JPH10150249A - プリント配線板 - Google Patents

プリント配線板

Info

Publication number
JPH10150249A
JPH10150249A JP8308845A JP30884596A JPH10150249A JP H10150249 A JPH10150249 A JP H10150249A JP 8308845 A JP8308845 A JP 8308845A JP 30884596 A JP30884596 A JP 30884596A JP H10150249 A JPH10150249 A JP H10150249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
solder
wiring board
pad
printed wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8308845A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Goto
彰彦 後藤
Motoo Asai
元雄 浅井
Norio Niki
礼雄 仁木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP8308845A priority Critical patent/JPH10150249A/ja
Priority to US08/931,364 priority patent/US6217987B1/en
Priority to EP07006712A priority patent/EP1802186B1/en
Priority to EP97116093A priority patent/EP0844809B1/en
Priority to EP07006711A priority patent/EP1796446B1/en
Priority to SG1997003432A priority patent/SG73469A1/en
Priority to MYPI97004321A priority patent/MY116975A/en
Priority to CN200710180830A priority patent/CN100596254C/zh
Priority to CNB971186448A priority patent/CN1150079C/zh
Priority to CN2007101808294A priority patent/CN101262738B/zh
Priority to CNB2004100319193A priority patent/CN100401190C/zh
Priority to KR1019970047663A priority patent/KR100277838B1/ko
Publication of JPH10150249A publication Critical patent/JPH10150249A/ja
Priority to KR1020000036966A priority patent/KR100330277B1/ko
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線板の量産性を確保しつつ、ヒー
トサイクル時には、ソルダーレジスト層の剥離やはんだ
バンプの剥離を有効に防止できる、実装信頼性に優れた
プリント配線板を提案すること。 【解決手段】 導体回路を形成した配線基板に対し、そ
の表面にソルダーレジスト層を設けると共にこのソルダ
ーレジスト層に設けた開口部から露出する前記導体回路
の一部をパッドとして形成し、そのパッド上にはんだ体
を供給保持してなるプリント配線板において、前記パッ
ド表面を粗化層とし、前記開口部から露出した前記パッ
ド部上に、少なくとも表面に非酸化性の金属を有する金
属層を設け、この金属層を介して前記はんだ体を保持し
たことを特徴とするプリント配線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部品実装もしくは
基板搭載のために予めパッド上にはんだ体が供給保持さ
れたプリント配線板に関し、特に、ヒートサイクルによ
ってソルダーレジスト層の剥離が生じにくく、しかも前
記パッド上に保持されたはんだ体が剥離しにくいという
点で実装信頼性に優れたプリント配線板を提案するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリント配線板には、その最表
層部にソルダーレジスト層が形成されている。このソル
ダーレジスト層は、表層に露出した導体回路を保護する
機能と、電子部品を実装するパッド表面に供給されるは
んだ体(例えば、はんだバンプ)のはんだ流出やはんだ
ブリッジを防ぐダムとしての機能を持つものである。
【0003】このようなソルダーレジスト層を形成する
ための樹脂組成物としては、例えば特開昭63−286841号
(USP4902726号)公報に開示されているような、エポキ
シアクリレートとイミダゾール硬化剤をセロソルブアセ
テートに溶解させ、その粘度を 0.1〜0.2 Pa・sに調整
したソルダーレジスト組成物などが用いられている。
【0004】しかしながら、上記ソルダーレジスト組成
物として、ノボラック型エポキシアクリレートを基本成
分とするソルダーレジスト組成物を使用すると、このよ
うなソルダーレジスト層は、ヒートサイクルによって剥
離が生じやすいという問題があった。
【0005】また一方で、部品実装の高密度化に適した
従来技術としては、配線基板に設けたパッド上にはんだ
バンプを配設し、このはんだバンプとICチップとを接
合するフリップチップ実装という手法が知られている。
【0006】このフリップチップ実装は、配線基板の実
装表面にパッドを含む導体回路を形成したのち、該パッ
ド上に、ソルダーレジストを介してそのレジスト開口部
にはんだを供給してはんだバンプを形成し、その後、こ
のはんだバンプをリフロー処理することにより、はんだ
バンプとICチップ(電子部品)との電気的な接続を果
たす技術である。
【0007】しかしながら、このフリップチップ実装
は、樹脂絶縁材層の上に導体回路が永久レジストを介し
て直接形成されるアディティブプリント配線板に適用す
ると、ヒートサイクル時に、はんだバンプがパッド表面
から剥離しやすいという問題があった。
【0008】なお、本願の出願人は、先にソルダーレジ
スト層の剥離を防止できる技術として、ソルダーレジス
ト層との密着性に優れた金属パッドを有するプリント配
線板を提案した(特願平7−68656 号公報参照)。この
提案にかかる技術は、金属パッドの表面を粗化して、そ
の上に銅層を形成し、さらにその上に銅のスズ置換めっ
き、スズ不均化めっきを行い、さらに鉛の置換めっきを
行う、無電解めっきによるはんだ体の形成方法である。
【0009】しかしながら、この提案にかかる技術は、
時間およびコストがかかり、量産性に問題があった。ま
た、このような銅層の表面は、酸化しやすく純粋な金属
面を保つことが難しいので、その表面が酸化すると、は
んだ濡れ性が低下し、はんだ転写法やはんだ印刷法など
の量産に適した方法によりはんだを形成することは困難
であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
抱える上述した各種問題を解消するためになされたもの
