JPH10152515A - αーオレフィン重合用触媒を含む液組成物、αーオレフィン重合用触媒、及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

αーオレフィン重合用触媒を含む液組成物、αーオレフィン重合用触媒、及びオレフィン重合体の製造方法

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JPH10152515A
JPH10152515A JP32777996A JP32777996A JPH10152515A JP H10152515 A JPH10152515 A JP H10152515A JP 32777996 A JP32777996 A JP 32777996A JP 32777996 A JP32777996 A JP 32777996A JP H10152515 A JPH10152515 A JP H10152515A
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JP
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polymerization
catalyst
olefin
polymer
transition metal
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JP32777996A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Matsukawa
哲也 松川
Seiju Ito
清樹 伊藤
Masahito Takahashi
雅人 高橋
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒製造に際し、得られる触媒の単離が容易
で、しかも得られた触媒を用いてポリマーを製造する際
に生成するポリマーが反応器の壁面に付着することを防
止すると共に、得られるポリマーの嵩密度が高く、粒子
形状の良好なオレフィン重合体の製造用触媒、およびオ
レフィン重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 シリカ等の無機酸化物と、置換シクロペ
ンタジエニル基等を有する周期律表第IVB族の遷移金
属キレートと、アルミニウムオキシ化合物とからなる触
媒成分を用いて、ペンタン等の液状低沸点炭化水素中で
プロピレン等のモノマーを予備重合させてα−オレフィ
ン重合用触媒を得る。次いで、この触媒にαーオレフィ
ンを接触させて本重合させることによりαーオレフィン
重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、α−オレフィン
重合用触媒、及びこれを用いたオレフィン重合体の製造
方法に関する。更に詳述すれば、本発明はα−オレフィ
ン類の重合に適用した場合に触媒の活性が高く、また生
成するポリマーの反応器壁面への付着を防止し、粒子性
状の良好なポリオレフィンの製造を可能とするα−オレ
フィン重合用触媒、及びこれを用いるα−オレフィン重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 オレフィン重合用均一系触媒として
は、いわゆるカミンスキー系触媒がよく知られている。
この触媒は非常に重合活性が高く、しかも例えばプロピ
レン重合においては、アタクチックポリプロピレン、ア
イソタクチックポリプロピレン、及びシンジオタクチッ
クポリプロピレンのいずれもが製造できる。(Makr
omol.Chem.Rapid Commun.4,
417−421(1983). Angew.Che
m.Int.Ed.Engl.24,507−508
(1985). J.Am.Chem.Soc.,10
3,6544−6545(1987). J.Am.C
hem.Soc.,110,6255−6256(19
88).) 上記のようなカミンスキー系触媒は、一般的には重合溶
媒に可溶であるため、液相重合あるいは気相重合を行う
場合、生成するポリマーは嵩密度が低く、粉体性状に劣
っていたり、生成するポリマーの反応器壁面への付着な
どの問題を生じ、工業的に高効率でポリマーを製造する
ことが困難であった。
【0003】従来、ポリオレフィンの製造において、ポ
リマーの反応器壁面への付着、あるいは粒子性状を改善
する手段として、遷移金属化合物およびアルミニウムオ
キシ化合物のいずれか一方、または両方の成分を粒子状
担体に担持させた触媒を用いてオレフィン重合を行な
い、粒子性状の良好なポリマーを得ることが提案されて
いる。
【0004】即ち、特開昭61−108610、同61
−276805、同61−296008、同63−22
804においては、遷移金属化合物およびアルミニウム
オキシ化合物からなる触媒成分をシリカ、シリカ・アル
ミナ、アルミナなどの無機酸化物担体に担持した固体触
媒を用い、特開昭63−152608、同63−280
703においては、上記固体触媒で予備重合した触媒を
用いてエチレンおよびエチレン共重合体を製造する技術
が提案されている。しかし、この触媒は重合触媒活性が
低いため、ポリマー中に相当量の無機酸化物が残存し、
ポリマー品質の低下、例えば成形性の低下、およびフィ
ッシュアイなどの原因となる。また、これらの提案は比
較的触媒活性の高いエチレン系重合体の製造にしか実施
されていない。
【0005】また、特開平6−25343においては、
遷移金属化合物およびアルミニウムオキシ化合物からな
る触媒成分をシリカ担体に担持させ、これを用いてプロ
ピレンを予備重合させた固体触媒をプロピレンバルク重
合に用いることにより、嵩密度が高く、粒子性状の良好
なポリマーを得ることが提案されている。
【0006】しかし、上記提案の開示内容は、液化プロ
ピレンを溶媒としたバルク重合に限られており、不活性
溶媒を用いるスラリー重合や気相重合においては、依然
として粒子性状の優れたポリマーを得ることは困難であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決するためになされたもので、バルク重
合のみならず、液相重合、及び気相重合に適用した場合
でも触媒活性が高く、重合中に生成するポリマーが反応
器壁面へ付着することが無く、しかも粒子性状の良好な
ポリマーを、特に、従来技術では難しかったポリプロピ
レンの製造に用いることのできるオレフィン重合用触媒
及び、これを用いるオレフィン重合体の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、無機酸化物[A]と周期律表第IVB
族の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
