお、図中においては、理解の容易のため、受光面バス電極12Bに接続されたインタコネクタ20と、裏面接合電極13bに接続されたインタコネクタ20とのY方向における位置をずらして示している。また、なお、1本のインタコネクタ20のうち、一端側である受光面側接続領域23aが第1太陽電池セル101においては受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aとなり、他端側である裏面側接続領域23bは第2太陽電池セル102においては裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bとなる。
ただし、実際には、裏面接合電極13bは半導体基板11を挟んで受光面バス電極12Bと対向する位置に配置されている。したがって、1つの太陽電池セル10において、受光面バス電極12Bに接続されたインタコネクタ20と、裏面接合電極13bに接続されたインタコネクタ20とは、太陽電池セル10の面内において第1方向に沿った同一ライン上、すなわち、第2方向における同じ領域に位置する。なお、受光面バス電極12Bおよび裏面接合電極13bの形成位置の誤差、インタコネクタ20の接合位置の誤差は、タブ付け後の太陽電池セル10の残留応力には大きな影響がないので無視できる。
また、図14から図20では、太陽電池ストリング50において連結された複数の太陽電池セル10のうち隣り合う2枚の第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102を抽出して示している。なお、図14から図20においては、理解の容易のため太陽電池セル10のうちインタコネクタ20のみについて示しており、他の部材の図示を省略している。
一般的なインタコネクタにおいては、太陽電池セルの受光面側に配置される受光面側接続領域は、第1方向において全ての受光面グリッド電極と接続する長さを有する。また、太陽電池セルの裏面側に配置される裏面側接続領域は、受光面側接続領域と同じ長さを有する。そして、一般的なインタコネクタは、受光面側接続領域と裏面側接続領域とに、セル間領域の長さを加えた長さを有する。このような一般的なインタコネクタの長さを、以下では標準長さと呼ぶ。すなわち、標準長さは、第1太陽電池セル101の受光面バス電極12Bにおける一端から、第2太陽電池セル102における裏面接合電極13bの他端までを1本のインタコネクタ20により接続する場合のインタコネクタ20の長さである。
図14は、標準長さから一様に同じ短縮長さL1だけ同じ位置を短縮したインタコネクタ20が配置された比較例の太陽電池セル10の受光面側から見た平面図である。インタコネクタ20の長さを短縮した分は、受光面側接続領域23aの長さを短くしており、太陽電池セル10の受光面側においてのみ、インタコネクタ20が接続している長さが短くなり、受光面グリッド電極と接続する長さが短くなる。
この場合は、インタコネクタ20の使用長さは減少するが、太陽電池セル10に加わる残留応力の、第1方向におけるバランスが悪化する。そして、4本のインタコネクタ20の標準長さからの短縮分は、全て第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102の受光面側における左半分の領域に集中している。残留応力は、太陽電池セル10の面内、すなわち第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102の面内において、インタコネクタ20が接続されている領域に加わる。したがって、受光面グリッド電極にインタコネクタ20が接続されていないために太陽電池セル10に残留応力が加わらない領域は、太陽電池セル10の受光面側における左半分の領域に集中している。このため、太陽電池セル10の受光面側における右半分の領域に残留応力が集中し、太陽電池セル10の面内において、第1方向における残留応力のバランスが悪化する。そして、太陽電池セル10に加わる残留応力のバランスが悪化した場合には、残留応力に起因した太陽電池セル10の割れまたは反り等の不具合の発生確率が上がる。
一方、図15から図20に示す本実施の形態にかかる太陽電池モジュール100においては、図14に示す例と同様に標準長さから一様に同じ短縮長さL1だけ短縮した短いインタコネクタ20が用いられるが、太陽電池セル10に加わる残留応力の第1方向におけるバランスの悪化を抑制するように各インタコネクタ20の配置位置を変えている。以下、標準長さから短縮した短いインタコネクタ20の長さを短縮後長さと呼ぶ。短縮後長さは、第1太陽電池セル101の受光面バス電極12Bにおける一端から、第2太陽電池セル102における裏面接合電極13bの他端までを1本のインタコネクタ20により接続する場合のインタコネクタ20の長さである。太陽電池モジュール100に用いられるインタコネクタ20は、全て同じ長さ短縮後長さを有する。
本実施の形態にかかる太陽電池モジュール100においては、インタコネクタ20は、隣り合う太陽電池セル10のうち第1太陽電池セル101の各受光面バス電極に、受光面バス電極12Bに接合する各第1インタコネクタ20aの一端側である受光面側接続領域23aが、受光面バス電極12Bの長手方向に平行な第1方向に沿って個別に接合される。また、インタコネクタ20は、第1太陽電池セル102の各裏面接合電極13bに、裏面接合電極13bに接合する各第2インタコネクタ20bの他端側である裏面側接続領域23bが、第1方向に沿って個別に接合されている。
また、1枚の太陽電池セル10に接続された複数の前記第1インタコネクタ20aにおいては、少なくとも1つの第1インタコネクタ20aの第1方向における受光面バス電極12Bとの接合領域が他の第1インタコネクタ20aと異なっている。また、1枚の太陽電池セル10に接続された複数の第2インタコネクタ20bにおいては、少なくとも1つの第2インタコネクタ20bの第1方向における裏面接合電極13Bとの接合領域が他の第2インタコネクタ20bと異なっている。
