JPH10151400A - ブレード - Google Patents

ブレード

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JPH10151400A
JPH10151400A JP9235272A JP23527297A JPH10151400A JP H10151400 A JPH10151400 A JP H10151400A JP 9235272 A JP9235272 A JP 9235272A JP 23527297 A JP23527297 A JP 23527297A JP H10151400 A JPH10151400 A JP H10151400A
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ceramic plate
metal plate
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秀則 山之口
Osamu Furukawa
治 古川
Takashi Yokoyama
敬 横山
Kenji Ikeda
謙二 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好に塗布又は掻き取りを行うことができ、し
かも使用時や搬送時に板状体3が破損することのないブ
レード1を得る。 【解決手段】エッジ3aを備えたセラミックス製板状体
3を長尺の金属板2の側面端部に固定してなるブレード
1であって、該ブレード1を長さ方向に1mの間隔で両
端支持した時、セラミックス製板状体3が破損すること
なく、自重により厚み方向に10cm以上撓むようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状体やロー
ル状体等の表面に他の物質を塗布したり、掻き取ったり
する際に用いるブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シート状体あるいはロール状
体の表面に他の物質を塗布したり、掻き取ったりする際
にブレードが用いられる。例えば、印刷工程における印
刷版面へのインクの塗布や掻き取り工程、磁気テープや
フレキシブルディスクへの磁性材料の塗布工程、製紙工
程でロール紙やロール表面に付着した異物を掻き取る工
程、紙コップや飲料水用パック等に用いる紙に樹脂を塗
布する工程、壁紙や合板等に用いる木材に樹脂を塗布す
る工程、熱転写インクリボンやカーボンペーパーにイン
クを塗布する工程等、さまざまな分野でブレードが用い
られる。
【0003】例えば、印刷工程の中で使用されるブレー
ドは、その目的と作用から大きく2つに分けることがで
きる。一つは印刷版面から余分なインクを除去するため
の掻き取り用ブレードと、もう一つはインクを塗布した
り、光沢剤を塗布するための塗布用ブレードである。
【0004】これらの印刷塗布用ブレードとしては、通
常金属の板状体が用いられている。例えば、図10
(a)に示すように、印刷パターンに対応する凹部21
を有する印刷版面20上で、金属製のブレード1を移動
させてインク22を塗布し、凹部21に充填させること
ができる。
【0005】一方、掻き取り用ブレードとしては、例え
ば図10(b)に示すように、製紙工程において、ロー
ル30の表面に金属製のブレード1を押し当てて回転さ
せ、表面に付着した塗料、付着物等の異物31を除去す
ることができる。
【0006】このようなブレードは、従来、そのほとん
どがハイス鋼等の金属材から形成されており、先端のエ
ッジで樹脂等を密着させながら伸ばして塗布したり、あ
るいはインク等を掻き取ったりするようになっている。
しかしながら、金属材で形成されている場合、エッジが
摩耗して均一に塗布できなくなるため、短時間の使用で
交換しなければならず、長期の使用における信頼性及び
作業性の面で極めて重大な問題を有していた。
【0007】上記問題点に対し、特公平2−36671
号公報に示すように、ブレードの先端側面に炭化タング
ステン(WC)等の硬質膜を溶射したものもあったが、
使用中に硬質膜が剥がれてしまうという問題があった。
【0008】そこで、特公平2−51398号公報に示
されるように、ブレードの少なくとも刃部をジルコニア
セラミックスで形成することが提案されている。
【0009】また、セラミックス単体では、使用時に破
損する恐れがあることから、製紙工程で用いるブレード
として、金属板等の支持体の側面先端側にセラミックス
の板状体を接合したブレードを本願出願人は既に提案し
た(実開平7−560号公報参照)。
【0010】これは、図9に示すように、支持体を成す
金属板2の側面先端側にジルコニア等のセラミックスか
らなる複数の板状体13を接合し、この板状体13の先
端エッジ部でインク等を塗布することにより耐摩耗性を
向上させたものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブレー
ド全体あるいは刃部をジルコニアセラミックスで形成す
る場合、厚みを1mm以下と極めて薄く形成しなければ
ならないため、使用時に撓むと割れてしまう恐れがあっ