[C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
素中で予備重合用モノマーを予備重合することにより得
られることを特徴とするα−オレフィン重合用触媒を含
む液組成物を提案するもので、液状低沸点炭化水素が非
重合性液状低沸点炭化水素であること、液状低沸点炭化
水素が重合性液状低沸点炭化水素であること、液状低沸
点炭化水素、及び予備重合用モノマーがプロピレンであ
ることを含む。
【0009】また本発明は、無機酸化物[A]と周期律
表第IVB族の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオ
キシ化合物[C]とからなる触媒成分を用いて、液状低
沸点炭化水素中で予備重合用モノマーを予備重合した
後、前記液状低沸点炭化水素を留去することにより得ら
れることを特徴とするα−オレフィン重合用触媒であ
る。
【0010】更に本発明は、無機酸化物[A]と周期律
表第IVB族の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオ
キシ化合物[C]とからなる触媒成分を用いて、液状低
沸点炭化水素中で予備重合用モノマーを予備重合するこ
とにより得られるα−オレフィン重合用触媒を含む液組
成物にαーオレフィンを接触させて重合させることを特
徴とするαーオレフィン重合体の製造方法である。
【0011】更に本発明は、無機酸化物[A]と周期律
表第IVB族の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオ
キシ化合物[C]とからなる触媒成分を用いて、液状低
沸点炭化水素中で予備重合用モノマーを予備重合するこ
とにより得られるα−オレフィン重合用触媒を含む液組
成物と、及びアルミニウムオキシ化合物とからなる触媒
に、αーオレフィンを接触させて重合させることを特徴
とするαーオレフィン重合体の製造方法である。
【0012】また更に本発明は、無機酸化物[A]と周
期律表第IVB族の遷移金属化合物[B]とアルミニウ
ムオキシ化合物[C]とからなる触媒成分を用いて、液
状低沸点炭化水素中で予備重合用モノマーを予備重合し
た後、前記液状低沸点炭化水素を留去することにより得
られるα−オレフィン重合用触媒にαーオレフィンを接
触させて重合させることを特徴とするαーオレフィン重
合体の製造方法である。
【0013】また本発明は、無機酸化物[A]と周期律
表第IVB族の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオ
キシ化合物[C]とからなる触媒成分を用いて、液状低
沸点炭化水素中で予備重合用モノマーを予備重合した
後、前記液状低沸点炭化水素を留去することにより得ら
れるα−オレフィン重合用触媒と、及びアルミニウムオ
キシ化合物とからなる触媒に、αーオレフィンを接触さ
せて重合させることを特徴とするαーオレフィン重合体
の製造方法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、前述の様に、
無機酸化物[A]と周期律表第IVB族の遷移金属化合
物[B]とアルミニウムオキシ化合物[C]とからなる
触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水素中で予備重合用
モノマーを予備重合することによりα−オレフィン重合
用触媒液組成物を得るものである。
【0016】無機酸化物[A]は、粒子状の無機酸化物
担体である。具体的にはSiO2、Al23、MgO、
ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、
ThO2などまたはこれらの混合物、例えば、SiO2
MgO、SiO2−Al23、SiO2−TO2、SiO2
−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを例示する
ことができる。
【0017】該無機酸化物[A]は、その種類および製
造方法により性状が異なるものが存在するが、いずれの
ものでも利用できる。その粒径は好ましくは5〜500
μm、より好ましくは10〜200μmの範囲のもであ
る。また、シリカゲルやアルミナのように多孔質のもの
でもよい。該無機酸化物[A]は、必要に応じて100
〜1000℃、好ましくは、150〜700℃で焼成し
て用いることもできる。
【0018】上記無機酸化物[A]は遷移金属化合物あ
るいはアルミノキサン化合物の担持に先だって、あらか
じめ有機アルミニウム化合物またはハロゲン含有シラン
化合物で予備接触処理が施されていてもよい。
【0019】本発明に用いられる触媒成分[B]は、具
体的には、ジメチルシリルビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス
(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(メ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(t−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルシリル(メチルシクロペンタジエニル)(t−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルゲルミビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリル(メチルシクロペ
ンタジエニル)(2,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリルビス(2,3,5−トリ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルゲルミビス(2,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドなどの置換シクロ
ペンタジエニル基を有する遷移金属化合物が好ましい。
【0020】また、エチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(5−メチル−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,3−
ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリルビス(4−メチル−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
ルビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリルビス(2,3−ジメチル−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
ルビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリドなどの置換インデニル基を有する遷移金
属化合物も好ましいものである。
【0021】さらに、本発明においては触媒成分[B]
として、上記ジルコニウム化合物の中心金属をチタンま
たはハフニウムに置換した化合物も用いることができ
る。これらの化合物は公知のもので、その製造方法も公
知のものである。
【0022】触媒成分であるアルミニウムオキシ化合物
[C]は、一般式[1]、または一般式[2]で表され
る化合物である。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】 3、及びR4は同一でも、異なっていても良く、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基な
どの炭素数1〜8の炭化水素基である。m、及びnは4
〜60の整数であり、好ましくは6以上である。この種
の化合物の製造方法は公知であり、例えば、(イ)吸着
水を含有する化合物、結晶水を含有する塩類(硫酸銅水
和物、硫酸アンモニウム水和物など)の炭化水素媒体懸
濁液にトリアルキルアルミニウムを添加して反応させる
方法、(ロ)トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベ
ンゼン、エーテル等の適当な有機溶媒を用いて直接水と
反応させる方法、(ハ)トリメチルアルミニウムとトリ
イソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼ
ン、エーテル等の適当な有機溶媒を用いて直接水と反応
させる方法等を例示することができる。
【0025】本発明では、これらのアルミニウムオキシ
化合物を複数種併用することも可能であり、また、アル
ミニウムオキシ化合物とトリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロリドなどの他の有機アルミニウ
ム化合物とを併用することも可能である。
【0026】本発明において、アルミニウムオキシ化合
物[C]を重合反応系へ供給する方法としては、次のよ
うな方法を採ることができる。
【0027】(1)触媒成分として無機酸化物[A]に
遷移金属化合物[B]のみを担持させ、該触媒成分およ
びアルミニウムオキシ化合物[C]をそれぞれ反応系に
供給する方法。
【0028】(2)触媒成分として無機酸化物[A]に
アルミニウムオキシ化合物[C]のみを担持させ、該触
媒成分および遷移金属化合物[B]をそれぞれ反応系に
供給する方法。
【0029】(3)触媒成分として無機酸化物[A]に
遷移金属化合物[B]およびアルミニウムオキシ化合物
[C]の両方を担持させ、該触媒成分を反応系に供給す
る方法。
【0030】(4)触媒成分として、上記(2)の触媒
成分を使用し、該触媒成分および遷移金属化合物[B]
と共にアルミニウムオキシ化合物[C]を重合反応系に
供給する方法。
【0031】(5)触媒成分として、上記(3)の触媒
成分を使用し、該触媒成分と共にアルミニウムオキシ化
合物[C]を重合反応系に供給する方法。
【0032】本発明において無機酸化物[A]に遷移金
属化合物[B]を担持させる方法としては下記(a)〜
(c)の方法を採ることができる。
【0033】(a)遷移金属化合物の溶液と無機酸化物
を接触させることにより担持体を形成させる方法。
【0034】(b)遷移金属化合物の溶液中に分散させ
た無機酸化物の懸濁液と遷移金属化合物の不溶性ないし
難溶性溶媒とを接触させることにより担持体を形成させ
る方法。
【0035】(c)遷移金属化合物の溶液中に分散させ
た無機酸化物の懸濁液から溶媒を留去することにより担
持体を形成させる方法。
【0036】また、無機酸化物[A]にアルミニウムオ
キシ化合物[C]を担持させる方法としては下記
(d)、(e)の方法を採ることができる。
【0037】(d)アルミニウムオキシ化合物の溶液中
に分散させた無機酸化物の懸濁液とアルミニウムオキシ
化合物の不溶性ないし難溶性溶媒とを接触させることに
より担持体を形成させる方法。
【0038】(e)アルミニウムオキシ化合物の溶液中
に分散させた無機酸化物の懸濁液から溶媒を留去するこ
とにより担持体を形成させる方法。
【0039】また、無機酸化物[A]に遷移金属化合物
[B]及びアルミニウムオキシ化合物[C]の両方を担
持させる方法としては、下記(f)〜(i)の方法を採
ることができる。
【0040】(f)アルミニウムオキシ化合物の溶液中
に分散させた無機酸化物の懸濁液とアルミニウムオキシ
化合物の不溶性ないし難溶性溶媒とを接触させることに
よりアルミニウムオキシ化合物担持担体を形成させた
後、該担持担体と遷移金属化合物の溶液を接触させる
か、あるいは遷移金属化合物の溶液中に分散させた該担
持担体の懸濁液から溶媒を留去することにより担持体を
形成させる方法。
【0041】(g)アルミニウムオキシ化合物の溶液に
分散させた無機酸化物の懸濁液から溶媒を留去すること
によりアルミニウムオキシ化合物担持担体を形成させた
後、該担持担体と遷移金属化合物の溶液を接触させる
か、あるいは遷移金属化合物の溶液中に分散させた該担
持担体の懸濁液から溶媒を留去することにより担持体を
形成させる方法。
【0042】(h)遷移金属化合物の溶液と無機酸化物
とを接触させることにより遷移金属化合物担持担体を形
成させた後、該担持担体をアルミニウムオキシ化合物の
溶液中に分散させた懸濁液とアルミニウムオキシ化合物
の不溶性ないし難溶性溶媒とを接触させるか、あるいは
アルミニウムオキシ化合物の溶液中に分散させた該担持
担体の懸濁液から溶媒を留去することにより担持体を形
成させる方法。
【0043】(i)遷移金属化合物の溶液に分散させた
無機酸化物の懸濁液から溶媒を留去することにより、遷
移金属化合物担持担体を形成させた後、該担持担体をア
ルミニウムオキシ化合物の溶液中に分散させた懸濁液と
アルミニウムオキシ化合物の不溶性ないし難溶性溶媒と
を接触させるか、あるいはアルミニウムオキシ化合物の
溶媒中に分散させた該担持担体の懸濁液から溶媒を留去
することにより担持体を形成させる方法。
【0044】遷移金属化合物[B]の可溶性溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳
香属炭化水素およびクロロベンゼン、ジクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素を例示することができる。遷移金
属化合物[B]の不溶性ないし難溶性溶媒としては、例
えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族あるいは脂環族炭化水素
を挙げることができる。
【0045】アルミニウムオキシ化合物[C]の可溶性
