JPH10152765A - スパングルの均一性に優れたAl含有溶融亜鉛めっき鋼 板およびその製造方法 - Google Patents

スパングルの均一性に優れたAl含有溶融亜鉛めっき鋼 板およびその製造方法

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JPH10152765A
JPH10152765A JP31345896A JP31345896A JPH10152765A JP H10152765 A JPH10152765 A JP H10152765A JP 31345896 A JP31345896 A JP 31345896A JP 31345896 A JP31345896 A JP 31345896A JP H10152765 A JPH10152765 A JP H10152765A
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利彦 大居
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朗 高瀬
Masaru Sagiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパングルの均一性に優れるAl含有溶融亜
鉛めっき鋼板とその製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)式と(2)式を満たすように製造
したAl含有溶融亜鉛めっき鋼板。 6≦(135×A+1500×N)≦8・・・(1) 0.9−0.13×(C−9)1/2 ≦d≦1.15−0.13×(C−
9)1/2 ・・・(2) A:鋼板中に含まれるAl量(wt%)、N:鋼板中に
含まれるN量(wt%)、平均スパングル径d:10c
m×10cmの鋼板サンプルから任意に10箇所選定
し、1cmの長さを横切るスパングルの数をカウント
し、平均スパングル径d(mm)=100/「10箇所
のカウントの総和」、冷却速度C:鋼板がめっき浴を出
てからめっき皮膜の凝固が終了するまでの間の冷却速度
(℃/秒)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Alを20〜95
wt%含有する溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法、よ
り具体的にはスパングルの均一性に優れるAlを20〜
95wt%含有する溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】
Al:55wt%、Si:1.5wt%前後を含み、残
部実質的にZnよりなるAl含有溶融亜鉛めっき鋼板
(以下、55%Al含有溶融亜鉛めっき鋼板という)に
代表されるAlを多量に含むAl含有溶融亜鉛めっき鋼
板(以下、Al含有溶融亜鉛めっき鋼板という)は優れ
た耐食性を示すため、近年、その用途が拡大している。
【0003】Al含有溶融亜鉛めっき鋼板は、熱間圧延
後酸洗脱スケールした熱延鋼板、またはさらに冷間圧延
して得た冷延鋼板を素材として、図2に示すような連続
式溶融めっき設備に装入して、以下のようにして製造さ
れる。
【0004】鋼板1は、先ず還元性雰囲気に保持された
焼鈍炉2内に入り、所定温度に加熱されて、焼鈍と同時
に鋼板表面に付着する圧延油等の除去、酸化膜の還元除
去が行われた後、下端がめっき浴5に浸漬されたスナウ
ト3内を通って、所定量のAlを含有した溶融亜鉛が入
っているめっき浴5内に浸漬される。めっき浴5で所定
のAl含有溶融亜鉛めっきされた鋼板1は、シンクロー
ル6を経由し、めっき浴5の上方に引き上げられ、次い
でめっき浴上に配置されたワイピングノズル7から鋼板
1の表面に向かって加圧した気体を噴射してめっき付着
量を調整し、冷却装置8により冷却して、所定のめっき
皮膜が形成されたAl含有溶融亜鉛めっき鋼板になる。
【0005】連続式溶融めっき設備では、焼鈍炉での熱
処理条件、焼鈍炉の雰囲気条件、めっき浴組成やめっき
