JPH10152479A - 5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリドン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリドン誘導体およびその製造方法Info
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- JPH10152479A JPH10152479A JP32583396A JP32583396A JPH10152479A JP H10152479 A JPH10152479 A JP H10152479A JP 32583396 A JP32583396 A JP 32583396A JP 32583396 A JP32583396 A JP 32583396A JP H10152479 A JPH10152479 A JP H10152479A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2-オキサゾリドンの環上にトリフルオロメチ
ル基を置換した新規な誘導体、並びにその製造方法の提
供。 【解決手段】 下記一般式(I): 【化1】 (式中、Rは、置換を有してもよい炭化水素基を表
す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリ
ドン誘導体類、ならびに3,3,3-トリフルオロプロピレン
オキシドと下記一般式(VI): 【化2】 (式中、Rは、上記一般式(I)のRと同義の基を表
す。)で示されるイソシアナートを反応させて当該誘導
体類を製造する方法。
ル基を置換した新規な誘導体、並びにその製造方法の提
供。 【解決手段】 下記一般式(I): 【化1】 (式中、Rは、置換を有してもよい炭化水素基を表
す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリ
ドン誘導体類、ならびに3,3,3-トリフルオロプロピレン
オキシドと下記一般式(VI): 【化2】 (式中、Rは、上記一般式(I)のRと同義の基を表
す。)で示されるイソシアナートを反応させて当該誘導
体類を製造する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な5-トリフル
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体とその製造方法に
関する。具体的には、医薬品、家畜用の薬、樹脂、プラ
スチック材料の中間体、あるいは溶剤として有用な3位
の窒素上に置換を有する5-トリフルオロメチル-2-オキ
サゾリドン誘導体、その光学活性体、並びにトリフルオ
ロプロピレンオキシドとイソシアナ−ト又はジイソシア
ナ−トとの反応からこれら新規な誘導体を製造する方法
に関する。
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体とその製造方法に
関する。具体的には、医薬品、家畜用の薬、樹脂、プラ
スチック材料の中間体、あるいは溶剤として有用な3位
の窒素上に置換を有する5-トリフルオロメチル-2-オキ
サゾリドン誘導体、その光学活性体、並びにトリフルオ
ロプロピレンオキシドとイソシアナ−ト又はジイソシア
ナ−トとの反応からこれら新規な誘導体を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】2-オキサゾリドン(オキサゾリジノン)
は、β-アミノエタノールとホスゲンとの縮合反応で得
られ、医薬品、家畜用の薬の中間体として、また、樹
脂、プラスチック材料等の合成原料、あるいは溶剤とし
て有用である。2-オキサゾリドン誘導体には、多くのも
のが知られており、その利用について検討されている。
しかしながら、フッ素を含有した2-オキサゾリドン誘導
体の例はあまりみられない。メチル基に換え、トリフル
オロメチル基を有する医薬品では、メチル基のものより
も薬効が優れていることがあり、またポリマ−材料や溶
剤としては、撥水性、耐熱性などを付与することができ
ると期待される。この予測される有用性にも関わらず、
これまでのところ、2-オキサゾリドンの環上にトリフル
オロメチル基を置換した誘導体の合成例の報告は無い。
は、β-アミノエタノールとホスゲンとの縮合反応で得
られ、医薬品、家畜用の薬の中間体として、また、樹
脂、プラスチック材料等の合成原料、あるいは溶剤とし
て有用である。2-オキサゾリドン誘導体には、多くのも
のが知られており、その利用について検討されている。
しかしながら、フッ素を含有した2-オキサゾリドン誘導
体の例はあまりみられない。メチル基に換え、トリフル
オロメチル基を有する医薬品では、メチル基のものより
も薬効が優れていることがあり、またポリマ−材料や溶
剤としては、撥水性、耐熱性などを付与することができ
ると期待される。この予測される有用性にも関わらず、
これまでのところ、2-オキサゾリドンの環上にトリフル
オロメチル基を置換した誘導体の合成例の報告は無い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するもので、本発明の目的は、2-オキサゾリドン
の環上にトリフルオロメチル基を置換した新規な誘導
体、並びにその製造方法を提供するものである。具体的
には、トリフルオロメチル基が2-オキサゾリドンの環上
5位に置換した新規な誘導体類、即ち新規な5-トリフル
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体類とその製造方法
の提供である。
を解決するもので、本発明の目的は、2-オキサゾリドン
の環上にトリフルオロメチル基を置換した新規な誘導
体、並びにその製造方法を提供するものである。具体的
には、トリフルオロメチル基が2-オキサゾリドンの環上
5位に置換した新規な誘導体類、即ち新規な5-トリフル
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体類とその製造方法
の提供である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2-オキサ
ゾリドン環形成方法の研究を鋭意進めたところ、3,3,3-
トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)とイソシアナ
−ト類とを反応させることにより、新規な5-トリフルオ
ロメチル-2-オキサゾリドン誘導体に導くことができる
ことを見出した。また、得られる5-トリフルオロメチル
-2-オキサゾリドン誘導体は、医薬品、高分子材料中間
体あるいは溶剤として有用性を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
ゾリドン環形成方法の研究を鋭意進めたところ、3,3,3-
トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)とイソシアナ
−ト類とを反応させることにより、新規な5-トリフルオ
ロメチル-2-オキサゾリドン誘導体に導くことができる
ことを見出した。また、得られる5-トリフルオロメチル
-2-オキサゾリドン誘導体は、医薬品、高分子材料中間