である。その目的は、はんだ体の形成をはんだ転写法や
はんだ印刷法にて実現してプリント配線板の量産性を確
保しつつ、ヒートサイクル時には、ソルダーレジスト層
の剥離やはんだバンプの剥離を有効に防止できる、実装
信頼性に優れたプリント配線板を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け鋭意研究を行った結果、以下に述べるような
知見を得た。即ち、前述の特開昭63−286841号公報に記
載の樹脂組成物は、剛直骨格を持つ樹脂であるために、
フレキシビリティーに欠ける。そのため、この樹脂組成
物をソルダーレジスト組成物として使用すると、このよ
うなソルダーレジスト層は、ヒートサイクルによって金
属(導体層)との熱膨張率差を吸収できず、剥離に及ぶ
と考えられる。
【0012】また、アディティブプリント配線板は、ガ
ラスクロスを用いるサブトラクティブ多層プリント配線
板と異なり、樹脂絶縁材層の上にパッドを含む導体回路
が直接形成された配線基板である。このようなプリント
配線板において、はんだ体が配設される配線基板表層部
の熱膨張率は、樹脂絶縁材層の熱膨張率に支配される。
そのため、はんだ体が配設される配線基板表層部とその
はんだ体を介して実装されるICチップとの熱膨張率差
は、ヒートサイクルによって非常に大きくなり、はんだ
体は、大きな応力がかかってパッド表面から剥離すると
考えられる。
【0013】本発明は、このような知見に基づいて提案
されたものであり、その要旨構成は以下のとおりであ
る。 (1) 導体回路を形成した配線基板に対し、その表面にソ
ルダーレジスト層を設けると共にこのソルダーレジスト
層に設けた開口部から露出する前記導体回路の一部をパ
ッドとして形成し、そのパッド上にはんだ体を供給保持
してなるプリント配線板において、前記パッド表面を導
電性の粗化層とし、前記開口部から露出した前記パッド
部上に、少なくとも表面に非酸化性の金属を有する金属
層を設け、この金属層を介して前記はんだ体を保持した
ことを特徴とするプリント配線板である。 (2) 導体回路を形成した配線基板に対し、その表面にソ
ルダーレジスト層を設けると共にこのソルダーレジスト
層に設けた開口部から露出する前記導体回路の一部をパ
ッドとして形成し、そのパッド上にはんだ体を保持して
なるプリント配線板において、前記導体回路の表面を導
電性の粗化層とし、前記開口部から露出した前記導体回
路の一部を構成する前記パッド部上に、少なくとも表面
に非酸化性の金属を有する金属層を設け、この金属層を
介して前記はんだ体を保持したことを特徴とするプリン
ト配線板である。
【0014】(3) 上記(1) または(2) に記載のプリント
配線板において、前記パッドの全表面または一部表面が
前記開口部内に露出していることが望ましい。 (4) なお、上記(1) 〜(3) に記載のプリント配線板にお
いて、導電性の粗化層は、厚みが 0.5〜7μmの範囲内
であること、また、銅−ニッケル−リンからなる合金層
であることが望ましい。 (5) 上記(1) 〜(3) に記載のプリント配線板において、
前記配線基板は、表面が粗化処理された樹脂絶縁材層上
にめっきレジストが形成され、そのめっきレジストの非
形成部分に導体回路が形成されたものであることが望ま
しい。 (5) 上記(1) 〜(3) に記載のプリント配線板において、
前記金属層は、ニッケル層および金層からなること、あ
るいは銅層、ニッケル層および金層からなることが望ま
しい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のプリント配線板は、ソル
ダーレジスト層が形成される最表層部の導体回路の表面
に導電性の粗化層が形成されている点に特徴がある。こ
れにより、導体回路表面の粗化層がアンカーとして作用
し、導体回路とソルダーレジスト層が強固に密着する。
それ故、ソルダーレジスト層は、樹脂成分としてノボラ
ック型エポキシ樹脂のような剛直骨格を持つ樹脂を使用
した場合でも層間剥離が生じにくく、ノボラック型エポ
キシ樹脂に限らずどのような樹脂でも使用することがで
きる。
【0016】本発明のプリント配線板は、はんだ体が少
なくとも表面に非酸化性の金属を有する金属層上に形成
され、この金属層とパッドが、導電性の粗化層を介して
強固に密着している点に他の特徴がある。はんだ体は、
はんだの表面張力のため、フラックスを塗布した配線基
板表面にはんだパターンを形成したキャリアフィルムを
積載し加熱して転写する転写法、あるいは配線基板表面
にはんだクリームをパターン状に印刷する印刷法によ
り、パッド上に設けた粗化層表面に密着性良く形成する
ことは困難である。この点、本発明におけるはんだ体
は、「ニッケル−金」、「銅−ニッケル−金」などの少
なくとも表層に非酸化性の金属層を有する金属層を介し
て粗化層に保持されているので、はんだ体の形成をはん
だ転写法やはんだ印刷法などの量産に適する方法にて実
施しても、実装用パッドとの密着性に優れるのである。
それ故に、フリップチップ実装(ICチップを直接搭載
する実装形態)を行った場合でも、はんだ体は、はんだ
体が形成される配線基板表層部とそのはんだ体を介して
実装されるICチップとの熱膨張率差によって、パッド
から剥離することはない。また、前記粗化層は、導体電
性であるが故にはんだ体を形成しても除去する必要がな
い。それゆえ工程が簡単である。
【0017】本発明のプリント配線板は、はんだ体を保
持するパッドがソルダーレジスト層に設けた開口部から
露出していることが必要である。この露出の程度は、
パッドの一部表面が前記開口部から露出していてもよ
く、またパッドの全表面が露出していてもよい。
【0018】パッドの一部表面がソルダーレジスト層の
開口部から露出している上記の形態では、当該パッド
の残部表面はソルダーレジスト層にて被覆されている。
それ故、このパッドのソルダーレジスト層と接する面
は、前記開口部から露出したパッドの表面に金めっきを
施す際に、塩基性あるいは酸性のめっき液に浸食されや
すい。この点、本発明によれば、パッドとソルダーレジ
スト層は粗化層を介して強固に密着しているので、この
ような液中でもソルダーレジスト層と金属パッドとの密
着性は低下しない。
【0019】また、アディティブプリント配線板では、
パッドを含む導体回路は、めっきレジストの非形成部分
に形成される。そのため、めっきレジストと金属パッド
との熱膨張率差により、めっきレジストと金属パッドと
の境界部分の樹脂絶縁材層(無電解めっき用接着剤層)
にクラックが発生しやすい。この点、本発明にかかる上
記の形態によれば、ソルダーレジスト層がめっきレジ
ストと金属パッドとの界面を被覆し、しかも、金属パッ
ドとソルダーレジスト層は粗化層を介して強固に密着し
ているので、金属パッドとめっきレジストの界面近傍で
のクラックの発生を防止できる。
【0020】一方、パッドの全表面がソルダーレジスト
層の開口部から露出している上記の形態では、前記開
口部が金属パッドよりも大きく、特にアディティブ配線
板の場合には、金属パッドだけでなくその周囲のめっき
レジストも開口部から露出する。この点で、上記の形
態によれば、めっきレジストとソルダーレジスト層がは
んだの流出を防止することができる。
【0021】また、ソルダーレジスト層は、通常、感光
性樹脂を塗布、乾燥した後、フォトマスクフィルムを載
置して露光、現像処理して形成される。上記の形態に
よれば、金属パッドの径よりもソルダーレジスト層の開