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、エチルベン
ゼン、キシレン等の芳香族炭化水素を挙げることができ
る。
【0046】アルミニウムオキシ化合物[C]の不溶性
ないし難溶性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン等の
脂肪族あるいは脂環族炭化水素を挙げることができる。
【0047】上記担持体の調製は通常不活性雰囲気下で
実施される。調製温度は任意であるが、一般には−78
℃〜100℃、好ましくは、−78℃〜60℃の範囲内
である。調製時間は任意であるが、一般には24時間以
内、好ましくは12時間以内である。
【0048】上記方法で調製される担持体は、無機酸化
物[A]100gあたり、遷移金属化合物[B]を含有
する場合は、遷移金属原子濃度で0.01〜200ミリ
モル、好ましくは0.05〜100ミリモルを含有して
いる。また、アルミニウムオキシ化合物[C]を含有す
る場合は、アルミニウム原子濃度で1〜50000ミリ
モル、好ましくは10〜10000ミリモルを含有して
いる。
【0049】さらに、遷移金属化合物[B]およびアル
ミニウムオキシ化合物[C]の両方を含有する場合の含
有量もそれぞれ上記の範囲であるが、遷移金属に対する
アルミニウムの原子比(Al/M)は1〜2000、好
ましくは5から1500の範囲である。
【0050】(αーオレフィン重合用触媒を含む液組成
物、及びαーオレフィン重合用触媒の調製)本発明のα
−オレフィン重合用触媒を含む液組成物は、前記無機酸
化物[A]、遷移金属化合物[B]、及びアルミニウム
オキシ化合物[C]からなる触媒成分を用いて液状低沸
点炭化水素中で予備重合用モノマーを予備重合すること
により得られる。
【0051】予備重合反応においては、遷移金属化合物
[B]と、アルミニウムオキシ化合物[C]との配合割合
は、モル比で[B]:[C]=1:10〜1:5000
0とすることが好ましい。
【0052】また、予備重合反応においては、上記遷移
金属化合物[B]の濃度は10ー2〜10ー10mol/l
とすることが好ましい。
【0053】予備重合反応は、予備重合温度−95〜1
00℃、好ましくはー78〜60℃の範囲で行う。予備
重合時間は10秒〜24時間、好ましくは5分〜10時
間の範囲である。予備重合用モノマーの予備重合量は、
無機酸化物[A]1グラム当り0.01〜500グラ
ム、好ましくは0.1〜200グラムの範囲である。
0.01グラム未満の予備重合量の場合は予備重合の効
果が現れず、本重合の際、遷移金属化合物[B]、及び
アルミニウムオキシ化合物[C]が予備重合物から溶出
し、反応器に付着したり、微粒子化の原因となるため好
ましくない。また、500グラムを超える予備重合量の
場合は成生物は触媒というよりはポリマーに属するもの
になる。このものは本重合における活性が低く、及び触
媒としての取り扱いが困難になる等の問題を生じるため
好ましくない。
【0054】予備重合に際しての分子量の調節は公知の
手段、例えば温度の選定あるいは水素の導入により行う
ことができる。
【0055】予備重合用モノマーとして用いられるオレ
フィン類は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラドデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイ
コセンなどのα−オレフィン類、ブタジエン、1,4−
ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタ
ジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエンなど
のジエン類、シクロブテン、シクロヘキセン、ノルボル
ネン、ジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、、アクリロニト
リル、塩化ビニル、ビニルアルコールなどの極性モノマ
ーなどが例示でき、これらの単独又は2種類以上の混合
物を予備重合に使用することができる。なお、予備重合
モノマーはこれらに限定されるものではない。
【0056】また、本発明に用いられる液状低沸点炭化
水素は、沸点が40℃以下の非重合性あるいは重合性液
状低沸点炭化水素のどちらでもでよい。具体的には、プ
ロパン、n−ブタン、イソーブタン、n−ペンタン、イ
ソ−ペンタン、などの非重合性飽和炭化水素が例示でき
るが、これらに限定されるものではない。
【0057】また、本発明においては前記予備重合用モ
ノマーとして沸点が上記40℃以下のものを用いる場合
は、この予備重合用モノマーを液状低沸点炭化水素とし
て用いることもできるものである。具体的には、プロピ
レン、イソブテンなどの重合性不飽和炭化水素が例示で
きる予備重合用モノマーと液状低沸点炭化水素との配合
割合には、特に制限はない。上記条件で反応させること
により、本発明のαーオレフィン重合用触媒を含む液組
成物を得ることができる。
【0058】本発明においては、上記のようにして製造
したαーオレフィン重合用触媒を含む液組成物をそのま
ま用いてオレフィンを重合させてもよいが、更に重合用
触媒を含む液組成物から液状低沸点炭化水素を留去し、
固体状のαーオレフィン重合用触媒としてもよい。本発
明の予備重合において使用する溶媒は低沸点炭化水素で
あるので、その留去はきわめて容易で、反応系をほぼ常
温、常圧付近にすることで留去でき、αーオレフィン重
合用触媒が分離できる。このものは、触媒液組成物と同
様にしてオレフィンの重合に用いられるものである。保
存は、不活性雰囲気中で、冷暗所、好ましくは5℃以下
に保存することが好ましい。
【0059】(オレフィンの重合)本発明製造方法にお
いては、上記の予備重合によって製造したαーオレフィ
ン重合用触媒液組成物、またはαーオレフィン重合用触
媒を用いてオレフィンを本重合することにより、αーオ
レフィン重合体を製造するものである。
【0060】本重合反応に用いられるオレフィンは、エ
チレン、プロピレン、1ーブテン、4ーメチルー1ーペ
ンテン、1ーヘキセン、1ーペンテン、1ーデセン、1
ードデセン、1ーテトラデセン、1ーヘキサデセン、1
ーオクタデセン、1ーエイコセン等の炭素数が2以上の
αーオレフィンであり、これらの単独、又は2種類以上
の混合物を重合に共することもできる。
【0061】また、上記αーオレフィン類とブタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、
1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−
デカジエン等の共役、及び非共役ジエン類、スチレン
類、またはシクロプロパン、シクロブテン、シクロヘキ
セン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状オ