た。一方、割れないようにブレードを厚くすると、使用
時に撓みにくくなるため、塗布や掻き取りを行いにくく
なり、コートむらやスジ目等が生じるという第1の問題
があった。
【0012】また、ブレードをセラミックスで形成する
と、耐摩耗性に優れているものの、その反面ロール等の
相手材に対するなじみが悪いという第2の問題があっ
た。
【0013】さらに、図9に示すようなセラミックスか
らなる板状体13を用いたブレード1では、セラミック
ス製板状体13の横方向の長さL1 は250mm程度と
短いものである。これは、セラミックス製の板状体13
を作製する場合、粉体プレス成形することが一般的であ
るため、上記寸法以上の製品を得ることは困難となるた
めである。
【0014】ところが、一般に、このようなブレード1
の全体の長さLは300mm以上あり、長いものでは1
0000mm(10m)程度のものもある。したがっ
て、上記セラミックス製板状体13を用いたブレード1
では、図9に示すように、複数のセラミックス製板状体
13を継ぎ合わせて使用する必要があった。
【0015】そのため、長時間使用していると、板状体
13の継ぎ目が摩耗して広がり、隙間が発生じて、印刷
物に筋目が生じるなど均一な塗布が困難になるという第
3の問題があった。
【0016】一方、上記のブレード1では、金属板2に
セラミックス製の板状体13を貼り合わせた構造である
ため、この部分の厚みが大きくなる。そのため、長期使
用時に摩耗すると、板状体13だけでなく金属板2も接
触し摩耗することになる。その結果、次第に接触面積が
大きくなって面圧が下がり、ブレード1の押しつけ力を
調整しなければならず、また、金属板2の摩耗により、
食品製造工程や、磁気記録装置の製造工程等に使用する
場合は金属粉の混入による不都合があるという第4の問
題があった。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1の発明
は、エッジを備えたセラミックス製板状体を長尺の金属
板の側面端部に固定してなるブレードであって、該ブレ
ードを長さ方向に1m以上の間隔で両端支持した時、セ
ラミックス製板状体が破損することなく、自重により厚
み方向に10cm以上撓むことを特徴とする。
【0018】即ち、好適に使用するためにはブレード自
体が適度に撓む必要があり、種々検討の結果、ブレード
を成す金属板やセラミックス製板状体の材質、寸法、形
状等を調整してブレードを長さ方向に1mの間隔で両端
支持した時に自重で厚み方向に10cm以上撓むように
しておけば、第1の問題を解決して良好に使用できるこ
とを見出した。しかも、セラミックス製板状体を金属板
の側面端部に固定した構造とすることによって、ブレー
ド全体を撓みやすくし、かつ撓んだ場合でもセラミック
ス製板状体の破損を防止するようにした。
【0019】また、請求項2の発明は、エッジを備えた
セラミックス製板状体を長尺の金属板の側面端部に固定
してなるブレードであって、ブレード全体の見掛けのヤ
ング率をEA (kg/m2 )、ブレードの断面2次モー
メントをI(m3 )、単位長さ当たりの重さをW(kg
/m)とし、A=5W/384EA Iとしたとき、 5×10-10 <A<7×10-8 を満たすことを特徴とする。
【0020】即ち、上記A値はブレードの自重による撓
み量を示す尺度であり、このA値が上記範囲内であれ
ば、ブレード全体を撓みやすくし、第1の問題を解決す
ることができる。
【0021】さらに、請求項3の発明は、エッジを備え
たセラミックス製板状体を長尺の金属板の側面端部に固
定してなるブレードであって、上記セラミックス製板状
体の破壊靱性値をKc (kg/m3/2 )、ビッカース硬
度をH(kg/m2 )、ヤング率をE1 (kg/m2
とした時、 E1 <3.0×1010 であり、かつR=(E1 /H)4/5 /(Kc 1/2 ・H
5/8 )としたとき 2.00×10-8<R<2.60×10-8 を満たすことを特徴とする。
【0022】即ち、上記R値は、耐摩耗性を示す尺度で
あり、このR値が上記範囲内にあれば、耐摩耗性に優れ
るとともに、初期の段階である程度摩耗することによっ
て、相手材の形状になじむことができ、第2の問題を解
決できる。
【0023】また、請求項4の発明は、シート状体やロ
ール状体等の表面で、物質の塗布や掻き取りのために用
いるブレードであって、支持体の先端部にセラミックス
製板状体を保持してなり、該板状体は長さ300mm以
上で一体的に形成したことを特徴とする。
【0024】即ち、300mm以上の長さを持ったセラ
ミック製板状体を一体的に形成することによって、上述
したような継ぎ目を無くして第3の問題を解決し、均一
な塗布や掻き取りを可能としたものである。
【0025】さらに、請求項5の発明は、シート状体や
ロール状体等の表面で、物質の塗布や掻き取りのために
用いるブレードであって、支持体の先端部にセラミック
ス製板状体を保持してなり、該板状体の先端を上記支持
体から突出させたことを特徴とする。
【0026】即ち、板状体の先端を突出させたことによ
って、この板状体の先端のみでシート状体又はロール状
体と摺動することになり、使用中に板状体が摩耗しても