口径の方が大きいため、フォトマスクフィルムの位置ず
れが生じてもソルダーレジスト層によって金属パッドが
被覆されにくくなる。
【0022】さらに、上記の形態によれば、金属パッ
ドの径よりもソルダーレジスト層の開口径の方が大きい
ため、はんだ体をはんだバンプとした場合、そのはんだ
バンプは、ソルダーレジスト層に接触せずくびれが発生
しない。その結果、上記の形態によれば、はんだバン
プにくびれが存在する際にこのくびれが原因となって発
生するはんだバンプのクラックを防止することができ
る。
【0023】このような本発明のプリント配線板におい
て、前記粗化層は、その厚さが 0.5〜7μmであること
が望ましい。厚すぎても薄すぎてもソルダーレジスト層
やはんだ体との密着性が低下するからである。
【0024】前記導電性の粗化層は、導体回路表面をエ
ッチング処理、研磨処理、酸化還元処理あるいはめっき
処理して形成される。なかでも、酸化還元処理、めっき
処理がよい。複雑な粗化形状が得られるからである。特
に、前記粗化層は、銅−ニッケル−リンからなる合金層
であることが望ましい。この合金層は針状結晶層であ
り、ソルダーレジスト層との密着性に優れるからであ
る。また、この合金層上にはんだ体を形成しても電気導
電率には大きな変化がないからである。
【0025】前記合金層の組成は、銅、ニッケル、リン
の割合で、それぞれ90〜96wt%、1〜5wt%、 0.5〜2
wt%であることが望ましい。これらの組成割合のとき
に、針状の構造を有するからである。
【0026】本発明のプリント配線板において、配線基
板は、表面が粗化処理された樹脂絶縁材上にめっきレジ
ストが形成され、そのめっきレジストの非形成部分にパ
ッドを含む導体回路が形成された、いわゆるアディティ
ブプリント配線板、ビルドアッププリント配線板である
ことが望ましい。本発明は、これらの配線基板にはんだ
体を供給したプリント配線板において、ヒートサイクル
によって生じるはんだ体の剥離やソルダーレジスト層の
剥離を抑制できる構成を提案するものだからである。
【0027】本発明では、上記配線基板を構成する樹脂
絶縁材層として無電解めっき用接着剤を用いることが望
ましい。この無電解めっき用接着剤は、硬化処理された
酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸ある
いは酸化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散され
てなるものが最適である。
【0028】上記無電解めっき用接着剤において、特に
硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、平均粒
径が10μm以下の耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が2μ
m以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が2〜
10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下
の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも
1種を付着させてなる疑似粒子、から選ばれるいずれか
少なくとも1種を用いることが望ましい。これらは、よ
り複雑なアンカーを形成できるからである。
【0029】本発明のプリント配線板において、前記非
酸化性の金属としては、貴金属が望ましく、具体的には
金や銀、白金、パラジウムなどがある。非酸化性の金属
上にはんだ体を形成するため、該はんだ体との密着性に
優れるのである。また、少なくとも表層に非酸化性の金
属を有する前記金属層は、パッドに近い側から順に「ニ
ッケル−金」あるいは「銅−ニッケル−金」とした層で
あることが望ましい。特に、ニッケル層と金層からなる
金属層は、膜厚1〜7μmのニッケル層と膜厚0.01〜0.
06μmの金層からなることが望ましい。
【0030】ここで、ニッケル層と金層からなる上記金
属層において、ニッケル層は、パッド側に設けた粗化層
(例えば、銅−ニッケル−リンからなる針状合金層)と
の密着性を改善し、一方、金層ははんだ体との密着性を
改善する。上記ニッケル層の膜厚は、パッド側に設けた
粗化層の針状構造の凹凸を緩和してはんだ体を形成しや
すくするために、1〜7μmとすることが望ましい。ま
た一方では、金層の厚さを抑制して粗化層の針状構造を
緩和しすぎないようにしている。
【0031】本発明のプリント配線板において、ソルダ
ーレジスト層の厚さは、5〜30μmとすることが望まし
い。薄すぎるとソルダーのダムとしての効果が低下し、
厚すぎるとソルダーレジストの現像処理がしにくいから
である。このソルダーレジスト層としては、「ノボラッ
ク型エポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾール硬化剤
からなる、グリコールエーテル系溶剤に溶解されたソル
ダーレジスト組成物であって、その粘度が25℃で1〜10
Pa・sであることを特徴とするソルダーレジスト組成
物」を用いることが望ましい。
【0032】このような構成のソルダーレジスト層は、
鉛のマイグレーション(鉛イオンがソルダーレジスト層
内を拡散する現象)が少ないという利点を持つ。しか
も、このソルダーレジスト層は、ノボラック型エポキシ
樹脂のアクリレートをイミダゾール硬化剤で硬化した樹
脂層であり、耐熱性、耐アルカリ性に優れ、はんだが溶
融する温度(200 ℃前後)でも劣化しないし、ニッケル
めっきや金めっきのようなめっき液で分解することもな
い。しかしながら、このようなソルダーレジスト層は、
剛直骨格を持つ樹脂で構成されるので剥離が生じやす
い。本発明のプリント配線板は、このようなソルダーレ
ジスト層の剥離を防止できる構成を提案するものであ
る。
【0033】ここで、上記ノボラック型エポキシ樹脂の
アクリレートとしては、フェノールノボラックやクレゾ
ールノボラックのグリシジルエーテルを、アクリル酸や
メタクリル酸などと反応させたエポキシ樹脂などを用い
ることができる。
【0034】上記イミダゾール硬化剤は、25℃で液状で
あることが望ましい。液状であれば均一混合できるから
である。このような液状イミダゾール硬化剤としては、
1-ベンジル−2-メチルイミダゾール(品名:1B2MZ )、
1-シアノエチル−2-エチル−4-メチルイミダゾール(品
名:2E4MZ-CN)、4-メチル−2-エチルイミダゾール(品
名:2E4MZ )を用いることができる。このイミダゾール
硬化剤の添加量は、上記ソルダーレジスト組成物の総固
形分に対して1〜10重量%とすることが望ましい。この
理由は、添加量がこの範囲内にあれば均一混合がしやす
いからである。
【0035】上記ソルダーレジスト組成物は、溶剤とし
てグリコールエーテル系溶剤を使用しているので、この
ような組成物を用いたソルダーレジスト層は、遊離酸素
が発生せず、銅パッド表面を酸化させない。また、人体
に対する有害性も少ない。このようなグリコールエーテ
ル系溶剤としては、下記構造式のもの、特に望ましく
は、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMD
G)およびトリエチレングリコールジメチルエーテル
(DMTG)から選ばれるいずれか少なくとも1種を用
いる。これらの溶剤は、30〜50℃程度の加温により反応
