JPH10153045A - 跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置 - Google Patents
跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置Info
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- JPH10153045A JPH10153045A JP9235376A JP23537697A JPH10153045A JP H10153045 A JPH10153045 A JP H10153045A JP 9235376 A JP9235376 A JP 9235376A JP 23537697 A JP23537697 A JP 23537697A JP H10153045 A JPH10153045 A JP H10153045A
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- vehicle door
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- Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 連結ワイヤを巻き取る駆動モータの大型化を
避け、かつドア閉鎖時の速度変動を小さくする。 【解決手段】 後部ドアＤは車体開口Ｏの上縁にヒンジ
３により結合されて上方へ跳ね上げ開放可能である。後
部ドアＤのヒンジ３結合部を頂角とする三角形を形成す
るように車体開口Ｏの側縁から角度をなして後部ドアＤ
との間にダンパ体４が架設され、後部ドアＤを上方へ押
し上げている。後部ドアＤには連結ワイヤ１の一端が結
合され、車体側に設けたワイヤ巻き取り装置２により巻
き取られる。連結ワイヤ１は車両開口Ｏの側縁に設けら
れたガイドローラ５を経由して、ヒンジ３結合部を頂角
とする三角形を形成するように車両開口Ｏ縁から後部ド
アＤへ向けて上記ダンパ体４よりも大きな角度で延出し
ている。
避け、かつドア閉鎖時の速度変動を小さくする。 【解決手段】 後部ドアＤは車体開口Ｏの上縁にヒンジ
３により結合されて上方へ跳ね上げ開放可能である。後
部ドアＤのヒンジ３結合部を頂角とする三角形を形成す
るように車体開口Ｏの側縁から角度をなして後部ドアＤ
との間にダンパ体４が架設され、後部ドアＤを上方へ押
し上げている。後部ドアＤには連結ワイヤ１の一端が結
合され、車体側に設けたワイヤ巻き取り装置２により巻
き取られる。連結ワイヤ１は車両開口Ｏの側縁に設けら
れたガイドローラ５を経由して、ヒンジ３結合部を頂角
とする三角形を形成するように車両開口Ｏ縁から後部ド
アＤへ向けて上記ダンパ体４よりも大きな角度で延出し
ている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は跳ね上げ式車両ドア
の自動閉鎖装置に関し、特に、車両ドアの一部に結合し
た連結ワイヤをモータで巻き取ることにより車両ドアを
自動閉鎖する自動閉鎖装置に関する。
の自動閉鎖装置に関し、特に、車両ドアの一部に結合し
た連結ワイヤをモータで巻き取ることにより車両ドアを
自動閉鎖する自動閉鎖装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】バン型車の後部ドアは、通常、ドア体の
上縁を車体の後部開口縁にヒンジ結合して跳ね上げ開放
する構造となっており、跳ね上げ開放時のドア重量の軽
減を図るために車体の後部開口縁にダンパを設けて、当
該ダンパの伸長力によってドア体を押し上げている。し
かし、後部ドアが大型になると、跳ね上げられたドア体
の下縁はかなり高い位置になるため、特に小柄な女性等
ではドアを閉鎖しようとするとドア体下縁を掴むために