後の冷却速度等の操業条件は、所要のめっき品質や材質
を確保するために、所定の管理範囲で精度良く管理され
ている。
【0006】このようにして製造されるAl含有溶融亜
鉛めっき鋼板のめっき皮膜表面には、めっきされた溶融
金属の凝固組織に対応したスパングルと称する模様が現
れる。
【0007】55%Al含有溶融亜鉛めっき鋼板に代表
されるAl含有溶融亜鉛めっき鋼板のスパングルは美麗
な光沢外観を呈する。この美麗な光沢外観には、意匠性
のある商品としての価値が存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】Al含有溶融亜鉛めっ
き鋼板において、スパングルの大きさが変動すると、鋼
板の光沢のある表面外観の美麗さが著しく損なわれる。
したがって、美麗な表面外観を得る上で、スパングルの
大きさの変動が小さいことが必要である。
【0009】しかし、一般に、Al含有溶融亜鉛めっき
鋼板のスパングルの大きさは母材鋼板やめっき浴組成、
めっき後の冷却速度など多くの要因により変化するの
で、スパングルの大きさの変動が大きい。
【0010】一定の条件で製造された同一寸法の母材鋼
板を装入して、前記した溶融亜鉛めっき設備における操
業条件を精度良く管理しても、装入コイルが異なるとめ
っき後のスパングルの大きさが著しく変動する場合があ
る。このため、同一寸法の鋼板でありながら、スパング
ルの大きさの大きな変動が避けられず、そのため表面外
観の美麗さに劣る鋼板になり、商品価値を著しく損なう
という問題がある。
【0011】一般に、スパングルの大きさは、主に、鋼
板表面に付着した溶融金属の凝固過程における核生成の
状況やデンドライトの成長性によって決まると考えられ
るが、Al含有溶融亜鉛めっき鋼板について、これらに
影響を与える因子についてはこれまで明らかにされてい
ない。
【0012】また、スパングルは、0.3wt%程度あ
るいはそれ以下のAlを含む一般的な溶融亜鉛めっき鋼
板(以下、溶融亜鉛めっき鋼板という)にも認められ
る。溶融亜鉛めっき鋼板の場合、スパングル自体にAl
含有溶融亜鉛めっき鋼板ほどの商品価値がなく、むしろ
例えば、特開昭54−132436号公報に記載される
めっき浴中に不純物として含まれるPb量を少なくする
方法や特公昭51−12579号公報に記載されるめっ
き皮膜が凝固する前に水ミストを吹き付ける方法などに
示されているようにスパングルを消去して、表面外観の
意匠性を高めることが行われており、スパングルを消去
することなく目的の大きさのスパングルを安定的に得よ
うとする試みは、これまでなされていない。したがっ
て、溶融亜鉛めっき鋼板について開示される前記技術か
ら、Al含有溶融亜鉛めっき鋼板のスパングルの大きさ
の変動の改善に対する有益な示唆を得ることができな
い。
【0013】したがって、Al含有溶融亜鉛めっき鋼板
にみられるスパングルの大きさの変動を低減できる技術
は現時点では開発されていない。
【0014】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、鋼板中に含まれるAl量とN量を適正
な範囲に制御することにより、めっき時の鋼板組織を制
御して、スパングルの大きさの変動を低減し、スパング
ルの均一性に優れるAl含有溶融亜鉛めっき鋼板とその
製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Al含有
溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜の凝固現象とスパング
ルの関係あるいはスパングルの大きさに影響する製造因
子について鋭意研究を行った。
【0016】その結果、めっき皮膜のAl含有量が20
wt%未満では、スパングルはZnがAlを固溶して凝
固したデンドライト組織に対応して生成し、Al含有量
が20wt%以上では、スパングルはAlがZnを固溶
して凝固したデンドライト組織に対応して生成すること
がわかった。
【0017】また、Al含有量が20wt%以上の場合
に生成したスパングルは、美麗な光沢外観を呈するが、