ここで、接合領域が異なっている構成について、図21および図22を用いて詳細に説明する。図21は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100の一例を受光面側から見た模式図である。図22は、図21に示す太陽電池モジュール100の一例を裏面側から見た模式図である。図21および図22では、簡略化のため、第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102の外形と、両者を接続する第1インタコネクタ20aおよび第2インタコネクタ20bと、裏面接合電極13bのみを記載している。また、図面を見易くするために、図示を省略しているが、第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102における受光面側において、第1インタコネクタ20aの下部領域に受光面バス電極12Bが形成されている。
図21および図22に示されるように、裏面接合電極13bは、各第2インタコネクタ20bごとに複数個のドット状のドット電極13bdとして形成されている。裏面接合電極13bは、4本の第2インタコネクタ20bに対応して、ドット電極13bdが第2方向に4行に、かつ第1方向に分散配置されて構成されている。受光面側から見た図21において、紙面での上から1行目および3行目の裏面接合電極13bは、7個のドット電極13bdが第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102の左辺側から等間隔で第1方向に分散配置されて構成されている。紙面での上から2行目および4行目の裏面接合電極13bは、8個のドット電極13bdが第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102の左辺側から等間隔で第1方向に分散配置されて構成されている。1行目から4行目の裏面接合電極13bにおけるドット電極13bdの第1方向における間隔Sは同じである。したがって、1行目の7個のドット電極13bdと、2行目の7個のドット電極13bdとは、第1方向において同じ位置に配置されている。また、2行目の8個のドット電極13bdと、4行目の8個のドット電極13bdとは、第1方向において同じ位置に配置されている。
インタコネクタ20のうち、一端側の第1インタコネクタ20aは受光面側において図示しない受光面バス電極12Bに接合され、他端側の第2インタコネクタ20bは裏面側において裏面接合電極13bであるドット電極13bdと接合される。
ここで、1行目および3行目の裏面接合電極13bでは、第2太陽電池セル102の左辺側から見て7個目のドット電極13bdより右側に第2インタコネクタ20bがあっても集電には寄与しない。このため、第2太陽電池セル102の左辺側から見て、7個目の第2右終端のドット電極13bdから8個目の最右終端のドット電極13bdまでの長さ分だけ第2インタコネクタ20bを短縮し、インタコネクタ20を短縮することができる。短縮されるインタコネクタ20の長さは、ドット電極13bdの第1方向における間隔Sに相当する。
一方、2行目および4行目の裏面接合電極13bでは、第2太陽電池セル102の左辺側から見て、1個目のドット電極13bdから8個目のドット電極13bdまで第2インタコネクタ20bが接続されている。
すなわち、1枚の太陽電池セル10に接続された複数の第2インタコネクタ20bにおいては、少なくとも1つの第2インタコネクタ20bの第1方向における裏面接合電極13bとの接合領域が、第2右終端のドット電極13bdから最右終端のドット電極13bdまでの長さ分だけ他の第2インタコネクタと異なっている。
また、第1太陽電池セル101と第2太陽電池セル102との接続においては、同じ長さのインタコネクタ20が使用される。ここで、1行目および3行目の受光面バス電極に接合される第1インタコネクタ20aは、第1太陽電池セル101の左辺側から見て、1個目の最左終端のドット電極13bdに対応する位置から右側の領域が受光面バス電極との接合領域となる。
一方、2行目および4行目の受光面バス電極に接合される第1インタコネクタ20aは、第1太陽電池セル101の左辺側から見て、2個目の第2左終端のドット電極13bdに対応する位置から右側の領域が受光面バス電極との接合領域となる。
すなわち、1枚の太陽電池セル10に接続された複数の第1インタコネクタ20aにおいては、少なくとも1つの第1インタコネクタ20aの第1方向における受光面バス電極12Bとの接合領域が、第2左終端のドット電極13bdから最左終端のドット電極13bdまでの長さ分だけ他の第1インタコネクタ20aと異なっている。
そして、1枚の太陽電池セル10に接続された第1インタコネクタ20aの延長上であって太陽電池セル10の受光面側に第1インタコネクタ20aが接続していない領域と、該太陽電池セル10に接続された第2インタコネクタ20bの延長上であって太陽電池セル10の裏面側に第2インタコネクタ20bが接続していない領域とが、第1方向において第1太陽電池セルにおいて仮想中央線C1を挟んで反対の領域にある。
したがって、1枚の太陽電池セル10に接続される複数の第1インタコネクタ20aのうち1つ以上の第1インタコネクタ20aの受光面側接続領域23aが、第1方向において受光面グリッド電極12Gの全長より短い長さで受光面グリッド電極12Gに接合される。または、第2インタコネクタ20bは、1枚の太陽電池セル10に接続される複数の第2インタコネクタ20bのうち1つ以上の第2インタコネクタ20bの裏面側接続領域23bが、太陽電池セル10の裏面において受光面バス電極12Bに対向する領域の全長より短い長さで裏面接合電極13bに接合される。
本実施の形態にかかる太陽電池モジュール100においては、太陽電池セル10に接続されるインタコネクタ20の配置位置の条件は、第1の配置条件と第2の配置条件との2種類がある。本実施の形態にかかる太陽電池モジュール100は、第1の配置条件と第2の配置条件とのどちらかを満たす。
第1の配置条件は、太陽電池セル10に接続される全てのインタコネクタ20の長さが短縮後長さである場合において、1つの太陽電池セル10の受光面10A側において、第2方向に隣り合うインタコネクタ20の、第1方向における接合領域の位置が異なり、1つの太陽電池セル10の裏面10B側において、第2方向に隣り合うインタコネクタ20の、第1方向における接合領域の位置が異なることである。接合領域は、インタコネクタ20が受光面グリッド電極12Gと接合されている部分である。換言すると、1つの太陽電池セル10の受光面10A側において、第2方向に隣り合うインタコネクタ20のうち、少なくとも1つのインタコネクタ20の第1方向における端部位置が他のインタコネクタ20の第1方向における端部位置と異なることである。また、1つの太陽電池セル10の裏面10B側において、第2方向に隣り合うインタコネクタ20のうち、少なくとも1つのインタコネクタ20の第1方向における端部位置が他のインタコネクタ20の第1方向における端部位置と異なることである。
