JPH10152692A - アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法

Info

Publication number
JPH10152692A
JPH10152692A JP8315037A JP31503796A JPH10152692A JP H10152692 A JPH10152692 A JP H10152692A JP 8315037 A JP8315037 A JP 8315037A JP 31503796 A JP31503796 A JP 31503796A JP H10152692 A JPH10152692 A JP H10152692A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
rolling
alkyl
aluminum
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8315037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3370872B2 (ja
Inventor
Masanori Ikeda
昌則 池田
Kuniaki Matsui
邦昭 松井
Yukio Sugishita
幸男 杉下
Hiroyuki Ando
裕幸 安藤
Takayuki Fujimoto
高幸 藤本
Masahiro Hata
昌弘 秦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP31503796A priority Critical patent/JP3370872B2/ja
Publication of JPH10152692A publication Critical patent/JPH10152692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3370872B2 publication Critical patent/JP3370872B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 潤滑不足による焼き付きも無く、過潤滑及び
長期使用による板表面の圧延油切り性の悪化も無い安定
した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合
金の圧延方法を提供する。 【解決手段】 (a)鉱物油、(b)脂肪酸若しくはそ
のモノエステル又は油脂:3乃至30重量%、(c)C
4〜C18アルキル若しくはアルケニル(亜)リン酸エス
テル:0.5乃至10重量%、(d)下記一般式 の単量体と(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)
アクリル酸塩との共重合物で平均分子量が1万〜100
万のものの有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する
水分散型熱間圧延油組成物を使用してアルミニウム又は
アルミニウム合金組成物を熱間圧延する際に、前記水分
散型熱間圧延油組成物中の油の平均粒径を5乃至15μ
mの範囲に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧延潤滑性、板表面
品質性及び乳化安定性が優れた水分散型のアルミ用熱間
圧延油を使用した圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金板の
熱間圧延においては、圧延板表面から圧延ロール表面へ
アルミニウムが移着して、ロールコーティング層がロー
ル表面に形成されるため、圧延板はロールコーティング
層と接触しつつ圧延されることになる。従って、圧延板
の表面品質はロールコーティング層の性状によって左右
される。また、熱間圧延時に発生した板の表面欠陥は冷
間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延にお
けるロールコーティング層の性状は極めて重要といえ
る。ロールコーティング層の性状は、圧延諸条件(板材
質、板温度、ブラシロール操業条件等)と圧延油により
変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティン
グ層を制御する上で不可欠なものである。
【0003】熱間圧延では充分なロール冷却性が必要と
なるため、圧延油はエマルジョンの形で使用されてい
る。このため、従来、アルミニウム又はアルミニウム合
金の熱間圧延油としては、一般に、鉱物油を基油とし
て、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤、
極圧剤、防錆剤及び酸化防止剤等を配合し、これを主に
陰イオン性界面活性剤で乳化し、通常3乃至10%濃
度、油粒径1乃至3μmの乳化型エマルションが使用さ
れている。
【0004】アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間
圧延油に要求される性能としては、潤滑性、ロールコー
ティング性、表面品質性、乳化安定性、作業性及び排水
処理性等が挙げられ、特に近年の大量生産化とアルミニ