開始剤であるベンゾフェノンやミヒラーケトンを完全に
溶解させることができるからである。 CH3O-(CH2CH2O) n −CH3 (n=1〜5) このグリコールエーテル系溶剤は、ソルダーレジスト組
成物の全重量に対して10〜40wt%がよい。
【0036】以上説明したようなソルダーレジスト組成
物には、その他に、各種消泡剤やレベリング剤、耐熱性
や耐塩基性の改善と可撓性付与のために熱硬化性樹脂、
解像度改善のために感光性モノマーなどを添加すること
ができる。さらに、ソルダーレジスト組成物には、色素
や顔料を添加してもよい。配線パターンを隠蔽できるか
らである。この色素としてはフタロシアニングリーンを
用いることが望ましい。
【0037】添加成分としての上記熱硬化性樹脂として
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができ
る。このビスフェノール型エポキシ樹脂には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型のエポキ
シ樹脂があり、耐塩基性を重視する場合には前者が、低
粘度化が要求される場合(塗布性を重視する場合)には
後者がよい。
【0038】添加成分としての上記感光性モノマーとし
ては、多価アクリル系モノマーを用いることができる。
多価アクリル系モノマーは、解像度を向上させることが
できるからである。例えば、下記(1)(2)に示すような構
造の多価アクリル系モノマーが望ましい。ここで、下記
(1) は日本化薬製のDPE−6Aであり、下記(2) は共
栄社化学製のR−604である。
【0039】
【化1】
【0040】
【化2】
【0041】次に、本発明にかかるプリント配線板を製
造する一方法について説明する。 (1)まず、コア基板の表面に内層銅パターンを形成した
配線基板を作製する。このコア基板への銅パターンの形
成は、銅張積層板をエッチングして行うか、あるいは、
ガラスエポキシ基板やポリイミド基板、セラミック基
板、金属基板などの基板に無電解めっき用接着剤層を形
成し、この接着剤層表面を粗化して粗化面とし、ここに
無電解めっきを施して行う方法がある。さらに必要に応
じて、上記配線基板に無電解めっき用接着剤層を形成
し、この層にバイアホール用開口を設け、その層表面を
粗化し、ここに無電解めっきを施して銅パターンとバイ
アホールを形成する工程を繰り返して多層化した配線基
板とすることができる。なお、コア基板には、スルーホ
ールが形成され、このスルーホールを介して表面と裏面
の配線層を電気的に接続することができる。
【0042】(2)次に、前記 (1)で作製した配線基板の
上に、層間樹脂絶縁材層を形成する。特に本発明では、
層間樹脂絶縁材として前述した無電解めっき用接着剤を
用いることが望ましい。
【0043】(3)前記(2) で形成した無電解めっき用接
着剤層を乾燥した後、必要に応じてバイアホール形成用
開口を設ける。感光性樹脂の場合は、露光,現像してか
ら熱硬化することにより、また、熱硬化性樹脂の場合
は、熱硬化したのちレーザー加工することにより、前記
接着剤層にバイアホール形成用の開口部を設ける。
【0044】(4)次に、硬化した前記接着剤層の表面に
存在するエポキシ樹脂粒子を酸あるいは酸化剤によって
溶解除去し、接着剤層表面を粗化処理する。ここで、上
記酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、あるいは蟻酸や酢
酸などの有機酸があるが、特に有機酸を用いることが望
ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出す
る金属導体層を腐食させにくいからである。一方、上記
酸化剤としては、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガ
ン酸カリウムなど)を用いることが望ましい。
【0045】(5)次に、接着剤層表面を粗化した配線基
板に触媒核を付与する。触媒核の付与には、貴金属イオ
ンや貴金属コロイドなどを用いることが望ましく、一般
的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用す
る。なお、触媒核を固定するために加熱処理を行うこと
が望ましい。このような触媒核としてはパラジウムがよ
い。
【0046】(6)次に、触媒核を付与した配線基板にめ
っきレジストを形成する。めっきレジスト組成物として
は、特にクレゾールノボラックやフェノールノボラック
型エポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾール硬化剤か
らなる組成物を用いることが望ましいが、他に市販品を
使用することもできる。
【0047】(7)次に、めっきレジスト非形成部に無電
解めっきを施し、パッドを含む導体回路、ならびにバイ
アホールを形成してプリント配線板を製造する。ここ
で、上記無電解めっきとしては、銅めっきを用いること
が望ましい。
【0048】(8)次に、導体回路の表面に導電性の粗化
層を形成する。ここで、酸化還元処理による粗化層は、
NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/l)、Na3PO4(6g
/l)を酸化浴(黒化浴)、NaOH(10g/l)、NaBH4
(5g/l)を還元浴として形成する。また、銅−ニッ
ケル−リン合金層による粗化層を形成する場合は、この
合金層は無電解めっきにより析出させる。この合金の無
電解めっきとしては、硫酸銅1〜40g/l、硫酸ニッケ
ル 0.1〜6.0 g/l、クエン酸10〜20g/l、次亜リン
酸塩10〜100 g/l、ホウ酸10〜40g/l、界面活性剤
0.01〜10g/lからなる液組成のめっき浴を用いること
が望ましい。
【0049】(9)次に、前記(8) の処理を終えたプリン
ト配線板の両面に、ソルダーレジスト組成物を塗布す
る。特に本発明では、図2に示すように、プリント配線
板の両面にソルダーレジスト層を塗布する際に、前記プ
リント配線板を垂直に立てた状態でロールコータの一対
の塗布用ロールのロール間に挟み、下側から上側へ搬送
させて基板の両面にソルダーレジスト組成物を同時に塗
布することが望ましい。この理由は、現在のプリント配
線板の基本仕様は両面であり、カーテンコート法(樹脂
を滝のように上から下へ流し、この樹脂の”カーテン”
に基板をくぐらせて塗布する方法)では、片面しか塗布
できないからである。前述したソルダーレジスト組成物
は、両面同時に塗布する上記方法のために使用できる。
即ち、前述したソルダーレジスト組成物は、粘度が25℃
で1〜10Pa・sであるため、基板を垂直に立てて塗布し
ても流れず、また転写も良好である。
【0050】図2に示すように、ここで用いられるロー
ルコータには、塗布面側で各ロールと接触するドクター
バーが設けられている。このドクターバーは、各ロール
との間でソルダーレジスト組成物を溜めておく受け部を
形造っている。ロールの表面は、ゴムあるいはウレタン
などの樹脂で構成され、この樹脂表面には回転方向に無
数の細かな溝が形成されている。このため、ロールが回
転すると、受け部に溜められたソルダーレジスト組成物
がロールの溝の中に入り込み、さらにこの組成物が基板
に接触すると基板側に転写されて基板へのソルダーレジ
スト組成物の塗布が行われる。
【0051】(10)次に、ソルダーレジスト組成物の塗膜