大きく伸び上がる必要があるとともに、ダンパの押く上
げ力に抗してドア体を閉鎖回動させるのに比較的大きな
力を要するという問題がある。そこで、跳ね上げ式の後
部ドアに連結ワイヤを結合して、連結ワイヤをモータで
巻き取ることによりドアの自動閉鎖を行う装置が提案さ
れている（例えば実開平５−５２１６５号公報）。
上縁を車体の後部開口縁にヒンジ結合して跳ね上げ開放
する構造となっており、跳ね上げ開放時のドア重量の軽
減を図るために車体の後部開口縁にダンパを設けて、当
該ダンパの伸長力によってドア体を押し上げている。し
かし、後部ドアが大型になると、跳ね上げられたドア体
の下縁はかなり高い位置になるため、特に小柄な女性等
ではドアを閉鎖しようとするとドア体下縁を掴むために
大きく伸び上がる必要があるとともに、ダンパの押く上
げ力に抗してドア体を閉鎖回動させるのに比較的大きな
力を要するという問題がある。そこで、跳ね上げ式の後
部ドアに連結ワイヤを結合して、連結ワイヤをモータで
巻き取ることによりドアの自動閉鎖を行う装置が提案さ
れている（例えば実開平５−５２１６５号公報）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この場合の連結ワイヤ
１の経路は、図９に示すように、車体の後部開口Ｏ側縁
と後部ドアＤとの間に架設されたダンパ４に途中を沿わ
せて、ワイヤ巻取り装置２から後部ドアＤへ向かうよう
にしたものが多い。この構造によると、連結ワイヤ１が
ダンパ４の背後に隠れるため見栄えは良いが、後部ドア
Ｄが閉鎖する過程でそのヒンジ３結合部からドア引き込
み力Ｆの作用線までの距離が、図９に示すドア開放時の
Ｌ1 から、図１０に示すドア閉鎖間際のＬ2 へと大きく
変化する。
１の経路は、図９に示すように、車体の後部開口Ｏ側縁
と後部ドアＤとの間に架設されたダンパ４に途中を沿わ
せて、ワイヤ巻取り装置２から後部ドアＤへ向かうよう
にしたものが多い。この構造によると、連結ワイヤ１が
ダンパ４の背後に隠れるため見栄えは良いが、後部ドア
Ｄが閉鎖する過程でそのヒンジ３結合部からドア引き込
み力Ｆの作用線までの距離が、図９に示すドア開放時の
Ｌ1 から、図１０に示すドア閉鎖間際のＬ2 へと大きく
変化する。
【０００４】一方、この間のダンパ４によるドア開放方
向へのモーメントは、ドア閉鎖端近くを除いてそれ程変
化しないため、ドア開放モーメントに打ち克って後部ド
アＤを閉鎖するために必要なドア引き込み力Ｆ、すなわ
ちワイヤ巻取り装置２に内蔵された駆動モータの負荷
は、後部ドアＤの閉鎖方向への回動に伴って急増する。
このため、駆動モータを高出力で大型のものにする必要
があるとともに、ドア閉鎖過程でのモータ負荷変動が大
きいことによりドア閉鎖速度が変動するという問題もあ
る。
向へのモーメントは、ドア閉鎖端近くを除いてそれ程変
化しないため、ドア開放モーメントに打ち克って後部ド
アＤを閉鎖するために必要なドア引き込み力Ｆ、すなわ
ちワイヤ巻取り装置２に内蔵された駆動モータの負荷
は、後部ドアＤの閉鎖方向への回動に伴って急増する。
このため、駆動モータを高出力で大型のものにする必要
があるとともに、ドア閉鎖過程でのモータ負荷変動が大
きいことによりドア閉鎖速度が変動するという問題もあ
る。
【０００５】なお、図１１にはドア閉鎖状態でのヒンジ
３結合部とダンパ４の相対位置を示すが、この状態では
ダンパ４の伸長力Ｆp は後部ドアＤを閉鎖させる方向へ
のモーメントに転換している。したがって、ドア閉鎖端
近くではドア引き込み力Ｆは殆ど不要となる。しかし、
これによると、ドア閉鎖端近くでワイヤ巻取り装置２の
駆動モータへの通電を停止しても、後部ドアＤはダンパ
４の力によりそのまま閉鎖方向への作動を続け、車体の
後部開口縁に異物が挟まれるおそれがある。
３結合部とダンパ４の相対位置を示すが、この状態では
ダンパ４の伸長力Ｆp は後部ドアＤを閉鎖させる方向へ