ウム圧延品の高品質指向から、潤滑性、表面品質性及び
乳化安定性等の熱間圧延油に対する要求は益々高くなっ
てきている。
【0005】しかしながら、従来の乳化剤を使用したア
ルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油は、前述
の要求の全てを充分に満足するものではない。
【0006】従来の圧延油にあっては、乳化剤の種類と
添加量を選ぶことによって潤滑性を制御していたが、こ
のような乳化剤を使用した熱間圧延油においては、潤滑
性と乳化安定性とは相反する傾向を示し、両性能を共に
満足させることはできない。即ち、従来の圧延油では潤
滑性を増すと、乳化安定性は低下し、その結果潤滑性の
経時安定性が低下するため、板表面の品質安定性が問題
となる一方、乳化安定性を増すと、充分な潤滑性は得ら
れず、その結果板表面に種々の欠陥を発生するという問
題点がある。
【0007】このように相反する特性である潤滑性及び
乳化安定性を両立させるために、例えば、特公昭62−
14599号公報にみられる圧延油組成物が提案されて
いる。この圧延油組成物においては、潤滑性及び乳化安
定性は確かに両立し、それなりに従来技術にない利点を
備えているが、得られる圧延板の表面品質は必ずしも充
分ではない。
【0008】一方、同様の試みとして特開昭63−12
0795号公報が提案されている。しかし、これは本質
的には特公昭62−14599号公報に記載の技術と同
質でがあり、その選択範囲の中から、潤滑性を犠牲にし
た上で表面品質性を向上させたものである。このよう
に、従来の潤滑油では、アルミニウム圧延における大量
生産化と高品質指向に対応することが困難である。
【0009】そこで、本願発明者等は、従来のアルミニ
ウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油が有する問題点
を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の潤滑油成分
を特定の単量体の共重合物の有機酸塩を使用して水中に
乳化分散させることにより、潤滑性、乳化安定性及び板
表面品質性を同時に満足しつつ、長期使用時の熱劣化に
よる性能低下の問題が改善されることを見いだし、先に
特許出願した(特開平7−150189号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この熱間圧延
油組成物は所期の目的は達成したものの、この熱間圧延
油組成物を使用した圧延においては、潤滑不足による焼
き付きが発生することがあり、また板表面の圧延油切り
性が悪化することがあった。更に、長期使用した場合
に、微小粒径の金属粉及び他種油等の不純物が混入し、
これにより粘度が高くなり、板表面の圧延油切り性が悪
化することがあった。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、潤滑不足による焼き付きも無く、過潤滑及
び長期使用による板表面の圧延油切り性の悪化も無い安
定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム
合金板の圧延方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金板の圧延方法は、カチオン系の
高分子化合物を混合した水分散型熱間圧延油組成物を使
用するアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
において、前記水分散型熱間圧延油組成物中の油の平均
粒径を5乃至15μmの範囲に制御することを特徴とす
る。
【0013】このカチオン系のカチオン系の高分子化合
物を混合した水分散型熱間圧延油組成物は、特開平7−
150189号公報に開示された発明に係るものであ
り、この潤滑油の使用に際して、平均油粒径を5乃至1
5μmに制御することにより、潤滑不足による焼き付き
も無く、過潤滑及び長期使用による板表面の圧延油切り
性の悪化も無い安定した圧延が可能となる。
【0014】この水分散型熱間圧延油組成物の組成は、
(a)粘度80cSt(40℃)以下の鉱物油に、
(b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、及び炭素数
10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール
類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は
2種以上の化合物:3乃至30重量%、(c)アルキル
基又はアルケニル基の炭素数が4乃至18であるアルキ
ル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若し
くはアルケニル亜リン酸エステル:0.5乃至10重量
%、(d)下記一般式(1)
【0015】
【化1】
【0016】(式中、R1は水素原子又はメチル基を、
2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基
を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示
す)で表される単量体の1種以上と(メタ)アクリルア
ミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であ
って、平均分子量が10,000乃至1,000,00
0の範囲にある高分子化合物の一般式(2)
【0017】
【化2】 R4COOH
【0018】(式中、R4は炭素数1乃至5のアルキル
基、ヒドロキシアルキル基。カルボキシアルキル基又は
カルボキシル基を示す)で表される有機酸塩:0.1乃
至10重量%を含有する組成を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】本願発明者等が更に実験研究を行
った結果、この熱間圧延油組成物を使用した圧延におい
ては、鉱物油を基油として脂肪酸、油脂、脂肪酸エステ
ル等の油性向上剤、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤等を配
合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化したもの
は、通常3乃至10%濃度のエマルジョンと同様な油粒
径(1乃至3μm)では潤滑不足による焼き付きが発生
し、過大な油粒径では板表面の圧延油切り性が悪化する
ことが判明した。また、長期使用した場合に、微小粒径
の金属粉及び他種油等の不純物混入により粘度が高くな
り板表面の圧延油切り性が悪化することが判明した。
【0020】即ち、前述の組成を有する水分散型アルミ
ニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物を使用
して熱間圧延すると、5μm以下の平均油粒径では板へ
の油付着量が不足し、焼き付きが発生する。一方、15
μm以上の平均油粒径では板への油付着量が過剰にな
り、油残り模様が発生する。また、15μm以上の平均
油粒径では圧延潤滑安定性も損なわれる。このため、本
発明においては、平均油粒径を、5乃至15μmにす
る。
【0021】本発明に係る圧延方法は、カチオン系の高
分子化合物の投入量の調節及び圧延油タンクでの新油交
換量の調節で、油粒径を5乃至15μmの範囲に制御す
ることにより、適度な粘度が得られ、鉱物油を基油とし
て脂肪酸、油脂、脂肪酸エステル等の油性向上剤、極圧
剤、防錆剤、酸化防止剤を配合し、これを主に陰イオン
性界面活性剤で乳化し、通常3乃至10%濃度のエマル
ションと同様な油粒径(1乃至3μm)で発生した潤滑
不足による焼き付きも無く、長期使用時の油劣化による
板表面の圧延油切り性の悪化も無い安定した圧延が可能
になる。
【0022】次に、上記水分散型アルミニウム又はアル
ミニウム合金用熱間圧延油組成物について詳細に説明す
る。
【0023】先ず、本発明の熱間圧延油組成物の(a)
成分である鉱物油としては、例えばスピンドル油、マシ
ン油、タービン油、シリンダー油、ニュートラル油等が
挙げられるが、耐熱性及び潤滑性の点から、パラフィン
系鉱物油がより好ましい。鉱物油の粘度は80cSt
(40℃)以下であることが必要であり、80cStを
超えると板表面の品質が低下してしまう。この(a)成
分は基油であり、その配合量は特に制限されないが、3
8〜96.4重量%、特に60〜85重量%が好まし
い。
【0024】(b)成分のうち、油脂としては鯨油、牛
脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ヤシ油等の
動植物油脂が挙げられる。炭素数10〜22の脂肪酸と
しては、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。
脂肪酸モノエステルとしては、炭素数10〜22の脂肪
酸と炭素数1〜22の脂肪族1価アルコール、エチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、グリセリン等とのモノエステル、より具体的に
はカプリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸
ラウレート、エルカ酸2−エチルヘキシル、ペンタエリ
スリトールモノオレート、グリセリンモノオレート等が
挙げられる。これらの(b)成分は油性向上剤として作
用するものであり、単独で又は2種以上を組み合わせて
使用することができる。またその添加量は3〜30重量
%、より好ましくは10〜25重量%であり、3重量%
未満では潤滑性が低下し、30重量%を超えると板表面
の品質が低下する。また、油脂を配合する場合は、油脂
の添加量は20重量%までとするのがより好ましい。
【0025】(c)成分であるアルキル若しくはアルケ
ニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜
リン酸エステルは、アルキル又はアルケニル基の炭素数
が4〜18のものであり、その具体例としてジブチルホ
スフェート、モノオクチルホスフェート、トリオレイル
ホスフェート、トチブチルホスファイト、ジイソオクチ
ルホスファイト、トリオレイルホスファイト等が挙げら
れる、モノ−、ジ−、又はトリエステルのうち、特にモ
ノ−、ジエステルであるアルキル若しくはアルケニルア
シッドホスフェート又はアルキル若しくはアルケニルア
シッドホスファイトが好ましい。この添加量は0.5〜
10重量%、より好ましくは1〜5重量%であり、0.