支持体まで摩耗することを防止できる。そのため、摩耗
しても接触面積が大きくなることはなく、面圧を一定に
維持でき、また支持体を成す金属成分が混入することも
防止でき、第4の問題を解決できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、請求項1〜3の発明の実施
形態として製紙用のブレードについて説明する。
【0028】図1に示すように、本発明のブレード1
は、ハイス鋼等からなる金属板2の先端側面にジルコニ
ア等のセラミックスからなる板状体3を接着剤4で接合
したものである。そして、この板状体3にはエッジ3a
を備えており、図2に示すように、このブレード1を用
いて紙6の上にコート剤5を延ばしながら掻き取ること
で、紙6の表面にコート剤5を塗布することができる。
【0029】なお、ブレード1の全長Lは1.5〜9m
と長いものであり、詳細を後述するように、板状体3
は、この長さLにわたって一体的に形成することが好ま
しいが、複数に分割して、各々のエッジ3aが揃うよう
に金属板2に接合しても良い。
【0030】また、金属板2と板状体3とは、両者の平
面部に接着剤4を介在させて接合すればよい。なお、両
者の接合構造としては、図3に示すように、金属板2側
に形成した斜面や凹部に、板状体3を接着剤4で接合す
ることもできる。さらに、板状体3のエッジ3aは必ず
しもシャープエッジである必要はなく、図3に示すよう
に斜面状や曲面状であっても良い。
【0031】なお、本発明のブレード1を使用する際
に、図2に示すように、ブレード1自体が撓むことが重
要である。即ち、撓むことによって、板状体3のエッジ
3aを紙6の表面に押しつけることができ、コート剤5
を均一な厚みにし、かつ密着強度を高めて塗布すること
ができるのである。
【0032】そこで、本発明では、金属板2の先端側面
にセラミックス製の板状体3を接合する構造として、主
体を金属板2で構成したため、ブレード1を撓みやすく
することができる。
【0033】しかも本発明では、ブレード1の撓みを評
価するために、図4に示すようにブレード1を長さ方向
に1mの間隔で両端支持した時の、自重による厚み方向
の撓み量Xを測定したとき、この撓み量Xが10cm以
上、好ましくは20cm以上となるようにしておけば良
いことを見出した。
【0034】即ち、上記撓み量Xが10cm以上、好ま
しくは20cm以上であれば、図2のように使用する際
に、ブレード1が充分に撓むため、エッジ3aを紙6の
表面に押しつけて、コート剤5を均一な厚みにし、かつ
密着強度を高くでき、第1の問題を解決できる。
【0035】なお、この撓み量Xは、金属板2及び板状
体3の材質、形状、寸法によって決定されるものであ
り、上記範囲となるように、これらを調整すれば良いこ
とになる。実際には、ブレード1の主体をなす金属板2
でほぼ決定されることになり、例えば、金属板2をハイ
ス鋼で形成する場合、その厚みを1mm以下としておけ
ば良い。
【0036】また、この撓み量Xは、ブレード1を1m
の間隔で両端支持した時の値であり、ブレード1の長さ
が1m以外の場合は、その両端で支持した時の撓み量を
測定し、公知の方法によって換算することができる。あ
るいはブレード1が1mよりも長い場合は、1mの長さ
に切断して両端支持し、その撓み量Xを求めることもで
きる。
【0037】さらに、本発明では、図4にように自重に
よってブレード1を撓み量Xで撓ませた時に、セラミッ
クス製の板状体3が破損しないようにすることが重要で
ある。これは、ブレード1の使用時や搬送時等におい
て、最悪の場合に上記の撓み量Xが生じる恐れがあり、
このような場合にでも板状体3の破損を防止するためで
ある。
【0038】そのためには、板状体3の材質、寸法、形
状を調整して、上記撓み量Xで撓んでも破損が生じない
ようにしておけば良い。特に板状体3の材質が重要であ
り、上記撓みに耐えられるような、強度、靱性の高いセ
ラミックスを用いることが重要である。
【0039】具体的には、高強度、高靱性の部分安定化
ジルコニアセラミックスを用いることが好ましい。これ
は、ZrO2 を主成分とし、Y2 3 、MgO、Ca
O、CeO2 、Dy2 3 等の一種以上の安定化剤を含
み、正方晶の結晶相を主体とした部分安定化ジルコニア
セラミックスのことであり、このようなジルコニアセラ
ミックスは、応力を受けた際に正方晶相が単斜晶相に変
化する応力誘起変態の作用によって、極めて強度、靱性
を高くすることができる。
【0040】なお、板状体3の材質としては、上記ジル
コニアセラミックスに限ることはなく、要するに図4に
示すようにブレード1を両端支持した時に、自重による
撓み量Xが10cm以上となり、この時に破損しないよ
うな材質、寸法、形状としておけば良い。
【0041】また、本発明では、上記ブレード1におけ
る、板状体3を成すセラミックスのヤング率をE1 (k
g/m2 )、ブレード1全体に対する板状体3の体積分
率をV1 、金属板2のヤング率をE2 (kg/m2 )、
ブレード1全体に対する金属板2の体積分率をV2 とし
たとき、ブレード1全体の見掛けのヤング率EA (kg
/m2 )を 1/EA =V1 /E1 +V2 /E2 により定義し、一方、上記ブレード1の断面2次モーメ