Al含有量が20wt%未満の場合に生成したスパング
ルには、スパングルが均一であっても前記のような美麗
な光沢外観が得られなかった。言い換えると、Al含有
量が20wt%を境に、異なる金属凝固組織が生成し、
同じスパングルと称するものでも、凝固組織に対応して
めっき後の表面外観の性状が著しく異なることを見出し
た。
【0018】また、Al含有量が20wt%以上になる
と、Al含有量が20wt%未満の場合に比べて、スパ
ングルが不均一になりやすく、表面外観の美麗さを損な
いやすいことも明らかになった。
【0019】さらに、めっき時の鋼板組織とAl含有溶
融亜鉛めっき鋼板のスパングルの大きさの間にも密接な
関係があり、鋼板に含まれるAl量とN量を適正な範囲
に制御すると、めっき後の鋼板組織を制御することが可
能になり、Al含有溶融亜鉛めっき鋼板のスパングルの
大きさの変動を大幅に低減できることを見出した。
【0020】本発明はこの知見に基づいてなされたもの
であり、その特徴とする構成は以下のとおりである。
【0021】第1発明は、下記(6)式を満たす範囲の
AlとNを含む鋼板表面に、Alを20〜95wt%含
むAl含有溶融亜鉛めっき皮膜を有することを特徴とす
るスパングルの均一性に優れたAl含有溶融亜鉛めっき
鋼板である。
【0022】 6≦(135×A+1500×N)≦8 ・・・(6) 但し、 A:鋼板中に含まれるAl量(wt%) N:鋼板中に含まれるN量(wt%)
【0023】第2発明は、前記(6)式を満たす範囲の
AlとNを含む鋼板表面に、Alを20〜95wt%含
むAl含有溶融亜鉛めっき皮膜を有するAl含有溶融亜
鉛めっき鋼板であって、めっき皮膜表面の平均スパング
ル径d(mm)とめっき後の冷却速度C(℃/秒)が下
記(7)式を満たすようにして製造したAl含有溶融亜
鉛めっき鋼板であることを特徴とするスパングルの均一
性に優れたAl含有溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0024】 0.9−0.13×(C−9)1/2 ≦d ≦1.15−0.13×(C−9)1/2 ・・・(7) 但し、 平均スパングル径d:10cm×10cmの鋼板サンプ
ルから任意に10箇所選定し、1cmの長さを横切るス
パングルの数をカウントし、平均スパングル径d(m
m)=100/「10箇所のカウントの総和」として定
義する。
【0025】冷却速度C:鋼板がめっき浴を出てからめ
っき皮膜の凝固が終了するまでの間の冷却速度(℃/
秒)
【0026】第3発明は、鋼中のAl量(A:wt%)
とN量(N:wt%)を前記(6)式を満たす範囲に溶
製した鋼を、熱間圧延、酸洗後、またはさらに冷間圧延
後、連続式溶融めっき設備に装入して、Alを20〜9
5wt%含む溶融亜鉛めっきを行い、めっき後の冷却速
度C(℃/秒)とめっき皮膜表面の平均スパングル径d
(mm)が前記(7)式を満たすようにしてAl含有溶
融亜鉛めっき鋼板を製造することを特徴とするスパング
ルの均一性に優れたAl含有溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法である。
【0027】(作用)以下、本発明の限定理由について
説明する。めっき皮膜中のAl含有量は20wt%以上
95wt%以下にする必要がある。Al含有量が20w
t%以上の場合、スパングルが美麗な光沢を有するが、
Al含有量が20wt%未満になると、本発明が目的と
する美麗な光沢を有するスパングルが得られなくなる。
また、Al含有量が95wt%を超えると、スパングル
がAlめっきのスパングルに近くなり、鋼板表面にスパ
ングルが鮮明に現れなくなってくるため、本発明が目的
とする美麗な光沢表面が得られなくなる。
【0028】鋼板中に含まれるAl量とN量は、以下に
説明するように、めっき時の鋼板組織の制御を通じてス
パングルの大きさの変動を低減するために、前記(6)
式の範囲を満足する必要がある。
【0029】Al含有溶融亜鉛めっき鋼板のスパングル
の大きさと鋼板の表面外観の美麗さとの関係について調