5重量%未満では板表面の品質の向上はなく、10重量
%を超える添加では、増量による板表面の品質の向上は
期待できない。
【0026】(d)成分の高分子化合物としては、一般
式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドとの共重合
体、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリル酸塩との
共重合体、一般式(1)の単量体(メタ)アクリルアミ
ドと(メタ)アクリル酸塩との共重合体等が挙げられ
る。このうち、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリ
ルアミドと(メタ)アクリル酸塩とのモル比は、50〜
90:0〜20:10〜50が特に好ましい。
【0027】一般式(1)の単量体のアミン体として
は、m=1のものとしてジメチルアミノエチルアクリル
アミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエ
チルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチ
ルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、ジエチルアミノメチルメタクリルアミド等が
m=0のものとして、アリルアミン、ジメチルアミノメ
チルエチレン、ジエチルアミノメチルエチレン、ジメチ
ルアミノメチルプロペン、ジエチルアミノメチルプロぺ
ン等が挙げられるが、このうちm=1のものが特に好ま
しい。また、特に好ましい単量体(1)の具体例として
は、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミドが挙げられる。
【0028】(メタ)アクリル酸塩としては、(メタ)
アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等
の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリ
ル酸モノエタノールアミン塩、(メタ)アクリル酸ジエ
タノールアミン塩、(メタ)アクリル酸トリエタノール
アミン塩等の(メタ)酸有機アミン塩が挙げられる。
【0029】(d)成分の高分子化合物は、その平均分
子量が10,000〜1,000,000の範囲にある
ことが必要であり、平均分子量がこの範囲に満たないと
乳化安定性が劣り、この範囲を超えると高分子化合物自
体の安定性が劣ったり、高粘度となって取り扱いが困難
となるため好ましくない。より好ましい平均分子量は3
0,000〜300,000である。
【0030】(d)成分の高分子化合物の有機酸塩にお
ける必須の有機酸を示す一般式(2)中、R4としては
炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシ
アルキル基、アルキル部の炭素数が1〜5のカルボキシ
アルキル基及びカルボキシル基が挙げられ、このうち炭
素数1〜5のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。R
4COO-の具体例としては、酢酸イオン、プロピオン酸
イオン、酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオ
ン、グリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒドロアクリル
酸イオン、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸
イオン、グルタル酸イオン、アジビン酸イオン等が挙げ
られるが、特にグリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒド
ロアクリル酸イオンが好ましい。
【0031】高分子化学物の製造にあたっては、一般式
(1)の単量体を重合し、その後一般式(2)の有機酸
で中和するのが好ましいが、一般式(1)の単量体を一
般式(2)の有機酸で予め中和したものを使用して重合
させてもよい。例えば、ジメチルアミノプロピルメタク
リルアミドのグリコール酸中和物を他の共重合単量体と
重合することによって(d)成分を得ることもできる。
【0032】(d)成分の高分子化合物は、単独で又は
2種以上を組み合わせて使用することができ、熱間圧延
油組成物全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%になるように配合される。10重量%
を超える場合は、耐圧荷重性能が小さくなって耐焼付き
性の低下を招き、好ましくない。
【0033】本発明のアルミニウム又はアルミニウム合
金用熱間圧延油組成物には、上記成分の他に必要に応じ
て公知の添加剤、例えば防錆・防食剤、酸化防止剤及び
初期乳化性を向上させるための乳化剤等を添加すること
もできる。
【0034】防錆・防食剤としては、例えばアルケニル
コハク酸及びその誘導体、オレイン酸等の脂肪酸、ソル
ビタンモノオレート等のエステル、その他のアミン類等
を用いることができ、これらは圧延油組成物全量に対し
て2重量%まで添加することができる。
【0035】また、酸化防止剤としては、例えば2、4
−ジtert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール
系化合物、フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族ア
ミン等を用いることができる。これらは圧延油組成物全
量に対して5重量%まで添加することができる。
【0036】更に、乳化剤としては、例えばオレイン酸
トリエタノールアミン塩、石油スルホネートナトリウム
塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を用い
ることができ、これらは圧延油組成物全量に対して2重
量%まで添加することができる。
【0037】本発明のアルミニウム又はアルミニウム合
金用熱間圧延油組成物を使用するに際しては、該組成物
を水で希釈する。この際の希釈割合は特に限定されない
が、通常該組成物濃度が1〜30重量%となるようにす
ることが好ましい。
【0038】本発明の圧延油組成物は、(d)成分の高
分子化合物等の持つ電気的凝集効果、立体障害効果、保