のモーメントに転換している。したがって、ドア閉鎖端
近くではドア引き込み力Ｆは殆ど不要となる。しかし、
これによると、ドア閉鎖端近くでワイヤ巻取り装置２の
駆動モータへの通電を停止しても、後部ドアＤはダンパ
４の力によりそのまま閉鎖方向への作動を続け、車体の
後部開口縁に異物が挟まれるおそれがある。
【０００６】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るもので、連結ワイヤを巻き取る駆動モータの大型化を
避けることができるとともにドア閉鎖時の速度変動も小
さくでき、かつドア閉鎖端近くでの異物挟み込みのおそ
れもない跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置を提供する
ことを目的とする。
るもので、連結ワイヤを巻き取る駆動モータの大型化を
避けることができるとともにドア閉鎖時の速度変動も小
さくでき、かつドア閉鎖端近くでの異物挟み込みのおそ
れもない跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置を提供する
ことを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第１発明では、車体開口（Ｏ）の上縁にヒンジ
（３）により結合されて上方へ跳ね上げ開放可能とされ
た車両ドア（Ｄ）と、車両ドア（Ｄ）のヒンジ（３）結
合部を頂角とする三角形を形成するように車体開口
（Ｏ）の側縁から角度（θ）をなして車両ドア（Ｄ）と
の間に架設されて、伸長力によって車両ドア（Ｄ）を開
放方向へ跳ね上げ付勢するダンパ体（４）と、車両ドア
（Ｄ）の一部に一端が結合された連結ワイヤ（１）と、
車体側に設けられて連結ワイヤ（１）を巻き取るワイヤ
巻き取り手段（２）と、車両開口（Ｏ）の側縁に設けら
れて連結ワイヤ（１）を途中で案内し、車両ドア（Ｄ）
のヒンジ（３）結合部を頂角とする三角形を形成するよ
うに車両開口（Ｏ）の側縁から車両ドア（Ｄ）へ向けて
ダンパ体（４）よりも大きな角度（φ）で連結ワイヤ
（１）を延出させて、車両ドア閉鎖時のワイヤ巻き取り
手段（２）のワイヤ引き込み力の変動を抑える案内部材
（５）とを具備している。ここで、連結ワイヤ（１）が
形成する三角形の二辺の長さである、案内部材（５）か
ら車両ドア（Ｄ）のヒンジ（３）結合部までの距離（Ｌ
A ）と、車両ドア（Ｄ）への連結ワイヤ（１）の結合部
（７）から車両ドア（Ｄ）のヒンジ（３）結合部までの
距離（ＬB ）の比を、１：１〜４：３の範囲に設定する
と好適である。
め、本第１発明では、車体開口（Ｏ）の上縁にヒンジ
（３）により結合されて上方へ跳ね上げ開放可能とされ
た車両ドア（Ｄ）と、車両ドア（Ｄ）のヒンジ（３）結
合部を頂角とする三角形を形成するように車体開口
（Ｏ）の側縁から角度（θ）をなして車両ドア（Ｄ）と
の間に架設されて、伸長力によって車両ドア（Ｄ）を開
放方向へ跳ね上げ付勢するダンパ体（４）と、車両ドア
（Ｄ）の一部に一端が結合された連結ワイヤ（１）と、
車体側に設けられて連結ワイヤ（１）を巻き取るワイヤ
巻き取り手段（２）と、車両開口（Ｏ）の側縁に設けら
れて連結ワイヤ（１）を途中で案内し、車両ドア（Ｄ）
のヒンジ（３）結合部を頂角とする三角形を形成するよ
うに車両開口（Ｏ）の側縁から車両ドア（Ｄ）へ向けて
ダンパ体（４）よりも大きな角度（φ）で連結ワイヤ
（１）を延出させて、車両ドア閉鎖時のワイヤ巻き取り
手段（２）のワイヤ引き込み力の変動を抑える案内部材
（５）とを具備している。ここで、連結ワイヤ（１）が
形成する三角形の二辺の長さである、案内部材（５）か
ら車両ドア（Ｄ）のヒンジ（３）結合部までの距離（Ｌ
A ）と、車両ドア（Ｄ）への連結ワイヤ（１）の結合部
（７）から車両ドア（Ｄ）のヒンジ（３）結合部までの