査したところ、前記により定義される平均スパングル径
dの変動幅が0.25mm以内であれば、実用的な観点
から必要な表面外観の美麗さが損なわれないことがわか
った。
【0030】また、Al含有溶融亜鉛めっき鋼板のスパ
ングルの大きさとめっき時の鋼板組織、特に結晶粒径や
表面酸化物との間に密接な関係があり、例えば鋼板の結
晶粒径が大きい場合にスパングルが大きくなり、結晶粒
径が小さい場合にスパングルが小さくなること、また、
Al含有溶融亜鉛めっき鋼板のスパングルの大きさが、
鋼板の結晶粒径の変動や連続式溶融めっき設備での焼鈍
後の鋼板表面に形成されている酸化物組織に大きく影響
されていることがわかった。
【0031】さらに、結晶粒径や表面に形成される酸化
物組織などの鋼板組織が母材鋼板の成分組成により変化
する点に着目して、母材鋼板成分組成とスパングルの大
きさとの関係について検討した。
【0032】その結果、鋼板中に含まれるAl量をA
(wt%)、N量をN(wt%)とした場合、135×
A+1500×Nで計算される値とスパングルの大きさ
に相関があり、この値が前記(6)式の範囲を満たすよ
うにした場合、同一冷却条件で製造しためっき皮膜の平
均スパングル径の変動幅が0.25mm以内になり、実
用的な観点から必要な表面外観の美麗さを確保できるこ
とがわかった。
【0033】鋼板中のAl量とN量を前記(6)式の範
囲に制御することにより、スパングルの大きさの変動が
小さくなり、スパングルの均一性に優れるようになる理
由については、次のように推定される。
【0034】鋼板の結晶粒界は、めっき時にめっき浴/
鋼板間の反応が活発で、スパングルの凝固核ができやす
い場所である。凝固核が多ければスパングルが小さくな
り、凝固核が少なければスパングルが大きくなる。結晶
粒が小さいと粒界密度が増加するので凝固核も増加して
スパングルが小さくなり、結晶粒が大きいと粒界密度が
減少するので凝固核も減少してスパングルが大きくな
る。
【0035】鋼板中のNは、熱間圧延工程においてAl
と結びついてAlNを形成する。鋼板中に含まれるN量
が変われば、形成されるAlN量も変わる。連続式溶融
めっき設備における焼鈍過程で、AlNは鋼板の粒成長
を妨げる効果があるので、形成されるAlN量に応じて
結晶粒の大きさが変わる。
【0036】また、連続式溶融めっき設備での焼鈍中
に、鋼板表面に、鋼板中のAlが濃化して酸化物を作る
傾向がある。このようにしてできた表面の酸化物が、ス
パングルの凝固核として作用すると考えられる。鋼板中
のAlが多く表面酸化物が多いと凝固核が増加してスパ
ングルが小さくなり、鋼板中のAlが少なく表面酸化物
が少ないと凝固核が減少してスパングルが大きくなる。
【0037】したがって、スパングルの大きさの変動を
少なくするには、めっき浴に浸漬される鋼板の結晶粒の
大きさの変動やAlにより形成される表面の酸化物量の
変動を少なくすることが望ましい。鋼板中のAl量とN
量を前記(6)式の範囲に制御することにより、めっき
浴に浸漬される鋼板の結晶粒径の変動や表面酸化物量の
変動が小さくなり、その結果、スパングルの大きさの変
動が小さくなると考えられる。
【0038】なお、鋼板中のAl、Nは以下の範囲であ
ることがより好ましい。 Al:0.005〜0.030wt%。溶製時の脱酸の
ために0.005wt%以上添加することが好ましい。
また、Al添加量を0.030wt%以下にすると鋼板
の表面性状がより安定化してスパングルの均一性がより
優れるようになるる。
【0039】N:0.0035wt%以下。N量が0.
0035wt%以下になると形成されるAlN量が減少
して鋼板の結晶粒の変動が低減するため、スパングルの
均一性がより優れるようになる。
【0040】また、本発明において、Al、N以外の成
分は、本発明の効果を本質的に左右するものではない
が、Si量が増加するとめっき不良が発生しやすいの
で、めっき性の観点からSi:0.03wt%以下が好
ましい。また、鋼板材質を軟質化するために、C:0.
05wt%以下、Mn:0.30wt%以下、P:0.