レフィン類等との共重合もできる。
【0062】オレフィンの重合方法は、液相重合あるい
は気相重合のいずれでも良い。液相重合においては、不
活性炭化水素を溶媒としても良いし、さらには液化プロ
ピレン、液化1ーブテン等の液化オレフィンそれ自身を
溶媒として用いることも可能である。重合溶媒としては
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳
香族炭化水素、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n
−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、n−ヘ
キサデカン、n−オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、
灯油、軽油などの石油留分等が例示できる。
【0063】本重合反応系内の遷移金属原子の濃度につ
いては特に制限はないが、好ましくは、遷移金属濃度で
10ー2〜10-10mol/lの範囲である。
【0064】また、上記触媒に更にアルミニウムオキシ
化合物[C]を配合してもよい。前記更に配合するアル
ミニウムオキシ化合物量についても特に制限はないが、
Al/遷移金属原子のモル比は10以上、好ましくは2
0以上である。
【0065】重合反応系のオレフィンの圧力は特に制限
はないが、好ましくは常圧〜50kg/cm2の範囲で
あり、重合温度についても特に制限はないが通常は−5
0〜250℃、好ましくは−30〜100℃の範囲であ
る。
【0066】重合に際しての分子量の調節は公知の手
段、例えば温度の選定あるいは水素の導入により行うこ
とができる。
【0067】その他の反応条件は、αーオレフィンの従
来の重合反応条件に準じる。
【0068】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0069】(実施例1) 〈担持体(a)の調製〉充分に窒素乾燥した200ml
のガラス製反応器にトルエン10mlを加え、シリカ
(600℃×8時間焼成、粒径:45−65μm、比表
面積:290m2/g、ポアーボリューム1.6cc/
g)2gを懸濁させ0℃とした。次いで、Hf原子に換
算して10.5×10-4molのジメチルシリルビス
(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフ
ニウムジクロライドを含む30mlのトルエン溶液を加
え、4時間撹拌を行った。反応終了後、トルエンを減圧
下15℃で留去し、その状態で4時間乾燥を行ない担持
体(a)を得た。
【0070】〈αーオレフィン重合用触媒(1)の調
製〉充分に窒素乾燥した1.5Lのステンレス製オート
クレーブにAl原子に換算して55mmolに相当する
アルミニウムオキシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMA
O(IIIA))を含むトルエン溶液、およびHf原子に
換算して5.5×10ー6molに相当する前記担持体
(a)を仕込んだ。次いで、液化プロピレンを300m
l仕込み、20℃で20分間予備重合を行い、これによ
りαーオレフィン重合用触媒を含む液組成物を得た。予
備重合終了後、プロピレンをすみやかにパージ除去し、
目的とするαーオレフィン重合用触媒(1)を得た。収
量0.6g。
【0071】〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した
1.5Lのステンレス製オートクレーブに、上記αーオ
レフィン重合用触媒(1)を全量加え、次いで液化プロ
ピレン1000mlを加え60℃で1時間重合を行っ
た。 重合終了後プロピレンをパージし、メタノール/
塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、得られたポ
リマーをろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0072】その結果、68.0gのポリプロピレン
(PP)が得られた。重合活性は12.2kg−PP/
mmol−Hf−h、ポリマーのMFRは0.1g/1
0min、嵩密度は0.42g/mlであり、反応器壁
面へのポリプロピレンの付着は見られなかった。
【0073】(実施例2) 〈担持体(b)の調製〉充分に窒素乾燥した200ml
のガラス製反応器にトルエン10mlを加え、シリカ
(600℃×8時間焼成、粒径:45−65μm、比表
面積:290m2/g、ポアーボリューム1.6cc/
g)1gを懸濁させ0℃とした。次にAl原子に換算し
て10mmolに相当するアルミニウムオキシ化合物
(東ソー・アクゾ社製MMAO(IIIA))を含むトル
エン溶液を加え、30分間撹拌を行った。次にHf原子
に換算して4.8-4molに相当するジメチルシリルビ
ス(2,3,5,−トリメチルシクロペンタジエニル)
ハフニウムジクロライドを含むトルエン溶液を加え、さ
らに30分撹拌を行った。撹拌終了後、トルエンを減圧
下15℃で留去し、その状態で4時間乾燥を行ない、担
持体(b)を得た。
【0074】〈αーオレフィン重合用触媒(2)の調
製〉充分に窒素乾燥した1.5Lのステンレス製オート
クレーブにAl原子に換算して40mmolに相当する
アルミニウムオキシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMA
O(IIIA))を含むトルエン溶液およびHf原子に換
算して4.0×10- 6molに相当する担持体(b)を
仕込んだ。次いで、液化プロピレンを300ml仕込
み、20℃で20分予備重合を行った。予備重合終了
後、プロピレンをすみやかにパージ除去し目的とする予
備重合触媒(2)を得た。収量0.5g。
【0075】〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した
1.5Lのステンレス製オートクレーブに、上記予備重
合で得られた触媒(2)を全量加えた。次いで液化プロ
ピレン1000mlを加え60℃で1時間重合を行っ
た。 重合終了後プロピレンをパージし、メタノール/
塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、ポリマーを
ろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0076】その結果、47.0gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は11.6kg−PP/mmol−
Hf−h、ポリマーのMFRは0.1g/10min、
嵩密度は0.40g/mlであり、反応器壁面へのポリ
プロピレンの付着は見られなかった。