体あるいは溶剤として有用性を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、下記一般式(I):
【化8】 (式中、Rは、置換を有してもよい炭化水素基を表
す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリ
ドン誘導体、あるいはその光学活性体である、下記一般
式(II):
す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリ
ドン誘導体、あるいはその光学活性体である、下記一般
式(II):
【化9】 (式中、Rは、置換を有してもよい炭化水素基を表し、
*Cは、不斉中心の炭素原子を表す。)で示される光学
活性な5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン誘導体
である。
*Cは、不斉中心の炭素原子を表す。)で示される光学
活性な5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン誘導体
である。
【0006】また、本発明は、5-トリフルオロメチル-2
-オキサゾリドン環二つが連結されたジオキサゾリドン
誘導体である、下記一般式(III):
-オキサゾリドン環二つが連結されたジオキサゾリドン
誘導体である、下記一般式(III):
【化10】 (式中、R’は、置換を有してもよい二価の炭化水素基
を表す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサ
ゾリドン誘導体、及びその光学活性体である、下記一般
式(IV):
を表す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサ
ゾリドン誘導体、及びその光学活性体である、下記一般
式(IV):
【化11】 (式中、R’は、置換を有してもよい二価の炭化水素基
を表し、*Cは、不斉中心の炭素原子を表す。)で示さ
れる光学活性な5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリド
ン誘導体である。
を表し、*Cは、不斉中心の炭素原子を表す。)で示さ
れる光学活性な5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリド
ン誘導体である。
【0007】本発明の製造方法は、下記式(V):
【化12】 で示される3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシドと下
記一般式(VI):
記一般式(VI):
【化13】 (式中、Rは、上記一般式(I)のRと同義の基を表
す。)で示されるイソシアナートを反応させ、上記の一
般式(I)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾ
リドン誘導体を製造する方法、あるいは、前記式(V)
で示される3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシドと下
記一般式(VII):
す。)で示されるイソシアナートを反応させ、上記の一
般式(I)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾ
リドン誘導体を製造する方法、あるいは、前記式(V)
で示される3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシドと下
記一般式(VII):
【化14】 (式中、R’は、上記一般式(III)のR’と同義の基
を表す。)で示されるジイソシアナートを反応させ、上
記の一般式(III)で示されるジオキサゾリドン誘導体
を製造する方法である。
を表す。)で示されるジイソシアナートを反応させ、上
記の一般式(III)で示されるジオキサゾリドン誘導体
を製造する方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の5-トリフルオロメチル-2
-オキサゾリドン誘導体において、一般式(I)又は(I
I)中のオキサゾリドン環3位の窒素原子上に置換する
Rは、原料となる一般式(VI)のイソシアナートに由来
するものである。従って、当該Rに存在してもよい置換
基は、反応にあずかるイソシアナート(-N=C=O)を除
き、触媒の存在下にTFPOのエポキシにより、求核攻撃を
受ける原子団を持たないものが好ましい。また、求核試
薬として作用し、それ自体がイソシアナート(-N=C=O)
に付加反応するもの、例えばヒドロキシル基、メルカプ
ト基、アミノ基、カルボキシル基などは除かれるが、こ
れら反応性官能基をしかるべき保護基により保護するな
どして、その反応性を損なった保護された種々の官能基
は用いることができる。一般に、反応性の官能基を有し
ない炭化水素基である、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基、芳香族炭化水素基、これら炭化水素基の炭素骨
格にヘテロ原子が置き換えられた基などが好ましい。具
体的には、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、
置換フェニル基がより好ましく、アラルキル基、置換ア
ラルキル基も同じく好ましい。
-オキサゾリドン誘導体において、一般式(I)又は(I
I)中のオキサゾリドン環3位の窒素原子上に置換する
Rは、原料となる一般式(VI)のイソシアナートに由来
するものである。従って、当該Rに存在してもよい置換
基は、反応にあずかるイソシアナート(-N=C=O)を除
き、触媒の存在下にTFPOのエポキシにより、求核攻撃を
受ける原子団を持たないものが好ましい。また、求核試
薬として作用し、それ自体がイソシアナート(-N=C=O)
に付加反応するもの、例えばヒドロキシル基、メルカプ
ト基、アミノ基、カルボキシル基などは除かれるが、こ
れら反応性官能基をしかるべき保護基により保護するな
どして、その反応性を損なった保護された種々の官能基
は用いることができる。一般に、反応性の官能基を有し
ない炭化水素基である、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基、芳香族炭化水素基、これら炭化水素基の炭素骨
格にヘテロ原子が置き換えられた基などが好ましい。具
体的には、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、
置換フェニル基がより好ましく、アラルキル基、置換ア
ラルキル基も同じく好ましい。
【0009】従って、原料とする一般式(VI)のイソシ
アナートとして好ましいものを具体的に例示するなら
ば、Rが脂肪族炭化水素基である、イソシアン酸エチ
ル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸ヘキシル、イソ
シアン酸ドデシル、イソシアン酸アリルなど、Rが脂環
式炭化水素基である、イソシアン酸シクロヘキシルな
ど、Rが芳香族炭化水素基である、イソシアン酸フェニ
ル、イソシアン酸o-トリル、イソシアン酸p-トリル、イ
ソシアン酸ナフチルなど、 Rが置換フェニル基であ