ントをI(m3 )、単位長さ当たりの重さをW(kg/
m)とし、A=5W/384EA Iとしたとき、 5×10-10 <A<7×10-8 を満たしている。
【0042】ここで、上記A値はブレード1の自重によ
る撓み量を示す尺度であり、このA値が上記範囲内であ
れば、ブレード1全体を撓みやすくすることができ、第
1の問題を解決できる。
【0043】次に、本発明では、上記板状体3を成すセ
ラミックスの破壊靱性値をKc (kg/m3/2 )、ビッ
カース硬度をH(kg/m2 )、ヤング率をE1 (kg
/m2 )とした時、 E1 <3.0×1010 であり、かつR=(E1 /H)4/5 /(Kc 1/2 ・H
5/8 )としたとき 2.00×10-8<R<2.60×10-8 を満たすようにする。
【0044】ここで、ヤング率E1 を3.0×1010
g/m2 未満としたのは、ヤング率E1 が低いほど板状
体3が撓みやすいことになり、上述したブレード1全体
の撓みに追従しやすくなるためである。また、板状体3
が撓みやすいと、エッジ3aが紙6等に対して均一な圧
力で接することになり、塗布膜の厚みを均一にし、仕上
げ面を滑らかにすることができるためである。
【0045】また、Rの値は、耐摩耗性を示す尺度であ
り、この値が小さいほど耐摩耗性に優れるが、コートむ
らやスジ目の不具合を防ぐため、初期の段階である程度
摩耗してコート面等の相手材の形状になじむ必要があ
る。このため、適度な耐摩耗性が必要となる。このよう
な観点から、 2.00×10-8<R<2.60×10-8 であれば、充分に優れた耐摩耗性を有し、ブレード1の
寿命を長くできるとともに、初期段階で適度に摩耗して
相手材となじむことができ、第2の問題を解決できる。
【0046】なお、上記各物性値の測定については、板
状体1を成すセラミックスと同じ材質で別途作成したテ
ストピース、または板状体1自体から所定の寸法に切り
出したテストピースで測定する。なお、ヤング率E1
超音波パルス法、破壊靱性値Kc はIF法、硬度Hはビ
ッカース硬度により、それぞれ測定する。あるいは、公
知の換算式がある場合は、他の方法で測定して上記の値
に換算してもよい。
【0047】なお、以上は製紙用のブレードについて説
明したが、本発明のブレードは、木材や金属等のシート
状体の表面に樹脂等をコートする工程や、印刷版の版面
に付着したインクを掻き取る工程、ゴムや食料品等をシ
ート状に成形する工程などさまざまな用途に使用するこ
とができる。
【0048】次に、請求項4の発明の実施形態を印刷塗
布用ブレードを例にとって説明する。
【0049】ブレード1は、図1に示すものと同様に、
支持体を成す金属板2の先端側面にセラミックス製の板
状体3を接合したものである。そして、図10(a)に
示すように、印刷版面20上にブレード1を押し当てて
矢印方向に移動させることによって、インク22を凹部
21に充填させながら塗布することができる。
【0050】このとき、ブレード1の先端エッジがセラ
ミックス製の板状体3からなるため、耐摩耗性に優れ、
長期間良好に使用することができる。また、この板状体
3は金属板等2に保持されているため、押し当てるよう
に使用しても金属板2が撓むことによって、板状体3の
破損を防止できる。
【0051】さらに、上記板状体3は、ブレード1の横
方向の全長にわたって一体的に形成されており、その全
長Lは300mm以上となっている。そのため、このブ
レード1を用いて塗布を行った場合に、板状体3に継ぎ
目がないため、均一な厚みで滑らかな塗布作業を行うこ
とができ、第3の問題を解決できる。
【0052】なお、板状体3の全長を300mm以上と
したのは、通常用いられるブレード1の長さが300m
m以上であるからであり、実際には使用するブレード1
の長さに応じて、それと同じ長さLの板状体3とすれば
良い。具体的には、板状体3の長さLは300mm以上
で、10000mm(10m)程度までのものが使用さ
れる。また、このような長尺の板状体3は後述する押出
成形法により得ることができる。
【0053】さらに、板状体3の厚みtは0.2〜2.
0mmの範囲としてある。これは、0.2mm未満では
強度が低くなって破損する恐れがあり、一方2.0mm
を超えると使用時に変形しにくくなり良好な塗布作業が
できなくなるためである。
【0054】また、上記板状体3の材質としては、アル
ミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニ
ウム等のさまざまなセラミックスを用いることができる
が、これらの中でも前述したような部分安定化ジルコニ
アセラミックスが最適である。このジルコニアセラミッ
クスはセラミックスの中でも比較的熱膨張係数が大きい
ことから、金属板2との熱膨張差を小さくすることがで
きる。
【0055】特に、本発明のブレード1では、長尺の板
状体3と金属板2を接合しているため、両者の熱膨張差
が大きいと使用時に反りが発生する恐れがある。そこ
で、板状体3として熱膨張係数の大きいジルコニアセラ
ミックスを用いるとともに、金属板2として、板状体3
との熱膨張差が3×10-6/℃以下の材質を用いること