護コロイド効果、高耐熱性能により、適度な粒径を持
ち、熱間圧延のような過酷な使用条件下においてもその
均一な乳化分散性及び粒径分布を長期間安定に保つこと
ができるため、初期の良好な圧延潤滑性を長期間維持で
きる。また、(b)成分の油性向上剤のロールコーティ
ング制御効果及び(d)成分の高分子化合物の持つ均一
濡れ効果により、ロールコーティングが均一で薄いもの
になるため、均一で欠陥の少ない板表面が得られる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その比較例
と比較して具体的に説明する。下記式にて示すカチオン
系高分子化合物を混合した熱間圧延油組成物を使用し
て、入側板厚;29mm、板幅;1300mmのアルミ
ニウムコイル(JIS5000系材)を4段圧延機(ワ
ークロール径;725mm、ワークロールバレル長;2
900mm、バックアップロール径;1530mm、バ
ックアップバレル長;2900mm)を四機連ねた4ス
タンドタンデムで圧延した。
【0040】圧延速度;300mpm、圧下率;30乃
至60%、材料温度;300℃の条件で、平均油粒径を
コールタカウンタで確認しながら、カチオン系高分子化
合物の投入量及び圧延油撹拌条件を調節することによっ
て、平均油粒径を変更した。この圧延実験により、圧延
潤滑性及び板表面品質性を測定した。供試熱間圧延油組
成物は以下のとおりである。
【0041】 (a)成分;パラフィン系鉱物油(70cSt/40℃) 61.5重量% (b)成分;オレイン酸 15.0重量% 豚脂 15.0重量% (c)成分;ジラウリルホスファイト 3.0重量% (d)成分;高分子分散剤(A) [ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/アクリルアミド/アク リル酸ナトリウム=80/5/15の共重合物の酢酸中和物 (Mw=40万)] 2.0重量% その他 ;トリクレジルホスフェート 2.0重量% 酸化防止剤 1.0重量% ノニオン系界面活性剤(I) [ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (HLB=12.4] 0.5重量% 計100.0重量%。
【0042】図1は横軸に平均油粒子径(μm)をと
り、縦軸に4機合計圧延荷重(Ton)をとって、圧延
荷重と平均油粒子径との関係を示すグラフ図である。こ
の図に示すように、平均油粒子径が5乃至15μmの場
合に圧延荷重が小さい。これに対し、平均油粒子径が本
発明の範囲を外れると、圧延荷重が増大する。
【0043】また、図2は横軸に平均油粒子径をとり、
縦軸に板表面不良発生数をとって両者の関係を示すグラ
フ図である。この図2に示すように、平均油粒子径が5
乃至15μmの場合に、焼き付き及び圧延油残りのいず
れも少なく、板表面不良発生数が極めて少ない。これに
対し、平均油粒子径が5μm未満になると、焼き付きが
増大し、平均油粒子径が15μmを超えると、圧延油残
りが増大する。
【0044】この図1及び2から明らかなように、本発
明による圧延法によって、板表面品質及び圧延潤滑性が
著しく向上し、安定した圧延ができた。
【0045】なお、本発明においては、圧延状況及び板
表面状況に応じて油粒径を変更することによって、容易
にアルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油組成
物の基本特性を有効化することができる。よって、従来
の圧延油を使用した圧延方法に比べ咬み込み性の変化が
なく、建浴初期の潤滑性が極めて優れ、建浴直後から高
強度材の圧延が可能になる。また、乳化性の長期安定性
及びロールコーティング制御に優れるため、長期使用時
でも従来の圧延油のような咬み込み不良又はスリップ疵
の発生もなく、優れた板表面品質性を長期安定に得るこ
とができる。また、カチオン系高分子化合物の機能によ
り、タンク、ミル周辺等のハウジングの汚れが改善さ
れ、排水処理性にも優れるものである。また、カチオン
系高分子化合物の抗菌機能により、バクテリアの発生を
防止できるため、粒子径の過大化がなく、油粒径制御安
定性に優れるものである。
【0046】
【発明の効果】本発明に係るアルミニウム又はアルミニ
ウム合金の圧延方法によれば、平均油粒径を5乃至15
μmに制御したので、潤滑不足による焼き付けが生じ
ず、過潤滑及び長期使用による板表面の圧延油切り性の
悪化も生じない。これにより、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金の安定した圧延が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間圧延油組成物の平均油粒子径と、4スタン
ド圧延機での合計圧延荷重との関係をを示すグラフ図で
ある。
【図2】熱間圧延油組成物の平均油粒子径と、板表面の
不良発生数との関係を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 129:74 129:70 137:04 137:02 133:06 133:16) C10N 20:06 30:00 40:24 (72)発明者 安藤 裕幸 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 藤本 高幸 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 秦 昌弘 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)粘度80cSt(40℃)以下の
    鉱物油に、(b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、
    及び炭素数10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22の
    アルコール類とのモノエステルからなる群から選択され
    た1種又は2種以上の化合物:3乃至30重量%、
    (c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至1
    8であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又
    はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:0.