る、イソシアン酸o-メトキシフェニル、イソシアン酸m-
メトキシフェニル、イソシアン酸m-クロロフェニル、イ
ソシアン酸p-クロロフェニル等が挙げられる。
アナートとして好ましいものを具体的に例示するなら
ば、Rが脂肪族炭化水素基である、イソシアン酸エチ
ル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸ヘキシル、イソ
シアン酸ドデシル、イソシアン酸アリルなど、Rが脂環
式炭化水素基である、イソシアン酸シクロヘキシルな
ど、Rが芳香族炭化水素基である、イソシアン酸フェニ
ル、イソシアン酸o-トリル、イソシアン酸p-トリル、イ
ソシアン酸ナフチルなど、 Rが置換フェニル基であ
る、イソシアン酸o-メトキシフェニル、イソシアン酸m-
メトキシフェニル、イソシアン酸m-クロロフェニル、イ
ソシアン酸p-クロロフェニル等が挙げられる。
【0010】他方、一般式(III)又は(IV)のジオキ
サゾリドン誘導体中のオキサゾリドン環3位の窒素原子
上に置換するR’は、原料となる一般式(VII)のジイ
ソシアナートに由来するものである。上述のRと同じ
く、当該R’に存在してもよい置換基は、反応にあずか
るイソシアナート(-N=C=O)を除き、触媒の存在下にTF
POのエポキシにより、求核攻撃を受ける原子団を持たな
いものが好ましい。また、求核試薬として作用し、それ
自体がイソシアナート(-N=C=O)に付加反応するもの、
例えばヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カル
ボキシル基などは除かれる。一般に、反応性の官能基を
有しない炭化水素である、脂肪族炭化水素、脂環式炭化
水素、芳香族炭化水素、これら炭化水素の炭素骨格にヘ
テロ原子が置き換えられた化合物などから誘導される二
価の基が好ましい。具体的には、二価の脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基がより好まし
い。
サゾリドン誘導体中のオキサゾリドン環3位の窒素原子
上に置換するR’は、原料となる一般式(VII)のジイ
ソシアナートに由来するものである。上述のRと同じ
く、当該R’に存在してもよい置換基は、反応にあずか
るイソシアナート(-N=C=O)を除き、触媒の存在下にTF
POのエポキシにより、求核攻撃を受ける原子団を持たな
いものが好ましい。また、求核試薬として作用し、それ
自体がイソシアナート(-N=C=O)に付加反応するもの、
例えばヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カル
ボキシル基などは除かれる。一般に、反応性の官能基を
有しない炭化水素である、脂肪族炭化水素、脂環式炭化
水素、芳香族炭化水素、これら炭化水素の炭素骨格にヘ
テロ原子が置き換えられた化合物などから誘導される二
価の基が好ましい。具体的には、二価の脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基がより好まし
い。
【0011】従って、原料の一般式(VII)のジイソシ
アナートとしてより好ましいものを具体的に例示するな
らば、ジイソシアン酸メチレンジフェニル、ジイソシア
ン酸m-フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン等が
挙げられる。
アナートとしてより好ましいものを具体的に例示するな
らば、ジイソシアン酸メチレンジフェニル、ジイソシア
ン酸m-フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン等が
挙げられる。
【0012】本発明方法において、もう一方の原料であ
る3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)は、
トリフルオロアセトンを臭素化して得られたブロモトリ
フルオロアセトンを水素化リチウムアルミニウムで還元
してブロモトリフルオロイソプロピルアルコ−ルとし、
次いで苛性ソ−ダで処理する方法、あるいは3,3,3-トリ
フルオロプロピレンを微生物を用いて酸化する方法(特
公昭61−14798号公報、特開昭61−20269
7号公報を参照)などにより製造することができる。
る3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)は、
トリフルオロアセトンを臭素化して得られたブロモトリ
フルオロアセトンを水素化リチウムアルミニウムで還元
してブロモトリフルオロイソプロピルアルコ−ルとし、
次いで苛性ソ−ダで処理する方法、あるいは3,3,3-トリ
フルオロプロピレンを微生物を用いて酸化する方法(特
公昭61−14798号公報、特開昭61−20269
7号公報を参照)などにより製造することができる。
【0013】本発明の5-トリフルオロメチル-2-オキサ
ゾリドン誘導体は、触媒の存在下に式(V)に示すTFPO
のエポキシ環を開環し、イソシアナ−トと反応させるこ
とにより製造することができる。また、ジオキサゾリド
ン誘導体は、同様の反応により、TFPOをジイソシアナ−
トの二つのイソシアン酸基(-N=C=O)それぞれに反応さ
せることにより製造することができる。
ゾリドン誘導体は、触媒の存在下に式(V)に示すTFPO
のエポキシ環を開環し、イソシアナ−トと反応させるこ
とにより製造することができる。また、ジオキサゾリド
ン誘導体は、同様の反応により、TFPOをジイソシアナ−
トの二つのイソシアン酸基(-N=C=O)それぞれに反応さ
せることにより製造することができる。
【0014】一般式(VI)のイソシアナ−トに対して、
TFPOの使用量を0.5 〜 5 倍モルに選ぶことができ、好
ましくは、TFPOを等モルを超え、過剰に用いるのが良
い。二官能性である一般式(VII)のジイソシアナート
に対しては、TFPOの使用量を2〜 10 倍モルに選ぶこと
ができ、好ましくは、 TFPOの使用量を2倍モルを超え
る過剰量に選択するのが良い。
TFPOの使用量を0.5 〜 5 倍モルに選ぶことができ、好
ましくは、TFPOを等モルを超え、過剰に用いるのが良
い。二官能性である一般式(VII)のジイソシアナート
に対しては、TFPOの使用量を2〜 10 倍モルに選ぶこと
ができ、好ましくは、 TFPOの使用量を2倍モルを超え
る過剰量に選択するのが良い。
【0015】本発明の反応に用いる触媒としては、ハロ
ゲン化物イオンを含有する無水塩を用いるのがよく、例
えば、アルカリ金属のハロゲン化物である、臭化リチウ
ム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、塩
化ナトリウム、塩化カリウムなど、四置換アンモニウム
のハロゲン化物である、臭化ベンジルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化テ
トラエチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウ
ムなど、四置換ホスホニウムのハロゲン化物である、臭
化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラエチルホスホ
ニウム等を好ましい触媒として挙げられる。これら触媒
の使用量は、原料のイソシアナ−トあるいはジイソシア
ナ−トに対し、0.5 〜 100 mol%とすると良い。特に、
原料にイソシアナ−トを用いた場合は、2 〜 30 mol%
の範囲に、また、原料にジイソシアナ−トを用いた場合
は、4 〜 60 mol% の範囲にそれぞれ選ぶとより好まし
い。
ゲン化物イオンを含有する無水塩を用いるのがよく、例
えば、アルカリ金属のハロゲン化物である、臭化リチウ
ム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、塩
化ナトリウム、塩化カリウムなど、四置換アンモニウム
のハロゲン化物である、臭化ベンジルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化テ
トラエチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウ
ムなど、四置換ホスホニウムのハロゲン化物である、臭
化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラエチルホスホ
ニウム等を好ましい触媒として挙げられる。これら触媒
の使用量は、原料のイソシアナ−トあるいはジイソシア
ナ−トに対し、0.5 〜 100 mol%とすると良い。特に、
原料にイソシアナ−トを用いた場合は、2 〜 30 mol%
の範囲に、また、原料にジイソシアナ−トを用いた場合
は、4 〜 60 mol% の範囲にそれぞれ選ぶとより好まし
い。
【0016】反応は、N-メチルピロリドン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、ジオキサン等、上記の触媒を溶解させることので
きる非プロトン性極性溶媒中で行なうのがよく、常圧下
で行っても、加圧下で行ってもよい。一方、水分は反応
の停止、イソシアナ−トの分解を促すので、溶媒、原料
中の水分は予め除去し、反応を窒素など乾燥した不活性
ガス雰囲気下で行うのがよい。反応温度は、−20〜2
50℃の範囲から選ぶことができ、用いる触媒や溶媒、
あるいは反応圧力、反応容器に応じて適宜定めることが
できる。原料となるTFPOの沸点は40℃であるので、4
0℃以上で反応を行うときはオ−トクレ−ブなどの密閉
容器で行うとよい。反応が完結した後、抽出、蒸留、再
結晶等の汎用の方法により、本発明の5-トリフルオロメ
チル-2-オキサゾリドン誘導体、あるいはジオキサゾリ
ドン誘導体を単離することができる。
ルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、ジオキサン等、上記の触媒を溶解させることので
きる非プロトン性極性溶媒中で行なうのがよく、常圧下
で行っても、加圧下で行ってもよい。一方、水分は反応
の停止、イソシアナ−トの分解を促すので、溶媒、原料
中の水分は予め除去し、反応を窒素など乾燥した不活性
ガス雰囲気下で行うのがよい。反応温度は、−20〜2
50℃の範囲から選ぶことができ、用いる触媒や溶媒、
あるいは反応圧力、反応容器に応じて適宜定めることが
できる。原料となるTFPOの沸点は40℃であるので、4
0℃以上で反応を行うときはオ−トクレ−ブなどの密閉
容器で行うとよい。反応が完結した後、抽出、蒸留、再
結晶等の汎用の方法により、本発明の5-トリフルオロメ
チル-2-オキサゾリドン誘導体、あるいはジオキサゾリ
ドン誘導体を単離することができる。
【0017】上記の一般式(II)あるいは(IV)に示す
とおり、トリフルオロメチル基が結合するオキサゾリド
ン環5位の-*CH-の炭素は不斉炭素であるから、原料と
して光学活性なTFPOを用いることにより、光学活性体で
ある5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン誘導体、
あるいはジオキサゾリドン誘導体を製造することができ
る。本発明の製造方法には、このような光学活性体を製
造する方法をも包含される。
とおり、トリフルオロメチル基が結合するオキサゾリド
ン環5位の-*CH-の炭素は不斉炭素であるから、原料と
して光学活性なTFPOを用いることにより、光学活性体で
ある5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン誘導体、
あるいはジオキサゾリドン誘導体を製造することができ
る。本発明の製造方法には、このような光学活性体を製
造する方法をも包含される。
【0018】本発明の5-トリフルオロメチル-2-オキサ
ゾリドン誘導体、あるいはジオキサゾリドン誘導体の構
造は、1H-NMR、IR、13C-NMR、19F-NMR、質量分析および
元素分析の結果をもとに同定することができる。例え
ば、一般式(I)においてRがフェニル基の場合は次の
ように同定することができる。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 4.21(dd, J=10Hz, 4.4Hz, 1H, CH2),4.43(dd, J=10Hz,
10Hz, 1H, CH2),5.52(m, CH, 1H),7.19(t, J=7.4Hz, 1
H, Ph),7.42(t, J=8.1Hz, 2H, Ph),7.61(d, J=8.1Hz, 2
H, Ph) により、2-オキサゾリドン環の -CH-、-CH2-、フェニル
基の存在が確認できる。13 C-NMR (DMSO-d6, 68MHz):δ (ppm) 44.18(1C, CH2), 68.10(q, J=33Hz, 1C, CH) 118.35(2C, Ph), 123.34(q, J=278Hz, 1C, CF3) 124.30(1C, Ph), 128.95(2C, Ph), 137.17(1C, Ph), 152.45(1C, C=O) により、2-オキサゾリドン環の C=O、CF3基を有する2-
オキサゾリドン構造を有することがわかる。19 F-NMR (DMSO-d6, 254MHz):δ (ppm)-3.85(d, J=6.9H
z, CF3) により、CF3基を有する構造であることがわかる。 IR (cm-1) 1750, 1600, 1500, 1490, 1410, 1310, 12
70, 1230,1180, 1140, 1120, 1080, 1030, 1010, 950,
890, 810,750, 690 に吸収が認められ、これにより、カルボニル基(C=O)
の存在が確認できる。 MS(DI) 231(M+) 元素分析 C 51.82, H 3.41, N 6.02, (calc., C 51.96, H 3.49, N 6.06) 加えて、分子量、元素分析の結果から目的とする化合物
であることを確認できる。なお、原料に光学活性なTFPO
([α]D 25=−8.2°)を用いると、得られるオキサゾ
リドン誘導体は、旋光度 [α]D 25=+22.3°(c 1.0,
CHCl3)の光学活性体となる。
ゾリドン誘導体、あるいはジオキサゾリドン誘導体の構
造は、1H-NMR、IR、13C-NMR、19F-NMR、質量分析および
元素分析の結果をもとに同定することができる。例え
ば、一般式(I)においてRがフェニル基の場合は次の