距離（ＬB ）の比を、１：１〜４：３の範囲に設定する
と好適である。
【０００８】本第１発明においては、案内部材を設け
て、車両ドアのヒンジ結合部を頂角とする三角形を形成
するように車両開口の側縁から車両ドアへ向けてダンパ
体よりも大きな角度で連結ワイヤを延出させたから、車
両ドアを閉鎖する過程で、ヒンジ結合部からワイヤ引き
込み力の作用線までの距離の変動を十分小さくすること
ができる。したがって、ダンパ体のドア開放モーメント
に打ち克って車両ドアを閉鎖するためのワイヤ引き込み
力が、後部ドアの閉鎖に伴って急速に大きくなることは
なく、ワイヤ巻き取り手段の大型化と、ドア閉鎖速度の
変動を避けることができる。
て、車両ドアのヒンジ結合部を頂角とする三角形を形成
するように車両開口の側縁から車両ドアへ向けてダンパ
体よりも大きな角度で連結ワイヤを延出させたから、車
両ドアを閉鎖する過程で、ヒンジ結合部からワイヤ引き
込み力の作用線までの距離の変動を十分小さくすること
ができる。したがって、ダンパ体のドア開放モーメント
に打ち克って車両ドアを閉鎖するためのワイヤ引き込み
力が、後部ドアの閉鎖に伴って急速に大きくなることは
なく、ワイヤ巻き取り手段の大型化と、ドア閉鎖速度の
変動を避けることができる。
【０００９】本第２発明では、前記ダンパ体（４）は、
車両ドア（Ｄ）の開閉行程の全範囲で、車両ドア（Ｄ）
を開き方向へ作動させる付勢力を発揮するように設定さ
れている。
車両ドア（Ｄ）の開閉行程の全範囲で、車両ドア（Ｄ）
を開き方向へ作動させる付勢力を発揮するように設定さ
れている。
【００１０】本第２発明においては、車両ドアはその開
閉行程の全範囲でダンパ体から開き方向への付勢力を受
けている。したがって、ワイヤ巻き取り手段のワイヤ引
き込み力が解消されると、車両ドアは閉鎖端近くにあっ
ても即座に開放作動を開始する。これにより、車体の後
部開口縁に異物が挟まれるのを確実に防止することがて
きる。
閉行程の全範囲でダンパ体から開き方向への付勢力を受
けている。したがって、ワイヤ巻き取り手段のワイヤ引
き込み力が解消されると、車両ドアは閉鎖端近くにあっ
ても即座に開放作動を開始する。これにより、車体の後
部開口縁に異物が挟まれるのを確実に防止することがて
きる。
【００１１】
（第１実施形態）図１はバン型車の後部斜視図であり、
車体の後部開口Ｏには跳ね上げ式の後部ドアＤが装備さ
れている。図は後部ドアＤを跳ね上げて開放した状態を
示し、後部ドアＤは上縁の左右位置でヒンジ３により後
部開口Ｏ縁に結合されている。後部ドアＤの左右の側縁
と後部開口Ｏの側縁との間にはダンパ体４が架設されて
おり、これらダンパ体４の伸長力によって後部ドアＤが
跳ね上げ状態に支持されている。ドアガラスＷに近い後
部ドアＤの左右の側縁にはそれぞれ連結ワイヤ１の一端
が結合されており、各連結ワイヤ１は後部開口Ｏ側縁に
設けた案内部材としてのガイドローラ５（一方のみ図
示）に向けて斜めに延び、これを経由して、下方に設置
されたワイヤ巻き取り装置２へ至っている。このワイヤ
巻き取り装置２には連結ワイヤ１を巻き取るプーリとク
ラッチを介してプーリに接続された駆動モータが内設さ
れている。開放された後部ドアＤの先端下面（ドア内側
面）には「ドア閉鎖」指令スイッチ６が設けられて、図
略のモータ制御回路に接続されており、上記指令スイッ
チ６をＯＮにするとクラッチがプーリと駆動モータを結
合し、駆動モータの駆動力によりプーリを回転させ、連
結ワイヤを巻き取る。また、駆動モータには過負荷セン
サが設けられており、後部ドアＤが全閉となった時や、
後部ドアＤに物が当たった時等、強制的に停止させられ
た場合、これを過負荷センサが検知し、駆動モータを停
止させるようになっている。
車体の後部開口Ｏには跳ね上げ式の後部ドアＤが装備さ
れている。図は後部ドアＤを跳ね上げて開放した状態を
示し、後部ドアＤは上縁の左右位置でヒンジ３により後