【0077】(実施例3) 〈担持体(c)の調製〉充分に窒素乾燥した200ml
のガラス製反応器にトルエン10mlを加え、シリカ
(600℃×8時間焼成、粒径:45−65μm、比表
面積:290m2、ポアーボリューム1.6cc/g)
20.7gを懸濁させ0℃とした。次に予めAl原子に
換算して10mmolに相当するアルミニウムオキシ化
合物(東ソー・アクゾ社製MMAO(IIIA))を含む
トルエン溶液、およびHf原子に換算して4.8-4mo
lに相当するジメチルシリルビス(2,3,5,−トリ
メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド
を含むトルエン溶液を20℃で10分間予備接触させた
ものを全量加えて30分撹拌を行った。撹拌終了後、ト
ルエンを減圧下15℃で留去し、その状態で4時間乾燥
を行った。
【0078】〈αーオレフィン重合用触媒(3)の調
製〉充分に窒素乾燥した1.5Lのステンレス製オート
クレーブにAl原子に換算して59mmolに相当する
アルミニウムオキシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMA
O(IIIA))を含むトルエン溶液、およびHf原子に
換算して5.9×10-6molに相当する担持体(c)
を仕込んだ。次いで、液化プロピレンを300ml仕込
み、20℃で20分間予備重合を行った。予備重合終了
後、プロピレンをすみやかにパージ除去し目的とするα
ーオレフィン重合用触媒(3)を得た。収量0.6g。
【0079】〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した
1.5Lのステンレス製オートクレーブに、上記予備重
合で得られた触媒(3)を全量加え、次いで液化プロピ
レン1000mlを加え60℃で1時間重合を行った。
重合終了後プロピレンをパージし、メタノール/塩酸
混合液を加えて触媒成分を分解した後、ポリマーをろ別
し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0080】その結果、66.5gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は11.3kg−PP/mmol−
Hf−h、ポリマーのMFRは0.2g/10min、
嵩密度は0.38g/mlであり、反応器壁面へのポリ
プロピレンの付着は見られなかった。
【0081】(実施例4) 〈担持体(d)の調製〉充分に窒素乾燥した200ml
のガラス製反応器にトルエン10mlを加え、シリカ
(600℃×8時間焼成、粒径:45−65μm、比表
面積:290m2、ポアーボリューム1.6cc/g)
21gを懸濁させ0℃とした。次にAl原子に換算して
10mmolに相当するアルミニウムオキシ化合物(東
ソー・アクゾ社製MMAO(IIIA))を含むトルエン
溶液を加え、30分撹拌を行った。次にHf原子に換算
して4.8-4molに相当するジメチルシリルビス
(2,3,5,−トリメチルシクロペンタジエニル)ハ
フニウムジクロライドを含むトルエン溶液を加え、さら
に30分撹拌を行った。撹拌終了後、トルエンを減圧下
15℃で留去し、その状態で4時間乾燥を行った。
【0082】〈αーオレフィン重合用触媒(4)の調
製〉充分に窒素乾燥した1.5Lのステンレス製オート
クレーブにAl原子に換算して76mmolに相当する
アルミニウムオキシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMA
O(IIIA))を含むトルエン溶液、およびHf原子に
換算して7.6×10-6molに相当する担持体(d)
を仕込んだ。次いで、液化プロピレンを300ml仕込
み、20℃で20分間予備重合を行った。予備重合終了
後、プロピレンをすみやかにパージ除去し、目的とする
αーオレフィン重合用触媒(4)を得た。収量0.7
g。
【0083】〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した
1.5Lのステンレス製オートクレーブに、上記予備重
合で得られたαーオレフィン重合用触媒(4)を全量加
え、次いで、液化プロピレンを1000ml加え、60
℃で1時間重合を行った。 重合終了後、プロピレンを
パージし、メタノール/塩酸混合液を加えて触媒成分を
分解した。次いで、ポリマーをろ別し、60℃で6時間
減圧乾燥を行った。
【0084】その結果、77.8gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は10.2kg−PP/mmol−
Hf−h、ポリマーのMFRは0.1g/10min、
嵩密度は0.40g/mlであり、ポリプロピレンの反
応器壁面への付着は見られなかった。
【0085】(実施例5) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製オートクレーブに、精製したn−ヘキサン1
000mlを仕込み、実施例1で調製した重合用触媒
(1)を全量加え、プロピレンの全圧を7kg/cm2
−Gとして60℃で1時間重合を行った。 重合終了
後、プロピレンをパージし、メタノール/塩酸混合液を
加えて触媒成分を分解した。ポリマーをろ別し、60℃
で6時間減圧乾燥を行った。
【0086】その結果、54.4gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は9.9kg−PP/mmol−H
f−h、ポリマーのMFRは0.3g/10min、嵩
密度は0.29g/mlであり、反応器壁面へのポリプ
ロピレンの付着は見られなかった。
【0087】(実施例6) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製オートクレーブに、精製したn−ヘキサン1
000mlを仕込み、実施例2で調製した重合用触媒
(2)を全量加え、プロピレンの全圧を7kg/cm2
−Gとして60℃で1時間重合を行った。 重合終了後
プロピレンをパージし、メタノール/塩酸混合液を加え
て触媒成分を分解した後、ポリマーをろ別し、60℃で
6時間減圧乾燥を行った。
【0088】その結果、48.9gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は8.9kg−PP/mmol−H
f−h、ポリマーのMFRは0.3g/10min、嵩
密度は0.27g/mlであり、反応器壁面へのポリプ
ロピレンの付着は見られなかった。
【0089】(実施例7) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製気相用オートクレーブに、焼成、乾燥した食
塩50g、および実施例1で調製した重合用触媒(1)
を全量加え、プロピレンの全圧を10kg/cm2−G
として50℃で1時間重合を行った。重合終了後プロピ