ように同定することができる。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 4.21(dd, J=10Hz, 4.4Hz, 1H, CH2),4.43(dd, J=10Hz,
10Hz, 1H, CH2),5.52(m, CH, 1H),7.19(t, J=7.4Hz, 1
H, Ph),7.42(t, J=8.1Hz, 2H, Ph),7.61(d, J=8.1Hz, 2
H, Ph) により、2-オキサゾリドン環の -CH-、-CH2-、フェニル
基の存在が確認できる。13 C-NMR (DMSO-d6, 68MHz):δ (ppm) 44.18(1C, CH2), 68.10(q, J=33Hz, 1C, CH) 118.35(2C, Ph), 123.34(q, J=278Hz, 1C, CF3) 124.30(1C, Ph), 128.95(2C, Ph), 137.17(1C, Ph), 152.45(1C, C=O) により、2-オキサゾリドン環の C=O、CF3基を有する2-
オキサゾリドン構造を有することがわかる。19 F-NMR (DMSO-d6, 254MHz):δ (ppm)-3.85(d, J=6.9H
z, CF3) により、CF3基を有する構造であることがわかる。 IR (cm-1) 1750, 1600, 1500, 1490, 1410, 1310, 12
70, 1230,1180, 1140, 1120, 1080, 1030, 1010, 950,
890, 810,750, 690 に吸収が認められ、これにより、カルボニル基(C=O)
の存在が確認できる。 MS(DI) 231(M+) 元素分析 C 51.82, H 3.41, N 6.02, (calc., C 51.96, H 3.49, N 6.06) 加えて、分子量、元素分析の結果から目的とする化合物
であることを確認できる。なお、原料に光学活性なTFPO
([α]D 25=−8.2°)を用いると、得られるオキサゾ
リドン誘導体は、旋光度 [α]D 25=+22.3°(c 1.0,
CHCl3)の光学活性体となる。
【0019】また、一般式(I)においてRがアリル基
の場合は、次のように同定することができる。1 H-NMR (CDCl3, 300MHz):δ (ppm) 3.58(dd, J=10.5Hz, 5.3Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.75(dd, J=9.5Hz, 9.5Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.83, 3.95(ABX, J=15Hz, 6Hz, 2H, >N-CH2) 4.80(m, CH, 1H), 5.27(d, J=17.4Hz, 1H, =CH2) 5.29(d, J=9.6Hz, 1H, =CH2) 5.76(m, 1H, -CH=) により、2-オキサゾリドン環の-CH-、-CH2-、アリル基
の存在が確認できる。13 C-NMR (CDCl3, 68MHz):δ (ppm) 43.42(1C, CH2-CHCF3), 46.53(1C, >N-CH2),69.09(q, J
=35Hz, 1C, CH-CF3), 119.47(1C, =CH2),122.91(q, J=2
79Hz, 1C, CF3), 130.73(1C, -CH=),155.63(1C, C=O) により、2-オキサゾリドン環の C=O、CF3基を有する2-
オキサゾリドン構造を有することがわかる。 IR (cm-1) 3300, 3000, 2900, 1750, 1640, 1490, 1
420, 1250,1150, 1050, 990, 810, 750, 690 に吸収が認められ、これにより、カルボニル基(C=O)
の存在が確認できる。 GC−MS 195(M+) 加えて、分子量から目的とする化合物であることを確認
できる。
の場合は、次のように同定することができる。1 H-NMR (CDCl3, 300MHz):δ (ppm) 3.58(dd, J=10.5Hz, 5.3Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.75(dd, J=9.5Hz, 9.5Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.83, 3.95(ABX, J=15Hz, 6Hz, 2H, >N-CH2) 4.80(m, CH, 1H), 5.27(d, J=17.4Hz, 1H, =CH2) 5.29(d, J=9.6Hz, 1H, =CH2) 5.76(m, 1H, -CH=) により、2-オキサゾリドン環の-CH-、-CH2-、アリル基
の存在が確認できる。13 C-NMR (CDCl3, 68MHz):δ (ppm) 43.42(1C, CH2-CHCF3), 46.53(1C, >N-CH2),69.09(q, J
=35Hz, 1C, CH-CF3), 119.47(1C, =CH2),122.91(q, J=2
79Hz, 1C, CF3), 130.73(1C, -CH=),155.63(1C, C=O) により、2-オキサゾリドン環の C=O、CF3基を有する2-
オキサゾリドン構造を有することがわかる。 IR (cm-1) 3300, 3000, 2900, 1750, 1640, 1490, 1
420, 1250,1150, 1050, 990, 810, 750, 690 に吸収が認められ、これにより、カルボニル基(C=O)
の存在が確認できる。 GC−MS 195(M+) 加えて、分子量から目的とする化合物であることを確認
できる。
【0020】また、一般式(IV)においてR’がメチレ
ンジフェニル基の場合は、次のように同定することがで
きる。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 3.92(s, 2H, Ph-CH2 -Ph) 4.17(dd, J=9Hz, 4.5Hz, 1H, CH2) 4.38(dd, J=10Hz, 10Hz, 1H, CH2) 5.48(m, CH, 1H) 7.26, 7.51(d, J=8Hz, 2H, Ph) により、2-オキサゾリドン環の-CH-、-CH2-、メチレン
ジフェニル基の存在が確認できる。 IR (cm-1) 1750, 1510, 1400, 1300, 1270, 1190, 11
50, 1110, に吸収が認められ、これにより、カルボニル基(C=O)
の存在が確認できる。 MS(DI) 474(M+) 加えて、分子量から目的とする化合物であることを確認
できる。
ンジフェニル基の場合は、次のように同定することがで
きる。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 3.92(s, 2H, Ph-CH2 -Ph) 4.17(dd, J=9Hz, 4.5Hz, 1H, CH2) 4.38(dd, J=10Hz, 10Hz, 1H, CH2) 5.48(m, CH, 1H) 7.26, 7.51(d, J=8Hz, 2H, Ph) により、2-オキサゾリドン環の-CH-、-CH2-、メチレン