    5乃至10重量%、(d)下記一般式 (式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3
    水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又
    は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表される
    単量体の1種以上と(メタ)アクリルアミド及び/又は
    (メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分子
    量が10,000乃至1,000,000の範囲にある
    高分子化合物の一般式R4COOH(式中、R4は炭素数
    1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基。カルボ
    キシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表される
    有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する水分散型熱
    間圧延油組成物を使用してアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金組成物を熱間圧延する方法において、前記水分散
    型熱間圧延油組成物中の油の平均粒径を5乃至15μm
    の範囲に制御することを特徴とするアルミニウム又はア
    ルミニウム合金の圧延方法。
JP31503796A 1996-11-26 1996-11-26 アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法 Expired - Lifetime JP3370872B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31503796A JP3370872B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31503796A JP3370872B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10152692A true JPH10152692A (ja) 1998-06-09
JP3370872B2 JP3370872B2 (ja) 2003-01-27

Family

ID=18060671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31503796A Expired - Lifetime JP3370872B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3370872B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010073939A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 花王株式会社 熱間圧延油用潤滑油および熱間圧延板の製造方法
JP2019167423A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 株式会社Uacj アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント、アルミニウム圧延板の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010073939A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 花王株式会社 熱間圧延油用潤滑油および熱間圧延板の製造方法
JP2010168552A (ja) * 2008-12-25 2010-08-05 Kao Corp 熱間圧延油用潤滑油および熱間圧延板の製造方法
JP2019167423A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 株式会社Uacj アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント、アルミニウム圧延板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3370872B2 (ja) 2003-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004263087A (ja) アルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油
KR101821822B1 (ko) 열간 압연유용 윤활유 및 열간 압연판의 제조방법
JP2972169B2 (ja) 鋼板冷間圧延方法
US5583100A (en) Oil compositions for hot rolling aluminum and aluminum alloys
JPH0576998B2 (ja)
JP4463632B2 (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金板用熱間圧延油
JP3370880B2 (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金板の圧延方法
JP2779506B2 (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油組成物
JP3370873B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
JP3370872B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
JP3370874B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
JP3370879B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法及び装置
JP3370878B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法
JP3475983B2 (ja) 金属の圧延加工用潤滑剤組成物
JPH108077A (ja) 金属塑性加工用潤滑油剤
JP2008200689A (ja) アルミニウム板またはアルミニウム合金板の圧延方法
JP2869850B2 (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油組成物
JP3912624B2 (ja) アルミニウム用熱間圧延油及び該圧延油を使用したアルミニウムの熱間圧延方法
JP3331013B2 (ja) チタン板用冷間圧延油組成物
JP2003170207A (ja) 金属板の圧延方法
JP2008201856A (ja) アルミニウム板またはアルミニウム合金板の圧延方法
JP3096289B2 (ja) 水分散型鋼板冷間圧延油
JPH10183156A (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金用圧延油の建浴方法
JP2008037928A (ja) 鋼板冷間圧延油用潤滑油
JP5043289B2 (ja) 金属変形組成物及びその使用

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081115

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081115

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101115

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121115

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131115

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term