この場合は、受光面10A側に接続されて第2方向で隣り合う複数のインタコネクタ20のうち、少なくとも1つのインタコネクタ20の受光面側接続領域23aの端部位置が、他のインタコネクタ20の端部位置と異なる。また、裏面10B側に接続されて第2方向で隣り合う複数のインタコネクタ20のうち、少なくとも1つのインタコネクタ20の裏面側接続領域23bの端部位置が、他のインタコネクタ20の端部位置と異なる。
なお、第1受光面バス電極部111および第2受光面バス電極部112と、第3受光面バス電極部113および第4受光面バス電極部114とは、太陽電池セル10の面内において、第2方向の仮想中央線C2を挟んで対称となる位置に、等間隔で配置されていることが好ましい。
これにより、太陽電池セル10の面内において、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域が、第1方向における片側の領域に集中することを抑制できる。すなわち、太陽電池セル10に対するインタコネクタ20のはんだ接合後にインタコネクタ20が収縮する際に太陽電池セル10の表裏面において応力の作用する位置が第1方向において一様ではなく異なり、第1方向における特定領域に残留応力が作用する残留応力の集中を抑制できる。このため、太陽電池セル10の面内における残留応力の集中による、第1方向における残留応力のバランスの悪化を抑制できる。したがって、図14に示す例に比べて、太陽電池セル10の面内における第1方向での残留応力のバランスの悪化に起因した太陽電池セル10の割れまたは反り等の不具合の発生を抑制することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
なお、太陽電池モジュール100の電力特性を大きく低下させるような影響を与えないため、第1方向におけるインタコネクタ20の受光面側接続領域23aの端部位置は、太陽電池セル10の面内において、少なくとも該インタコネクタ20が接続される隣り合う太陽電池セル10と反対側の半分の領域内の位置とされる。
図15は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における、第1の配置条件を満たすインタコネクタ20のパターン例である第1の例を示す模式図である。図15に示す第1の例では、第1太陽電池セル101の受光面バス電極12Bに接合するインタコネクタ20である第1インタコネクタ20aの第1方向における位置について、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が同じであり、且つ、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が同じである。そして、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置とは異なる。
また、図15に示す第1の例では、第1太陽電池セル101の裏面接合電極13bに接合するインタコネクタ20である第2インタコネクタ20bの第1方向における位置について、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が同じであり、且つ、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が同じである。そして、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置とは異なる。
第1方向において、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの端部の位置は、端部位置P1とされる。第1方向において、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの端部の位置は、端部位置P1よりも仮想中央線C1に近い位置である端部位置P2とされる。なお、端部位置P1は、第1太陽電池セル101の受光面バス電極12Bの一端の位置であってもよく、また該一端の位置よりも仮想中央線C1に近い位置であってもよい。
また、第1方向において、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの端部の位置は端部位置P3とされる。第1方向において、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの端部の位置は、端部位置P3よりも仮想中央線C1から離れた位置である端部位置P4とされる。なお、端部位置P4は、第1太陽電池セル101の裏面接合電極13bの他端の位置であってもよく、また該他端の位置よりも仮想中央線C1に近い位置であってもよい。
そして、第1の例では、第1の配置条件において、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、太陽電池セル10に対するインタコネクタ20の配置が同じである。
このような配置でインタコネクタ20を設けることにより、インタコネクタ20を短縮した短縮長さL1分に対応する、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域が第1方向における片側の領域に集中することを抑制できる。すなわち、第1太陽電池セル101における受光面側においては、非接合領域が仮想中央線C1よりも左側の領域に2箇所が存在し、第1太陽電池セル101における裏面側においては、非接合領域が仮想中央線C1よりも右側の領域に2箇所が存在する。すなわち、第1太陽電池セル101の面内では、第1方向において、残留応力が加わらない非接合領域のバランスが取れている。換言すると、第1太陽電池セル101の面内では、第1方向において、残留応力が加わる接合領域のバランスが取れている。したがって、図14に示す例に比べて、太陽電池セル10の面内における第1方向での残留応力のバランスの悪化に起因した太陽電池セル10の割れまたは反り等の不具合の発生を抑制することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