部開口Ｏ縁に結合されている。後部ドアＤの左右の側縁
と後部開口Ｏの側縁との間にはダンパ体４が架設されて
おり、これらダンパ体４の伸長力によって後部ドアＤが
跳ね上げ状態に支持されている。ドアガラスＷに近い後
部ドアＤの左右の側縁にはそれぞれ連結ワイヤ１の一端
が結合されており、各連結ワイヤ１は後部開口Ｏ側縁に
設けた案内部材としてのガイドローラ５（一方のみ図
示）に向けて斜めに延び、これを経由して、下方に設置
されたワイヤ巻き取り装置２へ至っている。このワイヤ
巻き取り装置２には連結ワイヤ１を巻き取るプーリとク
ラッチを介してプーリに接続された駆動モータが内設さ
れている。開放された後部ドアＤの先端下面（ドア内側
面）には「ドア閉鎖」指令スイッチ６が設けられて、図
略のモータ制御回路に接続されており、上記指令スイッ
チ６をＯＮにするとクラッチがプーリと駆動モータを結
合し、駆動モータの駆動力によりプーリを回転させ、連
結ワイヤを巻き取る。また、駆動モータには過負荷セン
サが設けられており、後部ドアＤが全閉となった時や、
後部ドアＤに物が当たった時等、強制的に停止させられ
た場合、これを過負荷センサが検知し、駆動モータを停
止させるようになっている。
【００１２】ガイドローラ設置部の詳細を図２に示す。
ガイドローラ５は、後部開口Ｏ側縁に固定されたベース
体５１上の支軸５２に回転自在に装着されている。アウ
タケース１１内に収納されて下方のワイヤ巻き取り装置
２から至った連結ワイヤ１は、ガイドローラ５の外周溝
５ａを経由して後部開口Ｏ外の斜め上後方へ延び、ワイ
ヤ先端に取着された結合ブラケット７によって後部ドア
Ｄに回動可能に結合されている。
ガイドローラ５は、後部開口Ｏ側縁に固定されたベース
体５１上の支軸５２に回転自在に装着されている。アウ
タケース１１内に収納されて下方のワイヤ巻き取り装置
２から至った連結ワイヤ１は、ガイドローラ５の外周溝
５ａを経由して後部開口Ｏ外の斜め上後方へ延び、ワイ
ヤ先端に取着された結合ブラケット７によって後部ドア
Ｄに回動可能に結合されている。
【００１３】後部ドアＤを開放した状態で、ダンパ体４
は図３に示すように、後部開口Ｏ側縁から角度θをなし
て後部ドアＤへ向かい、後部ドアＤのヒンジ３結合部を
頂角とする三角形を形成している。一方、ガイドローラ
５は図に示すようにダンパ体４の下端結合部よりも上方
に位置し、ガイドローラ５を経由する連結ワイヤ１は、
ダンパ体４よりも大きな角度φで後部ドアＤへ向かっ
て、後部ドアＤのヒンジ３結合部を頂角とする三角形を
形成している。この三角形の二辺の長さ、すなわちヒン
ジ３結合部とガイドローラ５との間の距離ＬA 、および
ヒンジ３結合部とワイヤ結合部（結合ブラケット）７の
距離ＬB の比は、図では１：１としてある。したがっ
て、φ＝ｔａｎ-1（１）＝４５°である。
は図３に示すように、後部開口Ｏ側縁から角度θをなし
て後部ドアＤへ向かい、後部ドアＤのヒンジ３結合部を
頂角とする三角形を形成している。一方、ガイドローラ
５は図に示すようにダンパ体４の下端結合部よりも上方
に位置し、ガイドローラ５を経由する連結ワイヤ１は、
ダンパ体４よりも大きな角度φで後部ドアＤへ向かっ
て、後部ドアＤのヒンジ３結合部を頂角とする三角形を
形成している。この三角形の二辺の長さ、すなわちヒン
ジ３結合部とガイドローラ５との間の距離ＬA 、および
ヒンジ３結合部とワイヤ結合部（結合ブラケット）７の
距離ＬB の比は、図では１：１としてある。したがっ
て、φ＝ｔａｎ-1（１）＝４５°である。
【００１４】ＬA ，ＬB を以上のように設定すると、ド
ア閉鎖過程におけるヒンジ３結合部からワイヤ引き込み
力Ｆの作用線までの距離は図４に示すようにｍ1 〜ｍ4
へと長くなるが、その変化は、従来の距離Ｌ1 〜Ｌ2
（図９、図１０参照）までの変化に比べて十分小さい。
したがって、ダンパ体４のドア開放モーメントに打ち克