が好ましい。具体的には、金属板12として炭素鋼等を
用いる。
【0056】さらに、板状体3の先端部の形状は、使用
用途に応じてさまざまな形状とすることができる。例え
ば、図5(a)に示すようなエッジ3aを有する角形状
や、図5(b)に示すような両側に斜面3bを有する形
状や、図5(c)に示すように片側のみに斜面3bを有
する形状や、図5(d)に示すように片側のみに斜面3
bを有し、この斜面3bと側面との鈍角状の境界部に曲
面3cを備えた形状などとすることができる。
【0057】特に、塗布用ブレードとして用いる場合
は、図5の各形状のうち、図5(c)(d)に示すよう
な片側に斜面3bを有する形状が好ましい。また、図5
(d)の曲面3cの曲率半径は、板状体3の厚みt以下
とすることが好ましい。
【0058】なお、この実施形態のブレード1は、図1
0(a)に示すような印刷工程での塗布用ブレード以外
にも、前述したさまざまな分野の塗布作業やあるいは掻
き取り作業に用いることができる。
【0059】次に、上記ブレード1の製造方法を説明す
る。
【0060】まず、セラミックス製の板状体3を作製す
るが、上述したジルコニアセラミックス等の原料粉末に
有機バインダーを加えて混合・攪拌し、この原料を押出
成形装置を用いて成形する。所定の形状、寸法を持った
口金を用い、板状体3の長さL方向に押出成形すること
によって、一定断面の成形体を連続的に成形する。ある
いは、ドクターブレード法やロールコンパクション法等
によりシート成形で一定断面の成形体を連続的に成形す
ることもできる。これを所定の長さで切断し、約140
0℃の温度で焼成する。焼成後には多少の反りが発生す
るため、表裏を研削加工して一定の厚み、寸法となるよ
うに仕上げ、板状体3を得る。
【0061】一方、別途、金属板2を形成しておき、両
者をエポキシ系等の接着剤4で接合すればブレード1を
得ることができる。
【0062】このように、本発明では、板状体3を押出
成形法で成形することによって、長さLが300mmを
超えるものでも容易に製造することができる。
【0063】次に、請求項5の発明の実施形態として、
掻き取り用ブレードに適用した例を説明する。
【0064】図6(a)に示すブレード1は、樹脂や金
属等からなる支持体12の先端に凹部12aを形成し、
この凹部12aにセラミックス製の板状体3を挿入し、
一部を突出させた状態で接合したものである。また、図
6(b)に示すように、このブレード1は、製紙工程に
おいてロール30に押し当てて使用し、付着した異物3
1を除去するために使用することができる。
【0065】このブレード1は、図7(a)に示すよう
に、板状体3の先端を支持体12から突出させた点が重
要である。そのため、この板状体3の先端のみでロール
30と摺動することになり、使用時に摩耗しても、支持
体12まで摩耗することを防止できる。その結果、接触
面積が大きくなることがなく、面圧が変化することを防
止できる。しかも、支持体12が摩耗しないため、食品
製造工程や磁気記録装置の製造工程に用いても金属粉等
の異物の混入を防止することができ、第4の問題を解決
できる。
【0066】そのためには、図7(a)における板状体
3の突出長さDは0.1mm以上とし、好ましくは0.
5〜1mmとする。これは、突出長さDが0.1mm未
満では上述した効果が乏しくなるためである。ただし、
突出長さDが1mmを超えると破損しやすくなるため、
1mm以下が好ましい。
【0067】また、この実施形態における板状体3の厚
みtは0.05〜1mm程度、好ましくは0.1〜0.
5mmの範囲が好ましい。
【0068】さらに、板状体3と支持体12との接合構
造としては、図7(a)に示すように支持体12の凹部
12aに挿入し接合したものに限らず、図7(b)に示
すように支持体12の側面端部に板状体3を接合した
り、図7(c)に示すように支持体12の側面端部に凹
部12bを形成し、この凹部12bに板状体3を接合す
ることもできる。いずれの場合も、板状体3の突出長さ
Dが上記範囲となるように設定しておけば良い。
【0069】また、板状体3の先端部の形状について
は、図8(a)に示すように先端の片側エッジ部に曲面
3cを形成したり、図8(b)に示すように先端の両側
エッジ部に曲面3cを形成したり、図8(c)に示すよ
うに先端の片側エッジ部に斜面状の大きな曲率半径の曲
面3cを形成したりすることができる。いずれの場合
も、曲面3cの曲率半径は0.03〜1mmの範囲内と
することが好ましい。
【0070】なお、この実施形態における板状体3の材
質は上記実施形態と同様のセラミックスを用い、製造方
法についても同様の押出成形法やあるいはプレス成形法
を用いれば良い。また、支持体12の材質はFRP等の
樹脂、又は炭素鋼等の金属材を用いる。
【0071】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。
【0072】実施例1 請求項1の発明の実施例として、図1に示すブレード1
を試作した。金属板2はハイス鋼で形成し、厚み0.0
5cm、幅7.5cm、長さ100cmとした。板状体
3は、表1に示す各種セラミックスで形成し、厚み0.