図16は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における、第1の配置条件を満たすインタコネクタ20のパターン例である第2の例を示す模式図である。図16に示す第2の例では、第1の例に対して、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置と、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置とが、入れ替えられている。
また、第2の例では、第1の例に対して、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置と、第2受光面バス電極部112と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置とが、入れ替えられている。
この場合も、第1の例と同様に、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域が第1方向における片側の領域に集中することを抑制でき、太陽電池セル10の面内における残留応力の集中による、第1方向における残留応力のバランスの悪化を抑制できる。
第2の配置条件は、太陽電池セル10に接続される全てのインタコネクタ20の長さが短縮後長さであり、1つの太陽電池セル10の受光面10A側および裏面10B側のそれぞれにおいて、インタコネクタ20が、太陽電池セル10の面内において、第2方向における仮想中央線C2に対して対称となる位置に配置されていることである。
これにより、第1の配置条件の場合と同様に、太陽電池セル10の面内において、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域が、第1方向における片側の領域に集中することを抑制できる。したがって、図14に示す例に比べて、太陽電池セル10の面内における第1方向での残留応力のバランスの悪化に起因した太陽電池セル10の割れまたは反り等の不具合の発生を抑制することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
また、第2の配置条件の場合は、太陽電池セル10の面内においてインタコネクタ20が、第2方向における仮想中央線C2に対して対称に配置されているため、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域が、第2方向において均等に存在し、第2方向における残留応力のバランスが良好となる。このため、太陽電池セル10の面内における残留応力の集中による、第2方向における残留応力のバランスの悪化を防止できる。したがって、太陽電池セル10の面内における第2方向での残留応力のバランスの悪化に起因した太陽電池セル10の割れまたは反り等の不具合の発生を抑制することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
図17は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における、第2の配置条件を満たすインタコネクタ20のパターン例である第3の例を示す模式図である。図17に示す第3の例では、第1太陽電池セル101の受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの第1方向における位置について、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が同じであり、且つ、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が同じである。そして、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置とは異なる。
また、図17に示す第3の例では、第1太陽電池セル101の裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタである第2インタコネクタ20bの第1方向における位置について、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が同じであり、且つ、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が同じである。そして、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置とは異なる。
第1方向において、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの端部の位置は、端部位置P2とされる。第1方向において、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの端部の位置は、端部位置P1とされる。
また、第1方向において、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの端部の位置は端部位置P4とされる。第1方向において、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの端部の位置は、端部位置P3とされる。
そして、第3の例では、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、太陽電池セル10に対するインタコネクタ20の配置が同じである。
図18は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における、第2の配置条件を満たすインタコネクタ20のパターン例である第4の例を示す模式図である。図18に示す第4の例では、第3の例に対して、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置と、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置とが、入れ替えられている。
また、第4の例では、第3の例に対して、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置と、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置とが、入れ替えられている。