03wt%以下、S:0.03wt%以下であることが
好ましい。
【0041】平均スパングル径の大きさは、めっき後の
冷却速度の影響を受け、冷却速度が大きいと小さく、冷
却速度が小さいと大きくなる。したがって、予め、冷却
速度と平均スパングル径の大きさの関係を求めておき、
この求めた関係にしたがって、冷却速度に応じて適正な
スパングル径の範囲を定めることにより、スパングルの
大きさの変動を低減できる。冷却速度とスパングル径を
前記(7)式を満足するようにして製造すると、同一冷
却条件で製造しためっき皮膜のスパングルの大きさの変
動幅が0.25mm以内になり、実用的な観点から必要
な表面外観の美麗さを確保できる。
【0042】前記(7)式を満足する領域を図1に示
す。図1において、2本の実線で挟まれる領域が、前記
(7)式を満足する領域を示す。また、前記(7)式を
満足する領域の中央は、下記(8)式で表される。
【0043】 d=1.025−0.13×(C−9)1/2 ・・・(8) したがって、所定の平均スパングル径のAl含有溶融亜
鉛めっき鋼板を製造する場合、前記(8)式から求めら
れる冷却速度で冷却することにより、スパングルの均一
性に優れた所定スパングル径のAl含有溶融亜鉛めっき
鋼板を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の鋼板は、鋼中のAl、N
を本発明に規定する範囲に溶製した後、通常の条件で鋳
造、熱間圧延、酸洗後、あるいはさらに冷間圧延後、連
続式溶融めっき装置に装入して、Alを20〜95wt
%含む溶融亜鉛めっきを行う。
【0045】めっき皮膜表面の平均スパングル径(m
m)とめっき後の冷却速度C(℃/秒)を前記(7)式
を満たすようにして製造すると、同一冷却速度における
めっき皮膜のスパングルの大きさの変動幅が0.25m
m以内になり、実用上必要な美麗な表面外観を確保しう
るスパングルの均一性を確保できる。
【0046】
【実施例】表1に記載の成分組成と残部がFeおよび不
可避不純物からなるAl、N含有量の異なる鋼スラブ
を、常法により熱間圧延、酸洗、冷間圧延して得た板厚
が0.27〜1.6mmの冷延鋼板を、連続式溶融めっ
き設備に装入してAl含有溶融亜鉛めっき鋼板を製造し
た。
【0047】溶融亜鉛めっき設備では、常法により55
wt%Al−1.5wt%Si−残部実質的にZnから
なるめっき浴によりAl含有溶融亜鉛めっきを行い、両
面で150〜200g/m2 の付着量のめっき皮膜を形
成し、めっき後の冷却速度を種々に変えた。
【0048】前記で得たAl含有溶融亜鉛めっき鋼板の
めっき皮膜表面の平均スパングル径を調査した。表1
に、めっき後の冷却速度、平均スパングル径の調査結果
を併せて記載した。表1で、(6)式の計算値の欄は、
前記(6)式の135×A+1500×Nの計算値、
(7)式の範囲の下限、上限の欄は、それぞれ前記
(7)式の0.9−0.13×(C−9)1/2 の計算
値、1.15−0.13×(C−9)1/2 の計算値を示
す。
【0049】
【表1】
【0050】また、前記で得られたAl含有溶融亜鉛め
っき鋼板の冷却速度と平均スパングル径の関係を図1に
示す。図1において、2本の実線で挟まれる領域は、前
記(7)式を満たす領域を示す。また、図1に、従来の
Al含有溶融亜鉛めっき鋼板における平均スパングル径
の変動範囲を2本の破線で参考的に示した。
【0051】本発明範囲を満たす本発明例の鋼板は、同
一冷却速度における平均スパングル径の大きさの変動が
0.25mm以下であり、また、平均スパングル径とめ
っき後の冷却速度が前記(7)式の範囲内にあり、スパ
ングルの均一性に優れる。
【0052】一方、比較例の鋼板は、同一冷却速度にお
ける平均スパングル径の大きさの変動が0.25mmを
超え、また、平均スパングル径とめっき後の冷却速度が
前記(7)式の範囲外にあり、スパングルの均一性に劣
る。
【0053】前記により得られる本発明例の鋼板は、ス
パングル径の大きさの変動が改善されているため、表面
外観の美麗さに優れている。