を60〜80℃で5〜60分間乾燥し、この塗膜に、開口部を
描画したフォトマスクフィルムを載置して露光、現像処
理することにより、導体回路のうちパッド部分を露出さ
せた開口部を形成する。このようにして開口部を形成し
た塗膜を、さらに80℃〜150 ℃で1〜10時間の熱処理に
より硬化させる。これにより、開口部を有するソルダー
レジスト層は導体回路の表面に設けた粗化層と密着す
る。ここで、前記開口部の開口径は、パッドの径よりも
大きくすることができ、パッドを完全に露出させてもよ
い。この場合、フォトマスクがずれてもパッドがソルダ
ーレジストで被覆されることはなく、またソルダーレジ
ストがはんだ体に接触せず、はんだ体にくびれが生じな
いため、はんだ体にはクラックが発生しにくくなる。逆
に、前記開口部の開口径は、パッドの径よりも小さくす
ることができ、この場合、パッド表面の粗化層とソルダ
ーレジストが密着する。
【0052】(11)次に、前記開口部から露出した前記パ
ッド部上に「ニッケル−金」の金属層あるいは「銅−ニ
ッケル−金」の金属層などの少なくとも表層に非酸化性
の金属を有する金属層を形成する。ここで、銅めっきと
しては、例えば、銅イオン、トリアルカノールアミン、
還元剤、pH調製剤からなる無電解めっき液が適してお
り、具体的には、硫酸銅などをイオン源とする銅イオン
濃度が 0.005〜0.015mol/l、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどのpH調整剤の濃度が0.25〜0.35 mol/
l、アルデヒド、次亜リン酸塩、水素化ホウ素塩、ヒド
ラジンなどの還元剤の濃度が0.01〜0.04 mol/l、トリ
エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミンおよびトリプロパノールアミンから選
ばれるいずれか少なくとも1種からなるトリアルカノー
ルアミンの濃度が 0.1〜0.8mol/lの無電解めっき液を
用いることが望ましい。
【0053】ニッケルめっきや金めっきとしては、神戸
徳蔵 著、槇書店発行、「NPシリーズ 無電解めっ
き」(1990年9月30日発行)の第13頁〜64頁および第84
頁〜87頁にかけて記載されている種々の無電解めっき液
を用いることができる。例えば、無電解ニッケルめっき
としては、塩化ニッケル20〜40g/l、次亜リン酸ナト
リウム5〜20g/l、ヒドロキシ酢酸ナトリム40〜60g
/l(もしくはクエン酸ナトリウム5〜20g/l)、温
度90℃、pH=4〜6に調整した無電解ニッケルめっき
浴を用いることができる。また、無電解金めっきとして
は、シアン化金カリウム1〜3g/l、塩化アンモニウ
ム70〜80g/l、クエン酸ナトリウム40〜60g/l、次
亜リン酸ナトリウム5〜20g/l、温度92〜95℃、pH
=7〜7.5 に調整した無電解金めっき浴を用いることが
できる。
【0054】本発明では、厚みが0.5 〜7μmである銅
−ニッケル−リンの合金粗化層にニッケルめっきを施す
場合には、ニッケル層の厚みを1〜7μmにすると、前
記粗化層は、ほぼニッケル層で充填されてその表面がほ
ぼ平坦になる。そして、この平坦なニッケル層の表面に
金めっきを0.01〜0.06μmの厚さでめっきすることが望
ましい。なお、厚みが0.5 〜7μmである銅−ニッケル
−リンの合金粗化層に、銅めっき、ニッケルめっき、金
めっきを順に施して厚みが1〜7μmの金属層を形成す
ることも可能である。
【0055】(12)次に、前記開口部から露出した前記パ
ッド部上にはんだ体を供給する。はんだ体の供給方法と
しては、はんだ転写法や印刷法を用いることができる。
ここで、はんだ転写法は、プリプレグにはんだ箔を貼合
し、このはんだ箔を開口部分に相当する箇所のみを残し
てエッチングすることによりはんだパターンを形成して
はんだキャリアフィルムとし、このはんだキャリアフィ
ルムを、基板のソルダーレジスト開口部分にフラックス
を塗布した後、はんだパターンがパッドに接触するよう
に積層し、これを加熱して転写する方法である。一方、
印刷法は、パッドに相当する箇所に貫通孔を設けたメタ
ルマスクを基板に載置し、はんだペーストを印刷して加
熱処理する方法である。
【0056】
【実施例】
(実施例1) (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマ
レイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μ
mの銅箔2がラミネートされてなる銅張積層板を出発材
料とした(図1(a) 参照)。この銅張積層板の銅箔2を
常法に従いパターン状にエッチングすることにより、基
板1の両面に内層銅パターン3を形成した(図1(b) 参
照)。
【0057】(2) 前記(1) で内層銅パターン3を形成し
た基板を水洗いし、乾燥した後、その基板を酸性脱脂し
てソフトエッチングし、次いで、塩化パラジウムと有機
酸からなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、こ
の触媒を活性化した後、硫酸銅8g/l、硫酸ニッケル
0.6g/l、クエン酸15g/l、次亜リン酸ナトリウム
29g/l、ホウ酸31g/l、界面活性剤 0.1g/l、p
H=9からなる無電解めっき浴にてめっきを施し、銅導
体回路3の全表面にCu−Ni−P合金の厚さ 2.5μmの粗
化層(凹凸層)を形成した。そしてさらに、その基板を
水洗いし、0.1mol/lホウふっ化スズ−1.0mol/lチオ
尿素液からなる無電解スズ置換めっき浴に50℃で1時間
浸漬し、前記Cu−Ni−P合金粗化層の表面に厚さ 0.3μ
mのスズ置換めっき層を形成した。
【0058】(3) DMDG(ジエチレングリコールジメ
チルエーテル)に溶解したクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化
物を70重量部、ポリエーテルスルフォン(PES)30重
量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4M
Z-CN)4重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン
変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東
亜合成製、商品名:アロニックスM325 )10重量部、光
開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)5重量
部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)0.
5 重量部、さらにこの混合物に対してエポキシ樹脂粒子
の平均粒径 5.5μmのものを35重量部、平均粒径 0.5μ
mのものを5重量部を混合した後、NMP(ノルマルメ
チルピロリドン)を添加しながら混合し、ホモディスパ
ー攪拌機で粘度12Pa・sに調整し、続いて3本ロールで
混練して感光性接着剤溶液(層間樹脂絶縁材)を得た。
【0059】(4) 前記(3) で得た感光性接着剤溶液を、
前記(2) の処理を終えた基板の両面に、ロールコータを
用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で
30分間の乾燥を行い、厚さ60μmの接着剤層4を形成し
た。
【0060】(5) 前記(4) で接着剤層4を形成した基板