1cm、幅1cm、長さ100cmとして、両者をエポ
キシ系の接着剤4で接合した。
【0073】なお、表1中、ジルコニアとはZrO2
主成分として3モル%のY2 3 を含み、正方晶の結晶
を主体とする部分安定化ジルコニアセラミックスのこと
であり、アルミナとは99%のAl2 3 と残部がSi
2 、MgO等からなるアルミナセラミックスのことで
あり、窒化珪素とはSi3 4 を主成分としAl
2 3 、Y2 3 を焼結助剤として含む窒化珪素質セラ
ミックスのことであり、炭化珪素とはSiCを主成分と
してAl2 3 、Y2 3 を焼結助剤として含む炭化珪
素質セラミックスのことである。
【0074】各々のブレード1を図4に示すように、1
mの間隔で両端支持した時の撓み量Xを測定し、この時
の板状体3の破損の有無を確認した。また、各セラミッ
クスについて、ワイブル統計に基づき上記寸法での製品
強度を算出し、さらにブレードに発生する応力を両端支
持における等方分布荷重の発生応力の算出式より求め、
これかた安全率を算出した。
【0075】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、いずれもブレード1の撓み量Xは22.7cmと充
分であったが、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素で形成し
た板状体3は破損してしまった。これに対し、ジルコニ
アで形成した板状体3は破損しなかった。なお、この結
果については、計算上でも推測することができ、経験的
に安全率2以上であれば、実用可能であると考えられ
る。
【0076】したがって、この実施例では、板状体3を
ジルコニアセラミックスで形成すれば、ブレード1は充
分に撓み、かつ板状体3の破損もないことがわかる。
【0077】
【表1】
【0078】比較例1 次に、比較例として、上記と同様で金属板2の厚みを
0.1cmと厚くしたものを作製し、ジルコニアセラミ
ックス製の板状体3を接合したブレード1を作製した。
この比較例のブレード1を図4に示すように両端支持し
たところ、板状体3は破損しなかったが、撓み量Xが
5.7cmと10cm未満であった。
【0079】この比較例のブレードと、上述したように
撓み量Xが22.7cmである実施例1のブレードを用
いて、図2に示すように紙6上にコート剤5を塗布する
試験を行い、塗布後のコート剤5のムラの有無を確認し
た。
【0080】その結果、比較例のブレードを用いた場合
は、明確なムラが確認されたのに対し、本発明実施例の
ブレードを用いた場合は、均一な厚みに塗布され、ムラ
は確認されなかった。これは、ブレード1自体が撓むこ
とにより、板状体3のエッジ3aを紙6に押しつける作
用によって、均一な厚みにコート剤5を塗布できるため
である。
【0081】そして、ブレード1を両端支持した時の撓
み量Xを10cm以上とすることによって、均一な厚み
に塗布できることがわかる。
【0082】実施例2 次に、請求項2の発明の実施例を説明する。
【0083】実施例1と同様にして板状体3はジルコニ
アセラミックスで形成し、金属板2と板状体3の厚みを
種々に変化したものを作製した。
【0084】それぞれの試料について、板状体3を成す
セラミックスのヤング率をE1 (kg/m2 )、ブレー
ド1全体に対する板状体3の体積分率をV1 、金属板2
のヤング率をE2 (kg/m2 )、ブレード1全体に対
する金属板2の体積分率をV2 としたとき、ブレード1
全体の見掛けのヤング率EA (kg/m2 )を 1/EA =V1 /E1 +V2 /E2 により定義し、一方、上記ブレード1の断面2次モーメ
ントをI(m3 )、単位長さ当たりの重さをW(kg/
m)として、 A=5W/384EA I によりA値を算出した。
【0085】また、各試料について、実施例2と同様の
試験を行い、塗布後のムラの有無を確認して評価を行っ
た。その結果を表2に示すように、 5×10-10 <A<7×10-8 の範囲内とすれば、均一な厚みに塗布され、ムラは確認
されなかった。これは、A値が上記範囲内であればブレ
ード1自体が適度に撓むことにより、板状体3のエッジ
3aを紙6に押しつける作用によって、均一な厚みにコ
ート剤5を塗布できるためである。
【0086】
【表2】
【0087】実施例3 次に、請求項3の発明の実施例を説明する。
【0088】各種セラミックス製の板状体3を用いて、
耐摩耗性と塗布時の均一性を調べる実験を行った。金属
板2をハイス鋼で形成し、厚み0.05cm、幅7.5
cm、長さ25cmとした。板状体3を表2に示す各種
セラミックスで形成し、厚み0.05cm、幅0.1c
m、長さ25cmとし、これを金属板2に接合した。
【0089】なお、表3中に示すセラミックス材料のう
ち、ジルコニア1は実施例1におけるジルコニアと同じ
であり、ジルコニア2はジルコニア1の焼成後に熱間静
水圧加圧(HIP)処理を施したもの、ジルコニア3は
ジルコニア1に20%程度のAl2 3 を加えHIP処
理を施したもの、ジルコニア4はZrO2 を主成分とし
てCeO2 、Dy2 3 を安定化剤として加えたもので
ある。さらに、炭化珪素1は実施例1の炭化珪素と同じ
であり、炭化珪素2はβ−SiCを主成分としB,Cを
焼結助剤として含有するものである。またサーメットと
は、TiC、TiN等を主成分とする硬質成分と、鉄族
金属との複合焼結体である。
【0090】各ブレードを用いて、図2に示すように紙
6上にコート剤5を塗布する試験を行い、150時間の
試験後に、ブレードのエッジ3aの摩耗状態とコート剤
5の塗布状態を観察した。
【0091】なお、摩耗状態は先端からの摩耗によるエ
ッジ3aの後退当で評価し、塗布状態は紙の表面に生じ
るスジの有無を目視により評価した。
【0092】結果は表3、4に示す通りである。この結