って後部ドアＤを閉鎖するために必要なワイヤ引き込み
力Ｆが、後部ドアＤの閉鎖に伴って急速に大きくなるこ
とはない。これにより、ワイヤ巻き取り装置２内の駆動
モータとして高出力で大型のものを使用する必要はな
い。また、ドア閉鎖過程でのモータの負荷変動も小さく
なるから、ドアの閉鎖速度が大きく変動することもな
い。
ア閉鎖過程におけるヒンジ３結合部からワイヤ引き込み
力Ｆの作用線までの距離は図４に示すようにｍ1 〜ｍ4
へと長くなるが、その変化は、従来の距離Ｌ1 〜Ｌ2
（図９、図１０参照）までの変化に比べて十分小さい。
したがって、ダンパ体４のドア開放モーメントに打ち克
って後部ドアＤを閉鎖するために必要なワイヤ引き込み
力Ｆが、後部ドアＤの閉鎖に伴って急速に大きくなるこ
とはない。これにより、ワイヤ巻き取り装置２内の駆動
モータとして高出力で大型のものを使用する必要はな
い。また、ドア閉鎖過程でのモータの負荷変動も小さく
なるから、ドアの閉鎖速度が大きく変動することもな
い。
【００１５】図５はＬA とＬB の比を４：３としたもの
で、φ＝ｔａｎ-1（３／４）である。この場合のドア閉
鎖過程における、ヒンジ３結合部からワイヤ引き込み力
Ｆの作用線までの距離は、図６に示すように、ｍ5 〜ｍ
8 のように変化する。図より明らかなように、ｍ5 〜ｍ
7 までの距離変化は十分小さいが、後部ドアＤが閉鎖端
に近くなるとｍ8 のように距離は大きく変化し短くな
る。しかし、この閉鎖端付近では、通常、ダンパ体４の
ドア押し上げ力は有効に作用しないから、上記距離ｍ8
が短くなってもドア閉鎖に必要なワイヤ引き込み力Ｆが
急増することはない。結局、上記距離ＬA ，ＬB の比
を、１：１〜４：３の範囲に設定すると、ドア閉鎖に必
要なワイヤ引き込み力Ｆの急増を避けることができ、駆
動モータの大型化とドア閉鎖速度の変動を効果的に防止
することができる。なお、距離ＬA ，ＬB の絶対値は駆
動モータの出力との兼ね合いで適当値を選択する。
で、φ＝ｔａｎ-1（３／４）である。この場合のドア閉
鎖過程における、ヒンジ３結合部からワイヤ引き込み力
Ｆの作用線までの距離は、図６に示すように、ｍ5 〜ｍ
8 のように変化する。図より明らかなように、ｍ5 〜ｍ
7 までの距離変化は十分小さいが、後部ドアＤが閉鎖端
に近くなるとｍ8 のように距離は大きく変化し短くな
る。しかし、この閉鎖端付近では、通常、ダンパ体４の
ドア押し上げ力は有効に作用しないから、上記距離ｍ8
が短くなってもドア閉鎖に必要なワイヤ引き込み力Ｆが
急増することはない。結局、上記距離ＬA ，ＬB の比
を、１：１〜４：３の範囲に設定すると、ドア閉鎖に必
要なワイヤ引き込み力Ｆの急増を避けることができ、駆
動モータの大型化とドア閉鎖速度の変動を効果的に防止
することができる。なお、距離ＬA ，ＬB の絶対値は駆
動モータの出力との兼ね合いで適当値を選択する。
【００１６】（第２実施形態）図７に示すように、ダン
パ体４の車両ボデーへの結合点４１と後部ドアＤへの結
合点４２を、ドア閉鎖状態でダンパ体Ｐの伸長力ＦP
が、ヒンジ３の結合部回りに後部ドアＤをその自重に抗
して十分な力で押し上げるようなモーメントを生じるよ
うに設定しておけば、後部ドアＤは全閉時から全開時ま
での全ての行程において、図８に示すように常にダンパ
体Ｐによって開放方向へ押し上げられる。このような構
造によれば、後部ドアＤがいずれの位置にあっても、ワ
イヤ巻き取り装置２内の駆動モータへの電源を遮断すれ
ば、後部ドアＤはダンパ体Ｐの押し上げ力によって即座
に開放方向へ作動させられる。これにより、車体開口縁
における異物の挟み込み等を確実に防止することができ
る。そして、この場合、第１実施形態で説明したよう
に、ヒンジ３結合部（図３参照）とガイドローラ５の距
離ＬA 、およびヒンジ３結合部とワイヤ結合部（結合ブ
ラケット）７の距離ＬBの比を１：１程度にしておけ