図19は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュール100における、第2の配置条件を満たすインタコネクタ20のパターン例である第5の例を示す模式図である。図19に示す第5の例では、第3の例に対して、第1受光面バス電極部111と第4受光面バス電極部114とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置と、第2受光面バス電極部112と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置とが、入れ替えられている。
そして、第5の例では、隣り合う第1太陽電池セル101および第2太陽電池セル102で、太陽電池セル10に対するインタコネクタ20の配置が同じである。
このような第3の例、第4の例および第5の例の場合も、上述した第1の配置条件の第1の例と同様に、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域が第1方向における片側の領域に集中することを抑制でき、太陽電池セル10の面内における残留応力の集中による、第1方向における残留応力のバランスの悪化を抑制できる。
また、上記においては、太陽電池セル10の受光面10A側と裏面10B側とのそれぞれに、インタコネクタ20が4本配置された例について説明したが、受光面10A側と裏面10B側とのそれぞれに接合されるインタコネクタ20の本数は、2本または6本などの偶数本であってもよい。
また、太陽電池セル10の受光面10A側と裏面10B側とのそれぞれに接合されるインタコネクタ20の本数は奇数本であってもよい。すなわち、上述した第1の例から第5の例において、たとえば第4受光面バス電極部114および第4受光面バス電極部114において受光面バス電極12Bおよび裏面接合電極13bに接合するインタコネクタ20がない形態とすることができる。また、この場合は、太陽電池セル10の受光面10A側と裏面10B側とのそれぞれに接合されるインタコネクタ20は、第2方向における仮想中央線C2に対して対称に配置される。
図20は、本発明の実施の形態において太陽電池セル10の表裏面のそれぞれに接合されるインタコネクタ20の本数が奇数本である3本の場合のインタコネクタ20のパターン例である第6の例を示す模式図である。図20は、上述した図15に示す第1の例に対応している。この場合は、第2受光面バス電極部112は、太陽電池セル10の面内において第2方向における中央部分に配置される。第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とは、第2方向において第2受光面バス電極部112を挟んで同間隔で配置される。すなわち、太陽電池セル10の受光面10A側と裏面10B側とのそれぞれに接合されるインタコネクタ20の本数が奇数本である場合は、第2方向において、複数の受光面バス電極12Bが1つの受光面バス電極12Bを挟んで対称となる位置に配置される。
図20に示す第6の例では、受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの第1方向における位置について、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタである第1インタコネクタ20aの位置が同じであり、且つ、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置が、第2受光面バス電極部112において受光面バス電極12Bに接合する第1インタコネクタ20aの位置とは異なる。
また、図20に示す第6の例では、裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタである第2インタコネクタ20bの第1方向における位置について、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が同じであり、且つ、第1受光面バス電極部111と第3受光面バス電極部113とにおいて裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置が、第2受光面バス電極部112において裏面接合電極13bに接合する第2インタコネクタ20bの位置とは異なる。
この場合は、太陽電池セル10の受光面10A側と裏面10B側とのそれぞれに接合されるインタコネクタ20の本数が偶数本である場合に比べると、第1方向においてインタコネクタ20が接続されておらず残留応力が加わらない非接合領域の第1方向における分布が均等ではない。このため、非接合領域が第1方向における片側の領域に集中することを抑制する効果は多少低下するが、太陽電池セル10の面内における残留応力の集中による、第1方向における残留応力のバランスの悪化を抑制する効果が得られる。
上述したように、本実施の形態にかかる太陽電池モジュール100は、標準長さから短縮した短い複数のインタコネクタ20が、複数のインタコネクタ20間において第1方向における接合領域の位置が異なる配置で、太陽電池セル10の面内において第2方向に配列されている。このため、太陽電池セル10の太陽電池セル10の表裏面において残留応力が作用する領域が第1方向において特定の領域に集中することを抑制できる。これにより、太陽電池セル10の面内における第1方向での残留応力のバランスの悪化に起因した太陽電池セル10の割れまたは反り等の不具合の発生を抑制することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
なお、裏面接合電極13bは、インタコネクタ20が配置される位置のみに形成されればよい。これにより、インタコネクタ20の長さの短縮による低コスト化に加えて、高価な銀を用いる裏面接合電極13bの削減による低コスト化を図ることができる。
また、裏面接合電極13bは、上述した複数のインタコネクタ20の配置パターンに対応できるように、各種のインタコネクタ20の配置パターンにおいてインタコネクタ20が配置される可能性のあるすべての位置に形成されていてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。