果より、 2.00×10-8<R<2.60×10-8 かつE1 <3.0×1010 のものはコート剤5のムラがなかった。したがって、こ
の両方を満たすものではコート剤をムラなく塗布するこ
とができ、しかも長寿命とできることがわかる。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】実施例4 次に、請求項4の発明の実施例を説明する。
【0096】図1に示すブレード1を試作した。板状体
3はY2 3 を3モル%含み残部がZrO2 からなる部
分安定化ジルコニアセラミックスを用い、押出成形後、
焼成することによって、最終的な寸法が幅5mm、厚み
tは0.4mm、長さLは2000mmとなるものを作
製した。また、幅30mm、厚み1mm、長さ2000
mmの金属板2の先端側面にエポキシ系接着剤を用い
て、上記板状体3を接合してブレード1を得た。
【0097】一方、比較例として、図9のように長さL
1 が100mmの板状体13を20個継ぎ合わせて接合
したブレード1も用意した。
【0098】両者について、印刷物に光沢剤を均一に塗
布する装置に使用し、一定時間毎に印刷物の表面状態を
観察した。
【0099】結果は、表5に示すように、比較例では、
500時間後から板状体13の継ぎ目により、印刷物の
表面に線模様が発生し、1000時間後には使用不可能
となった。これに対し、本発明のブレード1では、10
00時間を超えても安定して使用することができた。
【0100】
【表5】
【0101】実施例5 次に、上記実施例4のブレード1において、金属板2の
材質を種々に変化させたものを用意した。それぞれ板状
体3と金属板2との熱膨張係数を求めた後、70℃の温
度に設定した場合のブレード1全体の反り量を測定し、
その状態のままで、光沢剤を塗布する装置で使用する試
験を行った。なお、熱膨張係数については、各材質の試
験片から、熱機械分析(TMA)により測定した。
【0102】結果は表6に示すように、板状体3と金属
板2の熱膨張係数の差が大きいほど反り量が大きくな
り、この差が3×10-6/℃を超えたもの(No.3)
では、使用時に塗布ムラを修正することができなかっ
た。
【0103】したがって、板状体3と金属板2との熱膨
張係数の差は3×10-6/℃以下が好ましいことがわか
る。
【0104】
【表6】
【0105】実施例6 次に、上記実施例5のNo.1のブレードについて、板
状体3の先端部の形状として、図5(b)に示す両側に
斜面3bを有するもの、図5(c)に示す片側に斜面3
bを有するもの、図5(d)に示す片側に斜面3bを有
し側面との境界に曲面3cを備えたものをそれぞれ用意
した。
【0106】各ブレード1を用いて、上記と同じ装置を
用いて使用試験を行い、塗布ムラが発生するまでの時間
と、母材への影響を調べた。
【0107】結果は表7に示す通りである。この結果よ
り、図5(b)の両側に斜面3bを有する形状では、板
状体3の摩耗により、部分的に板状体3を押し付けてい
る力が変化したため、母材に接触して傷をつけてしま
い、また塗布ムラが発生するまでの寿命も短かった。
【0108】また、図5(c)のように斜面3bを片側
のみとしたものは寿命が延びたが、母材に傷が生じた。
【0109】これらに対し、図5(d)に示すように斜
面3bと曲面3cを形成したものでは、寿命が長くな
り、母材の傷も発生しなかった。これは、塗布工程での
コート材の流れをスムーズにできるため、ブレード1の
押し付け力にばらつきた生じにくく、その分接触抵抗が
減って寿命が伸び、また、コート材の流れに沿って曲面
3cが摩耗していくために塗布ムラも生じにくいのであ
る。さらに、曲面3cの存在によって、母材の傷も防ぐ
ことができる。
【0110】
【表7】
【0111】実施例7 次に、請求項5の発明の実施例を説明する。
【0112】図6(a)に示すブレード1を試作した。
板状体3は上記と同様のジルコニアセラミックスで形成
し、最終的な寸法が厚みtが1mm、長さ1500m
m、幅15mmで、先端エッジ部に曲率半径0.1mm
の曲面3cを形成した。一方、支持体12はFRP樹脂
で形成し、厚み10mm、長さ1500mm、幅30m
mとし、板状体11の突出長さDが0.5mmとなるよ
うに支持体12に接合した。
【0113】一方、比較例として、同じ寸法のブレード
1を金属材と樹脂でそれぞれ形成したものを用意した。
これらを、図6(b)に示すようなロール30の掻き取
り作業に使用し、使用不可能となるまでの時間を比較し
た。
【0114】結果は表8に示す通り、本発明のブレード
1は極めて耐摩耗性に優れていることがわかる。
【0115】
【表8】
【0116】実施例8 次に、実施例7のジルコニアセラミックス製板状体3を
用いたブレード1について、長さを2mとし、板状体3
の突出長さDと厚みtを種々に変化させたものを試作し
た。
【0117】それぞれ、グラビア印刷工程において、回
転速度600m/rpmのロール上にインクを塗布する
使用試験を行い、板状体3の割れの有無や、塗布ムラの
有無を調べた。
【0118】結果は表9に示すように、板状体3の突出
長さDを0.5〜1mmとし、厚みtを0.5mm以下
としたものは、割れが発生しにくく、塗布ムラも少なか
った。
【0119】
【表9】
【0120】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、エッジを備えたセラミックス製板状体を長尺の金属
板の側面端部に固定してなるブレードであって、該ブレ
ードを長さ方向に1mの間隔で両端支持した時、セラミ
ックス製板状体が破損することなく、自重により厚み方
向に10cm以上撓むようにしたことによって、使用時
にブレードが適度に撓むことから良好に塗布又は掻き取
りを行うことができ、しかも使用時や搬送時に板状体が
破損することがない。
【0121】また、請求項2の発明によれば、上記ブレ
ード全体の見掛けのヤング率をEA(kg/m2 )、ブ