ジフェニル基の存在が確認できる。 IR (cm-1) 1750, 1510, 1400, 1300, 1270, 1190, 11
50, 1110, に吸収が認められ、これにより、カルボニル基(C=O)
の存在が確認できる。 MS(DI) 474(M+) 加えて、分子量から目的とする化合物であることを確認
できる。
【0021】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
明する。
【0022】
(実施例1)3,3,3-トリフルオロプロピレンを特公昭61
-14798号公報記載の方法により微生物で酸化して得られ
た3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)を蒸
留した。200 ml 容オ−トクレ−ブ中に、臭化テトラエ
チルアンモニウム0.43 g (2.0mmol)、モレキュラ−シ−
ブ4Aで乾燥したジオキサン43 ml、モレキュラ−シ−
ブ4Aで乾燥した上記の蒸留済みTFPO 13.5 ml (158 mm
ol)、減圧蒸留したフェニルイソシアナ−ト 13.0 ml (1
20 mmol) を入れ、窒素置換後、密閉した。180℃で
3.5時間反応させた後、反応物を減圧下濃縮した。エ
タノ−ル300mlに加熱して溶かし、放冷、冷蔵して結晶
を析出させた。結晶を濾別し、冷エタノ−ル100 ml で
洗浄後、60℃で3時間真空乾燥して、薄黄色針状結晶
15.48 gを得た(収率56%)。HPLC、IR、TLC各分析で
は、不純物は検出されなかった。以下の機器分析デ−タ
から、得られた結晶は、3-フェニル-5-トリフルオロメ
チル-2-オキサゾリドンであると確認した。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 4.21(dd, J=10Hz, 4.4Hz, 1H, CH2),4.43(dd, J=10Hz,
10Hz, 1H, CH2),5.52(m, CH, 1H),7.19(t, J=7.4Hz, 1
H, Ph),7.42(t, J=8.1Hz, 2H, Ph),7.61(d, J=8.1Hz, 2
H, Ph)13 C-NMR (DMSO-d6, 68MHz):δ (ppm) 44.18(1C, CH2), 68.10(q, J=33Hz, 1C, CH) 118.35(2C, Ph), 123.34(q, J=278Hz, 1C, CF3) 124.30(1C, Ph), 128.95(2C, Ph), 137.17(1C, Ph), 152.45(1C, C=O)19 F-NMR (DMSO-d6, 254MHz):δ (ppm)-3.85(d, J=6.9H
z, CF3) MS(DI) 231(M+) IR (cm-1) 1750, 1600, 1500, 1490, 1410, 1310, 12
70, 1230,1180, 1140, 1120, 1080, 1030, 1010, 950,
890, 810,750, 690 m.p. 156.8-157.6 ℃ 元素分析 C 51.82, H 3.41, N 6.02, (calc., C 51.96, H 3.49, N 6.06)
-14798号公報記載の方法により微生物で酸化して得られ
た3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)を蒸
留した。200 ml 容オ−トクレ−ブ中に、臭化テトラエ
チルアンモニウム0.43 g (2.0mmol)、モレキュラ−シ−
ブ4Aで乾燥したジオキサン43 ml、モレキュラ−シ−
ブ4Aで乾燥した上記の蒸留済みTFPO 13.5 ml (158 mm
ol)、減圧蒸留したフェニルイソシアナ−ト 13.0 ml (1
20 mmol) を入れ、窒素置換後、密閉した。180℃で
3.5時間反応させた後、反応物を減圧下濃縮した。エ
タノ−ル300mlに加熱して溶かし、放冷、冷蔵して結晶
を析出させた。結晶を濾別し、冷エタノ−ル100 ml で
洗浄後、60℃で3時間真空乾燥して、薄黄色針状結晶
15.48 gを得た(収率56%)。HPLC、IR、TLC各分析で
は、不純物は検出されなかった。以下の機器分析デ−タ
から、得られた結晶は、3-フェニル-5-トリフルオロメ
チル-2-オキサゾリドンであると確認した。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 4.21(dd, J=10Hz, 4.4Hz, 1H, CH2),4.43(dd, J=10Hz,
10Hz, 1H, CH2),5.52(m, CH, 1H),7.19(t, J=7.4Hz, 1
H, Ph),7.42(t, J=8.1Hz, 2H, Ph),7.61(d, J=8.1Hz, 2
H, Ph)13 C-NMR (DMSO-d6, 68MHz):δ (ppm) 44.18(1C, CH2), 68.10(q, J=33Hz, 1C, CH) 118.35(2C, Ph), 123.34(q, J=278Hz, 1C, CF3) 124.30(1C, Ph), 128.95(2C, Ph), 137.17(1C, Ph), 152.45(1C, C=O)19 F-NMR (DMSO-d6, 254MHz):δ (ppm)-3.85(d, J=6.9H
z, CF3) MS(DI) 231(M+) IR (cm-1) 1750, 1600, 1500, 1490, 1410, 1310, 12
70, 1230,1180, 1140, 1120, 1080, 1030, 1010, 950,
890, 810,750, 690 m.p. 156.8-157.6 ℃ 元素分析 C 51.82, H 3.41, N 6.02, (calc., C 51.96, H 3.49, N 6.06)
【0023】(実施例2)塩化カルシウム管を付けた三
ツ口フラスコに臭化リチウム 0.40g (4.6 mmol)をい
れ、窒素置換した。モレキュラ−シ−ブ4Aで乾燥した
N-メチルピロリドン5 ml、モレキュラ−シ−ブ4Aで乾
燥した蒸留済みTFPO 2.6 ml (30 mmol)を添加してかく
はんした。これに減圧蒸留したフェニルイソシアナ−ト
2.5ml (23 mmol) とN-メチルピロリドン 5 ml の混合
溶液を1.5時間かけてゆっくり滴下し、室温(<40
℃)で49時間撹拌した。反応液に水 30 mlを添加して
1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。水50 ml で洗
浄後、80℃で4時間真空乾燥し、白色固体4.42gを得
た。HPLC、TLC分析からこの固体中には不純物としてジフ
ェニル尿素を含んでいた。これをエタノ−ルから再結晶
して3.62gの白色針状結晶を得た。HPLC (UV 254nm) の
単純面積百分率から算定すると、純度97%であった。
TLC、IRを実施例1の化合物と比較し、3-フェニル-5-トリ
フルオロメチル-2-オキサゾリドンであることを確認し
た。収率68%。
ツ口フラスコに臭化リチウム 0.40g (4.6 mmol)をい
れ、窒素置換した。モレキュラ−シ−ブ4Aで乾燥した
N-メチルピロリドン5 ml、モレキュラ−シ−ブ4Aで乾