【0054】本実施例では、冷間圧延後の鋼板を母材鋼
板として使用したが、熱間圧延後脱スケールした熱延鋼
板であっても同様の結果を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば、ス
パングルの均一性に優れ、光沢のある表面外観の美麗さ
に優れるAl含有溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができ
る。
【0056】本発明の鋼板は、スパングル自体に意匠性
があり、表面外観の美麗さに優れるので、この美麗さを
利用できる無塗装用途の使用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却速度とスパングル径の関係を示す図。
【図2】溶融亜鉛めっき設備の要部を示す図。
【符号の説明】 1 鋼板 2 焼鈍炉 3 スナウト 4 めっき槽 5 めっき浴 6 シンクロール 7 ワイピングノズル 8 冷却装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)式を満たす範囲のAlとNを含む
    鋼板表面に、Alを20〜95wt%含むAl含有溶融
    亜鉛めっき皮膜を有することを特徴とするスパングルの
    均一性に優れたAl含有溶融亜鉛めっき鋼板。 6≦(135×A+1500×N)≦8 ・・・(1) 但し、 A:鋼板中に含まれるAl量(wt%) N:鋼板中に含まれるN量(wt%)
  2. 【請求項2】 (2)式を満たす範囲のAlとNを含む
    鋼板表面に、Alを20〜95wt%含むAl含有溶融
    亜鉛めっき皮膜を有するAl含有溶融亜鉛めっき鋼板で
    あって、めっき皮膜表面の平均スパングル径d(mm)
    とめっき後の冷却速度C(℃/秒)が(3)式を満たす
    ようにして製造したAl含有溶融亜鉛めっき鋼板である
    ことを特徴とするスパングルの均一性に優れたAl含有
    溶融亜鉛めっき鋼板。 6≦(135×A+1500×N)≦8 ・・・(2) 但し、 A:鋼板中に含まれるAl量(wt%) N:鋼板中に含まれるN量(wt%) 0.9−0.13×(C−9)1/2 ≦d ≦1.15−0.13×(C−9)1/2 ・・・(3) 但し、 平均スパングル径d:10cm×10cmの鋼板サンプ
    ルから任意に10箇所選定し、1cmの長さを横切るス
    パングルの数をカウントし、平均スパングル径d(m
    m)=100/「10箇所のカウントの総和」として定
    義する。 冷却速度C:鋼板がめっき浴を出てからめっき皮膜の凝
    固が終了するまでの間の冷却速度(℃/秒)
  3. 【請求項3】 鋼中のAl量(A:wt%)とN量
    (N:wt%)を(4)式を満たす範囲に溶製した鋼
    を、熱間圧延、酸洗後、またはさらに冷間圧延後、連続
    式溶融めっき設備に装入して、Alを20〜95wt%
    含む溶融亜鉛めっきを行い、めっき後の冷却速度C(℃
    /秒)とめっき皮膜表面の平均スパングル径d(mm)
    が(5)式を満たすようにしてAl含有溶融亜鉛めっき
    鋼板を製造することを特徴とするスパングルの均一性に
    優れたAl含有溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 6≦(135×A+1500×N)≦8 ・・・(4) 0.9−0.13×(C−9)1/2 ≦d ≦1.15−0.13×(C−9)1/2 ・・・(5) 但し、 平均スパングル径d:10cm×10cmの鋼板サンプ
    ルから任意に10箇所選定し、1cmの長さを横切るス
    パングルの数をカウントし、平均スパングル径d(m
    m)=100/「10箇所のカウントの総和」として定
    義する。 冷却速度C:鋼板がめっき浴を出てからめっき皮膜の凝
    固が終了するまでの間の冷却速度(℃/秒)
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