の両面に、バイアホールが描画されたフォトマスクフィ
ルムを載置し、紫外線を照射して露光した。 (6) 露光した基板をDMTG(トリエチレングリジメチ
ルエーテル)溶液でスプレー現像することにより、接着
剤層4に 100μmφのバイアホールとなる開口を形成し
た。さらに、当該基板を超高圧水銀灯にて3000mJ/cm2
で露光し、 100℃で1時間、その後 150℃で5時間にて
加熱処理することにより、フォトマスクフィルムに相当
する寸法精度に優れた開口(バイアホール形成用開口
5)を有する厚さ50μmの接着剤層4を形成した。な
お、バイアホールとなる開口5には、スズめっき層を部
分的に露出させる。
【0061】(7) 前記(5) (6) でバイアホール形成用開
口5を形成した基板を、クロム酸に2分間浸漬し、接着
剤層4表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去し
て、当該接着剤層の表面を粗化し、その後、中和溶液
(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした(図1(c)
参照)。
【0062】(8) 前記(7) で粗面化処理(粗化深さ20μ
m)を行った基板に対し、パラジウム触媒(アトテック
製)を付与することにより、接着剤層4およびバイアホ
ール用開口5の表面に触媒核を付与した。
【0063】(9) DMDGに溶解させた60重量%のクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポ
キシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー
(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに溶解
させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油
化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬
化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)1.6 g、感光性
モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、商
品名:R604 )3g、同じく多価アクリルモノマー(共
栄社化学製、商品名:DPE6A )1.5 gを混合し、混合液
Aを調製した。一方で、光開始剤としてのベンゾフェノ
ン(関東化学製)2g、光増感剤としてのミヒラーケト
ン(関東化学製)0.2 gを40℃に加温した3gのDMD
Gに溶解させて混合液Bを調製した。上記混合液Aと上
記混合液Bを混合攪拌して液状レジスト組成物を得た。
【0064】(10)上記(8) で触媒核付与の処理を終えた
基板の両面に、上記液状レジスト組成物をロールコータ
ーを用いて塗布し、60℃で30分の乾燥を行い、厚さ30μ
mのレジスト層を形成した。
【0065】(11)前記レジスト層にパターンが描画され
たマスクを積層し、紫外線を照射して露光した。 (12)前記(11)で露光した後、レジスト層をDMTGで溶
解現像し、基板上に導体回路パターン部の抜けためっき
レジスト6を形成し、さらに、これを超高圧水銀灯にて
6000mJ/cm2 で露光した。そしてさらに、このめっきレ
ジスト6を、 100℃で1時間、その後、 150℃で3時間
にて加熱処理することにより、前記接着剤層4の上に形
成した永久レジスト6とする。
【0066】(13)永久レジスト6を形成した基板に、予
め、めっき前処理(具体的には硫酸処理等および触媒核
の活性化)を施し、その後、硫酸銅 8.6mM、トリエタ
ノールアミン0.15M、ホルムアルデヒド0.02M、ビピル
ジル少量からなる無電解銅めっき浴による銅めっきを行
い、レジスト非形成部に厚さ15μm程度の無電解銅めっ
きを析出させて、外層銅パターン3、バイアホール7を
形成することにより、アディティブ法による導体層を形
成した(図1(d) 参照)。 (14)ついで、導体層を形成した基板を、硫酸銅8g/
l、硫酸ニッケル 0.6g/l、クエン酸15g/l、次亜
リン酸ナトリウム29g/l、ホウ酸31g/l、界面活性
剤 0.1g/lからなるpH=9の無電解めっき液に浸漬
し、該導体層の表面に銅−ニッケル−リンからなる粗化
層8を形成した(図1(e) 参照)。
【0067】(15)一方、DMDGに溶解させた60重量%
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)
のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴ
マー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに
溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾー
ル硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)1.6 g、感
光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬
製、商品名:R604 )3g、同じく多価アクリルモノマ
ー(共栄社化学製、商品名:DPE6A ) 1.5g、分散系消
泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71gを混合
し、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾ
フェノン(関東化学製)を2g、光増感剤としてのミヒ
ラーケトン(関東化学製)を0.2 g加えて、粘度を25℃
で 2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得
た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL-B
型)で 60rpmの場合はローターNo.4、6rpm の場合はロ
ーターNo.3によった。
【0068】(16)(14)までの工程で得た基板を、垂直に
立てた状態で図2に示すロールコーター9の一対の塗布
用ロール10間に挟み、該基板の表面に前記(15)で得たソ
ルダーレジスト組成物を2回塗布し、厚さ20μmの樹脂
層を形成した。ここで、1回目の塗布では75℃,20分間
の乾燥を行い、2回目の塗布では75℃,30分間の乾燥を
行った。 (17)次いで、前記基板の表面に樹脂層を形成した後、該
樹脂層を1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG現像処理
した。さらに、80℃で1時間、 100℃で1時間、 120℃
で1時間、 150℃で3時間の条件で加熱処理し、パッド
部分が開口した(開口径 200μm)ソルダーレジスト層
(厚み20μm)12を形成した(図1(f) 参照)。
【0069】(18)次に、ソルダーレジスト層12を形成し
た基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸ナトリウ
ム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lからなるpH