燥した蒸留済みTFPO 2.6 ml (30 mmol)を添加してかく
はんした。これに減圧蒸留したフェニルイソシアナ−ト
2.5ml (23 mmol) とN-メチルピロリドン 5 ml の混合
溶液を1.5時間かけてゆっくり滴下し、室温(<40
℃)で49時間撹拌した。反応液に水 30 mlを添加して
1時間撹拌し、析出した固体を濾別した。水50 ml で洗
浄後、80℃で4時間真空乾燥し、白色固体4.42gを得
た。HPLC、TLC分析からこの固体中には不純物としてジフ
ェニル尿素を含んでいた。これをエタノ−ルから再結晶
して3.62gの白色針状結晶を得た。HPLC (UV 254nm) の
単純面積百分率から算定すると、純度97%であった。
TLC、IRを実施例1の化合物と比較し、3-フェニル-5-トリ
フルオロメチル-2-オキサゾリドンであることを確認し
た。収率68%。
【0024】(実施例3〜5)実施例3は、触媒量を変
えて、その他の条件は実施例2と同様に選択して反応を
行った。また、実施例4、5は溶媒の種類を変えて、そ
の他の条件は実施例3、2と同様に選択して反応を行っ
た。条件と収率、純度の結果を対比して表1に示す。
えて、その他の条件は実施例2と同様に選択して反応を
行った。また、実施例4、5は溶媒の種類を変えて、そ
の他の条件は実施例3、2と同様に選択して反応を行っ
た。条件と収率、純度の結果を対比して表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例6)塩化カルシウム管を付けた三
ツ口フラスコに臭化リチウム 0.40g (4.6 mmol)をい
れ、窒素置換した。モレキュラ−シ−ブ4Aで乾燥した
ジメチルホルムアミド5 ml、モレキュラ−シ−ブ4Aで
乾燥した蒸留済みTFPO 2.6ml (30 mmol) を添加してか
くはんした。これにジイソシアン酸メチレンジフェニル
3.75g (15 mmol) とジメチルホルムアミド10 ml の混
合溶液を1.5時間かけてゆっくり滴下し、室温で48
時間撹拌した。反応中に析出した固体を濾別し、ヘキサ
ンで洗浄後、真空乾燥して4.64 gの薄茶白色粉末を得
た。HPLC(UV 254nm)の単純面積百分率から算定する
と、純度97%であった。MSおよび1H-NMRより、4,4'
-ビス(5-トリフルオロメチルオキサゾリジン-2-オン-3-
イル)-ジフェニルメタンであることを確認した。収率6
5%。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 3.92(s, 2H, Ph-CH2 -Ph) 4.17(dd, J=9Hz, 4.5Hz, 1H, CH2) 4.38(dd, J=10Hz, 10Hz, 1H, CH2) 5.48(m, CH, 1H) 7.26, 7.51(d, J=8Hz, 2H, Ph) MS(DI) 474(M+) IR (cm-1) 1750, 1510, 1400, 1300, 1270, 1190, 11
50, 1110,
ツ口フラスコに臭化リチウム 0.40g (4.6 mmol)をい
れ、窒素置換した。モレキュラ−シ−ブ4Aで乾燥した
ジメチルホルムアミド5 ml、モレキュラ−シ−ブ4Aで
乾燥した蒸留済みTFPO 2.6ml (30 mmol) を添加してか
くはんした。これにジイソシアン酸メチレンジフェニル
3.75g (15 mmol) とジメチルホルムアミド10 ml の混
合溶液を1.5時間かけてゆっくり滴下し、室温で48
時間撹拌した。反応中に析出した固体を濾別し、ヘキサ
ンで洗浄後、真空乾燥して4.64 gの薄茶白色粉末を得
た。HPLC(UV 254nm)の単純面積百分率から算定する
と、純度97%であった。MSおよび1H-NMRより、4,4'
-ビス(5-トリフルオロメチルオキサゾリジン-2-オン-3-
イル)-ジフェニルメタンであることを確認した。収率6
5%。1 H-NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ (ppm) 3.92(s, 2H, Ph-CH2 -Ph) 4.17(dd, J=9Hz, 4.5Hz, 1H, CH2) 4.38(dd, J=10Hz, 10Hz, 1H, CH2) 5.48(m, CH, 1H) 7.26, 7.51(d, J=8Hz, 2H, Ph) MS(DI) 474(M+) IR (cm-1) 1750, 1510, 1400, 1300, 1270, 1190, 11
50, 1110,
【0027】(実施例7)塩化カルシウム管を付けた三
ツ口フラスコに臭化リチウム 0.40g (4.6 mmol)をい
れ、窒素置換した。モレキュラ−シ−ブ4Aで乾燥した
N-メチルピロリドン5 ml、モレキュラ−シ−ブ4Aで乾
燥した蒸留済みTFPO 2.6 ml (30 mmol) を添加してかく
はんした。これにイソシアン酸アリル 2.0 ml (23 mmo
l) とN-メチルピロリドン 5 mlの混合溶液を1.5時間
かけてゆっくり滴下し、室温で48時間撹拌した。反応
液に水30 ml を添加して30分かくはん後、エ−テル10
0 mlと水50 mlを加えて抽出した。エ−テル層を水50 ml
で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留
去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲ
ルC−200、溶離液クロロホルム)に付し、更にク−
ゲロ−ルで減圧蒸留(約100 ℃/10 mmHg)し、GC純
度87%の黄色液体0.27 gを得た。以下の機器デ−タよ
り、3-アリル-5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン
であると確認した。収率5%。1 H-NMR (CDCl3, 300MHz):δ (ppm) 3.58(dd, J=10.5Hz, 5.3Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.75(dd, J=9.5Hz, 9.5Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.83, 3.95(ABX, J=15Hz, 6Hz, 2H, >N-CH2) 4.80(m, CH, 1H), 5.27(d, J=17.4Hz, 1H, =CH2) 5.29(d, J=9.6Hz, 1H, =CH2) 5.76(m, 1H, -CH=)13 C-NMR (CDCl3, 68MHz):δ (ppm) 43.42(1C, CH2-CHCF3), 46.53(1C, >N-CH2),69.09(q, J
=35Hz, 1C, CH-CF3), 119.47(1C, =CH2),122.91(q, J=2
79Hz, 1C, CF3), 130.73(1C, -CH=),155.63(1C, C=O) GC−MS 195(M+) IR (cm-1) 3300, 3000, 2900, 1750, 1640, 1490, 1
420, 1250,1150, 1050, 990, 810, 750, 690
ツ口フラスコに臭化リチウム 0.40g (4.6 mmol)をい