ば、ワイヤ巻き取り装置２内の駆動モータの負荷および
その変動を十分小さくすることができる。
パ体４の車両ボデーへの結合点４１と後部ドアＤへの結
合点４２を、ドア閉鎖状態でダンパ体Ｐの伸長力ＦP
が、ヒンジ３の結合部回りに後部ドアＤをその自重に抗
して十分な力で押し上げるようなモーメントを生じるよ
うに設定しておけば、後部ドアＤは全閉時から全開時ま
での全ての行程において、図８に示すように常にダンパ
体Ｐによって開放方向へ押し上げられる。このような構
造によれば、後部ドアＤがいずれの位置にあっても、ワ
イヤ巻き取り装置２内の駆動モータへの電源を遮断すれ
ば、後部ドアＤはダンパ体Ｐの押し上げ力によって即座
に開放方向へ作動させられる。これにより、車体開口縁
における異物の挟み込み等を確実に防止することができ
る。そして、この場合、第１実施形態で説明したよう
に、ヒンジ３結合部（図３参照）とガイドローラ５の距
離ＬA 、およびヒンジ３結合部とワイヤ結合部（結合ブ
ラケット）７の距離ＬBの比を１：１程度にしておけ
ば、ワイヤ巻き取り装置２内の駆動モータの負荷および
その変動を十分小さくすることができる。
【００１７】
【発明の効果】以上のように、本発明の跳ね上げ式車両
ドアの自動閉鎖装置によれば、連結ワイヤを巻き取る駆
動モータの大型化を避けることができるとともにドア閉
鎖時の速度変動を小さくすることができ、かつドア閉鎖
端近くでの異物挟み込みのおそれも確実に回避すること
ができる。
ドアの自動閉鎖装置によれば、連結ワイヤを巻き取る駆
動モータの大型化を避けることができるとともにドア閉
鎖時の速度変動を小さくすることができ、かつドア閉鎖
端近くでの異物挟み込みのおそれも確実に回避すること
ができる。
【図１】本発明の第１実施形態における、ドア跳ね上げ
開放状態のバン型車の後部斜視図である。
開放状態のバン型車の後部斜視図である。
【図２】ガイドローラの正面図である。
【図３】ドア跳ね上げ開放状態のバン型車の後部概略側
面図である。
面図である。
【図４】ドア閉鎖過程における、ヒンジ結合部からワイ
ヤ引き込み力の作用線までの距離変化を説明する図であ
る。
ヤ引き込み力の作用線までの距離変化を説明する図であ
る。
【図５】ドア跳ね上げ開放状態のバン型車の後部概略側
面図である。
面図である。
【図６】ドア閉鎖過程における、ヒンジ結合部からワイ
ヤ引き込み力の作用線までの距離変化を説明する図であ
る。
ヤ引き込み力の作用線までの距離変化を説明する図であ
る。
【図７】本発明の第２実施形態における、ドア閉鎖状態
のバン型車の後部概略側面図である。
のバン型車の後部概略側面図である。
【図８】ドア跳ね上げ開放状態のバン型車の後部概略側
面図である。
面図である。
【図９】従来例を示す、ドア跳ね上げ開放状態のバン型
車の後部概略側面図である。
車の後部概略側面図である。
【図１０】従来例を示す、ドア閉鎖間際のバン型車の後
部概略側面図である。
部概略側面図である。
【図１１】従来例を示す、ドア閉鎖状態のバン型車の後
部概略側面図である。
部概略側面図である。
１…連結ワイヤ、２…ワイヤ巻き取り装置、３…ヒン
ジ、４…ダンパ体、５…ガイドローラ（案内部材）、７
…結合ブラケット、Ｄ…後部ドア、Ｏ…車体開口。
ジ、４…ダンパ体、５…ガイドローラ（案内部材）、７
…結合ブラケット、Ｄ…後部ドア、Ｏ…車体開口。
Claims (3)
- 【請求項１】 車体開口の上縁にヒンジにより結合され
て上方へ跳ね上げ開放可能とされた車両ドアと、 前記車両ドアのヒンジ結合部を頂角とする三角形を形成
するように前記車体開口の側縁から角度をなして前記車
両ドアとの間に架設されて、伸長力によって前記車両ド
アを開放方向へ跳ね上げ付勢するダンパ体と、 前記車両ドアの一部に一端が結合された連結ワイヤと、 車体側に設けられて前記連結ワイヤを巻き取るワイヤ巻
き取り手段と、 前記車両開口の側縁に設けられて前記連結ワイヤを途中