=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口
部に厚さ5μmのニッケルめっき層13を形成した。さら
に、その基板を、シアン化金カリウム2g/l、塩化ア
ンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次
亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液
に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層13上
に厚さ0.03μmの金めっき層14を形成した(図1(g) 参
照)。 (19)そして、ソルダーレジスト層12の開口部に、はんだ
ペーストを印刷して 200℃でリフローすることによりは
んだバンプSLを形成し、はんだバンプSLを有するプリン
ト配線板15を製造した(図1(h) 参照)。
【0070】(実施例2) (1) 本実施例は、(14)の粗化処理の後、(13)の無電解銅
めっきにて厚さ3μmの銅層を形成し、ついで実施例1
と同様にニッケル層、金層を順次に形成し、その後、は
んだ転写法によりはんだバンプを形成したこと以外は実
施例1と同様にして、はんだバンプを有するプリント配
線板を製造した。なお、はんだ転写法は、プリプレグに
はんだ箔を加熱加圧して貼りつけ、これをホウフッ酸で
エッチングしてはんだパターン形成し、フラックスを塗
布した基板にパッドとはんだパターンが接触するように
積層し、 200℃で加熱してはんだを転写する方法であ
る。
【0071】(比較例1)基本的に実施例1と同様であ
るが、(14)の粗化処理を実施せずに、はんだバンプを有
するプリント配線板を製造した。
【0072】(比較例2)基本的に実施例2と同様であ
るが、銅−ニッケル−リンの粗化層の上に銅層を形成
し、ここにニッケル層と金層を形成せずに、はんだ転写
法によりはんだバンプを形成した。しかしながら、本比
較例において、上記銅層の表面は、空気中の酸素と結合
して酸化膜が形成され、はんだとの濡れ性が悪くなる。
その結果、銅層表面に供給されたはんだは、銅層表面で
球状になり、洗浄で簡単に脱落してしまい、はんだ体を
形成することはできなかった。
【0073】実施例1、2ならびに比較例1で製造した
プリント配線板に関し、−55〜125℃で1000回のヒート
サイクル試験を実施し、光学顕微鏡によりソルダーレジ
スト層の剥離の有無を確認した。また、Ga−Asからなる
ICチップを実装し、−65℃〜125 ℃で1000回のヒート
サイクル試験を実施し、はんだバンプの剥がれの有無を
確認した。なお、ICチップを実装した後、ICチップ
およびプリント配線板との接続部分はシリコン樹脂で封
止されるのが一般的であるが、本発明の効果を顕著に確
認するために、樹脂封止を実施しなかった。
【0074】その結果を表1に示す。この表に示す結果
から明らかなように、本発明にかかるプリント配線板の
構成によれば、ヒートサイクル試験における、ソルダー
レジスト層の剥離やはんだバンプの剥離を共に防止する
ことができた。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプリント配
線板によれば、はんだ体の形成をはんだ転写法やはんだ
印刷法にて実現してプリント配線板の量産性を確保で
き、しかも、その量産性を損なうことなく、ヒートサイ
クル時には、ソルダーレジスト層の剥離やはんだバンプ
の剥離を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプリント配線板の一製造工程を
示す図である。
【図2】(a) は本発明にかかるソルダーレジストの塗布
工程を示す図であり、(b) はその塗布工程に用いる塗布
用ローラーの表面構造を示す図である。
【図3】本発明にかかるプリント配線板のパッド部分の
断面図であり、(a) は請求項3にかかるパッド形態、
(b) は請求項4にかかるパッド形態における図である。
【符号の説明】
1 基板 2 銅箔 3 導体回路(内層銅パターン,外層銅パターン) 4 接着剤層 5 バイアホール形成用開口 6 めっきレジスト(永久レジスト) 7 バイアホール 8 粗化層 9 ロールコーター 10 塗布用ローラー 11 ドクターバー 12 ソルダーレジスト層 13 ニッケルめっき層 14 金めっき層 15 プリント配線板 SL はんだ体(はんだバンプ)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体回路を形成した配線基板に対し、そ
    の表面にソルダーレジスト層を設けると共にこのソルダ
    ーレジスト層に設けた開口部から露出する前記導体回路
    の一部をパッドとして形成し、そのパッド上にはんだ体
    を供給保持してなるプリント配線板において、 前記パッド表面を導電性の粗化層とし、前記開口部から
    露出した前記パッド部上に、少なくとも表面に非酸化性
    の金属を有する金属層を設け、この金属層を介して前記
    はんだ体を保持したことを特徴とするプリント配線板。
  2. 【請求項2】 導体回路を形成した配線基板に対し、そ
    の表面にソルダーレジスト層を設けると共にこのソルダ
    ーレジスト層に設けた開口部から露出する前記導体回路
    の一部をパッドとして形成し、そのパッド上にはんだ体
    を供給保持してなるプリント配線板において、 前記導体回路の表面を導電性の粗化層とし、前記開口部
    から露出した前記導体回路の一部を構成する前記パッド
    部上に、少なくとも表面に非酸化性の金属を有する金属
    層を設け、この金属層を介して前記はんだ体を保持した
    ことを特徴とするプリント配線板。
  3. 【請求項3】 前記パッドの全表面が前記開口部内に露
    出していることを特徴とする請求項1または2に記載の
    プリント配線板。
  4. 【請求項4】 前記パッドの一部表面が前記開口部内に
    露出していることを特徴とする請求項1または2に記載
    のプリント配線板。
  5. 【請求項5】 前記導電性の粗化層は、厚みが 0.5〜7
    μmの範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のプリント配線板。
  6. 【請求項6】 前記導電性の粗化層は、銅−ニッケル−
    リンからなる合金層である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のプリント配線板。
  7. 【請求項7】 前記配線基板は、表面が粗化処理された
    樹脂絶縁材層上にめっきレジストが形成され、そのめっ
    きレジストの非形成部分に導体回路が形成されたもので
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント配線
    板。
  8. 【請求項8】 前記金属層は、ニッケル層および金層か
    らなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント配
    線板。
  9. 【請求項9】 前記金属層は、銅層、ニッケル層および
    金層からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリ
    ント配線板。
JP8308845A 1996-11-20 1996-11-20 プリント配線板 Pending JPH10150249A (ja)