レードの断面2次モーメントをI(m3 )、単位長さ当
たりの重さをW(kg/m)とし、A=5W/384E
A Iとしたとき、 5×10-10 <A<7×10-8 を満たすことによって、使用時にブレードが適度に撓む
ことから良好に塗布又は掻き取りを行うことができる。
【0122】さらに、請求項3の発明によれば、上記ブ
レードにおいて、上記セラミックス製板状体の破壊靱性
値をKc (kg/m3/2 )、ビッカース硬度をH(kg
/m2 )、ヤング率をE1 (kg/m2 )とした時、 E1 <3.0×1010 であり、かつR=(E1 /H)4/5 /(Kc 1/2 ・H
5/8 )としたとき 2.00×10-8<R<2.60×10-8 を満たすことによって、ブレードのエッジと相手部材と
のなじみを良くし、しかもブレード自体の耐摩耗性を向
上することができる。
【0123】また、請求項4の発明によれば、シート状
体やロール状体等の表面で、物質の塗布や掻き取りのた
めに用いるブレードであって、支持体の先端部にセラミ
ックス製板状体を保持してなり、該板状体を、長さ30
0mm以上で一体的に形成したことによって、板状体に
継ぎ目を無くし、長期間にわたって均一な塗布を可能と
することができる。
【0124】さらに、請求項5の発明によれば、上記ブ
レードにおいて、支持体の先端部にセラミックス製板状
体を保持してなり、該板状体の先端を上記支持体から突
出させたことによって、この板状体の先端のみでシート
状体やロール状体と摺動することになり、使用中に板状
体が摩耗しても、支持体まで摩耗することを防止でき
る。そのため、接触面積はほぼ同一となって面圧を一定
に維持でき、また支持板の摩耗による金属粉等の混入を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のブレードを示す斜視図、
(b)は(a)中のX−X線断面図である。
【図2】本発明のブレードの使用状態を示す断面図であ
る。
【図3】(a)〜(c)は本発明のブレードの他の実施
形態を示す断面図である。
【図4】本発明のブレードの撓み量を測定する方法を示
す図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明のブレードにおける板
状体の先端形状のさまざまな実施形態を示す断面図であ
る。
【図6】(a)は本発明のブレードの他の実施形態を示
す斜視図、(b)はその使用状態を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明のブレードの先端形状
のさまざまな実施形態を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は本発明のブレードにおける板
状体の先端形状のさまざまな実施形態を示す断面図であ
る。
【図9】従来のブレードを示す斜視図である。
【図10】(a)(b)は従来のブレードの使用状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1:ブレード 2:金属板 3:板状体 3a:エッジ 3b:斜面 3c:曲面 4:接着剤 12:支持体 12a:凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 謙二 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッジを備えたセラミックス製板状体を長
    尺の金属板の側面端部に固定してなるブレードであっ
    て、該ブレードを長さ方向に1mの間隔で両端を支持し
    た時、セラミックス製板状体が破損することなく、自重
    により厚み方向に10cm以上撓むことを特徴とするブ
    レード。
  2. 【請求項2】エッジを備えたセラミックス製板状体を長
    尺の金属板の側面端部に固定してなるブレードであっ
    て、セラミックス製板状体のヤング率をE1 (kg/m
    2 )、体積分率をV1 、金属板のヤング率をE2 (kg
    /m2 )、体積分率をV2 としたとき、ブレード全体の
    見掛けのヤング率EA (kg/m2 )を 1/EA =V1 /E1 +V2 /E2 により定義し、一方、上記ブレードの断面2次モーメン
    トをI(m3 )、単位長さ当たりの重さをW(kg/
    m)とし、A=5W/384EA Iとしたとき、 5×10-10 <A<7×10-8 を満たすことを特徴とするブレード。
  3. 【請求項3】エッジを備えたセラミックス製板状体を長
    尺の金属板の側面端部に固定してなるブレードであっ
    て、上記セラミックス製板状体の破壊靱性値をKc (k
    g/m3/2 )、ビッカース硬度をH(kg/m2 )、ヤ
    ング率をE1 (kg/m2 )とした時、 E1 <3.0×1010 であり、かつR=(E1 /H)4/5 /(Kc 1/2 ・H
    5/8 )としたとき 2.00×10-8<R<2.60×10-8 を満たすことを特徴とするブレード。
  4. 【請求項4】シート状体やロール状体等の表面で、物質
    の塗布や掻き取りのために用いるブレードであって、支
    持体とその先端部に保持したセラミックス製の板状体か
    らなり、上記板状体は、長さ300mm以上となるよう
    に押出成形またはシート成形し、焼成して一体的に形成
    したものであることを特徴とするブレード。
  5. 【請求項5】シート状体やロール状体等の表面で、物質
    の塗布や掻き取りのために用いるブレードであって、支
    持体とその先端部に保持したセラミックス製の板状体か
    らなり、該板状体の先端を上記支持体から突出させたこ
    とを特徴とするブレード。
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