で案内し、前記車両ドアのヒンジ結合部を頂角とする三
角形を形成するように前記車両開口の側縁から前記車両
ドアへ向けて前記ダンパ体よりも大きな角度で前記連結
ワイヤを延出させて、車両ドア閉鎖時の前記ワイヤ巻き
取り手段のワイヤ引き込み力の変動を抑える案内部材と
を具備する跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置。 - 【請求項２】 前記案内部材から前記車両ドアのヒンジ
結合部までの距離と、前記車両ドアへの前記連結ワイヤ
の結合部から前記車両ドアのヒンジ結合部までの距離の
比を、１：１〜４：３の範囲に設定した請求項１に記載
の跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置。 - 【請求項３】 前記ダンパ体は、前記車両ドアの開閉行
程の全範囲で、前記車両ドアを開き方向へ作動させる付
勢力を発揮するように設定されている請求項１又は２に
記載の跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9235376A JPH10153045A (ja) | 1996-09-27 | 1997-08-14 | 跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27758896 | 1996-09-27 | ||
| JP8-277588 | 1996-09-27 | ||
| JP9235376A JPH10153045A (ja) | 1996-09-27 | 1997-08-14 | 跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10153045A true JPH10153045A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=26532083
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9235376A Pending JPH10153045A (ja) | 1996-09-27 | 1997-08-14 | 跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10153045A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007117547A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Cleanup Corp | 収納庫 |
| CN104812985A (zh) * | 2012-08-09 | 2015-07-29 | 博泽（哈尔施塔特）汽车零部件有限公司 | 用于调整机动车翻盖的驱动装置 |
-
1997
- 1997-08-14 JP JP9235376A patent/JPH10153045A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007117547A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Cleanup Corp | 収納庫 |
| CN104812985A (zh) * | 2012-08-09 | 2015-07-29 | 博泽（哈尔施塔特）汽车零部件有限公司 | 用于调整机动车翻盖的驱动装置 |
| CN104812985B (zh) * | 2012-08-09 | 2017-05-17 | 博泽（哈尔施塔特）汽车零部件有限公司 | 用于调整机动车翻盖的驱动装置 |
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