Priority Applications (13)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8308845A JPH10150249A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 プリント配線板
US08/931,364 US6217987B1 (en) 1996-11-20 1997-09-16 Solder resist composition and printed circuit boards
EP07006712A EP1802186B1 (en) 1996-11-20 1997-09-16 Printed circuit board
EP97116093A EP0844809B1 (en) 1996-11-20 1997-09-16 Solder resist composition and printed circuit boards
EP07006711A EP1796446B1 (en) 1996-11-20 1997-09-16 Printed circuit board
SG1997003432A SG73469A1 (en) 1996-11-20 1997-09-16 Solder resist composition and printed circuit boards
MYPI97004321A MY116975A (en) 1996-11-20 1997-09-17 Solder resist composition and printed circuit boards
CN200710180830A CN100596254C (zh) 1996-11-20 1997-09-18 印刷电路板
CNB971186448A CN1150079C (zh) 1996-11-20 1997-09-18 抗焊剂组成物与印刷电路板
CN2007101808294A CN101262738B (zh) 1996-11-20 1997-09-18 印刷电路板
CNB2004100319193A CN100401190C (zh) 1996-11-20 1997-09-18 印刷电路板
KR1019970047663A KR100277838B1 (ko) 1996-11-20 1997-09-19 솔더레지스트조성물및프린트배선판
KR1020000036966A KR100330277B1 (ko) 1996-11-20 2000-06-30 솔더레지스트 조성물 및 프린트배선판

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8308845A JPH10150249A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 プリント配線板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10150249A true JPH10150249A (ja) 1998-06-02

Family

ID=17985976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8308845A Pending JPH10150249A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 プリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10150249A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100536036B1 (ko) * 1999-04-13 2005-12-12 후지쯔 가부시끼가이샤 반도체 장치
JP2008118162A (ja) * 2008-01-29 2008-05-22 Ibiden Co Ltd プリント配線板
JP2010028145A (ja) * 1998-07-08 2010-02-04 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010028145A (ja) * 1998-07-08 2010-02-04 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法
JP4511626B2 (ja) * 1998-07-08 2010-07-28 イビデン株式会社 多層プリント配線板の製造方法
KR100536036B1 (ko) * 1999-04-13 2005-12-12 후지쯔 가부시끼가이샤 반도체 장치
JP2008118162A (ja) * 2008-01-29 2008-05-22 Ibiden Co Ltd プリント配線板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0844809B1 (en) Solder resist composition and printed circuit boards
USRE43509E1 (en) Printed wiring board and method for manufacturing the same
JPH11307687A (ja) パッケージ基板
JPH10229272A (ja) プリント配線板
JPH10150249A (ja) プリント配線板
JP3253873B2 (ja) プリント配線板
JP3220419B2 (ja) 多層プリント配線板
JPH10247783A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP3853142B2 (ja) ソルダーレジスト組成物およびプリント配線板の製造方法
JPH10247784A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP4167325B2 (ja) プリント配線板
JP4136084B2 (ja) プリント配線板
JPH10190224A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JPH10261869A (ja) 多層プリント配線板
JP4037526B2 (ja) ソルダーレジスト組成物およびプリント配線板
JPH10242639A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP3224211B2 (ja) ソルダーレジスト組成物およびプリント配線板
JP2000010276A (ja) ソルダーレジスト組成物およびプリント配線板
JP3469214B2 (ja) ビルドアップ多層プリント配線板
JPH10242638A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JPH11214828A (ja) プリント配線板およびその製造方法
JP3459767B2 (ja) プリント配線板
JP2007227959A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP3995794B2 (ja) 無電解めっき用接着剤およびプリント配線板
JPH10242640A (ja) プリント配線板