レンをパージし、メタノール/塩酸混合液を加えて触媒
成分を分解した。ポリマーをろ別し、60℃で6時間減
圧乾燥を行った。
【0090】その結果、76.1gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は13.9kg−PP/mmol−
Hf−h、ポリマーのMFRは0.4g/10min、
嵩密度は0.34g/mlであり、反応器壁面へのポリ
プロピレンの付着は見られなかった。
【0091】(実施例8) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製気相用オートクレーブに、焼成、乾燥した食
塩50g、および実施例2で調製した重合用触媒(2)
を全量加え、プロピレンの全圧を10kg/cm2−G
として50℃で1時間重合を行った。重合終了後プロピ
レンをパージし、メタノール/塩酸混合液を加えて触媒
成分を分解した後、ポリマーをろ別し、60℃で6時間
減圧乾燥を行った。
【0092】その結果、66.9gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は12.2kg−PP/mmol−
Hf−h、ポリマーのMFRは0.3g/10min、
嵩密度は0.32g/mlであり、反応器壁面へのポリ
プロピレンの付着は見られなかった。
【0093】(実施例9) 〈αーオレフィン重合用触媒(5)の調製〉充分に窒素
乾燥した1.5Lのステンレス製オートクレーブにAl
原子に換算して59mmolに相当するアルミニウムオ
キシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMAO(IIIA))
を含むトルエン溶液、およびHf原子に換算して5.9
×10ー6molに相当する前記担持体(c)を仕込ん
だ。次いで、液化イソブタンを300ml仕込み、プロ
ピレンガスを圧力3kg/cm2−Gとして、20℃で
20分間撹拌し、予備重合を行った。撹拌終了後、得ら
れたαーオレフィン重合用触媒を含む液組成物からイソ
ブタン及びプロピレンを速やかに留去し、目的とするα
ーオレフィン重合用触媒(5)を得た。収量0.1g。
【0094】〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した
1.5Lのステンレス製オートクレーブに、上記αーオ
レフィン重合用触媒(5)を全量加え、次いで液化プロ
ピレン1000mlを加え60℃で1時間重合を行っ
た。 重合終了後プロピレンをパージし、メタノール/
塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、得られたポ
リマーをろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0095】その結果、47.8gのポリプロピレン
(PP)が得られた。重合活性は8.2kg−PP/m
mol−Hf−h、ポリマーのMFRは0.3g/10
min、嵩密度は0.32g/mlであり、反応器壁面
へのポリプロピレンの付着は見られなかった。
【0096】(実施例10) 〈αーオレフィン重合用触媒(6)の調製〉充分に窒素
乾燥した1.5Lのステンレス製オートクレーブにAl
原子に換算して59mmolに相当するアルミニウムオ
キシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMAO(IIIA))
を含むトルエン溶液、およびHf原子に換算して5.9
×10ー6molに相当する前記担持体(c)を仕込ん
だ。次いで、液化イソブタンを300ml仕込み、エチ
レンガスを圧力3kg/cm2−Gとして、20℃で2
0分間撹拌し、予備重合を行った。撹拌終了後、得られ
たαーオレフィン重合用触媒を含む液組成物からイソブ
タン及びエチレンを速やかに留去し、目的とするαーオ
レフィン重合用触媒(6)を得た。収量0.6g。
【0097】〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した
1.5Lのステンレス製オートクレーブに、上記αーオ
レフィン重合用触媒(6)を全量加え、次いで液化プロ
ピレン1000mlを加え60℃で1時間重合を行っ
た。 重合終了後プロピレンをパージし、メタノール/
塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、得られたポ
リマーをろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0098】その結果、59.8gのポリプロピレン
(PP)が得られた。重合活性は10.2kg−PP/
mmol−Hf−h、ポリマーのMFRは0.1g/1
0min、嵩密度は0.36g/mlであり、反応器壁
面へのポリプロピレンの付着は見られなかった。
【0099】(比較例1) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製オートクレーブに、Al原子に換算して55
mmolに相当するアルミニウムオキシ化合物(東ソー
・アクゾ社製MMAO(IIIA))を含むトルエン溶
液、および実施例1で調製した担持体(a)をHf原子
に換算して5.5×10-6molに相当する量加え、液
化プロピレン1000mlを加え60℃で1時間重合を
行った。 重合終了後プロピレンをパージし、メタノー
ル/塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、ポリマ
ーをろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0100】その結果、32.7gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は5.9kg−PP/mmol−H
f−h、ポリマーのMFRは2.8g/10min、嵩
密度は0.20g/mlであり、反応器壁面へ付着した
ポリプロピレンは56wt%であった。
【0101】(比較例2) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製オートクレーブに、精製したn−ヘキサン1
000mlを仕込み、Al原子に換算して40mmol
に相当するアルミニウムオキシ化合物(東ソー・アクゾ
社製MMAO(IIIA))を含むトルエン溶液および実
施例2で調製した担持体(b)をHf原子に換算して
4.0×10-6molに相当する量加え、プロピレンの
全圧を7kg/cm2−Gとして60℃で2時間重合を
行った。 重合終了後プロピレンをパージした。メタノ
ール/塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、ポリ
マーをろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0102】その結果、12.9gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は3.2kg−PP/mmol−H
f−h、ポリマーのMFRは3.5g/10min、嵩
密度は0.12g/mlであり、反応器壁面へ付着した
ポリプロピレンは47wt%であった。
【0103】(比較例3) 〈プロピレンの重合〉充分に窒素乾燥した1.5Lのス
テンレス製気相用オートクレーブに、焼成、乾燥した食
塩50g、Al原子に換算して76mmolに相当する
アルミニウムオキシ化合物(東ソー・アクゾ社製MMA
O(IIIA))を含むトルエン溶液および実施例4で調
製した担持体(d)をHf原子に換算して7.6×10
-6molに相当する量加え、プロピレンの全圧を10k
g/cm2−Gとして50℃で1時間重合を行った。
【0104】重合終了後プロピレンをパージした。メタ
ノール/塩酸混合液を加えて触媒成分を分解した後、ポ
リマーをろ別し、60℃で6時間減圧乾燥を行った。
【0105】その結果、26.2gのポリプロピレンが
得られた。重合活性は4.9kg−PP/mmol−H
f−h、ポリマーのMFRは2.8g/10min、嵩
密度は0.16g/mlであり、反応器壁面へ付着した
ポリプロピレンは52wt%であった。
【0106】
【発明の効果】 本発明においては、所定の触媒成分を
用いてモノマーを予備重合させて本発明のαーオレフィ
ン重合用触媒を製造するに際し、液状低沸点炭化水素中
で予備重合させるように構成したので、予備重合反応終
了後、ほぼ常圧下で液状低沸点炭化水素を簡単に留去で
き、このため簡単に重合用触媒を反応系から分離回収で
きる。更に、このように予備重合した本発明の重合用触
媒は、オレフィンの重合に際し、ポリマーの反応器壁面
への付着を有効に防止し、嵩密度が高く、粒子性状の良
好なポリオレフィンを高収率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のαーオレフィン重合用触媒の調製概念
を示す説明図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物[A]と周期律表第IVB族
    の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
    [C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
    素中で予備重合用モノマーを予備重合することにより得
    られることを特徴とするα−オレフィン重合用触媒を含
    む液組成物。
  2. 【請求項2】液状低沸点炭化水素が非重合性液状低沸点
    炭化水素である請求項1に記載のα−オレフィン重合用
    触媒を含む液組成物。
  3. 【請求項3】 液状低沸点炭化水素が重合性液状低沸点
    炭化水素である請求項1に記載のα−オレフィン重合用
    触媒を含む液組成物。
  4. 【請求項4】 液状低沸点炭化水素、及び予備重合用モ
    ノマーがプロピレンである請求項1に記載のαーオレフ
    ィン重合用触媒を含む液組成物。
  5. 【請求項5】 無機酸化物[A]と周期律表第IVB族
    の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
    [C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
    素中で予備重合用モノマーを予備重合した後、前記液状
    低沸点炭化水素を留去することにより得られることを特
    徴とするα−オレフィン重合用触媒。
  6. 【請求項6】 無機酸化物[A]と周期律表第IVB
    族の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
    [C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
    素中で予備重合用モノマーを予備重合することにより得
    られるα−オレフィン重合用触媒を含む液組成物にαー
    オレフィンを接触させて重合させることを特徴とするα
    ーオレフィン重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 無機酸化物[A]と周期律表第IVB族
    の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
    [C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
    素中で予備重合用モノマーを予備重合することにより得
    られるα−オレフィン重合用触媒を含む液組成物と、及
    びアルミニウムオキシ化合物とからなる触媒に、αーオ
    レフィンを接触させて重合させることを特徴とするαー
    オレフィン重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 無機酸化物[A]と周期律表第IVB族
    の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
    [C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
    素中で予備重合用モノマーを予備重合した後、前記液状
    低沸点炭化水素を留去することにより得られるα−オレ
    フィン重合用触媒にαーオレフィンを接触させて重合さ
    せることを特徴とするαーオレフィン重合体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 無機酸化物[A]と周期律表第IVB族
    の遷移金属化合物[B]とアルミニウムオキシ化合物
    [C]とからなる触媒成分を用いて、液状低沸点炭化水
    素中で予備重合用モノマーを予備重合した後、前記液状
    低沸点炭化水素を留去することにより得られるα−オレ
    フィン重合用触媒と、及びアルミニウムオキシ化合物と
    からなる触媒に、αーオレフィンを接触させて重合させ
    ることを特徴とするαーオレフィン重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010174208A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Sumitomo Chemical Co Ltd オレフィン重合触媒、オレフィン重合触媒の製造方法、及びオレフィン重合体の製造方法

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