れ、窒素置換した。モレキュラ−シ−ブ4Aで乾燥した
N-メチルピロリドン5 ml、モレキュラ−シ−ブ4Aで乾
燥した蒸留済みTFPO 2.6 ml (30 mmol) を添加してかく
はんした。これにイソシアン酸アリル 2.0 ml (23 mmo
l) とN-メチルピロリドン 5 mlの混合溶液を1.5時間
かけてゆっくり滴下し、室温で48時間撹拌した。反応
液に水30 ml を添加して30分かくはん後、エ−テル10
0 mlと水50 mlを加えて抽出した。エ−テル層を水50 ml
で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留
去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲ
ルC−200、溶離液クロロホルム)に付し、更にク−
ゲロ−ルで減圧蒸留(約100 ℃/10 mmHg)し、GC純
度87%の黄色液体0.27 gを得た。以下の機器デ−タよ
り、3-アリル-5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン
であると確認した。収率5%。1 H-NMR (CDCl3, 300MHz):δ (ppm) 3.58(dd, J=10.5Hz, 5.3Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.75(dd, J=9.5Hz, 9.5Hz, 1H, CH2 -CHCF3) 3.83, 3.95(ABX, J=15Hz, 6Hz, 2H, >N-CH2) 4.80(m, CH, 1H), 5.27(d, J=17.4Hz, 1H, =CH2) 5.29(d, J=9.6Hz, 1H, =CH2) 5.76(m, 1H, -CH=)13 C-NMR (CDCl3, 68MHz):δ (ppm) 43.42(1C, CH2-CHCF3), 46.53(1C, >N-CH2),69.09(q, J
=35Hz, 1C, CH-CF3), 119.47(1C, =CH2),122.91(q, J=2
79Hz, 1C, CF3), 130.73(1C, -CH=),155.63(1C, C=O) GC−MS 195(M+) IR (cm-1) 3300, 3000, 2900, 1750, 1640, 1490, 1
420, 1250,1150, 1050, 990, 810, 750, 690
【0028】
【発明の効果】本発明の5-トリフルオロメチル-2-オキ
サゾリドン誘導体は、トリフルオロメチル基を有する新
規2-オキサゾリドンであり、医薬品、高分子材料中間体
あるいは溶剤として有用である。また、この5-トリフル
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体は、本発明の製造
方法により穏和な条件下簡便に高収率でえられるので、
上記各種用途の製品を得る方法として利用価値が大き
い。
サゾリドン誘導体は、トリフルオロメチル基を有する新
規2-オキサゾリドンであり、医薬品、高分子材料中間体
あるいは溶剤として有用である。また、この5-トリフル
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体は、本発明の製造
方法により穏和な条件下簡便に高収率でえられるので、
上記各種用途の製品を得る方法として利用価値が大き
い。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(I): 【化1】 (式中、Rは、置換を有してもよい炭化水素基を表
す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリ
ドン誘導体。 - 【請求項2】 下記一般式(II): 【化2】 (式中、Rは、置換を有してもよい炭化水素基を表し、
*Cは、不斉中心の炭素原子を表す。)で示される光学
活性な5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン誘導
体。 - 【請求項3】 下記一般式(III): 【化3】 (式中、R’は、置換を有してもよい二価の炭化水素基
を表す。)で示される5-トリフルオロメチル-2-オキサ
ゾリドン誘導体。 - 【請求項4】 下記一般式(IV): 【化4】 (式中、R’は、置換を有してもよい二価の炭化水素基
を表し、*Cは、不斉中心の炭素原子を表す。)で示さ
れる光学活性な5-トリフルオロメチル-2-オキサゾリド
ン誘導体。 - 【請求項5】 下記式(V): 【化5】 で示される3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシドと下
記一般式(VI): 【化6】 (式中、Rは、上記一般式(I)のRと同義の基を表
す。)で示されるイソシアナートを反応させることを特
徴とする請求項1の一般式(I)で示される5-トリフル
オロメチル-2-オキサゾリドン誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5の式(V)で示される3,3,3-ト
リフルオロプロピレンオキシドと下記一般式(VII): 【化7】 (式中、R’は、上記一般式(III)のR’と同義の基
を表す。)で示されるジイソシアナートを反応させるこ
とを特徴とする請求項3の一般式(III)で示される5-
トリフルオロメチル-2-オキサゾリドン誘導体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32583396A JPH10152479A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリドン誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32583396A JPH10152479A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリドン誘導体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152479A true JPH10152479A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18181126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32583396A Pending JPH10152479A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 5−トリフルオロメチル−2−オキサゾリドン誘導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10152479A (ja) |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP32583396A patent/JPH10152479A/ja active Pending
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